JP026 ウトナイ湖・勇払原野(うとないこ・ゆうふつげんや)
北海道:苫小牧市、安平町、厚真町
位置 | N 42°39′ E 141°45′ |
面積 | 7,200ha |
環境構成【開放水面/湿性草原/樹林/農耕地】
写真:中村聡
勇払原野は、火山灰の降灰により堆積した泥炭層に形成された湿原であり、湖沼にはマコモ・ヒシなどの水生植物が繁茂し、その周辺にはヨシ・イワノガリヤスなどの草原やハンノキの低木林、さらにその周りにはコナラ・ミズナラの二次林が拡がっている。 ここはかつて釧路湿原にも匹敵する面積をほこる湿原であったが、干拓や都市開発などにより、現在は美々川・ウトナイ湖周辺にのみ原生環境を残している。 開放水面(ウトナイ湖 230ha、弁天沼 74ha)
選定理由
A4i | コハクチョウ、マガン、ヒシクイ、オオジシギ |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(ウトナイ湖)
<その他>
ラムサール条約登録湿地、東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地
保全への脅威
- 乾燥化による植生の変化、窒素の過剰流入、土砂流入
- 周辺の土地利用による孤立化
- 工業基地計画や新たな土地利用の変化(弁天沼周辺)
- アライグマ等の外来種
- 外来植物(特にオオアワダチソウやユウゼンギク)の分布拡大による植生の変化
- メガソーラー施設の整備および稼働
- CCS実験施設の整備
- 多量の降雨による河川の氾濫や洪水
- 将来的に予測される樽前山の噴火
- カメラマンやバードウォッチャーのマナー
- 苫小牧東部開発地域(苫東地域)の土地分譲や工場進出
- 新たな道路建設
保全活動
- 環境管理:実施者(日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリ)
内容:人工池の管理 - 外来種のコントロール:実施者(環境省、苫小牧市、日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリ)
内容:アライグマの駆除(環境省、苫小牧市)
オオアワダチソウの抜き取り(日本野鳥の会) - 環境教育活動:実施者(環境省、苫小牧市、日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリ)
内容:来訪者への自然解説(苫小牧市、日本野鳥の会)
自然観察会の開催(環境省、苫小牧市、日本野鳥の会)
小中学校の環境学習活動への対応(苫小牧市、日本野鳥の会)
工業高等専門学校の特別プログラム実施(日本野鳥の会) - 保全のための人材育成活動:実施者(苫小牧市、日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリ)
内容:レンジャー養成講座の開催(日本野鳥の会)
自然案内ボランティアの育成(苫小牧市、日本野鳥の会) - 法律制定、政策、規制:実施者(環境省、北海道、日本野鳥の会)
内容:国指定鳥獣保護区(特別保護地区)指定(環境省)
特定猟具使用禁止区域指定(北海道)
ウトナイ湖鳥獣保護区管理員(日本野鳥の会) - モニタリング調査:実施者(苫小牧市、日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリ)
内容:全域水鳥カウント調査(苫小牧市、日本野鳥の会)
ガン類個体数変動調査(苫小牧市、日本野鳥の会)
ハクチョウ類生息調査(苫小牧市、日本野鳥の会)
ウトナイ湖周辺地域鳥類調査(苫小牧市、日本野鳥の会) - その他 実施者(日本野鳥の会 ウトナイ湖サンクチュアリ)
千歳川放水路計画への反対運動(計画中止決定)
勇払原野保全プロジェクトによる現地調査と保全構想の提案
美々川自然再生技術検討懇談会への参画
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 649KB)