■支部報保護・調査記事関連トピックス■
本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。
本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.646
●2012/12 十勝
・野鳥の会はなぜカシワ林伐採を提案したのか?(支部長 室瀬秋宏)
・十勝沖の海鳥調査(千嶋淳)
●2013/1 埼玉
・シラコバトが外来種リストに(石光章)
●2012/12-1 京都
・過度な餌付けはやめましょう
・野鳥保護-京都府の動き(中村桂子)
●2013/1 岡山県
・メガソーラーについて意見書提出(丸山健司)
・ハヤブサ、ビル街を舞う(森本章男)
●2013/1 徳島県
・平地にアトリの大群(臼井恒夫)
・ノスリの越冬食(平山真樹子)
・四国横断自動車道について要望書
●2012/12 福岡
・オオホシハジロ(岡部海部)
●2012/12 十勝
・野鳥の会はなぜカシワ林伐採を提案したのか?(支部長 室瀬秋宏) 帯広農業高校にあるカシワ林の保全とその一部を伐採し道路を拡幅する計画をめぐり、自然保護団体、地域町内会、帯広市の調整がつく目途が立っていない。市は計画道路を曲げてカシワ林を可能な限り残す代案を出したが、地元は(林を多く伐採し)道路を真直ぐ通す事を求め、自然保護団体は林を(全て)保護せよとしている。この事態に支部は道路中心線を林に寄せる地元と帯広市の中間案を提出したが、支部会員の中に反対意見があり、支部はその要望は取り下げた。野鳥の会は自然保護団体であるが、林を市の案より切り込む案を提示したのは、少しでも前に進んだ市の環境行政を評価し、今後の環境保全につなげるためである。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.179,P11)
・十勝沖の海鳥調査(千嶋淳)
調査は2010年、漂着アザラシの会の十勝地方の海鳥、海獣調査から始り、浦幌野鳥倶楽部の傭船の協力、支部会員の調査参加、2012年にはセブンイレブン記念財団からの「アホウドリ類、カンムリウミスズメ」プロジェクトで助成を受けている。調査は月1、2回、浦幌町より沖合約20qまで13人乗りの舟を4〜5時間出して行っている。35回の調査で、24科93種の鳥類と5科7種の海獣類を確認した。その中にはエトピリカ、ケイマフリ、マダラウミスズメ 等の貴重種やオオトウゾクカモメ、アカアシミツユビカモメ、ツノメドリ等の十勝地方初記録も多く含まれている。2012/3、漂着アザラシの会より「十勝の海の動物たち」が発行された
http://nemu.no-blog.jp/torikichinikki/2012/12/post_7186.html
(十勝「十勝野鳥だより」NO.179,P12〜18)
●2013/1 埼玉
・シラコバトが外来種リストに(石光章)
日本鳥類目録・改訂第7版ではシラコバトはPartAの日本鳥類目録とPartBの外来種の2つのカテゴリーに載っている。記述は次のようになっている。関東北部の集団以外は自然分布(PartA)としたが、茨城、栃木、埼玉、千葉ではIB(intoroduced breeder 移入繁殖種)でPartB、移入分布の可能性があるとして、埼玉県の鳥であるシラコバトは埼玉県では外来種扱いとなった。悲しい!
(埼玉「しらこばと」NO.345,P2〜3)
●2012/12-1 京都
・過度な餌付けはやめましょう
鴨川ではユリカモメへの餌付けは70年台に始り、定常化すると、カラス、ドバト、カモ、トビも集まりだし、その弊害が目に付くようになった。支部の調査では06〜07年、トビは100羽を超えたが、支部の働きかけで最近は10羽程度になっている。鴨川市民会議でも「餌やり」が問題になり、法規制が無く、啓発活動でマナー向上を目指している。一律に「餌付け禁止」は、冬期の都市部での餌不足補う意味は否定できず、支部は「過度な餌付けはやめましょう」としている。「野鳥」誌9・10月号に「イヌワシにドバト等を餌付けして接近して撮影している」とあり、支部会員にそのような人はいないと信じる。
(京都「そんぐぽすと」NO.179,P11)
・野鳥保護-京都府の動き(中村桂子)
10/15、京都府環境審議会自然・鳥獣保護部会を傍聴した。府は桂川全域を鳥獣保護区に指定するとしていたが、下流域の農業被害が原因で、地元民の理解が得られず。下流域の指定は叶わなかった。鳥獣保護区でも、有害鳥獣捕獲の対応もできるのに。H23年の京都府内鳥獣捕獲数は狩猟で1,983羽、有害駆除で425羽で、絶滅寸前のウズラやヤマシギが捕獲され、近畿では殆ど観察できないオナガが有害鳥獣捕獲種に載っているのは不可解である。野鳥の愛玩飼養禁止原則は京都府でも明確にしていく由。
(京都「そんぐぽすと」NO.179,P12)
●2013/1 岡山県
・メガソーラーについて意見書提出(丸山健司)
瀬戸内市は錦海塩田跡地に国内最大の太陽光発電所(25万KW)の建設計画を発表した。「錦海塩田跡地自然環境調査プロジェクト」を立ち上げ、現地を調査している。同プロジェクトは野鳥、魚類・底生生物、哺乳類・爬虫類・両生類、昆虫、植物、海洋環境から構成され、各団体、大学が参加している。その結果をもって10/29、瀬戸内Kirei未来創り連合体に対し、意見書を提出した。チュウヒの繁殖に考慮を求めている(日本の重要湿地500」に指定されている邑久郡の塩性湿地73haに言及)。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.194,P2〜3)
・ハヤブサ、ビル街を舞う(森本章男)
岡山市街地中心部でハヤブサの観察例が増えている。繁殖した例もある。都市鳥増加で、餌の安定確保と高層ビルが本来の繁殖地の崖の代用が要因か。ハヤブサは都市鳥と呼べるかは未だ生態が分からない事が多い。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.194,P4)
●2013/1 徳島県
・平地にアトリの大群(臼井恒夫)
12月、小松島市の水田地帯にアトリの大群が現れた。1,000羽以上がカワラヒワの群と一緒にいた。久々に平地でアトリの大群が見られた。
http://www.tk2.nmt.ne.jp/~yachotoku/mitemite/121214atori.htm
(徳島県「野鳥徳島」NO.412,P3)
・ノスリの越冬食(平山真樹子)
1月、ノスリが畑に着地し、何やら餌を捕っている。よく見るとカエルの足、カエルは冬眠中で地表にいるわけが無い?、次も地中のカエルを土ごと足で掴んで捕る。3時間半の狩りで7回狩りをし、3匹のカエルを捕えた。ノスリはモグラを捕るので、地表の僅かな動きを察知しているようである。
(徳島県「野鳥徳島」NO.412,P6〜7)
・四国横断自動車道について要望書
11/30、徳島県支部、徳島県自然保護協会、とくしま自然観察の会、パンダクラブ、吉野川ひがたの会連名で、叶シ日本高速道路で計画中の同道路の徳島JCT-小松島ICについて要望書を出した。吉野川河口域は環境省の「日本の重要湿地500」、「東アジア・オーストラリア地域シギ・チドリ重要生息地ネットワーク参加地」であり、景観法(H17年施工)に逆行している。環境アセスメントは法施行以前の不完全なものであるので、現行法にあわせて実施すべき。
(徳島県「野鳥徳島」NO.412,P8〜10)
●2012/12 福岡
・オオホシハジロ(岡部海部)
福岡県ではこれまでにオオホシハジロの観察情報が寄せられているが、そう断定できる記録は無い。殆どが夏から秋の記録で、この時期、ホシハジロの幼鳥やエクリプスは嘴の青灰色の部分がはっきりせず、真黒に見えるため、オオホシハジロと誤認されているようである。ホシハジロでも採餌中や警戒時はオオホシハジロのように、額から嘴にかけてラインが真直ぐに見えるため、リラックスした状態と異なり、違う!としてオオホシハジロとする事がある。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.398,P8)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.647
●2012/12 やまがた
・脱原発のエネルギー対応と日本野鳥の会の役割
(本部自然保護室長 葉山政治)
●2013/1 茨城県
・稲波干拓のオオヒシクイ越冬状況(江戸崎の雁の郷友の会 茂木光雄)
・各地で増加するオオバン(名城大学農学部 橋本啓史)
・ドバトの食痕(事務局)
●2013/1 甲府
・平成23年度カモ科鳥類調査(委託調査部長 笠井雅人)
●2013/1 長野
・クマタカの感電死対策(調査部長 中曽根久子)
●2012/12 滋賀
・琵琶湖の水鳥調査結果
・猪子山タカの渡り定点調査2012(保護研究部)
・足元の鳥探し(山崎歩)
●2013/1 北九州
・野鳥にとって換羽は命がけ
●2013/1 熊本県
・タカの渡り報告(井上賢三郎)
●2012/12 やまがた
・脱原発のエネルギー対応と日本野鳥の会の役割(本部自然保護室長 葉山政治)
11月の東北ブロック協議会の講演より。野鳥の会の公式見解では、原発を段階的に廃止し、脱原発の実現を求める。エネルギーシフトのシナリオ:再生可能エネルギー1%から34%でCO2 25%削減。省エネで電力消費半減。風力発電で今年、29羽のオジロワシでバードストライク発生。今後、洋上風力発電に移行。
メガソーラー1MW(1000KW)は1haの広さ必要。これはアセス対象外。地熱は発電継続のため、新たに採掘し、開発される面積が徐々に増加。中小水力発電は希少水生生物がいる所では不可。当会の役割は自然エネルギーの適材適所を示す、地元での自然エネルギー開発、問題ある開発のブレーキ役。
(やまがた「やませみ」NO.80,P3〜4)
●2013/1 茨城県
・稲波干拓のオオヒシクイ越冬状況(江戸崎の雁の郷友の会 茂木光雄)
H23年度の同地のオオヒシクイは、初渡来が10/25の11羽で、12/2の第10陣が最大の27羽飛来、12/8までに全13陣で計87羽が飛来した。北帰は翌年3/7に79羽、3/11に8羽で全て渡った。太平洋沿岸沿いに大陸と行き来しているようである。安全が確保されている稲波干拓地で殆ど過し、今回は蓮田の防鳥網に羅網した例がある。
(茨城県「ひばり」NO.311,P3〜4)
・各地で増加するオオバン(名城大学農学部 橋本啓史)
全国的にオオバンの越冬数や分布域が増えているとの指摘は、09年の鳥学会大会(名城大学 橋本啓史 龍谷大学 須川恒)まで余り無かった。琵琶湖では89年:1,272羽、08年には滋賀支部の調査では4万羽を超えた。霞ヶ浦では戦前は夥しい数が生息していたと言われたが、80年代後半には5百羽を切り、90年代半ばに1千羽台、02年に急増し3千羽を超え、2〜4千羽で推移している。山口県でも02年から増加している。東北、北海道で繁殖した個体は関東で越冬し、大陸で繁殖した個体は西日本で越冬すると思われる。80年代には西日本でも繁殖があり、近年は北海道でも少数が越冬している。(神奈川県でも2002年頃より急増している:森)
(茨城県「ひばり」NO.311,P6〜9)
・ドバトの食痕(事務局)
支部からオオタカ保護検討会に委員を派遣し、巣に運ばれる餌を監視カメラで見ているが、昨年は月曜日に突出してドバト大の餌の持ち込みがあり、レースバトが競技に疲れたレース翌日に捕獲されていた可能性がある。今年は均等に周辺にいるドバトのみを捕っていた。他の場所では、大地震があった年はドバトの食痕は半減していた。この事は福島県の太平洋側を通過するハトレース実施状況と関係している?
(茨城県「ひばり」NO.311,P22)
●2013/1 甲府
・平成23年度カモ科鳥類調査(委託調査部長 笠井雅人)
山梨県内主要河川で、毎月1回カウント調査し、カモ科16種、延7,286羽を記録した。H13年度の総計12,089羽以降減少傾向にある。月別の変化は9月:271、10:535、11:1,040、12:1,285、1:1,632、2:1,610、3:913。
(甲府「カワセミ」NO.121,P3)
●2013/1 長野
・クマタカの感電死対策(調査部長 中曽根久子)
H24/4、諏訪市でクマタカ2羽が感電死した。鉄塔に取り付けられたアークホーンに接触した事に因り、千曲市のクマタカでも同じ事が起こっていたと思われ、6月、現場の77KV高圧送電塔を中部電力の案内で見て来た。アークホーンは送電線に落雷があった時、碍子が破損するのを防ぐための碍子両端に延び、向い合う角状のもので、クマタカが翼を広げた時、その両角に触れ、ショートし感電死する。
感電し難い構造に変えるため、10月、中部電力は3基の鉄塔で計36個のアークホーンを交換した。
(長野「野鳥ながの」NO.513,P3)
●2012/12 滋賀
・琵琶湖の水鳥調査結果
支部は2005年から琵琶湖沿岸のほぼ全域の水鳥一斉調査を行っている。
2012年の結果は多い順にオオバンが断トツで、キンクロハジロ、ヒドリガモ、マガモ、コガモ、ホシハジロ、カルガモ・・・である。オオバンは05年(約1.5万)が2012年は約3倍の約4.5万に増加している。それは11月の渡来時は琵琶湖の北部に多く、1月は琵琶湖内で移動分散し、3月には北部で減少し、南部で増加する。ホシハジロは全国的に減少傾向で、琵琶湖では05年の約1万が2012年にはその約6割になっている。この間、ハジロカイツブリは激減し、カンムリカイツブリは増加している。
(滋賀「にほのうみ」NO.31,P11〜12)
・猪子山タカの渡り定点調査2012(保護研究部)
9/5〜10/4の同地での調査で、タカ類の渡り累計6,279羽、内訳はサシバ5,304、ハチクマ786、ノスリ108等。ピークは9/27の1,794羽(内サシバ1,663)であった。
ハチクマの渡りのピークは9/24の165羽で、琵琶湖の北を通る日本海側がメインルートと思われる。10/5以降も11/4までにノスリが1,751羽通過しそのピークは10/31の505であった。
(滋賀「にほのうみ」NO.31,P15〜18)
・足元の鳥探し(山崎歩)
地域ごとでデザインされたマンホールがあり、各自治体の花、樹木、鳥等がモチーフにされている。鳥を見ていると、足元にはなかなか目が向かないが、足元の鳥も探してみて下さい。
(滋賀「にほのうみ」NO.31,P21)
●2013/1 北九州
・野鳥にとって換羽は命がけ
鳥の羽はハチドリの仲間で900〜1,000枚、イエスズメは3,500枚前後、オオハクチョウは約25,000枚(ロジャー・ピータンソン「The Birds」)とされ、単位表面積あたりの枚数はハチドリの方が多い。換羽は飛ぶ能力維持しながら少しずつ行う種と一気に抜け替わり、一時期飛べなく種がある。後者は体重の割に翼面積が小さいカモ類やクイナの仲間で見られる。小鳥類は春から夏に繁殖を2度行う種が多く、その直後の全身の換羽で多くの体力を消費する。
(北九州「北九州野鳥」NO.319,P11)
●2013/1 熊本県
・タカの渡り報告(井上賢三郎)
9/9〜10/29、県内22箇所で調査した。アカハラダカは天草の六郎次山で912:2,723、9/13:1,428とピークを記録したが、対馬の5%程度であった。ハチクマは1日に数羽の観察が多く、大分県の佐賀関で9/21〜28、計498羽は熊本県で見られていない。サシバは10/1以降、観察数が増え、10/7に箱石でピークの647羽を記録した。その他期間中観察された数は、過去5年間の平均で、ツミ:66、ハイタカ:37、オオタカ:10、ノスリ:23、ミサゴ:6、チゴハヤブサ:26、ハヤブサ:4、チョウゲンボウ:4。ツミ、ハイタカ、ノスリは観察が終わる10月末以降、渡りが増える。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.304,P2〜10)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.648
●2012/12 旭川
・達人が伝える野鳥の楽しみ方(本部 主席研究員 安西英明)
・ウのコロニーは北緯45度に(千葉博光)
●2013/1 大阪
・日本鳥類目録改訂第7版 ムシクイ類の変更は(大西敏一)
・ユリカモメの幼鳥(和田岳)
・南港野鳥園存続意見書に対し大阪市から回答
・セジロタヒバリ 大阪府初記録(木村壱典)
●2013/1-2 島根県
・小翼羽(長廻哲雄)
●2013/1 福岡
・福岡県初記録カンムリオウチュウ、国内3例目キバラガラ(編集部)
●2013/1 筑後
・ツクシガモ(研究部 溝田泰博)
●2013/1 宮崎県
・クロシロカンムリカッコウ初記録
・凄かったヒヨドリの渡り
・2012年金御岳サシバ
・ツバメ4割の地区で減った(111/29 宮崎日日新聞)
●2012/12 旭川
・達人が伝える野鳥の楽しみ方(本部 主席研究員 安西英明)
支部創立40周年記念講演より。命の原則は生き延びる事ではなく、他の命を食べる事、食べられる事が大原則で、生き延びた一部が子孫を担う。これで多様な種が生きており、生物多様性の基本である。自然には素晴らしさ、厳しさの両側面があり、心そこにあれば、鳥はたくさんいる。それは野生で生き延びた命のほんの一部であるが、その命の背景にはたくさんの命が関わっている。巡る季節の素晴らしさの中、命がつながっていく。
(旭川「北の野鳥」NO.47,P6)
・ウのコロニーは北緯45度に(千葉博光)
Cormorantは鵜類の英名で、強欲者、大食漢の意味がある。鵜は江戸時代にウミウを「しまつ」、カワウに「かわつ」との異名があり、区別されていた。カワウは2000年の全国推定では5〜6万羽に増え、北海道から沖縄まで生息が確認されている。2000年以前は北海道ではカワウは迷鳥とされ、2001年、幌延町天塩川で約30羽、数個の巣が発見され、翌年には約300羽、100近い巣が確認され、北海道初のコロニーと報道された。ここ数年旭川でも道北へ向う途中のカワウが見られる。幌延町のカワウは07年のDNA検査では滋賀県と青森県の系統であった、2012年には巣の数1,000を数える。
(旭川「北の野鳥」NO.47,P14〜15)
●2013/1 大阪
・日本鳥類目録改訂第7版 ムシクイ類の変更は(大西敏一)
ムシクイ類のトピックスはメボソムシクイが3種に分かれた事である。1つはユーラシア大陸北部に分布する基亜種とアラスカ西部に分布する亜種で、コムシクイ(従来亜種コメボソムシクイ)、2つ目は北海道〜カムチャッカ、サハリンに分布するオオムシクイ(和名復活)、3つ目は本州〜九州に分布する「ゼニトリ」のメボソムシクイとなる。ジジロ ジジロと3拍子で囀るのは亜種コメボソムシクイとされていたが、今ではオオムシクイである。この3種の識別は難しいが、メボソは羽色が最も黄緑色味をしており、大きさも一番大きく、コムシクイが一番小さい。
(大阪「むくどり通信」NO.223,P4〜7)
・ユリカモメの幼鳥(和田岳)
ユリカモメの幼鳥はパンやスナック菓子を人が与えた場合、集まる比率が高い。
イカナゴ等の魚を給餌した場合は集まる割合は余り変化せず、幼鳥は魚よりパンの方をよく食べる。京都の鴨川でのユリカモメの幼鳥の比率は1割程度で、大阪の大和川河口では1%程度であった。参考:平田、長谷川「給餌に集まるユリカモメの年齢構成 餌タイプによる比較」(2012 大阪市立自然史博物館研究報告)。
和田 Strixs 12 45-53。
(大阪「むくどり通信」NO.223,P11)
・南港野鳥園存続意見書に対し大阪市から回答
10/25、大阪市より回答があった。紋切り型で質問に正面から回答していない。
回答全文は支部のサイト内の「南港野鳥園を守ろう」に掲載している。
(大阪「むくどり通信」NO.223,P13)
・セジロタヒバリ 大阪府初記録(木村壱典)
10/17〜20、高槻市でコスモ畑に隣接する田圃で、セジロタヒバリを確認する。
塒、休憩地はコスモ畑、「チュッチュッ」との声は地鳴きと思われる。
(大阪「むくどり通信」NO.223,P22)
●2013/1-2 島根県
・小翼羽(長廻哲雄)
ノスリは上空で静止(ハンギング)し、風上に向かって翼にある小翼羽を広げたまま、脚を伸ばしてゆっくり降下し、餌を捕る。ハヤブサのハンティングでも小翼羽を開く。小翼羽は普段は閉じており、着地する時などで速度が遅くなり、翼の揚力が足りなくなると広げて、翼上面の気流を整え、揚力を維持する。小鳥にも小翼羽はあるが、猛禽類では特発達している。
(島根県「スペキュラム」NO.151,P4)
●2013/1 福岡
・福岡県初記録カンムリオウチュウ、国内3例目キバラガラ(編集部)
11/14、福岡市植物園でカンムリオウチュウが県内初記録として撮影された。国内では南西諸島、舳倉島、長崎県や鹿児島県の離島で観察されている。12/3、春日井市の公園でキバラガラが撮影された。国内初記録は09/12/1、福岡市の防風林で、その翌年4〜5月、舳倉島で見つかっている。
(福岡「野鳥だよりふくおか」NO.399,P11)
●2013/1 筑後
・ツクシガモ(研究部 溝田泰博)
嘗て諫早湾は最大のツクシガモの越冬地であったが、干拓化でツクシガモは東方へ移動し、最近は瀬戸内海沿岸で増え、倉敷市では200羽を超える記録がある。これはカモ類とは別グループで世界で7種だけである。食性は基本的に動物食で採餌は主に干潮時に行う。時には水際に漂うアオサを食べる。
(筑後「まめわり」NO.140,P9)
●2013/1 宮崎県
・クロシロカンムリカッコウ初記録
7/22、宮崎市で電線にとまる鳥が、本部で識別して貰った結果、クロシロカンムリカッコウで沖縄県西表島で97/5観察された例があるが、内地初記録種となった。カッコウの仲間で托卵し、東南アジアではミャンマーで雨季の5〜11月に見られ、中国南部では夏鳥として渡来する。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.235,P7〜8)
・凄かったヒヨドリの渡り今季の冬鳥は昨季の「冬鳥異変?」と一変し、大盛況であった。「今冬は寒さが厳しい」「東北地方の木の実が不作」等指摘もある。ヒヨドリは9月中旬〜11月下旬に渡ったが、10/19、朝9時、一ツ瀬川河口で数百〜千羽の群3群、10/22、朝7時半〜8時、一ツ葉入江で5百〜千数百の群が8群、計5千羽以上のヒヨドリの渡りがあった。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.235,P9〜10)
・2012年金御岳サシバ
2012年のサシバの渡りは例年と異なり、ピークらしいピークが無く、累計18,282羽で前3シーズンより1千〜2千少なかった。大きなタカ柱も無かった。白樺峠と静岡市の通過個体を合計すると、2万4千羽、これに近畿以西の分を加えると、金御岳の18,282羽は見落としがある可能性がある。今回は晴天続きで、見つけづらい高空を飛んだ、盆地の西側を南下したり、東側山地稜線を南下する個体が多かった、午後3時以降通過した個体はカウントから漏れた等の理由がある。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.235,P15〜18)
・ツバメ4割の地区で減った(111/29 宮崎日日新聞)
野鳥の会は全国の市民、会員にツバメの生息状況を尋ねた結果、8,400人から回答があり、ツバメの分布域は従来とほぼ同じであったが、この10年間で減少したとの回答が4割もあったと発表した。減少要因は「カラスが襲う」が最多で、「人による巣の撤去」「ヘビ等のカラス以外の天敵の影響」「農地や自然環境の変化」と続いた。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.235,P25)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.649
●2013/1 宮城県
・2012年秋シギチドリ類生息調査(調査保護グループ 嶋孝弘)
●2013/1 奥多摩
・奥多摩支部の発展のために(4)
・タカの渡りをもっと楽しく見たい(栗原直樹)
・鳥、虫、トビウオ、飛行機はなぜ飛べるのか(蒲谷剛彦)
・ウソ(関根常貴)
●2013/2 軽井沢
・アオバトと妖怪(野声禽語)
●2013/1-2 諏訪
・アウル(ふくろう)諏訪活動
・中西悟堂氏の詩碑改修(林正敏)
●2013/1 奈良
・平城宮跡のツバメの集団塒(岩井明子 岡口晃子 中元市郎)
●2013/1-2 鳥取県
・ブッポウソウ物語 巣箱からオオコノハズクの顔 (なんだ&よみす)
・2012年ヒヨドリの渡り調査(池田兆一・純代)
●2013/2 北九州
・福岡県の希少鳥類 ベニアジサシ、ミゾゴイ
●2013/1 宮城県
・2012年秋シギチドリ類生息調査(調査保護グループ 嶋孝弘)
9/16、県下6箇所の湖沼、干潟を調査した。蕪栗沼:タシギ24、タカブシギ20、トウネン8、アオアシシギ4、コアオアシシギ4等、蒲生海岸:トウネン160、キアシシギ7等、鳥の海:トウネン130、ソリハシシギ15、アカアシシギ14、ミユビシギ14、コアオアシシギ10、コチドリ10等。
(宮城県「雁」NO.257,P22)
●2013/1 奥多摩
・奥多摩支部の発展のために(4)
支部会員の半分以上が支部報のみの接点になっている。「バードウォッチングを通して、あるがままの自然を楽しめる人、その価値を理解する人を増やす」を進めているが、「探鳥会に参加できなくても、野鳥や野鳥を取り巻く自然についてもっと知りたい」と思われる会報に充実させていく必要がある。HPで情報充実も図り、地の利を生かした探鳥会を企画し、その充実を図る。会員が持っている情報を支部報、HPに寄稿をお願いする。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.210,P2〜3)
・タカの渡りをもっと楽しく見たい(栗原直樹)
雨の2日後良く飛ぶとあるが、今年は雨の翌日も良く飛んだ。渡りの当初は丘陵側(天覧山→梅の公園)、後半は平地側(六道山→友田・羽村)を通る事が多い。上昇気流の発生は大きな要素であろうから、トビの旋回を記録しては。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.210,P4〜5)
・鳥、虫、トビウオ、飛行機はなぜ飛べるのか(蒲谷剛彦)
9/1の東大名誉教授東昭氏の講演から。植物の種子の形状が翼理論の導入である。アスペクト比(翼の縦と横の長さの比)が大きいと飛ぶ効率は良いが、減速が難しい。短距離で止まる必要があるムササビはその比が小さい四角い翼を持つ。鳥は尾羽も使って減速し、体型を変えて重心を移動し飛行姿勢をコントロールするので、色々な翼の形状を持つ。鳥の翼を支える強度から飛ぶ鳥の体重は12kg(ハクチョウ類)が限界である。スズメも羽ばたきは効率的にヒヨドリと同様に波形状に飛ぶ。地上や海面近くを飛ぶ時はグランド・エフェクト(地面効果)で、大きな揚力が得られる。海では風向きが安定しているため、ダイナミックソアリングで長時間飛べるが、陸に上がると、海鳥は気流の乱れに弱い。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.210,P21〜23)
・ウソ(関根常貴)
繁殖期のウソの記録を見ると、96/6/19、桧原村の都民の森、2000/5/22、大菩薩峠、2001/7/18、御岳山等がある。ウソの記録が無い年が過去に4回あり、95〜96年の冬、04〜05年の冬、05〜06年冬、11〜12年冬である。06〜07年冬はウソがかなり多く、今季は6年ぶりにウソが多い。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.210,P27)
●2013/2 軽井沢
・アオバトと妖怪(野声禽語)
暗い森の中の緩やかな登り道を抜けると開けた高原で、毎年、夏に30〜40羽のアオバトの一団が居座る。彼らを惹き付けたのは、キャベツ畑のために山積みされた肥料の脇に溜まる雨水である。アオバトは肥料から染み出したミネラルを摂っていた。アオバトの採餌場所を探しに行くと、「そこには妖怪のようなものがいて、アーオ、アーーウウウと不気味な呻きを聞く」と言う。怪異現象が氷解した。
(軽井沢「野鳥軽井沢」NO.358,P2〜3)
●2013/1-2 諏訪
・アウル(フクロウ)諏訪活動
諏訪地方でフクロウの繁殖活動の手助けをしている。昨年は3つの巣箱から7羽の雛が巣立った。全体会議で岡谷から富士見までの6市町村に設置した巣箱の実績が報告された。フクロウの警戒心の強さ、人畜からの影響度、山林所有者への配慮等から普通の小鳥の巣箱とは違った管理、観察が求められる。
(諏訪「いわすずめ」NO.148,P3)
・中西悟堂氏の詩碑改修(林正敏)
11/6、軽井沢町の国設小鳥の森で中西悟堂歌碑「ここぞ たかはら」の改修除幕式があった。この詩碑は1979年に設立され、星野温泉周辺の森を散策中、カラマツ林でカッコウが鳴くのを聞いて詠んだ詩と言われる。今回、木枠の老朽した部分が一新された。軽井沢町長は「軽井沢の探鳥地の素晴らしさを教えてくれたのは悟堂先生」と祝辞を述べた。
(諏訪「いわすずめ」NO.148,P4)
●2013/1 奈良
・平城宮跡のツバメの集団塒(岩井明子 岡口晃子 中元市郎)
7/23〜10/4、同地でツバメの塒入りを観察した。最大数が約2万羽(8月初め〜9月初め)で9/25:4,000、9/26:100、9/27:10、9/29:0。期間途中で塒入り数の増減があるが、それは先行した渡りの集団や新たな塒参加があるためと思われる。塒入りは日の入10分前頃から葦に留まり始めて平均」33分で塒入り完了する。塒発ちは日の出30〜40分前に始り、日の出でほぼ完了する。
(奈良「いかる」NO.140,P2〜4)
●2013/1-2 鳥取県
・ブッポウソウ物語 巣箱からオオコノハズクの顔 (なんだ&よみす)
日南町のブッポウソウは毎年7月に標識調査がされる。スズメと巣箱をめぐる攻防を見る。巣箱に入る最大の鳥はカッコウで、托卵はせず、何故入るのか不可解である。ブッポウソウは巣箱にカラスやトビやサシバが近づくと追い払うが、カッコウには怯えた様子である。ブッポウソウが巣箱からシジュウカラが産んだ卵がある巣ごと、くわえて外へ捨てた例もある。2010/6、巣箱からオオコノハズクが顔を出し、後日の調査では巣箱内は何も無かったが、下に真っ白で真丸のオオコノハズクの卵と思われる殻が落ちていた。
(鳥取県「銀杏羽」NO.125,P11〜13)
・2012年ヒヨドリの渡り調査(池田兆一・純代)
10/8〜11/1、朝7時〜9時、調査した。最大の群は10/22の450羽であった。ヒヨドリの渡りはツキノワグマの出没と同様の傾向を示し、2006年、2010年は両種とも多く出没した。両種とも山の恵みの豊凶に影響されている。県内の渡りの群は蒜山→大山南麓→日野川河口、県中央部→大山北麓→日野川河口、その後島根半島を迂回して九州へ向うと思われる。
(鳥取県「銀杏羽」NO.125,P14〜15)
●2013/2 北九州
・福岡県の希少鳥類 ベニアジサシ、ミゾゴイ ベニアジサシは奄美大島以南で繁殖していたが、1993年、大牟田市の三池島で繁殖コロニーが発見された。200〜500羽が夏に飛来するが、繁殖数は年により大きく変化する。ミゾゴイは日中森林から出る事はなく、殆ど目に付かず、気付かない内に減少してしまった代表種と言える。
(北九州「北九州野鳥」NO.320,P11)
(自然保護室支援・野鳥の会 神奈川/森 要)
■第35回 日本野鳥の会東北ブロック協議会■
日時: |
2012年11月23日
|
場所: |
山形県鶴岡市 いこいの村庄内 |
参加連携団体: |
あおもり、弘前支部、秋田県支部、宮古支部、もりおか、北上支部、宮城県支部、ふくしま、こおりやま、二本松、白河、南相馬、やまがた(担当)
|
【開会あいさつ 梁川代表より】
酒田で開催と昨年アナウンスをしていたが、鶴岡市での開催となった。
天気が悪い時期となったが、70名での開催となった。震災のことを語らずに済ますことはできなくなった。野鳥を取り巻く環境も変わってきているが、これまでと変わらず鳥を見守って活動を行なって行きたい。
【来賓祝辞】
酒田で開催と昨年アナウンスをしていたが、鶴岡市での開催となった。
天気が悪い時期となったが、70名での開催となった。震災のことを語らずに済ますことはできなくなった。野鳥を取り巻く環境も変わってきているが、これまでと変わらず鳥を見守って活動を行なって行きたい。
<山形県環境エネルギー部長森谷氏 代理>
山形はブナの原生林、朝日連峰と変化に富んだ環境のもと、多くの鳥獣が生息し、豊かな生物多様性を次の世代に引き継いでいくために、野鳥の会が協力を頂いているとの祝辞。
<鶴岡市長代理 中村環境課長>
大山上池・下池にセンターが今年の春にオープン。保護や環境教育の拠点となっている。
<柳生会長>
今年、ツバメ調査は全国に鳥好きの人がいかに多いかを実感させられた。
来年、野鳥の会は80周年になる。みんなで盛り上げていきたい。80周年に際して、野鳥の会を支えてくれた方を表彰したいと考えている。
大山上池・下池に昨日行ったが、素晴らしい場所だった。ここは前回のラムサール会議の際に登録湿地となったが、今回のラムサール会議でも多くの湿地が登録地になった。その折にも各地で連携団体の活動があった。
【講演会】
「脱原発のためのエネルギー対応と日本野鳥の会の役割」(公財)葉山
脱原発後のエネルギー対応として、気候変動への対応を含めて自然エネルギーに頼らざるをえない現状の中での実現の可能性と省エネルギーの重要性およびその過程での自然への影響を抑える野鳥の会の役割につて話があった。
【財団よりの報告 佐久間理事】
- 80周年の記念事業で表彰について
- 連携団体全国総会は、次年度は11/9,10を予定している。
- 野鳥情報ネット参加のお願いとストリクスの販促について、投稿についてのお願い。
- 探鳥会保険について、賠償責任保険を独自でかけていただきたい。
- ツバメ調査 多くの方の協力を得た。結果を11月28日にメデイア向けに発表予定。
来年も調査を行うので協力を
【議事】
- 平成23年度会計報告が、日本野鳥の会秋田県支部より行われた。
- 北上支部より ヨシガモ、ハシビロガモ、クロガモ、タシギ、ヤマシギ、バンの6種を狩猟鳥獣からの除外する要望を決議したいとの提案があり、議論の結果、決議として、やまがたより各県知事、環境大臣宛に提出することとなった。
- 次期開催について、こおりやま担当で行うこととなった。
【各連携団体よりの活動報告】
<あおもり>
蕪島のライトアップ計画について、反対の表明を行った。
八戸長者山付近でミヤマガラスが急増し、分や騒音被害となっており調査を開始した。
<弘前>
弘前公園のカラスのねぐらが問題となっている(約6000羽)
津軽半島で風力80機の計画 鳥以外にも問題がある。砂地だが地下に粘土の遮水層があり湿地となっているため、工事で水が失われる懸念である。
<秋田>前年の決議を環境省に届けた。
1月、ガンカモ調査実施。タカの渡り調査実施。高野渡り調査ではトータルで600程度 ハチクマ1日で240羽程度を確認。
<宮古> 震災の影響 4600戸が流出。営巣場所の喪失でツバメも影響があり、さらに復興工事での巣の撤去もあった。漁業の衰退でウミネコに影響が出ている。
<盛岡>
ホームページをブログで再開
探鳥会で入会案内を配布、新入会員あり。
イヌワシの保護区で下刈りを実施
<北上>
財団のカンムリウミスズメの調査に同行
<宮城>
震災で中止していた鳥の海、蒲生での探鳥会復活した。
蒲生は、特別鳥獣保護区の継続可能かの調査中、5ケ年計画。シギ・チドリの採餌環境として質が悪化。今後の回復を調査したい
気仙沼で地盤沈下によりできた湿地の水鳥調査を実施
<ふくしま>
洋上風力発電に際して、調査の実施を求める要望書を県に提出。
<こおりやま>
野鳥学習館で、毎日会員が解説活動
<二本松>
今年から通常どおり月2回の探鳥会実施の活動となった。カワウ、ガンカモ、クマタカの調査を行なっている。
<白河><
ケリの調査が特徴
昨年の震災復興イベントの結果として、今年も栃木・ふくしまと合同探鳥会を実施したが、栃木の参加者が4人と少なかった
<南相馬>
震災・放射能漏出の影響でほぼ活動は停止。市民探鳥会3回実施、ツバメ調査に協力した。
<山形>コアジサシの保護活動中
新たなコロニーに、風力発電計画があり対応中。
議事終了後、懇親会とオークションが行われた。
翌24日は、早朝、雨まじりの天候ではあったが大山上池で探鳥。
ホテルに戻り、マタギの松原英俊さんのお話を聞く会が行われた。
(自然保護室 葉山 政治)
■目録改訂の対応(チェックリストとオリジナル図鑑の改訂)■
日本鳥学会が日本鳥類目録改訂第7版を2012年9月に発行し、これまでの分類から大きな変更があったことは本通信や野鳥誌でも紹介してきました。連携団体(支部)におかれましては対応に苦慮されているところが少なくないと思われますが、当会では新たな分類に準拠できるものは、準拠できるものから準拠していきたいと考えています。発行物としては、既に『野鳥チェックリスト』は第7版掲載の分類順に633種を並べたもの発行しました(別途、主な外来種をまとめ、主な亜種を記載する欄を設けました)。
「新・山野の鳥」「新・水辺の鳥」の改訂は、4月発行に向けて編集段階となりました。新たな分類に沿った改訂が基本ですが、この機会に表紙も刷新し、新たな情報も追記することにしました。詳細は、今後の支部ネット通信などでご紹介いたします。初心者用というコンセプトを崩さないままで、ベテランにも役立つよう、探鳥会などでも使えるようにして、お勧め、活用いただけるものを目指しています。ご期待ください。
(普及室/江面 康子)
■「探鳥会スタッフ通信」を発行します■
2014年度は当会設立80周年にあたります。普及室ではこの80周年を節目に探鳥会の意義やあり方を見直していこうと、「探鳥会スタッフ通信」を発行することになりました。
探鳥会は、80年間の会の活動の中でも根幹を担ってきた活動です。自然を守る仲間作りや自然保護の問題を世の中に訴えていく場であることはもちろん、広く国民の中に野鳥を見る文化を浸透させる役割も担ってきました。
しかしながらここ数年は、社会状況の変化もあり、支部やブロックの会議でも探鳥会のあり方や内容、実施方法などを見直していく必要性があるのではないかといった声が聞かれるようになってきました。また各地の支部では、そうした問題意識をもって新しい方法を模索する動きも進んでいます。たとえば、探鳥会の危機管理や保険制度の見直しといったテーマや、以前野鳥誌でも紹介されたことがある20〜30代を対象とした「young(ヤング)探鳥会」の取り組み、探鳥会参加者を入会につなげるための「仮入会制度」の導入という取り組みがいくつかの支部で研究されています。
探鳥会スタッフ通信では、今日的な課題に対する様々な取り組みを支部の現場から情報提供していただき、直接探鳥会を運営しているスタッフの方に配信していきたいと考えております。配信の対象は支部の幹事や役員の方はもちろんのこと、メールを受け取ることのできる探鳥会スタッフすべての方が対象です。ぜひ、下の申し込み方法をご覧いただき、各自でお申込みいただければと思います。また支部におかれましては、探鳥会スタッフの方への広報をお願いできればと思っております。
■配信対象
日本野鳥の会の支部の探鳥会スタッフの方。メールを受け取ることのできる方。
(メールを受信できない方は、支部事務局あてに紙媒体で2部お送りさせていただきますのでそちらをお受け取りください。)
■ニュース配信期間
2013年4月〜2015年3月
毎月始めに発行。3月は準備号を発行の予定。
2015年3月で一旦通信を終了し、事業を見直します。
■配信携帯
電子メールでの配信と、各支部事務局あてに紙媒体での送付(2部)
■発行元
(公財)日本野鳥の会普及室 メールアドレス:[email protected] 電話 03-5436-2622
■主な連載記事(予定)
1 安西さんの探鳥会講座
2 探鳥会のリスクマネジメント
3 探鳥会の事例紹介
4 各月の探鳥会保険集計結果
5 その他
■お申し込み方法
メールで、「探鳥会スタッフ通信希望」と明記の上、1)支部名 2)担当探鳥会名 3)お名前
4)ご住所 5)電話番号 6)メールアドレス を明記の上、[email protected] までお送りください。
(普及室/箱田 敦只)
■連携団体(支部等)向卸販売をご利用ください■
「バードショップカタログ2013春夏号」が間もなく発行となります。3月下旬には、販売事業ご担当者様宛にも連携団体(支部等)向卸販売のご案内と合わせてお届けします。各支部での販売を通じて、バードウォッチングや自然保護の輪が広まるとともに、販売収益が支部活動の一助となるよう、期待しております。拡販にご協力をお願いします。
●2013年春夏号の特集・おすすめ商品
(1)ツバメグッズ特集
現在展開中のツバメキャンペーンにちなみ、ツバメに関するグッズを集めました。ツバメに変身できるバンダナ「ツバメバンダナ」や、観察記録用ノート「つばめかんさつノート」、ツバメの体のしくみがわかるクリアファイル、イラスト入りマグカップなど、オリジナル新商品も多数ご用意しました。
(2)キャンペーン「千人の森」2013
今回で3回目となるキャンペーン。Tシャツ1枚につき250円を当会が実施するシマフクロウ保護活動の資金として使わせていただきます。Tシャツのイラストは、前回同様、絵本作家・村上康成氏です。
(3)野鳥観察ハンディ図鑑『新・山野の鳥』『新・水辺の鳥』改訂版
2012年秋に発行された『日本鳥類目録 改訂第7版』に準拠するよう、分類を更新しました。また、解説文も見直し、より観察に便利な情報も盛り込みました。
ほかにも、野鳥や自然に関する商品を多数掲載しております。みなさまのご利用、お問い合わせをお待ちしております。
●支部卸販売のご注文、お問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636 Email:[email protected]
(普及室/江面 康子)
■「シンポジウム・野鳥と洋上風力発電
−野鳥保護と自然エネルギーの共存を目指して」を開催しました■
2013年1月13日(日)に「シンポジウム・野鳥と洋上風力発電−野鳥保護と自然エネルギーの共存を目指して−」を立教大学(共催)で開催しました。
当日は、連休の中日にも関わらず300名近くの参加者があり、北は北海道、南は鹿児島など遠方からもご来場いただきました。
シンポジウムでは、国内外のアセス制度やその課題、日本の海鳥の生態、洋上風力発電が野鳥に与える影響や海鳥の調査手法の国内外事例に関して12名のゲストから以下の講演をいただきました。
【シンポジウム講演内容】
- NEDOにおける洋上風力への取組について(NEDO 大重 隆)
銚子と北九州で実証研究を行うことで塩害や洋上特有の技術課題の克服、気象・海洋条件や発電量の日・月・年変動など洋上風力発電が持つ特性を把握する。また、環境調査を設置前、設置後に実施することで環境影響調査手法の確立を目指している。
- 環境省における洋上風力発電への取組について(環境省・地球温暖化対策課 吉田諭史)
環境省では2030年までに再生可能エネルギーを現状の3倍まで拡大するという目標を持っており、風力発電においては陸上よりポテンシャルの高い洋上での導入が必要である。遠浅の海が少ない日本では着床式より浮体式洋上風車が有望であり、長崎県・五島での実証実験では実用化に向けて風速や波浪の観測のほか、水質や海流、鳥類のバードストライクなど様々な環境への影響調査を行っている。
- 洋上風力発電の技術研究開発・浮体式実証事業に
おける環境影響評価手法の確立のうち鳥類調査につい
て(イーアンドイーソリューション株式会社・高橋牧、
芙蓉海洋開発株式会社・杉岡伸一)
NEDOの実証実験における鳥類調査(事前調査)では、銚子沖でオオミズナギドリ6500羽、ウミネコ600羽、アジサシ350と1年を通してオオミズナギドリが多かった。北九州市沖では春はヒヨドリ600羽、オオミズナギドリ200羽、夏ではウミネコ300羽、オオミズナギドリ200羽となり、季節によって見られる鳥類の種に変化があった。
また、環境省の実証実験における鳥類調査(事前調査)では、1シーズンでのべ28種類、1518個体が確認され、いずれの季節もオオミズナギドリ、カモメ属の1種が多いという結果となった。
- 英国の洋上風力発電計画において鳥類へのリスク低下をもたらす戦略的初期投資の仕組み(海洋エネ
ルギーコンサルタント・Chris Lloyd)
The Crown Estateは、事業者の環境調査への初期
負担を軽減させるため、初年度の調査費用の負担を行
う。また、イギリスの環境影響評価は風力発電施設の
建設場所を検討し、どの程度環境影響評価が必要かを
評価する戦略的環境評価(SEA)、計画地において重大
な環境影響があるかということを調べる環境影響評価
(EIA)、EUと国内法により保護生息地に指定されて
いる場所であるかなどを評価する生息地規制評価の3
種類の異なる評価が義務化されている。
- 風力発電事業に関わる国内の環境影響評価制度(環境省・環境影響評価課・田中獏)
風力発電では、事業者による自主アセスだけではバードストライクなどの環境影響が起きるようになったこと、また地元住民との合意形成にも課題がみられるため、環境省は平成24年10月より風力発電事業を法アセスの対象とした。事業規模の割に費用が掛かりすぎると事業者が訴える法アセスの手続きの迅速化に向け、現在、環境影響が大きいと予想される地域での建設をあらかじめ避けるための情報整備を行っている。
- 風力発電所に関わる環境影響評価の現状とその課題(電力中央研究所・北村亘)
アセス法改正によって、風力発電も他の電気事業と同様のアセスメントが求められるようになった。風力発電においては、複数の発電所を同一地域に設置する際の累積的複合影響をどのように評価するか、新たに加わった手続きである「配慮書」と「報告書」への対応、複数地点案のあり方の検討などが今後の課題である。
- 日本に生息する海鳥の特徴・点在する営巣地と柔軟性の高い繁殖行動への配慮(名城大学・風間健太郎)
海流や餌となる海洋生物の量に応じて餌場が変わるなど、変動の激しい海洋環境で生きる海鳥の行動は、非常に変わりやすい。洋上風力発電が海鳥に与える影響を評価するには、海鳥の行動変化の大きさを考慮し、建設前短期的な調査と影響予測だけでなく、建設後の長期的なモニタリング調査も必要である。
- 洋上風力発電所と日本近海の海鳥のキーワード(知床海鳥研究会・福田佳弘)
海鳥の調査において、固定翼の普通の飛行機、セスナよりもヘリコプターに対する攪乱の影響が非常に強かった。船舶では海鳥から100m以内に接近した場合に興奮行動などの影響が多く出ることを踏まえ、調査を行うべきである。
- 根室半島における海鳥調査の結果と調査手法の検
討(日本野鳥の会・浦達也)
季節、調査海域、離岸距離、飛行高度よって海鳥の出現傾向に違いがみられた。環境影響評価での海鳥調査においては、詳細に海鳥の状況を把握するにはライントランセクト法が適しており、概要を把握するスナップショット法では希少種があまり把握できなかった。
- 船舶レーダーを使った海上の鳥の調査−その可能性と限界−(バードリサーチ・植田睦之)
レーダー調査は夜間や濃霧の日でも鳥の飛行状況を把握でき、長期間のデータ収集も可能であることから、目視では不可能な鳥の行動も把握できる。その一方で、波が高い日や雨の日は調査ができず、また種までは判別ができないなどの欠点がある。
- 野鳥と洋上風力発電−デンマークでの経験から−(オーフス大学・Mark Desholm)
洋上風力発電所は回避(障壁効果)、生息地の喪失、衝突死など野鳥にとって危険をもたらす。デンマークでは洋上風力発電所近辺に生息していたアビが建設後、発電所内2km内の生息地を放棄した。また、あるカモ類の多くはウインドファーム全体を回避していることが分かった。これらのデータは目視観察だけでなく、レーダーなどの遠隔調査技術を用いることで収集できる。
最後のディスカッションでは、国外事例と比較しながら今後日本ではどのような情報整備が必要か、導入や改善が必要な制度や仕組みがあるか、導入すべき調査手法や評価技術などについて6名のパネラーが議論しました。海洋に関しては海鳥をはじめ生物に関する基本的な情報が不足しているので、今後は行政、研究者、民間団体はどの利害関係者が一緒になって、海洋生物の情報整備や共有を進める事が必要であるとまとめられ、洋上風力発電と野鳥に関して今後も当会が果たす役割は大きいと、あらためて認識しました。また、会場からは風車そのものの耐用年数に関する質問や、国内の情報共有だけでなく、渡り鳥が渡る関係国との情報の共有も重要ではないかという意見がでました。
参加いただいた多くの方から"事業者、行政、研究者、民間団体すべての利害関係者が一つの方向を目指して議論したことは、自然エネルギーと野鳥保護が共存するための大きな一歩となった"、"このようなシンポジウムを継続的に開催してほしい"などの声をいただいており、当会としても今後も自然エネルギーに関する国内外の最新事例の情報収集を続け、定期的に皆様に情報提供していきたいと思います。
なお、本シンポジウムの内容についてまとめた野鳥保護資料集29を今夏に発行する予定です。詳細は野鳥誌および当会ホームページにてお知らせいたします。
(自然保護室 植月智子)
■評議員会傍聴申込要領について■
平成25年度第1回定時評議員会の傍聴申込要領をお知らせします。
- 開催日時:平成25年6月11日 15:00〜17:00
- 開催場所:ニューオータニイン東京 4F会議室(つばき) JR大崎駅徒歩1分
TEL:03-3779-9111
- 当日の議案:理事選任の件(決議)
平成24年度事業報告及び決算の件(報告)
平成25年度事業計画及び予算の件(報告)
理事会結果報告の件(報告)
- 申込要領:会場の都合上、傍聴は連携団体(支部等)1人を限度とします。
参加希望者は、連携団体(支部等)の代表を通じ、メール又はFAXで下記あてにお申込み下さい。
申込先:日本野鳥の会総務室総務G(奥田)
メールアドレス [email protected] FAX(03-5436-2635)
- 申込期限:平成25年4月26日(金)必着
(総務室/奥田秋穂)
■会員数■
3月1日会員数37,997人(対前月-31)会員数は先月に比べ31人減少しました。
2月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より19人少なくなっています。
会員の増減は入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ
会員として復活した人数によって決まります。2月の入会者数は207人で、前年同月の
入会者150人に比べ50人増加しました。また、2月の退会者は226人で、前年同月の退会者
306人に比べ80人増加しました。
表1.2月の入会・退会者数
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
★お詫び
1月の入会者数年度累計は1,510人となっていましたが、正しくは1,503人でした。
訂正させていただきます。
●都道府県および支部別会員数
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2.都道府県別の会員数(3月1日時点)
備考:その他は海外在住の会員を示します。
表3.支部別の会員数(3月1日現在)
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
■支部ネット担当より
寒暖の変化が激しい毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。東京では過ごしやすさを感じる日が徐々に増えてきました。ふと見上げると梅の花を見ることもでき、春を感じます。
いつも支部ネット通信をご愛読いただき有難うございます。
■支部ネット通信は電子メールでも配信をしています。電子メールでの配信を希望される場合は下記メールアドレスまでお気軽にお申し込みください。
支部ネット通信 第108号
◆発行
日本野鳥の会 2013年3月22日
◆担当
総務室 総務グループ 奥田秋穂/松井江里奈
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2620
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected] |