本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
●2014/3 山口県
・カワウ保護管理計画について意見書提出
・安岡沖洋上風力発電建設計画への対応と今後
・ガン・カモ類・ハクチョウ類県内一斉調査結果
・2013春期シギ・チドリ類県内一斉調査
・2013秋期シギ・チドリ類県内一斉調査
・アカメガシワとカラスザンショウの実を食べた野鳥
●2014/3 山口県
・カワウ保護管理計画について意見書提出
山口県の同骨子案に対し、1/23、支部は意見書を出した。県内のカワウの生息数はこの8年間で190〜400羽が940〜1,150羽に増加し、県は200羽以下に減らし、アユ食害が問題化しないように、カワウの捕獲、繁殖抑制、新規塒、新規営巣地の除去、河川での魚生息環境整備をあげている。意見書では200羽が適正数である根拠を示すべき。鳥獣保護区ではエアライフルは使用しないこと。魚の隠れ場所となる淵やワンドを残す河川改修。サギ類が混在する場所ではカワウ駆除はしないこと。カワウの個体数と漁業被害の関係データを蓄積すること。具体的な漁業被害内容を掲示して欲しい。
(山口「山口野鳥」NO.45,P31〜32)
・安岡沖洋上風力発電建設計画への対応と今後
H25/4、環境影響評価方法書の縦覧、H25/12から鳥類に関するアセス調査が始まり、支部は本部保護室と連絡・協議を行い、幹事会で意見統一し、業者に説明、是正等を要請してきた。年間4回程度程度の調査では不十分である。H27/4頃、調査結果を含めた建設準備書が縦覧される予定である。支部はアセス調査をより正確に実行させ、支部の独自調査結果も盛り込んだ準備書を用意させる事を、現在の目標としている。
(山口「山口野鳥」NO.45,P33)
・ガン・カモ類・ハクチョウ類県内一斉調査結果
2013/1/6〜20、山口県内47地点で調査した。22種、20,879羽で内訳はコクガン1、マガン14、マガモ30.4%、ヒドリガモ22.2%、オナガガモ9.6%、カルガモ9.3%、オシドリ7.7%、ホシハジロ5.3%、ヨシガモ3.3%、その他12.2%。同時に調査したオオ
バンは過去14年間で最大で、約100羽が約600羽に増えている。
(山口「山口野鳥」NO.45,P40〜41)
・2013春期シギ・チドリ類県内一斉調査
2013/4/29、県内20箇所で調査した。31種、2,599羽を記録した。内訳はチュウシャクシギ1,568(全体の6割)、ハマシギ599、ダイゼン94、タカブシギ77、イソシギ39、キアシシギ33、ムナグロ30、アオアシシギ29、ソリハシシギ17、ホウロクシギ15、シロチドリ14、タシギ13、オバシギ10等。
(山口「山口野鳥」NO.45,P42〜43)
・2013秋期シギ・チドリ類県内一斉調査
2013/9/15、県内20箇所で調査した。22種、427羽を記録した。内訳はシロチドリ87、ソリハシシギ86、ハマシギ45、トウネン44、イソシギ27、アオアシシギ26、ホウロクシギ21、タシギ15、チュウシャクシギ12、キアシシギ11、オオソリハシシギ10、コチドリ10等。
(山口「山口野鳥」NO.45,P44〜45)
・アカメガシワとカラスザンショウの実を食べた野鳥
1995/8以来、集まった野鳥観察カードからのデータベースより抽出。アカメガシワの実を食べた鳥はキビタキ(16件)、メジロ14、コサメビタキ13、エゾビタキ12、オオルリ10、コゲラ9、アオゲラ4、ヒヨドリ3、キジバト3、ムクドリ3等。カラスザンショウの実を食べた鳥はメジロ13、ムギマキ6、カワラヒワ4、キビタキ3等。
(山口「山口野鳥」NO.45,P47〜59)
●2014/6 山形県
・飛島のカンムリウミスズメ
・2013年コアジサシ観察
・イヌワシ繁殖できず
●2014/6 千葉県
・普通種の動向に注目しよう(幹事会)
・海辺の鳥の生態
・ツバメ40年前の1/3(4/7京都新聞web版)
●2014/5、6長野
・根子岳風力発電計画反対運動
●2014/6 石川
・鳥獣保護に奔走した日々
●2014/3 山口県
・山口県のレンジャク類の観察記録
・興味深い野鳥の行動2件
・山中にオオミズナギドリの翼
・ブッポウソウの巣箱
●2014/6 山形県
・飛島のカンムリウミスズメ
飛島の西約1.5kmに御積島があり、2000年頃より、その周辺でカンムリウミスズメ(最大10羽)が見られている。4/26〜5/1、夜間海上調査で、複数確認できた。この近くでの繁殖ははぼ間違いない。現在の繁殖地の北限は能登半島の七ツ島である。
(山形県「やませみ」NO.83,P10)
・2013年コアジサシ観察
大浜埋立地では2/26:行政と打合せ、4/21:デゴイ36個設置、4/29:コアジサシ初認、5/4:80羽飛来、5/13:防鳥テープ設置、5/21:産卵確認、5/31:224羽 今季最多、産卵30+箇所、6/27:地元放映、6/29:110羽(幼鳥7)、7/30:デゴイ回収。9/13:同埋立地36haで20MWの太陽光発電構想が新聞広報される。日本海沿いの十里塚海岸では6/11、コアジサシ8羽が繁殖開始したが、6/26、サイドバギー車2台が入り、コアジサシは南500mへ移動。同地では風力発電建設に伴う「鳥類の環境アセスメント調査」が始まり、支部は2013/5、2014/1、調査会社、担当行政と打ち合わせた。今年4月、同地の松林でオオタカの営巣が確認され、「猛禽類保護の進め方」に沿って調査する事になった。
(山形県「やませみ」NO.83,P11〜13)
・イヌワシ繁殖できず
最上地区のイヌワシ、3年連続して、春先の突風で落巣し、繁殖できず。今シーズンは12月より同じ枝で造巣開始し、2/4、対岸より抱卵を確認し、4年連続の産卵となったが、4/2、巣上に雛がおらず、4/3、踏査した結果、♀親が吐き出すペリットが例年よりかなり少なく、その中に雛の足指もあり、餌不足で雛も食べてしまったと推定される。シマフクロウ保護計画のように餌の補給が必要である。
(山形県「やませみ」NO.83,P13)
●2014/6 千葉県
・普通種の動向に注目しよう(幹事会)
嘗てツルシギは館山市から利根川の水田沿いまで普通に渡来し、50〜200羽の冬羽集団が来て、真黒な夏羽に換羽し、繁殖地へ渡って行っていた。現在殆ど見られない原因の1つに越冬地、繁殖地、渡りルートの湿地環境消失が考えられるが、農薬による野鳥の脳神経への影響もあるかもしれない。身近で見る普通種も観察記録の蓄積が必要である。
(千葉県「ほおじろ」NO.398,P2)
・海辺の鳥の生態
イソヒヨドリは秋にもよく囀る。春は目立つ場所で♂も♀もよく囀る。秋は数羽の群が飛びながら囀る事がある。冬でも番でいる事があり、1年を通してテリトリーを守っているのかも。餌が少なく時期、囀りをして、餌場確保の意味もあると考えられる。囀り以外に「ヒッ ヒッ」の警戒鳴き、「ゲゲゲゲ・・・」の声も出す。クロサギは海のサギであるが、川を数Km上がってくる。磯より効率良く魚が獲れる時期がある。
(千葉県「ほおじろ」NO.398,P3〜4)
・ツバメ40年前の1/3(4/7京都新聞web版)
宇治市の京都宇治はやぶさ隊がツバメの宇治市内での状況を調査し、小冊を発行した。ツバメは、現在は1975年頃の約1/3以下に減っている。被害聞き取り調査ではカラスに襲われるが8割と大多数を占める。
(千葉県「ほおじろ」NO.398,P12)
●2014/5、6長野
・根子岳風力発電計画反対運動
2004年、上信越国立公園内の上田市と須坂市境の根子岳中腹(標高1,700〜2,000m)で16基(計26,700KW)の風力発電計画が持ち上がった。同公園の普通地域であるが、隣接地に「十の原鳥獣保護区特別保護地区」がある。2005年、イヌワシ生息地、サシバ、ハチクマの渡りコースに当るとして、支部は長野イヌワシ研究会と須坂市長に計画反対を申し入れた。やがて10団体で「根子岳風力発電を考える連絡協議会」が結成された。急峻地の土砂流出指摘に業者は回答できず、僅か3回の野鳥調査に対し、支部は3年間で計24回調査し、猛禽類の飛行ルートが明らかになった。2008年、長野市で「信州にふさわしい自然エネルギーは何か」のシンポジウムが開催され、開発は断念に至った。
(長野「野鳥ながの」NO.526,P6.NO.527,P7〜8)
●2014/6 石川
・鳥獣保護に奔走した日々
当時、カスミ網との戦いは愛知、岐阜、長野、富山、石川、福井の中部6県を中心に、狩猟団体も巻き込み、暴力団が仕切る危険性を隣り合わせていた。カスミ網により10日間でツグミ等が5千羽も犠牲になっていた。取締まりを押し進めると、有力県議会の差し金で職場を追われる事もあった。当時の岐阜県知事はカスミ網猟の賛美者で、関係団体、関係行政がその存続を国会に働き掛けをしていた。中部六県猟政ブロック会議で密猟問題を糾弾し、狩猟適正化に転ずる契機になった。
(石川「石川の野鳥」NO.176,P2)
●2014/3 山口県
・山口県のレンジャク類の観察記録
山口県のレンジャク類の記録は1995/10〜2013/9、ヒレンジャク91件、3,320羽、キレンジャク18件、357羽である。年により飛来数にむらがある。飛来数はヒレンジャク9割、キレンジャク1割で、飛来数は同時期に増減する。食餌記録は、ヒレンジャクはクロガネモチ、ピラカンサ、サクラが多く、ジャノヒゲ、雑草の種、虫のフライングキャッチの記録もある。キレンジャクもほぼ同様である。
(山口県「山口野鳥」NO.45,P60〜63)
・興味深い野鳥の行動2件
2013/4、大阪市天王寺動物園のコウノトリやコサギが展示されている大型ケージの屋根外側で野生のアオサギが営巣していた。アオサギは他のサギ類と集団営巣する事が多く、ケージ内の鳥類に誘引されて営巣したと思われる。同時期、同動物園で猛禽類の餌として準備した牛肉の赤身と冷凍したハツカネズミに1羽のスズメが飛来し、その肉片を突いて食べるのを見る。
(山口県「山口野鳥」NO.45,P68〜69)
・山中にオオミズナギドリの翼
2012/11、響灘から約5km入った霊鷲山の標高220m付近でオオミズナギドリの右翼を拾得した。塒入りで獣に襲われたものではなく、事故死か。
(山口県「山口野鳥」NO.45,P75)
・ブッポウソウの巣箱
ブッポウソウの営巣場所はオオアカゲラの巣穴を良く利用する場所では、それが生息する富山と愛知を結んだ線の北側で、それより南側では樹洞が少ないため、木製電柱に進出している(1992・2001 飯田)。山口県では3箇所でブッポウソウの繁殖があったが、現在途絶えている。オシドリやアオバズクと競合があると考えられる。ブッポウソウの雛への給餌は長野県での調査では鞘翅目45%、半翅目33%、蜻蛉目16%、直翅目3%、双翅目2%、鱗翅目1%であった。2010/10、山口県内の巣箱調査では昆虫類以外に貝類、プラスチック片、小石、磁器片があった。これらは消化のためのひき臼として利用されたと思われる。
(山口県「山口野鳥」NO.45,P82〜89)
●2014/6-8 栃木
・「メジロとランチ♪」プロジェクト
●2014/6 東京
・東京都の傷病鳥の救護体制
・東京都の初記録、稀な鳥(研究部)
●2014/6 南富士
・春季シギ・チドリ調査(調査研究部)
・ウルトラトレイル・マウントフジ(研究部)
●2014/7 南富士
・カメラマンのデマ
・静岡ライチョウ研究会
●2014/6 静岡
・同姓同名の生き物
●2014/6 香川県
・25年度ガン・カモ類県下一斉調査(研究部)
●2014/6 徳島県
・「2014干潟・湿地を守る日」宣言
●2014/6 福岡
・2014年ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査
●2014/6 筑後
・ベニアジサシ
●2014/6-8 栃木
・「メジロとランチ♪」プロジェクト
2003年からメジロの暮らしぶりを研究している。抱卵開始後約11日で孵化し、12日程で巣立つ。沖縄県南大東島では2月初旬に繁殖開始し、産卵数は2〜3個、札幌では4月末から繁殖が始まり、産卵数は2倍の4〜6個である。繁殖時期や産卵数の違いはどのような要因に依るのか、「メジロとランチ♪」プロジェクトをバードリサーチのHP内に立ち上げ、ランチタイムにメジロの囀りの有無をお願いしている。
(栃木「おおるり」Vol.232,P11)
●2014/6 東京
・東京都の傷病鳥の救護体制
都の「鳥獣保護事業計画」により、傷病野生鳥獣保護治療協力病院制度がある。都と東京都獣医師会が契約し、当会がそれに協力している。協力病院は70〜80程度で、個体収容は鳥獣保護員が協力し、リハビリは都が認定したNPOやサポーター、一部の大学が参加している。東京都ではドバトとカラスは保護の対種外である。
(東京「ユリカモメ」NO.704,P10〜11)
・東京都の初記録、稀な鳥(研究部)
ヒメカモメ:2013/2、多摩川下流部、東京都初記録。オオヨシゴイ:2013/10、杉並区善福寺池、同池で中西悟堂が戦前に記録してしているが、70〜80年ぶりの稀な記録。クロトウゾクカモメ:2013/10、葛西臨海公園、東京都(本土)の初記録。コシジロウミツバメ:2012/6、大田区、都内で稀な記録。コノドジロムシクイ:2009/11、神津島、2008/1、葛飾区水元公園、都ではこの2例のみ。
(東京「ユリカモメ」NO.704,P16〜17)
●2014/6 南富士
・春季シギ・チドリ調査(調査研究部)
4/29、富士川河口でカウントした。コチドリ17、キアシシギ12、イソシギ8、シロチドリ5、ムナグロ1、チュウシャクシギ1。この6年間、総計100羽を切っているが、今回の総計44羽は最も少ない。
(南富士「さえずり」NO.379,P3)
・ウルトラトレイル・マウントフジ (研究部)
1200人ものランナーが野鳥の繁殖期に富士山周辺の山野を走るUTMFが今年も行われた。要望通り、オオタカ営巣地はコースから迂回された。
(南富士「さえずり」NO.379,P5)
●2014/7 南富士
・カメラマンのデマ
伊吹山の観光イヌワシが今年は繁殖したらしく、雛の餌乞い鳴きが聞こえていたが、突然聞こえなくなった。近くでカメラマンたちが熊を目撃していたので、「熊がイヌワシの巣を襲い、雛が犠牲になった」との実しやかに語られた。笑止千万、イヌワシが四足にやられそうな場所に巣を架けるわけが無い。そんな事があれば、イヌワシは即、絶滅してしまう。(カメラマン立入で営巣放棄の時、カメラマンは他の理由を実しやかない流す事がある。森)
(南富士「さえずり」NO.380,P7)
・静岡ライチョウ研究会
2005年に静岡市で設立された主に南アルプスのライチョウを調査する団体である。今年度調査結果概要は http://plaza.across.or.jp/~stmasu/ 2015年には静岡で全国ライチョウ会議が予定されている。
(南富士「さえずり」NO.380,P9)
●2014/6 静岡
・同姓同名の生き物
ヤツガシラ:扇状になる冠羽のある野鳥と正月のお節料理に出る里芋の1種。ミミズク:フクロウの仲間と昆虫。シマアジ:カモの仲間とアジ科の海水魚。ホトトギス:鳴声「特許許可局」の野鳥とユリ科で秋に花をつける植物、若葉や花の斑点模様が鳥のホトトギスの胸の模様に似る。他にもチドリの名を持つラン、トキソウ、サギソウ等の野鳥の名に因んだ植物が多く知られる。
(静岡「野鳥だより」NO.415,P8)
●2014/6 香川県
・25年度ガン・カモ類県下一斉調査(研究部)
1/5〜19、県下188箇所で調査した。16種、20,449羽(前回より3,746羽増)のカモ類、コクガン1羽を確認した。内訳はヒドリガモ4,617、マガモ3,526、ホシハジロ3,411、コガモ2,336、キンクロハジロ1,380、オナガガモ1,332、ハシビロガモ1,271、カルガモ934、オシドリ693、ミコアイサ295、オカヨシガモ246、ヨシガモ204等。地況別渡来数は人造湖(溜池)1,191haで14,365、河口789ha4で2468、河川237haで1,967、海域2,813haで1,010、ダム湖251haで600(主にオシドリ)。
(香川県「かいつぶり」NO.365,P2〜4)
●2014/6 徳島県
・「2014干潟・湿地を守る日」宣言
「干潟・湿地を守る日」キャンペーンは1999年より始まっている。諫早湾堤防閉め切り日の4/14を忘れず取り組んでいる。その行動の1つが国際基準を満たした和白干潟、吉野川河口、東京湾三番瀬、磐洲干潟、瀬戸内の播磨灘等のラムサール条約登録実現を目指し、条約湿地の一層の増加を求めることである。日本各地の干潟・湿地の保全のために力を合わせ行動することを宣言する(4/20、日本湿地ネットワーク、徳島県支部、4/14参加者一同)。
(徳島県「野鳥徳島」NO.429,P5)
●2014/6 福岡
・2014年ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査
1/5〜12、県内130箇所を調査した。マガン4、コハクチョウ4、カモ類は21種、25,477羽で、内訳はマガモ6,359、ホシハジロ4,623、スズガモ3,294、カルガモ3,236、オナガガモ2,388、ヒドリガモ2,251、キンクロハジロ646、ツクシガモ610、コガモ504、オカヨシガモ491、トモエガモ185、ハシビロガモ153、オシドリ133等。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.416,P13〜15)
●2014/6 筑後
・ベニアジサシ
20年位前まではベニアジサシは沖縄周辺に来る夏鳥の感であったが、1994年、大牟田市の三池島で繁殖が確認された。国内で見られるアジサシ類では燕尾型の尾羽が最も長く、翼の先にずっと突き出ている。三池島は三井三池炭鉱の通気孔として作られた直径90mの人工島で、ベニアジサシ繁殖の北限地になった。
放鳥調査で、豪州のグレート・バリアリーフで越冬が確認され、16年以上の寿命、生後2年目で繁殖する事が分かった。大変気難しい鳥で、沖縄の無人島では減っている。
(筑後「まめわり」NO.157,P5)
(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森要)
・開催日時 平成26年5月31日(土) 13時〜6月1日(日) 11時30分
・開催場所 磐梯熱海温泉 青稜山倶楽部
・担当支部 日本野鳥の会郡山支部
・出席者 48名
・財団出席者 佐藤仁志(理事長)、安藤康弘(事務局長代理兼会員室長)、山本裕(自然保護室チーフ)
・議事録作成 山本裕
1.総会
渡辺昭氏(郡山支部事務局長)より開会のアナウンスがされ、白岩康夫氏(福島県連携団体連合会会長)より、挨拶が行われた。続いて、武田和也氏(福島県生活環境部自然保護課長)、岩崎賢介氏(郡山市副市長)、佐藤仁志(財団理事長)より、来賓祝辞が行われた。
白岩康夫氏が議長として選出され、議事録作成人として、武澤徹氏、伊東芳子氏(いずれも郡山支部)、署名人として、中野紀夫氏(二本松支部)、駒木根和寿氏(ふくしま)が指名され、議事に入った。
会場の様子
議事の経過及び結果
(1)第一号議案 平成25年度事業報告
資料「第19回福島県日本野鳥の会連携団体連合会総会 郡山大会」に基づき、東日本大震災の地震に起因する鉄塔建て替え工事による猛禽類への影響について、意見書を関係機関に提出したことや福島県内でのカワウの生息調査の実施、カワウ保護の協議会への出席とカワウ保護管理への協力などの事業報告がされた。
(2)第二号議案 平成25年度収支決算報告 会計監査報告
資料「第19回福島県日本野鳥の会連携団体連合会総会 郡山大会」の平成25年度収支報告書をもとに、収支報告がされ、承認された。
(3)第三号議案 平成26年度事業計画(案)
平成26年度事業計画(案)をもとに、福島県内のカワウ生息調査の実施や放射性物質がツバメに与える影響調査への協力を行うこと等が説明され、承認された。
(4)第四号議案 平成26年度収支予算(案)
平成26年度収支予算(案)について、説明があり、承認された。
(5)第五号議案 日本野鳥の会ひょうご様よりの第3回義援金の処理
義援金の処理について説明があり、質疑応答や確認がされた。また、今後の取り扱いと活用については、連合会事務局で対応することとなった。
(6)第六号議案 平成27年度第20回連合会総会開催支部の決定
次回の総会開催支部として白河支部が紹介され、承認された。
(7)第七号議案 役員改選(平成26年4月1日〜平成28年3月31日)
福島県日本野鳥の会連携団体連合会役員候補(案)をもとに、役員候補が紹介され、承認された。
(8)第八号議案 規約の一部改正
現行の規約と改正(案)を対比しながら説明がされ、公益財団法人に移行したことに伴う文言の修正の他、連携団体連合会の事務所を「会長が所属する連携団体の事務所内に置くこと」や連携団体連合会の役員を「会計監査」から「監査」に変更すること、また、幹事のうち1名を事務局長に選出すること等の改正案が原案どおり、承認された。
(9)第九号議案 その他
・福島県の鳥類目録の作成について
白瀬相双支部長より、福島県の鳥類目録として、平成8年発行の「ふくしまの野鳥」に293種が掲載されているが、以降、未掲載の鳥類が確認・発見されていることから、追加種を加え、総目録として正確な資料にする必要性の話題提供がされた。各連携団体に対して、協力依頼がされ、また、総目録の追加にあたっては掲載を検討するしくみの必要性が確認された。総目録作成については賛成され、今後、記録を検討する場の設置などを検討していくこととなった。
2.講演:「野生動物への放射性物質の影響について」
伊藤正一氏(福島県自然保護課)より、資料をもとに、避難指示区域の状況や野生鳥獣(特にイノシシ)の現況、放射線モニタリング調査、IAEAと福島県の協力プロジェクト等についての紹介がされ、質疑応答がされた。
3.連携団体・会、支部の活動報告
(1)平成26年度「探鳥会計画」について
資料をもとに、各支部から平成26年度の探鳥会の行事予定と探鳥会で行っている工夫や新たな取り組みについての紹介がされた。行き先を明示せずに遠出の探鳥ツアーを呼びかけたところ多数の参加申し込みがあった郡山支部のミステリーツアーの試みや、探鳥会と清掃活動、天ぷらや焼き肉などを楽しむ会をセットにしたいわき支部の取り組みなどが紹介された。
(2)特色ある支部活動の紹介など
「ふくしま」からは、連携団体連合会に対して、ガビチョウ生息状況のアンケート調査への参加・協力の呼びかけがされたほか、いわき支部からは、報道機関への野鳥情報や写真提供にあたってのマナールールが提案され、賛同された。
4.(公財)日本野鳥の会本部より業務連絡
安藤康弘事務局長代理兼会員室長より、80周年事業における功労者表彰及び写真展の紹介と進捗状況が報告された。また、山本自然保護室チーフより、ツバメを始めとする野鳥への放射性物質の影響調査の進捗報告とツバメの白斑調査への協力依頼がされた。
5.探鳥会
6月1日早朝6時より、ホテル裏山の「ケヤキの森」を散策し、キビタキ、マミジロ、ヤブサメなどの野鳥を観察した。また、ウスバシロチョウやカジカガエルなど、ホテル周辺の自然に親しんだ。引き続き、集合写真撮影後には、探鳥地「逢瀬公園」(郡山市)において野鳥を観察した。
集合写真
(自然保護室/山本裕)
・期日 平成24年6月7日(土)〜8日(日)
・場所 静岡県駿東郡小山町役場須走支所
・担当 日本野鳥の会静岡地区
・参加した支部等連携団体
富山、福井県、長野支部、諏訪、甲府支部、富士山麓支部、愛知県支部、岐阜、三重、新潟県、静岡支部、遠江、南富士支部、沼津支部、南伊豆、東富士
・財団事務局からの出席者
吉田副理事長、葉山自然保護室長、箱田普及室長代理、江面普及室員、堀本普及室員、阿部会員室員、小島会員室員
≪議事≫
1.会議
@静岡地区代表挨拶(沼津支部本田支部長)
参加者及び協力開催した静岡地区へのお礼と、会員減少や高齢化への対策案が出るような良い会、良い交流の場となることを願っているという挨拶が述べられた。
A来賓挨拶(吉田副理事長)
創立80周年を迎え、野鳥の会発祥の地である須走で開催することへの感慨と、80年の中で変わらない野鳥の会の核として探鳥会をとらえ、今後も仲間を増やしていくために、支部と協力しながら活動を進めたいとの思いが述べられた。
A各支部等連携団体挨拶
(三重)前年度三重で開催した中部ブロック会議への参加のお礼と、ミヤコドリが増加していることが報告された。また、会員が減少しており、若い方たちに親しまれる探鳥会にしていきたいとの思いが述べられた。
(岐阜)岐阜は飛騨と美濃地方のふたつに分かれており、今回は飛騨から参加したとの挨拶があった。
(愛知県支部)NEXCO・愛知県支部・弥富野鳥園の三社が合同で、弥富インターチェンジと蟹江インターチェンジのサギについて、調査手法検討しながら、調査しているとの報告があった。
(諏訪)参加者の話を聞いて刺激を受け、活動のエネルギーにしたいとの挨拶があった。
(甲府支部)よろしくお願いしますとの挨拶があった。
(富士山麓支部)富士山が世界文化遺産になり、観光客やイベントの増加により生じるであろう自然への負荷について、皆さんと協力して対処していきたいとの挨拶があった。
(長野支部)会員数は500人前後を維持していること、コウノトリが昨年の10月から4か月半くらいいたことが報告された。
(富山)会員数が200人を切り危機感があること、月に2回の探鳥会には、会員外の参加者が多いが、会員になかなかならないことが報告された。また今年の冬は、トキが来ているところにタンチョウが来て同時に見られたことが報告された。
(福井県)来年は福井が中部ブロック会議の担当になること、会員が減少していることが報告された。また、探鳥会のリーダーを女性にして開催したところ、参加者が増えたように感じられ、今後も会員数を増やすことを考えながら活動していきたいとの思いが述べられた。
(静岡支部)今年50周年を迎え、来年の2月8日には長谷川博氏を招き、祝賀会を開催することが報告された。
(東富士支部)中部ブロック会議参加へのお礼と、静岡地区に対して開催協力へのお礼が述べられた。会員数は約70人であることが報告された。
(南富士支部)富士山の南から西方角、海抜0mから森林限界の2400mまでが活動エリアであることが述べられた。
(遠江)会員は約430人で少し減少気味であること、一昨年創立40周年を迎え、発表したガイドブックが静岡県自費出版大賞で奨励賞を受賞したこと、昨年は横浜ゴムと活動したことが報告された。
(沼津支部)静岡県の銀行のふるさとの基金から資金を得て、子どもたち用の観察用具などを購入し、子どもたち向けの活動をしているとの報告があった。
(南伊豆支部)会員は約45名、活動は探鳥会のみであることが報告された。
2.財団からの報告事項
@支部からの推薦による表彰について
80周年記念事業として、支部からの推薦をいただき、野鳥の会の活動を長年に渡ってされてきた皆さんを表彰したいと思っていること、この件は各支部に案内済みで、締切りが6月末なので、未提出の支部があれば協力を願いたい旨が述べられた。
A連携団体総会について
今年は、11月8日、9日に開催予定であり、参加を願いたい旨が述べられた。
B80周年記念写真展について
写真展を全国巡回のかたちで開催し、中部ブロックでは「道の駅すばしり」と「豊田市自然観察の森」を会場とすることが報告された。
Cワイルドバードカレンダー2015プレゼント企画について
80周年の記念企画として、昨年と今年に入会された方全員にカレンダーをプレゼントするキャンペーンを行っており、支部で入会促進として活用いただきたい旨が述べられた。
D探鳥会リーダーズフォーラムについて
来年2月7、8日に、探鳥会スタッフ通信の購読者を主な対象者として、直接顔を合わせて探鳥会のことを議論するフォーラムを開催予定であり、9月頃に支部へ案内を出すので、参加を願いたい旨が述べられた。
Eツバメのねぐらマップ制作について
全国の主だったねぐらを紹介するパンフレットを制作し、初心者に野鳥に関心をもってもらうきっかけにしようと考えており、そのためのアンケートを現在各支部へ送っているので協力を願いたい旨が述べられた。
F仲間を増やすための探鳥会について
2014年度は、支部型会員を増やすことを目的とした探鳥会を関東ブロック所属の支部と一緒に開催予定であることが報告され、来年度以降は、さらに範囲を拡大したいと思っているので、中部ブロックの支部にも参加いただきたい旨が述べられた。
会議の様子
3.協議事項
南富士支部の影山支部長を議長として、以下の事項について協議した。
@傷病鳥の対応、各県の実態と支部の関わり(岐阜)
岐阜の直井副代表から、岐阜県で2004年に傷病野鳥保護事業が鳥インフルエンザで中止されたこと、また県立の鳥獣保護センターがないことへの問題提起なされ、各県における傷病鳥の対応について情報収集したいとの要望があった。
三重の西村理事から、三重県ではかつて鳥獣保護ボランティアがあったが、今は適切に機能しておらず、保護は個人頼みになっているとの報告があった。
福井県から、福井県では鳥獣保護センターや鳥獣保護員の制度があり、行政や獣医師と協力しながら保護に取り組んでいるとの報告があった。
静岡支部の三宅前支部長から、静岡県では県の自然保護課が県内の動物園に受け入れを委託して対応しているが、最近は動物園でも手が回らず断られることも増えてきたようだとの報告があり、県立の鳥獣保護センターが必要だという意見が述べられた。
A野鳥、案内板の設置(富士山麓支部)
富士山麓支部から、一昨年度に、粟井英朗環境財団の補助金を得て、富士吉田市と富士河口湖町の計4か所に、野鳥の案内板を設置し、探鳥会や富士山に撮影に来た方々に有効活用いただいているとの報告があった。
B猛禽類への鉛中毒の実態調査について(諏訪)
諏訪の林会長から、猛禽類が、鉛弾による猟で死んだシカ肉を食べて中毒死する可能性への問題提起があり、都道府県レベルで鉛中毒の有無を調べ、実態解明に努めることが必要だという意見が述べられた。
葉山自然保護室室長から、5月に鳥獣保護法の改定があり、都道府県がシカを捕獲する事業等が創設され、高山など死体を持ち出せない場所で死体の放置を認める場合、鉛弾を使用しないことが条件付けられたと報告された。また、シカが指定管理鳥獣に変わり、これから都道府県が鳥獣保護管理事業計画を作成するので、この機会に、各都道府県の計画の中に、大量にシカを捕獲する場合は、猛禽類の死体で鉛のチェックをするよう要請するのが良いという意見があった。
C日本野鳥の会中部ブロックを意義のあるものにするには(福井県)
福井県の酒井代表から、会議を密にするため、事前に協議事項が共有できるよう事務処理をすることや中部ブロックの分割などを検討してはどうかという提案があり、来年福井における中部ブロック会議で意見集約することとなった。
浅間神社見学の様子
≪その他≫
・講演会:「伊勢湾西岸におけるミヤコドリ」(三重安藤理事)、「富士山の野鳥」(南富士支部渡辺氏)、「中西悟堂を語る」(中西悟堂研究家西村氏)
・探鳥会:早朝探鳥会、浅間神社(日本野鳥の会70周年記念碑)見学、富士山須走登山道五合目/小富士遊歩道探鳥会
(普及室/堀本理華)
■普及室より■
■「サマーフェア」は7月31日まで連携団体向け卸販売をご利用下さい■
当会通信販売では、7月31日までの期間限定で「サマーフェア2014」を開催しております。対象の双眼鏡や望遠鏡を割引価格でご購入いただける機会となっているほか、夏のバードウォッチングにおすすめの商品をご紹介しております。
会誌「野鳥」7月号に通販カタログ「サマーフェア2014」を同封しましたので、ぜひ、ご覧ください。また、事業担当の皆様には、当フェアの連携団体向け卸販売のご案内を、6月下旬にお送りいたしましたので、探鳥会やイベント等で会員や参加者の皆様にご案内いただき、ご注文を取りまとめていただければ、卸価格で対象商品を販売させていただきます。商品を通じたコミュニケーション、支援者の輪の拡大にぜひご活用ください。
※ご注文方法につきましては、6月下旬に、事業ご担当の皆様に案内をお送りしました。ご不明点はお気軽にお問合せ下さい。
●本件についてのお問い合わせ
普及室販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636 メール:[email protected]
(普及室/江面康子)
支部ネット通信3月号から連載で『フィールドガイド日本の野鳥』についてです。
<秋までの発行を目指す>
日本鳥類目録改定第7版に合わせた新たな『フィールドガイド日本の野鳥』の発行が当初の予定より遅れ、お詫びを兼ねて、この連載で事情や進捗を説明させていただいております。
この度、秋までに新たな『フィールドガイド日本の野鳥』を発行するために「これまで世界の分類などで参考文献としていた出版物の遅れについては、夏までに発行されない場合はそれを諦める」「その場合は、ウェブ上の資料を元にすることをやむなしとする」ということに致しました。
なお、新たな分類を簡単にまとめたものとしては「新・山野の鳥 改訂版」の分類表、日本鳥類目録改定第7版の変更点については野鳥誌2013年1月号および2・3月号の小特集、分類の基礎および変遷や今後を理解するには、2012年7月号「鳥の分類」特集をお勧めしておきます。
<エゾライチョウの足指に羽毛はある?>
鳥類目録の改定第5版から第6版の変更点にどう対応したかについては前々回に触れましたが、初心者向けの「新・山野の鳥」などでも同様に対応させてきました。1998年の第1刷から、改定版前の14刷まで版を重ねて売れ続けてきたお陰でもあるのですが、改版の際に微修正を施しています。
実は『フィールドガイド日本の野鳥』増補改定版でも、改版の際の微修正している箇所があるのでここで紹介しておきます。お持ちの方はP192のライチョウ科の解説ですが、どう書かれているでしょうか? 「足指まで羽毛で覆われている点がキジ科と異なる」となっているのは第1刷、第2刷で、2012年発行の第3刷以後は「跗しょが羽毛で覆われている点がキジ科と異なる」に変わっています。これは「エゾライチョウの足の羽毛はライチョウと異なり、足指まではない」などの指摘を藤巻裕蔵氏らからいただき、修正させていただいたためです。
ちなみに目録7版ではライチョウ科はキジ科に統合されたので、現在取り組んでいる『フィールドガイド日本の野鳥』増補改定新版ではライチョウ科ではなく、キジ科ライチョウ類として扱う予定です。
また、P62のカンムリウミスズメの解説も第2刷までは「日本近海の島で繁殖し、冬も同水域にとどまる」となっていますが、3刷で「冬も同水域にとどまる」を削除しました。当会の調査などで繁殖後に北上するカンムリウミスズメがいることが明らかになってきたためです。
<ウミオウムは高く飛ぶ?>
『フィールドガイド日本の野鳥』ではカンムリウミスズメの下にウミオウムが登場します。高野著作を尊重し「海上を比較的高く飛ぶといわれる」と書かれたままにしてありますが、この部分は増補改定に取り組んだ時からの課題でした。「・・・といわれる」と記されているのは、高野自身が確認していないためですが、冬の北海道で洋上に出てもそうは見られない種です。世界の文献でもそのような記載は見当たらず、これまで情報を集めてきました。「一度だけ見たことはある」「昔、見たような記憶はある」程度の情報しか得られず、他のウミスズメ類より高く飛ぶ傾向があるのかについては、なんとも言えないものばかりでした。
日本野鳥の会十勝支部の副支部長、千嶋淳さんが、近年、北海道沖の鳥類の調査や著作(*)に取り組まれているので相談させていただきました。千嶋さん自身の見解「これまで観察できた範囲では、飛び立ち距離は他種より大きいようだが、高度はウミスズメやエトロフウミスズメと大差ないと思う」や、千嶋さんが調べた情報なども合わせた結果、「海上を比較的高く飛ぶといわれる」については確認できないので、新版では削除することにしました。
*北海道の海鳥1ウミスズメ類@(発行:NPO法人日本野鳥の会十勝支部)は当会でも扱っています。
<「かかと」と「漂鳥」>
『フィールドガイド日本の野鳥』の修正では基礎を充実させることに努めてきましたので、そのような事例も紹介しておきます。鳥の各部の名称で、増補版まではなかったのですが、増補改訂版にて加えたのが「かかと」です。種の識別ではあまりポイントにされないためか、かかとを示していない図鑑が少なくありません。でも、鳥類の体の構造を知る上には重要だし、なにより、かかとをひざと勘違いしている方がたくさんおられます。
また、新版では「漂鳥」の用語解説を書き直す予定で、これまで「日本国内で比較的短い移動をする」と書かれてきた「日本国内で」を削除する案を検討しています。例えばウソやルリビタキなどが秋冬に低地で見られるようになると、高山から移動してきたように解説されることが多いのではないでしょうか? でも、分布図を見ればお分かりいただけると思いますが、大陸から南下して来る個体がいないほうが不思議です。漂鳥と呼ばれてきた種や個体は、国内移動とは限りません。
(普及室/安西英明)
平成23年に環境省が示した鳥獣保護事業の基本指針で、愛玩飼養の目的で捕獲を原則として許可しないことが示され、平成24年4月から各都道府県でも許可しない方針が示されました。これ以降、日本産メジロの新規捕獲は行われないはずですので、その時点で使用されているメジロが老衰等で死亡するにしたがって飼養件数は減少していくはずです。
飼養許可票の有効期限は1年で、毎年居住する市町村での更新手続きが義務付けられています。また、許可を受けたメジロには、足環の装着も義務付けられています。昨年度、全国密猟対策連絡会では、各支部をとおして更新手続きの事務を適正に行うように各市町村に依頼をしました。
今後徐々にメジロの飼養数は減っていくはずです。実際に日本野鳥の会岐阜が県に確認したところ、平成23年に22件あった更新数が25年には12件と減少していました。しかし、密猟の個体を、許可を受けた個体と偽って、使用許可の更新を行おうとする者が出てくることが懸念されます。そこで、密猟対策連絡会では、全国の都道府県における飼養許可の件数を把握し、今後の活動に活かそうと考えております。そこで全国の支部・連携団体の皆様に、都道府県への問い合わせと結果を全国密猟対策連絡会への報告をお願い致します。
都道府県に問い合わせる際の文章のサンプルは、次のURLをご利用ください。
http://www.wbsj.org/info/shibu/net/images/2014/07/shizenhogo.pdf
(自然保護室/葉山政治)
7月1日会員数36,872人(対前月-31)会員数は先月に比べ31人減少しました。6月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より44人少なくなっています。会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。6月の入会者数は160人で、前年同月の入会者142人に比べ18人増加しました。また、6月の退会者は204人で、前年同月の退会者213人に比べ9人減少しました。
表1. 6月の入会・退会者数
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
■都道府県および支部別会員数■
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2 都道府県別の会員数(7月1日現在)
備考:不明は転居先が不明の会員を示します。今月からは転居先不明の会員も会員数に含めています。
表2.支部別の会員数(7月1日現在)
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
いつも支部ネット通信をご愛読いただきありがとうございます。蒸し暑い日が続いておりますが、皆さま、いかがお過ごしですか。
今号では、自然保護室より、愛玩飼養制度の変更についての記事を掲載いたしました。ぜひご一読いただき、愛玩飼養数の把握にご協力をお願いいたします。
梅雨明けとともに、暑さが増してきますが、お出かけの際には、熱中症に十分お気をつけください。
■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。
支部ネット通信 第124号 ◆発行 公益財団法人日本野鳥の会 2014年7月22日 ◆担当 総務室 総務グループ 奥田秋穂/植月智子/柴田英美 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル TEL:03-5436-2620 FAX:03-5436-2635 E-mail:[email protected] |