■支部報保護・調査記事関連トピックス■
本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。
本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.671
●2013/7 札幌
・2012年冬〜2013年春の鳥 ウトナイ湖
・2012年冬〜2013年春の鳥 宮島沼
・焼尻島での春の渡り調査
・手売島の海鳥と猫 (北海道海鳥センター)
●2013/7 岡山県
・サンショウクイ
●2013/7-8 広島県
・2013春のシギ・チドリ渡り調査
・キタアラスカハマシギ
●2013/7-8 愛媛
・ガンカモ類の全国越冬調査
・風力発電施設建設計画に意見書提出
●2013/7 筑豊
・出水のマナヅル、ナベヅル分散化計画
・2012年野生動物救護数(福岡野生動物保護センター)
・囀る野鳥
●2013/7 札幌
・2012年冬〜2013年春の鳥 ウトナイ湖
これまで湖面全面結氷のため冬季に見られていなかったオオワシ1が昨冬は見られた。ガンの北帰行は例年の2月下旬から遅れ、3/8であった。そのピークは4/2の66,000±で、他はウトナイ湖周辺の沼に分散したと思われる。植物の開花は軒並みに2週間程遅れたが、夏鳥の渡来はそれ程遅れていなかった。鳥学会の改訂で名前が変わったオオムシクイも5月中旬、6月上旬に通過した。
(札幌「カッコウ」NO.355,P4〜5)
・2012年冬〜2013年春の鳥 宮島沼
沼開けは4/21で、5/1にマガン渡来数が最大となり、73,460羽であった。5/4、5に大多数が渡って行った。今回は飛来前後、今まで確認されていなかったこの周辺地に立ち寄っていたのは多雪の影響があったかも。ハクチョウ類のピークは4/21の9,870羽で、コハクチョウが9割を占めた。その後は徐々にオオハクチョウの割合が3〜5割に増えた。オオハクチョウはコハクチョウに比べ、湖沼の水辺で採餌する事が多く、鉛中毒の個体が例年になく多かった。途中で鉛散弾が多く残っている場所を利用しているのかも知れない(宮島沼では鉛散弾の沈降処理がされている)。オオヒシクイは最大で55羽と少なく、渡りルートを十勝回りに変えたと想像する。
(札幌「カッコウ」NO.355,P5〜7)
・焼尻島での春の渡り調査
例年は4/29〜5/1に第1波のルリビタキを中心にした大きな群れが通過し、5月初めアオジやウグイスが増え、連休後半にオオルリやキビタキが渡って行く。今期は例年ほぼ同じ日に再捕獲されていた鳥も1週間ほど遅くなり、春が遅かった。
(札幌「カッコウ」NO.355,P7〜8)
・手売島の海鳥と猫
手売島には8種、100万羽の海鳥と360人の島民、200〜300匹の猫が暮らす。20年前には3万羽生息したウミネコが1/10に減った理由にノネコ、ノラネコが考えられる。そこで、海鳥と猫のため、「手売島ネコ対策事業」がスタートした。飼い猫を登録制(マイクロチップ挿入)にし、野猫は島から出し、獣医師のもと、人に馴らさせ里親を募集するものである。これには北海道獣医師会が協力している。
(札幌「カッコウ」NO.355,P11)
●2013/7 岡山県
・サンショウクイ
サンショウクイは巣を高木の横枝に樹皮、細枝で作り、ウメノキゴケを蜘蛛の糸で貼り付ける。樹上生活の鳥としては珍しく、擬傷行動(鳴きながら翼をばたつかせ落下する)が見られる。環境省の調査では1974〜1978年:全国で330メッシュで記録、1997〜2002年:224メッシュ。減少要因に繁殖期の里山環境悪化と越冬地の環境悪化が指摘される。8月終り頃から十数羽の群で日中移動していく。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.197,P4)
●2013/7-8 広島県
・2013春のシギ・チドリ渡り調査
4/28、10箇所での一斉調査結果。21種、717羽を記録、内訳はハマシギ273、チュウシャクシギ165、ケリ49、コチドリ43、シロチドリ39、イソシギ36、タシギ29、キアシシギ17等。キアシシギは5/6に206羽。
(広島県「森の新聞」NO.187,P7)
・キタアラスカハマシギ
4/13〜14、松永湾でフラッグ付きハマシギ1が確認された。ハマシギは世界には10もの亜種がおり、日本では殆どが亜種ハマシギでサハリン北部で繁殖する。確認された個体はアラスカで標識された亜種キタアラスカハマシギであった。
(広島県「森の新聞」NO.187,P8)
●2013/7-8 愛媛
・ガンカモ類の全国越冬調査
全国ガンカモ一斉調査はS45年から始まり、全国で約9,000箇所で調査されている。今年の結果は、ハクチョウ類約6万8千、ガン類約16万8千、カモ類約146万9千であり、前年よりハクチョウ類は増加、その他は減少した。カモ類は最近5年連続して減っている。この調査結果は環境省生物多様性センターの生物多様性情報システムで見られる。
(愛媛「コマドリ」NO.215,P2)
・風力発電施設建設計画に意見書提出
5/14、支部は財団本部と連名で槇川正木ウィンドファーム(宇和島市と愛南町の堺の尾根筋で2,500KW
X10基予定)建設計画に対し、潟Kイアパワーに意見書を出した。ニホンカワウソは愛媛県では現在も生息調査が継続されており、絶滅種の認識ではない。クマタカ生息地でサシバやハチクマの渡りへの影響が懸念される。
(愛媛「コマドリ」NO.215,P6〜7)
●2013/7 筑豊
・出水のマナヅル、ナベヅル分散化計画
江戸時代後期の伝えでは、遠賀川は九州でツルが最も多い地域であった。支部は北九州市の助成金を得て、出水市のツルの越冬地を遠賀川流域でよみがえらせるよう環境作りを始める事になった。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.425,P20〜21)
・2012年野生動物救護数
2012年、福岡野生動物保護センターで保護された鳥は32種、80羽で、内47羽死亡、放鳥21羽、飼育中12羽である。フクロウも5羽届けられている。原因別では衝突35(内交通事故20)、幼鳥保護24(内巣から落下19)、衰弱9、カラスによる害5、猫による害4等。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.425,P26)
・囀る野鳥
鳥の囀りについて厳密な定義が無い。アオバズクのホーホーは囀りと言う人と地鳴きと言う人がいる。トケン類の声も同様である。公式調査でもS:song 囀り、C:call 地鳴きと書かれる事がある。この両者の相違は野鳥の行動に関わる機能的な意味がある?人の解釈による文化的な聞きわけ?野鳥の会のフィールド
ガイドで単に○○○と鳴くとあるものは落とし、囀ると書いてあるものを囀る鳥と解釈する。これによると、囀る野鳥は全てスズメ目に属し、その一部が鳴禽類と言われる所以である。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.425,P38〜39)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.672
●2013/7 宮古
・カッコウの復活を
●2013/7 奥多摩
・鳥声録音
・オシドリの食事
・奥多摩フィールド内初記録2種(新記録認定委員会)
・ササゴイ
●2013/7-8 諏訪
・10年付き合ったキジバトの雄
・60周年の小鳥バス
●2013/7 静岡
・ライチョウの換羽は年3回
●2013/7-8 鳥取県
・ブッポウソウの標識調査
・ブッポウソウ
・オオタカの子育て
●2013/7 香川県
・24年度ガンカモ類の県下一斉調査
●2013/7 宮古
・カッコウの復活を
ジュウイチはレッドデータブックに入っているが、カッコウも少なくなっている。嘗てはカッコウは田園地帯に多数いたが、今では静まりかえっている。托卵相手のオオヨシキリ、モズ、オナガ、ホオジロ等が減っているためではないか。カッコウを復活させるためには、この托卵相手を増やすこと、広いヨシ原環境を回復させなければならない。「岩手の野鳥を語る会」の中で連携していく。
(宮古「ミサゴの森」NO.230,P3)
●2013/7 奥多摩
・鳥声録音
蒲谷鶴彦氏は1953年、文化放送のニュースの背景に野鳥の声を流し、継続して放送がされた。1954年、肩掛けテープレコーダーで収録開始で、収録の場が飛躍的に増えた。1960年、日本コロンビアからオーケストラの音楽に野鳥の声を入れた「野鳥の調べ」のLPレコードが完成、発売された。ジャケット写真:高野伸二氏、推薦の言葉:井上靖氏。井上靖氏の小説「海峡」で蒲谷鶴彦氏がモデルとなっており、取材を共に行っている。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.213,P8〜13)
・オシドリの食事
川の浅瀬を泳いでいたオシドリ♂が川底を覗き込み立ち上がった。その場で激しく足を動かし、川底をかき回し、頭を水中へ入れる。川底のものを食べていたようで、何度も同じことを繰り返す。図鑑にはオシドリは雑食性であるが主に食物食、特にドングリを好む。水かきで浅い水底をかき回し、浮いてくるものをついばむとある。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.213,P27)
・奥多摩フィールド内初記録2種 (新記録認定委員会)
ヤイロチョウ、05/6/20、青梅市御岳山で声と姿を確認、徐々に奥多摩方面へ移動し、6/27以降確認できず。撮影記録は無いが、音声を鳥声録音第一者蒲谷鶴彦氏に確認してもらい、支部内初記録となった。コウライウグイス、2012/4/29、奥多摩町の支部探鳥会で複数の人が確認し、支部内初記録となった。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.213,P28〜29)
・ササゴイ
ササゴイは特に流れがある河川を好む。支部フィールドでは4月の記録は無く、渡ってくるのは他の夏鳥より遅い。秋の記録は9月上旬までで、遅い記録はあきるの市で2009/10/18、幼鳥がある。支部内での繁殖記録は2011年、児童公園のケヤキの地上10m程にある巣で繁殖した。多摩川のササゴイは1999年以降、減少傾向にある。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.213,P31)
●2013/7-8 諏訪
・10年付き合ったキジバトの雄
本部の安西英明氏はラジオ放送で小鳥は孵化した翌年までの生存率は1割、多くて2割と言う。キジバトは最高齢8歳とされるが、私が観察したキジバトは10年以上生き続けた。2002/9に足輪をつけ、2010/秋にその個体が見られなくなった。この個体の鳴き声は特徴があり、2001年にも声を聞いているので、寿命10年以上となる。キジバト生息地の縄張りは150〜200m2程度で、雌は入れ替わっても、この雄はほ同じ場所(茅野市)で繁殖した。
(諏訪「いわつばめ」NO.151,P2〜3)
・60周年の小鳥バス
1954年に始まった塩嶺小鳥バスは今年60年目を迎えた。5月、6月の毎日曜日、未明の早朝から鳥見人を塩嶺小鳥の森までバスで運び、探鳥会やイベントが行われている。この実現には前支部長の並々ならぬ思いがある。岡谷市の文化面での発展に寄与している。
(諏訪「いわつばめ」NO.151,P4)
●2013/7 静岡
・ライチョウの換羽は年3回
多くの野鳥は年2回、秋に完全換羽、春は部分換羽である。ライチョウはこの夏羽と冬羽の他に秋羽がある。秋羽では雌雄同じ色になる。雌の夏羽に近いまだら模様である。高山帯で一生を過ごすため、天敵から身を守るためと言われる。
(静岡「野鳥だより」NO.406,P2,4)
●2013/7-8 鳥取県
・ブッポウソウの標識調査
南部町で05年より巣箱内のブッポウソウの雛に対し、2010年以降は成鳥に対し標識調査をしている。その結果分かった事を記す。・雌雄で羽色が違う。♂は初列風切外弁が鮮やかな青で♀は黒である。体重は♀が思い傾向にある。・前年に繁殖した巣箱に戻って来る。・ボルネオ島北部で越冬。2010年、山階鳥研と共同で、5羽にジオロケータを付け、4羽で回収した結果判明した。南シナ海を一昼夜かけ横断後、南下しボルネオ島に向かう。・番は毎年同じであるが、♀が入れ替わる事も多い。・巣立った雛が同じ場所に戻って繁殖した例がある。巣立ち後2年目で繁殖する。
(鳥取県「銀杏羽」NO.128,P12〜13)
・ブッポウソウ
ブッポウソウの保護管理調査事業が始まって10年、その間調査で分かった給餌は早朝は見られず、8時前後に親が巣箱から出てきて給餌がピークになる。ブッポウソウは朝寝坊?。給餌回数は孵化後17日目までは増加するが、その後は巣立ち前まで減少する。
(鳥取県「銀杏羽」NO.128,P13)
・オオタカの子育て
オオタカが5年連続して雛が巣立った。営巣木は胸高直径35cmの赤松で地上15m付近に巣がある。観察は巣から約250m離れた辛うじて巣が見える場所で10日に一度行った。今年も3羽が巣立った。巣内の雛は争うことなく、親からの給餌を20分前後で次に譲る。余り長くなると隙をみて横取りする。巣立ち後、2、3週間で姿を消す。
(鳥取県「銀杏羽」NO.128,P16)
●2013/7 香川県
・24年度ガンカモ類の県下一斉調査
1/4〜13、県下1866箇所を調査し、18種、16,704羽のカモ類を確認した。前年より1,032羽少なく、ここ8年間では最少の個体数であった。内訳はヒドリガモ4,101、マガモ3,012、ホシハジロ2,550、コガモ2,165、ハシビロガモ1,172、オナガガモ1,205、キンクロハジロ970、カルガモ749、オシドリ272、ヨシガモ272、ミコアイサ232等。地況別に見ると、海域(2813ha、910羽)、河口(789ha、2,460羽)、河川(237ha、1,802羽)、ダム湖(272ha、155羽)、人造湖(1173ha、11,323羽)で香川県では溜池に大半が飛来している。
(香川県「かいつぶり」NO.354,P1〜2)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.673
●2013/6-8 栃木
・「サシバの里」づくり 今とこれから
(オオタカ保護基金)
・市貝町町長インタビュー (編集委員会)
・那須塩原市希少野生動植物種保護条例
・オオヨシキリの斬らば斬れ (東北地方民話)
・健全な森林施行はヨタカを救う?
●2013/8 東京
・八丈島アカコッコ・センサス調査
・八丈小島のクロアシアホウドリ
(伊豆諸島自然史研究会/慶応義塾大学特任教授)
・カワセミ
・東京駅の大鷲
●2013/8 神奈川
・鳴き声が名前になった鳥
・セミたちの季節
●2013/8 高知
・ソリハシセイタカシギ高知県初観察
●2013/6-8 栃木
・「サシバの里」づくり 今とこれから (オオタカ保護基金)
サシバは里山環境を好み、農業とつながりが深い環境で暮らしている。芳賀台地の東、市貝町やその周辺には谷津田が多く、100km2あたり138番が生息している。秋の渡りの宮古島では1980年代までの3万羽が、1990年以降2万羽前後まで減少している。私たちは市貝町の農作物等のブランド化(商標「サシバの里」)、谷津田保全(ビオトープ)の共同事業、道の駅での拠点販売、サシバを観察する体験農場設置を進めている。
(栃木「おおるり」Vol.227,P4〜5)
・市貝町町長インタビュー (編集委員会)
同町長に、サシバが飛来する美しい里山を次世代につないでいく使命を伺った。この宝物(サシバ)を町づくりの中に活かさねばならない。役場にサシバの里づくりを担当する「企画振興課」を新設し、「サシバの里づくり基本構想」を宇都宮大学等の協力を得て、今年度中に作成する。生物多様性を保全しつつ、それを基盤とした持続的な「本当の農業」を考えている。自立する地域作りが進められたら素晴らしい。
(栃木「おおるり」Vol.227,P6)
・那須塩原市希少野生動植物種保護条例
昨年10月、同市の同保護条例が施行された。同市内で生息する野生動植物から「希少種」を指定し、その生息、生育地について市と地権者が「生息地保全協定」を結び、その保護活動を行う保護団体設定、市の助成、希少種の指定に市民からの提案制度採用等、画期的な内容である。希少種の内、特別に保護が必要なものは「特別希少野生動植物種」に指定し、地権者に保護の努力義務が課され、市長は必要であれば、地権者に助言、指導をする。那須塩原市動植物調査研究会の調査結果に基づき、鳥類36種を含む277種が希少種に指定され、「特別希少種」は市のRDB策定を踏まえて検討する。
(栃木「おおるり」Vol.227,P7)
・オオヨシキリの斬らば斬れ (東北地方民話)
昔、癇の強い殿様がお供の下男に履き替え用の草鞋を持たせ、屋敷を出た。殿様の草鞋の鼻緒が切れたため、下男が持参していた草鞋を出すと、片方の草鞋が見つからない。怒った殿様は下男を手討ちにしてしまった。殺された下男はオオヨシキリになり、今でも「草鞋(ジョジョリ)」と鳴き、草履を探し回り、見つからず「草履方割れがなんだい、斬れば斬れ・・・」と騒がしく鳴く。
(栃木「おおるり」Vol.227,P10)
・健全な森林施行はヨタカを救う?
環境省の自然環境保全基礎調査で、1978年、ヨタカの生息メッシュ290が1997〜2002年には124メッシュと減り、現在準絶滅危惧種になっている。日本での生息状況は殆ど調べられていない。しかし、栃木県と石川県の一部で状況が分かっている地域がある。栃木県では1997年、支部が詳しく調べ、2011〜2012年の調査では栃木県内で43地点、53羽のヨタカを生息を確認している。県北部から南西部及び北東部の標高300m以上の山地に生息する。特に、林業地の伐採後の若齢植林地や荒地に低木が疎らに生育する環境や、森に囲まれるダム湖周辺で多く記録された。ヨタカはこのような場所の地上に直接産卵する。
(栃木「おおるり」Vol.227,P11)
●2013/8 東京
・八丈島アカコッコ・センサス調査
5/19、朝4時〜6時、八丈島の4箇所で各1q、アカコッコを調査した。当日の日出は4:36、その30分前頃から鳴きだす。明るくなるにつれて鳴く数は減った。
(東京「ユリカモメ」NO.694,P8)
・八丈小島のクロアシアホウドリ
(伊豆諸島自然史研究会/慶応義塾大学)
八丈島の北西7.5qにある無人島八丈小島で、クロアシアホウドリの新たな繁殖地となりうる地域が発見され、鳥類生態学、保全生物学上極めて重要な意味を持つ。4/14、同島でクロアシアホウドリの目撃情報があり、4/16、上陸し約30羽を確認した。産座や求愛行動があり、推定3歳前後の若い個体が繁殖地を求めて飛来したと考えられる。早ければ11月に営巣か。同島では1969年、全島民が離島する際、ヤギが残され、1,000頭以上に増えたが、現在はほぼ撲滅され、繁殖に適した場所になった。アホウドリも同じ繁殖環境で、採食地の茨城県〜千葉県沖に近く、鳥島の北約300kmの同島がアホウドリの繁殖地になる可能性もある。
(東京「ユリカモメ」NO.694,P16)
・カワセミ
カワセミの青は構造色で、橙は食物からの色素である。50年前に比べ、カワセミの橙(赤)の色素は13%も増えている由。戦後、アメリカザリガニが増え、それを餌にした結果、カワセミの腹部は赤(橙)が強くなった。ザリガニはトンボや水草には脅威だが、カワセミ都会進出の功労者かもしれない。空気抵抗を少なくした500系新幹線先頭車両はカワセミの嘴がモデルである。
(東京「ユリカモメ」NO.694,P19)
・東京駅の大鷲
修復工事が完成した東京駅丸の内北口及び南口のドーム天井に幅2m余りの大鷲が各8羽ずつが石膏彫刻されている。戦前の写真から復元され、足で何かを掴んでいる。「大鳥が稲穂をくわえて飛んできた」との稲作伝来の伝説があり、稲穂を掴んでいる?鷲は権威の象徴として大鳥が大鷲に変わっている。
(東京「ユリカモメ」NO.694,P20)
●2013/8 神奈川
・鳴き声が名前になった鳥
Name-sayer(名告げ鳥)は鳴き声から名前になったものである。これには聞こえたまま記すものと、その声に意味を持たせるものがある。カッコウ、ジュウイチ、ブッポウソウ等が該当する。英語では鳴き声から、カラス:crow、ダイシャクシギ:curlew、タヒバリ:pipit、カケス:jay、アオバズク:boobook、ヤツガシラ:hoopoe、コリンウズラ:bobwhite、チフチャフ:chiffchaff。聞きなしではフタオビチドリのkilldeer(鹿殺し)、ヨタカの一種のpoorwill(弱い意志)、マキエゴシキインコのtwenty-eight parrot(28)。
(神奈川「はばたき」NO.495,P5)
・セミたちの季節
横浜自然観察の森では例年6種のセミが確認され、その鳴き始めはニイニイゼミ(平均初認日6/29頃)、ヒグラシ(同7/12頃)、ミンミンゼミ(7/25頃)、アブラゼミ(8/1頃)、ツクツクボウシ(8/3頃)、クマゼミ(8/9頃)の順。
(神奈川「はばたき」NO.495,P9)
●2013/8 高知
・ソリハシセイタカシギ高知県初観察
5/18、南国市の田植え前の水田で、ソリハシセイタカシギを目視確認した。高知県初記録である。
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.674
●2013/8 オホーツク
・サンショウクイとコサメビタキが巣の争奪
●2013/8 千葉県
・千葉県内カモメ事情
・シマフクロウ生息環境復元へ
(5/20 毎日新聞web版)
●2013/8 南富士
・野鳥写真展での写真
●2013/8 徳島県
・ラムサールツアー「コウノトリに会いに行こう」
●2013/8 福岡
・ツバメの巣にハクセキレイ、ホトトギスにメジロがモビング
・コムシクイの飛来を確認
・鳥との距離の重要性を再認識
●2013/8 筑豊
・Emberiza<エンベリザ>
・囀りに関しての見解
・野鳥録音のすすめ
・英彦山にアカショウビン
●2013/8 オホーツク
・サンショウクイとコサメビタキが巣の争奪
7/7、北見市でサンショウクイ♂が巣材をくわえ、造巣中のコサメビタキの巣に入り、自分の巣として造巣中、巣主のコサメビタキの番に排除される行動が何度も見られた。動画は
http://youtu.be/zHtmhMl93G0 サンショウクイはオホーツク圏内では稀な旅鳥で、今までに5月に2例確認されたのみ。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.315,P3)
●2013/8 千葉県
・千葉県内カモメ事情
2012/10/2〜2013/7/23、101日間でカモメ類の写真を119,512カット撮った。種ごとの飛来、渡去時期、換羽の状況を記録し、新たな識別情報を得ることをテーマにしている。その結果、ここ数年は銚子に飛来するカモメ類はかなり減り、従来の1万羽が500羽程度になる日が多い。これはイワシの水揚げ量に比例している。その中でミツユビカモメは全く見られない日があり、漁肉加工場の廃水規制と旧ソ連の原潜の海洋投棄が影響している?東京湾奥部のズグロカモメは青潮で餌の蟹が減り、今期は記録が無かった。ウミネコ幼鳥の千葉県への飛来日は7/23が最早であった。
(千葉県「ほおじろ」NO.388,P3〜6)
・シマフクロウ生息環境復元へ (5/20 毎日新聞web版)
5/19、北海道別海町の西別川下流部で「第20回シマフクロウの森づくり100年」が行われ、約250人が約3千本の苗木を植えた。20年間での植樹は6万5千本にもなる。この地はエゾシカ数千頭の集団越冬地に近く、広葉樹約2千本が食害で枯れた。今期は民有地約6haを電気柵で囲った。
(千葉県「ほおじろ」NO.388,P12)
●2013/8 南富士
・野鳥写真展での写真
どのような写真が高い評価を受けているかは見る人の立場で異なる。バードウォッチャーは芸術性より鳥見の目で見ている。余り知られていない習性や珍鳥が受ける。また「何だ○○か」の感想も多い。野鳥カメラマンはよく理屈をこねる。構図、露出、背景・・・。珍鳥、猛禽類(トビ、ノスリを除く)が好まれる。ドアップで撮れた写真、高速飛行時の静止写真は評価が高い。鳥見人の鳥屋カメラマンはリアルの写真が原則である。一般の生き物好きの人には愛くるしい仕草や採食等の生態が受ける。
(南富士「さえずり」NO.369,P6〜7)
●2013/8 徳島県
・ラムサールツアー「コウノトリに会いに行こう」
6/6、吉野川ラムサールネットワーク主催で、豊岡市の「兵庫県立コウノトリの郷公園」に出向いた。豊岡市の円山川下流域、周辺水田560haは2012年にラムサール条約湿地に登録されている。ここでは国土交通省が「加陽地区大規模湿性再生」としてコウノトリの餌場作りをし、運動は行政主導で進められてきている。1985年、ロシアから幼鳥6羽を受贈し、05/9に初めて5羽が野生に放鳥され、現在、飼育下に91羽野外に64羽、計155羽(♂67、♀84、不明4)。吉野川河口をラムサール条約湿地にするには行政の中に熱血公務員が必要と感じた。
(徳島県「野鳥徳島」No.419,P2〜4)
●2013/8 福岡
・ツバメの巣にハクセキレイ、ホトトギスにメジロがモビング
6/23、朝倉市の郵便局駐車場でツバメの古巣でハクセキレイが営巣している。7/1、福岡市内でメジロがホトトギスをモビングした。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.406,P10)
・コムシクイの飛来を確認
メボソムシクイの亜種は日本鳥類目録改訂第7版で3つの独立種になった。その中の国内では記録が少ないコムシクイが5/12、21、福津市で確認された。メボソムシクイの囀りは「ゼニトリゼニトリ・・・」の聞きなしで4拍子で、オオムシクイの囀りは「ジジロジジロ・・・」と聞こえる3拍子で、コムシクイの囀りは「ジジジジジ・・・」と聞こえ、地鳴きのチリッはオオムシクイより弱く、低い音域にある。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.406,P11)
・鳥との距離の重要性を再認識
東海大学沖縄地域研究センターの河野裕美氏から海鳥の生態の話を聞いた。「嘗てはバンディングによる標識調査、巣に立入して産卵数等の調査をしていたが、鳥に与えるストレスを考え、現在は遠くから写真を撮り、それを解析し、岩礁に足場の棚を作り、そこへカヌーで行き来して調査をしている」と聞くと、その研究姿勢に頭が下がる。自分たちは鳥の親や雛を脅かしていないか、カラスにその営巣場所を教えていないか、再度鳥との距離を考えさせられる。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.406,P16)
●2013/8 筑豊
・Emberiza<エンベリザ>
ホオジロ科の小鳥をその属名を使いエンベリザと呼ぶ時がある。現場ではホオジロ科の鳥を見て、エンベリと略して使う事もある。これには北米産のホオジロ類(ツメナガホオジロ、ユキホオジロ、サバンナシトド等)は通常は除外される。ミヤマホオジロは対馬では留鳥で繁殖し、コジュリンは夏鳥として阿蘇山周辺で繁殖し、ホオアカも漂鳥として九州で繁殖している。クロジはホオジロ科の特徴である尾の両側の白斑が無い。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.426,P16〜17)
・囀りに関しての見解
「鳥類学辞典」(山岸哲也監修 2004 昭和堂)では「囀りと地鳴きの区別は慣用的で厳密な定義は難しい」とあり、「一般に地鳴きは単純で、囀りは複雑」等様々な解説がある。「フィールドガイド日本の野鳥」(初版)で高野伸二は「囀りは繁殖期に主に小鳥類の雄が発する特徴ある良い声で、縄張り宣言と雌の誘致機能があると言われる。鳥によっては大きな単純な叫び声が同様の機能を持つが、それは囀りとは言わない」と記す。安西は「囀りは繁殖期に小鳥の雄が出す声」と定義にした。鳥の声の厳密な定義は難しく、声の機能研究も途上で、最近は従来とは違う定義で囀りとされる例もある。
参考:教えて安西さん
http://www.birdfan.net/bw/hint/anzai/037.html
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.426,P19)
・野鳥録音のすすめ
視覚障害者へのボランティア活動をしており、録音という方法を思いつき、録音機器の進化、ICT技術の向上で画期的に利用できるようになった。日本の野鳥録音の草分けで世界70箇国以上で1,000種以上の野鳥の声を録音した故蒲谷鶴彦氏は生前「録音機器は格段に便利になったが、肝心の鳥が激減してしまった」と言われ、野鳥の声録音をすすめる理由の1つである。野鳥の記録を残しておかなばならないその中に、野鳥の鳴き声も是非加えておく必要がある。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.426,P27)
・英彦山にアカショウビン
2005年、英彦山でアカショウビンの雛が巣立ち、ここ数年毎年、渡来し、従来は宮崎県の御池野鳥公園まで見に行っていたのが、筑豊でも身近な鳥になりつつある。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.426,P32)
(自然保護室支援・野鳥の会 神奈川/森 要)
■2013年度北海道ブロック協議会議事録■
日時: |
2013年6月22日〜23日 |
場所: |
釧路市 阿寒湖まりむ館 あかん湖鶴雅リゾートスパ 鶴雅ウイングス |
主管: |
日本野鳥の会釧路支部 |
後援: |
公益財団法人日本野鳥の会 |
協力: |
前田一歩園財団 |
出席連携団体: |
十勝支部、滝川支部、旭川支部、根室支部、オホーツク支部、江別支部、苫小牧支部、札幌支部、釧路支部(計29名) |
財団出席者: |
会長 柳生博、理事長 佐藤仁志、普及室室長代理 箱田敦只、保全プロジェクト推進室室長代理 田尻浩伸 他、道内のレンジャー7名 |
欠席: |
北海道ブロック協議会代表 藤巻裕蔵、道南檜山、函館支部、小樽支部、小清水支部 |
- 総 会
(1)挨 拶
北海道ブロック協議会副会長
札幌支部長 山田三夫
(2)来賓挨拶
公益財団法人日本野鳥の会 会長 柳生博
(3)議案審議
議長:釧路支部長 黒沢信道
1)2012年度活動報告及び会計報告
前年度主管小樽支部欠席のため釧路支部が添付資料に沿って報告
2)各支部の特筆すべき取り組みについて
①道北支部(風力発電に対して)
稚内市増幌地区における風力発電の整備計画について報告があった。稚内はワシ類やハクチョウ類にとって重要な場所であるが、次々と風車が建っており、地元ではなかなか声も出せないといった現状の報告があった。(道北支部・村山)
②十勝支部(シマフクロウの生息地に対して)
外資がシマフクロウ生息地を含む山林を購入するという情報を十勝管内の森林組合が入手。当該地のシマフクロウ生息地保全問題について、報告があった。
3)各地で起きている風力発電施設への対応について、北海道ブロック協議会で風力発電計画に対する共通の意思表示文を作るか議論がなされたが、もう少し審議が必要として保留となった。
- 室蘭支部、札幌支部、釧路支部、根室支部、滝川支部から各地での風力発電計画の実態とその対応について報告があった。札幌支部管内では4つの計画が動いていることや内陸部の滝川市にまで計画が及んでいることなどが明らかになった。
- 地元の支部が動植物の調査をすることにより、現状・現況をよく把握しておくことが大切だという意見が上がった。
- 反原発を掲げる当会がクリーンエネルギーである風力発電計画の反対についてどのように意見していくか議論がなされた。
- 風力発電によってどれ程の被害があるか一般市民にわかりやすくPRできないか、という意見が上がった。
- 財団からオジロワシの風車への衝突事故状況について、2010年から30件以上にのぼり、国内での1番の死因となっていることが報告された。
4)北海道ブロック協議会運営要領および運営細則について、旧規約を破棄すること、正式名称を北海道ブロック支部連絡協議会から北海道ブロック協議会と改名することが決定された。
5)今後の総会開催地および開催順の決定方法について決定された。
-
2014年度が室蘭、2015年度が滝川、2016年は日本野鳥の会北海道ブロック協議会運営要綱 細則(案)の第2条のリスト上の8番である道北支部、2017年は設立30周年になるオホーツク支部での開催となった。
- 次回の室蘭支部開催の協議会については猛禽類の渡りが見ごろの10月の開催が提案され、可決された。
6)公益財団法人日本野鳥の会よりの報告
① 財団からの伝達事項 理事長 佐藤仁志
- 日本野鳥の会創立80周年に向けた取組について
- Strixの販売促進、原稿寄稿について
<支部からの意見>
- Strixについて、買ってもらうためにはイラストなどをいれるなどして読みやすくする、以前あった「野鳥記録委員会」のように会員の観察記録を載せる、各支部報からStrix掲載に値する記事をピックアップして載せてはどうかという意見が上がった。
- 普段から情報交換できるようにメーリングリストを作ってもよいのではないかという意見が上がった。
② 普及室からのお知らせ
普及室 室長代理 箱田敦只
探鳥会保険、探鳥会スタッフ通信等について
(4)閉会挨拶
室蘭支部支部長 成田脩三(次回開催地代表)
- 懇親会
- 早朝探鳥会
阿寒湖畔ボッケ散策路にて早朝探鳥会が行われた。
- 一般に向けた行事
(1)公開シンポジウム「タンチョウの生息地拡大をどうとらえるか?」
①基調講演
「コウノトリの野生復帰を地域住民はどう迎えたか」 会長 柳生博
②各地からの報告
報告者:タンチョウコミュニティ代表 音成邦仁(鶴居村)、十勝支部副支部長
千島淳(十勝地域)、道北支部長 村山良子(道北地域)
③会場参加者を交えてのディスカッション
※公開シンポジウムの詳細な内容については釧路支部もしくは鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリにご連絡いただければ発言録をお渡しします。
(2)前田一歩園財団「光の森」野鳥観察会
(鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ/黒川マリア)
■探鳥会におけるリスクマネージメント■
シリーズ第6回:スズメバチ
秋が近づくと、スズメバチによる被害がマスコミ等で報道される。課外授業やハイキングなどでスズメバチに刺される被害が少なくなく、探鳥会も例外ではない。
野外における危険な生物の中で、最も恐ろしいのがスズメバチだ。一般的にはマムシやクマの方をより恐れるが、死亡者数の点からいえばスズメバチの方がはるかに多い。あるデータでは、ハチによる死亡例が年間平均43人で、その約8割がスズメバチによるとされている。したがって、一般の認識以上に注意を払う必要がある。しかし、これほど危険な生物であるにもかかわらず、スズメバチの生態や危険回避のための対策などは以外と知られていないのが実状だ。
*ハチのなかまは?
ハチのなかまは、形態的にも生態的にも極めて多様性に富んだグループである。特に集団生活を行う社会性の発達が進んでおり、注目される。また、翅が特殊化しており、昆虫の仲間では最も早くかつ極めて巧みに飛翔するグループでもある。
ハチは、全世界で13万種以上が知られており、日本では4,500種余りが知られている。このハチの仲間には、スズメバチのほかにミツバチやマルハナバチなど多くのなかまがいる。
*ハチの生活史は?
9月にスズメバチを紹介するのは、9月から
10月にかけての時期が最も危険な時期だからである。次のサイクル図をみて、スズメバチの生活史をよく理解しておこう。
*すべてのハチが刺す?
ハチのなかまは、全てのハチが刺すものだと思っている人が意外に多い。あまたいるハチのなかまの内、刺すのはほんの一部のなかましかいないことをしっかり学習しておこう。
刺すのは、スズメバチのほかではアシナガバチ、ミツバチ、マルハナバチの4つのグループに限られる。よく人が刺されるハチは、これらの中のごく一部のスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ、クロスズメバチなどである。
また、人を刺すのはメスだけだ。巣を守ったり餌場を占拠したりする働きバチはメスだけであり、これらのメスが刺す。オスはけっして刺さない。もともと毒針は、産卵管に由来することを考えれば、メスだけが刺すことを理解しやすいであろう。
*ハチは一度だけ刺す?
これは、ミツバチに限った話である。ミツバチの針は一度刺すと抜けてしまい、肌に突き刺さった状態で残る。
*スズメバチってどんなハチ?
スズメバチは、スズメバチ科のハチの総称で、日本には16種類が知られているが、一般にスズメバチというときには大型のスズメバチ属の7種をさす。
スズメバチの中でも、最も被害が多いのはキイロスズメバチである。この他、オオスズメバチ、モンスズメバチなどが攻撃性が強い。また、木の枝に巣をつくるコガタスズメバチも要注意である。
先に述べたとおり、スズメバチは野外における最も危険な生物であり、ハチによる死亡例は年間25〜73人(平均43人)、内8割りがスズメバチによるものだ。従って、スズメバチの習性等をよく知り、対応策を熟知しておく必要がある。
*攻撃の4段階
スズメバチの攻撃には、次のような4つの段階がある。どのレベルの攻撃かによって、対応行動も異なってくるので、しっかり把握しておこう。
①巣への接近に対する警戒行動
巣に近づくと、巣の出入り口や表面にいるハチが警戒しだすと共に、一部のハチが巣を離れて周辺を飛び回る。
②巣への接近に対する威嚇
巣の周辺の数メートルから10数メートルの範囲内を飛び回っていた偵察蜂が、近づいて大きな翅音をたてて飛び回り、カチカチという威嚇音を発する。これは、「これ以上近寄ったら攻撃を加えるぞ」というスズメバチ特有の警告なのだ。
③巣への間接的刺激に対する攻撃
巣のある部分に振動を与えたりすると、威嚇中のハチや巣内から飛びだしてきたハチがまっすぐ飛びかかって刺す。これは、既に巣内に警戒フェロモンがまき散らされているためである。
④巣への直接的刺激に対する攻撃
この場合は、ハチは威嚇なしに直接飛んできて刺す。興奮の激しい場合は、噛みついて離れず、何度も毒針を突き立てる。現場から遠ざかっても、10数mから数10m追いかけてくる。
*追いかけられたらどうする?
追いかけられたら逃げるしかない。ハチは、動きの遅いものや静止しているものをうまく判別できないことから、動かずにじっとしていることも考えられるが、ケースバイケースだ。また、目の特性から水平より下部が見えにくいため、しゃがんだりすると一度は回避できるが、反転して再び襲ってくるので、これも得策とは言い難い。
特に、巣を刺激して追いかけられたときは、深刻である。地面に伏せるなどしてハチの攻撃をかわしたほうがよい場合もあるが、いったん攻撃に転じたハチはいくら振り払っても執拗に攻撃してくるので、巣の近くにとどまることは非常に危険だ。
*石になる?
野外でよくスズメバチが単独で飛んできて、人のまわりを飛び交うことがある。これは、餌などを探して飛び回っているだけで、おどし攻撃ではない。追い払ったりせずにじっとして石になっていることが肝要だ。そのうち飛び去っていく。
重要なのは、探鳥会の参加者に対して、出発前に知らせておくことだ。単独で「遊覧飛行」してきたハチでも、ハチの生態を知らない参加者たちはパニックに陥ってしまう。大騒ぎしたり振り払ったりしてしまってからでは遅いので、探鳥会開始時における注意喚起が不可欠である。
*刺されたらどうする?
ハチに刺されたときの対処方法として、「アンモニア水を塗って中和させるとよい」などの誤った情報がまことしやかに言い伝えられてきた。また、「アロエやタマネギ、ヘクソカズラ、渋柿などの汁をつけるとよい」といった言い伝えも古くからある。これらは、科学的根拠のないものとされており、指導者が行うべき対処方法とは言い難い。ハチに刺された場合、次のような対応が必要である。
①冷たい流水で患部を洗い流しながら、毒を血液といっしょにしぼり出す。この時、専用の絞り出し器があると便利。(リーダーはぜひ持参しよう。)
②痛みやはれは、水や保冷材などで冷やす。(マムシに噛まれた場合には、冷やさない)
③市販の抗ヒスタミン剤を含んだステロイド軟膏を塗る。
④気分が悪くなったり息苦しくなったりした場合は、ショック症状の前兆の可能性が高い。すぐに病院に行き治療を受ける。
また、症状の重い場合には、あおむけにして頭を低くしたり、心臓に近い部分を縛る(但し、数分後には縛りをゆるめる)、タンニン酸などの蛋白凝固剤を塗るなどの対応も有効といわれている。
*ハチアレルギーに注意
ハチアレルギー体質の人は、何度か刺されているうちに、アナフィラキーショックを起こし死亡することがある。(ハチに刺されると体内に抗体ができ、毒に対する反応が強くなる。ふつう抵抗力がつくと思いがちだが全く逆で、刺されるたびに毒に対する反応が強くなり、ショック症状を起こすことがある。一度刺されたら、次からは注意が必要だ。)なお、重傷の場合、全身症状が起こるのは10〜15分といわれている。
*ハチ豆知識
- ハチが人を刺すのは攻撃ではなく防御である
- 警戒飛行してきたら速やかに退散
- 頭や目など黒いものをめがけて攻撃する習性あり
- ひらひらするもの、純毛製のもの、毛皮なども要注意
- もし頭などに飛来したら、払いのけずに叩きつぶす
- 香水、ファンデーション、整髪料などの匂いに対し敏感となる。芳香性のものには使用しないこと
- 針が残っていたら、つまんで取ってはダメ(針の中に入っている毒をさらに入れる恐れあり→ミツバチの場合)
- オオスズメバチは世界最大のスズメバチだ(体長;女王バチ45mm、働きバチ37mm)
- 4月下旬〜5月ころ、ミツバチが巣分かれして女王バチとはたらきバチが旅立つ
■自己注射器が使用可能に
ハチアレルギーの人たちが、刺されてショック死することを防ぐため、2003年から一般の人でも自己注射器エピペンの使用が可能になった。2回目以降のハチ刺されで起こるアナフィラキシーショックの症状緩和に有効。ただし、エピペンの購入には、医師の診察と処方箋が必要。販売元のメルク(株)は、エピペンを処方する医師に対して事前に製品説明を行い、同意を得られた医師を「アナフィラキシーに関する相談を受け付けている医師」として紹介している。メルク(株)TEL:0120-933-911
【参考】 アブとハチの見分け方
「虻蜂取らず」ではないが、アブとハチは似て非なる昆虫だ。ハチは多くの昆虫同様に4枚の羽をもっているが、アブのなかまは2枚しか羽がない。アブは、後ろ羽のかわりに後ろの方に平均こんと呼ばれる小さな突起をもっているので、観察してみよう。このほかハチは腰がくびれるものが多いが、アブはくびれないことや、ハチの触角は太くて長いが、アブは糸状で長さも短いこと、ハチの目はレンズ状でつるつるしているが、アブの目は表面がぶつぶつした感じで両眼がくっついていることなどが見分けるポイントだ。
(公益財団法人日本野鳥の会理事長 佐藤仁志)
■オリジナルカレンダー2014年版 販売開始!■
毎年ご好評をいただいております当会オリジナルカレンダーを発売しました。2014年版も、壁掛け型「ワイルドバード・カレンダー」と、卓上型「バーズ・イン・シーズンズ」の2種類を制作しました。ぜひ、探鳥会等でご案内いただき、カレンダーを通じて野鳥のすばらしさの普及、会員・支援者の輪の拡大、販売促進にご協力いただければ幸いです。
以下にカレンダーの特徴をお知らせします。会員や一般の方々へのご案内時にご活用ください。
●ワイルドバード・カレンダー2014(壁掛け)
- 商品番号606171
- 税込価格:1,470円/会員価格1,250円
- 特徴:「多様な風景 多様な野鳥」をテーマに野鳥写真の一般公募を行い、全国から寄せられた1358点の中から12点を厳選しました。「鳴き声タッチペン」と「サウンドリーダーで野鳥の声が再生できる音声コードを掲載。ペーパーリング製本(名入れ販売用は紙とじ製本)採用のため、全て紙素材。リサイクル時の分別が不要です。
●バーズ・イン・シーズンズ2014卓上カレンダー
- 商品番号606208
- 税込価格:1,050円 ※会員価格の設定はございません。
- 特徴:野鳥写真ライブラリー「ナチュラリー」との共同制作により、12ヶ月の写真は第一線で活躍する野鳥写真家の作品で構成しています(撮影:大橋弘一、福与義憲、江口欣照、石田光史)。使用後に暦部分を切り取れば、写真をポストカードとして再利用できます。
- 利用者の方のご意見をもとに、従来に比べ暦の文字を大きく見やすく、より野鳥たちの表情が伝わる写真を掲載しました。また、台紙を改良し、スタンドの安定性を向上させるとともに、吊り下げることもできるようになりました。
●カレンダーのご注文・お求め
①各連携団体(支部)の販売事業ご担当者様まで
②日本野鳥の会 普及室
通信販売係/ 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル、
TEL:03-5436-2626 FAX:03-5436-2636
③全国最寄りの書店でお取り寄せ ほか
※当会以外の書店や小売店では一般価格のみ。
●本件についてのお問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636 Email:
[email protected]
(普及室/江面 康子)
■連携団体(支部等)向卸販売をご利用ください■
「バードショップカタログ2013秋冬号」が間もなく発行となります。9月下旬には、販売事業ご担当者様宛にも連携団体(支部等)向卸販売のご案内と合わせてお届けします。各支部での販売を通じて、バードウォッチングや自然保護の輪が広まるとともに、販売収益が支部活動の一助となればと期待しております。拡販にご協力をお願いします。
●2013年秋冬号より おすすめ商品
①寄付付きアウトドアグローブ「千人の翼」
昨年に引き続き、タンチョウ保護事業のロゴマークをプリントした当会オリジナル「アウトドアグローブ」を販売します。1双につき¥50を、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリで行っているタンチョウの冬季採食地整備活動に活用させていただきます。
税込価格 \840
②お年玉付年賀はがき
平成26年版は、「ヤブサメ」絵:村上康成/「マヒワ」絵:小林絵里子/「富士、鷹、なすび」絵:富士鷹なすびの3絵柄です。
税込価格 \880(各絵柄10枚1組、5組からご注文を承ります。)
※11月中旬の販売を予定しております。
この他にも、毎年恒例のカレンダーや、アウトドア用品、生活雑貨など様々な商品を多数ご案内しております。ぜひ、ご利用ください。
●支部卸販売のご注文、お問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636 Email:[email protected]
(普及室/江面 康子)
■評議員会傍聴申込要領について■
平成25年度第2回臨時評議員会の傍聴申込要領をお知らせします。
- 開催日時 平成25年12月3日 15:00〜(1時間程度)
- 開催場所 ニューオータニイン東京 4F会議室(つばき)
JR大崎駅徒歩1分 TEL:03-3779-9111
- 当日の議案
平成25年度補正予算の件(報告)
平成26年度事業計画及び予算編成方針の件(報告)
野鳥保護区購入の件(報告)
理事会結果報告の件(報告)
- 申込要領
会場の都合上、傍聴は連携団体(支部等)1人を限度とします。
参加希望者は、連携団体(支部等)の代表を通じ、メール又はFAXで下記あてにお申込み下さい。
申込先:日本野鳥の会総務室総務G(奥田)
メールアドレス([email protected]) FAX(03-5436-2635)
- 申込期限 平成25年10月11日(金)必着
(総務室/奥田秋穂)
■平成25年度連携団体全国総会開催要領決定■
すでに連携団体(支部等)代表者あてにはご案内を差上げておりますが、平成25年度連携団体全国総会の開催要領が決まりましたのでお知らせします。
以下、代表者あてのご案内と同じ内容です。ただし連携団体からの話題提供・問題提起等の内容の事前集約用指定様式は添付しておりません。
- 日時:平成25年11月9日(土)13:00(受付12:30)〜 10日(日)12:00
- 会場:「セミナーハウス クロス・ウェーブ幕張」(宿泊会場も同じ)
千葉県千葉市美浜区中瀬1-3-A(TEL:043-298-1161)
最寄駅:JR京葉線海浜幕張駅徒歩3分
所要時間:東京35分(JR京葉線直通)
羽田空港40分(リムジンバス)
- 出席:連携団体の代表者等
財団からは会長、理事長、理事・監事、幹部職員が参加予定。
- 旅費助成等 各連携団体からの出席に際して、下記基準で定額助成を行います。
1人目:1万5千円を超える部分の金額を財団で助成します。
2人目以降:各連携団体で全額、負担願います。
- 内容:(スケジュール案)
11月9日(土)
12:30〜 受付
13:00 事務局からの事務連絡(財団総務室)
13:05 開会(事務局長。なお、全体の司会進行も兼ねて行う。)
13:10 理事長挨拶(佐藤理事長)
13:15 会長挨拶(柳生会長)
13:30 (1)情報交換・講演等
13:30〜 1)探鳥会についての情報・意見交換
進行 安西主席研究員(予定)
「若い人の探鳥会参加をどう促すか。」
「探鳥会をどう入会に結び付けるか。」
「探鳥会や支部等活動を、環境学習などにリンクさせ、発展させるにはどうしたらよいか。」
などを主なテーマに、ご参加の皆様からも事例等のご紹介をいただき、
情報や意見交換の場としたいと考えています。
ついては、ご紹介いただける事例等がございましたら、ご用意をお願いします。
15:40〜16:00 休憩・コーヒーブレーク
16:00〜 2)講演「福島第一原発放射能漏れ事故が野鳥など生物に及ぼす影響」(仮題)
講師 ティモシー・ムソー氏(アメリカ サウスカロライナ大学教授)
17:30 一日目終了・事務局からの事務連絡
17:40〜 休憩・入浴
19:00〜21:00 夕食・交流会
21:00〜 入浴・就寝
21:00〜23:00 ※希望者向け二次会
※上記内容は、変更になることがあります。
11月10日(日)
06:00〜 会場周辺で早朝探鳥会(希望者のみ。リーダー:安西主席研究員の予定)
07:30〜 朝食
09:00〜報告・話題提供
(2)当面の野鳥・自然保護対策
1)東日本大震災関連の財団の取組み(放射能と野鳥関連調査について)
①ツバメの全国調査、財団独自調査
②現地視察ツアー等の概要
2)風力発電など自然再生エネルギーと野鳥・自然保護対策
3)絶滅が危惧される特定野鳥種の保護対策の現状(シマフクロウなど)
09:45〜
(3)連携団体からの話題提供・問題提起
※事前に提出いただいた課題等について報告・意見交換等を行う。
11:45 全体の総括(吉田副理事長)
11:55 閉会
- 連携団体からの話題提供・問題提起等の内容の事前集約について
1)事前集約:原則として指定様式による事前申請としますが、会場での緊急性・重要性の高い問題提起等を拒むものではありません。
2)発言・質疑時間:報告等を行う場合、質疑応答を含めて一団体あたり10分とします。
3)報告等の内容集約:別紙様式により、データもしくはFAXで事前集約しますので、ご協力をお願いします。
報告期限 10月15日(火)必着。
- 参加費:
①宿泊シングル+朝食+交流会 1名14,000円
②宿泊シングル+交流会 1名13,000円
③宿泊ツイン+朝食+交流会 1名12,000円(2名で1部屋)
④宿泊ツイン+交流会(2名で1部屋) 1名11,000円
⑤交流会のみ 1名 6,000円
※なお、部屋は施設側と協議して調整しますが、ご希望に沿えない場合もあります。
- 申込:①団体名、②役職名、③氏名、④連絡先電話番号、⑤往復交通費、⑥交流会参加の有無、⑦早朝探鳥会参加の有無、⑧宿泊の有無、宿泊する場合は⑨シングル・ツインの別、⑩朝食の有無、を明記してメール又はファックスにて下記までお知らせください。
締切は、10月9日(水)必着でお願いします。
連絡・申込先
担当:奥田秋穂、植月智子
TEL:(03)5436−2620 FAX:(03)5436−2635 Email:[email protected]
- その他
・今回は、会場の都合により、オークションは行いません。
(総務室/奥田秋穂)
■支部名称等変更のお知らせ■
名称変更などがあった支部についてお知らせいたします
【メールアドレスの変更(※)】
●日本野鳥の会 大阪支部
※住所・電話番号・メールアドレスに関しては本紙には掲載いたしませんので、ご連絡の際は下記担当者へご相談ください。
総務室総務グループ TEL03-5436-2620/FAX03-5436-2635
(総務室/奥田秋穂、鈴木美智子、植月智子)
■支部名称等変更のお知らせ■
支部ネット通信8月号(113号)に誤りがありましたので、お詫びして訂正します。
◆支部名称等の変更のお知らせ
・事務局の住所変更
正:日本野鳥の会千葉県 誤:日本野鳥の会千葉県支部
(総務室)
■会員数■
9月2日会員数37,654人(対前月-13)会員数は先月に比べ13人減少しました。
8月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より67人少なくなっています。会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。8月の入会者数は103人で、前年同月の入会者105人に比べ2人減少しました。また、8月の退会者は人で、前年同月の退会者260人に比べ90人減少しました。
表1.8月の入会・退会者数
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
●都道府県および支部別会員数
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2.都道府県別の会員数(9月1日時点)
備考:その他は海外在住の会員を示します。
表3.支部別の会員数(9月1日現在)
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
■支部ネット担当より
朝晩はいくぶんしのぎやすくなってまいりました。みなさんお元気でしょうか。いつも支部ネット通信をご愛読いただき有難うございます。
さて、今回の「探鳥会におけるリスクマネージメント」のテーマは秋になると毎年マスコミなどで被害が報告されるスズメバチです。スズメバチの生態や危険回避のための対策を紹介しています。連休にお出かけする方も多いかと思いますが、十分に気を付けてください。
■支部ネット通信は支部の代表の方に電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される支部の代表の方は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。
支部ネット通信 第114号
◆発行
日本野鳥の会 2013年9月24日
◆担当
総務室 総務グループ 奥田秋穂/植月智子
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected] |