本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
●2017/4 秋田県
・鳥の名の由来を考えよう
・オオセッカのヘルパー
・コノドジロムシクイの観察
・大潟村にコモンシギ
・厳冬期の秋田県内のカモ科鳥類生息数調査
・2016年秋のタカ渡り
●2017/4 埼玉県
・埼玉県野鳥分布調査
●2017/3 滋賀
・H28年滋賀県ガンカモ類等生息調査
●2017/4 奈良
・2017ガンカモ調査(保護研究部)
●2017/4 宮崎県
・冬場にツバメ巣立つ
・ノビタキ越冬?
・赤い喉のメジロ(事務局)
●2017/4 秋田県
・鳥の名の由来を考えよう
奄美諸島のアカヒゲには赤髭はおろかヒゲは無い。羽毛の赤みが強いので、「あかひ毛」という添え書きを読み間違えてアカヒゲになった。アカヒゲの学名はLuscinia komadoriでコマドリはL.akahigeと命名者が標本を取り違えている。ホシハジロには背に黒い波形斑があり「ぼっちはじろ」と呼んだのに名前が由来する。アホウドリは江戸時代初期より「沖の大夫」「大難かもめ」「ばかどり」等と呼ばれ、船乗りは畏敬の念より「沖の大夫」とか「沖の尉」と呼び、漢字では信天翁と書く。
(秋田県「探鳥あきた」NO.60.P1)
・オオセッカのヘルパー
8/10、男鹿市の八郎潟干拓にできた休耕田でオオセッカの巣を発見した。8/13、7〜9時の観察で27回の給餌があり、内7回はペア以外の3個体が参加していた。いずれも雄親並みと少ない回数の給餌であった。今回は偶然ヘルパー行動が観察され、その内容、構造は把握できなかった。ヘルパーについては「野鳥」誌2016/1に浜尾章二氏の解説がある。
(秋田県「探鳥あきた」NO.60.P5〜7)
・コノドジロムシクイの観察
2016/4、秋田市新屋の河川敷で県下初記録となるコノドジロムシクイが確認された。欧州から中近東、モンゴル、ロシア、中国北部で繁殖し、冬季はアフリカ北東部、アラビア南部、イラン、パキスタン、インドで越冬する。我国では極めて稀な迷鳥である。川沿いのヤナギの間で採餌を続け、数時間に北へ向かった。この雄物川河川敷では1997年:ムネアカタヒバリ、2002、2003年:ハシグロヒタキ、2008年:カラフトムジセッカ、2009年:コヒバリが見られている。
(秋田県「探鳥あきた」NO.60.P10)
・大潟村にコモンシギ
2016/9、大潟村の休耕田でコモンシギが確認され、1日のみ見られた。北米北部で繁殖し、アルゼンチンに渡る種で、日本では偶発的に渡来し、東北地方では青森県、宮城県では記録がある。今回、秋田県初記録である。
(秋田県「探鳥あきた」NO.60.P11〜12)
・厳冬期の秋田県内のカモ科鳥類生息数調査
1/14、15、県下118箇所を調査した。ガン類は5種、15,180羽、内訳はマガン7,730、ヒシクイ6,954、ハクガン170、シジュウカラガン14、コクガン12、不明300。ハクチョウ類はオオハクチョウ1,241、コハクチョウ1,000、不明255。カモ類15種、15,139羽、内訳はマガモ5,599、カルガモ5,014、コガモ1,167、スズガモ 964、オナガガモ861、ホシハジロ418、キンクロハジロ311、カワアイサ261、ホオジロガモ225等。
(秋田県「探鳥あきた」NO.60.P12〜14)
・2016年秋のタカ渡り
9/1〜10/30、秋田市平和公園にてサシバ2(9/16)、ハチクマ302、ノスリ1,062、ツミ286、ハイタカ216、チゴハヤブサ27。9/1〜25、秋田市北部の五城目町でサシバ7、ハチクマ218、ノスリ26、ツミ3、ハイタカ57、チゴハヤブサ10。
(秋田県「探鳥あきた」NO.60.P17)
●2017/4 埼玉県
・埼玉県野鳥分布調査
2005〜2010年、会員へのアンケート調査、探鳥会報告、野鳥情報を整理し、生息地を地域メッシュに表示した。20年前の同調査から今回新たに記録された種はシマアジ、セイタカシギ、ガビチョウ、オオハクチョウ、ミサゴ、コクマルガラス、ミヤマガラス、ニュウナイスズメ等。20年前より分布域が急増したのはツミ、カワウ、バン、アオサギ、オオタカ、チョウゲンボウ、ベニマシコ。分布域が急減したのはタシギ、ヒクイナ、コヨシキリ、タマシギ、ヨタカ、サシバ、アマツバメ、ハマシギ、シロチドリ、タカブシギ、コチドリ、クサシギ、ヒガラ、シラコバト等。
(埼玉県「しらこばと」増刊号 NO.397)
●2017/3 滋賀
・H28年滋賀県ガンカモ類等生息調査
1/7〜14、琵琶湖岸46地点及び周辺河川、内湖、溜池等100地点で調査した。36種、同定不明も含み133,498羽の水鳥を記録した。前年に比べカモ科102,639→86,972、オオバンは84,426→35,896と大幅に減った。カモ科の内訳はヒドリガモ17,587、キンクロハジロ15,605、マガモ12,223、コガモ8,868、カルガモ6,003、ホシハジロ3,634、オカヨシガモ3,201、オナガガモ1,869、ヨシガモ1,675、ミコアイサ1,634、スズガモ1,425、ハシビロガモ791、カワアイサ541、コハクチョウ474、ホオジロガモ362、ヒシクイ261、ウミアイサ152、トモエガモ107、オシドリ100、マガン43、オオハクチョウ13、不明10,374等。オオバンは南湖で減少が著しく、外来種の水草「オオバナミズキンバイ」の除去作業が影響しているとの見方がある。
(滋賀「におのうみ」NO.48,P2〜7)
●2017/4 奈良
・2017ガンカモ調査(保護研究部)
1/7〜15、奈良県内120箇所で調査した。カモ類総計20,206羽で、内訳はコガモ6,640、オシドリ3,921、マガモ3,255、カルガモ1,934、ヒドリガモ1,548、ハシビロガモ1,521、ホシハジロ631、キンクロハジロ356等。
(奈良「いかる」NO.157,P14〜16)
●2017/4 宮崎県
・冬場にツバメ巣立つ
1/2、宮崎市の鉄工所の事務所でツバメの雛の鳴声がある。3羽の雛が巣におり、寒い時は親は外へ出ないため、隣の暖房が効いた作業場で釣りに使う餌を与えると、親は餌を運んだ。1/25頃、巣立った。ピーと呼ぶと3羽は夕方事務所に戻って来る。2/22、2回目の繁殖活動を始めた。県内に1月にツバメの子育て記録は無い。
(宮崎県「野鳥」だよりみやざき」NO.253,P8)
・ノビタキ越冬?
1/8、都城盆地の大淀川で堤防にいるノビタキが確認された。1/21は見られたが氷点下を記録した1/28以降は見ていないので、大丈夫かな。この近くでは2001/2、小林市の霧島牧場で越冬しているノビタキを見ている。
(宮崎県「野鳥」だよりみやざき」NO.253,P8〜9)
・赤い喉のメジロ(事務局)
今冬、延岡市の個人宅に梅が咲く頃、喉が赤いメジロがやって来た。写真を見ると、雄で黄色い喉の下部分が赤くなっている。
写真は夕刊デイリー新聞社提供。http://yukan-daily.co.jp/news.php?id=64678
(宮崎県「野鳥」だよりみやざき」NO.253,P12〜13)
●2017/3 北上
・ミサゴ繁殖観察記録
・冷たい水に足をいれても凍傷にならない水鳥
・ガン・カモ類生息調査
●2017/3 新潟県
・カンムリカイツブリ
・トラフズクのペリット分析
・ノジコの好きな環境
●2017/4-5 栃木
・第26回渡良瀬遊水地ワシタカカウント
●2017/4 神奈川
・名前に地名がついた鳥
・ネコの話
●2017/4 福岡
・2017年ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査(研究部)
・カワウ博多湾の島で繁殖
・43歳メジロ
●2017/3 北上
・ミサゴ繁殖観察記録
北上市で前年の巣に戻ってきたミサゴを2016/3〜7月、観察した。3/14:ミサゴ飛来。3/20:番を確認。4/8:交尾。4/10:抱卵開始。5/6:ミサゴの巣の左下で小鳥が営巣。5/26:親が巣に立ち上がっている時間が長く、孵化している模様。5/29:♀親が雛に給餌する。6/10:2羽の雛確認。6/19:先に孵化した雛は親鳥と大きさの差が無い。7/13:雛は自力で魚をちぎって食べる。7/18:1羽が巣立つ。7/23:2羽目が巣立つ。
(北上「北上支部報」NO.23,P24〜25)
・冷たい水に足をいれても凍傷にならない水鳥
タンチョウに限らず、鳥の脚の付け根には脛足根血管網というものがあり、ここで血液の温度熱交換をしている。そこでは動脈、静脈が網目に絡み、熱交換で脚先には冷たい血液が流れ、体には温かい血液が戻る。脚先は外気温近くの低温となり、周囲から熱が奪われない。やはり、寝ている時は片方の脚を羽毛に入れて熱が奪われないようにしている。
(北上「北上支部報」NO.23,P34)
・ガン・カモ類生息調査
1/15、北上市内5箇所で調査した。オオハクチョウ成274、同幼20、オナガガモ267、マガモ159、キンクロハジロ106、ホシハジロ102、コガモ95、カルガモ92等
(北上「北上支部報」NO.23,P35)
●2017/3 新潟県
・カンムリカイツブリ
主にアジアから欧州のユーラシア大陸温帯域に広く分布する種で、世界で3亜種いる。1972年、青森県で国内初繁殖があり、新潟県では2002年に鳥屋野潟で初めて繁殖した。青森県では絶滅の恐れがある地域個体群に指定されている。コウホネ等の水生植物群落の中にヨシなどの茎や葉を運び、巣を作る。交尾は主に巣の上で行い、抱卵は雌雄交代で行う。雛は1〜4羽で孵化した雛は親が背に乗せ移動し、他の親が餌を採り給餌する。魚食性のため、稚魚が増える時期と繁殖期は関連している。
(新潟県「野鳥」NO.83,P4〜5)
・トラフズクのペリット分析
新潟市の鳥屋野潟公園では2005年より毎年、トラフズクが繁殖している。2012年よりトラフズクのペリットを採集調査した。その内容物はネズミ類、モグラ類、コウモリ類、鳥類、昆虫類である。鳥類が含まれるペリットには筋胃内壁が残っている。それはケラチン化した硬い粉砕面のため消化されにくい。同様にケラチンでできている鳥の脚、爪も残ることが多い。筋胃内壁が破れずにあると、その胃内に鳥が食べたものが残っている。卵の殻も見つかるが、トラフズクは鳥の巣を襲う記録は無く、孵化後の卵を食べたと思われる。
(新潟県「野鳥」NO.83,P6〜7)
・ノジコの好きな環境
ノジコは本州の一部地域で繁殖する世界的に珍しいホオジロ科の鳥である。新潟県の上中越地方の中間山地で高い密度で繁殖している。耕作水田と放棄水田が混じる長岡市西部の調査では、ノジコの生息密度は0.3〜0.5羽/haで、林縁の長さと地すべり跡地の面積が関係している。山の斜面の地すべり跡地にはノジコが好む藪環境がある。放棄水田は森林化せず藪状態が副次的に好まれる。
(新潟県「野鳥」NO.83,P8〜9)
●2017/4-5 栃木
・第26回渡良瀬遊水地ワシタカカウント
2/5、9定点で一斉カウントした。チュウヒ9、ノスリ8、トビ18、ミサゴ3、ハイイロチュウヒ2、オオタカ3、ハヤブサ2、チョウゲンボウ1であった。昨年見られたハイタカ、ケアシノスリは観察されず。
(栃木「おおるり」Vol.246,P7)
●2017/4 神奈川
・名前に地名がついた鳥
地名を付した総称名に更に生息地を表す地域名を付けた鳥がいる。例えばカウアイユミハシハワイミツスイ、マウイカワリハシハワイミスイ、キューバアメリカムシクイ、サンタマルタアメリカムシクイ。ハワイセグロミズナギドリの別名ハワイマンクスミズナギドリのManxは英国の西のマン島を指し、和名を命名した人は大西洋のマン島を知らず、やや不自然な組み合わせである。コウライウグイス科にはアフリカコウライウグイス、チーモールコウライウグイス等が広範囲に生息している。これでは朝鮮半島で見たとした総称名コウライウグイスは不適切となる。チョウセンウグイスと混同しないよう改名も要るのでは。
(神奈川「はばたき」NO.539,P4)
・ネコの話
10/15、神奈川大学での「生物多様性の保全をめぐる法と政策―奄美・琉球諸島の事例」シンポジウムに参加した。ノラネコや野生化したノネコ、更に放し飼いのイエネコが島々で繁殖している野生動物を食べている話である。御蔵島ではオオミズナギドリが1970年代の175万〜350万羽が2013年には77万羽まで減った。主因はネズミ退治のために入れたネコである。奄美諸島ではヤンバルクイナをネコから守るためイエネコへのマイクロチップ装着が検討され、ネコの殺処分ゼロを目指して、島嶼で捕獲されたネコの里親探しもある。鳥獣保護法、動物愛護法のいずれからもノラネコは落ちている。
(神奈川「はばたき」NO.539,P6〜7)
●2017/4 福岡
・2017年ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査(研究部)
1/4〜15、福岡県内123箇所で調査した。総数25,215羽で内訳はヒシクイ7、マガン2、マガモ8,009、ホシハジロ5,596、オナガガモ3,664、カルガモ2,570、スズガモ2,378、ヒドリガモ2,128、キンクロハジロ1,458、ウミアイサ1,100、コガモ371、オカヨシガモ292等。♂の比率はマガモ54%、ヒドリガモ57%、キンクロハジロ56%、ホシハジロ63%、スズガモ33%であった。これとは別にオオバン総計653を記録。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.450,P14〜18)
・カワウ博多湾の島で繁殖
2月、博多湾内の無人島鵜来島にカワウの巣、約20箇所、どの巣にもカワウがいるのを見る。未だ福岡県内にはカワウの繁殖情報は無い。九州では唯一大分県の黒島で繁殖している。アオサギが福岡県では昔、冬鳥であったが、現在繁殖しているのと同様に、カワウも同じような経過を経るのか。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.450,P19)
・43歳メジロ
福岡県環境部自然環境課と福岡県内4支部の意見交換会で長期飼育43歳メジロが話題になった。飼養登録更新の権限は市町村に移譲されている。審査時、登録票、足環、個体の特徴の3つを確認しているが、申請者は別個体にすり替え、市では同一個体であることを確認していなかった。メジロの寿命の知識も無かった。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.450,P20)
●2017/4-5 京都
・聞きなし
・2016年度ガンカモ調査
・オオバン急増した訳
・政治家と鳥
●2017/5 大阪
・大阪府のサシバの現状
・サシバの生活史
・コブハクチョウ
●2017/5-6 愛媛
・野鳥との共存(調査研究・保全担当)
・佐田岬タカの渡り観察
・2017年カモ類調査(調査研究担当)
●2017/5 北九州
・クロツラヘラサギ台湾に2601羽(フォーカス台湾)
・鳥の鳴声(昭和28年7月5日天声人語)
●2017/4-5 京都
・聞きなし
鴉(カラス)とぶ大軽率鳥(おほをそどり)の真実にも来まさぬ君を児ろ来(ころく)とそ鳴く(カラスという大慌て物の鳥は実際は来ないあの人が来ると鳴いている)。万葉集当時はカラスの鳴声をコロクと聞きなしていた。「聞きなし」は野鳥研究家川口孫治郎が大正10年に発行した「飛騨の鳥」の中で「聞倣」と書いたのが最初とされる。外国ではアカライチョウはGo back go back・・・と鳴き、キアオジはLittle bit of bread and no cheese(チーズ抜き小さなパンひとかけ)と鳴く。米国ではワシミミズクはEat my food. I'll eat you.(俺の餌を食べたらお前を食べる)と迫力がある。松田道生氏のブログにはウズラの声に「アジャパー」とある。
(京都「そんぐぽすと」NO.205,P10〜12)
・2016年度ガンカモ調査
1月、京都府の委嘱で府内189箇所を調査した。コクガン4、コブハクチョウ1、コハクチョウ2、オオハクチョウ3、カモ類20,133、内訳はマガモ4,489、コガモ3,520、カルガモ2,939、ヒドリガモ2,406、オシドリ1,731、ホシハジロ1,717、キンクロハジロ988、オナガガモ588、スズガモ540、オカヨシガモ471等。
(京都「そんぐぽすと」NO.205,P13〜17)
・オオバン急増した訳
オオバンは滋賀県では2006年:2万2千から2016年:8万5千に急増し、琵琶湖は鳰(にお)の海から大鷭(おおばん)の海と化している。名城大学橋本啓史助教は1990年代後半、中国南部の大洪水で越冬地を日本に変えたとする。2017年は琵琶湖のオオバン、3万も減った。その分周囲では増えた。京都府ではオオバンは準絶滅危惧種であるが、増えると見直しの対象になるかも。
(京都「そんぐぽすと」NO.205,P19)
・政治家と鳥
米国第26代大統領セオドア・ルーズベルトは鳥が好きで、在任の1903年、フロリダ州にペリカン保護区を開設した。世界初の野鳥保護政策と言われる。バードウォッチング発祥の地英国で、第一次世界大戦時の英外務大臣エドワード・グレイは鳥類学者でオックスフォード大学にエドワード・グレイ野外鳥類研究所を作り、現存している。1955年、中国はネズミ、ハエ、蚊、スズメを「四害」に指定し、スズメを撲滅したため、逆に農作物の害虫で、2千万の国民が餓死したと言われ、毛沢東はその責任を問われ国家主席を辞任した。鳩山由紀夫は韓国済州島で見たヒヨドリが自宅で見たものと同じに感じ、これが総理大臣辞任を決意させたとのエピソードがある。祖父の鳩山一郎は1955/5/10、中西悟堂と会談し、愛鳥週間創設につながった。
(京都「そんぐぽすと」NO.205,P20〜21)
●2017/5 大阪
・大阪府のサシバの現状
サシバは鳴声からキンミタカとも呼ばれ、支部の有志で、2014年、「サシバプロジェクト in 大阪」を立ち上げ、大阪府の実態調査に乗り出した。2000〜2015年の16年間で計35ペアの生息(北摂山系19、和泉山脈周辺16)が確認されたが、40年程前、河内長野市での計37ペアに比べ、激減状態である。2016年の調査ではペア確認は北部2箇所、南部5箇所であった。生息環境は東日本とは多少異なり、純粋な里山ではなく、山間地におり、伐開地など乾性環境に依存している。これは西日本に共通していると思われ、水田周囲の電気柵、オオタカの進出等の影響が考えられる。
(大阪「むくどり通信」NO.248,P2〜8)
・サシバの生活史
営巣木はアカマツ、スギ、コナラ等で、巣の大きさは30cmX40p程度、厚さ20cm程度である。抱卵は4月下旬から始まり、1日おきに計2〜4卵を産卵する。抱卵日数は31〜33日、5月下旬〜6月上旬に孵化する。孵化後18〜20日で昼間、親は抱雛しなくなり、雌は狩りに参加する。孵化後平均36日で6月下旬〜7月上旬に巣立つ。巣立ち後、1〜2週間は狭い範囲で親から給餌を受け、3週から自ら狩りをする。その後、数日〜10日で長距離移動を開始する。参考:「サシバの保護の進め方」(環境省H25/12)
(大阪「むくどり通信」NO.248,P9)
・コブハクチョウ
コブハクチョウは日本では自然分布せず、1933年、八丈島で唯一渡来記録がある。野生化で繁殖した例は1975年、北海道大沼公園がある。自然界に放たれた子孫が増え、水辺の植生に影響を与えている可能性がある。2000年に全国で5箇所のみの報告があるが、実情とかなり違い、情報が全く不足している。[email protected] 和田へ情報お知らせ下さい。
(大阪「むくどり通信」NO.248,P10)
●2017/5-6 愛媛
・野鳥との共存(調査研究・保全担当)
2015年、四国に300羽を超えるナベヅルが渡来した。2016年も越冬が確認され、西予市では塒の整備が行われている。2017/2、徳島市でツル・コウノトリの保全に向けたシンポジウムが開催され、徳島県では同鳥をシンボルにブランドへの取り組みが進んでいる。カワウは徳島県で2016年、6箇所で372巣、1,785羽を確認している。無秩序な駆除にならぬような保全策が必要である。
(愛媛「コマドリ」NO.238,P2)
・佐田岬タカの渡り観察
3/20、ハイタカ99、ノスリ2、ミサゴ、オオタカ、ハヤブサ、チョウゲンボウ各1を観察した。
(愛媛「コマドリ」NO.238,P8)
・2017年カモ類調査(調査研究担当)
1/7〜11、愛媛県内で総計33,507羽、内訳はマガモ8,931、コガモ5,891、ヒドリガモ5,674、カルガモ3,710、オナガガモ3534、オシドリ2714、ホシハジロ1,156、ハシビロガモ778、オカヨシガモ471、キンクロハジロ327等。
(愛媛「コマドリ」NO.238,別紙)
●2017/5 北九州
・クロツラヘラサギ台湾に2601羽(フォーカス台湾)
3/28、台湾行政院農業委員会は台湾でのクロツラヘラサギの確認数2,601羽で昨年より541羽増え、過去最高を記録したと発表した。東アジアを主に世界で3,941羽、台湾はその2/3を占める。今回は台湾南西部沿海の湿地に集中し、台南市では1,810羽と最多であった。
(北九州「北九州野鳥」NO.371,P7)
・鳥の鳴声(昭和28年7月5日天声人語)
鳥の鳴声を人語に当てはめるは西洋でもある。ミソサザイはティ・ケトル(茶わかし)またはティチャー(先生)を繰り返す。コウライウグイスの1種はウィル・ユー・ウィル・ユー・リアリー・トルリー(そうかい、そうかい、ほんとかい)と鳴き、ツグミの1種はアイ・アム・ソウ・スリピィー(とても眠いよ)、ドイツではシュピッツェ・ディ・シャーレ(鍬を尖らせろ)と農夫を励ますシジュウカラがいる。
(北九州「北九州野鳥」NO.371,P711)
●2017/5 茨城県
・水戸市の悩み
・コクガンの標識調査
・防鳥ネット羅網被害調査
・アネハヅル
●2017/5 埼玉
・アオシギ、クロアシアホウドリ(野鳥記録委員会)
●2017/5 奥多摩
・ホオジロガモ生態調査
●2017/5 軽井沢
・鳥おもしろ雑学
●2017/5 甲府
・キジ(風空鳥)
●2017/4 三重
・干拓地とチュウヒ
・あなたもツバメ子育て応援団(事務局)
・フクロウ類の特徴
・今季のミヤコドリ
●2017/5 茨城県
・水戸市の悩み
4/4、水戸市はコクチョウ、コブハクチョウ個体数削減のため、偽卵を使うことで野鳥の会と契約したと報じられた。過剰な個体を無暗に鉄砲で撃ち落とせず、カワウ対策で実績のある偽卵との交換が提案されていた。両種は飼い鳥の認識であるが、現状は野飼い状態の野鳥として県へ捕獲申請した。コクチョウはコロニーを作り、生まれたところに戻って来るが、コブハクチョウは広い縄張りを持ち、徐々に分布を拡大している。牛久沼から逃げ出したコブハクチョウは100羽を超えている。
(茨城県「ひばり」NO.337,P2)
・コクガンの標識調査
筆者らが属する「日本雁を保護する会」は1984年からロシアと共同で日本に渡来するヒシクイ、オオヒシクイの渡りコース、越冬地の解明をしてきた。一方、日本に飛来するコクガンについて標識しても何も判明しなかった。シベリアのレナデルタで2016/7標識したコクガンが同年12月米国カリフォルニアで撃たれ、越冬地のメキシコを渡る途中であった。以前、同地からの放鳥で南茅野で1羽、他にオランダへ向かう個体が知られ、北極海のレナデルタでのコクガンは3地域個体群が存在すると考えられる。
(茨城県「ひばり」NO.337,P3〜5)
・防鳥ネット羅網被害調査
1月末に霞ヶ浦、北浦で羅網するカモ類をカウントした。レンコン収穫前は297羽、収穫後は1,570羽、合計1,867羽、過去5年間で最大になった。羅網はオオバンが884羽で最大で、サギ類49、カルガモ48、コガモ193、ヒドリガモ181、マガモ81、不明カモ306、フクロウ2、コミミズク2、ノスリ1、カラス類39も含まれる。
(茨城県「ひばり」NO.337,P6〜7)
・アネハヅル
1/17、つくばみらい市でアネハヅル1が撮影された。県内では30年ぶり2回目の記録である。
(茨城県「ひばり」NO.337,P18)
●2017/5 埼玉
・アオシギ、クロアシアホウドリ(野鳥記録委員会)
2/2、東松山市でアオシギが撮影された。支部記録以前、1917年、1918年に日高市内で記録されているが、今回、埼玉県内339番目の野鳥として記録された。2/7、越谷市で保護、放鳥した大型の鳥について支部に同定依頼があった。クロアシアホウドリと判明し、埼玉県内340番目の野鳥とされた。内陸部に迷行したもので、1988/9に利根川の坂東大橋下流で非公式記録がある。本種は「日米」「日露」「日中」の渡り鳥条約指定種である。
(埼玉「しらこばと」NO.398,P4)
●2017/5 奥多摩
・ホオジロガモ生態調査
2016/11/13〜2017/4/2、多摩川上流部で調査した。初認は11/21で終認は3/25であった。12/25までは増加し、3/4以降減り出した。最大数は26羽で内、♂成は6羽であった(2/5)。期間中、求愛ディスプレイ行動が見られた。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.236,P2〜4)
●2017/5 軽井沢
・鳥おもしろ雑学
現在は分類学ではできるだけ漢字を使わなくなっている。哺乳類ではイヌ科、ネコ科は食肉目に入っていたが、現在はネコ目となり、ネコ目イヌ科の様な表現になっている。鳥目は、本来はニワトリの視力が弱く、暗闇では殆ど目えない事に使い、多くの鳥が夜間に見えないと誤解されている。略称40〜(シジュウカラ)、50〜、小〜、山〜、日〜、これらは鳥の種名記録に使える。
(軽井沢「野鳥軽井沢」NO.409,P7)
●2017/5 甲府
・キジ(風空鳥)
国鳥のキジは狩猟鳥で複雑な立場である。1947年、日本鳥学会が国鳥に指定したが、法令の根拠は無い。奈良時代から「きぎし」「きぎす」として知られていた。「きぎ」は鳴声から、「す」は鳥を表す接尾語とする説が有力である。雄がケーンと鳴きながら両翼を高速で震わせるのも、声は何となく間が抜け、幌打ち音もヤマドリと比べて物足りない。いや、国鳥のキジにケチをつけてはいけない。
(甲府「カワセミ」NO.138,P8)
●2017/4 三重
・干拓地とチュウヒ
日本でのチュウヒの主な繁殖地は、響灘埋立地(福岡)、木曽岬干拓地(三重、愛知)、河北潟干拓地(石川)、利根川流域(茨城)、八郎潟干拓地(秋田)、仏沼干拓地(青森)、勇払原野、石狩川下流域、サロベツ原野(以上北海道)等、保護のため公表されていない場所もある。北海道以外は人為的に造成された湿地を利用している。木曽岬干拓地では2001〜2016年の調査では繁殖活動3番が1番に減っている。本来、チュウヒは河川の氾濫原や海岸の湿地で繁殖し、その地は攪乱が多く、高木へ遷移されず、干拓地は草原から森林への遷移が進み、チュウヒ生息に適さなくなってきている。チュウヒの詳しいことは「日本のチュウヒの生態」で検索できる。
(三重「しろちどり」NO.91,P2〜4)
・あなたもツバメ子育て応援団(事務局)
ツバメの生態から巣が壊れた時の対処法まで詳しく書かれたパンフレット、財団事務局で入手できる。https://www.wbsj.org/nature/research/tsubame/booklet.html
(三重「しろちどり」NO.91,P7)
・フクロウ類の特徴
昼間、アオバズクを見ると、首を回したり、傾げたりする仕草は人を警戒している証拠で、愛嬌を振りまいている訳ではない。昼間は樹洞や木の横枝でじっとしている。夜行性であるが、悪天候で狩りができなかった時は、昼間でも狩りをするが、自身がタカに狩られるリスクがある。フクロウカフェにいる個体は、糞をさせないため、水分を制限され、ストレスのため木に縛られたまま突然死する個体がおり、問題になっている。知床ではシマフクロウは現在、全て環境省が設置した巣箱を使っている。生まれた雛は全て足輪が付けられ繁殖個体とともに状況が把握されている。しかし、縄張りと繁殖場所が飽和状態にあり、放浪している若鳥が多い。
(三重「しろちどり」NO.91,P11)
・今季のミヤコドリ
2016〜2017年、今冬、3回のカウントで、伊勢湾西岸のミヤコドリはいずれも110羽以上を記録した。2014〜2015年は約60羽、2015〜2016年は96〜98羽で生息数は増えている。恒常的な生息地になっているのか、今後も調査を続ける。
(三重「しろちどり」NO.91,P16)
(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)
■普及室より
<メジロの脇の色は?>
メジロが3羽、通勤時に目前を横切って飛んでいきました。2羽はすぐに緑地の茂みに飛び込んで見えなくなりましたが、遅れた1羽が電線にとまりました。その1羽は幼鳥でしたので、2羽の親鳥を追いかけていたのでしょう。幼鳥と確認できたのは、脇に紫褐色の部分がなかったからです。主に北海道から九州で繁殖する亜種メジロの場合、成鳥の脇は紫褐色をしていますが、幼羽では脇は腹と同じような汚白色です。
お手元の『フィールドガイド日本の野鳥』でチェックいただきたいのですが、メジロの脇の紫褐色部分に矢印があれば、私が担当する以前の版です。メジロの図版は新版に至るまで高野が描いたままですが、増補改訂版以後、私が脇の紫褐色部分への矢印を削除しました。矢印は種の特徴を示すことを原則にしていますが、亜種シチトウメジロ、亜種シマメジロや亜種リュウキュウメジロなどの脇は成鳥でも紫褐色はありません。そこで、矢印をとって、亜種による違いを解説文に追記しました。
<ひなでもわかる?>
この季節に出会う鳥たちの多くは、お父さんかお母さんか、その子供のはず。野鳥の多くは一夫一妻で、繁殖は毎年繰り返されるし、昨年生まれた個体も生きのびていたらすでに繁殖年齢に達しているからです(カモメ、サギ、猛禽やカラスなどの類で、2年目では繁殖できない例外もある)。前号で、新版ではP350「幼羽と年齢」でも補足してある旨を紹介したように、早成性でなければ巣立ち後の幼鳥はさほど小さくはありません。子は小さいものと思い込んでいる方が多いので、幼鳥も、幼鳥連れの親子もなかなか気づかれないでいることでしょう。
『フィールドガイド日本の野鳥』で、高野はスズメ、シジュウカラ、カワラヒワ、ムクドリなど、身近な種の幼鳥も描いています。が、ヒヨドリ、キジバト、カラス類の幼鳥の図版がなかったので、私は『新・山野の鳥』で谷口さんに描いてもらうようにして、その後、カワラヒワ幼鳥のくちばしの色、ヒヨドリ幼鳥の下尾筒などを修正したことはこれまで紹介してきたと思います。『フィールドガイド日本の野鳥』では増補改訂版以後、カラス類では口の中が赤いとか、ノスリでは眼が淡色とか、図版がない幼鳥の識別点を解説で書き加えるようにしました。
ひなが小さいうちに巣を離れる早成性の場合は、親子がわかりやすい一方で、親鳥が近くにいないと、種の識別は簡単ではありません。『フィールドガイド日本の野鳥』では高野がチドリ類やバン、クイナ類のひなを描いています。私自身もそのお陰で、クイナやオオバンのひなを識別できて助けられました。
<アカハラとクロツグミの幼鳥の違いは?>
これから夏までは、幼鳥の識別依頼が増えます。シジュウカラやゴイサギの幼鳥さえ示していない図鑑もありますが、『フィールドガイド日本の野鳥』ではアカゲラ、セグロセキレイ、オオルリ雄、エナガ、イカルなど識別で困りそうな幼鳥を高野が描いています。
ただ、アカハラは幼鳥の図版があるのに、クロツグミはありませんでした。この2種の幼鳥は個体差や成長段階のさまざまもあって、識別に迷います。地域、標高や環境から可能性を検討できる場合もありますが、写真だけ送ってきて「識別してください」という手合いが多いので困っています。
実は、翼下面が見えれば識別は可能です。クロツグミの幼鳥は、メス同様に下雨覆が脇と同じ橙黄赤色をしているからです。高野はクロツグミでメスの飛翔図を示していたので、私は増補改訂版を担当した際、クロツグミの解説文で幼鳥について追記しました・・・幼鳥はアカハラに似ているが、下雨覆は橙黄赤色。
© 谷口高司
▲画像 ウグイスの巣
今回の画像は、谷口高司さんに描いてもらったウグイスの巣(増補改訂版ではP343、新版ではP349)。増補改定版1刷(2007年10月)では卵に着色していませんでしたが、2刷り(2008年4月)以後は卵を赤茶にしました。
(普及室・主席研究員/安西 英明)
当会通信販売では、7月31日までの期間限定で「サマーフェア2017」を開催いたします。対象の双眼鏡を特価でご購入いただけるほか、夏のバードウォッチングにおすすめの商品をご紹介しております。会誌「野鳥」7月号に通販カタログ「サマーフェア2017」を同封いたしますので、ぜひご覧ください。
また、事業担当の皆様には、当フェアの連携団体向け卸販売のご案内を、6月下旬にお送りします。会員や探鳥会参加者のみなさまからのご注文を取りまとめていただければ、卸価格で対象商品を販売いたします。
商品を通じたコミュニケーションや、支援者の輪の拡大にぜひご活用ください。
▲探鳥会後の販売の様子(日本野鳥の会遠江)
●本件についてのお問い合わせ
普及室販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636
メール:[email protected]
(普及室/嶋村早樹)
1 開催日時:平成29年5月25日(木)
午後4時05分〜午後5時40分
2 開催場所:当財団会議室
東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル3階
3 出席者
出席理事8名(理事現在数9名)
安西 英明
上原 健
遠藤 孝一
狩野 清貴
佐久間 仁
佐藤 仁志
見田 元
吉田 新
出席監事
川村 研治
曽我 千文
傍聴
上田 恵介(評議員)
篠木 秀紀(職員労働組合副委員長)
江面 康子(職員労働組合書記)
伊藤 加奈(職員労働組合員)
事務局
葉山 政治(自然保護室長兼保全プロジェクト推進室長代理)
田尻 浩伸(保全プロジェクト推進室長)
富岡 辰先(普及室長)
安藤 康弘(会員室長)
大畑 孝二(施設運営支援室長)
奥田 秋穂(総務室長)
五十嵐 真(総務室長代理)
林山 雅子(総務室員)
4 議長 理事長 佐藤 仁志
5 議決事項
第1号議案 平成28年度事業報告及び決算(案)承認の件
6 議事の経過の要領及びその結果
理事会開催にあたり、冒頭、佐藤仁志理事長から挨拶があった。遠藤孝一常務理事が開会を宣言し、本理事会は定款第42条の規定に定める定足数を満たしており、適法に成立している旨の報告があった。
また、上田恵介評議員及び職員労働組合から3名の傍聴者が出席している旨の報告があった。
なお、議事録署名人については、定款第44条に基づき、出席した代表理事及び監事となっており、佐藤理事長、吉田新副理事長、川村研治監事及び曽我千文監事が署名人となることを確認した後、次の議案の審議に入った。
(1) 第1号議案 平成28年度事業報告及び決算(案)承認の件
各室より、平成28年度事業報告(案)について、資料に基づき説明があり、五十嵐真総務室長代理より、平成28年度決算(案)について、一般正味財産は、約49,272千円、指定正味財産は、約40,646千円の減少であること、公益事業会計の一般正味財産が減額となり、収支相償基準は達成したこと、法人税等の納税額は、5,778千円となったことが資料に基づき説明がされた。
引続き、川村監事より、業務監査の結果、業務執行状況及び決算書類等に問題がない旨、資料に基づき監査報告がされた。
見田元理事より、平成28年度の受取寄付金が前年度より約51,869千円減額しているにもかかわらず好調とはどうゆうことかとの質問があり、五十嵐総務室長代理より、過去最高を記録した平成27年度比では減額となるが、平成26年度以前の平均的な寄付額である7〜8千万円比較すれば非常に好調であったとの説明があった。
審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。
7 報告事項
(1) 職務執行状況の件
定款第28条第4項に基づき、佐藤理事長、吉田副理事長、上原健常務理事及び遠藤常務理事より、平成28年12月から平成29年3月までの理事の職務執行状況について、それぞれが担当する業務案件について、資料に基づき報告があった。
(2) 日本野鳥の会ビジョン2030及び中期計画策定状況の件
上原常務理事より、日本野鳥の会ビジョン2030及び中期計画について、職員の意見を取りまとめ、29年9月の定例理事会の議案とすることを検討していると報告があった。
(3) 小清水支部訪問の件
佐藤理事長より、小清水支部の宮原俊之支部長、森浩事務局長及びオホーツク支部の花田行博前支部長と小清水支部の置かれている状況について話し合った結果、小清水支部からオホーツク支部に吸収合併してもらいたい意向が示され、オホーツク支部も前向きに検討するとして、今後は、財団を含めて3者で手続きを進めることとなったと報告があった。
見田理事より、他にも小清水支部のように、ほとんど活動をしていない連携団体はないのかとの質問があり、安西英明理事より、現時点では小清水支部のみであると回答があった。
議長は以上をもって全部の報告を終了した旨を述べ、午後5時40分閉会を宣言し解散した。
上記の議事を明らかにするために議事録を作成し、佐藤理事長、吉田副理事長、川村監事及び曽我監事の名において記名、捺印する。
平成29年5月29日
公益財団法人日本野鳥の会
議長 代表理事 佐藤 仁志
代表理事 吉田 新
監事 川村 研治
監事 曽我 千文
以上
(総務室/林山 雅子)
平成29年度第1回理事会終了後、勤続30年永年勤続者の表彰式が行われ、富岡辰先普及室長が表彰されました。
▲柳生会長と永年勤続受賞者の富岡辰先普及室長
(総務室/林山 雅子)
■新理事紹介
6月13日に開催された平成29年度第1回評議員会において、理事の改選が行われ以下の通り新たな理事が選任されましたのでお知らせします。
なお、新理事の任期は平成31年6月までの2年間です。
なお、佐久間仁氏並びに佐藤仁志氏は退任され、佐藤仁志氏は評議員に就任されました。
▲新理事と監事(左から、安西理事、上原常務理事、笠原理事、遠藤理事長、吉田副理事長、曽我監事、狩野常務理事、見田理事。当日欠席:松田理事、川村監事)
新しく理事長に就任された遠藤孝一氏、常務理事に就任された狩野清貴氏及び理事に就任された笠原逸子氏から、就任にあたり抱負をいただきましたので、紹介します。
この度、公益財団法人日本野鳥の会の理事会において、理事長を拝命いたしました。大役を仰せつかり身の引き締まる思いです。
私はこれまで、栃木県を中心に地域の支部やNPO法人などで、野鳥や自然の保護活動、探鳥会や自然観察会などの普及活動に係ってきました。また、同県東部の里山で生きものを育む農業を営みながら、自然学校の運営や地域づくりの活動にも取り組んできました。
近年、野鳥や生物多様性を取巻く状況は、地球温暖化などグローバルな課題から様々な地域開発の問題、人の利用の減少による里山の荒廃や外来種による生態系の攪乱など、大変厳しいものがあります。
そのような中、当会は全国90の支部とともに、野鳥を通して自然に親しみ、守る運動を通じて、自然と人が共存する豊かな環境づくりを推進してきました。これらの実績や皆様からの信頼のもと、地域活動で培った現場感覚を生かし、微力ながら野鳥や生物多様性の保全に尽力したいと考えます。一層のご支援ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
この度常務理事に就任いたしました狩野清貴と申します。どうぞよろしくお願いいたします。公益財団法人の理事となり3年になり、このたび、更に日本野鳥の会の活動に直接関与させていただける立場になります。微力であり、不安もありますが、今後の野鳥の会の発展充実に積極的に尽くしていければと思っております。
野鳥の会入会は1976(昭和51)年で、大学入学と同時に入会し、1984(昭和59)年迄東京支部や当時の日本野鳥の会本部内にありました月曜会等の様々な場面で活動しておりました。その後、故郷の京都府で教員として奉職しながら、野鳥の保護や調査活動を行っておりました。
かつての財団法人日本野鳥の会で、評議員並びに理事の立場で活動に参加させていただいたこともありました。公益財団法人となり、かつてより重みが増しております。前向きに取り組んでいきたいと思っています。
現在、環境保全はもとより、個人情報の保護、法令遵守、透明性の確保、CSR等、様々な社会的課題やニーズがわき上がって来ており、社会状況の変化に沿った組織運営が求められる時代となりました。
どこまで、皆様のご期待に応えることができるかわかりませんが、多くの方のご賛同等をいただきながら職責を全うしたいと思っております。
どうぞご理解ご協力よろしくお願いいたします。
皆様 初めまして。神奈川支部で副支部長をしております笠原逸子と申します。
この度、非常勤理事をお引き受けすることになりました。野鳥や自然環境を専門に学んで来たわけではなく、出会った種数も400種程度です。それでも鳥たちのことがいつも気になり、彼らが暮らす環境を大切にしたいと日々思っています。毎日小さな子どもたちに生きものの不思議や魅力を伝える中で、もっともっと野生動物と共生していく術を教育現場に取り込む必要を感じています。女性ならではの感性やひらめきで何かお役に立てれば大変うれしいですし、活動現場にも実際に足を運びレンジャーの皆様とも協働したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
(総務室/林山 雅子)
平成29年度連携団体全国総会についてお知らせします。
参加申込、テーマ募集などの詳細はこれからになりますが、先ずはご予定くださるようお願いします。
▲2016年度総会の様子
●開催日
平成29年11月11日(土)13時〜11月12日(日)12時
●開催場所
クロスウェーブ幕張
〒 261-0023 千葉市美浜区中瀬1-3
TEL 043-298-1161
最寄駅:JR京葉線海浜幕張駅徒歩3分
交通手段:(羽田)リムジンバスで40分
(東京)JRで35分
▲クロスウェーブ幕張全景写真
●交通費補助
昨年度は、試験的に交通費及び宿泊費の全額補助を行いました。この結果、これまでになく多くの連携団体(52連携団体)に参加していただくことができました。
今年度も昨年と同様の補助を検討しましたが、残念ながら、財政状況が厳しいこともあり、一昨年と同じ補助といたしましたのでご承知おきください。
1万5千円を上回る交通費(実費)を全額補助。ただし、補助は1団体1人のみ。
●その他
会場の都合により、オークションは実施いたしません。
▲2016年度早朝探鳥会の様子
▲2016年度集合写真
▲宿泊施設
(総務室/奥田 秋穂)
名称変更などがあった支部についてお知らせいたします。(敬称略)
●日本野鳥の会吾妻
【事務局長の変更】
新):植木 正勝
旧):松本 倖市郎
変更年月日:2017年4月16日
●日本野鳥の会宮崎県支部
【支部長の変更】
新):岩切 久
旧):前田 幹雄
【事務局長の変更】
新):田辺 英樹
旧):前田 幹雄
●日本野鳥の会群馬
【代表の変更】
新):浅川 千佳夫
旧):田澤 一郎
変更年月日:2017年5月28日
※変更年月日のご連絡のない場合は、記載しておりません。
(総務室/鈴木 美智子)
2018年会員証を飾る野鳥写真を募集しております。テーマは自由で、郵送又はメールにて受け付けております。
詳細は、当会ホームページ又は野鳥誌6月号の応募要項をご確認ください。
野鳥写真を撮影される支部の会員の方にご紹介いただけましたら幸いです。
皆様からのご応募をお待ちしております。
●応募締切:2017年8月4日(金)
●応募資格:当会の会員であること
●選考について:
会員証選定作品1作品と特別賞3作品を選考し、野鳥誌に掲載、記念品をプレゼントさせていただきます。また、最終選考まで残った20作品につきましては当会媒体(HPなど)にて別途ご紹介させていただきます。
●応募要項の詳細は下記をご覧ください。
http://www.wbsj.org/join/join-and-changes/personal/kaiinsho_boshu/
※当会HPトップページの「おしらせ」欄、又は、トップページ>ご支援>ご入会・ご変更>個人会員>2018年会員証作品募集 からお入りいただけます。
●お問合せ先:
会員室 会員グループ
TEL:03-5436-2631 FAX:03-5436-2636
E-mail:[email protected]
(会員室/佐藤 ゆき乃)
6月1日会員数35,358人で、先月に比べ27人増加しました。5月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より1人少なくなっています。
会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。5月の入会者数は208人で、前年同月の入会者204人に比べ4人増加しました。また、5月の退会者は209人で、前年同月の退会者189人に比べ20人増加しました。
表1. 5月の入会・退会者数
入会者数 | 退会者数 | |
個人特別会員 | 11人 | 8人 |
総合会員(おおぞら会員) | 40人 | 70人 |
本部型会員(青い鳥会員) | 36人 | 39人 |
支部型会員(赤い鳥会員) | 88人 | 50人 |
家族会員 | 33人 | 42人 |
合計 | 208人 | 209人 |
年度累計 | 379人 | ※ |
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
■都道府県および支部別会員数■
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2 都道府県別の会員数(6月1日現在)
都道府県 | 会員数 | 対前月差 |
北海道 | 1739人 | 3人 |
青森県 | 260人 | -2人 |
岩手県 | 363人 | 0人 |
宮城県 | 486人 | 0人 |
秋田県 | 250人 | 1人 |
山形県 | 209人 | 2人 |
福島県 | 630人 | 5人 |
茨城県 | 931人 | -1人 |
栃木県 | 618人 | 14人 |
群馬県 | 634人 | -2人 |
埼玉県 | 2224人 | -8人 |
千葉県 | 1644人 | -4人 |
東京都 | 4940人 | -9人 |
神奈川県 | 3388人 | -3人 |
新潟県 | 372人 | 0人 |
富山県 | 212人 | -1人 |
石川県 | 293人 | 1人 |
福井県 | 225人 | 0人 |
山梨県 | 288人 | 0人 |
長野県 | 863人 | 0人 |
岐阜県 | 479人 | -3人 |
静岡県 | 1351人 | 0人 |
愛知県 | 1521人 | 9人 |
三重県 | 424人 | 6人 |
滋賀県 | 292人 | -2人 |
京都府 | 799人 | 4人 |
大阪府 | 1975人 | 8人 |
兵庫県 | 1284人 | 2人 |
奈良県 | 480人 | 4人 |
和歌山県 | 198人 | -2人 |
鳥取県 | 185人 | 2人 |
島根県 | 167人 | 1人 |
岡山県 | 561人 | -2人 |
広島県 | 569人 | 1人 |
山口県 | 378人 | -2人 |
徳島県 | 309人 | 1人 |
香川県 | 207人 | 1人 |
愛媛県 | 368人 | 1人 |
高知県 | 135人 | 1人 |
福岡県 | 1323人 | 3人 |
佐賀県 | 194人 | -2人 |
長崎県 | 209人 | 0人 |
熊本県 | 410人 | 3人 |
大分県 | 217人 | 2人 |
宮崎県 | 246人 | -3人 |
鹿児島県 | 342人 | -2人 |
沖縄県 | 113人 | -1人 |
海外 | 12人 | 0人 |
不明 | 41人 | 1人 |
全国 | 35358人 | 27人 |
備考:不明は転居先が不明の会員を示します。
表3 支部別の会員数(6月1日現在)
都道府県 | 会員数 | 対前月差 |
小清水 | 13人 | 0人 |
オホーツク支部 | 237人 | 0人 |
根室支部 | 83人 | 1人 |
釧路支部 | 164人 | 2人 |
十勝支部 | 196人 | 2人 |
旭川支部 | 85人 | -2人 |
滝川支部 | 46人 | 0人 |
道北支部 | 33人 | 0人 |
江別支部 | 20人 | 0人 |
札幌支部 | 308人 | 2人 |
小樽支部 | 77人 | -3人 |
苫小牧支部 | 167人 | 0人 |
室蘭支部 | 160人 | 0人 |
函館支部 | 25人 | 0人 |
道南檜山 | 73人 | 0人 |
青森県支部 | 143人 | -2人 |
弘前支部 | 122人 | 2人 |
秋田県支部 | 239人 | 0人 |
山形県支部 | 192人 | 1人 |
宮古支部 | 89人 | 0人 |
もりおか | 155人 | 1人 |
北上支部 | 105人 | -1人 |
宮城県支部 | 440人 | 0人 |
ふくしま | 162人 | 1人 |
郡山 | 174人 | 1人 |
二本松 | 15人 | 0人 |
白河支部 | 40人 | 0人 |
会津支部 | 51人 | 0人 |
奥会津連合 | 10人 | 0人 |
いわき支部 | 110人 | 1人 |
福島県相双支部 | 16人 | 0人 |
南相馬 | 14人 | 1人 |
茨城県 | 834人 | -5人 |
栃木 | 599人 | 14人 |
群馬 | 568人 | -2人 |
吾妻 | 41人 | 0人 |
埼玉 | 1694人 | -15人 |
千葉県 | 1074人 | -3人 |
東京 | 2892人 | 3人 |
奥多摩支部 | 844人 | 2人 |
神奈川支部 | 2396人 | 5人 |
新潟県 | 285人 | 0人 |
佐渡支部 | 28人 | 0人 |
富山 | 185人 | -2人 |
石川 | 272人 | 0人 |
福井県 | 218人 | 0人 |
長野支部 | 466人 | -1人 |
軽井沢支部 | 173人 | 0人 |
諏訪 | 232人 | 0人 |
木曽支部 | 23人 | 0人 |
伊那谷支部 | 83人 | 1人 |
甲府支部 | 197人 | -1人 |
富士山麓支部 | 58人 | -1人 |
東富士 | 67人 | 0人 |
沼津支部 | 169人 | 1人 |
南富士支部 | 246人 | 0人 |
南伊豆 | 40人 | 1人 |
静岡支部 | 357人 | -4人 |
遠江 | 421人 | 0人 |
愛知県支部 | 1112人 | 11人 |
岐阜 | 483人 | -5人 |
三重 | 356人 | 2人 |
奈良支部 | 451人 | 1人 |
和歌山県支部 | 198人 | -2人 |
滋賀 | 292人 | -2人 |
京都支部 | 764人 | 4人 |
大阪支部 | 1861人 | 14人 |
ひょうご | 983人 | 1人 |
鳥取県支部 | 202人 | 2人 |
島根県支部 | 163人 | 1人 |
岡山県支部 | 528人 | -2人 |
広島県支部 | 490人 | -2人 |
山口県支部 | 359人 | -1人 |
香川県支部 | 165人 | 1人 |
徳島県支部 | 321人 | 0人 |
高知支部 | 122人 | 2人 |
愛媛 | 344人 | 0人 |
北九州 | 313人 | 3人 |
福岡支部 | 596人 | 0人 |
筑豊支部 | 232人 | -2人 |
筑後支部 | 167人 | 0人 |
佐賀県支部 | 212人 | -1人 |
長崎県支部 | 201人 | 0人 |
熊本県支部 | 402人 | 2人 |
大分県支部 | 215人 | 1人 |
宮崎県支部 | 238人 | -1人 |
鹿児島 | 307人 | -3人 |
やんばる支部 | 79人 | -2人 |
石垣島支部 | 25人 | 0人 |
西表支部 | 42人 | 0人 |
30449人 | 22人 |
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
先日、隣の家のベランダにスズメがとまっていました。ヒナの声も聞こえてきました。家庭用分配器の中からヒナが顔をだし、餌をねだっていました。いろいろなところで子育てが行われています。いつも支部ネット通信をご愛読いただき、ありがとうございます。
今月号では、『2018年会員証作品募集』が掲載されています。ぜひ、お申し込み下さい。また、『理事改選のご報告』も掲載されています。新任の方の抱負も掲載しました。ぜひご一読下さい。
梅雨入りし、蒸し暑い日が続いております。皆さま、お体をくれぐれもご自愛ください。
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支部ネット通信 第159号 ◆発行 公益財団法人日本野鳥の会 2017年6月23日 ◆担当 総務室 総務グループ 奥田秋穂/林山雅子 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル TEL:03-5436-2620 FAX:03-5436-2635 E-mail:[email protected] |