No.177 2018年12月号


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目次 ◆支部の動き
支部報 保護・調査記事関連トピックス
◆事務局からのお知らせなど
会員数

支部の動き

■支部報 保護・調査記事関連トピックス

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

NO.915

●2018/10-11 宮古
・シロハラクイナ岩手県確認2例目
・震災後初めてヤマセミ確認
・ニホンオオカミの最後(10/4岩手日報)
・カワウ問題
●2018/11 千葉県
・さんずいに酉(トリ)の話
・幕末の要塞野鳥の楽園に(9/8日本経済新聞)
・海鳥の9割に異物(9/24毎日新聞)
●2018/11 東京
・葛西海浜公園三枚洲
・東京都初記録、稀な記録の鳥たち(研究部野鳥記録委員会)
●2018/11 甲府
・メガソーラー発電の現状
・身近な3種の観察羽数周年変化について
●2018/9 福井県
・越前市のアオバト
・アオが鳴くと天気が悪くなる

●2018/10-11 宮古
・シロハラクイナ岩手県確認2例目
 5月、ペアのシロハラクイナが宮古市閉伊川河川敷で見られた。繁殖は確認できなかったが、10/30が終認。南西諸島では留鳥で、繁殖の北限は埼玉、新潟で、近年、北へ分布を広げている。岩手県では1993/5以来の2例目である。
(宮古「ミサゴの海」NO.262,P3)

・震災後初めてヤマセミ確認
 9/9の津軽石川河口探鳥会より。ヤマセミは東日本大震災以後、全く見られなくなっていた。川底が変わったため、餌が取れなくなったためらしい。この川で今回、7年ぶりにヤマセミが見られた。
(宮古「ミサゴの海」NO.262,P4)

・ニホンオオカミの最後(10/4岩手日報)
 宮古市在住の動物ノンフィクション作家、遠藤公男さんが新書「ニホンオオカミの最後」(山と渓谷社)を出している。オオカミは狼酒をはじめ、狼祭りで山人が畏敬の念を抱く存在であったが、放牧した牛馬を襲うようになり、次第にオオカミは守り神から仇になっていった。岩手県では1875年(明治8年)から6年間、賞金を出して、オオタカを捕殺した。県内55箇所の捕獲場所でのオオカミの足跡を辿っている。約140年前のオオカミ絶滅前後の貴重な記録である。
(宮古「ミサゴの海」NO.262,P7)

・カワウ問題
 岩手県内の河川漁協の稚魚食害が全域に拡大したため、ドローンを使ってカワウの巣にドライアイスを投入することになった。カワウは少し前まで幻の鳥で青森、関東地方、愛知にしかコロニーは無かった。川に多量の稚魚を放流していることが問題で、これがカワウの増加をもたらしていると言えそうだ。放流を止めればカワウも自然減少する。
(宮古「ミサゴの海」NO.262,P7)
 
●2018/11 千葉県
・さんずいに酉(トリ)の話
 日本酒で鳥の名前が付いた銘柄は鶴が断トツで、鷹、鳳、千鳥、鷺、鶯、鳩、鳰(ニオ)、雀、朱鷺、杜鵑、白鳥、烏、雷鳥、雁等がある。鳥名を付けた地ウイスキーも見る(ミサゴ、クマタカ:山梨県)。雀が付く銘柄はほぼ、全国にある。甘口は鶴、辛口は鷹が多い。参考:「日本酒全蔵元全銘柄」(主婦と生活社)
(千葉県「ほおじろ」NO.451,P7)

・幕末の要塞野鳥の楽園に(9/8日本経済新聞)
 1853年、ペリーの黒船が来航し、幕府がその脅威に備えて構築された砲台(台場)の内、残った第六台場に1990年代、新たな役割が与えられた。浜離宮恩賜庭園の改修工事で、そこにいたカワウが約2q先の第六台場に引っ越した。新地にカワウのおとり模型を置き、3年ほどで成功した(本部金井裕参与)。お台場海浜公園は2年後の東京五輪のトライアスロン会場になる。
(千葉県「ほおじろ」NO.451,P12)

・海鳥の9割に異物(9/24毎日新聞)
 世界的に問題視されるプラスチックごみの海洋汚染は既に40年ほど前、北海の海鳥にその兆候があった。最近は石油汚染ではなく、プラスチックが93%のフルマカモメの体内で見つかっている。フルマカモメは海面で魚を捕食するが、プラスチック片を誤飲した魚を介し体に取り込まれる。
(千葉県「ほおじろ」NO.451,P12〜13)

●2018/11 東京
・葛西海浜公園三枚洲
 9/27、東京都海上公園管理者との懇談会があった。それに先立ち、9/14、支部は東京都港湾局のアンケート調査に回答書を出した。同地はラムサール条約登録地で、隣接した葛西臨海公園には年間300万人が来園し、支部は1990年以来、同地で探鳥会を開催している。
(東京「ユリカモメ」NO.757,P10〜11)

・東京都初記録、稀な記録の鳥たち(研究部野鳥記録委員会)
 2017/3/19、葛西臨海公園でメジロガモオス1、東京都初記録。2018/2/6〜3/18、町田市薬師池公園でメジロガモオス1、東京都2例目。2017/11/6、大井埠頭中央公園でカササギ。2017/11〜2018/1、大田区の多摩川河川敷でチフチャフ、東京都3例目。2017/11/28、三宅島でアカマシコ、1931年の八丈島に次いで東京都2例目である。
(東京「ユリカモメ」NO.757,P16〜17)

●2018/11 甲府
・メガソーラー発電の現状
 2012/7から始まった産業用発電(10kW以上)の固定価格買取制度で、当初買取40円/kWhであったが、現在は18円まで下落しているが、認可後3年以内の発電開始の法律で、パネル設置の歯止めは予断を許さない。山梨県では開発面積15ha以上はアセス対象であるが、業者はこれ以下の面積で分割申請をして、アセスを免れている。
(甲府「カワセミ」NO.144,P2〜3)

・身近な3種の観察羽数周年変化について
 山梨県のスズメ、ムクドリ、ヒヨドリの観察羽数周年変化を調べた。どの種も5月には最少になり、スズメ、ムクドリは7月以降、数が増え、秋、冬は数が多い。ヒヨドリは10月の増加、4月に減少が見られるのは、渡り時期であろう。
(甲府「カワセミ」NO.144,P5)

●2018/9 福井県
・越前市のアオバト
 5/1、福井県越前市八ッ杉森林学習センター付近で5:00〜8:00の3時間でアオバトの声がICレコーダーに60回収録された。声紋分析から複数のアオバトが特定の方向から高密度で鳴いていた。ピークは6:00、6:40、7:00からの10分間の3回あった。ナトリウム摂取で海水吸引をするが、福井県では大野市打波川の鳩ヶ湯温泉が知られる。
(福井県「つぐみ」NO.187,P8〜9)

・アオが鳴くと天気が悪くなる
 青森県、愛媛県、大分県ではアオバトが鳴くと必ず天気が悪くなると言われている。和歌山県では「雨が降るからアオバトを鳴かすな」とある。アオバトは梅雨入り頃が繁殖期で、寂しく聞こえる鳴声からこのようなことわざが生まれたのであろう。
(福井県「つぐみ」NO.187,P10)


NO.916

●2018/11 札幌
・2018年カッコウ調査 
・鳥たちが命を謳歌する世界に
●2018/11 奥多摩
・青梅市の広報誌にサシバの渡りの記事(編集部)
●2018/11 大阪
・大阪のクマタカ1(大阪希少鳥類研究グループ)
・大阪のクマタカ2(大阪希少鳥類研究グループ)
・増えるオオバン(大阪市立自然史博物館学芸員)
●2018/11-12 鳥取県
・ヨタカ観察記
・バリアフリー探鳥会バードリスニング
●2018/11 香川県
・アサギマダラ
・シギ・チドリ観察
●2018/11 徳島県
・ちょっと気になる野鳥の和名ミヤコドリ
●2018/11 筑後
・ホウロクシギ(研究部)

●2018/11 札幌
・2018年カッコウ調査 
 6/15〜17、札幌市の10区内及び周辺で48箇所を調査した。計60羽のカッコウを確認した。石狩市12、東区11、白石区10、手稲区8、北区6、南区5等。
(札幌「カッコウ」NO.408,P8〜10)

・鳥たちが命を謳歌する世界に
 持続可能な開発目標SDGsは国連総会で採択され、2030年までの世界共通目標である。私はこの関係で普段、人間を相手にし、利害調整をしている。鳥たちの素晴らしさを伝えると同時に、平和な世界が必要であることに耳を傾けてみませんか。これらを破壊するものは戦争である。
(札幌「カッコウ」NO.408,P11)

●2018/11 奥多摩
・青梅市の広報誌にサシバの渡りの記事(編集部)
 10/15の「広報おうめ」の青梅市文化遺産のコーナーに、奥多摩支部が梅の公園でサシバの渡りの観察の様子が掲載された。この記事は支部の事務局長によるものである。
(奥多摩「多摩の鳥」NO>245,P21)

●2018/11 大阪
・大阪のクマタカ1(大阪希少鳥類研究グループ)
 大阪府のクマタカは嘗ては北部の箕面市、南部の岬町で巣や幼鳥の目撃情報がある。1957年、河内長野市のアカマツ林で雛が保護されたのが大阪のクマタカ繁殖初確認で、当時、このような低山での繁殖は驚きであった。現在、金剛・和泉葛城山系のクマタカ生息地は大阪府に15箇所、奈良県に5箇所、和歌山県に3箇所ある。育雛期間は11〜20箇月と長く、隔年繁殖が多いが、3年連続繁殖例もある。
(大坂「むくどり通信」NO.255,P4〜9)

・大阪のクマタカ2(大阪希少鳥類研究グループ)
 クマタカは冬季から繁殖が始まり、営巣地は日照時間、季節風の影響があるようである。金剛・和泉葛城山系では営巣谷は北側に開けたものが多く、営巣している斜面は西向きが多かった。6月の長雨で巣が重くなり巣が落ちる例もかなりある。営巣木位置は標高400前後が多く、700m以上、200m以下は無く、オオタカとは明らかに棲み分けが見られる。営巣木は当初はアカマツが多く、1990年代よりスギに移行している。枝先型の巣も多いのも、クマタカ独自の習性である。大阪府ではクマタカの巣間平均距離は3.6km(最短1.9km)で、隣と行動圏が重複しても、争いは見ない。産卵は常に1個であった。有害鳥獣で駆除され放置された死体を食べるためか、同地のクマタカは微増である。
(大坂「むくどり通信」NO.255,P10〜21)

・増えるオオバン(大阪市立自然史博物館学芸員)
 関西ではオオバンは1978年頃より琵琶湖で数百羽が越冬を始め、1979年には同湖で繁殖も始めた(橋本ほか 2013)。同湖での越冬数は2000年代に1万羽を超え、2015年には8万羽に達した(神山・加藤 2018)。2000年代に中国では越冬数が大きく減少し、越冬地が西日本に変わった可能性が高い。最近は琵琶湖から周辺に拡散しているようである。
(大坂「むくどり通信」NO.255,P22) 

●2018/11-12 鳥取県
・ヨタカ観察記
 鳥取市明治地区で過去に1度だけヨタカの声を聞いたことがある。これを頼りに6月、同地で8年ぶりにヨタカの声を聞いた。未明の4時頃から鳴き始め、30分程続く。6/14には2羽の鳴き交わしがあり、雌雄ともキョキョキョ・・・と鳴く。19:40〜20:00にも鳴いた例があり、ヨタカは地上数mを飛んでいた。ソングポストはほぼ決まっており、鳴き始めにフウワワワワと前奏の声が入る場合もある。7/30、親が幼鳥に餌を与える姿を見る。グゥワグゥワ・・・とカルガモに似た声があったが、ヨタカの幼鳥の声であった。
(鳥取県「銀杏羽」NO.160.P8〜9)

・バリアフリー探鳥会 バードリスニング
 6/10、大山下山キャンプ場で視覚障がい者向けに探鳥会を行った。今後、工夫すべき点を示す。一斉に静かに鳥の声を聴く時間帯を設ける。聞こえた声をタッチペンで再現復習する。蝕覚、味覚でも自然を楽しむ。雨への反応は視覚障がい者の方が鋭い。現場のトイレは使用できない。視覚障がい者から鳥の色の質問にどう対応するか。見えないから無理だろうではなく、見えないけどやってみようである。
(鳥取県「銀杏羽」NO.160.P11〜14)

●2018/11 香川県
・アサギマダラ
 紫雲出山で秋のタカの渡り時期に、アサギマダラも渡る。9/25〜10/10に多い。2017年のカウントでは計388頭を記録した。 県内ではアサギマダラの食草であるフジバカマを植え込み、そこで捕え、マーキングしているのは疑問である。
(香川県「かいつぶり」NO.418,P1)

・シギ・チドリ観察
 9/24、一宮海岸でシロチドリ36、ミユビシギ7、オバシギ6、メダイチドリ6、キアシシギ4、ハマシギ4、ソリハシシギ2、イソシギ1、チュウシャクシギ1等。
(香川県「かいつぶり」NO.418,P3)

●2018/11 徳島県
・ちょっと気になる野鳥の和名ミヤコドリ
 ミヤコドリの名前は奈良時代から古書に出てくる。この語源について定説は無いが、ユリカモメを指しているのかも、不詳なものが多い。一説に大伴家持が万葉集で詠んだ難波京の河にいた鳥が「ミヤコドリ(都鳥)」ともある。私はミヤコドリの語源はこの鳥の特徴ある赤い目にあると考える。古人は目赤鳥(めあかどり)と名付け、後世ミヤコドリに転訛したと考える。
(徳島県「野鳥徳島」NO.482,P10)

●2018/11 筑後
・ホウロクシギ(研究部)
 全世界で約3,200羽と言われ、著しく減少傾向にある。有明海の大授溺では少数が越冬している。日本沿岸、東シナ海を通る「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ」では、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでホウロクシギは絶滅危惧TB類であり、オオソリハシシギ、トウネン、コオバシギ、サルハマシギ、ミヤコドリ、タゲリは準絶滅危惧種(NT)になっている。
(筑後「まめわり」NO.209,P10)


NO.917

●2018/11 苫小牧
・鳥の卵(バードリサーチ)
●2018/11-12 群馬
・スマホを使わなくても
・鳥の羽毛
・ハクチョウへの餌付
●2018/11 南富士
・UTMF2019大会説明会(保護部)
・秋季シギ・チドリ調査(調査研究部)
・鳥を食べる
●2018/11 静岡
・第18回ライチョウ会議
●2018/11 岡山県
・何故「野鳥の会」に入るのか
・フラッグ付きソリハシシギ
●2018/11-12 島根県
・ 2018年秋のシギ・チドリの渡り
・新規風力発電事業と支部の対応

●2018/11 苫小牧
・鳥の卵(バードリサーチ)
 鳥の卵収集は「鳥卵学」と呼ばれ、18〜19世紀、ドイツや英国で興降した。卵殻の色は基本的に2つの色素から成り、青色系のビリベルジンと赤褐色系のプロトポルフィリンである。鳥の卵に色や模様があるのは隠蔽効果?個別識別?結論は出ていない。ウミガラスの卵は一方が極端に尖り、卵の転落防止、抱卵の効率化、雛が出てくる丸い側の衛生保持等が考えられる。ハヤブサが一時、DDTにより卵殻が薄くなり、絶滅危機になったのは知られている。卵収集で個体群が脅かされる種が出てきたので、現在はそれは禁止され、鳥卵学は存在しない。
(苫小牧「あおさぎ」NO.221,P4〜5)

●2018/11-12 群馬
・スマホを使わなくても
 9月、榛名湖畔で関東ブロック協議会があった。スマホでLINEやTwitter等のSNSを使う人もいる。スマホを全く使わない身で、SNSの問題には無関係と思っていたが、気をつけたいことがある。自分が何気なく話した情報を、聴いた人が意図的に多数に拡散させるかもしれない。何気なく撮られた自分の顔が分かる写真が、悪意の人が利用するかもしれない。スマホを使う人のマナーや良心に課すにしても、便利以外にこのような問題が生じる可能性があるのを知っておきたい。
(群馬「野の鳥」NO.350,P2)

・鳥の羽毛
 オオハクチョウの風切羽は約30枚で、小鳥類(19枚程度)より多い。尺骨に付く次列風切の枚数が多い。腹部の羽毛は密で、5cmの厚さがあり、水を通さない。ツグミの尾羽、風切羽は共にヒヨドリより2cm程短い。シメの風切羽の先端に変わった窪み(切り込み)がある(同じ科のウソ、イカルには無い)。
(群馬「野の鳥」NO.350,P5〜7)

・ハクチョウへの餌付
 日本各地では人の都合でハクチョウに餌付している。ハクチョウは本来、湖沼や河川の水辺に自生している植物の根、茎、葉を主食にしている。餌付のための給餌を止め、水辺の環境を整えることが大切である。田植えの要領でマコモの苗を植えては。現に、伊豆沼周辺では毎年、住民がマコモを植栽している。(2018/1/18 上毛新聞掲載)
(群馬「野の鳥」NO.350,P10)

●2018/11 南富士
・UTMF2019大会説明会(保護部)
 9/25、富士河口市でウルトラトレイル・マウントフジ2019大会の説明会があった。富士山を一周する100マイル(約170km)踏破レースを目指して、5年前から始まり、参加者は2400名を超える大きな大会である。数時間にわたり人の波が続き、自然環境へのインパクトが大きい。『野鳥の営巣期は開催を止めて欲しいー開催2019/5を2019/4にする。』『10月の開催を提案ー台風があり不可。』『野鳥繁殖調査すべきー環境省のトレラン検討会でその実施の指導は受けていない。』
(南富士「さえずり」NO.432,P4〜5)

・秋季シギ・チドリ調査(調査研究部)
 9/23、富士川河口で調査した。シロチドリ7、キアシシギ5、イソシギ、ハマシギ、トウネン、メダイチドリ各4、クサシギ、ダイゼン、コチドリ各1、計31羽。
(南富士「さえずり」NO.432,P5)

・鳥を食べる
 人は昔からツグミを食べていた。宮中にも「ツグミの儀」があり、ツグミが献上されていたが、今は全て廃止されている。スコットランドではライチョウは狩猟鳥で食べると美味しい。スコットランド人が「日本人はクジラを獲って食べるのはとんでもない」と言うが、「日本ではライショウは 保護鳥で食べない。文化の違いである」。ヤマシギは最も美味いが、殆ど見ない。日本ではツグミ、ライチョウは狩猟禁止鳥であるが、ヤマシギが狩猟鳥とは不思議である。
(南富士「さえずり」NO.432,P7〜8)

●2018/11 静岡
・第18回ライチョウ会議
 10/18、19、新潟県妙高市で開催された。支部は静岡ライチョウ研究会と出席した。主催者からは火打山では1952年にライチョウ10番程で、40年ほど安定していたが、6番に減り、頂上付近でしか見られなくなっているとある。ワークショップでは現場での保全活動、動物園での保全が報告された。環境省は動物園で育ったライチョウの野外放鳥はありえないとしている。将来は両保全方法の垣根が取れていくのでは。支部は生息南限である南アルプスのライチョウの定着、季節移動を報告した。
(静岡「野鳥だより」NO.460,P2〜4)

●2018/11 岡山県
・何故「野鳥の会」に入るのか
  バードウォッチングのグループが組織化されたものが「野鳥の会」である。対象の野鳥が減れば趣味が廃るのは否まない。他の趣味と異なり、野鳥を保護していく動きが出てくる。これには個人の話はなかなか受け付けてもらえないので、当然、人の数が多いほどよく、会員増加を目指すのもそのためである。野鳥保護への理解を深めて頂くために支部の探鳥会はオープンになっている。野鳥保護が理解されず、入会しなくても鳥の情報が取れると思う人には、会員になるメリットが打ち出せないか。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.229,P2)

・フラッグ付きソリハシシギ
 8/29、笠岡市で青/白のフラッグ付きソリハシシギ、8/31、同市で黒/黄のフラッグ付きソリハシシギが見られた。前者は宮城県亘理町鳥の海で放鳥、後者はカムチャッカ半島で放鳥されている。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.229,P9)

●2018/11-12 島根県
・ 2018年秋のシギ・チドリの渡り
 飯梨川で、8/29、10種、計40羽、多いものはトウネン17、イソシギ6、タカブシギ4等。9/24、11種、計45羽、多いのはイソシギ12、ハマシギ6、メダイチドリ6、オバシギ5、タシギ4等。
(島根県「スペキュラム」NO.186,P2)

・新規風力発電事業と支部の対応
 一定規模以上の設備計画は国の環境影響評価法により配慮書、方法書、準備書、評価書、報告書の作成が義務づけられている。現在、島根県で計画が進められている大規模風力発電は(仮称)島根風力発電事業と(仮称)新浜田ウインドファーム事業がある。これらの情報は努力しなければ手に入らない。一部は県境を跨ぎ、広島県側の住民の反対運動があり、広島県支部よりの問合せがあった。支部は本部と連名で意見書を出している。「動物の注目すべき生息地」とありながら、配慮書では「直接改変による重大な影響を回避または低減できる可能性が高い」としか記載なく、配慮書は不備である。
(島根県「スペキュラム」NO.186,P4〜5)


NO.918

●2018/12 オホーツク
・網走沖海鳥クルーズ
●2018/冬の巻 弘前
・羽根の話
・津軽地方の風力発電事業の現状
・2018年チゴハヤブサ繁殖調査
●2018/11-12 宮城県
・2018年秋シギ・チドリ類生息調査(調査・保護グループ)
・風力発電事業に対し意見書を提出
●2018/12 埼玉
・ミヤマガラスの気になる動向
●2018/11-12 広島県
・2018秋シギ・チドリ渡り調査
・民家で飼われていたハヤブサ
・キビタキがスズメと砂浴び
●2018/11-12 愛媛
・タゲリの保全(調査研究担当)
●2018/12 筑豊
・ハヤブサ(編集部)

●2018/12 オホーツク
・網走沖海鳥クルーズ
 11/18、支部で船をチャーターし、網走沖で海鳥を中心に57観察した。ウトウ570+、ハイイロミズナギドリ79、シロエリオオハム161+、ウミスズメ17、ウミガラス14、ミツユビカモメ206+等を見る。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.379.P8)

●2018/冬の巻 弘前
・羽根の話
 9/18の支部談話会より。上膊(じょうはく)風切、上膊雨覆、これらはスズメ目になく、水鳥にある。横斑、軸斑、無斑、内弁欠刻、外弁欠刻、羽柄の言葉を知る。大雨覆にある白い斑は幼鳥特有である。
(弘前「初列風切」NO.201,P5)

・津軽地方の風力発電事業の現状
 津軽半島日本海沿いに14箇所で風力発電所が稼働または計画されている。稼働中は1箇所で、竜飛風力発電所の5350KW×3基。建設中は3箇所で、2300kW×15基、3200kW×38基、2300kW×11基。計画中は10箇所で、3000kW×17基、3000kW×13基、3800kW×20基、3400kW×3基、4000kW×125〜250基、8000kW×60基、3600kW×5基、4000kW×125基、3000kW×17基、4300kW×15基である。全て実現すると津軽半島日本海沿に467基以上の風力発電風車が建つ。
(弘前「初列風切」NO.201,P6)

・2018年チゴハヤブサ繁殖調査
 弘前地方7箇所でチゴハヤブサの巣立ちを確認した。巣立ち雛数は2〜3羽。初認は4/19、終認は10/4であった。
(弘前「初列風切」NO.201,P8)

●2018/11-12 宮城県
・2018年秋シギ・チドリ類生息調査(調査・保護グループ)
 9/9を中心に、宮城県内の湖沼、干潟の10箇所を一斉調査した。沿岸部で29種、内陸部で16種、計34種のシギ・チドリが記録された。最大羽数は石巻工業港海岸でメダイチドリ57、トウネン58、鳥の海ではミユビシギ58、トウネン32、伊豆沼でタカブシギ16、タシギ11、ケリ11等であった。
(宮城県「雁」NO.292,P11〜12)

・風力発電事業に対し意見書を提出
 宮城県南部、七ヶ宿町と白石市での風力発電事業計画(七ヶ宿長老風力発電、白石市鉢森周辺、計3事業)に対し、支部は本部と連名で意見書を出した。猛禽類の生息状況の調査、野鳥の生息状況の把握、自然環境と生物多様性が失われないよう対応を求めた。
(宮城県「雁」NO.292,P14)

●2018/12 埼玉
・ミヤマガラスの気になる動向
 今季、ミヤマガラスの初認は10/26、越谷市の稲刈り後の田んぼであった。10月中旬には県北に現れていると聞く。ミヤマガラスはその飛び方に特徴がある。大集団で飛翔し、三々五々は無い。越谷市の久伊豆神社に2012年頃からミヤマガラスが塒に入り、近年は1000羽を越えていると言う。11/1、同神社上空で300羽前後のミヤマガラス、2群が見られた。
(埼玉「しらこばと」NO.417,P4)

●018/11-12 広島県
・2018秋シギ・チドリ渡り調査
 9/9前後、広島県内11箇所で調査した。17種、計496羽であった。内訳はシロチドリ95、ケリ81、ソリハシシギ76、キアシシギ62、タシギ61、イソシギ47、アオアシシギ15、コチドリ15、トウネン12等。
(広島県「森の新聞」NO.219,P2)

・民家で飼われていたハヤブサ
 9/5、広島県東部の民家で6年間、違法飼養されていたハヤブサが保護された。被疑者は70歳代の男。6年前、田圃で弱っているのを保護し。そのまま6畳間片隅でネットで仕切った狭い空間に押し込んでいた。県内の傷病鳥リハビリは民間施設の善意で行われている。
(広島県「森の新聞」NO.219,P4)

・キビタキがスズメと砂浴び
 2015/8/22の宮島の入浜で撮った写真にスズメの砂浴びにキビタキ2(内1は幼鳥)が混じっていた。キビタキの砂浴びは余り聞かない。
(広島県「森の新聞」NO.219,P8)

●2018/11-12 愛媛
・タゲリの保全(調査研究担当)
 1990年代、愛媛県内では100羽を超えるタゲリの群が見られた。2000年代以降は10羽以下の群で、地域によっては全く観察されないこともある。神奈川県では「湘南タゲリ米」販売で、農家とタイアップしている例がある。
(愛媛「コマドリ」NO.247,P2)

●2018/12 筑豊
・ハヤブサ(編集部)
 和名のハヤブサは「速い翼」から転じたとされる。南極大陸を除く全世界に約60種が生息し、亜種は世界に19種、日本にはハヤブサ、オオハヤブサ、シマハヤブサ、アメリカハヤブサの4亜種がいる。急降下の時、まぶたと瞳の間にある瞬膜で閉じて眼球を保護する。ハヤブサは古事記や日本書記にも登場し、約4000年前から中央アジアでハヤブサを使い鷹狩が始まり、日本にも伝わっている。参考:Wikipedia
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.490,P51)

(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)



事務局からのお知らせなど

■会員室より

■会員数

 12月3日の会員数は34,631人で、先月と比べ146人減少しました。11月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より43人少なくなっています。  会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。  11月の入会者数は130人で、前年同月の入会者数133人と比べ3人減少しました。また、11月の退会者数は173人で、前年同月の退会者数192人と比べ19人減少しました。

表1.11月の入会・退会者数

入会者数退会者数
個人特別会員 3人 10人
総合会員(おおぞら会員) 22人 45人
本部型会員(青い鳥会員) 35人 29人
支部型会員(赤い鳥会員) 55人 56人
家族会員 15人 33人
合計 130人 173人
年度累計 1259人

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。

■都道府県および支部別会員数
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2.都道府県別の会員数(12月3日現在)

都道府県会員数対前月差
北海道1667人-4人
青森県241人-1人
岩手県367人-1人
宮城県471人-3人
秋田県248人2人
山形県214人0人
福島県614人-2人
茨城県887人-2人
栃木県639人-2人
群馬県619人-6人
埼玉県2125人-12人
千葉県1599人1人
東京都4834人-28人
神奈川県3305人-10人
新潟県364人-6人
富山県202人-3人
石川県274人-3人
福井県222人-3人
山梨県262人-1人
長野県852人-5人
岐阜県463人-5人
静岡県1305人-9人
愛知県1522人-7人
三重県425人5人
滋賀県298人-2人
京都府804人-8人
大阪府2000人-5人
兵庫県1280人-2人
奈良県489人-1人
和歌山県186人-2人
鳥取県181人-2人
島根県169人-1人
岡山県560人-2人
広島県552人-3人
山口県374人-2人
徳島県315人1人
香川県190人0人
愛媛県353人-1人
高知県126人-1人
福岡県1294人-7人
佐賀県194人0人
長崎県206人0人
熊本県393人-1人
大分県223人-3人
宮崎県248人3人
鹿児島県320人-4人
沖縄県109人0人
海外11人0人
不明35人2人
全国34631人-146人

備考:不明は転居先が不明の会員を示します。

表3.支部別の会員数(12月3日現在)

都道府県会員数対前月差
オホーツク支部243人2人
根室支部80人0人
釧路支部157人-2人
十勝支部179人0人
旭川支部82人0人
滝川支部47人-2人
道北支部29人-1人
江別支部18人0人
札幌支部302人-5人
小樽支部65人1人
苫小牧支部161人2人
室蘭支部151人0人
函館支部23人0人
道南檜山59人0人
青森県支部135人-1人
弘前支部110人0人
秋田県支部237人2人
山形県支部199人-1人
宮古支部88人-1人
もりおか158人0人
北上支部102人-1人
宮城県支部438人-5人
ふくしま160人-1人
郡山支部163人0人
二本松11人0人
白河支部43人0人
会津支部55人1人
奥会津連合8人0人
いわき支部106人0人
福島県相双支部15人0人
南相馬14人0人
茨城県797人-2人
栃木619人-1人
群馬536人-5人
吾妻42人0人
埼玉1596人-6人
千葉県1028人4人
東京2774人-16人
奥多摩支部836人-6人
神奈川支部2304人-12人
新潟県273人-7人
佐渡支部31人0人
富山185人-1人
石川255人-3人
福井県214人-3人
長野支部451人-8人
軽井沢支部162人0人
諏訪支部230人-1人
木曽支部20人0人
伊那谷支部82人0人
甲府支部185人1人
富士山麓支部54人0人
東富士60人-1人
沼津支部159人-2人
南富士支部248人0人
南伊豆37人0人
静岡支部341人-2人
遠江396人-4人
愛知県支部1113人2人
岐阜465人-4人
三重364人3人
奈良支部441人-1人
和歌山県支部185人-4人
滋賀303人1人
京都支部772人-8人
大阪支部1901人-7人
ひょうご970人3人
鳥取県支部204人-4人
島根県支部155人-1人
岡山県支部527人0人
広島県支部482人-4人
山口県支部343人-5人
香川県支部153人0人
徳島県支部329人1人
高知支部113人-1人
愛媛329人-1人
北九州297人0人
福岡支部 569人-7人
筑豊支部241人2人
筑後支部161人-3人
佐賀県支部223人2人
長崎県支部190人-2人
熊本県支部392人0人
大分県支部216人-3人
宮崎県支部243人3人
鹿児島293人-3人
やんばる支部74人2人
石垣島支部19人1人
西表支部44人1人
 29664人-124人

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。


(会員室/佐藤ゆき乃)

支部ネット担当より

 冬至も過ぎ、今年も残すところあとわずかですね。いかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき有難うございます。
 ご多用な歳末の中、体調を崩されないようにお祈り申しあげます。皆さまよいお正月をお迎えください。


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支部ネット通信 第177号
◆発行
公益財団法人日本野鳥の会 2018年12月25日
◆担当
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