No.174 2018年9月号


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目次 ◆支部の動き
支部報 保護・調査記事関連トピックス
◆事務局からのお知らせなど
『Strix』 35号向け原稿募集のお知らせ
平成30年北海道胆振東部地震で被害を
 受けられた皆さまへ
連携団体(支部等)・代表者・事務局変更の
 お知らせ

平成30年7月豪雨への対応状況について
会員数

支部の動き

■支部報 保護・調査記事関連トピックス

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.904

●2018/8 千葉県
・アホウドリ小笠原に定着(6/9日本経済新聞)
・農薬はミツバチの天敵か(6/13西日本新聞)
●2018/8 神奈川
・シカの食害
・鳥の英名語尾にer、ingが付く鳥
・冬みず田んぼ(あしがら冬みず田んぼの会)
●2018/8 大阪
・カラスと人の関係
・カラスの枝落とし
・大阪城公園のカラス
●2017/12 兵庫
・神戸はタカ渡りルート
●2018/8 北九州
・カンムリウミスズメが直面している問題(宮崎県支部)

●2018/8 千葉県
・アホウドリ小笠原に定着(6/9日本経済新聞)
 アホウドリを聟島に移住させる取り組みが始まって10年、山階鳥類研究所の繁殖チームの活動は軌道に乗り、今後、地元で成鳥を見守ってもらうことを目指す。2012年までの5年間で70羽の雛を移送し、2016年には同雛オスが野生のメスと番になり3羽の雛が生まれている。今年2月、同島で2番目の番形成を確認している。繁殖チームは冷凍した魚をミンチにして親代わりに1日1回、雛に与えた。雛は巣立ち後4〜5箇月、親から餌を貰いその後、海に出て、3〜5年後に生まれた場所に戻って来る。
(千葉県「ほおじろ」NO.448,P12)

・農薬はミツバチの天敵か(6/13西日本新聞)
 ミツバチの失跡や大量死の原因とされるネオニコチノイド系農薬は、欧州では今春、一部成分が使用禁止になった。日本ではダニや病気の複合要因として、ミツバチの巣箱を退避させる指導のみである。農水省はその影響がある可能性を認めながら、稲作のカメムシ防除が重要としている。欧州では農薬を種に付着させ大型機械で撒くため、農薬の粉塵が巻き上がるので、日本とは差があるとしている。日本の無人ヘリコプターでの散布と、どの程度差があるのか。日本では残留基準を緩和して、新たな成分のものを認めるのは、世界の流れに逆行している。日弁連は2017/12、暫定的に使用禁止を求める意見書を農水省に出している。
(千葉県「ほおじろ」NO.448,P12〜13)

●2018/8 神奈川
・シカの食害
 シカの生息は標高1500m辺りが生息限界であったが、温暖化で高所まで進出している。南アルプスでも高山植物を守るため、8合目付近に鹿柵を設置している。シカの本来の生息地は平野部で、農地、市街地の拡大でシカは山間部に追いやられ、その山間部も天然林が伐採され、出現した草地でシカが増えた。しかし、杉が成長し、草地が減ると、荒れた里山へ降りてきて、農地に被害が出ている。この20年で狩猟者の高齢化もあり全国で、個体数は9倍増えたとされる。国は10年間で半減を目指している。ここ、丹沢では毒性の草(バイケイソウ、マルバダケブキ、テンナンショウ等)のみが覆っている状態である。これには山間部の荒れた植林地を、安定した天然林に戻していく長期的な政策が必要である。
(神奈川「はばたき」NO.555.P2〜3)

・鳥の英名語尾にer、ingが付く鳥
 warbler(震わせて囀る鳥)、woodpecker(木をつつく鳥)のように動作を示す動詞にerが付いている例は多い。その他erが付く鳥名は英語以外が語源であるものがある。ホオジロ(bunting)のbuntは角で突くの意で、鳥名は語源が異なるようである。ムクドリ(starling)も動詞+ingではない。鳥の英名はややこしい。
(神奈川「はばたき」NO.555.P4)

・冬みず田んぼ(あしがら冬みず田んぼの会)
 石川県の片野鴨池の「冬みず田んぼ」運動を手本に、足柄地区で冬期湛水田普及活動を行っている。冬期にカモの餌場提供、水田の雑草抑制効果で地元農家に協力を頂いている。
https://www.facebook.com/fuyumizutanbonokai/
(神奈川「はばたき」NO.555.P11〜12)

●2018/8 大阪
・カラスと人の関係
 縄文時代に既にカラスは人と犬と共に暮らしており、人間の残り物と排便を食べていた。シーボルトは「江戸はカラスの街」と書き、時代の長い間カラスは「道路清掃人」であった。現在ではカラスはゴミを荒らし、カラスの糞はコンクリート面に吸収されないため、都市住民はカラスが大嫌い。台湾では奥山にハシブトガラスがいるが、鉄の味がするとして忌避する。長野県でカラスを食べた人の記録にも、鉄の味が強すぎるとあった。
(大阪「むくどり通信」NO.254,P11)

・カラスの枝落とし
 既に本支部報2015/11号で大阪府の公園でカラスが実のついた枝を落とし、地上で実を食べる、実を食べた後、その枝を折って落とす、単に枝を落とす事例が報告されている。その後、交野市でも見られ、クスノキ、ナンキンハゼ等で見られている。
(大阪「むくどり通信」NO.254,P12)

・大阪城公園のカラス
 同公園のカラスは1995年頃、ハシボソガラスがハシブトガラスの3倍いたが、2002、3年頃ほぼ同じ比率になり、2015年にはハシブトがハシボソの30倍になり、ハシボソは珍鳥になっている。
(大阪「むくどり通信」NO.254,P13)

●2017/12 兵庫
・神戸はタカ渡りルート
 2017/9/21、西宮の甲山を1500羽を超えるタカが通過した記録がある。双眼鏡で見ると、1000m以上の上空目指して100羽以上のタカ柱が辛うじて見られた。
(兵庫「コウノトリ」Vol.221,P9)

●2018/8 北九州
・カンムリウミスズメが直面している問題(宮崎県支部)
 枇榔島でのカンムリウミスズメの第一の問題はカラスの営巣妨害で、カラスの営巣木の下に捕食した死体が多数ある。カラスの巣を落とすことにした。第二は釣り人が繁殖期に島に上陸する。門川町に上陸制限して貰っている。バーダーは同一個体を追い回さないこと。冠羽が立つのは緊張や警戒を示す。カンムリウミスズメは漁港にも入るので陸上から観察できる。
(北九州「北九州野鳥」NO.386,P12)


○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.905

●2018/9 埼玉
・カラアカハラ(野鳥記録委員会)
・山階鳥類研究所からのお知らせ
●2018/9 神奈川
・**トリ
・目にはさやかに見えねども
●2018/9 軽井沢
・カラ類(鳥追人)
●2018/1 岐阜
・ジョウビタキ2017(その1)
●2018/2 岐阜
・ジョウビタキ2017(その2)
・シジュウカラは文法を持つ鳥?(東濃ブロック)
●2018/7 岐阜
・ブッポウソウ保護増殖活動
●2018/9-10 広島県
・広島県のブッポウソウ
●2018/9 筑豊
・鳥名の由来雑学

●2018/9 埼玉
・カラアカハラ(野鳥記録委員会)
 5/6、秩父地方の山林で、カラアカハラのオスが撮影されたことが、山階鳥類研究所の専門員に確認された。5/11の朝日新聞にその記事が載り、支部としては客観的に信頼できる情報として、埼玉県内343種目の野鳥リストに追加した。本種は我国では主に日本海側で稀に記録される。
(埼玉「しらこばと」NO.414,P4)

・山階鳥類研究所からのお知らせ
 9/21〜26、11:00〜19:00、下村兼史生誕115周年-100年前にカワセミを撮った男写真展。於有楽町朝日ギャラリー(JR有楽町駅前マリオン11F)入場無料。9/29、13:30〜16:00、第20回山階芳麿賞記念シンポジウム「コウノトリ野生復帰と生物多様性の保全」、講演「日本の人と自然〜野生復帰から見えてくるもの」(兵庫県立コウノトリの郷)、於東京大学農学部弥生講堂、先着300名。
(埼玉「しらこばと」NO.414,P12)

●2018/9 神奈川
・**トリ
 ムクドリが付く鳥はコ〜、ホシ〜、ギン〜、カラ〜、シベリア〜、ホオジロ〜、バライロ〜等がいるが、他に〜ムクのようにトリが省略されているものもある。〜テリムク、〜ハイムク、〜クロムク等である。オガワコマドリはコマドリが付くが、ノゴマ、シマゴマ等はコマのみである。ヒヨドリの仲間は多くは〜ヒヨドリとなっている。ゴイサギに対し、ヨシゴイ、ミゾゴイ、ササゴイ等はサギが省略されている。ツルの仲間はタンチョウ以外語尾にツルが付いている。正確な鳥の和名は難しい。
(神奈川「はばたき」NO.556,P4)

・目にはさやかに見えねども
 藤沢市内でオオタカを20年程見ている。同地のオオタカ営巣成績が年々低下し、何故か気にしていた。同地の自然環境は見た目には殆ど変わっていない感じで、樹木は大きくなり、農耕地は放棄地が増え、農薬を使う機会が減り、生き物には良い環境になりつつあると思っていた。2001、2012、2017年に毎月1回、年12回のラインセンサスで、約2kmのルートで記録された野鳥総個体数を比較した。野鳥個体数が年々減りつつある傾向は止まっていない。野鳥を餌とするオオタカの営巣に影響していることは容易に想像できる。特にキジバトの減少は大きく影響しているのでは。ヒヨドリの個体数は増えているが、漂鳥性で秋に来て春に移動するものが多く、オオタカの営巣に余り寄与していない?野鳥が減っていることはそれを支える昆虫、蜘蛛等が減っている現場での実感に符合する。
(神奈川「はばたき」NO.556,P5)

●2018/9 軽井沢
・カラ類(鳥追人)
 シジュウカラ:日本では小笠原・大東諸島以外、四季を通じ見られるが、台湾では数年に1度程度の珍鳥である。この種は貯食しない。コガラ:よく似たハシブトガラは北海道のみで、コガラは尾羽の形状が丸っこい。 枝にぶら下がるのに適し、第一趾が長く、爪の湾曲が大きい。朽木に自分で穴を掘り、仕上げはメスが行う。10月に摂った食物の9割近くを貯食し、冬の食料の7割は秋に貯食したものと言われる。別名十二雀(ジュウニカラ)と言う。中国ではコガラとハシブトガラの分布が重なる地域がある。
(軽井沢「野鳥軽井沢」NO.426,P7)

●2018/1 岐阜
・ジョウビタキ2017(その1)
 高山市では2015年は3箇所で、ジョウビタキの繁殖を確認。2016年は15箇所(高山市東部のみ)。2017年は3/19、番確認、3/29、営巣地出入り確認、計31箇所で繁殖を確認した(高山市東部)。巣立ちは5/11〜8/14、雛数最大6羽を見ている。巣は住宅の換気扇フードやガレージに多かった。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.603,P5〜9)

●2018/2 岐阜
・ジョウビタキ2017(その2)
 6月、乗鞍岳畳平でジョウビタキ繁殖情報有り。下呂市で5〜7月、3箇所でジョウビタキ巣立ち(1〜2羽)あった。近年、全国各地でジョウビタキ繁殖確認が増えている。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.604,P8〜9)

・シジュウカラは文法を持つ鳥?(東濃ブロック)
 京都大学生態学センターの鈴木俊貴研究員によると、シジュウカラは約170種類の鳴き方、複数の鳴き声を組みあわせている可能性があるとしている。シジュウカラは天敵により警戒音を使い分けている。カラスに対し、親鳥は「チカチカ」と鳴き、それを聞いた雛は巣箱の奥に縮こまり、カラスの嘴が届かない態勢になる。
 ヘビの場合、親鳥は「ジャージャー」と鳴く。巣箱内にヘビが進入する恐れがあるので、雛は巣箱の外へ飛びだす。コガラが「ディ−ディ-」と鳴くと、シジュウカラはこうした声は出さないが、コガラと共にシジュウカラが集まってくる。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.604,P2)

●2018/7 岐阜
・ブッポウソウ保護増殖活動
 岐阜県では美濃市の洲原神社に国の天然記念物「ブッポウソウの飛来地」があったが、1970年代に見られなくなった。現在は飛騨市と白川村で僅かに生息している。飛騨市で10個、白川村では6個の巣箱を設置した。長野県では天龍村で巣箱に営巣している。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.609,P3)
 
●2018/9-10 広島県
・広島県のブッポウソウ
 ブッポウソウは広島県では樹木での営巣は殆どなく、主に木製電柱に営巣していた。1980〜1990年代にコンクリート製になり、営巣が減少した。その後、現在11の団体で保護活動し、巣箱掛けをし、2017年は595個の巣箱の内、421個で営巣した。特に三好市は273巣箱掛け、226で営巣した(広島県の46%を占める)。日本鳥類保護連盟広島県支部芦田川分会の過去10年間の調査で、巣箱内に残された糞の重さは雛1羽あたり100gで、それより1巣箱あたり3、4羽が巣立ったとする。「幻の青い鳥ブッポウソウ」(倉敷市自然史博物館 2014/5)によると、秋田県以南の日本海側、関東西部以西〜九州で過去に営巣記録があるが、100番以上繁殖するのは岡山県、広島県のみである。
(広島県「森の新聞」NO.218,P2〜5)

●2018/9 筑豊
・鳥名の由来雑学
 視覚障碍者の方より、鳥の鳴き声以外に、鳥の名の由来やその漢字に興味があるとあった。鳥の名の語尾にメやスが付く例(スズメ、ツバメ、カモメ、ウグイス、カラス、カケス等)があるが、語尾のメやスは鳥を表す接尾語とされるが、意外に少ない。平安時代、ウグイスの声を「ウウウウクヒ」とし、「う食い巣」 ともあり、「う」は群がり生える所を示し、「食い巣」は巣を作って棲むの意で、ウグイスのスはこれからきたのかも。カラスも鳴き声を「カラ」、「コロク」と聞き、 語尾のスはこれからきたのかも。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.487,P34〜35)


○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.906

●2018/9 オホーツク
・鳥名由来いろいろ
●2018/8-9 宮古
・ブッポウソウ宮古初記録
●2018/7 甲府
・コシアカツバメの繁殖分布状況
●2018/8 石川
・カルガモ木に登る
●2018/8 岐阜
・ワシミミズク(東濃ブロック)
●2018/9 滋賀
・サギのコロニー調査(保護研究部)
●2018/8 徳島県
・ちょっと気になる野鳥の和名ゴジュウカラ
●2018/9 徳島県
・ちょっと気になる野鳥の和名ノジコ
●2018/8 山口県
・日本クロツラヘラサギネットワーク報告会
●2018/8 佐賀県
・日本クロツラヘラサギネットワーク
・志田焼に描かれた鳥たち
・愛鳥週間佐賀県内2名表彰(6/5佐賀新聞)
●2018/9 長崎県
・諫早湾に飛来したトモエガモの大群

●2018/9 オホーツク
・鳥名由来いろいろ
 ウトウ:陸奥の方言で出崎をうとうと言い、嘴の基部が出っ張っているので、ウトウになった説。八戸では穴、洞をうとうと言い、この鳥が地上の穴を使うのでウトウになった説。ウ:語源ははっきりしていない。「浮」からの説、古事記、日本書記に産屋の屋根をウの羽で葺いたとあり、「産」からきたものかも。参考:「図説日本鳥名由来辞典」(柏書房 1993)
(オホーツク「ばあどこおる」NO.376,P8)

●2018/8-9 宮古
・ブッポウソウ宮古初記録
 7/13宮古市でブッポウソウが観察された。番でおり、1羽は送電線にとまり、空中の虫を何度も捕えた。岩手県では2000/6、遠野市で見られている。中国地方では水田地帯の橋や電柱に掛けた巣箱を良く利用し、長野県ではブナ林、関東では大木がある社寺林などにおり、生息場所が北上しているのか。
(宮古「ミサゴの海」NO.261,P2)

●2018/7 甲府
・コシアカツバメの繁殖分布状況
 山梨県内で調査した。確認は番数36、羽数80、繁殖巣数35、古巣99。繁殖は峡南地域(富士川、笛吹川)に多かった。
(甲府「カワセミ」NO.143,P4〜5)

●2018/8 石川
・カルガモ木に登る
 4/29、兼六園でカルガモ2羽が太い樹木の横枝にとまっていた。珍しい光景である。
(石川「石川の野鳥」NO.201,P7)

●2018/8 岐阜
・ワシミミズク(東濃ブロック)
 5/20、恵那市へ向かう途中、「となりのトトロ」に出てくるような、大きなミミズクを見る。ワシミミズクで、北海道、南千島で留鳥、冬鳥とあり、人が飼っていたもののようである。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.610,P2)

●2018/9 滋賀
・サギのコロニー調査(保護研究部)
 2008年の調査で、滋賀県内には24箇所のサギのコロニーがあった。現在、内12箇所が消滅したが、その殆どが人から追い出され、近くの別の場所に移動していた。10年後の2018年の調査では25箇所(アオサギ14、混成11)であった。サギのコロニー下部植生は放置されたマダケ等が生い茂り、人が入らない場所である。
(滋賀「におのうみ」NO.54,P14〜15)

●2018/8 徳島県
・ちょっと気になる野鳥の和名ゴジュウカラ
 ゴジュウカラの名前の由来はシジュウカラに似た鳥からとある。私には相似ているとは思えない。語源は古樹にあると考える。古人は古い樹木が多い山地に棲む鳥として「古樹カラ」と呼び、現在のゴジュウカラに転訛したと考える。
(徳島県「野鳥徳島」NO.479,P12)

●2018/9 徳島県
・ちょっと気になる野鳥の和名ノジコ
 ノジコは江戸時代より「のぢこ」として知られていた。しかし、その語源についての定説はない。私は野鵐(のしとど)にあると考える。鵐(シトド)はホオジロの古名で、野で見られる鳥として野鵐(のしとど)、それからノジコに転訛したと考える。
(徳島県「野鳥徳島」NO.480,P10)

●2018/8 山口県
・日本クロツラヘラサギネットワーク報告会
 7/16、山口市のきらら浜自然観察公園で開催された。参加者はクロツラヘラサギが越冬する九州、山口県の人、団体が多く、毎年7月に報告会、数年に1度国際シンポジウムを行っている。きらら浜自然観察公園を管理するNPO法人「野鳥やまぐち」は今年度からサントリー世界愛鳥基金の助成を受け、クロツラヘラサギの保護事業に乗り出している。山口県ではクロツラヘラサギの越冬数が毎年増加傾向にある。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.258,P3)

●2018/8 佐賀県
・日本クロツラヘラサギネットワーク
 7/16、同ネットワーク報告会が山口県立きらら浜自然観察公園で開催された。同公園ではクロツラヘラサギの保護・リハビリ施設を整備し、7月中に完成する。建設にあたり、サントリー世界愛鳥基金から740万円の支援を受けた。
(佐賀県「野鳥さが」NO.218,P4)

・志田焼に描かれた鳥たち
 嬉野市の古い陶磁器「志田焼」は戦後数年まで作られていた。大皿には鳥類が描かれている。嘗て、芸州(広島県)の江波焼と誤解されていた。「志田焼の里博物館」で見学できる。
(佐賀県「野鳥さが」NO.218,P13)

・愛鳥週間佐賀県内2名表彰(6/5佐賀新聞)
 5/10〜16の愛鳥週間に合わせて、「野生生物保護功労者」として佐賀県で2名が環境省と日本鳥類保護連盟より選ばれた。N氏は約30年間、県内のトンボ、淡水魚の調査研究保全活動をしてきた。「トンボ教室」「佐賀自然史研究会」を開いてきた。A氏は2000年から約5年間、八丈島でアカコッコの保護活動をし、2004年から佐賀県支部に入り、カササギ等の傷病鳥の保護に取り組み、愛鳥モデル校で観察会を行った。
(佐賀県「野鳥さが」NO.218,P17)

●2018/9 長崎県
・諫早湾に飛来したトモエガモの大群
 トモエガモはかつて普通に飛来していたが、食用にされ美味で激減し、絶滅危惧種までになっている。本種の飛来地は石川県の片野鴨池が有名で、ネットでは島根県で6千羽とあった。最近は長崎県では300羽程度が見られ、今期は諫早湾で初認10/30、終認3/25であった。「密度法」(10羽の群の塊の数がどの程度あるかから全体数推定)で、2/2、3万8千羽が推定された。2/9、海上を乱舞するトモエガモの写真をジャストシステムの統合グラフィックソフト「花子」に取り込み、10羽の塊に印をつけ、全体で12,136羽まで正確に確認できた。
(長崎県「つばさ」NO.369,P6〜11)

(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)


事務局からのお知らせなど

■自然保護室より

■『Strix』 35号向け原稿募集のお知らせ

 『Strix』(ストリクス、1982年創刊)は、当会が発行する野外鳥類学論文集で、会員の皆様による長年の調査研究や鳥類の生態、行動に関する観察、繁殖や飛来についての記録、自然保護活動の事例などを掲載している和文誌です。
 Strix編集部の上田恵介氏(編集長、当会副会長)、三上かつら氏(副編集長、バードリサーチ)による論文指導のもとで、多くの査読者や英文校閲者のご協力を得て発行しています。原著論文、短報、総説、論説(自然保護レポートを含む)に分かれ、原稿にはすべて匿名査読者による査読があります。
 現在、第35号(2019年6月予定)の発行に向けて、原稿を募集しています。皆様のお手元にあるデータを分析し、まとめていただき、ぜひStrixに投稿をいただければと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。Strixへの投稿は下記の投稿規程をご覧ください。
https://www.wbsj.org/activity/conservation/publications/strix/strix_rule/

【問い合わせ先】
日本野鳥の会自然保護室
TEL:03-5436-2633 Eメール:[email protected]

【原稿の送付先】
●Eメールの場合:[email protected]
●郵送の場合:141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル 日本野鳥の会自然保護室

(自然保護室/山本 裕)


■総務室より

■平成30年北海道胆振東部地震で被害を受けられた皆さまへ

 このたびの平成30年北海道胆振東部地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆さま、そのご家族の方々に対しましては、心よりお見舞い申し上げます。
 余震にくれぐれもお気をつけいただくとともに、被害にあわれた皆さま、避難生活を余儀なくされた皆さまの生活が、一日も早く通常に戻れますよう復興をお祈り申し上げます。
 また、多くの会員の皆さんから、北海道で活動するレンジャー、施設の状況についてご心配いただきました。幸いなことに、レンジャーは全員無事で、施設にも損傷はほとんどなく、9月13日現在、すでに通常勤務に戻っています。震源にもっとも近かったウトナイ湖サンクチュアリでは、駐車場の一部に小規模な亀裂ができる、展示物等の什器がずれる、一時電話が通じなくなるなどの被害がありましたが、これらはいずれも対応済みです。ただし、自然観察路が地震直前の台風による倒木でほぼ全面通行止めになるなど、ご利用にあたってご注意いただかなければならない箇所が残っています。復旧状況につきましては、レンジャーブログ「ウトナイ日記(http://wbsj-utonai.blog.jp/)」より発信しておりますので、ご利用前にご確認ください。鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ、春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター、野鳥保護区事業所では停電による業務中断はあったものの揺れによる被害はありませんでした。
 道内各施設の状況のご報告をもちまして、ご心配いただきました皆さんへのお礼に代えさせていただきます。

(公益財団法人 日本野鳥の会)


■連携団体(支部等)・代表者・事務局変更のお知らせ

 名称変更などがあった支部についてお知らせいたします。詳細は、総務室までお問い合わせください。

●日本野鳥の会ひょうご
【専用事務所の移転】
 新)〒650-0012 神戸市中央区北長狭通7-3-7北長狭ビル3階
 旧)〒650-0027神戸市中央区中町通2-2-1武田ビル2F
 変更年月日:2018年7月より

●日本野鳥の会徳島県支部
【専用事務所閉鎖に伴う事務局の変更】
 新)三宅 武(支部長)
 旧)専用事務所
変更年月日:2018年7月26日より

●日本野鳥の会京都支部
【専用事務所開所日の変更】
 新)月曜と木曜の13-16時(祝日は休み)
 旧)不定期
 変更年月日:2018年8月より

●日本野鳥の会宮古支部
【事務局長の変更】
 新)橋 宏明
 旧)佐々木 繁

(総務室/松本 直子・鈴木 美智子)



会員室より

■平成30年7月豪雨への対応状況について

 西日本を中心に大きな被害をもたらした「平成30年7月豪雨」につきまして、財団事務局の対応状況をご報告いたします。

●会員の方の被災状況
 今回、災害救助法が適用された地域(11府県107市町村 <8月10日現在>)には約1,778名の会員がお住まいです。8月後半にこの地域にお住まいの方へ、お見舞いと被災状況の確認・会費免除申請について返信ハガキを同封したお手紙を送付しました。9月13日現在、約300通のハガキが戻ってきており、ご自宅の全半壊による会費免除の申請を4名の方から受けております。

●財団事務局の対応
 この豪雨災害により居住されている家屋が、全壊・半壊など大きな被害にあわれた方は、本部会費を一年間免除いたします。支部会費については、被災されている方が所属している各連携団体(支部等)に個別にご相談をさせていただきますので、ご対応のほどよろしくお願いいたします。
 7月25日までに災害救助法が適用された11府県104市町村にお住いの方の会費の収受は、9月13日現在停止しております。その後、追加で同法の適用を受けた広島県三次市、庄原市、福岡県久留米市の3市にお住まいの方については、会費収受の停止が間に合わなかったため、被災された方がいた場合は個別に対応いたします。
 9月30日を会費免除の申請期限としておりますので、10月以降は一旦停止していた会費の収受を順次再開し、また被災された方への対応を進めてまいります。
 
●呼びかけのお願い
 もし会員の方で、被災されている方がいらっしゃいましたら、会費免除の申請について財団事務局にご連絡いただけるよう、是非お声かけください。申請期限が過ぎている場合でもご相談いただければ対応いたします。

 連携団体の皆様におかれましては、引き続き、災害対応へのご協力、どうぞよろしくお願いいたします。

(会員室/佐藤 ゆき乃)

■会員数

 9月3日の会員数は34,872人で、先月に比べ30人増加しました。8月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より22人多くなっています。会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。
 8月の入会者数は169人で、前年同月の入会者164人に比べ5人増加しました。また、8月の退会者は147人で、前年同月の退会者141人に比べ6人増加しました。

表1. 8月の入会・退会者数

入会者数退会者数
個人特別会員 12人 8人
総合会員(おおぞら会員) 27人 42人
本部型会員(青い鳥会員) 48人 32人
支部型会員(赤い鳥会員) 56人 45人
家族会員 26人 20人
合計 169人 147人
年度累計 897人

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

■都道府県および支部別会員数■
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2 都道府県別の会員数(9月3日現在)

都道府県会員数対前月差
北海道1677人-4人
青森県243人1人
岩手県366人1人
宮城県478人1人
秋田県247人-1人
山形県213人0人
福島県614人3人
茨城県890人-5人
栃木県642人3人
群馬県630人1人
埼玉県2147人4人
千葉県1605人1人
東京都4876人19人
神奈川県3307人0人
新潟県377人2人
富山県208人-1人
石川県278人-2人
福井県226人-1人
山梨県266人0人
長野県862人-3人
岐阜県467人4人
静岡県1317人2人
愛知県1532人3人
三重県427人-3人
滋賀県296人-2人
京都府811人1人
大阪府2009人4人
兵庫県1294人-5人
奈良県489人7人
和歌山県188人-1人
鳥取県184人1人
島根県169人2人
岡山県564人0人
広島県553人2人
山口県375人2人
徳島県311人-1人
香川県193人0人
愛媛県356人2人
高知県130人1人
福岡県1301人-4人
佐賀県193人0人
長崎県204人0人
熊本県403人-4人
大分県227人1人
宮崎県242人1人
鹿児島県328人0人
沖縄県109人-2人
海外11人0人
不明37人0人
全国34872人30人

備考:不明は転居先が不明の会員を示します。

表3 支部別の会員数(9月3日現在)

都道府県会員数対前月差
オホーツク支部240人0人
根室支部81人0人
釧路支部157人-1人
十勝支部180人-1人
旭川支部82人1人
滝川支部49人0人
道北支部30人1人
江別支部18人0人
札幌支部310人0人
小樽支部64人-1人
苫小牧支部166人3人
室蘭支部153人0人
函館支部24人0人
道南檜山60人-1人
青森県支部136人0人
弘前支部110人1人
秋田県支部236人-1人
山形県支部199人0人
宮古支部89人1人
もりおか159人1人
北上支部101人0人
宮城県支部445人-1人
ふくしま159人0人
郡山支部166人1人
二本松11人0人
白河支部42人0人
会津支部52人0人
奥会津連合8人0人
いわき支部106人0人
福島県相双支部15人1人
南相馬14人0人
茨城県797人-3人
栃木626人6人
群馬547人-1人
吾妻42人1人
埼玉1618人-1人
千葉県1035人-2人
東京2810人3人
奥多摩支部850人1人
神奈川支部2317人2人
新潟県288人0人
佐渡支部31人0人
富山189人1人
石川257人-2人
福井県218人-2人
長野支部460人-1人
軽井沢支部164人-3人
諏訪支部233人-3人
木曽支部20人0人
伊那谷支部82人1人
甲府支部183人0人
富士山麓支部55人0人
東富士62人0人
沼津支部164人-1人
南富士支部250人0人
南伊豆36人-1人
静岡支部346人0人
遠江398人-2人
愛知県支部1115人0人
岐阜467人2人
三重366人-3人
奈良支部448人4人
和歌山県支部189人0人
滋賀294人-4人
京都支部784人5人
大阪支部1917人1人
ひょうご973人3人
鳥取県支部209人1人
島根県支部158人2人
岡山県支部528人0人
広島県支部484人-1人
山口県支部348人2人
香川県支部156人0人
徳島県支部327人-1人
高知支部117人0人
愛媛331人1人
北九州298人-2人
福岡支部 581人-1人
筑豊支部237人1人
筑後支部164人-3人
佐賀県支部217人0人
長崎県支部190人-1人
熊本県支部398人-2人
大分県支部221人0人
宮崎県支部239人1人
鹿児島300人1人
やんばる支部72人0人
石垣島支部18人0人
西表支部41人-1人
 29927人2人

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。


(会員室/佐藤ゆき乃)

★支部ネット担当より

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