本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
●2016/9 東京
・ニホンザリガニ
・自然教育園で繁殖する鳥
・葛西海浜公園東なぎさクリーン作戦(自然共生社会づくり委員会)
●2016/8 神奈川
・里山の変化とキビタキの増加(幹事)
・鳥の名前がついた魚
・2016年ガンカモ調査(保護研究部)
●2016/8 筑豊
・トレイルランニング大会in東峰
・「おさんぽ鳥図鑑」さえずりの種に異議あり(情報部)
・ウミツバメ類
・誰でもできる野鳥録音のすすめ
・文語と口語
●2016/8 鹿児島
・クロノビタキ観察
●2016/9 東京
・ニホンザリガニ
日本には3種のザリガニ、ニホンザリガニ、アメリカザリガニ、ウチダザリガニがいる。ニホンザリガニは小さく北海道の在来種で個体数減少が著しい。東北の一部にも移入されている。日光市でも生存しているが、大正時代に皇族に献上した生き残りのようだ。アメリカザリガニの子供をニホンザリガニと間違って思っている人もいる。アメリカザリガニは特定外来種ウシガエルの餌として移入された。ウチダザリガニは北米原産でアメリカザリガニより大きく、栗色でハサミがロブスターのように巨大で、ニホンザリガニを駆除している。
(東京「ユリカモメ」NO.731,P9)
・自然教育園で繁殖する鳥
港区にある国立自然教育園で嘗て、繁殖していた鳥はコジュケイ、ホオジロ、モズで前者は森林度が高まり営巣に適さなくなり、後者2種は林縁の草地の減少による。新しく繁殖するようになった種はヒヨドリ、コゲラ、エナガ等である。カワセミは暫し飛来しなかったが、今年は5羽が巣立った。オシドリは1964/11に越冬数158羽を記録し、1996年より繁殖していたが、1998/4の雛4羽を最後に渡来も繁殖も途絶えた。アオゲラが2014年より夏に見られるようになり、今春初めて繁殖が確認された。
(東京「ユリカモメ」NO.731,P12〜13)
・葛西海浜公園東なぎさクリーン作戦(自然共生社会づくり委員会)
6/18、実施されたクリーン作戦、年2回予定している。
http://edogawa-ecocenter.jp/course/detail/446/
(東京「ユリカモメ」NO.731,P18)
●2016/8 神奈川
・里山の変化とキビタキの増加(幹事)
最近、探鳥会でキビタキ、オオルリを見る機会が増えている。県内の平野部でこれらが繁殖するなど昔は考えられなかった。1960年代には三浦半島にはオオルリはいなかった。その頃、真鶴半島の森は狭くても、キビタキが繁殖していたのは大木が育っていた事が関係している。都市近郊の里山では真鶴半島の森のように平面的には面積は変わらないが、立体的に森林の容積が大きくなり、森林性の鳥が増えている感じである。一方で里山の荒廃があり、植物や昆虫からの視点の違いを知るべき。生物の増減、他の生き物との関係等は少なくとも5〜10年以上のモニタリング調査が必要である。
(神奈川「はばたき」NO.531,P2)
・鳥の名前がついた魚
体の黒色からカラスガレイ、ニンジャカラスザメがいる。小さいの意でスズメダイ。燕尾姿よりツバメウオ、ツバメコノシロがいる。後者はツバメに似ていない。メジロザメ、キジハタも鳥の名前がつく。クロサギ、シマアジは鳥と同じ名前の魚である。ハマダイはオナガとも呼ばれている。
(神奈川「はばたき」NO.531,P4)
・2016年ガンカモ調査(保護研究部)
1月第三日曜日を中心に県内84箇所を調査した。総計15,006羽で内訳はスズガモ3,741、コガモ2,740、ヒドリガモ2,170、カルガモ1,802、オシドリ1,503、キンクロハジロ738、マガモ700、ホシハジロ663、オナガガモ457、オカヨシガモ310等。スズガモとオシドリは年により変動が大きく、今年はそれらは急増し、総計が昨年より2千羽程増えている。
(神奈川「はばたき」NO.531,P6〜7)
●2016/8 筑豊
・トレイルランニング大会in東峰
10/2、36q、参加者300名の大会が東峰村で計画されている。6/20、当大会実施に伴うクマタカ等の生息環境への影響について同村と意見交換した。モニタリング調査を大会前後各3日間行う。国定公園、特別保護区利用については森林管理署と福岡県に許可を貰う。コースは主催のトレイルランニング協会(宮崎)が事前踏査している。東峰村は村おこしから後援する。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.462,P23)
・「おさんぽ鳥図鑑」さえずりの種に異議あり(情報部)
本部は「おさんぽ鳥図鑑」なる小冊子を発行した。その中にさえずる鳥にスズメ、キジバト、カワセミ、モズ、カイツブリ、コガモ、キンクロハジロ、オオハクチョウが入っている。オオハクチョウがさえずるんかい! 同冊子でさえずりの定義に「オスが鳴くメスへの求愛や縄張りを守るための声」とある。この表現は野鳥の生理学的な面だけを取り出し、人の側にある文化的な側面を無視している。「フィールドガイド日本の野鳥」の囀る種と異なっているのは調査結果記録時に混乱を生じ好ましくない。財団本部はこのような不整合を解消すべきである。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.462,P24〜25)
・ウミツバメ類
日本産のウミツバメ類は殆どが関東以北や小笠原諸島の太平洋遠洋海上で観察される。福岡県では唯一ヒメクロウミツバメが宗像市沖ノ島で繁殖している。ここではドブネズミの侵入で絶滅と復活を繰り返している。他に京都府沓島、東京都八丈小島、岩手県三貫島が知られている。クロコシジロウミツバメは太平洋、大西洋とかなり広く分布する。日本では岩手県の日出島と三貫島で繁殖する。アシナガウミツバメは南極周辺で繁殖し、北半球まで移動する。最近、千葉県銚子沖に定期的に飛来しているのが発見された。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.462,P26〜28)
・誰でもできる野鳥録音のすすめ
ガラケーやスマートホンでデジタル録音ができる。デジカメの動画撮影でも集音できる。下記はスマートホンで録音したセンダイムシクイとアカショウビンの声である。
http://yacho.org/cbird/pages/1_home/pic/reikai/2015/0510/exhibit2/31.mp3
http://yacho.org/cbird/pages/1_home/pic/reikai/2015/0510/exhibit2/32.mp3
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.462,P35〜36)
・文語と口語
TVニュース映像では文言は長たらしい口語より文字数が少ない文語体が重宝される。文字数が制約される俳句では尚更である。明治以来の言文一致の口語表現は未だ発展途中で、正岡子規が俳句で少し変えたが、美しい言葉は昔のまま残るのであろう。俳句では鳥名は旧仮名使いや漢字を使い、漢字が多く窮屈な時は平仮名を使い、学問上統一されたカタカナ表記を使うのは文芸的にはその必要は無い。俳句になる鳥名(漢字)は「ホトトギス新歳時記」(稲畑汀子編)にある。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.462,P37,47)
●2016/8 鹿児島
・クロノビタキ観察
4/14、トカラ列島の悪石島でクロノビタキを確認し、撮影した。鹿児島県は勿論、九州で初記録になる。1989/1〜3、2004/3、与那国島で、2002/5、久米島及び宮古島で、2004/5、粟島で観察されただけの極めて稀な迷鳥である。
(鹿児島「るりかけす」Vol.151,P8)
●2016/7-8 盛岡
・オオコノハズクの記録
・カンムリカイツブリ岩手県内初繁殖(7/9岩手日報)
●2016/9 茨城県
・ホケモンGOに瓜二つ
・糞のDNAを使って蓮田を利用する水鳥の食物を調べる
・防鳥ネット羅網被害調査
・鳥が安らげる茨城をつくるため(事務局)
●2016/7 沼津
・大江戸を川柳でバードウォッチング
●2016/8 徳島県
・2016年春のタカの渡りノスリ(研究部)
・日本湿地ネットワーク総会・シンポ
・コウノトリ・ナベヅル徳島フォーラム
●2016/8 山口県
・下関市安岡沖洋上風力発電施設(事務局)
・2016年度カワウ調査(調査研究部)
●2016/7-8 盛岡
・オオコノハズクの記録
7/30、盛岡市早坂高原付近の道路沿いでオオコノハズク幼の死体を回収した。コノハズクと似るが、オオコノハズクが大きい。翼長(オオコノハズク:157〜182o、コノハズク:136〜151o)、尾長(前者:71〜100o、後者:58〜70o)。岩手県内では大迫町での営巣例(1977、1991年)、近年は宮古市で繁殖と、生息記録は多くない。鳴き声もコノハズクと違って聴きづらく、鳴く時期も限られている。
(盛岡「山翡翠」NO.371,P2)
・カンムリカイツブリ岩手県内初繁殖(7/9岩手日報)
盛岡市と雫石町にまたがる御所池で岩手県初のカンムリカイツブリの繁殖が確認された。野鳥の会もりおかは繁殖期間中のカヌー教室の中止を要望していたが、それが実現し、自然の営みにも配慮を求める看板も設置された。多くはバイカル湖付近で繁殖するが、国内では10箇所程と少ない。
(盛岡「山翡翠」NO.371,P3)
●2016/9 茨城県
・ホケモンGOに瓜二つ
私のフィールドを歩いていると、景色がいつもと異なり、服装がファッショナブルでスマホを操作する人が右往左往している。これには平穏に暮らす住民のひんしゅくを買う。大衆総動員もやり方次第では恐ろしい。似たものに鷹モンがある。リアルなモンスターはおいそれと出没しないが、そこにいない鳥を放鳥し珍鳥を作り出し、人を集める。共にモンスターを集めるコレクター心理が働いている。数がそこそこ揃えば飽きが来る。本物は流行に流されず、本質に依存し、いつまでも続くものである。
(茨城県「ひばり」NO.333,PH)
・糞のDNAを使って蓮田を利用する水鳥の食物を調べる
霞ヶ浦周辺の蓮田では、水鳥のレンコン食害が疑われている。支部、国立環境研究所、京都大学、茨城県の共同で蓮田にやって来る水鳥が何を食べているのかを調査した。糞のDNAから鳥の種名、糞の断片から食べたものを推定した。その結果、蓮田周辺の糞はオオバン、オナガガモ、コガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、ヨシガモの6種のもので、36種の植物が検出された。季節が進むにつれハス(部位は根か特定できない)を食べる比率が高まり、渡りに備えて栄養補給、放棄されたレンコンが増える時期を利用しているのかもしれない。
(茨城県「ひばり」NO.333,P3〜5)
・防鳥ネット羅網被害調査
H28年1月末、県南12箇所の蓮田を調査した。総羅網数は1,485羽、過去4年間で最大であった。犠牲はオオバンが709羽と多く、ヒドリガモ174、コガモ147等であった。ネットの張り方が不完全で隙間が多く、容易に鳥の侵入を可能にしているのは問題で、改善を申し入れているが、一向に改善が見られない。二次被害も出ており、フクロウ、ノスリ、オオタカ、コミミズク、カラスも羅網している。嘗てはサギ等が蓮田に入り、ミドリガメ、ジャンボタニシは駆除されていたが、今では防鳥ネットで生態系が崩れており、これらは増えている。
(茨城県「ひばり」NO.333,P6〜7)
・鳥が安らげる茨城をつくるため(事務局)
対価が伴う支部の委託調査は6件ある。猛禽類調査は、契約の関係で無暗に公表はできない。オオハクチョウの採食地調査は県のオオハクチョウの歴史を物語り、給餌の有り方を理解して頂くため、採食地が簡単に特定できないように公表している。メガソーラー問題でも場所と個人名が伏せられている。その他、手弁当での自主調査(防鳥ネット羅網被害調査、シギ・チドリ、サシバの渡り等)もあり、会員諸兄も身の回りに注意を向けて欲しい。
(茨城県「ひばり」NO.333,P22)
●2016/7 沼津
・大江戸を川柳でバードウォッチング
江戸っ子の川柳より。「おどり子に足につけてる沼のサギ」:足をチョコチョコ動かすコサギの姿は阿波踊りの女踊りである。「ホトトギス聞かぬといえば恥のよう」「ヤマドリとなって小鳥を大事にし」:ヤマドリは峰を隔てて眠るという。江戸の住民は故郷に女房、子供を残して来ている。子供(小鳥)を思う親の気持ちは変わらない。「宇治は鷹、江戸では鶴の御献上」:朝廷と将軍家を結ぶ献上の儀式、鶴の塩漬けは松に止まるコウノトリかも。参考:「大江戸鳥暦」(松田道生 河出書房)
(沼津「野鳥だより沼津」NO.274,P3)
●2016/8 徳島県
・2016年春のタカの渡りノスリ(研究部)
3/5〜5/28、46日間で鳴門山展望台でノスリ2,254羽で、過去15年間で最大となった。100羽超えは3/5:124、3/12:460、3/16:334、3/21:171、3/22:215と3月を中心に(3月の総計1,817)渡った。4月は総計372、5月は総計65と少ない。
(徳島県「野鳥徳島」NO.455,P2〜4)
・日本湿地ネットワーク総会・シンポ
6/26、豊橋市でJAWANの総会・シンポ「日本の湿地を守ろう2016」が開催された。行政や経団連から多額の資金援助を受けている環境団体は行政や大企業が進める自然破壊には徹底抗議しない。原発についても何も言わない。JAWANはこれらから全く自由な立場で発言し、日本の湿地を守るための活動を続けている。
(徳島県「野鳥徳島」NO.455,P5)
・コウノトリ・ナベヅル徳島フォーラム
7/2、徳島市で開催された。コウノトリの保護は全国的に官民学の協働がうまく機能しているが、ナベヅルの保護は難しい課題がある。ナベヅルは毎年決まった場所に舞い戻るのではなく、徳島県でも今冬は60羽を超える個体が各地に舞い降り、一時しのぎ的な対応しかできていない。三宅支部長から「県内の越冬状況の説明」、日本ツル・コウノトリネットワークの金井裕会長の「コウノトリ・ナベヅルの生態と習性」、日本雁を保護する会呉地正行会長の「ふゆみずたんぼの提唱」があった。農業団体からはふゆみずたんぼ、二番穂の課題が出された。
(徳島県「野鳥徳島」NO.455,P8〜11)
●2016/8 山口県
・下関市安岡沖洋上風力発電施設 (事務局)
環境影響評価のための調査を終え、準備書作成の段階にある。風車の数は20基計画から単機出力(3MW→4MW)を大きくし、15基になっている。民家から800m以上離れた計画を1500m以上に変更されている。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.246,P1)
・2016年度カワウ調査 (調査研究部)
5月、山口県下で15箇所のカワウ塒が確認された。就塒個体数は総計915羽(昨年12月は3,209)、多い場所は大原湖269、大堤溜池282。営巣は6箇所で総計202巣(昨年同期は334)。分布調査では15箇所で総計596羽(昨年12月は3,030、昨年同期は605)。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.246,P3)
●2016/9 埼玉
・戸隠高原
・県鳥獣保護員への講習会
●2016/9 千葉県
・カンムリウミスズメ人工巣で繁殖世界初(7/22毎日新聞)
・タンチョウ給餌終了へ(7/29毎日新聞)
・隕石衝突で海洋生物絶滅(7/9日経新聞)
●2016/9 南富士
・ハチクマの変わった習性
●2016/9 高知
・四万十川沿川でのブッポウソウ繁殖地回復
●2016/9 筑豊
・植物リスト作成と活用
・さえずる季語の本意
・奇妙な習性を持つモズ(編集部)
●2016/9 熊本県
・熊本県におけるムクドリの繁殖分布
・熊本県鳥類誌(県産鳥類目録)発行
●2016/9 埼玉
・戸隠高原
当会が行う秋の戸隠高原探鳥会は今回で23回目になる。過去22回に出現した種は87種で主な野鳥の出現率はカケス100%、ゴジュウカラ100%、アオゲラ96%、マミチャジナイ91%、アカハラ91%、アカゲラ91%、イカル86%、ムギマキ82%、アトリ82%、ミソサザイ77%、キバシリ73%、マヒワ68%、キクイタダキ64%、オシドリ41%、アオバト41%、オオアカゲラ23%。
(埼玉「しらこばと」NO.389,P2〜4)
・県鳥獣保護員への講習会
7/10、さいたま市の埼玉県狩猟免許更新講習会で、県鳥獣保護員である当支部小林副代表が講師を務めた。鉛弾を代替品に変えること、非狩猟鳥への識別力をアップするよう狩猟免許保持者百数十名に講義した。
(埼玉「しらこばと」NO.389,P12)
●2016/9 千葉県
・カンムリウミスズメ人工巣で繁殖世界初(7/22毎日新聞)
7/22、日本野鳥の会は人工的に作った巣でカンムリウミスズメが世界で初めて繁殖したと発表した。静岡県下田市の無人島・神子元(みこもと)島でコンクリートブロック(20cm角程度)を27箇所設置し、6月、5羽が巣立った。日本近海や韓国周辺に1万羽程度しかおらず、近年は離島に上陸した人がゴミを残し、カラスが増え、生息数が減っている。最大の繁殖地は宮崎県枇榔島で1000羽以上が繁殖している。野鳥の会は伊豆諸島周辺で同規模の繁殖地を目指している。
(千葉県「ほおじろ」NO.425,P12)
・タンチョウ給餌終了へ(7/29毎日新聞)
7/28、環境省は道東で実施しているタンチョウへの給餌を段階的に減らし、終了に向かう計画を発表した。1984年、3箇所で給餌が開始され、2006年には1000羽を超え、今年1月には過去最大の1,320羽に達した。生息域の集中による感染症、農業被害拡大を懸念して来冬の給餌は2割減の20トン、2019年には半減させる。環境省は、給餌は数を増やすための緊急的な措置、今後は数を維持する方向に転換すると言う。
(千葉県「ほおじろ」NO.425,P12)
・隕石衝突で海洋生物絶滅(7/9日経新聞)
熊本大学の尾上哲治准教授と海洋研究開発機構等は、約1億1500万年前に地球に衝突した巨大隕石で海洋生物の絶滅が起きたとする研究成果をまとめた。約6600万年前の白亜紀の恐竜絶滅は有名であるが、今回、カナダにあるクレーターの隕石に含まれる金属原子が残る岐阜県内の地層の化石に注目し、その前後で21種の放散虫が3種に激減していたのを確認した。
(千葉県「ほおじろ」NO.425,P12〜13)
●2016/9 南富士
・ハチクマの変わった習性
好んで食べるハチの巣をどのようにして見つけるのか?視覚?匂い?ハチが巣を作る環境を知っている?ハチクマの繁殖期は遅く、雛は短期間で成長し9月には渡りをする。ローヤルゼリーのお陰?クマタカは巣立ち半年でも500m程度しか移動できない。猛禽類は縄張りを持ち、同種の他個体には激しくは排斥行動をとるが、ハチクマには強い縄張り保持行動があまり見られない。ハチの巣を求めて数十q飛ぶと言われ、互いに縄張りが重なっている?6〜7月、5〜6羽(殆どが雄の成鳥)のハチクマが同時に出現し1時間も飛び回る(ハチクマの祭りと呼ぶ)。この意味は謎である。
(南富士「さえずり」NO.406,P7〜8)
●2016/9 高知
・四万十川沿川でのブッポウソウ繁殖地回復
嘗て、四万十川の鉄道鉄橋、道路橋(いずれもトラス橋)でブッポウソウは繁殖していた。トラス橋は鋼鉄製で骨組みが四角形の筒状で下面の穴から中に入って利用する。それも2011〜2013年、カラスの進出で絶滅寸前になった。支部は2015年、NTT西日本の電柱に巣箱を架ける協議をし、2016年に30巣箱を設置した。定着する5月より遅い設置のため、今期の利用は無い。
(高知「しろぺん」NO.356,P1〜2)
●2016/9 筑豊
・植物リスト作成と活用
鳥類の約600種(国内)に対し植物は一説によると在来植物は約5千種、帰化植物は800〜1300種と言われる。鳥類の約10倍、植物の識別は専門家でない支部会員が自然観察で記録するのは限界があると考えられる。鳥類は日本鳥学会の「日本鳥類目録」に頼れるが、植物にはそのような団体は見当たらないので、支部は都度リストを作り、検索できるようにした。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.463,P17)
・さえずる季語の本意
さえずるのはスズメ目の小鳥で鳴禽と呼ばれる種とある。アッテンボローも「さえずるのは殆どスズメ目の鳥に限られる。世界の鳥の大部分はスズメ目である」と言う。例外としてカラス科でスズメ目である。不明瞭に鳴くスズメ、ヒヨドリ、ムクドリではさえずりとは言わない。しかし、ホトトギス、アオバト、アカショウビンの声を聴くと、S(さえずり)としてしまう事がある。俳句では「さえずり」ではなく文字数が少ない「鳴く」、「声」にしてしまうのでさえずりに関してはのん気である。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.463,P27)
・奇妙な習性を持つモズ(編集部)
モズ類は世界に33種、日本には8種いる。奈良時代からモズと言われ、その名の由来はよく分からない。漢字の鵙はゲキと読み、モズの鳴き声を表す。はやにえの主な動物はトノサマバッタやエンマコウロギが多いが、ペリットを調べるとゴミムシ、マグソコガネ、スズメバチ等で両者は合わない。「モズは1年中捕食可能なゴミムシやクモを捕食し、それが手に入らぬ時期はバッタ、コオロギ類を捕り、余り好きでない動物ははやにえにしている」と推理がされている。参考:バーダー1994/9
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.463,P35)
●2016/9 熊本県
・熊本県におけるムクドリの繁殖分布
ムクドリは北日本では秋冬に暖地に移動するものが多い。南西諸島では冬鳥である。熊本県では1970年代の繁殖期に2例の観測例があり、1984年、人吉市の小学校のセンダンの樹洞で繁殖が報告された。その後、徐々に県西部、県北部に拡がり、30年近くかかり県内全域で留鳥になった。1983年には鹿児島県指宿市で、樹洞で営巣が見つかり、鹿児島県北部へ広がっていた。以前は瓦と屋根板の隙間にスズメが入り、大きなムクドリには無理であったが、建築様式の変化でムクドリの営巣環境に合う人工構造物が出現し、現在の繁栄に繋がったのではないか。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.344,P16〜17)
・熊本県鳥類誌(県産鳥類目録)発行
2010/2に県産目録委員会が結成され、この8月発売の運びになった。1969年以降の800余名の記録(348種、21万件)を載せている(CD-ROM付)。種毎に市町村分布図、月別記録数、個体数経年変化のグラフで解説。A4サイズ300頁、価格2,300円(別に郵送費200円)。問合せ先:http://torikuma.com/mokuroku.html
(熊本県「野鳥くまもと」NO.344,P18)
インターネットの発達で、更に詳しい情報が世の中にはあります。各地から送られてくるアナログの支部報の要約の中にあるキィーワードからそれらが容易に検索できます。
(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)
【日 程】:2016年7月16日(土)〜17日(日)
【場 所】:八戸シーガルビューホテル(青森県八戸市)
【担 当】:日本野鳥の会青森県支部
【参加者】:日本野鳥の会弘前支部、日本野鳥の会秋田県支部、日本野鳥の会山形県支部、日本野鳥の会宮古支部、日本野鳥の会もりおか、日本野鳥の会北上支部、日本野鳥の会宮城県支部、日本野鳥の会ふくしま、日本野鳥の会郡山支部、日本野鳥の会白河支部、日本野鳥の会会津支部、日本野鳥の会福島県相双支部、日本野鳥の会南相馬、日本野鳥の会青森県支部の14支部と(公財)日本野鳥の会から84名が出席した。(公財)日本野鳥の会からは、上原(常務理事兼事務局長)、安藤(会員室室長)、箱田(普及室室長代理)、堀本(普及室員)が出席した。
【議 事】:
7月16日(土)13:00〜17:00
<開会挨拶>
青森県支部支部長の関下氏より、遠方からの参加に対するお礼、及び会議の内容と早朝探鳥会の説明を交え挨拶があった。
<来賓あいさつ>
八戸市長の小林氏より、八戸市での開催に対する喜びと歓迎、及び日本野鳥の会の活動に対する敬意と感謝、生物多様性保全における日本野鳥の会の活動の重要性、並びに本日の総会が有意義なものとなることを願う旨、挨拶があった。
青森県環境生活部自然保護課長の佐々木氏より、日本野鳥の会の日頃の活動への感謝、及び三方を海に囲まれ、国立公園や世界自然遺産など多様な自然環境を有する青森県は、生物多様性の保全と持続可能な利用を推進するためにH26年3月に生物多様性地域戦略を策定し努力を進めており、今後も自然保護のために行政と日本野鳥の会で尽力していきたい旨、挨拶があった。
(公財)日本野鳥の会常務理事兼事務局長の上原氏より、自己紹介、及び日本野鳥の会から離れていた19年間で変わったこととして、2011年の震災、企業の環境への取り組み、人口の減少、一方で変わっていないこととして、日本野鳥の会が自然保護を進める上で、全国90支部の力が活動の源泉であり活力の源であることが述べられ、今後も支部の皆さま、会員お一人お一人の力を借りて、自然保護を進めていきたい旨、挨拶があった。
▲総会の様子
<基調講演>
青森県支部の成田幹事より、「蕪島のウミネコ」について講演があり、ウミネコの繁殖ステージの詳細や、標識調査の結果などが紹介された。
<議事>
第1号議案:
H27年度日本野鳥の会東北ブロック協議会総会の収支報告があり、承認された。
第2号議案:
日本野鳥の会東北ブロック協議会総会開催一覧が確認され、来年は秋田県支部が担当することで承認された。
その他:
1.ブロック協議会のスムーズな引き継ぎのために、「規約の運用要項」の[3.]以下を開催支部が書き換え可能にすることが、承認された。
2.旧口座を解約後に新口座を開設し、講座名から(財)を削除することが承認された。
3.風力発電所など諸問題の各会情報の共有について議事が予定されていたが、会議後半でもりおかからの活動報告を聞いた後、懇親会の席などで話を深めることとなった。
<普及室から>
・小冊子から探鳥会へ:
堀本普及室員より、「おさんぽ鳥図鑑」のような小冊子を使った普及活動の説明があり、小冊子プレゼントハガキの設置やマスコミへのプレスリリースへの協力依頼があった。また「おさんぽ鳥図鑑」のプレゼント記事が河北新報に掲載されたことで、宮城県在住の一般の方から「おさんぽ鳥図鑑」の申込みが約1,000件あったことが報告された。
・2016年度「探鳥会リーダーズフォーラムについて」:
堀本普及室員より、2016年度の探鳥会リーダーズフォーラムについて、西日本は10月29、30日に六甲山YMCA、東日本は1月28、29日に八王子セミナーハウスで企画しており、多くの方に参加していただきたい旨、述べられた。
<活動報告>
各15分程度で以下3つの報告があった。
・福島県相双支部の白瀬支部長より、松川浦に渡来するシギ・チドリ類の震災の影響について報告があった。
・もりおかの中村代表より、2015年6月に発足された「風力発電等問題対策協議会」の活動について、活動の方向性やアンケートの集計結果などが報告された。
・山形県支部の清瀬事務局長より、支部活性化への取り組みとして、初心者向け探鳥会の開催やお試し会員制度の導入などの新規会員の勧誘活動、及び各調査の要員養成のための座学と実践講座の開催、並びに飛島の海鳥生息状況調査として、2015年度からウミスズメ、カンムリウミスズメ、ウトウの調査を山形県の委託事業で実施していることが報告された。
※会議終了後、懇親会とオークションが催された。
7月17日(日)6:00〜9:00
種差海岸で、早朝探鳥会が開催され、青森県支部の案内のもと、ウミネコやアオジ、ホオアカなどの野鳥とスカシユリやハナショウブなどの植物観察を楽しんだ。また解散後に仏沼への案内があり、オオセッカやコヨシキリ、オオジュリンなどを観察した。
(普及室/堀本 理華)
■普及室より
<九州以南にヤマセミはいるか?>
野鳥誌11月号の特集が種子島になりました。島に住む会員の方に種子島の鳥について書いていただけたので、興味深く拝見しました。新版では、野鳥の分布を示すために「旧北区・東洋区」や「南西諸島」という言葉を用いていますが、屋久島や種子島などから成る大隅諸島は旧北区ではほぼ南限、南西諸島では北限に位置します。そこにどんな鳥がいるのか?いないのか?はとても微妙かつ重要と思われますが、屋久島以外はあまり調べられていないのです。
例えば、この連載の2015年6月号では『新・山野の鳥』改訂版のトビの分布を、「九州以北」から「屋久島以北」に直したと書きました。『フィールドガイド日本の野鳥』も増補版までは「九州以北」でしたが、増補改訂版(2007年)で「屋久島以北」に修正したことに揃えたわけです。この度野鳥誌用にいただいた原稿に、種子島でも普通にトビがいると書かれていたので、安心しました。
多くの図鑑で「全国」とされて南西諸島が無視されている分布の記載、「九州以北」とされて大隅諸島が配慮されていない種が少なくありません。新版や『新・山野の鳥』ではトビのほかにも、ホトトギス、キジ、ヒガラ、カワガラスなどは屋久島以北としています。ミソサザイは増補改訂版まで「種子島以北」になっていましたが、新版で「屋久島以北」に直しました
大隅諸島での分布については、新版が準拠した日本鳥類目録改訂第7版でも疑問点があります。ヤマセミは屋久島、種子島ともに留鳥で繁殖しているような記載になっていますが、近年の記録は確認できず、新版では悩みながらも九州以北としました。また、新版では目録7版に準拠して大隅諸島で夏鳥としたアカヒゲですが、私が知る限り、近年は見られていません。野鳥誌11月号用の原稿では、20年ほど前から観察例がないと書かれていました。
<新たなご指摘に感謝とお詫び>
新版は、島にも、目録以外の情報にも目配せをしてきたつもりですが、申し訳ないことに見落としもありました。新版に対していただいた新たなご指摘から、お詫びすべき2箇所について書かせていただきます。
P307の「珍しい種や識別が難しい種の記録」で、細部のチェックポイントの例を書いています。その6.で「ヒメウタイムシクイ属」が「ヒメウタウイムシクイ属」と書かれていることに、この連載の読者が気づいて下さいました。この属や種を掲載したP334では間違っていませんが、P307はこれまで見過ごされてきたことになります。ご指摘に感謝するとともに、皆様にはお詫び申し上げなくてはなりません。
また、新版ではP320にミナミクイナを追記しましたが、その分布図が示す分布域は狭くないか?と日本野鳥の会埼玉、野鳥記録委員会の榎本秀和さんからご指摘いただき、その通りであったこと、重ねてお詫び申し上げる次第です。
新版でアジアの分布域の参考文献としたのは、以前も紹介したMark Brazilによる『Birds of East Asia』 です。Brazil氏は私がウトナイ湖サンクチュアリのレンジャー時代にボランティアで手伝ってくれた縁もあるのですが、この著作は2007年増補改訂版以後に発行され、知見や情報が新しい上に、島ごとの分布も示す努力がされているなど比較的細かい配慮がされていたからですが、今回改めて『Birds of East Asia』を見直してみると、ミナミクイナでは分布図の地図自体が中国南部までしかカバーしていませんでした。新版ではさらに南西に広がる地図を使いながら、東南アジアに広がるミナミクイナの分布域(フィリピン、ボルネオ、マレー半島など)に着色してありませんでした。
サバンナシトドの分布と地名の訂正(5月号参照)ではホームページ掲載のほか、正誤表を入れる措置もしましたが、その他のご指摘については、いつ、どのように公表すべきかを検討中です。間違いとまでは言えない箇所、訂正するとかえって誤解や混乱の元になりそうな箇所もひとまとめにして整理する必要があるので、現時点では2刷り発行の段階で、ホームページなどで公表したいと考えています。
ところで、上記のようなありがたいご指摘には感謝しきれない一方で、新版の読者カードには今も「増補改訂版とあまり変わっていない」というご意見がしばしば書かれています。多々修正はしましたが、あまり変わったようには見えないように変えてきた努力が報われた面もあると思って自ら慰めていますが、新版では東南アジアの分布もかなり修正しました。新版とその前の増補改訂版がお手元にある方は、例えば、ヨシゴイ、アカガシラサギ、クロハラアジサシ、オーストラリアセイタカシギなどの分布図を見比べると、違いに気づいていただけると思います。
<いわき支部と熊本県支部の目録>
前回、京都支部と日本野鳥の会群馬による鳥類目録を紹介しましたが、いわき支部も『いわき鳥類目録2015』を発行されていました。1種でもさまざまなカットの写真を用いたり、類似種を並べ識別点を示したりと、図鑑としても役立つように工夫されていました。
今年8月には、熊本県支部が『熊本県鳥類史(熊本県産鳥類目録)』を発行されました。神奈川支部による『神奈川の鳥2006-10』と同じようなボリュームがあり、『神奈川の鳥』同様に付録でデータベースが付いています。約20万件ものデータを精査されたそうですが、すべてがボランティア作業のはずですから、頭が下がる思いです。
まだ、さっと眺めただけですが、目録としてのクオリティに加え、目や科の解説があることに感服させられました。『フィールドガイド日本の野鳥』の優れている点として、種の解説の前に目や科の解説があると以前書きましたが、新版では、その書き直しだけでも時間と労力を費やしました。例えば目や科の特徴、種数などは分類によっても諸説あり、新たな説を調べるにも、諸説からどれを選択し、限られた文字数でどこまでをどう書くかなど、簡単ではありません。記録の精査や取りまとめなどの目録本来の作業とともに、解説の充実という面でも大変なご苦労を積み上げられたものに違いありません。
© 谷口高司
▲画像:新版で谷口高司さんに直していただいた図版の例で、今回はバライロムクドリ。冬羽(中)、幼鳥(右)が微修正されています。増補改訂版で追記した際、日本では成鳥夏羽は見られないだろうから画像は不要との声もありましたが、大阪支部報によると、今年の6月末に成鳥夏羽が見られたそうです。
(普及室・主席研究員/安西英明)
■保全プロジェクト推進室より
アカコッコと言えば三宅島などの島にいる鳥というイメージですが、実は非繁殖期にどこで暮らしているかあまりわかっていません。そこで、三宅島のアカコッコの両脚に2色1組でプラスチック製のカラーリングをつけ、いつ、どんな場所を使っているかを調べることにしました。
これまでに三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館を拠点として、アカコッコが暮らしやすい環境を考えるため、カラーリングを使った行動圏調査を行い、アカコッコが好む森の条件を調べてきました。その結果を使って、アカコッコを増やすための“森づくり”活動を始めています。今後、森づくりを進めていくと共に、アカコッコの島内の動きや非繁殖期の移動・利用地域・越冬地などを明らかにし、保護を進めていきたいと考えています。
秋から春にかけてアカコッコが移動すると考えられています。越冬期に本州(伊豆半島や房総半島)でもアカコッコの記録があります。地域のバードウォッチングや伊豆諸島へお出かけの際、カラーリングを付けたアカコッコを見つけたら、ぜひアカコッコ館まで情報をお寄せください。
▲カラーリングを脚につけたアカコッコ
★情報は下記へお寄せください
三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
〒100-1211 東京都三宅島三宅村坪田4188
FAX 04994-6-0458 E-mail [email protected]
【お寄せいただきたい情報】
1.カラーリングの色の組み合わせ
2.観察日時 年 月 日 時 分頃
3.観察場所の住所・緯度・経度・地図など観察した場所の情報
4.お名前
5.ご連絡先(TEL・e-mail)
6.広報用ニックネーム
7.アカコッコの行動(採餌・さえずり・地鳴き・移動・ケンカ・水浴び・その他)
8.あれば写真
※カラーリングの組み合わせや活動については、アカコッコ保護事業のfacebookページをご覧ください。https://www.facebook.com/1628821990765699/
※提供された情報は記録として蓄積する他、HPや会誌等で使用させて頂きます。
※ご提供いただいた個人情報は本事業に関わること以外では使用いたしません。
(保全プロジェクト推進室/手嶋 洋子)
■自然保護室より
自然保護室は9月16日に、日本鳥学会2016年度大会に参加した鳥類研究者らとともに、北海道北部の大規模風力発電計画に関して、野鳥への影響を回避するため、ゾーニングの実施を含め計画全体を見直し、追加事前調査と事後調査の実施を義務付け、それらが協議会を設置して検討されることを環境影響評価準備書に対する環境大臣意見で述べるよう、北海道地方環境事務所で陳情しました。
本件に関する環境大臣意見が9月27日付で発表されています(https://www.env.go.jp/press/103059.html)。陳情内容のすべてではありませんが、一部風車の設置取り止めや協議会の設置を事業者に求めるなど、環境省にしては厳しい大臣意見を引き出すことができました。
(自然保護室/浦 達也)
風力発電による鳥類への影響評価手法の海外先進事例を紹介する、新たな野鳥保護資料集を作成しました。本書では、第1章でスペインでの風力発電における野鳥やコウモリの影響評価手法や影響事例および戦略的環境影響評価の計画立案方法に加え、第2章では最近業界内で話題に上る「累積的影響評価」の概念を解説しています。
詳しい内容および入手ご希望の方はホームページ
(http://www.wbsj.org/activity/conservation/publications/guidance_material/shiryou30/)、またはファックスより注文数、送付先ご住所、お名前を明記してご注文ください。FAX:03-5436-2635
(自然保護室/浦 達也)
風力発電施設が渡り鳥に与える影響とその対策について、海外事例を中心に学びます。
【日時】:2016年12月11日(日)13:00〜17:30(開場12:30)
【場所】:慶應義塾大学三田北館ホール
【定員】:100名
【プログラム】:
・はじめに-風力発電が野鳥に与える影響と環境影響評価の課題
・事業紹介-環境省における風力発電と環境影響評価に関する取組み
・基調講演@:風力発電が渡り鳥に与える影響−障壁影響とその対策を考える‐
・基調講演A:渡り鳥に影響が出やすい場所での風車建設を避けるためのマップ作り
・パネルディスカッション「渡り鳥に影響を与えない風力発電の実現」
※講演タイトル等は予告なしに変更する場合があります。
【お申込み先】:自然保護室まで
メール([email protected])で氏名・所属を記載のこと。
★本シンポジウムの詳しくは、
http://www.wbsj.org/activity/conservation/habitat-conservation/wind-power/symposium-birdstrike/をご覧ください。
(自然保護室/浦 達也)
地球温暖化は、地球規模の気候変動をもたらし、人間活動や生物多様性に大きな影響を及ぼします。それを抑制するには、化石燃料由来のエネルギーの使用を抑え、再生可能エネルギーの利用を拡大していく必要があり、太陽光発電等の再生可能エネルギーについては、積極的に導入すべきと考えます。
しかしながら、近年、森林や草原、湿地、溜池や湖沼等の水面などにおける大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の建設計画・事例が多数みられるようになり、野鳥をはじめとする自然環境保全上の問題が、各地で発生しています。
そこで、大規模太陽光発電と野鳥保護に関する日本野鳥の会の基本的な考え方を下記のように示し、全国の会員や支部等の連携団体と協働して、主に行政機関等への政策提言を通して、野鳥と共存できる太陽光発電の推進に努めていきます。
1.設置場所の限定
大規模太陽光発電施設の設置場所は、整備済工業用地等の未利用地や、大規模な建物の屋根・屋上・壁面・駐車場等、自然環境や生物多様性の保全に悪影響を及ぼさない場所に限るべきである。特に、IBA(重要野鳥生息地)や鳥獣保護区などの野鳥の保護対象地、希少種の生息地、大規模越冬地、渡りの中継・渡来地、主要な採餌地及びその近傍地には、設置すべきでない。
2.ゾーニングに基づく場所の選定と立地規制
国等の行政機関は、風力発電施設の場合と同様に、各種の条件を勘案したうえで、大規模発電施設の設置可能場所のゾーニングを行い、自然保護や景観保全の観点から、設置規制等を行うべきである。その場合、人口が減少していくわが国の社会情勢を前提とした国土及び地域デザインやエネルギー受給量の予測、必要な法制度の整備等を行っていくことが肝要である。
3.地域住民等との十分な合意形成
事業者は、大規模太陽光発電施設の設置に当たって、地域住民や地元有識者、自然環境保全を含む各分野の専門家等と、十分な合意形成を果たしたうえで事業を進めるべきである。また、国等の行政機関は、事業者に十分な合意形成を果たすよう行政指導すべきである。
4.環境影響評価法等の法制度の整備
国等の行政機関は、一定規模以上の発電量や開発面積の太陽光発電施設計画については、環境影響評価法や環境影響評価条例等の法規制の対象とすべきである。また、それを下回る計画についても、事前届出制度や公表の義務付けなど、必要な制度を早急に整備し、トラブルに繋がりそうな計画を早期に把握するとともに、必要な行政指導を行うべきである。
(自然保護室/浦 達也)
10月に入り、ツルが渡来する季節となりました。自然保護室ではナベヅル、マナヅルの越冬集中化対策のため、地域の方々と協力して越冬地づくりの活動を行っています。
そこで、新たな越冬地形成のための重要な基礎データとして、全国のツル類の飛来情報を今年度も収集します。昨年度は、四国地方に300羽近くが飛来するなど、各地へのツルの増加が予想されます。ナベヅル、マナヅル等のツル類を確認されましたら、是非、下記の情報をお寄せいただきますようお願い致します。
@、確認場所(地名までできるだけ具体的に)
A、ツルの種類
B、個体数(幼鳥、成鳥分けて)
C、期間
D、飛来地の環境(例:水田、耕作放棄地、河川等)
E、ねぐらの場所
F、生息を脅かす脅威
G、その他の情報(採餌物、環境変化等)
※記録用紙を作成しておりますので、ご希望の場合は下記までご連絡ください。
【対象期間】:2016年10月〜2017年2月
【対象地域】:鹿児島県出水市以外の全国各地
【募集期間】:2017年2月28日まで
※報告書へ記載する都合上、2月末で一度、〆切らせて頂きますが、上記期間以降も情報がございましたら、お寄せください。
【送付先】:自然保護室 野口、伊藤宛て
Eメール:[email protected]
電話:03−5436-2633 Fax:03−5436−2635
▲マナヅルの家族(左から成鳥、幼、成、幼)
(自然保護室/野口 真麿子)
10月3日会員数35,677で、先月に比べ33人減少しました。9月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より50人少なくなっています。 会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。9月の入会者数は97人で、前年同月の入会者102人に比べ5人減少しました。また、9月の退会者は147人で、前年同月の退会者179人に比べ32人減少しました。
表1. 9月の入会・退会者数
入会者数 | 退会者数 | |
個人特別会員 | 4人 | 10人 |
総合会員(おおぞら会員) | 21人 | 38人 |
本部型会員(青い鳥会員) | 21人 | 26人 |
支部型会員(赤い鳥会員) | 31人 | 51人 |
家族会員 | 20人 | 22人 |
合計 | 97人 | 147人 |
年度累計 | 871人 | ※ |
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
■都道府県および支部別会員数■
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2 都道府県別の会員数(10月3日現在)
都道府県 | 会員数 | 対前月差 |
北海道 | 1744人 | -1人 |
青森県 | 263人 | 2人 |
岩手県 | 361人 | 0人 |
宮城県 | 483人 | -1人 |
秋田県 | 244人 | 2人 |
山形県 | 204人 | 0人 |
福島県 | 639人 | 0人 |
茨城県 | 952人 | -6人 |
栃木県 | 586人 | -1人 |
群馬県 | 637人 | -5人 |
埼玉県 | 2235人 | -2人 |
千葉県 | 1700人 | -8人 |
東京都 | 5017人 | -3人 |
神奈川県 | 3442人 | 1人 |
新潟県 | 372人 | 0人 |
富山県 | 226人 | 1人 |
石川県 | 290人 | -1人 |
福井県 | 231人 | 1人 |
山梨県 | 294人 | 0人 |
長野県 | 869人 | -1人 |
岐阜県 | 499人 | 0人 |
静岡県 | 1359人 | -2人 |
愛知県 | 1518人 | -2人 |
三重県 | 430人 | -1人 |
滋賀県 | 306人 | 1人 |
京都府 | 770人 | 1人 |
大阪府 | 1975人 | 2人 |
兵庫県 | 1299人 | -6人 |
奈良県 | 477人 | 3人 |
和歌山県 | 198人 | -3人 |
鳥取県 | 178人 | 4人 |
島根県 | 161人 | 1人 |
岡山県 | 582人 | 0人 |
広島県 | 562人 | -2人 |
山口県 | 382人 | -1人 |
徳島県 | 317人 | 5人 |
香川県 | 217人 | -3人 |
愛媛県 | 368人 | 2人 |
高知県 | 135人 | 0人 |
福岡県 | 1331人 | -4人 |
佐賀県 | 188人 | -1人 |
長崎県 | 221人 | -1人 |
熊本県 | 422人 | -3人 |
大分県 | 210人 | 0人 |
宮崎県 | 249人 | -1人 |
鹿児島県 | 357人 | 2人 |
沖縄県 | 117人 | -3人 |
海外 | 12人 | 0人 |
不明 | 38人 | 1人 |
全国 | 35,667人 | -33人 |
備考:不明は転居先が不明の会員を示します。
表3 支部別の会員数(10月3日現在)
支部 | 会員数 | 対前月差 |
小清水 | 13人 | 0人 |
オホーツク支部 | 242人 | 0人 |
根室支部 | 79人 | 0人 |
釧路支部 | 154人 | -1人 |
十勝支部 | 204人 | 1人 |
旭川支部 | 89人 | 0人 |
滝川支部 | 46人 | 0人 |
道北支部 | 30人 | 0人 |
江別支部 | 21人 | 0人 |
札幌支部 | 309人 | -3人 |
小樽支部 | 82人 | -2人 |
苫小牧支部 | 164人 | -5人 |
室蘭支部 | 159人 | 2人 |
函館支部 | 25人 | -1人 |
道南檜山 | 71人 | 0人 |
青森県支部 | 146人 | 0人 |
弘前支部 | 121人 | 2人 |
秋田県支部 | 232人 | 2人 |
山形県支部 | 192人 | 0人 |
宮古支部 | 94人 | 0人 |
もりおか | 150人 | 0人 |
北上支部 | 106人 | 1人 |
宮城県支部 | 441人 | -1人 |
ふくしま | 159人 | 0人 |
郡山 | 175人 | 0人 |
二本松 | 19人 | 0人 |
白河支部 | 42人 | -1人 |
会津支部 | 52人 | 0人 |
奥会津連合 | 12人 | 0人 |
いわき支部 | 113人 | 0人 |
福島県相双支部 | 17人 | 0人 |
南相馬 | 15人 | 0人 |
茨城県 | 860人 | -5人 |
栃木 | 564人 | 0人 |
群馬 | 574人 | -1人 |
吾妻 | 39人 | -1人 |
埼玉 | 1730人 | -8人 |
千葉県 | 1124人 | -10人 |
東京 | 2939人 | -8人 |
奥多摩支部 | 853人 | -2人 |
神奈川支部 | 2445人 | -7人 |
新潟県 | 283人 | 3人 |
佐渡支部 | 29人 | 0人 |
富山 | 198人 | 1人 |
石川 | 269人 | -1人 |
福井県 | 224人 | 1人 |
長野支部 | 466人 | -1人 |
軽井沢支部 | 174人 | 0人 |
諏訪 | 231人 | 0人 |
木曽支部 | 26人 | 0人 |
伊那谷支部 | 82人 | 0人 |
甲府支部 | 201人 | 0人 |
富士山麓支部 | 60人 | 0人 |
東富士 | 69人 | 0人 |
沼津支部 | 169人 | -1人 |
南富士支部 | 242人 | 1人 |
南伊豆 | 39人 | -1人 |
静岡支部 | 373人 | -2人 |
遠江 | 419人 | 0人 |
愛知県支部 | 1108人 | -1人 |
岐阜 | 508人 | -3人 |
三重 | 365人 | -2人 |
奈良支部 | 442人 | -1人 |
和歌山県支部 | 200人 | -3人 |
滋賀 | 303人 | -1人 |
京都支部 | 752人 | -2人 |
大阪支部 | 1855人 | -2人 |
ひょうご | 1006人 | -3人 |
鳥取県支部 | 193人 | 5人 |
島根県支部 | 160人 | 0人 |
岡山県支部 | 557人 | 0人 |
広島県支部 | 489人 | -1人 |
山口県支部 | 366人 | -1人 |
香川県支部 | 171人 | -1人 |
徳島県支部 | 330人 | 5人 |
高知支部 | 124人 | 0人 |
愛媛 | 343人 | 2人 |
北九州 | 312人 | -1人 |
福岡支部 | 604人 | -3人 |
筑豊支部 | 242人 | 0人 |
筑後支部 | 169人 | 0人 |
佐賀県支部 | 204人 | -1人 |
長崎県支部 | 214人 | -2人 |
熊本県支部 | 417人 | -2人 |
大分県支部 | 210人 | 0人 |
宮崎県支部 | 238人 | -2人 |
鹿児島 | 321人 | 0人 |
やんばる支部 | 85人 | -2人 |
石垣島支部 | 25人 | -1人 |
西表支部 | 44人 | 0人 |
30,813人 | -71人 |
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
国内を移動している夏鳥や、日本にやってきたばかりの冬鳥との出会いが楽しみの時期となりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき、ありがとうございます。
今号では、アカコッコの目撃情報募集や、全国ツル飛来状況調査の実施などが掲載されています。どうぞご一読いただければと思います。
日毎に秋冷の加わる頃、お風邪など召されませぬようお身体にお気をつけください。
■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。
支部ネット通信 第151号 ◆発行 公益財団法人日本野鳥の会 2016年10月26日 ◆担当 総務室 総務グループ 奥田秋穂/林山雅子 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル TEL:03-5436-2620 FAX:03-5436-2635 E-mail:[email protected] |