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◆支部の動き 支部報保護・調査記事関連トピックス ◆事務局からのお知らせなど 10月号『フィールドガイド日本の野鳥』増補改訂新版の取り組み 平成27年度第3回理事会(定例)議事録 支部名称・代表者・事務局等変更のお知らせ 会員数 「平成27年9月 関東・東北豪雨」について |
本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
●2015/8 千葉県
・野鳥観察を通じた小学校の学習
・ツバメの巣にもセシウム (6/1 日経新聞)
・土器にウ飼いの絵 (6/10 日経新聞)
・野田市コウノトリ驚かせない条例
(6/30 朝日新聞)
●2015/8 神奈川
・サギ類のコロニー
・鳥の名前がついた植物
●2015/8-9 京都
・京都のカラス
●2015/8 北九州
・ベニアジサシの観察
・野鳥にも影響?ネオニコチノイド系農薬の毒性
●2015/8 福岡
・タマシギの繁殖記録
・2015年ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査 (研究部)
・ハチクマ2015年春の渡り
●2015/8 千葉県
・野鳥観察を通じた小学校の学習
支部は学校からの依頼を受け、2004年から野鳥観察指導を地元会員も参加し行っている。茂原市の小学校では当初は年4回程度行っていたが、学習指導要綱の変更で日数も限られ、児童の野鳥への知識、関心が落ちてきているのは否めない。この学校では毎年春に遠足で東京湾干潟の野鳥観察に行っている。子供たちの観察記録をジャパンバードフェスティバル(千葉県我孫子市)に展示もしている。
(千葉県「ほおじろ」NO.412,P3〜6)
・ツバメの巣にもセシウム (6/1 日経新聞)
福島原発事故後、2011/11〜2012/3、全国21都道府県でツバメの巣197個を採集し、その内福島第一原発より370q圏内にある150の巣から事故由来のセシウムが検出された事が山階鳥類研究所の調査で分かった。汚染濃度は福島県で1kg当り平均7,500ベクレル、最高9万ベクレルで、千葉県で平均3,200、最高1万2千で、周辺土壌の汚染濃度と関連が見られた。
(千葉県「ほおじろ」NO.412,P12)
・土器にウ飼いの絵 (6/10 日経新聞)
笛吹市山梨県立博物館は甲府市の笛吹川沿いの遺跡で見つかった9世紀頃の土器に、ウ飼いの絵が描かれていると発表した。群馬県には5世紀頃の埴輪にウ飼いが象られており、この付近で平安時代にはウ飼いが行われていた事を示す貴重な資料である。13世紀後半、日蓮がウ飼いの亡霊を慰めたとの伝説もある。現在も川を歩きながらウを操る「徒歩鵜」(かちう)が行われている。
(千葉県「ほおじろ」NO.412,P13)
・野田市コウノトリ驚かせない条例
(6/30 朝日新聞)
野田市は7月に放鳥するコウノトリを保護するため、「野外で150m以内に近づかないよう定める条例を制定した。150mは豊岡市での経験値を参考にし、餌やり、音で驚かす事も禁止されている。同時に絶滅が危惧される動植物の採取禁止も盛り込まれた。
(千葉県「ほおじろ」NO.412,P13)
●2015/8 神奈川
・サギ類のコロニー
神奈川県寒川町のサギのコロニーは1980年頃よりあり、1994年には0.4haが使われていた。現在は更に狭い。2002年、コロニーに影響する道路計画があり、寒川町の懇談会に支部も参加し、「道路の地下化等で対応」「コロニー部分の公有地化」の意見がまとめられた。2012年、急遽計画が再燃し、支部はコロニー保全要望書、計画案反対意見書を提出した。再開された懇談会では学識経験者の「高速道路のICにサギのコロニーを誘致した例がある」との意見もあり、コロニー直近を通る4車線道路計画が決定した。県内のサギのコロニーはここと小田原市のみで、コサギ、アオサギの複数種の繁殖は寒川町のみである。
(神奈川「はばたき」NO.519,P2)
・鳥の名前がついた植物
植物には鳥の種名よりも総称を引用してものが多い。カラス・・・、スズメ・・・、チドリ・・・、・・・チドリ(ラン科に多い)、ヒヨドリ・・・、・・・ヒヨドリ、ツルが付くものは鶴ではなく、蔓から来ている。サギソウ、サギノシリサシは花の苞葉が尖っていて鷺の尻を刺す程である。トキソウはラン科で花がトキの翼の色に似る。
(神奈川「はばたき」NO.519,P4)
●2015/8-9 京都
・京都のカラス
6/7、「カラスの教科書」著者の東京大学総合研究博物館特任助手、松原始氏の講演より。カラスはサル同様に人間の身長に比例して距離をとっており、相対的に子どもや女性に近づき、人を馬鹿にしている感じを受ける。ハシボソは地面を長く歩き、掘り返したりして餌を探す。ハシブトは上空や樹上より見つけた餌を拾い、歩き回らない。ハシブトは体が大きいので同じ餌場ではハシボソを駆逐する。ハシブトは森林性の鳥と言われるが、杉林等の針葉樹林を含む常緑広葉樹林を好み、人の出すゴミに依存が多い。営巣、塒は高い位置、葉が茂っている場所で、ハシボソは低い場所で葉が疎らな所である。
(京都「そんぐぽすと」NO.195,P15)
●2015/8 北九州
・ベニアジサシの観察
6/25、苅田町の埋立地にベニアジサシ19+が乱舞するのを撮影した。6/8から6月末まで滞在。九州では1994年、大牟田市沖三池島で集団繁殖し、2014年には約520羽(筑後支部)の記録がある。北九州では2003/4に曽根干潟で1羽の記録がある。
(北九州「北九州野鳥」NO.350,P10)
・野鳥にも影響?ネオニコチノイド系農薬の毒性
近年、有機塩素系農薬が禁止され、ネオニコチノイド系農薬が殺虫効果が高く、使用量が少なくて済むとして主流になっている。EUでは種類制限または販売禁止になっている。日本では禁止されておらず、稲作で広く使われ、水田周辺の小動物が激減し、それを捕食する鳥類も減少と思われる。佐渡のトキの卵が孵化しないのはこの農薬の影響ではないか。ニワトリではこの農薬を使用した餌を食べる雄は精子が少なくなっている。
(北九州「北九州野鳥」NO.350,P10)
●2015/8 福岡
・タマシギの繁殖記録
福津市内の田圃で観察した。5/9:タマシギ1を見る。5/28:2ペアと思われる4羽を見る。6/18:4羽の雛を連れた♂を見る。6/19:他の♂が3羽の雛を連れている。6/20:早朝、♀が小さな声で「コーコーコー」ト」と連続して鳴く。営巣場所はケリが多数活動する場所であった。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.430,P10)
・2015年ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査 (研究部)
1/4〜18、130箇所を調査した。総計33,428羽で前年より約8千減り、スズガモ、ホシハジロ、キンクロハジロは大幅に増え、オナガガモは激減、カルガモは半減した。、内訳はスズガモ12,234、ホシハジロ6,918、マガモ6,839、ヒドリガモ2,219、カルガモ1,563、キンクロハジロ1,162、ハシビロガモ822、コガモ386、オシドリ418等。♂♀比はホシハジロ:♂7%、♀21%、スズガモ:♂34%、♀66%と偏った。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.430,P13〜17)
・ハチクマ2015年春の渡り
5/1〜24、片江展望台でハチクマの渡りを見た。合計1,365羽で、ピークは5/17の503。アサギマダラの通過は48頭を確認。ここでの春のハチクマの渡り記録は秋の約1/5であった。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.430,P18〜20)
●2015/9 苫小牧
・苫小牧のカササギはどこから来たのか?
●2015/9 千葉県
・独断と偏見による野鳥識別
・ワイパーのゴム カラスなぜ切る?
(7/8 日経新聞)
・水質基準に水底酸素量を追加方針
(7/8 日経新聞)
・ミゾゴイ人工孵化 (7/4 日経新聞)
● 2015/9 奥多摩
・カケス
●2014/12 岐阜
・野鳥の輸入証明書
●2015/1 岐阜
・御岳のライチョウは大丈夫か?
●2015/2 岐阜
・アオサギの有害駆除
(北海道アオサギ研究会)
●2015/3 岐阜
・2015年ガンカモ科鳥類生息調査 (研究部)
・サンカノゴイ県内85年ぶり
●2015/9-10 島根県
・ゴドウヒタキ
●2015/9 苫小牧
・苫小牧のカササギはどこから来たのか?
九州のカササギは豊臣秀吉が朝鮮出兵の際、日本に持ち込まれたとされる。1923年、天然記念物となり、今では佐賀、福岡(北九州市を除く)、長崎、熊本、大分まで分布している。北海道では1980年代中頃、室蘭で記録され、東に移動し、1998年、苫小牧で見られ、その付近で約100番が繁殖している。DNA解析では九州、韓国の種ではなく、ロシアから来た可能性が高い。新潟ではロシアの貨物船から10羽のカササギが飛び出し、10年ほど見られた例があり、北海道でも同様であったと思われる。
(苫小牧「あおさぎ」NO.202,P4〜5)
●2015/9 千葉県
・独断と偏見による野鳥識別
図鑑ではその鳥がどのように見えるかの記述が少ない。黒っぽい:全体を見るとメリケンキアシシギはキアシシギより黒く見える。白さ:ケアシノスリはノスリにしては白すぎる感じがある。眉斑:顔つきを見てその印象から眉斑を見るのが良い。眉斑に平行して走る黒線により顔立ちがキリッとする。コヨシキリはオオヨシキリより顔がキリッとした感じに見える。同様にビンズイはタヒバリより顔がキリッとした感じに見える。
(千葉県「ほおじろ」NO.413,P3〜6)
・ワイパーのゴム カラスなぜ切る?
(7/8 日経新聞)
4月下旬〜5月、松江市で車のワイパーが壊される被害届が約40件あった。防犯カメラにカラスがゴムを外す様子が映っていた。樋口広芳東大名誉教授は「柔らかい材質が巣作りに適していたのではないか。これだけの被害が出るのは珍しい」と話している。
(千葉県「ほおじろ」NO.413,P13)
・水質基準に水底酸素量を追加方針
(7/8 日経新聞)
環境省は海や湖沼の水質を測る基準に水底付近に含まれる酸素量「低層溶在酸素量」を追加する方針を決め、年内に新基準の告示を目指す。水底から1m程度で生物が生存できる酸素量を水1リットル当り2mg以上、3mg以上、4mg以上の3段階を設定する。魚介類、藻類の生息しやすい水環境を保全し、漁業被害防止につなげる狙いがある。
(千葉県「ほおじろ」NO.413,P13)
・ミゾゴイ人工孵化 (7/4 日経新聞)
横浜市は市の繁殖センターで絶滅危惧のミゾゴイの孵化に成功したと発表した。飼育下での繁殖は全国初となる。東京都で保護された♂と堺市で保護された♀の間で3つ産卵し、6/21までに2羽の雛が誕生した。
(千葉県「ほおじろ」NO.413,P13)
● 2015/9 奥多摩
・カケス
カケスは春に山地に向い繁殖し、秋に丘陵に降りて越冬する漂鳥である。4月、10月に河川や市街地上空をフワフワと移動して行くのを見る。2005/10、青梅市で3〜40羽の群が次々に計120羽が通過。2008/4、あきる野市で同様に計31羽が通過とある。他の鳥の声の物真似が得意で、モズの高鳴き、キツツキ、タカ類等の声を出す。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.226,P22〜23)
●2014/12 岐阜
・野鳥の輸入証明書
正式には輸出国から証明書が発行されるべきであるが、大型の鳥は別にして、ペットショップでの小鳥には1羽毎の発行は無い。以前は輸入業者が発行する輸入証明書は密猟鳥の隠れ蓑になっていたが、現在は意味の無い物になっている。現在は鳥インフルエンザの問題等で海外、特に東南アジアからの輸入は厳しく規制されており、ペットショップで輸入鳥として売られていれば、国内で密猟された可能性が高い。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.566,P7)
●2015/1 岐阜
・御岳のライチョウは大丈夫か?
昨年の9/27、御岳は突然、爆発し、多くの犠牲者に哀悼の意を表する。岐阜県は御岳で1983年、1993年にライチョウの調査をした。立山では富山県が5年ごとに調査している。2009〜2011年、中部森林管理局が棲息環境調査をし、御岳一帯で55箇所の縄張りを確認している。立山の縄張りが1〜3haに対し、御岳では4〜11haと広い特徴がある。御岳が比較的に新しい火山で、植生の崩壊、発達を繰り返した事に起因すると推測される。ニホンライチョウの近縁種スバールバルライチョウを使って飼育繁殖の研究が国内の4箇所の動物園で行われている。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.567,P3)
●2015/2 岐阜
・アオサギの有害駆除 (北海道アオサギ研究会)
アオサギの有害駆除について鳥獣保護行政の実態、余りにも杜撰な実態について調査し、報告書を出した。ここで指摘した問題点の多くはアオサギのみならず一般鳥獣全体に関わっている。
http://www.greyheron.org/report-management/report.pdf
行政がアオサギの生息状況を殆ど把握しておらず、民間でも把握している地域はごく僅かであった。アオサギについての生息(特に繁殖)情報を北海道アオサギ研究会へお寄せ下さい。
http://www.greyheron.org/
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.568,P9)
●2015/3 岐阜
・2015年ガンカモ科鳥類生息調査(研究部)
1/10〜12、岐阜県下92箇所を調査した。ハクチョウ類1種、115羽、カモ類18種、23,521羽であった。内訳はコガモ5,542、カルガモ5,087、マガモ4,898、ヒドリガモ2,828、キンクロハジロ1,584、オカヨシガモ780、ヨシガモ600、ホシハジロ517等。県内最大のカモ飛来地は昨年同様、羽島市桑原町(木曽川)で県内の3割を占める。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.569,P3,7〜8)
・サンカノゴイ県内85年ぶり
1/10、岐阜市でサンカノゴイが撮影された。岐阜県での1921年、海津市で、1930年、大垣市での記録以来である。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.569,P9)
●2015/9-10 島根県
・ゴドウヒタキ
ゴドウヒタキは図鑑には載っていない。中村滝男さん(中西悟堂協会事務局長)が愛称として提案している。2010/6、中村さんは高知県四万十町でジョウビタキの若鳥を撮影し、その後八ヶ岳周辺で毎年ジョウビタキの繁殖が確認され、日本で繁殖するジョウビタキを中西悟堂からゴドウヒタキを提案している。
(島根県「スペキュラム」NO.167,P3)
●2015/9 東京
・キツツキ
・東京のカワセミ (研究部)
●2015/4 岐阜
・東濃地方のカスミ網密猟について
●2015/5 岐阜
・ツグミの渡り
・リョコウバト
●2015/9 愛知県
・コアジサシ営巣について
●2015/9 大阪
・シニアのバードウォッチングを考える
・「オオタカの希少種指定解除」に関して
・コシアカツバメはどこで寝るの?
・仮面うつ病に効果あり
●2015/9 東京
・キツツキ
鳥名の由来辞典にはキツツキは平安時代はテラツツキと呼ばれ、室町時代にケラツツキとも呼ばれ、江戸時代にキツツキになり、○○ケラの区別がされたとある。新井白石は虫(ケラ)をつつくのでケラツツキ、それから○○ケラになったとしている。テラツツキのテラがケラに変わったとの説もある。日本書記には多数のキツツキが寺を襲い破壊したとの話(テラツツキ)がある。
(東京「ユリカモメ」NO.719,P13)
・東京のカワセミ (研究部)
東京オリンピックが開催された1964年から約20年間、明治神宮では見られていたカワセミが見られなくなった。1980年代半ばJR山手線内でカワセミの営巣が記録され、その後、カワセミの後退図は1945年頃の状態まで回復した。1990年代にはその勢いは都心全体に拡がっている。その要因は小魚の増加と考えられるが、営巣場所の不足は続いている。支部では21世紀の「新カワセミ繁殖地図」を作る。
(東京「ユリカモメ」NO.719,P16〜18)
●2015/4 岐阜
・東濃地方のカスミ網密猟について
カスミ網を扱った映画「鳥の道を超えて」を見た人からカスミ網猟実態とは可也違うと指摘があった。カスミ網猟の残酷さは描かれていない。現場では野鳥は即殺され、食用にならない猛禽類も殺されていた。映画では食文化として紹介されているが、一部の人が金儲けする猟が食文化なのか。カスミ網猟が激減した現在、大きく自然環境を変えてしまった結果、秋に集団で渡るツグミを殆ど見ない。カスミ網猟は未だ根絶されていない。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.570,P3)
●2015/5 岐阜
・ツグミの渡り
10月下旬〜5月中旬、竹林にムクドリが集団で塒する。11月になると、ムクドリが先に塒入りしている竹林にツグミが10数羽、同じ竹林に1羽ずつ塒入りする。それも、5月の連休頃には夕方、ツグミは竹林に入らず、電線にとまり、1羽がククッと鳴くと、5、6羽が北の空へ羽ばたいて行った。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.571,P3)
・リョコウバト
絶滅した日が分かっている種にリョコウバトがいる。1914年9月1日、米国オハイオ州シンシナティ動物園で飼育されていた最後の1羽「マーサー」が死んだ。リョコウバトの群移動は3日間、雲のように途切れず見られたが、人が撃ち落とし、1860年には25万羽、1907年、野生のものは絶滅していた。50億羽が一気に0になった恐るべき歴史があった。
(岐阜「濃飛の野鳥」NO.571,P10)
●2015/9 愛知県
・コアジサシ営巣について
日進市の区画整理地でコアジサシの営巣があった。工事現場で営巣を発見して現場工事事務所に保全を要請しても埒があかない事が多く、昨年発表された環境省の「コアジサシ繁殖地の保全・配慮指針」に基づき、環境省地方事務所に対応を要請し、保護が進んだ。
http://www.env.go.jp/press/files/jp/24350.pdf
(愛知県「愛知の野鳥」NO.343,P8)
●2015/9 大阪
・シニアのバードウォッチングを考える
単に高齢化しているのが問題としているのは如何なものか。若い人は高い情報収集力と行動力で方々の探鳥地を巡っているのが多い。シニアは一箇所を隈なく見ている傾向が強くトコロジストになる条件を整っている。シニアはこのような分野で活躍できる貴重な戦力である。
(大阪「むくどり通信」NO.239,P6〜7)
・「オオタカの希少種指定解除」に関して
昨年、「環境省希少種保全推進室」を支部を代表し訪れ、大阪希少鳥類研究グループの資料を説明し、大阪のオオタカは関東地方とは違い、減少しており、指定解除は時期尚早である旨訴えた。
(大阪「むくどり通信」NO.239,P9)
・コシアカツバメはどこで寝るの?
ツバメの集団塒にショウドウツバメが混じる事はあるが、コシアカツバメは混じらない(須田 1990)。コシアカツバメは営巣終了後もとっくり型の巣に帰って眠る(須田 1990)とある。1999年10月、宝塚市でその貴重な観察例がある。1998年10月、奈良県曽爾村でススキ原に塒入りする500〜600羽のコシアカツバメが報告されている(2000 佐藤)。10月、早朝に電線に1000〜5000のコシアカツバメが並んでいた報告もある。コシアカツバメの一部?は大群で渡りをしているとも考えられる。
(大阪「むくどり通信」NO.239,P11)
・仮面うつ病に効果あり
野鳥を観察する行為は、ストレス解消、日光を浴びる等で軽度の鬱病仮面うつ病の補完医療として効果があると、心療内科医が紹介している。
(大阪「むくどり通信」NO.239,P13)
(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森要)
■普及室より
<チメドリ科の将来は?>
日本鳥学会2015年度大会に行って来ました。9月18日〜21日という日程の20日のみでしたが、会場の兵庫県立大学神戸商科キャンパスに出向きました。一つには新版の編纂に際していろいろお世話になった学者や研究者も多数参加されるはずなので、直接お会いして御礼を言いたかったのです。
例えば、日本鳥学会の次期会長に選出された西海功さん。目録7版の発行前は野鳥誌『鳥の分類』(2012年7月号)で解説記事を、昨年(2014年)の連携団体総会では『DNA解析で見えてきた東アジアの鳥類の多様性と分類の今後』という講演をお願いしました。新版では、チメドリ科の分類に関して相談させていただきました。
目録7版では、外見がよく似ているウグイス科がムシクイ科、ヨシキリ科などに細分化されましたが、チメドリ科はこれまで外見も多様な属や種が含まれてきました。新版編纂当時、IOC(国際鳥類学会議)では3つの科に分けることを提案していました。ヒゲガラ(目録6版まではチメドリ科)は目録7版でヒゲガラ科とされたので、新版ではそのままヒゲガラ科に変更しましたが、外来種として増補改訂版から扱っているガビチョウやソウシチョウはチメドリ科のままでよいか?には議論の余地があります。結果としては、西海さんの「チメドリ科の分類について一致した見解はまだないので、国内では目録7版に準拠しておくことが賢明ではないか」という見解に沿うことした一方で、ヒゲガラ科の解説の中で、今後、チメドリ科は細分化される見込みであることを書き加えた次第です。
<スズメの嘴は季節で色が変わるか?>
学会の大会に参加した理由には、大会実行委員に日本野鳥の会ひょうごから、代表の丸谷聡子さんらが加わってご尽力されていたので、少しでもお手伝いをしたいという思いもありました。『フィールドガイド日本の野鳥』でお世話になった事例としては、コジュケイの亜種テッケイをあげておきましょう。増補改訂に取り組んだ際、「テッケイを掲載している図鑑は『フィールドガイド日本の野鳥』だけ、もう日本にはいないかも知れないし、外してよいのではないか」という意見を頂戴しました。当時兵庫県支部の方々に相談した結果、県内にまだいるようだということでしたので、新版でも外していません。
さて、新版での修正事例です。スズメの解説文で嘴の色の変化について追記したことは、この連載(2014年12月号)で紹介しました。今回の大会では、なんとそれについての発表があったのです。私がウトナイ湖サンクチュアリのレンジャーだった頃、お手伝いをいただいたこともある玉田克巳さんらによるもので、大変嬉しく思いました。
30年以上前から気になっていて、自分でもデータは取っていましたが、まとめたり、解析したりする時間がとれず、さまざまな機会にいろいろな人に注目するよう呼びかけてきました。現在は当会普及室長の富岡辰先が、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリのレンジャー時代に応えてくれて、「嘴基部が黒くなる変化は1月から始まるようだ」という観察結果を知らせてくれたのも、すでに20年以上前でしょう。
標識調査に関わる方々に聞いても「秋冬は嘴基部が淡色の個体が多い」ことは確かです。ただ、嘴基部の色の変化については成長過程なのか?季節変化なのか?個体差なのか?など、きちんと調べられてきませんでした。玉田さんから、今回の発表は追って論文としても発表したいと聞いていますが、結果としては季節変化だそうです。
<水浴びが先か?砂浴びが先か?>
学会の大会では、前述の玉田さんのような口頭発表のほか、ポスター発表があります。当会はStrixなどの紹介・販売でブース出展もしていたので、そこにも顔を出そうと会場内を歩いていたら、荒川区環境課の本間幸治さん(日本野鳥の会東京では新浜探鳥会を担当)に呼び止められました。『都市部の農園を利用するスズメの行動と効果』というポスター発表をされていて、その資料を頂戴したのですが、これまた嬉しくなりました。この本間さんの発表にも、長年にわたるスズメ観察の課題が含まれていたのです。
30年以上前に高野伸二さんが『フィールドガイド日本の野鳥』を著したそれ以前に遡ります。私が高野さんから野鳥の見方、楽しみ方のさまざまな観点を教わってきた中でも、特に行動の観察は、その後の探鳥会での案内にも役立っています。種や仲間に特有の行動は識別点になるだけでなく、野鳥の暮らしを知る上でも重要だし、身近な鳥でも楽しめる着眼点にもなるからです。例えば多くの鳥は水浴びをしますが、砂浴び専門のキジ科やヒバリ科もいる一方、水浴びも砂浴びも頻繁に見られるのがスズメです。高野さん自身もよく話題にしていましたが、そのオチが「・・・とはいえ、水浴びしてから砂浴びすると汚れちゃいますよね」でした。私はすでに水浴び直後に砂浴びをするスズメを何度も見ていたので、高野さんに意見した思い出があります。
増補改訂版で、私は「行動の見分け方」を新たに2頁加えた中で、スズメの砂浴びについては谷口高司さんに図版もお願いしました。本間さんによると、水浴びをしてから砂浴びをしたケースが2014年4〜8月の観察19件の18件、2015年3〜8月の観察では28件中24件だったそうで、やはり水浴びが先というケースが普通のようです。
© 谷口高司
▲画像の紹介は、新版での追記種として谷口高司さんに描いてもらったイワバホオジロ(雄)です。よく似たズアオホオジロは増補改訂版ですでに掲載しましたが、識別ポイント、三列風切の淡色部分(ズアオホオジロは凹凸が目立つが、イワバホオジロでは細い筋に見える)まで描き分けてあります。
(普及室/主席研究員 安西英明)
理事会の様子
(総務室/奥田秋穂)
今月は支部名称等の変更はありません。
(総務室/鈴木美智子)
10月1日会員数36,092人で、先月に比べ71人減少しました。9月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より77人少なくなっています。会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。9月の入会者数は102人で、前年同月の入会者103人に比べ1人減少しました。また、9月の退会者は179人で、前年同月の退会者187人に比べ8人減少しました。
表1. 9月の入会・退会者数
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
■都道府県および支部別会員数■
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2 都道府県別の会員数(10月1日現在)
備考:不明は転居先が不明の会員を示します。
表3 支部別の会員数(10月1日現在)
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
この度の豪雨で被害を受けられた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。特に被害が大きかった地域の、茨城、栃木、宮城県の3支部へ状況をお問い合わせしました。茨城より常総市にお住まいの会員の方がお一人、被害にあわれたことが確認でき1年間の支部会費免除を決定したとご連絡をいただきました。宮城県支部では現在被害にあわれた方の情報がないため、次回役員会で情報収集を行うとのことです。また、栃木でも今のところ被害の情報はないとのことでした。
今後の対応ですが、今回の豪雨により被害を受けられた茨城県、栃木県、宮城県在住の会員の方で、半壊または全壊でご自宅に住むことができなくなった方の本部会費を、次年度より1年間免除の対応をさせていただくことにしました。引き続き上記3県の支部にご協力いただき、被害状況を確認してまいります。詳しい状況が分かりましたら、随時ご報告させていただきます。なお、『野鳥』11月号でも、この件についてのお知らせを掲載予定です。詳しくは会員室までお問い合わせください。
(会員室 沖山展子)
ガンやカモの仲間が渡ってきたという話が耳に入るようになりました。自宅近くの多摩川でもコガモやヒドリガモの姿を見つけることができました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき、ありがとうございます。
今号では、平成27年度第3回理事会(定例)議事録を掲載しました。当会の運営に関わることです。どうぞご一読いただければと思います。
日毎に秋冷の加わる頃、お風邪など召されませぬようお身体にお気をつけください。
■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。
支部ネット通信 第139号 ◆発行 公益財団法人日本野鳥の会 2015年10月24日 ◆担当 総務室 総務グループ 奥田秋穂/林山雅子 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル TEL:03-5436-2620 FAX:03-5436-2635 E-mail:[email protected] |