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◆支部の動き 支部報保護・調査記事関連トピックス ◆ブロックからのお知らせ 関東ブロック協議会報告 ◆事務局からのお知らせなど ナベヅル・マナヅルの全国飛来状況調査への協力の お願い 新たな『フィールドガイド日本の野鳥』に向けて 補改訂新版の取り組み 日本野鳥の会創立80周年記念功労者表彰 |
支部名称等変更のお知らせ 個人情報の取り扱いに関して、支部の皆さまに 3つのお願いがあります 会員数 |
本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
●2014/10 札幌
・庭に来る野鳥の調査2014年
●2014/10 いわき
・夏井川河口のコアジサシ
●2014/11 奥多摩
・タカ渡り観察
・イカル
●2014/9 福井県
・ガビチョウ、福井県で初確認
●2014/10 香川県
・シギチドリ観察会
●2014/10 長崎県
・密猟者は渡りの時期を狙っている
●2014/10 宮崎県
・来たぞ!サシバの季節
・女子会バードウォッチング
・今季ヤイロチョウ繁殖確認できず
・コアジサシ245羽孵化
・ナイター会場にシギが舞う
・アオバズク、ソテツの大木で営巣?
●2014/10 札幌
・庭に来る野鳥の調査2014年
調査期間1〜3月、回答あった698件を総計すると、スズメ8,033羽と断トツで、ヒヨドリ1,652、キレンジャク1,347、シジュウカラ1,019、ツグミ660、ムクドリ546、ハシブトガラス512、シメ365、ヤマガラ306、ヒレンジャク204、ベニヒワ190、ハシブトガラ182、アカゲラ162、ハシボソガラス150、カワラヒワ114等。ヒヨドリは札幌では冬にしっかり定着した。冬季は生息しないと思われたメジロが札幌市北区、南区で確認された。カササギが手稲区で見られている。今回記録されたのは30種(ドバト除外)は30種、15,883羽である。
(札幌「カッコウ」NO.366,P4〜10)
●2014/10 いわき
・夏井川河口のコアジサシ
支部はいわき市夏井川河口海岸で「少しだけ砂浜を分けて下さい」と訴え、その12haでコアジサシのために車の乗り入れ禁止、ある期間人の立入り禁止が実現し、10年間で64羽の雛が巣立った。H23年の大震災で砂浜の地盤が沈下し、当分、コアジサシの繁殖活動は望めない。飛来数はH23年:12羽、H24年:8羽、H25年以降記録無し、いずれも営巣はしなかった。宮城県にも飛来は無いようだ。嘗て、福島県中通りでコアジサシの繁殖活動あった由。
(いわき「かもめ」NO.124,P4〜5)
●2014/11 奥多摩
・タカ渡り観察
9/19〜10/10、青梅市の梅の公園と羽村市の羽村郷土博物館にて調査した。総計でサシバ1,294、ハチクマ51を記録した。ピークは第1波9/21のサシバ264であった。第2羽は9/27のサシバ341、第3波は10/7のサシバ193であった。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.221,P2〜3)
・イカル
JR東の駅の売店キオスクのマークはイカルで「キオスク〜」と鳴くそうだ。奥多摩フィールドでは繁殖しており、留鳥として1年を通して記録があるが、10、11月に大きな群が移動していく。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.221,P27)
●2014/9 福井県
・ガビチョウ、福井県で初確認
7/23、福井県坂井市でガビチョウ2羽が撮影された。福井県への初進出である。周辺の府県では観察例は無いとされている。1980年代に北九州で見られたのが最初で、1990年に山梨県より関東に入り見られている。ハワイ島ではガビチョウ侵入で在来種が減っている。
(福井県「つぐみ」NO.171,P8)
●2014/10 香川県
・シギチドリ観察会
9/28、一之宮海岸〜花稲漁港で確認したシギチはムナグロ2、コチドリ4、シロチドリ5、メダイチドリ5、オオメダイチソリ1、オオソリハシシギ1、キアシシギ2、ソリハシシギ2、イソシギ3、ミユビシギ2、トウネン14。9/28、新川河口でアオアシシギ6。
(香川県「かいつぶり」NO.369,P3〜4)
●2014/10 長崎県
・密猟者は渡りの時期を狙っている
9月、佐世保市烏帽子岳周辺で野鳥を密猟している複数人がいるのを警察から知る。鳥獣保護員として、渡りの時期は集中的に巡回する必要性を感じる。鳥もちでの密猟はキビタキ2、オオルリ3、メジロ2。別の場所での囮カゴを使っていた密猟者自宅ではメジロ13、オオルリ2、ウグイス2、シジュウカラ2、ホオジロ2、キギタキ1を違法飼養していた。
(長崎県「つばさ」NO.322,P2)
●2014/10 宮崎県
・来たぞ!サシバの季節
金御岳の過去13年のサシバ出現数平均は10/8:1,150羽、10/9:1,753羽、10/10:1,680羽、10/11:1,555羽、10/12:1,527羽、10/13:802羽と10/9からの特定の4日間が多い。10/6からの1週間は毎日1,000羽が期待できる。昨年は期間中総計21,032羽のサシバが通過した。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.243,P3〜5)
・女子会バードウォッチング
6/8、支部が行った女子会バードウォッチングが本部の「探鳥会スタッフ通信」でトップ記事になった。27名(23名が会員外)の参加があった。それ以前にあったオホーツク支部の「女子探鳥会」で思い立った。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.243,P11〜12)
・今季ヤイロチョウ繁殖確認できず
西日本を中心に100〜150羽しか渡来しないと言われるヤイロチョウ、御池野鳥の森には5月下旬3羽が飛来したが、繁殖は確認できなかった。延岡市行藤山ではヤイロチョウの飛来はあったが、県外からもカメラマンが訪れており、巣立ちは確認できず。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.243,P13〜15)
・コアジサシ245羽孵化
今年はコアジサシは宮崎県内で日向市小倉ヶ浜で245羽が孵化、宮崎市一ツ葉入り江で人工浮巣で初めて14羽が孵化し、2羽が巣立った。ここでは檍地域環境部会が砂浜の整備の他、4/5に2m四方の人工浮巣を設置した。浮巣には砂浜を避けて30羽程が飛来し、68個の産卵があった。浮巣は竹で大枠を作り、苗箱に砂と貝殻を敷き詰め、浮を6個付けたが雛が海上へ飛び出し死ぬケースもあった。串間市福島港南側砂浜では100羽近く飛来し、29巣あったが、ゴルフする人、カラスの飛来で壊滅した。一ツ瀬河口では2012年に県内最大のコロニーとなったが、大型削岩機、トラック、カラス、台風等で3年連続して残念な結果であった。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.243,P16〜17)
・ナイター会場にシギが舞う
9/3、宮崎市のサンマリンスタジアムでの女子野球大会ナイター試合時、20〜30羽のシギが舞い込み、2羽がバックネット付近で落ちた。録画画面ではハマシギ位の大きさで、以前、アカエリヒレアシシギの例があり、今回も同種とみられる。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.243,P17)
・アオバズク、ソテツの大木で営巣?
宮崎市内で巣穴は確認できなかったが、7/22、ソテツの大木で営巣したと思われる巣立ち雛を見る。ソテツでの営巣例は稀有?
●2014/10 オホーツク
・はるばる ユリカモメ
●2014/10 新潟県
・鳥類センサス方法について
・メジロの子育てと雛の成長
・トラフズクの繁殖状況
●2014/11 茨城県
・転換期を迎えた鳥獣保護区
・2014年シギチドリ類調査
・国指定涸沼鳥獣保護区
●2014/10 甲府
・第3回甲府市内カワセミ一斉調査
・H25年度カモ科鳥類調査
・足環の回収記録
●2014/10 徳島県
・ちょっと気になる野鳥の和名 セグロセレイ
●2014/11 福岡
・2014年ジョウビタキの初認日
●2014/10 オホーツク
・はるばる ユリカモメ
8/29、網走湖で色足環付きユリカモメを見る。ユリカモメ情報を管理している大阪市立自然史博物館に照会の結果、2012/1、東京の隅田川で標識され、同年12月にも同地で見られ、今回、北海道で確認された。昨年9月にも網走市で色足環付きユリカモメが見られ、2001/2、京都市の鴨川で放鳥されたもので、ユリカモメは網走を通り、オホーツク海へ出ている。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.329,P4)
●2014/10 新潟県
・鳥類センサス方法について
環境省の調査委託を受けて野鳥の会は2006年と09年、従来のラインセンサス法に変えて点センサス法で野鳥調査した。この両者でデータ集積に差異があるのか、小千谷市と長岡市の境で調査した。2013/5/16〜6/26、1kmのラインセンサス調査と同地200mおきに点センサス5箇所(各半径100m範囲)を早朝交互に1回/日行った。解析はWilcoxon検定で行った。全種の総計は両調査でほぼ比例した結果になり、個体数調査では大きな差異は無く、その種の最大確認生息数は共に8回程度行えば一致する事が分かった。種数は点センサス法が若干多かった。
(新潟「野鳥会報」NO.78,P2〜5)
・メジロの子育てと雛の成長
6/4、新潟市の海岸砂防林でウワミズザクラの枝先(地上1.6m程度)に青い卵4個があるメジロの巣を確認する。巣は下から見えるが上からは全く見えない。6/5に4羽孵化。人が近づくと親は巣から斜め下に飛び、それから上空へ飛び出す。この動きはカラス等の外敵に巣を察知されないためであろう。無人撮影ビデオでは75分間で10回給餌があり、青虫や蜘蛛を1匹ずつ咥えている。6/15には75分間で16回給餌。その日の午後、異常な振動があり、巣から雛飛び出し孵化10日後の早い巣立。カラスが来たのかも知れない。メジロは樹洞営巣の鳥より巣立ちが早く、産卵数少ないのは巣が外敵に見つかり易いための戦略?
(新潟「野鳥会報」NO.78,P6〜7)
・トラフズクの繁殖状況
新潟市鳥屋野潟公園で2005年〜14年の10年間で8回、同公園他場所でも2007年〜14年の8年間で5回のトラフズクの巣立ちがあった。共に営巣木は松で、カラスの古巣を利用し、直径50cm前後であった。親はネズミ類、コウモリ類、鳥類、昆虫類を雛に給餌した。ペリットの分析では餌は小型哺乳類が優占であった。新潟県内では主に農耕地で生息し、社寺林や屋敷林で営巣するのが知られているが、都市公園でも繁殖が確認された。巣立ち数は最大5羽で、3羽が多かった。
(新潟「野鳥会報」NO.78,P8〜9)
●2014/11 茨城県
・転換期を迎えた鳥獣保護区
稲敷市の江戸崎鳥獣保護区の内、関東地方唯一のガンの越冬地稲波干拓と菅生沼が特別鳥獣保護区になった。菅生沼の公聴会では往古の菅生沼に戻す努力を求める発言が委員や議長からあり、この勢いは1970年代初頭に鳥獣保護区が一気に増えて以来である。県民の要望に応え、ラムサール登録湿地を増やそうという意気込みが窺える。昨冬のオオヒシクイ91羽は世界総数7,000羽の1%以上で、これでラムサール条約の要件の内、2つを満たした。
(茨城県「ひばり」NO.322,P2)
・2014年シギチドリ類調査
春(4/29)61地点、秋(8/17)44地点で7日間前後に調査した。春は22種、4,174羽(昨年4,233)、内訳はムナグロ2,558、チュウシャクシギ915、キョウジョシギ188、タシギ161、以上で全体の92%を占め、コチドリ、トウネンが続く。秋は27種、639羽(昨年1,113)、内訳はコチドリ153、ミユビシギ85、ムナグロ84、タカブシギ70、イソシギ59(春は16)、イカルチドリ52、この6種で79%を占める。8月は稲が水田に残り、県南では休耕田が無くなり、秋のシギチの飛来が減った。9月に変更意見もある。
(茨城県「ひばり」NO.322,P4〜7)
・国指定涸沼鳥獣保護区 (事務局)
9/24、環境省の国指定涸沼鳥獣保護区指定に関する公聴会があり、支部は賛成意見を述べた。11/1から20年間、国の保護区管理員が置かれる。
(茨城県「ひばり」NO.322,P22)
●2014/10 甲府
・第3回甲府市内カワセミ一斉調査
3/16、甲府市内16地点を中心に調査した。カワセミはS59年に「甲府市の鳥」に制定された。H6年の調査では13地点で21羽、H16年は9地点で15羽、今回は11地点で16羽のカワセミを確認した。従来は2、3箇所で巣穴掘り等繁殖活動を見ているが、今回は護岸工事による営巣場所減少のためか見られず。
(甲府「カワセミ」NO.128,P2)
・H25年度カモ科鳥類調査
H25/9〜H26/3、山梨県内主要河川で月1回、計7回の調査で、14種、総計6,312羽のカモ科を記録した。内訳はコハクチョウ26、コガモ1,986、カルガモ1,231、マガモ1,196、ヒドリガモ889、ホシハジロ356、キンクロハジロ322、オシドリ173等。コハクチョウの越冬南限は島根県宍道湖付近で同緯度の甲府盆地は東日本の南限と思われる。
(甲府「カワセミ」NO.128,P4)
・足環の回収記録
色足環は環境省の番号刻印足環とは異なる。2008〜2013年、甲府市内で63羽のカワウに両方の足環で標識した。内4羽が県外で確認された。2009/4(成鳥)→2010/11(浜松で回収)、2010/4(雛)→2011/4(浜松)、2009/4(成鳥)→2013/2(長野県辰野町)、2008/7(雛)→2013/5(浜松)。この調査でカワウは生後2年で繁殖するものがいるのを確認した。
(甲府「カワセミ」NO.128,P6)
●2014/10 徳島県
・ちょっと気になる野鳥の和名 セグロセレイ
セグロセキレイの名前が現れたのは江戸時代中期とされる。この鳥を背黒(セグロ)と呼ぶには一種のためらいを感じる。上半身は黒いが、背だけ特に黒いわけではなく。ハクセキレイも背が黒く、セグロセキレイのセグロは本種の特徴をよく表したとは言えない。ハクセキレイとの違いを分かり易くするためにも、背黒を改め、顔黒、カオグロセキレイとする。
(徳島県「野鳥徳島」NO.433,P13)
●2014/11 福岡
・2014年ジョウビタキの初認日
10/7:♀1、宗像市、10/11:♂1、宗像市、10/14:♀1、福岡市、10/15:♂♀複数、福岡市で6例報告有り。北九州では例年、ジョウビタキの初認日は10月中旬過ぎがピークである。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.421,P12)
●2014/11 札幌
・カッコウ一斉調査
●2014/11 埼玉
・ツミの生態
・英語の野鳥図鑑索引
●2014/11 東京
・JR中央線・ツバメの巣はどこに2014
・イベント東京湾の自然”葛西”に集合
●2014/11 岡山県
・チュウヒの繁殖概要
・アトリ
・岡山県内のヨタカの生息概要
・ミズカキチドリ飛来
・ツバメ保護のお願い
●2014/11 北九州
・タカの渡り2014秋
●2014/11 筑後
・2014年度三池島ベニアジサシ調査
●2014/11 札幌
・カッコウ一斉調査
カッコウが札幌市の鳥に制定されたのはS35年で、当時のアンケートではカナリアと対決し、僅差でかわしてカッコウに決定した。今年も6/20〜22、2km四方で49箇所を調査した。確認総数は50羽でここ10年で最少で、草原性が残る札幌市白石区で12羽、東区で8、北区で8、石狩市で10、江別市で5等であった。
(札幌市1「カッコウ」NO.368,P4〜9)
●2014/11 埼玉
・ツミの生態
3年続けて、ツミの子育てを見た。今年の営巣木は車、人の往来が多い住宅脇の桜の木である。♂が♀へ獲物を持ってくるが、置いていくとオナガが狙う。雨の中で翼を広げ雨浴びがよく見られた。巣作りは雌雄で葉のついた小枝を折り、枝の間に敷き詰め、更に小枝を重ね、産座に若葉を敷き詰める。ツミの初認日は2,012年、13年、14年の順に6/2、3/28、3/24、交尾初認:6/2、4/23、3/27、抱卵開始:6/16、5/16、5/24、雛初認:7/19(4羽)、6/9(5羽、6/27(3羽)、巣立ち:7/29、6/30(2羽)、7/22。その後3週間ほどで全て飛去。
(埼玉「しらこばと」NO.367,P2〜3)
・英語の野鳥図鑑索引
日本の図鑑では索引は鳥名の50音順で探すが、英語の図鑑ではグループごとにまとめられており、その種名を頭からのアルファベット検索では見つからず、その鳥のグループの英名が何かを知っいないと索引が難しい。「一見〜の仲間のようだ」の感覚が大事になる。
(埼玉「しらこばと」NO.367,P4)
●2014/11 東京
・JR中央線・ツバメの巣はどこに2014
本部が2011年に始めた「消えゆくツバメをまもろう」キャンペーンに呼応して、JR中央線の東京駅〜高雄駅周辺のツバメの巣を調査した。ツバメの営巣は3つの駅舎(西荻窪、立川、豊田)であり、15の駅周辺300m以内で74箇所確認した。ツバメの営巣確認は日野市内2駅で全体の半数に達した。JR山の山手線内では市ヶ谷駅周辺での4箇所であった。イワツバメの営巣は八王子市内で40巣、ヒメアマツバメは八王子市内で14古巣のみで、コシアカツバメの巣は報告無し。
(東京「ユリカモメ」NO.709,P16)
・イベント東京湾の自然”葛西”に集合
9/20、支部と本部の共催で開催し、100名以上の参加があり、カヌースラローム競技場建設見直しの返礼と中間報告を行った。午前は葛西臨海公園で自然観察会、午後はシンポジウム「これからの葛西の自然を考える」を開催し、同地をラムサール条約に登録すべきかが話題になった。
(東京「ユリカモメ」NO.709,P17)
●2014/11 岡山県
・チュウヒの繁殖概要
瀬戸内市の錦海塩田跡地で、2012年以来、チュウヒの繁殖行動が見られる岡山県唯一の場所である。3/9:♂の波状飛行、4/5:2羽でペアリング飛行、4/13:巣材運び、4/25:抱卵模様、5/24:孵化模様、6/1:繁殖失敗確認、6/21:別の場所に巣材運び、産卵あったが、抱卵無、7/5:第2巣放棄確認、7/21:♂から♀へ餌渡しを見た最終日、8/16:♂姿見えず渡去?8/24:♀姿見えず渡去?巣は折り倒したヨシの上に枯れたヨシの茎、葉を積み重ね、90pX70cm程である。イタチに捕食された可能性が高い。チュウヒ繁殖に適した場所は一時的に出現する人工的な環境のヨシ原だけになっている。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.205,P2〜3)
・アトリ
渡ってくるアトリの数はマヒワやシメ等の他のアトリの仲間同様、年によりかなりの変動がある。アトリは花鶏又は?子鳥と書く。花鶏は中国名でアトリが群れる様をカラフルな花に見立てた。?(かつ)は万葉時代の狩りを指し、狩り子が大勢いるように?子鳥となった。大群をなすので、集鳥(あつとり)からアトリもある。多くの鳥は春、秋年2回換羽するが、アトリは秋に完全換羽があり、春は羽の摩耗により色が出る。これはマヒワ、カシラダカ、オオジュリン、ノビタキ、モズ等でも見られる。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.205,P4)
・岡山県内のヨタカの生息概要
環境省の全国調査では1980年頃から20年程でヨタカが観察された場所は4割まで激減している。2006年の環境省のレッドリストで絶滅危惧U類、2012年の改訂では準絶滅危惧になっている。本当にヨタカは増えたのか?2013、4年、岡山県内で調査した86箇所の内、24箇所でその声や姿を確認した。概ね、県全域に分布し、観察された場所は多くは植林地で二次林を含め自然林では少ない。「あわや絶滅」ではなく、林床に低木等生えないヨタカが好む明るい森には生息している。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.205,P5)
・ミズカキチドリ飛来
7/26、倉敷市玉島でミズカキチドリを発見し、撮影された。3日後には飛去。2006/11〜2007/7の愛知県、2012/9の千葉県の例に続く国内3例目である。同族近縁にハジロコチドリがいるが、旧北区(ユーラシア)の最北部で繁殖し、エチオピア地区(主にアフリカ)で越冬する旅鳥である。ミズカキチドリは新北区(北アメリカ)の最北部で繁殖し、新熱帯地区(中央アメリカから南アメリカ)で越冬する新世界の鳥である。珍鳥に出会うと興奮するが、「自然からは穏やかになることを学べ」(アイザック・ウォルトン卿)の言葉がある。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.205,P6)
・ツバメ保護のお願い
本部で「消えゆくツバメたちをまもろう」キャンペーンが実施され、その中で「ツバメの巣が多数落とされており、どうにかなりませんか」と会員から相談があった。岡山県内で大規模店舗を展開する企業に「巣を落すことは鳥獣保護法に抵触します。法を遵守して下さい」のお願いをした。問題店舗に指導するとあり、顧客向けにツバメの巣立ちを見守るよう店長のポスターが貼られた。今後も企業コンプライアンス遵守をお願いしたい。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.205,P12)
●2014/11 北九州
・タカの渡り2014秋
皿倉山にて9/5〜29の間12日間で、ハチクマ2,319、サシバ22、ツミ9、オオタカ7、ノスリ5。ピークは9/18のハチクマ484。風師山にて9/8〜30の間23日間で、ハチクマ1,581、サシバ138、ノスリ133、ツミ70。ピークは9/18のハチクマ366。
(北九州「北九州野鳥」NO.341,P10〜11)
●2014/11 筑後
・2014年度三池島ベニアジサシ調査
計5回、ベニアジサシを調査した。6/14:成鳥520羽、6/28:卵454、成鳥530、7/12:卵84、雛38、成鳥485、7/26:卵55、雛0、成鳥463、8/9:雨天中止、8/24:ベニアジサシ飛去し確認できず。植物が少ない瓦礫やコンクリートの多い場所で営巣していた。
(筑後「まめわり」NO.162,P6〜7)
●2014/11 千葉県
・盤洲でも青潮が出ました
・北米の野鳥、気候変動で半数が絶滅危機 (9/16 ナショナルジオグラフィックサイト)
・ミゾゴイ今こそ実効性ある保護策を
・嘴の秘密 ハチクマ (9/26 毎日新聞)
●2014/11 愛知県
・韓国で高病原性鳥インフルエンザ発生
●2014/11 大阪
・フィールドガイド活用法
・「高野図鑑」をお勧めしたいワケ
・フィールドガイドの歴史は大阪支部から
・大阪府のツバメの塒調査2014
・2014年ガンカモ類生息調査
・ヤマガラが下りてくる年
●2014/11-12 広島県
・2014秋シギ・チドリ渡り調査(速報)
●2014/11 千葉県
・盤洲でも青潮が出ました
東京湾奥部では春から秋に北風が吹くと、青潮が発生する。青潮の引金は北風で、原因は人間が出す富栄養状態の生活排水で、10/3、とうとう盤洲でも青潮が発生した。
(千葉県「ほおじろ」NO.403,P2)
・北米の野鳥、気候変動で半数が絶滅危機 (9/16 ナショナルジオグラフィックサイト)
9/8、北米オーデュボン協会は今世紀末までに北米の野鳥は気候変動で半数が絶滅する恐れがあると発表した。対象588種中、314種が現在の生息地を失うと予測、その内200種は別の地域に移動するが、126種は行き場を失うかも知れない。現在、全世界の約13%(1373種)がIUCNのレッドリストに入っているが、気候変動によるリスクが加味されていない。
(千葉県「ほおじろ」NO.403,P12)
・ミゾゴイ今こそ実効性ある保護策を
環境省は今年度から数年掛けて絶滅危惧種のミゾゴイの保護方策作りに取りかかる。その数は世界で1,000羽程度で、殆どが日本で繁殖する。2004年から東京多摩西部で調査し、その間、8巣を確認したが、今年は0である。あきる野市では東京都が実施した渓流保全の名による公共事業で貴重な営巣地が破壊されている。ミゾゴイの営巣地を保全地区に指定できる法的根拠を持った対策が必要である。
(千葉県「ほおじろ」NO.403,P13)
・嘴の秘密 ハチクマ (9/26 毎日新聞)
ハチクマの嘴は他のタカに比べてやや細長い。これを使ってスズメバチ等の巣から幼虫や蛹を引き出して食べる。
(千葉県「ほおじろ」NO.403,P13)
●2014/11 愛知県
・韓国で高病原性鳥インフルエンザ発生
韓国で肉用アヒル農場で、高病原性鳥インフルエンザが発生した旨の通知が環境省からあった。鳥インフルエンザウィルスは、野鳥観察等の通常の接し方では、人に感染しないと考えられる。正しい情報に基づいた冷静な行動をお願いする。
(愛知県「愛知の野鳥」NO.333,P5)
●2014/11 大阪
・フィールドガイド活用法
初心者へお勧め:本会の「新・山野の鳥」「新・水辺の鳥」で鳥類目録改訂7版に準拠。写真とイラスト:正確に描かれていればイラスト図鑑が良い。写真は鳥の雰囲気が分かる。「日本の野鳥」(平凡社)、「野鳥図鑑670」「日本の鳥550山野の鳥、水辺の鳥」(共に文一総合出版)がある。読む図鑑は「野鳥識別ハンドブック」(高野伸二 絶版)。詳しく知りたいとき:「日本鳥類大図鑑」。個別種に対し:「日本のワシタカ類」、シギ・チドリ類、カモメ、海鳥各識別ハンドブックがある。海外では:「Handbook of the Birds of the World]全16巻。「The SIBLEY Guide to Birds」(北米の鳥)、「COLLINS BIRDS GUIDE」(欧州の鳥)。英和名比較:「英語鳥図鑑の読み方」「世界鳥類和名・英名・学名対照辞典(共に石井直樹)。ネットでは本会のBIRD FANオンライン野鳥写真図鑑がお勧め。
(大阪「むくどり通信」NO.234,P4〜5)
・「高野図鑑」をお勧めしたいワケ
日本鳥学会の鳥類目録改訂第7版に対応するため、「フィールドガイド日本の野鳥」は現在、新版として編纂中である。その間は本部のHP内、
BIRDFAN「野鳥の見分け方」
http://www.birdfan.net/bw/fg/index.htmlで見る事ができる。本書は1982年、当会の理事であった高野伸二が発行し、基礎的な解説が充実しており、4野鳥識別では高い評価を得ている。当会の歴史、意義が確認でき、鳥類目録の課題、野鳥識別の限界にも触れている。
(大阪「むくどり通信」NO.234,P6〜7)
・フィールドガイドの歴史は大阪支部から
日本の野鳥図鑑の中で最初のフィールドガイドと呼べるものは、大阪支部の「野鳥便覧」である。1938年に上巻、1941年に下巻を発行。共に500部、幻の図鑑である。現在の鳥類図鑑の多くはこの「野鳥便覧」の数値を引用している。大阪支部のHPに「野鳥便覧を読む」のページがある。
(大阪「むくどり通信」NO.234,P7)
・大阪府のツバメの塒調査2014
7団体の協力を得て調査した。結果は高槻市淀川鵜殿で4万羽(前年比6千増)、太子町防災用溜池で10万羽(前年比7千増)、豊中市赤坂下池で9千5百羽、堺市平井大橋で8千羽(セイタカアワダチソウの中)等であった。ツバメの巣は吹田市で調査した結果では1998年の1/3に激減していたが、塒に集まるツバメの総数はそれ程少なくなっていない。
(大阪「むくどり通信」NO.234,P9)
・2014年ガンカモ類生息調査
1/11〜19、大阪府内の430箇所を調査した。ガン類は確認されず、カモ類20種、37,413羽を記録した。2007年の52,978羽以降年々、減少し、今回は前年より約20%減であった。内訳はホシハジロ13,072、ヒドリガモ6,001、キンクロハジロ3,627、スズガモ2,876、コガモ2,788、ハシビロガモ2,124、カルガモ2,118、マガモ2,051、オカヨシガモ778、オナガガモ765、オシドリ655、ヨシガモ200等。ホシハジロとヒドリガモで約半数を占める傾向は過去20年以上続いている。
(大阪「むくどり通信」NO.234,P10)
・ヤマガラが下りてくる年
大阪市東住吉区の長居公園では冬だけやって来る鳥にヤマガラ、ヒガラ、エナガ等がいる。これらは山から下りてくるイメージである。ヤマガラは年によりやって来る、来ないがある。同公園のヤマガラの過去20年間の記録を見ると、偶数年度はほぼ例外なく越冬している。ヤマガラの食性は4〜9月は昆虫9割、それ以降は植物食3〜4割(1975 樋口)、スダジイ、エゴノキ、ツバキの堅果、マツの種、クスノキ、ミズキ、クサギ等の液果、オオバヤシャブシ雄花をよく食べる(同)とある。大阪府周辺の果実は大雑把に言うと、偶数年に不作の傾向にあり、ヤマガラの越冬と符合している。繁殖がうまくいった翌年は幼鳥が多く、それが平地に下りて来るのかもしれない。
(大阪「むくどり通信」NO.234,P11)
●2014/11-12 広島県
・2014秋シギ・チドリ渡り調査(速報)
9/14前後の1週間で県内10箇所で調査した。21種、346羽を確認、内訳はケリ65、ソリハシシギ60、イソシギ55、シロチドリ45、キアシシギ33、タシギ20、アオアシシギ18 、コチドリ11、クサシギ7、トウネン7等。
(広島県「森の新聞」NO.195,P5)
(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森要)
●日時:2013年10月4日(土)〜5日(日)
●会場:四万温泉 ゆずりは荘
(群馬県吾妻郡中之条町)
●担当:吾妻
●参加者:埼玉、栃木、奥多摩支部、千葉県、東京、神奈川支部、茨城県、群馬、吾妻の計9支部より34名の
出席があった。
財団事務局からは、佐久間常務理事、富岡普及室室長、箱田普及室室長代理、堀本普及室員の4名が
出席した。
4日の会議の様子
●議事・内容
10月4日(土)
(1)開会
吾妻の副代表植木氏より、開会宣言。
(2)あいさつ
吾妻の代表松本氏より、参加への感謝が述べられた。
(3)来賓あいさつ
財団事務局の佐久間常務理事より、日本野鳥の会創立80周年に向けた取り組みとして、功労者表彰の実施、記念写真展の開催、法人特別会員感謝の集いの開催、記念Tシャツの発売、記念カレンダーの販売についての報告などがあった。
(4)確認・報告
@各団体連絡先確認
A次期開催担当確認
来年は埼玉が担当することが確認された。
B前回の議事録の確認
C各団体近況報告
各団体10分弱で以下の報告があった。
埼玉:2014年6月に平成26年度第30回総会を開催。女性3名を含む、新役員4名を選出した。9月には、
リーダー研修会を開催し、51名が参加した。9月末にホームページをリニューアルした。
栃木:2013年度、2014年度は、それぞれ28口、19口の入会があったが、両年度ともその内11口がHPを経由した
入会であり、HPの効果を実感している。2013年度に、支部報の「おおるり」をモノクロA5判からフルカラーA4判へ
大型化し、好評を得ている。2013年度、2014年度とも、7月に柳生会長を招き、小山市が開催した「ラムサール
条約湿地登録記念シンポジウム」に協力した。2014年度は、カッコウの鳴き声調査の実施や「栃木県探鳥地
ガイド(仮称)」の製作、「栃木県野鳥図鑑(仮称)」の製作、若い世代を対象とした
「ユース観察会・ユース交流会」に取り組んでいる。
奥多摩支部:2014年6月に、日光で松田道生氏を招き、スタッフ研修会を開催した。「多摩の鳥」という2000年から
2012年の調査目録を発行した。ホオジロガモの貴重な越冬地である多摩川羽村堰周辺を守るため、
ホオジロガモの生態調査を行う「ジロ調プロジェクト」を立ち上げた。
千葉県:普及・調査研究・保護を3本の柱として、均等に力を注いでいる。特に普通種の減少、ストレスを与えない
野鳥観察の必要性、農薬ネオニコチノイドの影響、青潮の問題に注目ている。
東京:保護活動では、葛西臨海公園でのオリンピック問題に取り組んでいたが、計画が見直され、自然が
守られることになりご協力に感謝している。普及活動では、会員増への取り組みとして、探鳥会で配れる
新しい入会パンフレットの作成や非会員向けのイベントでのお試し入会制度の実施、若い人向けの活動を
意識して行っている。研究活動では、オオタカのシンポジウムの実施やJR中央線の駅でのツバメ調査、
葛西鳥類目録の作成を行った。
神奈川支部:現在の会員数は2143名。2014年は、一般企画の探鳥会を60回、定例探鳥会は54回を企画した。
今年21回目のバイノス(神奈川支部研究年報)を11月初旬に発行の予定である。昨年秋に鳥類目録Yを
発行した。多摩川河口の干潟の上に橋が出来る可能性が高まり、要望書の提出など保全活動に
取り組んでいる。
茨城県:本年が創立50年。発足当時からシギチドリの春と秋の渡りの調査とガンカモハクチョウ類一斉調査を
継続している。涸沼のラムサール条約登録に向けての動きや、県のレッドデーターブックの見直しや
生物多様性地域戦略策定に協力している。
群馬:昨年度は探鳥会の参加者数は延べ2130名であった。5月に創立50周年を記念して、
「鳥類目録2012」を発行した。
吾妻:来年50周年。探鳥会は月に1〜2回実施している。その他の活動として、北毛青少年自然の家の利用者を対象に
したバードウォッチング指導や、写真展を実施した。また、芳ヶ平湿原周辺のラムサール条約登録の動きがあり、
基本調査への資料提供を行っている。
D財団近況報告
関東ブロック所属の支部と進めている「会員を増やすための探鳥会」の進歩状況の共有、「ツバメのねぐらマップ」の製作状況の共有、2月7-8日に開催される「探鳥会リーダーズフォーラム」の案内、ミニミニ野鳥図鑑などの小冊子申込者に対するメール送信や郵送による連携団体の探鳥会情報の広報についての共有、創立80周年記念写真展「未来に残したい鳥風景」の案内などがあった。
(5)提案議題の協議・報告事項
議題1)調査活動に対する保険対応
埼玉の副代表小林氏から、探鳥会保険の対象とならない調査活動に対して、各支部がかけている保険ついて
意見が募集され、情報交換を行った。今後、財団で、ケースごとにどういった保険が適しているかについて
情報を取りまとめ、支部へ情報提供していくことになった。
議題2)葛西臨海公園オリンピック問題
東京の幹事飯田氏から、葛西臨海公園オリンピック問題の計画見直しに至るまでの取り組みとこれまでの
協力に対するお礼が述べられた。
報告1)会員増の取り組み
千葉県の事務局長大野氏から、会員減少や1年での退会者が多いことへの対策として、11月29日に
「新入会員へのオリエーション」を実施し、会のことを知ってもらう機会にしようと計画していることが報告された。
また、組織的な探鳥会の案内の新聞への投げ込みや、ビギナーズ探鳥会を実施していると報告された。
報告2)鳥類目録の作成
奥多摩支部の役員蒲谷氏から、「多摩の鳥」という鳥類目録を作成したことが報告された。
報告3)若年層を対象として日本野鳥の会東京が取り組んだ活動
東京の幹事落合氏から、2008年から、初心者や若手が気軽に参加できる雰囲気の探鳥会を
目指して始まったYoung探鳥会について報告された。リーダーを若手にする、アクセスがよい場所を開催場所
として選ぶ、SNSを使った広報をする、初心者の班を作る、昼食の場を持つなどの工夫をしながら、
年間7〜9回開催していると報告された。
(6)その他
夕食後、懇親会が行われ、各支部および財団での懇談と情報交換を行った。
10月5日(日)
奥四万湖周辺での探鳥会が企画されていたが、雨で中止となり、奥多摩支部の役員蒲谷氏より、鳥声録音の講演をいただいた。
(普及室/堀本理華)
■自然保護室より
自然保護室では、ナベヅル、マナヅルの越冬の集中化対策の一環として、これまでに飛来実績のある地域の自治体等に働きかけ、国内で越冬地を増やす活動を進めています。その基礎データとして、毎年連携団体の皆さまや各地の観察者、自治体等にご協力いただき、国内の飛来情報を収集しています。
今年度も環境省の事業の一環として実施することになりましたので、ナベヅル、マナヅルを確認した場合は、是非下記の情報をお寄せいただくたく、お願い申し上げます。
【対象期間】2014年10月〜2015年2月頃
【対象地域】鹿児島県出水市以外の全国
【調査項目】
@確認場所(地名まで)
Aツルの種類
B個体数(成鳥、幼鳥の内訳) C観察期間
D-1 ツルが利用していた環境(例:水田、耕作放棄地、河川等)
D-2 冬作の状況(冬作の有無。有る場合は作物の種類)
※D-1で農地を利用していた場合にご回答ください。
E採食内容
Fねぐらの場所及び環境
G生息を脅かす要因
Hその他(情報提供者の氏名や報道記事等)
※可能な範囲で
I確認場所の詳細情報の公開可否(渡来期間が過ぎれば可など条件がある場合は明記ください)
【募集期間】2015年2月末まで
※報告書へ掲載する都合上、2月末に〆切とさせていただきますが、以降も飛来情報があれば是非ご連絡ください。
【ご送付・お問合せ先】
自然保護室 伊藤加奈
Eメール:[email protected]
電話:03-5436-2633 FAX 03-5436-2635
※専用の調査用紙をご希望の方は上記までご連絡ください。
(自然保護室/伊藤加奈)
■普及室より
支部ネット通信3月号から連載で『フィールドガイド日本の野鳥』についてです。
<鳥の声をどう表すか?>
探鳥会で「アオジの地鳴きはチッと強い声で、カシラダカは弱く、クロジではまろやかです」と教えられたとき、最初は理解できず腹立たしかったのを覚えています。めげずに何度も聞いているうちにそれで聞き分けられるような気になりましたが、さらに、アオジでも雌雄やシチュエーションによって強さに違いがあること、チチッと続けて鳴くと図鑑に書かれているホオジロでも、チッと一声、カシラダカに似た声を出すこともあることを知りました。アオジは強い声のように書かれた図鑑もありますが、それはホオジロ科で比較した場合であり、初心者に対してはいかがなものでしょうか? スズメでよく聞く声と比べると細い声で、声量も少なく、「強い」は適切とは思えません。
連携団体総会の記念講演(11月8日)を担当された西村眞一さんは、昭和13年(1938年)発行の中西悟堂著『野鳥ガイド』は、鳥の声を野外で聞き分けられるようにカタカナ表記を一般化させた功績があるかも知れないと言っておられます。例えばシジフカラ(四十雀)の声は・・・ッィチペー、シチピー、チンチンカラカラ、チジュカラ、ツーピィ等快活に鳴き、ジュクジュクジュクといふ早口のグゼリを入れる・・・と書かれていますが、いわゆる大図鑑でもここまでの記載はありませんでした。過去の図鑑で声に詳しいのは、1952年初版の清棲幸保著『日本鳥類大図鑑』くらいではないでしょうか?
高野図鑑もカタカナ表記が多用されていますが、地鳴きもさえずりも、識別に役立つ典型的な声を選択し、また上手に表現されていると思います。メジロ、ミソサザイ、ムクドリなどでは警戒を意味する声も紹介されており、2007年の増補改訂の際には、私がシジュウカラなどで警戒対象による声の違いにも触れました。
ただし、「カタカナ表記ではわからない」との声も耳にするので、増補改訂版では先に、当会発行のCDの解説にも合わせて「声の質を比べる」「鳴き方を比べる」など、聞き分けの方法も書き足しています。また、交尾の声、幼鳥の声や声変わりなどの課題にも触れました。ちなみに、新版ではスズメのひなの声も書き足したかったのですが、嘴の色の変化について追記したところ、スペースがなくなってしまいました。
<ウグイスはチャッ?ジャッ?>
増補改訂版では、ワタリガラスの声を修正してあります。高野はコホッまたはカポンという表現をしていました。他の図鑑ではカポン、カポンなどの表記もありましたが、私はそのような声は聞いたことがありません。カラス科では最も広く分布し、声のバリエーションも研究されている種ですが、日本では冬の北海道で少数が見られる程度です。よく観察している会員の方に聞くと、春先にそのように鳴くこともあるが、よく聞くのはカラス科らしいしわがれ声、ただし、さまざまに鳴くとのことでした。結局、頻度が高くワタリガラスとわかりやすい声と思われる「グァララ」という表記を先にして、高野の表記が間違いではないので「コホッ」も残すようにしました。
同じ声でも人によって聞こえ方が違うこともあるので、カタカナはできるだけ誰にでもそう聞こえるような表記にしなくてはなりません。高野の聞こえ方が独特だったのか、一般的とは思えないため、新版で書き直したものもあります。ミサゴはチッ、チッでしたが声の質が表現できていないと考え、「ピョッ、ピョッ」とさせてもらいました。ミユビシギのクリーッは、よく耳にすると思われる「チュッ」にしました。コシャクシギのクイーックイックイッも他の図鑑と違うのですが、私は聞いたことがありません。叶内拓哉さんに聞くと「微妙な声なので、高野さんにはそう聞こえたのではないか?」とのことでしたが、相談の結果、他の図鑑の表記も参考にして、「クィーッとかピピピなどと鳴く」としました。
「高野の解説は間違いと言えない限り、できるだけ生かす」が基本方針なので、微妙な点は調べに調べ、悩み続けながらも決断を下します。新版ではウグイスも手を入れ、チャッ、チャッを「ジャッ、ジャッ」としました。理由は、声の質がスズメの一般的なチュン、チュンと比べると明らかに低く、濁りが強いことを現したかったこと、似ているミソサザイの地鳴きとの違いを明確にしたかったこと、『新・山野の鳥』の解説と揃えることです。
新版で声の解説を追記した例ではオオヨシゴイがあります。これまでヨシゴイに似ているような表記でしたが、過去の郡山支部報などでも書かれていたように、ヨシゴイと比べるとテンポが速いので、そのように書き足しました。キンメフクロウでは高野は声を聞いたことがなかったのか触れられていませんでしたが、夜行性で声は重要なので、追記しました。
<そっくりのムシクイを識別するには?>
外見からはほとんど識別できないのに、目録7版で3種に分けられた元メボソムシクイについては、書き足すスペースも厳しい上に、キバラムシクイやヤナギムシクイも追記しなくてはならないので思案しました。
メボソムシクイの亜種から別種とされたオオムシクイとコムシクイは図版を加えずに、渡部良樹さんに声や習性の違いを書いてもらいました。一度あがった印刷を見ると、なんとか地鳴きまで触れられそうなので、2種の声については次ぎのようになる予定です。「オオムシクイはジジロジジロ、コムシクイはジリリリ・・・とさえずり、地鳴きはオオムシクイが固い感じのジッ、コムシクイがやや高いビッだが良く似ている。2音連続して発することもある。」
渡部さんにはエゾムシクイの類似種として、アムールムシクイ(ウスリームシクイ)の声も書いてもらいました。目録7版では検討中とされている種ですが、声がわかれば記録も増えるのではないでしょうか? また、イイジマムシクイについては元三宅島のレンジャーで当会自然保護室の山本裕の指摘によって増補改訂版で地鳴きを追記しましたが、新版ではさらにさえずりのバリエーションを整理しました。
(普及室/主席研究員 安西英明)
去る、11月8日(土)、平成26年度連携団体全国総会において、日本野鳥の会創立80周年記念功労者表彰が執り行われ、53名の功労者を代表して7名の方に柳生会長から表彰状が手渡されました。
受賞者7人の写真
左から弥永俊雄、中林光生、丹羽宏、高木清和、竹丸勝朗、佐藤公生、花田行博
以下、日本野鳥の会創立80周年記念功労者の皆さんをご紹介させていただきます。(順不同、敬称略)
所属 | お名前 |
オホーツク支部 | 花田行博 |
根室支部 | 細川憲了 |
釧路支部 | 林田恒夫 |
道北支部 | 富士元寿彦 |
札幌支部 | 土屋文男 |
小樽支部 | 富樫敏雄 |
小樽支部 | 松山佳則 |
室蘭支部 | 本多進 |
青森県支部 | 古川博 |
弘前支部 | 小山信行 |
秋田県支部 | 佐藤公生 |
宮古支部 | 佐々木宏 |
宮城県支部 | 竹丸勝朗 |
ふくしま | 白岩康夫 |
郡山支部 | 湯浅孝子 |
いわき支部 | 小野金次郎 |
茨城県 | 西野正義 |
栃木 | 神山忠士 |
群馬 | 卯木達郎 |
吾妻 | 都丸省三 |
埼玉 | 鈴木忠雄 |
千葉県 | 根本喜一 |
東京 | 鈴木正男 |
奥多摩支部 | 鈴木君子 |
神奈川支部 | 柴田敏隆 |
佐渡支部 | 坂田金正 |
石川 | 橘映州 |
諏訪 | 篠崎知明 |
甲府支部 | 中村司 |
富士山麓支部 | 宮下義夫 |
静岡支部 | 三宅隆 |
愛知県支部 | 高木清和 |
岐阜 | 丹羽宏 |
和歌山県支部 | 阿瀬誠一郎 |
滋賀 | 石井秀憲 |
京都支部 | 田渕章 |
大阪支部 | 岡本恭治 |
ひょうご | 松重和太 |
NPO法人日本野鳥の会 鳥取県支部 |
竹中稔 |
広島県支部 | 中林光生 |
山口県支部 | 川元武 |
香川県支部 | 十一正雄 |
徳島県支部 | 曾良寛武 |
愛媛 | 泉原猛 |
北九州 | 林宏 |
筑豊 | 松尾節朗 |
筑後支部 | 永江和彦 |
長崎県支部 | 鴨川誠 |
熊本県支部 | 安尾征三郎 |
大分県支部 | 郷司信義 |
宮崎県支部 | 弥永俊雄 |
鹿児島 | 下池和善 |
石垣島支部 | 崎山陽一郎 |
名称変更などがあった支部についてお知らせいたします。
今月は支部名称等の変更はありません。
(総務室/鈴木美智子)
(1)個人情報の送付方法について、これまで「メール」を可能としていましたが、今後は、メールでの送信は、原則行わないことにします。
会員室では、支部のご要望に合わせて、支部会員名簿(紙)、支部会員宛名ラベル、それらのエクセルデータの入ったCDRなどを、簡易書留にて、支部の会計ご担当者、名簿担当者にお送りしておりますが、この6月に作成した『会費事務の手引き<支部用>』では、メールでもお送りできますと、記載しておりました。
しかし、今後は、メールでの個人情報の送信については、原則行わない、ということにさせていただきたいと存じます。
理由ですが、エクセルに入念にパスワードをかけて、添付した場合、安全性の面では、よさそうに思われ、メール可としましたが、、昨今メールについて「誤送信」が世間で問題になっています。「個人情報の添付などを誤って別の人に送ってしまう」「本文に誤って、個人情報を貼り付けてしまう」などのメールの取り扱いにまつわる漏えい事故が後を絶ちません。万が一、誤送信が起こりますと、個人情報が漏えいしなくてもそのようなミスを起こした、という時点で、会の事務処理の信頼性が揺らいでしまいます。
そこで、利便性や効率よりも、漏えいリスクの安全性をとって、メールでの個人情報のやりとりは原則行わない、という方針に替えさせていただきたいと存じます。
(2)名簿、ラベルの送り先は、名簿担当の個人の方宛とさせていただきます(改めてのお願い)
これは、『会費事務の手引き<支部用>』でもお願いしていますが、支部会員名簿、宛名ラベルは重要な個人情報ですから、当会から確実に支部にお届けするため、支部のご担当を一人決めていただいて、その方と下記のようにやりとりさせていただいています。改めてお知らせします。
・支部の名簿担当者を一人決めていただき、その方のお名前、ご住所、お電話番号などの連絡先を代表者名で、
お知らせいただく(会計担当と兼任可。会員室では、その方を名簿担当者として登録します)。
・会員室では、支部から申し出のあったこの名簿担当者以外からの名簿、ラベルの要望は受けつけません。
もし、何らかの特別な事情で、名簿担当者以外の方からの依頼、送付を希望される場合には、その旨を、
支部の代表者名で、文書をいただいてから、作業を進めます。
・ご要望の資料は、支部の名簿担当者の方に、会員室から簡易書留で送付します。
現在、個人名をいただいていない支部につきましては(事務局宛になっている支部など)、個別にお願いを
いたしますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
(3)会計担当者、名簿担当者について、担当者(送付先)の新規登録、ご変更があった場合には、必ず代表者名でお知らせください。所定の用紙がありますので、下記までご連絡ください。フォームをお送りいたします(メールでも可)。
連絡先:会員室会員G 沖山展子
Eメール [email protected]
Tel 03-5436-2630
(会員室/沖山展子)
12月1日会員数36,416人(対前月-186)会員数は先月に比べ186人減少しました。11月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より85人少なくなっています。会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。11月の入会者数は98人で、前年同月の入会者108人に比べ10人減少しました。また、11月の退会者は183人で、前年同月の退会者205人に比べ22人減少しました。
表1. 11月の入会・退会者数
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
■都道府県および支部別会員数■
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2 都道府県別の会員数(12月1日現在)
備考:不明は転居先が不明の会員を示します。
表2.支部別の会員数(12月1日現在)
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
寒気厳しき折柄、いかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき有難うございます。
今月号では、自然保護室よりナベヅル・マナヅルの全国飛来状況調査へのご協力のお願いの記事を掲載いたしました。是非ご一読いただき、ナベヅル・マナヅルの全国飛来状況調査にご協力をお願いいたします。
忙しい年末ですが、体に気をつけてお過しください。
ご家族健康で新年を迎えられますようお祈り申し上げます。
支部ネット通信 第129号 ◆発行 公益財団法人日本野鳥の会 2014年12月24日 ◆担当 総務室 総務グループ 奥田秋穂/植月智子/柴田英美 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル TEL:03-5436-2620 FAX:03-5436-2635 E-mail:[email protected] |