No.118 2014年1月号


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目次 ◆支部の動き
 支部報保護・調査記事関連トピックス
◆ブロックからのお知らせなど
 2013年度近畿ブロック会議参加報告
◆シリーズ「探鳥会におけるリスクマネージメント」
 第10回:探鳥会と保険(最終回)
◆事務局からのお知らせなど
 ワイルドバード・カレンダー2015写真募集中
 平成25年度第2回評議員会(臨時)議事録
 支部名称等変更のお知らせ
 訂正とお詫び
 会員数

支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.686

●2013/11 札幌
・宮島沼のマガン (宮島沼水鳥・湿地センター)
●2013/11-12 群馬
・休耕田のシギ・チドリ
●2013/11 南富士
・タカの渡り
●2013/11-12 広島県
・生物多様性広島戦略
・スズメのフルーツバスケット
・2013年秋のシギ・チドリ渡り調査
・足輪つきトウネン
●2013/11 北九州
・公共マナーの順守について(展望台にて)
・曽我干潟クリーン作戦に協力
・風師山のタカの渡り2013秋
・イナバヒタキ
・8月に宮古島でシロハラ
●2013/11 筑豊
・種名に使われた言葉の由来

●2013/11 札幌
・宮島沼のマガン (宮島沼水鳥・湿地センター)
 マガンが宮島沼で休憩を取り始めたのは77年で、1万羽を超えたのは84年、2000年には現在のように6万羽に達した。同地では子供たちが「自然戦隊マガレンジャー」として活動している。同沼は水質が悪く、アオコの大量発生があり、ふゆみずたんぼ、ヨシでの水質浄化を試行錯誤している。
(札幌「カッコウ」NO.358,P11)
●2013/11-12 群馬
・休耕田のシギ・チドリ
 8〜9月、玉村町〜伊勢崎市(3次メッシュで5439-3181、3191)でシギ・チドリの渡りを調査した。18回の調査で、チドリ科2種(ムナグロ、コチドリ)、シギ科9種(オオジシギ、タシギ、ホウロクシギ、アオアシシギ、クサシギ、タカブシギ、トウネン、ヒバリシギ、エリマキシギ)、計11種を確認した。個体数はムナグロ54(8/25)、コチドリ20(9/4、9/29)、タシギ10(9/29)、トウネン5(9/4)等。2000年の記録は計18種(タマシギ、ケリ、ハマシギ、キアシシギ、アカエリヒレアシシギを含む)で、今年は13年前より減っている。ハヤブサの進出が影響している?
(群馬「野の鳥」NO.320,P3〜4)
●2013/11 南富士
・タカの渡り
 静岡県の杉尾山は、ここ数年、大変な数のタカの渡りが観察されている。頂上の展望台は視野360度遮るものが殆ど無い。しかし、明星山同様、鳥が遠く、タカを間近で楽しむには今一つ。杉尾山で9/27、5,000羽を超えるタカの渡りが見られたが、伊良湖岬には到着していない。西へ行くに従い、分散する?愛媛県の由良半島では9月下旬にピークがあり、白樺峠を通った個体が通過する。その南15qにある高茂岬ではピークは10月上旬で、伊良湖岬を通過した個体が通ると現地では言われている。タカの渡りをGPSで追跡したい。
(南富士「さえずり」NO.372,P8)
●2013/11-12 広島県
・生物多様性広島戦略
 生物多様性は「生き物同士及び世代を超えたつながり」と「様々な種、個体、地域ごとに違いあり、特有の個性」がある事である。それは4つの恵みで命と暮らしを支えている。1・供給:多様な素材の提供、2・調整:水質浄化、洪水調整、3・文化:観光や憩いの場、4・基盤:酸素の供給。これらに対し4つの危機(脅威)がある。1・過度の捕獲採取や乱開発、2・逆に自然への人間の関わり縮小、3・人間が持ち込んだ種や物、4・地球環境の変化。3月、広島県は「生物多様性広島戦略」を策定し、3つの目標(知る、行動する、次世代へつなげる)を掲げている。
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/eco/biodiversity.html
(広島県「森の新聞」NO.189,P1〜3)
・スズメのフルーツバスケット
 スズメの若鳥は秋になると生れた地を離れて新しい場所へ椅子取りゲームのように動く。2〜300km移動記録がある(山階鳥研)。スズメは全国に分布し、単一亜種で留鳥という数少ない野鳥である。狭い範囲で一生を過ごすスズメが亜種に分かれず広範に生息、繁殖するのは、一部若鳥のこのようなダイナミックな移動、新地での椅子取りゲームの結果ではないか。
(広島県「森の新聞」NO.189,P4〜5)
・2013年秋のシギ・チドリ渡り調査
 9/15前後、県内10箇所で調査した。20種、338羽を記録。内訳はソリハシシギ97、シロチドリ57、ケリ44、イソシギ31、タシギ27、アオアシシギ12、クサシギ11、コチドリ10、ダイゼン6、ハマシギ6、タカブシギ6等。
(広島県「森の新聞」NO.189,P6)
・足輪つきトウネン
 9/2、福山市で7羽(成2、幼5)のトウネンが採餌。内、成鳥1に足輪があり、2011/8/28に網走市の涛佛湖で放鳥された個体であった。
(広島県「森の新聞」NO.189,P15)
●2013/11 北九州
・公共マナーの順守について(展望台にて)
 支部に苦情があった。「展望台はあなたたちだけのものではありません。もう少しマナーを良くして頂きたい」。9月、皿倉山の展望台で会員がハチクマ渡り観察、撮影のため、それ程広くないスペースに三脚、カメラ、望遠鏡を多数並べ、一般の方が展望を楽しむ事ができなかった。限られたスペースを占拠し、他人に迷惑を与えている。(他でもタカの渡り長期調査で、公共の場を連日、特定の者が占拠している事例がある。森)
(北九州「北九州野鳥」NO.329,P3)
・曽我干潟クリーン作戦に協力
 10/4、地元小学校が自然を生かした教育の実践として行う「曽我干潟クリーン作戦」に地元民と共に支部は支援参加した。今回で21年目を迎える。
(北九州「北九州野鳥」NO.329,P4)
・風師山のタカの渡り2013秋
 9/11〜30、門司区の標高362mの風師山で観察した。ハチクマ1,153、サシバ76、ノスリ79、ハイタカ2、ツミ33、オオタカ1で、ピークは9/25のハチクマ251であった。
(北九州「北九州野鳥」NO.329,P10)
・イナバヒタキ
 イナバヒタキはユーラシア中央部で繁殖し、冬季はアフリカ中央部〜東部、アラビア、インド西部に渡る。日本では迷鳥で多数記録があるが、北九州では未記録
である。9/5〜8、山口県小野田市で撮影できた。
(北九州「北九州野鳥」NO.329,P12)
・8月に宮古島でシロハラ
 8/25、宮古島探鳥ツアーでシロハラ♀成が撮影された。山階鳥類研究所によると、8月(夏に)シロハラが確認されたのは初めてではないかとされる。
(北九州「北九州野鳥」NO.329,P12)
●2013/11 筑豊
・種名に使われた言葉の由来
 アイサ:アキサの音変化で秋去りの意。イヌ:劣っている意、イヌワシの尾羽は矢羽として価値が低いからとの由来。シトド:ホオジロ類の古名、「ツチチ」の地鳴きからの説、「シッ」と鳴くとっと(鳥)の説。ズク:耳が突き出しているから「ツク」→「ズク」。センニュウ:草むらに潜む様子仙人から仙入。ニュウ:「にふ」でほくろの意。ニュウナイスズメはほくろが無いスズメ。ユリ:入江が転じた説、ユリカモメは内陸へ入るので奥地(ユリ)からの説。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.429,P33〜34)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.687

●2013/11 茨城県
・2013年シギチドリ類調査 (環境計画部)
・神栖沖洋上風発 調査方法決まる (事務局)
●2013/11 東京
・復活した小笠原のアカガシラカラスバト (研究部)
・葛西臨海公園のカヌー競技施設問題(本部 自然保護室)
・消えゆくツバメを守ろう
●2013/11 大阪
・鳥の羽の保存方法 
・カモのいる池、いない池 
・タカ VS ムクドリ (9/23 MBSニュース)
・幻の鳥ミゾゴイ (10/12 NHKニュース)
・大阪ツバメの塒調査2013
●2013/10 筑豊
・センダイムシクイ
・野鳥の寿命と繁殖

●2013/11 茨城県
・2013年シギチドリ類調査 (環境計画部)
 春季は4/29、61地点で調査した。24種、4,233羽(昨年4,686)で内訳はムナグロ2,937、キョウジョシギ269、チュウシャクシギ268、ハマシギ228、タシギ141、コチドリ61等。秋季は8/18、45地点で調査した。25種1,113羽(昨年703)で内訳はミユビシギ500(年により記録がばらつく、昨年は僅か8、今回全て波崎新港)、コチドリ252、ムナグロ113、イソシギ72(春季は22)、タカブシギ34、キョウジョシギ26等。ムナグロは年間を通して太平洋を時計回りに渡り、越冬地はサモア諸島周辺等広く散らばっており、春は日本を経由してアラスカ等へ渡る。春は日本の水田が重要な採餌場になっている。
(茨城県「ひばり」No.316,P4〜7)

・神栖沖洋上風発 調査方法決まる (事務局)
 鹿島港南の沿岸に建設する洋上風力発電所の鳥類への影響を調べる調査方法が決まった。7/2、本部、当会、波崎愛鳥会、事業者2社、コンサル、茨城県で打ち合わせた。・月2回、2箇所の陸上から定点から海域の鳥類調査。・春と秋に渡り鳥のレーダー調査。・コアジサシのレーダー調査と陸上での目視調査。・四季に船舶からの洋上調査。・コアジサシの生息、繁殖調査。・カモメ類の塒入り調査。
(茨城県「ひばり」No.316,P22)

●2013/11 東京
・復活した小笠原のアカガシラカラスバト (研究部)
 カラスバトの亜種アカガシラカラスバトは小笠原諸島と硫黄三島に生息する絶滅危惧TA類で、数十羽と言われる。7/4、父島で幼鳥1、7/6、7、母島で計25羽を記録し、全体で100羽位まで増えたとの推測が地元から出ている。小笠原自然文化研究所が中心になりノネコ400頭を数十頭まで減らしたのが要因になっている。
(東京「ユリカモメ」No.697,P11)

・葛西臨海公園のカヌー競技施設問題
(本部 自然保護室)
 9/8、2020年のオリンピック開催地が東京に決定、当日、当会より同問題について野鳥の会公式見解がマスコミに配布された。その頃はオリンピック歓迎一色で、当会には歓迎ムードに水をさすなのメールも届いた。暫くして複数のマスコミ取材を受け、この問題が周知され始めた。IOCの報告書にはカヌーのスラローム競技予定地は重要な野鳥の生息地に近く、詳細な環境影響評価が必要とある。東京は自前の火力発電所を計画したが、現状では電力は足りるとして、猪瀬知事は計画を取り下げたので、カヌー競技場の代替地が増えた事になる。これからは世論の後押しが重要になる。9/30、オリンピック招致委員会との初回の交渉を行った。
(東京「ユリカモメ」No.697,P12〜13)

・消えゆくツバメを守ろう
 JR中央線の32駅(東京〜高尾)で「駅ツバメ」調査をした。今年の結果は駅構内で営巣が見つかったのは3駅(大久保、西荻窪、立川)、改札口から300m以内の周辺で営巣が見つかったのは10駅(市ヶ谷、東中野、高円寺、阿佐ヶ谷、東小金井、武蔵小金井、国立、日野、豊田、高尾)であった。読売新聞都民版で紹介され、新聞読者から多数情報寄せられた。
(東京「ユリカモメ」No.697,P20)

●2013/11 大阪
1 鳥の羽の保存方法
2 羽が傷まぬよう台紙を入れ、拾った場所、月日を記録したメモを付けて保管。
3 ぬるま湯に固形石鹸を溶いて羽を5〜10分漬けて、指でしごいて取り出す。
  油汚染があるものは食器用洗剤で油を落す。
4 羽が乾燥したら、台紙に止めてファイルブックに入れて保管。
  OHPフィルム等の透明の台紙を使うと、羽の両面が見られる。保存のため衣類用防虫剤を入れる。
5 図鑑で羽の主、部位を調べる。
(大阪「むくどり通信」NO.228,P5)

・カモのいる池、いない池
 大阪府には約11,000の溜池があり、数は全国4位、内70箇所の調査ではカモがやってくるのは30箇所程度であった。山際や山間部の池にはカモは殆ど来ない。
長野県では、貧栄養湖には陸ガモが飛来し、潜水ガモは富栄養湖に多い(羽田1952)。奈良盆地ではカモが定着している池は護岸が少なく、抽水植物があり、住宅密集地に近い傾向がある(武田1990)。カモが来る池は、一概に言えず、人の影響を受けず、休息に適した場所を選ぶと思う。オナガガモは人が給餌する池に多い感じである。
(大阪「むくどり通信」NO.228,P13)

・タカ VS ムクドリ (9/23 MBSニュース)
 堺市の街路樹で塒するムクドリ、夕暮れの騒がしい声と大量の糞に住民から苦情が絶えない。有効な解決策が無い市は、天敵のタカに目を付けた。タカ匠がハリスホークを飛ばし、1回当り3時間で3万円、9回実施した。一時ムクドリは半分程に減る効果があったが・・・毎日飛ばせず、どれだけ効果が期待できるのか。
(大阪「むくどり通信」NO.228,P15)

幻の鳥ミゾゴイ (10/12 NHKニュース)
 10/4〜大阪梅田の超高層ビルの谷間の人工庭園で、人目を恐れず、ミミズを捕食するミゾゴイ、体色が暗色で、目先が黄緑色で、下嘴に黄色みがあり、足も黄緑色で今年生れの幼鳥である。10/17、夕方、木の頂き付近から他の木に飛び移り塒入り。10/23現在滞在中で越冬するのかも。
(大阪「むくどり通信」NO.228,P15)

大阪ツバメの塒調査2013
 府内8団体の協力を得て、大阪府内でツバメの塒を調査した。昨年利用した6箇所の他に3箇所の新規塒、計9箇所で総計61,870羽を記録した。内訳は高槻市の河川敷で34,000、堺市の休耕田で10,000、豊中市の溜池で9,200等。昨年まで10,000が飛来していた松原市の溜池は僅か100に激減していた。
(大阪「むくどり通信」NO.228,P16〜17)

●2013/10 筑豊
センダイムシクイ
 センダイムシクイは大型でスマートな鳥で、お腹側から見上げる事が多く、下嘴は幅が広く、暗色部分が無く先端まで綺麗な黄肌色で、下尾筒はレモン色である。ムシクイ類を観察する時、地鳴きの違いを覚える事が大切である。センダイムシクイの地鳴きはフィーッ柔らかい、エゾムシクイ:ヒィッ強い、メボソムシクイ:ヴィッ1音節、オオムシクイ(従来コメボソムシクイと呼ばれた): ヴィリッ2音節、キマユムシクイ:チィウッツ尻上がり。参考:BIRDER 2011/3 「ムシクイパーフェクトバイブル」
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.428,P22)

野鳥の寿命と繁殖
 寿命:スズメ1〜2年、オオルリ5、ウグイス、コマドリ8、シジュウカラ10、マガモ、キジ、キジバト10、ツバメ12、カラス5〜20、オオタカ10〜20、ウミネコ15〜20、タンチョウ20〜25、カモメ、ナベヅル30、コウノトリ35、トビ50、フクロウ20〜70、ハクチョウ70。産卵数:オオタカ3〜4、フクロウ2〜4、アカショウビン5〜6、サンコウチョウ3〜5、ウグイス4〜6、スズメ4〜8。参考:ウィキペディア(フリー百科事典)
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.428,P36)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.688

●2013/11 室蘭
・鳥の生態 托卵
・鳥の渡り情報
●2013/11 奥多摩
・タカの渡り観察会2013 
・亜種ダイサギ
●2013/11 神奈川
・コアジサシ営巣地の保護
・○○の仲間
・人間に勝手な名前を付けられた鳥
●2013/12 滋賀
・タカの渡り調査2013 (保護研究部)
・水鳥一斉調査2013年秋速報 (保護研究部)
●2013/12 北九州
・風師山のタカの渡り2013秋
●2013/12 熊本県
・ミゾゴイ白化個体
・クロツラヘラサギ一斉調査

●2013/11 室蘭
・鳥の生態 托卵
 托卵鳥が相手に選ぶ鳥はカッコウ:ホオジロ、モズ、コヨシキリ、オオヨシキリ等。ツツドリ:センダイムシクイ、モズ等。ホトトギス:ウグイス、ミソサザイ等。ジュウイチ:オオルリ、コルリ、コマドリ等。托卵先はその地区で個体数が多い昆虫食の鳥である。カワラヒワの様な種子食では自分の雛が育たない。北海道渡島地方のホトトギスはウグイスに赤い卵を、ツツドリはウグイスに薄オレンジ色の卵を托卵し、ホトトギスがいない地域ではツツドリはウグイスに赤い卵を
托卵する。ツツドリは本州ではセンダイムシクイに白っぽい卵を托卵する。
(室蘭「ハヤブサ」NO.134,P8)

・鳥の渡り情報
 8/25、有珠海岸でのシギチを見る会でトウネンの姿はなく、同海岸にやってきたのは8/30で、近年では最も遅い到来で、数も少なく、滞在期間も短かった。10月はハチクマ、ノスリの渡りは例年通りであったが、小鳥は10/14に1400羽は昨年10/13の9400羽よりかなり少ない。
(室蘭「ハヤブサ」NO.134,P9)

●2013/11 奥多摩
・タカの渡り観察会2013
 9/19〜10/14、青梅市の梅の公園と羽村市の羽村郷土博物館で観察した。総計でサシバ1250(青梅557、羽村693)でピークは9/23の233、9/27の273、9/30の164、10/10の138であった。期間中ハチクマは総計42羽。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.215,P2〜3)

・亜種ダイサギ
 支部のフィールドで年間見られるのは亜種チュウダイサギで、冬季に亜種ダイサギが見られる。亜種ダイサギは以前オオダイサギと呼ばれ、アオサギより大きい個体がいる。亜種ダイサギは亜種チュウダイサギの様に足全体は黒くなく、脛が橙色しており、ダイダイと覚え識別できる。4〜6月、目先は青緑色になり、足の付け根がピンク色の婚姻色になる。背と胸にレース状の「みの羽」をまとい、嘴は黒くなる。繁殖期、これに該当しない個体もおり、婚姻色が出るのは成熟した♂のみであるのか?
(奥多摩「多摩の鳥」NO.215,P23)

●2013/11 神奈川
・コアジサシ営巣地の保護
 今年、横浜市中区の南本牧埠頭造成地にコアジサシ約600羽が繁殖のため飛来した。支部は国土交通省と工事業者に工事の一部延期と影響の少ない工法を要望していた。7月末まで工事延期された場所で全体の約8割の巣が守られた。9/10、支部はこの努力に対し国交省と工事業者へ感謝状を贈呈した。神奈川新聞、日経新聞の地方版にその記事が掲載された。コアジサシは種の保存法で保護するのが当然と思われるが、同3条に「関係者の財産権を尊重し・・・公益との調整に留意しなければならない」とあり、今回はこの折り合いがされた。
(神奈川「はばたき」NO.498,P2)

・○○の仲間
 探鳥会案内人が余りマニュアックに入りこむと参加者に敬遠されてしまう。飛翔中や遠目の鳥に対し、ほぼ名前が特定できても、まず「タカの仲間」「カモメの仲間」「ウの仲間」等に抑えた方がよい。カモメの仲間は分類過度期を脱しつつあるが、異なる和名でゴチャゴチャ言うと、参加者に混乱と嫌気を与え、カモメ敬遠者を産みかねない。外国のウォッチャーは「大型のカモメ」で済ます事も多いと聞く。
(神奈川「はばたき」NO.498,P3)

・人間に勝手な名前を付けられた鳥
日本産の鳥で最たるものはアホウドリで、英名ではアルバトロスとあるが、Goony(阿呆な)Birdともある。ケワタガモは産座に使う綿羽を人が失敬する事よりケワタがついている。クロアジサシのBrown Noddyも人を恐れないばか者の意がある。ハイイロガンのGreylag Gooseのlagにものろまの意がある。他のガンより渡りが遅いためである。チュウヒ類にはharrier(侵略者)の名が人の鶏を捕るため付けられたようである。サカツラガンは頬の赤褐色から酔っ払いの名がついている。オニアジサシ、オニカッコウは大きな鳥のためオニがついている。ショクヨウアナツバメは巣が中華料理で食べられるが、鳥そのものが食べられる名になっている。
(神奈川「はばたき」NO.498,P3)

●2013/12 滋賀

・タカの渡り調査2013 (保護研究部)
 今年は猪子山で9/5〜11/8の内、5日間を除き、計61日、405時間調査した。総計でサシバ7,273、ハチクマ718、ノスリ3,326、ハイタカ属249。9/18、サシバ1,638、ハチクマ63、9/19、同1,497、47、9/20、同1,097、31、9/28、同1,161、170。ノスリは10/22に1,239、前日、白樺峠で1,000羽以上が通過した。その頃、龍飛岬でまとまったノスリが観察され、いわゆる在庫が溜まっていたものが、予想通りやってきた。
(滋賀「におのうみ」NO.35,P11〜16)

・水鳥一斉調査2013年秋速報 (保護研究部)
 11月上旬、琵琶湖の3個所を調査した。赤野井湾:ガンカモ類4,263、内訳はホシハジロ3,047、ヒドリガモ606、オカヨシガモ191、カルガモ150、キンクロハジロ101、マガモ98等。これとは別にオオバン1,762。湖北湖岸:ガンカモ類6,036、内訳はホシハジロ2,856、カモsp1,580、キンクロハジロ659、ヒドリガモ375、マガモ243等。これとは別にオオバン8,922。高島新旭:ガンカモ類3,356、内訳はホシハジロ1,990、ヒドリガモ516、キンクロハジロ446、マガモ227等。これとは別にオオバン1,689。
(滋賀「におのうみ」NO.35,P17)

●2013/12 北九州
・風師山のタカの渡り2013秋
 10/1〜28の調査結果。総計でハイタカ1,334、ノスリ761、ハチクマ411、サシバ193、ツミ150、オオタカ4、チゴハヤブサ14、チョウゲンボウ1であった。ピークはハイタカは10/26の322、ノスリはだらだら渡り、ハチクマは10/1の269、サシバは10/4の67であった。
(北九州「北九州野鳥」NO.330,P11)

●2013/12 熊本県
・ミゾゴイ白化個体
 9/3、山都町でミゾゴイの白化と思われる個体が撮影された。嘴や脚が黄色っぽく虹彩も色飛びしていた。「ミゾゴイ〜その生態と習性〜」の執筆者(川名国男氏 東京都あきる野市)に同定して頂き、幼鳥と思われ、同氏も白化のミゾゴイは初めて見る。宮崎市のフェニックス自然動物園には以前保護された2羽のミゾゴイが飼育されている。日本では横浜の野毛山動物園も含み6羽が飼育されており餌や習性は分からない事が多い。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.314,P6〜7)

・クロツラヘラサギ一斉調査
衛星追跡のサイト
http://www.conservationecology.asia/coreProjects/tracking/bfsb2011
国際センサス報告書
http://www.hkbws.org.hk/web/eng/bfs_census_report_eng.htm
野鳥の会でのクロツラヘラサギの保護
http://www.wbsj.org/activity/conservation/endangered-species/bfs-pj/
(熊本県「野鳥くまもと」NO.314,P8〜10)
(自然保護室・野鳥の会・神奈川/森 要)

ブロックからのお知らせなど

 先月号の「近畿ブロック会議参加報告」大阪支部の発言内容について、同支部より正確を期すためとして以下の報告が届きましたのでここに掲載致します。

■2013年度近畿ブロック会議参加報告■

・大阪支部
 1)堺第7−3区チュウヒ繁殖地の保護活動について
産業廃棄物処分場である堺第7−3区で埋め立て終了後、2006年から2009年までチュウヒの繁殖が確認されていたが、2010年以降繁殖が途絶えた。一方、草地環境を設えるため、樹木の伐採作業等を実施してきた。この冬、チュウヒの♂♀つがいが4年ぶりに越冬し、来シーズンの繁殖が期待される。

2)大阪南港野鳥園の存続問題について
橋下大阪市長の行政改革の一環として、指定管理者制度の廃止を含む、条例の一部改正が大阪市会で可決された。大阪支部では、昨年9月より「大阪南港野鳥園を存続させる会」を他団体と共に立ち上げ行政・議会に働きかけてきたが政治決着が計られた。今後の大阪南港野鳥園の体制については、当局(大阪市港湾局)と協議中。レンジャーを配置せず、NGOがボランティアで市民サービスを担当して欲しいとの要請があり反発もあるが野鳥園の経緯を踏まえ、定例探鳥会の実施や、イベント等の対応等を考えている。また、環境管理(人工干潟等)については、業者発注となるが他団体と協力して当局に提案していきたい。
(大阪支部/橋本正弘)

シリーズ「探鳥会におけるリスクマネージメント」

探鳥会におけるリスクマネージメント

シリーズ第10回:探鳥会と保険(最終回)

これまで、「探鳥会におけるリスクマネジメント」として9回にわたり連載を行ってきた。連載の最終回として「探鳥会と保険」について述べ、このシリーズを終わりとしたい。
前回、リスクアセスメントの考え方の中で、「リスク移転」といったケースについて述べた。被害規模が大きく発生確率が小さなリスクの場合などには、その対策費用が高額となることが多い。その対策費用が投資に耐えられないと判断される場合などの代表的な対応策がリスク移転であり、具体的には保険に加入することである。しかし、保険に関する知識は必ずしも十分でないことが多く、いざ適応をとなった場合に困ることが予測される。そこで、探鳥会を企画・実行するリーダーたちは、保険に関する予備知識をしっかり学習しておき、不測の事態に備えることが肝要と考える。


■傷害保険と賠償責任保険
 保険には、大きく分けて傷害保険と賠償責任保険との2つがあり、その内容は大きく異なっている。一般的に保険といえば傷害保険をイメージする人が多いが、探鳥会等の主催者やリーダーは、賠償責任保険についても十分な知識を得ておく必要がある。そこで、まずこの2つの保険について整理しておこう。
<傷害保険>
 この保険は、探鳥会等の各種行事の開催中に、参加者(指導者、会員を含む)が、偶然な事故により被った傷害(疾病は対象外)に対して保険金が支払われる保険である。
<賠償責任保険>
この保険は、探鳥会等の各種行事の開催中に、主催者やリーダーの管理や指導ミスにより、参加者に対して身体障害を与え、その結果主催者やリーダーが法律上の賠償責任を負担した場合に被る損害に対し支払われ保険である。例えば、望遠鏡などの機材を運ぶ際、参加者と接触しけがをさせてしまい、賠償請求された場合とか、参加者を引率・誘導する際、誤って危険な進路を指示したために、参加者がけがけがをしてしまい、賠償請求された場合などに支払われる保険である。
近年、賠償責任を問われた裁判の事例では、その賠償額が1億円を超えることも少なくなく、主催者としては十分な配慮が必要な保険である。

■探鳥会保険について
公益財団法人日本野鳥の会が、支部等の連携団体が開催する探鳥会活動をサポートする「探鳥会保険」については、すでに多くの連携団体が加入しており、

その内容や仕組みを理解している人が多いと思う。
しかし、中には探鳥会を開催していながら、全く保険をかけていない連携団体もあることなどから、あらためてその概要を紹介しておこう。

日本野鳥の会「探鳥会保険」とは、公益財団法人日本野鳥の会(以下、「財団本部」という。)や、日本野鳥の会支部等の連携団体(以下、「連携団体」という。)が開催する探鳥会活動をサポートすることを目的に、財団本部が窓口となり取り扱っている保険のことを指している。保険料は財団本部が負担しており、連携団体は一連の手続きさえ行えば、連携団体における金銭的な負担や、面倒くさい加入手続等の事務作業がない極めてお得な保険である。
 ただし、この保険は連携団体が行う探鳥会は、財団本部と連携団体が共同開催しているという前提・位置づけで、財団本部が掛け金を払っていることを理解しておいていただきたい。

具体的には、先に述べた「傷害保険」と「賠償責任保険」の2つの保険に加入しており、その保険金額は次のとおりとなっている。

<傷害保険>
傷害保険は、「基本プラン」と「追加プラン」の2種が用意されており、「追加プラン」の場合は、追加分は加入した連携団体に負担いただくシステムとなっている。(ここでは、基本プランについて説明)
この保険は、探鳥会等の各種行事の開催中(「管理下」にある間)に、参加者(指導者、会員を含む)が、偶然な事故により被った傷害(疾病は対象外)に対して保険金が支払われる。なお、「管理下」とは、連携団体が指定した集合場所に到着して、探鳥会活動に参加してから解散するまでの間をいうものであり、保険金請求の祭には、各種行事の活動計画表、活動状況に関する実行状況日誌、参加者名簿等の客観資料を提出いただくことになっている。

◆支払われる保険金(支払限度額)等
A)死亡保険金:1名 100万円
  事故の日から180日以内に、その障害がもとで死亡した場合に支払われる。
B)後遺障害保険金:1名 3万円〜100万円
  身体に障害が残った場合、その程度により死亡保険金額の3%〜100%が支払われる。
  (例えば、1腕を失った場合は60%など。)
C)入院保険金:1日 1,500円
  障害による入院の日数に対して、事故の日から180日を限度として支払われる。
D)通院保険金:1日 1,000円
  事故の日から180日以内に、その障害による通院の日数に対して、90日を限度に支払われる。
  なお、保険金の支払いに当たっては、診断書等が必要な場合がある。
◆支払いの対象とならない主な事故
 ・管理下にない間に生じた事故
 ・故意、自殺行為、犯罪行為、闘争行為
 ・自動車などの無資格運転、酒酔い運転
 ・脳疾患、疾病、心神喪失
 ・天災(地震、噴火、津波)
 ・他覚症状のないむちうち症および腰痛など
 *宿泊は対象にならないので要注意

<賠償責任保険>
 この保険についても、探鳥会等の各種行事の開催中(「管理下」にある間)に、管理や指導ミスにより、参加中の会員や一般参加者に対して身体障害を与え、その結果法律上の賠償責任費用を負担した場合に、主催者等が被る損害について支払われるものである。

◆支払われる保険金の内容
A)損害保険金:示談、裁判等により決定された法律上の損害賠償金等
B)事故発生時に、損害防止、軽減のために要した費用 応急手当、緊急措置費用等
C)弁護士報酬等の争訟

◆支払限度額
・1名につき  1億円
・1事故につき 5億円を限度
・免責/1事故  1千円(請求者負担金)

◆対象とならない損害
・地震、噴火、洪水、津波、高潮による損害
・自動車等の所有、使用、管理等による損害(別に自動車保険で対応)
・親子間での事故など
〔注〕事故がおこった場合、示談や賠償金を相手に勝手に払ったり、金額を約束したりせずに、速やかに財団事務局に連絡のこと。

■探鳥会保険の加入で十分か?
財団本部で加入している「探鳥会保険」に入っていれば十分かといえば、十分ではない。その理由は、@傷害保険金額の低さ、A近年一般化しつつある賠償責任保険金額の高額化、B探鳥会リーダーによる賠償責任請求への対応問題、C津波・地震等への対応問題などがあるからだ。以下に、項目ごとに詳しく説明したい。

@障害保険金額の低さ
 探鳥会保険にかかる傷害保険金額については、前述したとおりであり、探鳥会保険にかかる傷害保険金額については、前述したとおりであり、一般的な保険の保障額と比べると十分な金額とはいえない。財団本部としては、この不十分さを補うため、追加プランへの加入や他の傷害保険への重複加入をお勧めしているところである。探鳥会保険の追加プランについては、次のようなメニューがあるので、未加入の連携団体はぜひご検討願いたい。

◆追加プランで支払われる保険金と掛け金

プランA
・死亡保険金   1名  300万円
 ・後遺障害保険金 1名  9〜300万円
 ・入院保険金   1日  4,500円
 ・通院保険金   1日  3,000円
・保険掛け金   20円/人(連携団体負担分)

プランB
 ・死亡保険金   1名  400万円
  ・後遺障害保険金 1名 12〜400万円
 ・入院保険金   1日   6,000円
  ・通院保険金   1日   4,000円
・保険掛け金   28円/人(連携団体負担分)

A近年一般化しつつある賠償責任保険金額の高額化
  近年、責任賠償請求され裁判所で結審した事例として、サッカー大会の試合中に落雷に遭い、重度の障害を負った高校生と家族が、当時在学していた高校と主催者に約6億4千万円の損害賠償を求めた訴訟では、学校と体育協会に総額3億円余りの支払いが命じられている。また、奥入瀬渓谷の遊歩道で、落下したブナの枯れ枝で下半身麻痺の後遺症負った夫妻が、国と県に2億3銭3百万円の損害賠償を求めた裁判では、1億9千万円の支払いが命じられている。サッカー事故で支払いを命じられた体育協会は、支払いに応じられず破産の手続きをとらざるを得なかったという。 
財団本部では、これらの事例に鑑み、賠償責任の金額を従前の5千万円から1億円に増額はしたものの、この額が決して十分なものではないことは事例等から理解いただけると思う。

B探鳥会リーダーによる賠償責任請求への対応問題
探鳥会リーダー等は、主催者(被保険者側)とみなされて賠償責任保険の対象とならない。しかし、家族等から主催者である連携団体に対して、賠償責任が問われないとは限らない。探鳥会保険では、そのような場合に限界があることを知っておく必要がある。

C津波・地震等への対応問題
探鳥会保険や一般的な保険では、地震や洪水・津波等の天災被害は救済されない。しかし、東日本大震災などを思い浮かべてにれば、不安が残るのは筆者ばかりではないと思う。

■保険への追加加入等の勧め
 財団本部がかけている探鳥会保険にブラスして別の保険を掛けたり、新たに独自で掛けようと考えておられる連携団体の場合には、社団法人全国社会福祉協議会が取り扱っている「ボランティア活動保険」をお勧めする。この保険では、地震や津波等の天災についてもオプション契約で補償の対象となる他、探鳥会リーダーへの賠償責任も対象とすることができる。各都道府県の社会福祉協議会で取り扱っており、保険を掛けるためには会員となることが求められるようであるが、連携団体の中にはすでにこの保険に加入しているところもあるので、大きな問題はなかろう。ぜひ、検討願いたい。

■探鳥会保険に関するQ&A
 野鳥の会本部が掛けている「探鳥会保険」に関するQ&Aを以下に載せておくので、参考にされたい。

<加入手続きについて>
Q1. 探鳥会保険の名簿は、探鳥会の前に送らなく てはならないか?
A. 事前に送る必要はない。ただし、事故が発生した際に、保険会社に提出する必要があるので、必ず参加者名簿を作成しておくこと。

Q2. 探鳥会に外国の方が参加した。海外からの参 加者も保険に加入できるか?
 A. 国籍等の制限はない。行事参加者であることが前提。ただし身元確認のため、パスポートの写しや、母国での緊急連絡先などを確認しておくこと。

<保険の対象について>
Q3. 小・中学生も保険に加入することができる か?
A. 行事参加者であれば、小学生・中学生は問わない。

Q4. トン汁を参加者にサービスする「トン汁探鳥会」で、参加者がお椀をひざの上に落としやけどをした。保険は適用されるか?
 A. 「探鳥会」が主な目的で、その延長線上で「トン汁」をサ−ビスしてやけどをしたような場合は、探鳥会保険の対象となる。

Q5. 「トン汁探鳥会」の中で、ビールを飲んだ方が、酔っ払って転び怪我をした。保険は適用されるか?
A. 上記(4)と同様だが、麻薬・覚せい剤等と同様に、正常な行動ができないと予想される事と、本人の重大な過失を問われた場合は、保険の対象にならない場合があるので注意が必要。

Q6. 食べ物を振る舞ったことが原因で腹痛を起こした場合は対象になるか?
 A. 食中毒はケガではないので、対象にならない。 

Q7. 探鳥会の最中に、参加者がキノコを食べて具合が悪くなってしまった。保険の対象となるか?
 A. ケガではないので、対象にはならない。

Q8. 農地を歩いているときに、参加者が散布中の農薬を吸いこんでしまい具合が悪くなった。保険は適用されるか?
 A. 「急激性」「外来性」「偶然性」があることから、保険が適用される可能性がある。詳細は問い合わせられたい。

Q9. 「ゴミ拾い探鳥会」で、参加者が落ちていたガラス瓶を拾うときに指を切ってしまった。保険は適用されるか?
 A. 上記(4)と同様で、対象となる。

Q10. 環境管理作業とセットなった「保全作業探鳥会」で、エンジン付草刈り機で、参加者に怪我をさせてしまった。保険は適用されるか? また、カマのみを使った場合に同じような事故が起きた場合、保険は適用されるか?
 A. 上記(4)と同様で、草むしり、草刈りなどのカマ程度の器具を使っての事故は保険の対象となるが、動力等が付いている器具を使っての事故は保険の対象とならないので要注意。

Q11. 支部の幹事が、地元の小学校へ出前授業に行った際に、小学校の校庭で、鉄棒に頭をぶつけ、怪我をした。保険の対象となるか?
 A. 「出前授業」は、財団本部や連携団体が主催する探鳥会ではないので、保険の対象とならない。同様に、「調査」の場合も探鳥会ではないので、原則として対象にならない。

Q12 バス又は自家用車で移動する探鳥会は対象
となるか?
 A. バス(路線、チャ−タ−)及び自家用車での移動中の事故は、対象になる。ただし、所定の場所に集合した時から所定の解散地までの間で、なおかつ主催者の管理下にある間に限られる。

Q13. 毎年、離島に船をチャーターして観察会を開催しているが、この探鳥会は保険の対象になるか?
 A. 船を使用しての「探鳥会」については、探鳥会保険では補償されない。

Q14. 自宅から集合場所や解散場所までの行き帰  りは、補償の対象になるか?
 A. 集合場所までの行き帰りについては、探鳥会保険では補償されない。ただし、事前申し込み制で、参加者が自宅を出る前に参加者名簿が保管されている場合は、状況によって対象となる可能性があるので、相談されたい。
  <補足>
   従来、自宅から集合場所、解散場所までの行き帰りについて補償の対象としていたが、2013年8月の契約更改の際、保険代理店との交渉の中で、原則として対象に含めないことになったので、注意願いたい。

Q15. 探鳥会終了後、友人と飲みに行き、その後、駅の階段で転んでケガをした。保険は適用さ 
れるか?
 A. 当然のことながら、対象にならない。

<補償内容について>
Q16. 基本タイプと追加プランでは、補償内容にどんな違いがあるか?
 A. 補償金額が違うだけで、内容に違いはない。

Q17. 補償の対象となる「ケガ」とは、どのよう なものか?
 A. 「急激性」「外来性」「偶然性」がケガの要素であるので、その状況により判断される。

Q18. 診断書料は保険で支払われるか?
 A. 保険会社から支払われる保険金が、10万円以下の場合は、保険会社が負担する。

<次のような事故は保障されるか?>
Q19. 探鳥会の最中、参加者が別の参加者から借りた双眼鏡を落として壊してしまった。保険
は適用されるか?
 A. 探鳥会保険の賠償保険では、対人の事故の場合のみ。対物の事故の場合には保険の対象とならない。

Q20. 探鳥会の最中に、参加者が熱中症になってしまった。保険は適用されるか?
 A. 「熱射病」「熱中症」「日射病」はケガではないので、対象にはならない。

Q21. 探鳥会の最中に参加者が雷に撃たれ、入院  
することになった。この場合、保険は適用さ 
れるか? また、開催中に地震や竜巻等が発 
生し、参加者がケガをした場合、保険は適用
されるか?
A.  「雷」は保険の対象になる。しかし、天災
(地震、噴火、津波等)は対象外。

Q22. 探鳥会で起こった事故により参加者が死亡し、その遺族から連携団体に対して損害賠償
請求の裁判が起こされた。この場合保険は適 
用されるか?
 A. 被保険者(財団本部、連携団体)に「過失」があった場合は、賠償責任保険の対象になる。ただし、参加者側にも何らかの過失が見受けられるような場合には、相殺される。

Q23. 探鳥会で起こった事故によりリーダーが死
亡し、その遺族から連携団体に対して損害賠償請求の裁判が起こされた。この場合保険は適用されるか?
A. この「リ−ダ−」が、単なる参加者であれば賠償保険対象となるが、行事開催までに企画・実行等に少しでも関わっているようであれば、被保険者側とみなされ賠償保険の対象とならない。

<その他>
Q24. 連携団体には、保険証券は発行されないか?
 A. 「保険証券」は個人・法人・団体を問わず「契約者」(財団本部)のみに発行にされる。ただし、追加プランの場合には連携団体に対する証書が発行されるが、財団本部で一括預かることにしている。

Q25. 雨で探鳥会が中止になった。念のため集合
場所でリーダーが待機している時に、階段から落ちてけがをしてしまった。この場合保険は適用されるか?
A. 申告していただければ、保険の対象となる。
〔付録〕探鳥会におけるネームプレートの工夫


 探鳥会におけるリスクマネジメントの一環として、日本野鳥の会埼玉が行っているネームプレートの工夫について紹介しておこう。
 この取り組みは、探鳥会参加者にいざというときのために、緊急連絡カードを兼ねたネームプレートを付けてもらう取り組みで、以下に示すようなカードを参加者に作成してもらい、折りたたんで使用し、通常は名前の面を表にしてネームプレートとするものである。
 なお、このカードは原則として参加者個人が管理(個人情報は個人が管理)し、いざ問題が起こった時にのみ、リーダーがこれを見て必要な連絡等を行うもので、他の連携団体でも参考にするとよい。

(表面)
表面
(裏面)
裏面
(公益財団法人日本野鳥の会理事長/佐藤仁志)

事務局からのお知らせなど

■普及室より

■ワイルドバード・カレンダー2015 写真募集中■
 当会オリジナルカレンダー「ワイルドバード・カレンダー2015」の写真(ポジ/デジタル)を募集しております。応募締切は、2014年3月31日です。デジタルデータにつきましては、ホームページ上からご応募を受け付けております。詳細は応募要項でご確認ください。応募要項は、当会ホームページで公開中のほか、ご希望の方へは 郵送もいたします。
 皆様の力作をお待ちしております。

●応募要項のホームページ
http://www.wbsj.org/goods/calendar/entry.html

※会HPトップページ の「おしらせ」欄、又は、トップページ> ショッピング >商品のご案内> オリジナルカレンダーをご覧ください。

●お問い合わせ、応募要項のご請求
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2626  FAX:03-5436-2636  E-mail:[email protected]

(普及室/江面康子)

総務室より

■平成25年度第2回評議員会(臨時)議事録■
1 開催日時   平成25年12月3日(火)
      午後4時10分〜午後5時10分

2  開催場所  ニューオータニイン東京
4F会議室「つばき」
         東京都品川区大崎1-6-2

3  出席者
評議員総数 8名
(敬称略、五十音順)出席評議員7名
上田 恵介、高松 健比古、竹丸 勝朗、原 剛、    平 軍二、福澤 武、柳生 博

理事総数  6名
出席理事  6名
代表理事 佐藤 仁志(理事長)、
吉田 新(副理事長)
理事  佐久間 仁、安西 英明、遠藤 孝一、
松田 道生
監事総数  2名
出席監事  2名
監事   曽我 千文、見田 元
事 務 局  奥田 秋穂
(総務室長代理兼総務グループチーフ)
五十嵐 真
(総務室経理人事グループチーフ)
植月 智子(総務室員)

4 議長  柳生 博

5 議事の経過の要領及びその結果
  佐久間仁常務理事兼事務局長兼総務室長が開会を宣言、その後、柳生博評議員長から挨拶があり、続いて、佐久間常務理事兼事務局長兼総務室長より、本評議員会は定款第22条の規定に定める定足数を満たしており、適法に成立している旨の報告があった。
  なお、議事録署名人については、定款第24条の規定により、出席した評議員長及び
その会議において選任された1人となっており、事務局一任とする提案がなされ、佐久間常務理事兼事務局長兼総務室長が上田恵介評議員を指名、全員が異議なくこれを承認し、本人も承諾した。直ちに報告事項の説明に入った。
評議員会

評議員会風景

(1) 平成25年度補正予算の件
佐藤仁志理事長より、5,700万円の最終赤字とする補正予算を編成することについて資料に基づき報告があった。
当初予算と比べて赤字幅が広がる要因は、販売好調なオリジナル長靴の在庫切れを防ぐための生産増加などであるとの説明があった。
また、繰越金と財政安定基金が使用可能なうちに財政安定化を図ることが喫緊の課題との説明があった。
竹丸勝朗評議員より、野鳥保護区事業収入の具体的内容について質問があり、安西英明理事より野鳥保護区で行う観察会、イベント、物販及び各種ツアーなどの積上げであるとの回答があった。
(2) 平成26年度事業計画及び予算編成方針の件
吉田新副理事長より、平成26年度から新たに3年間の中期プランを策定する、これにあわせ事業計画及び予算編成をこれまでの各室ボトムアップのから中期プランに沿った事業展開を行う方法に変更する旨資料に基づき説明があった。
(3) 野鳥保護区購入の件 
 佐藤理事長より、資料とスライドに基づき日高南部及び根室にシマフクロウ保護区2か所を購入し、既存保護区に編入したとの説明があった。高松健比古評議員より、購入保護区は天然の広葉樹林と人口の針葉樹林が大半ということだが、割合はどれくらいかとの質問があり、佐藤理事長より人工林の割合が多いが極めて自然林に近いとの回答があった。
(4) 事務局組織の一部改編の件
    佐藤理事長より、第2回臨時理事会で条件付き承認を得た案件ではあるが、来年4月を目処に事務局組織の大幅見直しに着手していることから、当面現状のままとする旨説明があった。
(5) 平成25年度連携団全国総会の件
佐藤理事長より、11月9日、10日に開催された平成25年度連携団体全国総会について、サウスカロライナ大学ティモシー・ムソー教授による特別講演「福島第一原発放射能漏れ事故が野鳥など生物に及ぼす影響」、早朝探鳥会、連携団体からの問題提起など充実した内容の会議であったと資料に基づき説明があった。柳生会長より、大阪南港野鳥園の動向について質問があり、平軍二評議員より大阪市議会で2,300万円の維持費のうち1,500万円は承認されたが、人権費相当分はボランティアで対応するようにとの議決がされ、状況は厳しいとの回答があった。
(6) 理事会の結果の件
佐藤理事長より、平成24年度第2回及び第3回理事会の結果について資料に基づき報告があった。

議長は以上をもって全部の議題を終了した旨を述べ、午後5時10分閉会を宣言し解散した。
 
以上の議事を明確にするため、この議事録を作成し、議長、議事録署名人がこれに記名押印する。

平成25年12月17日

      公益財団法人日本野鳥の会臨時評議員会

議   長    柳生 博

(総務室/奥田秋穂)

■支部名称等変更のお知らせ■

名称変更などがあった支部についてお知らせいたします。
今月は支部名称等の変更はありません。
(総務室)

■訂正とお詫び■

支部ネット通信12月号(117号)に誤りがありましたので、お詫びして訂正します。

◆支部報保護・調査記事関連トピックスNO.685 コムクドリの塒

正:春日部市
誤:春日井市

(総務室)

会員室より

■会員数■

1月6日会員数37,181人(対前月-131)会員数は先月に比べ131人減少しました。12月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より204人少なくなっています。会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。12月の入会者数は130人で、前年同月の入会者121に比べ9人増加しました。また、12月の退会者は334人で、前年同月の退会者257人に比べ77人増加しました。

表1. 12月の入会・退会者数

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

■都道府県および支部別会員数■
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2 都道府県別の会員数(1月6日現在)

備考:不明は転居先が不明の会員を示します。今月からは転居先不明の会員も会員数に含めています。

表3.支部別の会員数(1月6日現在)

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。
これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/沖山展子)

■支部ネット担当より

寒気ことのほか厳しい毎日が続いております。皆様いかがお過ごしでしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき有難うございます。
 さて、9回にわたり連載してきました理事長渾身の連載「探鳥会におけるリスクマネージメント」も今回で最終回となります。最終回のテーマは「探鳥会と保険」です。探鳥会で不測の事態に対応するためにもリーダーの方には保険に関する予備知識をしっかり身に付け、リスクに備えていただければと思います。
インフルエンザの季節となってきました。お体にお気を付けてお過ごしください。

■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。


支部ネット通信 第118号
◆発行
日本野鳥の会 2014年1月24日
◆担当
総務室 総務グループ 奥田秋穂/植月智子
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected]