目次 |
◆支部の動き 支部報保護・調査記事関連トピックス ◆事務局からのお知らせなど 80周年記念写真展「未来に残したい鳥風景」 写真募集 連携団体(支部等)向卸販売をご利用ください |
『フィールドガイド日本の野鳥』 増補改訂新版の取り組み 平成25年度第5回理事会(定例)議事録 ブロック協議会の日程は早めにお知らせください!! 支部名称等変更のお知らせ 会員数 |
本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
●2014/1 十勝
・オオハヤブサ
・アホウドリの衣食住
・北の海とアホウドリ
●2014/1 茨城県
・涸沼がラムサール条約登録湿地に
・ありし日のハクチョウ大越冬地
・カモ科43年の推移
●2014/2 埼玉
・異名の鳥
・クロツラヘラサギ(野鳥記録委員会)
●2014/2 筑豊
・ミズナギドリ類
・録音を通して知るモズ
・鳥の和名の由来
●2014/1 十勝
・オオハヤブサ
1/4、浦幌町の海岸近くの草原で首から下腹部にかけて黒い斑が密にあるハヤブサを見る。写真よりオオハヤブサ幼と確認された。オオハヤブサはハヤブサの亜種で北千島〜アラスカ西岸、カナダで繁殖し、日本では全国から稀な冬鳥として記録がある。北海道では標本産地が不明であるが、2013/2、浦幌町で幼1を、2013/12、根室市で幼1の死体を確認している。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.183,P15〜16)
・アホウドリの衣食住
アホウドリの初列風切で長いものは38cm前後ある。胴体は密に羽毛で覆われ、特に胸から腹は体の内部に向って大きくカールした腰の強い羽毛が重なり合い、不本意な胴体着陸でも問題無い厚いクッションになっている。アホウドリの食べ物はイカや魚卵で、生の魚介が長生きの元かも。親鳥が雛のために採餌する場所は伊豆諸島北部や千葉県、茨城県沖である。アホウドリは鳥島に10月初め渡来し、4月末に、飛べない雛を残して去る。巣作りは嘴が届く範囲から土や草を集め、直径50cm程になる。窪みだけの巣、高さ20cm程の巣もある。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.183,P17〜21)
・北の海とアホウドリ
アホウドリは沖合を主な生活の場にするためか、道内での知名度は低い。嘗ては北海道では人々の生活に深い関わりがあった。漁師が使うシカベ(意味不詳)、ヲンネチカブ(大きな鳥)、シラツキカムイ(占いをする神)等、アホウドリに関するアイヌ語が残っている。日本海側、オホーツク側の遺跡からも、古代人が食べたアホウドリの骨が出る。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.183,P21〜22)
●2014/1 茨城県
・涸沼がラムサール条約登録湿地に
10月、茨城県知事が涸沼をラムサール条約登録湿地にすると表明した。2015年のウルグアイで開催される締約国会議に向けて準備が始まった。同沼湖面を現在の特別鳥獣保護区を国設鳥獣保護区に変更する国内手続きを進めている。
(茨城県「ひばり」NO.317,P2)
・ありし日のハクチョウ大越冬地
取手市の中妻貝塚からは、ハクチョウ類の骨が6体分出土し、当時、水鳥が多い水域に接していた。その他カモ類、カイツブリ類、ガン類、ウ類、ワシタカ類
の骨が出ている。魚網では鳥は捕れず、棒にトリモチを塗り、干潟に囮やデゴイと共に差し込んでいたと思われる(手賀沼では戦前まで行われていた)。この大湿原が今のように変わったのは2000年程前である。
(茨城県「ひばり」NO.317,P3〜4)
・カモ科43年の推移
県内全域のガン・カモ調査は農林省の事業として1970年から始まった。初回から当支部は調査に参加している。初回から調査に参加している支部は片手以下である。1970年は17箇所で31,000羽で、2013年は70箇所で107,000羽に増えている。1970年代前半の数の急増は鳥獣保護区、銃猟禁止区の増加による。その後の数の伸びが小さいのは、鴨猟が盛んな時期で、2000年後半からまた数が急増したのは県外からも来ていた鴨猟者の激減が影響しているとみられる。モニタリング1000サイトの5箇所は当初から調査箇所で、長年その総計は全県の約75%で推移しており、この事は調査箇所が増えたため数が増えたと言うよりも、全県で一様にカモが増えたと言える。(11/30、モニタリング1000ガンカモ類調査交流会で発表)
(茨城県「ひばり」NO.317,P3〜4)
●2014/2 埼玉
・異名の鳥
閑古鳥:当て字でカッコウドリが訛った。早来鳥もカッコウの異名。ハヤコー、ハヤコーの鳴声から付いた。妹背鳥:妹背は夫婦や恋人でホトトギスは相手を恋い慕って鳴くと言われる。浮き寝鳥:雁や鴨などの水鳥を指す。馬追い鳥:マオー、マオーと鳴くとあり、アオバトとする説が主流。花魁鳥:その派手さからエトピリカ。樫鳥:ドングリを好んで食べるカケス。孝行鳥:柳田国男の「野鳥雑記」にある民話に、親の死に目に、頬の黒い汚れも拭かず真っ先に来たので、スズメは孝行者とされる。恋教え鳥:尾を上下に振る様子よりセキレイ。巫鳥(シトド):ホオジロ科の古名で巫女が占いに使ったとされる。慈悲心鳥:ジュウイチの聞きなしで「ジヒシン」とある。春告鳥:ウグイス。水恋鳥:アカショウビン。
(埼玉 「しらこばと」NO.358,P2〜3)
・クロツラヘラサギ (野鳥記録委員会)
11/18、川越市でクロツラヘラサギ1が観察(写真有)された。県内330種目となる。埼玉県では1970/10、川口市と東京都の境界付近に渡来したのが過去唯一の記録であった。
(埼玉 「しらこばと」NO.358,P4)
●2014/2 筑豊
・ミズナギドリ類
海鳥探鳥の航路としてよく利用されるのは、大洗-苫小牧、名古屋-仙台-苫小牧、八戸-苫小牧、東京-三宅、東京-八丈島、東京-小笠原等で、東京-釧路は今は無い。海上では目印が無いので、自分で鳥を探すのが原則。ミズナギドリの識別で重要なのはその飛び方である。ハジロミズナギドリは日本では9〜10月、最盛期を迎える中型の鳥で、ジグザグに高低差10〜20mを急上昇、急降下を繰り返し、最低地点で2、3回羽ばたくのみ。オオミズナギドリは遠くから見ると大きく半円を描くように滑空する。ハイイロミズナギドリ、ハシボソミズナギドリは羽ばたき3回後、1回滑空する。オガサワラミズナギドリは滑空せず、羽ばたきのみである。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.432,P16〜19)
・録音を通して知るモズ
モズの「グゼリ」は秋の高鳴きの頃、耳にする事があるが、冬季は縄張り確定と共に「グゼリ」は無くなる。しかし、2月頃からまた始まる。その「グゼリ」はヒバリ、スズメ、ツバメ、オオヨシキリ、ホトトギス、カワラヒワ等14、5種に達した。その中にオオジシギの真似まであった。モズは前年までに繁殖地で鳴いていた鳥の声を真似ると言われる。オオジシギは九州では阿蘇高原で声が聞かれる。福岡市内で越冬するこのモズは夏は阿蘇まで行っているのでは。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.432,P20〜22)
・鳥の和名の由来
ウズラ:蹲る(うずくまる)、埋る(うずる)の「うず」に接尾語「ら」が付いた。または「う」は叢を示し「づら」は群がるの意。シノリガモ:シノリは夜明けの事で美しいカモの意。♂の顔から腹にある白斑模様がカタカナのシノリと読めるとある。カイツブリ:掻き頭潜り(かきつぶり)から転じた説。カイは足は櫂のように使うから、ツブリは体型の瓢箪のような形を表すともある。アビ:魚を食(は)むからハミに変化、または足広、足鰭から転化の説。バン:田を番する鳥に由来。ホトトギス:鳴き声からの説、「ホトホト」の声に小鳥を表す「ス」がついたに説。ホウロクシギ:漢字では焙烙で素焼きの土鍋の色に似ているため。レンカク:蓮池に棲み、翼角に角質の突起があるため。カモメ:翼上面の斑紋が籠の目のように見えるから。ミサゴ:「水を探る」「見探る」を語源とする。 チュウヒ:宙返りから宙飛。ツミ:小さいタカ、雀鷹、それがススミ、スミ、ツミに変わった。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.432,P28〜29)
●2014/2 室蘭
・カモの食べ物
●2014/2 いわき
・H25年度ガン・カモ観察調査 (事務局)
・照島ウミウがピンチ (事務局)
●2014/2 千葉県
・三番瀬鳥類個体数経年調査
(特定非営利活動法人野鳥千葉)
・ミゾゴイ営巣窮地 砂防工事 (12/18 東京新聞)
・コウノトリ2羽対馬に飛来 (12/14 長崎新聞)
●2014/2-3 京都
・2013年秋期タカの渡り調査
・ヤタガラス
●2014/2 山口県
・安岡沖洋上風力発電建設海域の鳥類調査へ同行
・カワウ保護管理計画について意見書提出
・バライロムクドリ
●2014/2 福岡
・2013年ハチクマ・ウッォチング
●2014/2 熊本県
・ニシオジロビタキ
●2014/2 室蘭
・カモの食べ物
カルガモ:種子、水草。マガモ:種子、水草、水生昆虫、貝類。コガモ:水中の石につく藻類、落穂。オシドリ:主食はドングリ。ハシビロガモ:流れるプランクトンや種子。ヒドリガモ:草や種子、海藻。オナガガモ:種子、水草、水生生物。スズガモ、クロガモ:貝、水生小動物。ホシハジロ:水草の葉、茎、種子。キンクロハジロ:貝、甲殻類、水生小動物。ホオジロガモ:小魚、水生小動物。
(室蘭「ハヤブサ」NO.135,P7)
●2014/2 いわき
・H25年度ガン・カモ観察調査 (事務局)
1/12、いわき市内17個所で調査した。総計6,386羽で前年の4,059羽より大幅に増加した。内訳はオオハクチョウ9、コハクチョウ704、マガモ1,724、オナガガモ1,066、クロガモ980、カルガモ945、コガモ328、ヒドリガモ243、キンクロハジロ112、ホシハジロ100等。海ガモは震災前の数に回復してきている。マガモも倍増した。
(いわき「かもめ」NO.121,P3)
・照島ウミウがピンチ (事務局)
たび重なる崩落、特に東日本大震災での大崩落で、照島は著しく狭隘化し、周辺の魚事情悪化もあり同地のウミウは大きく減っている。毎年12月に調査。08年:72羽、2011年:39羽、2012年:調査中止。2013年:43羽、2014年:7羽。「照島ウミウ」は国指定天然記念物である。
(いわき「かもめ」NO.121,P4)
●2014/2 千葉県
・三番瀬鳥類個体数経年調査
当会は千葉県よりの委託で、「H17年度三番瀬シギ・チドリ採餌状況調査」「H17年度スズガモ餌調査」「H19年度野鳥個体数経年調査」「H24年度野鳥個体数経年調査」で千葉県がH11年に選定した43種について調査した。結果は淡水ガモは25年間で激減している。スズガモは減少率は低いが近年減っている。シギ・チドリも激減で、ズグロカモメは青潮で餌の小型蟹が死滅し、飛来がなくなった。
(千葉県「ほおじろ」NO.394,P3〜6)
・ミゾゴイ営巣窮地 砂防工事 (12/18 東京新聞)
東京都あきる野市のミゾゴイの営巣地がある河川で、渓谷沿いの市道に亀裂が入ったため、東京都が河川ののり面を鉄筋コンクリートで補強する砂防工事を進めている。市民は工事中断と工法見直しを求めている。05年以降、毎年1、2箇所で営巣が確認されていた場所である。都は5月の調査で、営巣は確認できなかったとして工事に着手、樹木は残すとしている。
(千葉県「ほおじろ」NO.394,P12)
・コウノトリ2羽対馬に飛来 (12/14 長崎新聞)
12/13、豊岡市の兵庫県立コウノトリの郷公園から巣立ったコウノトリ2羽が対馬市に飛来した。国内繁殖のコウノトリは越冬のため南下せず、12月に若い個体が鹿児島県の喜界島で確認されている。20年ほど前には、大陸から対馬にコウノトリが飛んで来ていたが、最近はそれは無く、今回、対馬では豊岡市の個体初確認である。
(千葉県「ほおじろ」NO.394,P13)
●2014/2-3 京都
・2013年秋期タカの渡り調査
今秋はサシバの最終観察地の宮崎県金御岳、サシバの多くが通る長崎県福江島では共に例年より多く観察された。一方、伊良湖岬では史上最低水準の4,000羽余りで、前年の約1/3程度と少なかった。琵琶湖東の岩間山ではハチクマ総数673の内、成幼識別ができた125羽の内訳は成鳥92、幼鳥33で成幼比約7:3は例年通りで、ハチクマの内陸の渡り成鳥が多い事が実証された。
(京都「そんぐぽすと」NO.186,P11)
・ヤタガラス
八咫烏と書き、古事記に東征した神武天皇を先導したと載っている。足が3本あるのは、中国から伝わった三足烏という霊鳥(太陽の中にいる赤いカラス)と同一視されたようである。尚、咫は古代の長さの単位で親指と中指を開いた約20cm足らずで、八咫烏はその8倍の150cmにもなるが、単に大きなカラスの意である。
(京都「そんぐぽすと」NO.186,P15)
●2014/2 山口県
・安岡沖洋上風力発電建設海域の鳥類調査へ同行
2/5〜7、調査会社の環境影響評価調査(鳥類)に、支部2名、本部自然保護室1名が同行し、調査方法、結果の確認を行った。下関市の同計画(3000KWX20基)に対し4万人近い反対署名が集まっている。北九州白島地周辺でも5千KWX60基の洋上風力発電建設計画があり、北九州支部との連携を考える。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.231,P1)
・カワウ保護管理計画について意見書提出
山口県ではカワウの営巣地はH17年に3箇所、H25年には5箇所に増え、生息数も約400羽が1,150羽に増加している。これを踏まえ、山口県はカワウの保護管理計画骨子案を作り、支部へ意見聴取があり、1/23、支部は意見書を出した。カワウの特定鳥獣保護管理計画に取り組んでいるのは、全国で滋賀と福島のみで、山口がこれに続く。山口県はH27年度までに繁殖期個体数を今の1/5の200羽まで減らすとしている。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.231,P2〜4)
・バライロムクドリ
9/16〜29、岩国市でムクドリ、コムクドリ100+の群にバライロムクドリ1が撮影された。鹿児島県、沖縄県で観察例はあるが、山口県初記録となる。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.231,P7)
●2014/2 福岡
・2013年ハチクマ・ウッォチング (小野仁)
片江展望台での今年の結果は、9/7〜10/14、38日間で総計4793羽、9/20〜24の5日間ではその6割の2,881羽を記録した。2008〜2012年のピークの平均は2003〜2007年より約5日遅れているが、今回は以前と同じ秋分の日前後にあった。今年は済州島で日韓共同で観察され、9/24〜10/2、3,371羽のハチクマを確認した。済州島では午前は対馬や五島方面から飛翔し、午後は朝鮮半島からの来ている。ハチクマの秋の渡りは五島から上海方面が主である。片江展望台では秋に例年50〜70羽のサシバを確認しているが、今年は325羽(従来の最大は2002年の190)で、多くは朝鮮半島の個体と思われる。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.412,P16〜21)
●2014/2 熊本県
・ニシオジロビタキ
これまで日本に渡来するオジロビタキはユーラシア大陸東部に分布する亜種オジロビタキF.p.albicilla(日本鳥類目録改訂第6版)とされていた。1996年、大阪城で観察された個体は、より西方に分布する基亜種F.p.parvaと判明(1998 森岡)、この両種は囀り、地鳴き、羽色、換羽様式、DNAの違いがあり、日本鳥類目録改訂第7版(2012年)では、日本にはこの2種が渡来しているとされる。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.316,P13)
●2014/3 茨城県
・2014/1ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査
●2014/3 埼玉
・オオヨシキリの歌声
●2014/3 大阪
・カラスと針金ハンガー
●2014/3 和歌山県
・ガンカモ調査
●2014/3 岡山県
・2013年度ガン・カモ科鳥類調査 (事務局)
●2014/3 徳島県
・四国横断自動車道吉野川渡河橋に係る要望書提出
●2014/3 北九州
・H26年 ガン・カモ調査
・曽根干潟野鳥観察施設整備について要望
●2014/3 筑豊
・ケラ類
・ヤマドリの不思議な声
・鳥の和名の由来
●2014/3 茨城県
・2014/1ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査
1/12、県内71箇所の調査で、24種、140,103羽(昨年107,290)を記録し、過去最大となった。ハクチョウ類はオオハクチョウ723、コハクチョウ428、コブハクチョウ91。ガン類は亜種オオヒシクイ91、コクガン1。カモ類はマガモ66,568(昨年より6割増)、オナガガモ16,624、ヒドリガモ12,904、カルガモ12,424、コガモ9,317、スズガモ3,646、クロガモ2,932、キンクロハジロ2,639、ヨシガモ1,572、オカヨシガモ1,209、ホシハジロ923等。カワウは40箇所で6,164(昨年より7割増)、オオバンは3,066で昨年より若干減った。
(茨城県「ひばり」NO.318,P4〜5)
●2014/3 埼玉
・オオヨシキリの歌声
森の中の小鳥のコーラスは心地よい。樹木での反射、木の葉での吸収等で残響している。森林の小鳥は長めの切れ目の無い囀りをする。他方。開けた場所でのオオヨシキリ、オオセッカ等は歌声を響き渡らせるために、音を短く切り強弱をつけて、この対比が絶妙な響きをもたらしているのかもしれない。葦原等の開けた所にいる小鳥は強弱のリズムで声を速く繰り返している。
(埼玉「しらこばと」NO.359,P4)
●2014/3 大阪
・カラスと針金ハンガー
唐沢(1988)は東京都千代田区のハシブトガラスの巣に、針金ハンガーが混じっていると記述、これが最初の記録と思われる。黒沢・星(2003)は東京都文京区で針金ハンガー約100本も使ったカラスの巣を報告している。大阪では和田(2004)で、大阪市内で針金ハンガー全く使用しない巣:54%、10%程度まで使用:25%、50%程度まで:9%、ほぼ全部7%、全て使用:1%(1巣)で、大阪市外では針金ハンガー全く使用しない巣は75%と高かった。松尾(2005)では大阪市のカラスは巣の周辺約500mの緑被率が低いほど針金ハンガー使用が多いとある。針金ハンガーがクリニング屋で使われだしたのは、1970年頃であるが、カラスが利用するには多少時間がある。
(大阪「むくどり通信」NO.230,P15)
●2014/3 和歌山県
・ガンカモ調査
1/12、県下一斉調査で、カモ類17種、9,545羽を記録した。例年より1割程少なかった。内訳はヒドリガモ3,062、マガモ2,233、カルガモ1,317、コガモ943、オシドリ829、ホシハジロ355、オカヨシガモ330、ヨシガモ160等。
(和歌山県「いっぴつ啓上」NO.117,P7)
●2014/3 岡山県
・2013年度ガン・カモ科鳥類調査 (事務局)
岡山県の委託を受け、11月と1月県内15箇所で調査した。11月は総計19,682、(1月は21,867)であった。内訳はオシドリ503(441)、マガモ1,979(4,418)、カルガモ1,113(1,180)、コガモ752(1,180)、ヨシガモ150(232)、 オカヨシガモ243(285)、ヒドリガモ2,694(2,228)、オナガガモ726(1,225)、ハシビロガモ273(990)、ホシハジロ10,388(6,754)、キンクロハジロ955(1,228)、 スズガモ140(1,475)等。ホシハジロは早く来て、他へ移動するように見える。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.201,P14〜15)
●2014/3 徳島県
・四国横断自動車道吉野川渡河橋に係る要望書提出
1/9、支部は叶シ日本高速道路へ同要望書を提出した。吉野川河口は環境省の「日本の重要湿地500」、「モニタリングサイト1000」に選定されている。支部は2年前に竣工した「阿波しらさぎ橋」による鳥類への影響を明らかにした。水鳥、カモ類に大きな影響が出ている。「環境アドバイザー会議」で県は「橋の影響は軽微」としている。新たな橋の建設計画の白紙撤回を求める。建設の場合は、通行騒音防護板の設置、近隣地に代償湿地を設ける、橋脚数がコンクリートより少なくて済む(11→7本)鋼製橋脚とし、浚渫しないで済む工法を検討願う。
(徳島県「野鳥徳島」NO.426,P4〜5)
●2014/3 北九州
・H26年 ガン・カモ調査
1月、県内17箇所で調査した。総計13,315羽で内訳はスズガモ4,504、マガモ2,004、オナガガモ1,240、ヒドリガモ1,237、カルガモ1,111、ホシハジロ1,054、コガモ524、キンクロハジロ502、ツクシガモ483、ウミアイサ196、オカヨシガモ150、オシドリ133等。曽根干潟はこの内6663羽。
(北九州「北九州野鳥」No.333,10〜11)
・曽根干潟野鳥観察施設整備について要望
11/25、H12年に出された「北九州野鳥観察施設整備方針」で曽根干潟の施設の機能で北九州市長に要望書を出した。ビジターセンター機能を持たせること、環境学習、情報発信機能を有する観察施設を整備すること、自然観察会を実施すること。同地は鳥類の集団渡来地として、IBA日本委員会から「日本の野鳥重要生息地」に指定されている。
(北九州「北九州野鳥」No.333,12)
●2014/3 筑豊
・ケラ類 (波多野邦彦)
通常、離島にはケラ類はいないが、いてもコゲラのみである。佐渡や対馬にはアカゲラがいる。九州にはオオアカゲラは分布するが、アカゲラはいない(関門海峡を渡らない)。2010/10、日本初のハシブトアカゲラが九州で記録されている。アオゲラは日本固有種で、世界的には北海道で見るヤマゲラより分布域はかなり狭い。コゲラは極東に限られた狭い分布である。ノグチゲラは沖縄本島北部(やんばる)のみに生息し、生息数は100〜200羽程度。チャバラアカゲラは2005/5、舳倉島で我国初記録された。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.433,P35〜37)
・ヤマドリの不思議な声
ヤマドリの声は詳しい記載が無く、音声CDでも母衣打ち(ホロ打ち)程度である。2009年初夏、背振山山系で、ヤマドリ♂がニワトリに似た声で鳴くのを聞く。
更に「ピチュッ、ピチュッ、、ピチュ、ピチュ、ピチピチピチ・・・」 と高い声で鳴いた。この時、この声に同期して低く「コ、コ、コココ・・・」と(♀の)声があった。2つの異なった同期した声は、人に居場所を分かりづらくする攪乱戦略かも。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.433,P42〜44)
・鳥の和名の由来
サシバ:弓の屋に使われた事から差羽との説。喉の1本縦線が羽を差しているとの説。ノスリ:韓国ではスリは猛禽類を表し、これより「野にいるスリ」からきた説がある。チョウゲンボウ:トンボのヤンマーをゲンゲンボウと呼ぶ地方があり、鳥ゲンボーがとなった説。オウチュ:烏秋と書き、黒いヒラヒラ飛ぶ鳥の意で、福建省での読みにオーチュウとある。カササギ:カラス・サギからきたとの説がある。ウグイス:古くは「ウー・グイス」と聞いたとの説。ウグは奥、イスは出ずの意の合成との説。イスカ:古語のいすかし(嘴が噛み合わない)から。コジュケイ:「綬」は古代中国の役人の服につけた飾り紐で、それを目立てて綬鶏(ジュケイ)と呼んだ。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.433,P48〜49)
●2014/3 郡山
・ガン・カモ調査
●2014/3 千葉県
・水田地域でのシラサギ類のラインセンサス
・クロツラヘラサギ越冬数最高を記録
(1/22 WEB版中央社フォーカス台湾)
●2014/3 東京
・都知事選立候補者へ公開質問状送付
・東京でのコウライアイサの記録
●2014/3 奥多摩
・ホオジロガモ
●2014/3 三重
・ミヤコドリ・ズグロカモメ・コクガンのカウント
●2014/3 滋賀
・2014年滋賀県ガンカモ類等生息調査
・カワウの最近の動向
●2014/3 高知
・H26/1 ガンカモ調査
●2014/3 福岡
・秋のメボソムシクイ近縁種の渡り
●2014/3 郡山
・ガン・カモ調査
1/12、郡山地区の26箇所で調査した。結果はハクチョウ類139(オオハクチョウ115、コハクチョウ24)、カモ類3,236、内訳はマガモ1,313、オナガガモ708、カルガモ672、コガモ324、ヒドリガモ88、ホシハジロ59等。この10年では2011/1にハクチョウ類806、カモ類6,453が最大になっている。
(郡山「かっこう」NO.85,P2〜3)
●2014/3 千葉県
・水田地域でのシラサギ類のラインセンサス
手賀沼周辺の水田(A)、北印旛周辺の水田(B)で調査している。4月上旬〜8月下旬は個体数は少なく比較的平坦であるが、9月中旬に急激なピークがあり、その後激減する。周辺での繁殖個体が集まって来るようである。稲刈り期のシラサギ類はチュウサギ、アマサギの群が主でコサギが少し混じる。A地区の種構成は2008年:アマサギ5割、チュウサギ4割が最近はチュウサギ約3/4、アマサギ約1/4と逆転している。アマサギは2009年以降数が減っている。B地区はチュウサギ6割、アマサギ4割とほぼ一定している。茨城県ではチュウサギの生息状況に変化は少ないが、アマサギは2002年以降、県の西、北部で退潮が顕著になっている。
(茨木県支部報2007)
(千葉県「ほおじろ」NO.395,P3〜6)
・クロツラヘラサギ越冬数最高を記録
(1/22 WEB版中央社フォーカス台湾)
1/21、 台湾の高雄市野鳥学会は台湾で確認されたクロツラヘラサギの越冬個体数は1,659羽で過去最大であったと発表した。内、台南市が1,246羽を占める。台湾には全世界の約6割のクロツラヘラサギが越冬する。
(千葉県「ほおじろ」NO.395,P12)
●2014/3 東京
・都知事選立候補者へ公開質問状送付
1/24、支部と本部の連名で、「東京五輪葛西臨海公園カヌースワローム競技場」に関し、都知事選立候補者5名にへ公開質問状を送付した。回答期限の1/29までに田母神氏を除く4名の方から回答があった。その後1、2/1の関東ブロック協議会で同競技場問題報告、2/5の国会・参議院予算委員会で民主党・有田議員が同建設について質問した。
(東京「ユリカモメ」NO.701,P10〜11)
・東京でのコウライアイサの記録
2000年の日本鳥類目録第六版では東京のコウライアイサはAV(迷鳥)で、93/1の第24回ガンカモ一斉調査で、多摩川で記録があったとされる。調査員、詳細記録内容不詳のため、今回の第7版では東京でのコウライアイサを外された。尚、その後2011/11/21、狛江市の多摩川でコウライアイサが写真入りで報告され、次回の鳥類目録にはその分布に東京が含まれる。
(東京「ユリカモメ」NO.701,P16)
●2014/3 奥多摩
・ホオジロガモ
ホオジロガモは奥多摩地区では通常、12月中旬〜下旬に第一陣が到着し、徐々に数を増やし、3月中旬まで滞在する。越冬カモの中では滞在期間が約3箇月と短いのは繁殖地が遠く、移動距離が長い北方系カモのためかもしれない。多摩川の羽村堰周辺はホオジロガモの集団渡来地である。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.217,P27)
●2014/3 三重
・ミヤコドリ・ズグロカモメ・コクガンのカウント
1/27、四日市市高松海岸から伊勢市松下海岸の伊勢湾でカウントした。結果はミヤコドリ56(数日前80〜90)同日三河湾側で53とあり、伊勢湾全体で109+いた事になる。東アジアルートを通る個体数は1万羽程度と推定され、モニタリング1000の調査では最多は東京湾の三番瀬で二百数十羽が越冬する。ズグロカモメは14、2011年の全世界生息数21,000〜22,000羽(内成鳥14,400)と推定。日本では繁殖しないが、日本には西日本を中心に3,000程が越冬する。コクガン8、環境省の全国調査では1,000羽前後で、北日本で多く越冬する。
(三重「しろちどり」NO.79,P8〜10)
●2014/3 滋賀
・2014年滋賀県ガンカモ類等生息調査
1/11〜13、琵琶湖岸全域、周辺内湖、河川、溜池等計108箇所を他団体の支援も受け調査した。99,353羽を記録し、この10年では2番目に少なかった。内訳はコハクチョウ333、ヒシクイ291、マガン8、サカツラガン1、キンクロハジロ18,600、ヒドリガモ13734、ホシハジロ12,616、マガモ11,863、コガモ8,904、カルガモ6721、オカヨシガモ4,298、ヨシガモ3,127、オナガガモ2,266、スズガモ1,478、ミコアイサ941、ハシビロガモ812、カワアイサ551、トモエガモ384、オシドリ305、ホオジロガモ249、ウミアイサ119、他不明種11,741等。別にカンムリカイツブリ2,898、カイツブリ592、カワウ1,710、 オオバン51,210、ユリカモメ1,395。トモエガモは年により変動があり今回は多い。 オオバンは過去10年で3倍近くに増加した。
(滋賀「におのうみ」NO.36,P13〜22)
・カワウの最近の動向
滋賀県のカワウは2009年までは3〜4万羽で推移したが、その後の高効率捕獲(2010年の特定鳥獣保護管理計画第一次)で2012年度以降は1万羽程度に減っている。2013年に第ニ次が策定され、2018年以降はカワウ被害が表面化せず、個体数も顕著に減少していなかった過去の4千羽を目標にしている。この間に「カワウ生息動向調査」「被害状況、対策所状況の把握」「「防除事例研究」「カワウ対策検証」が行われる。環境省は2013/10、「特定鳥獣保護管理計画作成のためのガイドライン及び保護管理の手引き(カワウ編)」を作成している。
http://www.env.go.jp/nature/choju/plan/plan3-2f/
(滋賀「におのうみ」NO.36,P23〜24)
●2014/3 高知
・H26/1 ガンカモ調査
高知県内25箇所で調査した。カモ類総計17,948羽で内訳はマガモ6,643、ヒドリガモ5,280、カルガモ2,450、コガモ1,042、オナガガモ993、オシドリ694、ホシハジロ294、ヨシガモ224、オカヨシガモ190、キンクロハジロ179等。カワウは592、オオバンは682であった。
(高知「しろぺん」NO.327,P1〜2)
●2014/3 福岡
・秋のメボソムシクイ近縁種の渡り
日本鳥類目録改訂第7版ではメボソムシクイ3亜種が3つの独立種メボソムシクイ、オオムシクイ、コムシクイとなり、外観での識別は難しく、啼き声が重要になる。秋は地鳴きで春より識別のハードルが高い。秋の福津市でソナグラム分析を使って調査した結果、9月に確認できたものは全てコムシクイ、10月中旬にオオムシクイと入れ替わる。メボソムシクイは2013年秋は1度も確認できず。韓国ではコムシクイが多数記録されており、国内記録と合わせると、コムシクイは朝鮮半島-九州縦断-南西諸島が想定される。他は渡りルートに謎が多い。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.413,P9)
★1999年末より開始し、14年を経て、お陰さまで700号になりました。昨年、東京オリンピック開催が決まり、その中で2020年の1000号まで行ける気力、体力があれば・・・東京オリンピックは後から出たものですので、それが目標ではありませんが。
野鳥の会は毎月200名が辞め、100名が入会、年間1000名が減り続けている状況と聞きます。
長年各地支部報を見て感じる事は、他団体、専門家との連携した活動、鳥を中心にしたユニークな活動、研究をいている若手、中堅を中心にした「主に調査をしている人」や「その場所を熟知しているトコロジスト」との協働参画、このようなものが支部とラップした活動を広げ、支部報記事を更に興味あるものにしてくれると感じています。
(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)
■普及室より■
■80周年記念写真展「未来に残したい鳥風景」写真募集■
日本野鳥の会は、今年、創立80周年を迎えました。普及室では創立80周年を記念して、キヤノンマーケティングジャパン様にご協力いただき、写真展「未来に残したい鳥風景」を開催することになりました。
この写真展では、未来に残していきたい野鳥と野鳥のいる風景を全国の野鳥写真愛好家の方々からご応募いただき、入選作品を写真展として多くの方々に見ていただこうというものです。これまでの80年間を振り返りながら、今後の野鳥保護への決意を新たにしていく機会としたいと考えております。
ただいま、写真のご応募を受け付けております。たくさんのご応募をいただきたいと考えておりますので、ぜひ会員のみなさまへご周知をお願いいたします。
【写真募集について】
・テーマ:未来に残したい鳥風景
・受付期間:2014年4月4日〜4月30日
・賞:優秀賞5点、キヤノン賞・サンディスク賞・日本野鳥の会賞 各1点、入選20点 ほか
・応募方法: 応募要項を当会ホームページ http://www.wbsj.org/inform/80th-photo-con/ で公開中です。要項の郵送をご希望の方は、下記までお問い合わせください。
【写真展の開催について】
・会場:キヤノンSタワー2F オープンギャラリー(東京都港区/JR品川駅より徒歩約8分)
・期間:2014年10月24日(金)〜11月10日(月)
※2014年11〜3月にかけて、以下の会場で、巡回展を予定しております。
たんちょう釧路空港(北海道)、福島市内、道の駅すばしり(静岡県)、豊田市自然観察の森(愛知県)、大阪自然史博物館、鹿島市干潟展望館(佐賀県) ほか
※写真展では、公募作品30点とあわせて、過去80年間の野鳥の生息環境や当会の歩みを振り返る写真も展示予定です。
【お問い合わせ】普及室 普及教育グループ
電話 03-5436-2622
FAX 03-5436-2635
メール[email protected]
(普及室/江面康子)
■連携団体(支部等)向卸販売をご利用ください■
通販カタログ「バードショップ」2014春夏号が発行となりました。会員のみなさまには、会誌「野鳥」4月号に同封して、販売事業ご担当者様宛には、3月下旬に、連携団体(支部等)向卸販売のご案内と合わせてお届けしました。各支部での販売を通じて、バードウォッチングや自然保護の輪が広まるとともに、販売収益が支部活動の一助となるよう、期待しております。拡販にご協力をお願いします。
●2014年春夏号の特集・おすすめ商品
(1)80周年記念Tシャツ
当会は、今年創立80周年を迎えました。それを記念し、オリジナルTシャツを作りました。デザインは、昨年秋に「Tシャツデザインコンテスト」で公募。277点の応募作品のなかから最優秀賞に選ばれた、福岡県の太田宏介さんの作品「ルリカケス」をTシャツにプリントしました。
(2)寄付付きTシャツ「千人の森2014」
今回で4回目となるキャンペーン。Tシャツ1枚につき250円を当会が実施するシマフクロウ保護活動の資金として使わせていただきます。Tシャツのイラストは、前回同様、絵本作家・村上康成氏です。
(3)ビノキュラーカバー
雨や雪から大切な双眼鏡を守るためのカバー。急な雨や船上でのバードウォッチングに便利にお使いいただけます。当会オリジナル新商品です。
ほかにも、新しい鳥類目録に対応した野鳥図鑑をはじめ、野鳥や自然に関する商品を多数掲載しております。みなさまのご利用、お問い合わせをお待ちしております。
●支部卸販売のご注文、お問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636 Email:[email protected]
(普及室/江面 康子)
■『フィールドガイド日本の野鳥』増補改訂新版の取り組み■
本通信3月号で■分類の変更と『フィールドガイド日本の野鳥』改訂の進捗■を掲載させていただき、「文献の変更も視野に入れて6月前に発行できるよう…」と書きました。が、その後の検討では「ウェブ上の資料はあるがそれらは暫時変わるので、参考文献には適さない。研究者からも信頼されてきた『フィールドガイド日本の野鳥』なので、『Checklist of the Birds of the World』のスズメ目の完成を待つべき」という意見が趨勢を占めています。同書は完成が遅れ、世界中で図鑑の著者や研究者が待たされているようなので当会はすでに予約済みですが、今のところ6月初旬刊行とされています。お待たせして申し訳ありませんが、新しい分類に準拠した『フィールドガイド日本の野鳥(増補改訂新版)』は同書の完成後、それを元に世界の種数、科ごとの種数などを書き加えてからの発行となりそうです。そこでお詫びを込めて、新たな『フィールドガイド日本の野鳥』がどんなものになるのか、概要や進捗を紹介していくことに致します。
<なぜ『フィールドガイド日本の野鳥』なのか?>
まず、野鳥誌や当会ホームページで紹介してきたおさらいをさせて下さい。1982年に発行された本書は、アジア初の分布図も入った本格的フィールドガイドとして世界的に評価されただけでなく、私たちの識別能力を向上させ、国内の鳥類の記録を増やし、その後のアジア水鳥図鑑、韓国や台湾などの図鑑の元にもなりました。より多くの種を扱う図鑑や、仲間ごとにより詳しい図鑑も発行されるようになった今日でも、識別の方法や心得をはじめとした基礎的な解説、比較しやすく、わかりやすい図版や並べ方など、総合的に優れていると思われ、多くの研究者やベテランたちが手放さずに使っています。
<なぜ『増補版改訂版』なのか?>
著者高野伸二の没後、1989年、当時当会にあった野鳥記録委員会による検討を元に増補版が発行されました。2000年には日本鳥類目録改訂第6版が発行され、さらに新たな情報や知見なども加味せざるを得なくなって、2007年に増補改訂版の発行となります。高野伸二を支えた御奥様、ツヤ子さんと相談して増補改訂を担当することになった私は、増補版同様に高野著作を引き継ぐ方針の一方で、当会オリジナル書籍として欠けていた2点を改良しました。「はじめに」で柳生博会長に1934年に中西悟堂が当会を創設した歴史や考え方を語らせ、「まえがき」に続いてフィールドマナーを囲みで掲載しました。それまでの鳥類目録改訂第5版から改訂第6版に準拠させる作業は、ガンカモ目がカモ目、ワシタカ科がタカ科になるなどの目名や科名の変更のほか、ヒタキ科に含まれていたツグミ亜科やウグイス亜科が独立して科となったり、亜種とされていたリュウキュウコノハズクやウチヤマセンニュウが種になったり、なんとか書き直しが可能な範囲でした。ただ、新たに観察、記録された種が多かったので、どのような考え方によってどの種までを追記すべきか?についてはかなり悩みました。その結果は、今回の『増補改訂新版』の取り組みにも活かされていますので、次回で新たな分類変更への対応とともに述べる予定です。
(普及室/安西英明)
1 開催日時 平成26年3月18日(火)
午後4時00分〜午後5時35分
2 開催場所 当財団会議室
東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル3階
3 出席者 理事現在数 6名
出席理事 6名(代表理事を含む。)
理事 佐藤 仁志
吉田 新
佐久間 仁
安西 英明
遠藤 孝一
松田 道生
監事現在数 2名
出席監事 2名
監事 曽我 千文
見田 元
傍聴 2名
山本 裕(職員労働組合委員長)
篠木 秀紀(職員労働組合副委員長)
事 務 局
葉山 政治(自然保護室長)
富岡 辰先(普及室長)
田尻 浩伸(保全プロジェクト推進室長代理)
飯塚 利一(施設運営支援室長)
安藤 康弘(事務局長代理兼会員室長)
奥田 秋穂
(総務室長代理兼総務グループチーフ)
五十嵐 真(総務室経理人事グループチーフ)
植月 智子(総務室員)
4 議長代表理事 佐藤 仁志
5 議決事項
第1号議案 定款変更(名誉会長規定追加)を評議員会に付議する件
第2号議案 評議員会招集の件
第3号議案 平成25年度補正予算承認の件
第4号議案 平成26年事業計画及び予算(案)承認の件
第5号議案 常勤役員の年間報酬額決定の件
6 議事の経過の要領及びその結果
理事会開催にあたり、冒頭、佐藤仁志理事長から挨拶があった。佐久間仁常務理事兼事務局長兼総務室長が開会を宣言し、本理事会は定款第42条の規定に定める定足数を満たしており、適法に成立している旨の報告があった。
また、職員労働組合から2名の傍聴者が出席している旨の報告があった。
なお、議事録署名人については、定款第44条に基づき、出席した代表理事及び監事となっており、佐藤理事長、吉田新副理事長、曽我千文監事及び見田元監事が署名人となることを確認した後に、次の議案の審議に入った。
(総務室/奥田秋穂)
(1) 第1号議案 定款変更(名誉会長規定追加)を評議員会に付議する件
奥田秋穂総務室長代理兼総務グループチーフより、当会に名誉会長を置くことができるように、定款を変更する件を評議員会に付議することについて、資料に基づき説明がなされた。
審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。
(2) 第2号議案 評議員会招集の件
奥田総務室長代理兼総務グループチーフより、定款第20条の規定に基づき、下記要領にて定時評議員会を招集する旨の説明がなされた。
審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。
1 日時:平成26年6月11日(水)
15:00〜17:00
2 会場:ニューオータニイン東京 4F つばき
3 目的事項
(1) 議決事項
1 定款変更の件
(2) 報告事項
1 平成25年度事業報告及び決算の件
2 平成26年度事業計画及び予算の件
3 平成25年度第4回及び第5回理事会の結果の件
(3) 第3号議案 平成25年度補正予算承認 の件
五十嵐真総務室経理人事グループチーフより、トヨタ環境活動助成プログラムから「ツバメを守ろう!国際交流ボランティアプログラム」事業への助成金、総額697万円が認められた。事業期間は平成26年1月から平成27年12月の24か月間であり、今年度事業費36万円を補正予算として計上すると、資料に基づき説明がなされた。
審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。
(4) 第4号議案 平成26年度事業計画及び予算(案)承認の件
各室長より、平成26年度事業計画(案)の概要について、資料に基づき説明がなされた。
引続き五十嵐総務室経理人事グループチーフより、平成26年度予算(案)について、正味財産期末残高が131百万円減少する赤字予算であること、また、この他前年度予算との増減比較や各事業毎の収益と費用の比較などについて、資料に基づき説明がなされた。
遠藤孝一理事から、補正予算であげたツバメ事業と自然保護のツバメ事業との関連について質問があり、葉山政治自然保護室長から、補正予算の事業は国際交流事業で身近なツバメの調査保護事業とは異なるとの回答があった。
さらに、両事業を別々の組織で対応するのはなぜかとの質問に、飯塚利一施設運営支援室長から、補正予算の事業は加賀鴨池観察館の自主事業として検討していたもので、施設運営室が担当するとの回答があった。
また、野鳥誌A4版フルカラーの費用面への影響についての質問に、安藤康弘事務局長代理兼会員室長から、ページ数を減らすことで総費用は同じにするとの回答があった。
曽我監事から、身近な野鳥の保護活動ついてのビジョンについての質問に、葉山自然保護室長から、身近な野鳥の保護のためにライフスタイル変革への呼掛け、都市緑地化のあり方への提言などを考えているとの回答があった。
さらに、一般寄付の中心金額帯についての質問に、安藤事務局長代理兼会員室長から、千円がベースで、これが寄付しやすい金額という回答があった。
松田理事から、WEBを活用した入会勧誘についての質問に、安藤事務局長代理兼会員室長から、HPをリニューアルし、また新顧客管理システムが稼働したことで、メールアドレスの入手が可能になり、一斉メール送信が可能になったとの回答があった。
審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。
(5) 第5号議案 常勤役員の年間報酬額決定の件
奥田総務室長代理兼総務グループチーフより、定款第33条及び「役員及び評議員の報酬等並びに費用に関する規程」に基づき、平成26年度の常勤役員の報酬額を資料のとおりとする旨の説明がなされた。
審議を経て、議長がこの賛否を諮ったところ、全員が異議なくこれを承認した。
7 報告事項
(1) 基本財産積増しに係るその後の取扱いの件
佐藤理事長より、平成22年度第1回理事会において、公益財団法人移行にあたり「持田基金特定預金」を基本財産に組入れ、基本財産の強化を図ることについて承認をいただいたが、その後、移行に係る内閣府との折衝の中で「持田基金特定預金」は、基本財産に組入れたとしても遊休財産として取扱われ、また、基本財産の取崩しは簡単でないことが判明した。このため「持田基金特定預金」の基本財産への組入れを行わずにいる。さらに、持田基金特定貯金による基本財産への積増しは、各種の状況から考えて今後とも行う予定はない旨の説明があった。
(2) 函館支部活動再開に向けた取組みの件
佐久間常務理事兼事務局長兼総務室長より、活動休止状態にある函館支部の現状について次のとおり報告がされた。
函館支部は1980年創立の伝統ある支部であるが、会員はピーク時の7分の1に減少、支部長が体調不良で休止状態にあったが、昨年11月支部長交代をするなど前向きな動きが出てきた。函館支部は道南檜山との合併を希望したが、道南檜山にその考えはなく、一旦は解散も考えたようだが、道南檜山が全面的にサポートすると表明したことから、5月には函館市内で観察会再開となった。とはいえ、執行部体制もままならず、先行き不透明と言わざるを得ない状況に変わりはない。なお、成り行き上支部会計を引き受けたが、早晩、その業務を函館支部に戻したい。また、今回は特殊な対応ケースであり、必ずしも前例にはなり得ない。
遠藤理事から、会員は会費を払っているにかかわらず、何のサポートもないのは問題である、また松田道生理事から、支部会員に野鳥誌は届いているのかとの質問があり、佐久間常務理事兼事務局長兼総務室長から、会員向けアンケートを実施したこと、野鳥誌は届いているとの回答があった。
上記の議事を明らかにするために議事録を作成し、佐藤理事長、吉田副理事長及び出席監事の名において記名、捺印する。
平成26年3月27日
■ブロック協議会の日程は早めにお知らせください!!■
平成26年度ブロック協議会の日程が決まりましたら、早めのご連絡をお願いします。
特に、ゲストによる講演等を予定される場合は、できるだけ早くご連絡ください。
日程等の連絡先は次の通りです。
メール、郵便、FAXなんでも結構です。ご連絡をお待ちしています。
【ブロック協議会連絡窓口】
公益財団法人日本野鳥の会総務室総務グループ
(担当:奥田)
住所:〒141-0031 品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
メールアドレス:[email protected]
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
なお、今日現在次のブロック会議が予定されています。
●九州沖縄ブロック会議:平成26年4月12日(土)〜13日(日) 幹事:日本野鳥の会北九州
●関東ブロック協議会:平成26年10月4日(土)〜5日(日) 幹事:日本野鳥の会吾妻
●東北ブロック会議:平成26年11月29日(土)〜30日(日) 幹事:日本野鳥の会宮城県支部
【ご参考】
●連携団体全国総会:平成26年11月8日(土)〜9(日)
(総務室/奥田秋穂)
■支部名称等変更のお知らせ■
名称変更などがあった支部についてお知らせいたします。
【代表者等の交代】
●日本野鳥の会 熊本県支部
新事務局長:原口 研治
旧事務局長:田中 忠
●日本野鳥の会 奥多摩支部
新事務局長:荒井 悦子
旧事務局長:鈴木 君子
(総務室/鈴木美智子)
4月1日会員数36,978人(対前月-72)会員数は先月に比べ72人減少しました。3月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より101人少なくなっています。会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。3月の入会者数は156人で、前年同月の入会者217人に比べ61減少しました。また、3月の退会者は257人で、前年同月の退会者244人に比べ13人増加しました。
表1. 3月の入会・退会者数
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
■都道府県および支部別会員数■
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2 都道府県別の会員数(4月1日現在)
備考:不明は転居先が不明の会員を示します。今月からは転居先不明の会員も会員数に含めています。
表3.支部別の会員数(4月1日現在)
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
暖かな春の日ざしがなによりうれしい季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき有難うございます。
さて、今回は80周年記念写真展の写真募集についてお知らせがありました。この写真展は、これまでを振り返りながら、今後の野鳥保護への決意を新たにする機会と考えております。ただいま、写真の応募を受け付けております。皆様奮ってご応募下さい。
不安定な天候の季節です。お身体をご自愛ください。
■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。
支部ネット通信 第121号 ◆発行 公益財団法人日本野鳥の会 2014年4月21日 ◆担当 総務室 総務グループ 奥田秋穂/植月智子 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル TEL:03-5436-2620 FAX:03-5436-2635 E-mail:[email protected] |