子どもたちが作った、ヘラシギ保護を訴えるアニメーション『Journey of spoon-billed sandpiper』(旅するヘラシギ)が完成
スプーンのようなユニークなくちばしを持つヘラシギ(Spoon-billed Sandpiper)。生息環境の干潟の消失や狩猟の影響などで現在約300羽にまで減少し、環境省レッドリストの絶滅危惧IA類に指定されています。かつて国内の干潟ではほぼ全国的に記録されていましたが、現在では観察できる場所はごくわずかとなってしまいました。
このたび、香港バードウォッチング協会の依頼を受け、ヘラシギと湿地の保護を訴える国際環境教育事業”Journey of Spoon-billed Sandpiper”制作プロジェクトに協力しました。このプロジェクトは、ヘラシギの渡りをストーリーにしたモノクロの原画に、子どもたちが色を塗ってアニメーションを完成させるもので、渡りルート上8か国・500人の子どもが参加しました。世界各国の子どもたちからの「ヘラシギを守ろう!」というメッセージが込められたアニメーションをご覧ください。
『Journey of spoon-billed sandpiper』(旅するヘラシギ)
- 当会の呼びかけで、日本から東京都板橋区立前野小学校、石川県加賀市立三谷小学校の生徒がアニメの色塗りに参加しました。
- 完成したアニメーションは、6月にアラスカで開かれた東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ会議で紹介され、次いでカナダで開催されたバードライフ・インターナショナルの世界大会においても、参加した中国の中学生によるヘラシギ保護の緊急性の訴えとともに上映され、高い評価を受けました。
ロシアから韓国・日本・中国を経由して東南アジアに渡るヘラシギを守るには、国際的な連携が不可欠であり、渡りの中継地となる日本の役割は重要です。当会では今後も、ヘラシギをはじめ、渡り鳥の保護・普及活動に力を入れていきます。
日本の小学生が着色したシーン。仲間が捕獲されて悲しむヘラシギ。
「ヘラシギを守ろう」というメッセージを届ける、三谷小学校の子どもたち。