「野鳥保護区」で生命のにぎわいを守ろう!
絶滅危惧種の生息地が開発される前に、買い取りまたは協定によって確保し、立ち入りを制限した保護区にする――日本野鳥の会の「野鳥保護区」は、絶滅危惧種を迅速かつ恒久的に生態系ごと守る、強力な保護手段です。皆さまのご支援により、38年間で50か所まで増え、総面積は東京ディズニーランド78個分を超えました。しかし、野鳥保護区の設置はゴールではなくスタート。野鳥たちが安心して子育てできる環境を維持、回復していくために、さまざまな活動が必要です。
渡邊野鳥保護区フレシマ(203.7ha、北海道根室市/写真上)にくらす動植物たち
ここに営巣するタンチョウは1つがいですが、17種の希少種を含む118種の鳥類、27種の希少種を含む335種の植物が生息し、タンチョウとともに守られています。
皆さまのご支援で、日本最大の民間自然保護区に成長
日本には、野鳥たちの生息地を法的に守る、国立公園や鳥獣保護区の特別保護地区等があります。しかし、野鳥にとって重要な自然環境は国内に多数あり、対応に時間のかかる法の網ではカバーしきれません。日本野鳥の会は、1987年に競売に出されたタンチョウの繁殖地を確保して以降、すばやく対応できる民間の強みを活かすべく、法的に保護されていないタンチョウ・シマフクロウの営巣地や、小さくとも重要な生息地を確保し、野鳥保護区を設置する活動を本格化しました。2014年には総面積3,000haとなり、この10年でさらに約4,000haまで拡大した野鳥保護区で、現在、タンチョウ31つがい、シマフクロウ14つがいを守っています。
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野鳥保護区の設置後は、立ち入りを厳しく制限し、保護対象種の現状に適した環境管理活動を行なっています。国の保護地域と同等の管理レベルと生物多様性の高さが評価され、2023年10月には「渡邊野鳥保護区フレシマ」が、環境省が生物多様性回復の“切り札”と考える「自然共生サイト」の1つに認定されました。
認定証を受け取る上田会長
重要度が増す野鳥保護区ですが、その面積が拡大するほど、管理、調査、保護活動にかかるマンパワーと費用も増加しています。日本野鳥の会は創立90周年を迎え、ヨシ原で繁殖するタカの仲間「チュウヒ」の初の保護区設置も視野に入れ、野鳥保護区による生息地の保全を発展させていきます。ご支援をお願いします。
土地の買い取り以外にも、維持・管理にさまざまな業務が発生します。
皆さまのご支援が必要です。
ご寄付のお礼にオリジナルグッズをプレゼント中!
夏の新作は創立90周年記念「カムイの羽根しおりセット」「チュウヒ<ゆうひ>」(K18PGメッキ)です。
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野鳥保護区で活動するレンジャーたち
※シマフクロウ保護のための各活動は、環境省の認定を受け実施しています。
想いのつまった野鳥保護区で希少種を守る(松本潤慶チーフレンジャー)
実は野鳥保護区の設置でもっとも大切なのは、「話し合う」スキルです。地権者の方や地域の皆さまと時間をかけて話し合い、土地への想いや歴史をうかがいつつ、当会の考えをお伝えして、気持ちよく土地を譲っていただく。調査や巡回、維持管理でも、地域との関係は続いていきます。私たちはその土地の方々の歴史や気持ちを背負い、ご支援いただいた皆さまの想いを心に刻み、活動を進めています。
地域の未来をになう子どもたちと植樹活動
「ネイチャーポジティブ」をめざす「30by30」達成の“切り札”に
2030年までに生物多様性の損失をくい止め、回復させる――いわゆる「ネイチャーポジティブ(自然再興)」をめざして、国際社会は23の目標に取り組んでいます。その1つが、2030年までに陸と海の30%以上を保全する「30by30」(サーティバイサーティ)です。環境省は30by30達成のため、生物多様性の高い民有地等を「自然共生サイト」に認定し、保全地域を拡大する事業を立ち上げました。国内最大の民間自然保護区をもつ当会は、ネイチャーポジティブに貢献するため、有志連合「30by30アライアンス」の発起人として参加し、事業推進に協力しています。
チュウヒ(絶滅危惧ⅠB類)
わずかに残る繁殖地を開発から守るため、野鳥保護区の設置が急がれる(写真:岡田宇司)
この先の未来も「野鳥保護区」で生命のにぎわいを守り続けるため、
当会の自然保護活動に、ぜひご支援をお願いします。