■支部報保護・調査記事関連トピックス■
本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会の会員へ配信しております。
本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.609
●2012/4 小樽
・鳥に因んだアイヌ語地名 (小笠原惇六)
●2012/4 道北
・ワシの越冬個体調査 (村山)
●2012/晩春の巻 弘前
・津軽十三湖風力発電事業について (支部長 小山信行)
●2012/4 千葉県
・冬鳥が少ない (幹事会)
●2012/4 甲府
・ライチョウを追って (小林美博)
・イソヒヨドリの繁殖 (都留文科大学講師 西教生)
●2012/4 奈良
・今冬の冬鳥たちは・・・? (上山義之 阪口昌通)
・2012ガン・カモ調査結果
●2012/4 香川県
・ハシビロガモのユニークな採食行動 (川南勉)
●2012/4 高知
・第11次鳥獣保護事業計画(案)へ意見書提出 (西村公志)
●2012/4 福岡
・ハチクマの春の渡り大量飛来記録例 (山本兆司)
・2012年ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査結果 (研究部)
●2012/4 小樽
・鳥に因んだアイヌ語地名 (小笠原惇六)
永田方正の「蝦夷語地名解」に約6千の地名が載っており、内、鳥に因んだ地名は111箇所ある。鵜が15箇所で最も多く、櫻鳥(ムクドリ?)は9箇所で札幌に多く、鴎は6箇所である。チカプ(鳥)の一般名が付く場所は28箇所がある。
チカポイ=鳥多き処、チカプナイ=鳥の沢・・・等。鷲鷹類も16箇所あり、羽根を矢羽根の用途で和人と交易していた事を示す。北海道には読めない記号みたいな地名が多く、明治政府がアイヌ語を消滅させ、日本に同化させ無理やり漢字にした結果である。
(小樽「あおばと」NO.132,P4〜7)
●2012/4 道北
・ワシの越冬個体調査 (村山)
道北の15箇所で5日間、調査した。総個体数は12/4:244、12/25:251、1/22:242、2/19:246、3/4:260。3/4の内訳はオオワシ成98、幼40、計138。オジロワシ成83、幼31、計114。不明種8。
(道北「オロロン」VOL.35 NO.4,P5)
●2012/晩春の巻 弘前
・津軽十三湖風力発電事業について (支部長 小山信行)
現在、十三湖南部に15基、つがる市の屏風山メインロード沿いに55基の風力発電風車建設の計画がある。12/7、支部は十三湖南部の環境影響評価方法書に対し意見書を出した。鳥谷川下流、岩木川下流はIBA(重要鳥類生息地)で、マガン、ヒシクイ、ハクチョウ類の渡りのルートに当り、十三湖にはオジロワシ、オオワシ等が越冬し、竜飛岬に連続する野鳥の渡りルートであり、建設は不適当である。
(弘前「初列風切」NO.169,P3〜4)
●2012/4 千葉県
・冬鳥が少ない (幹事会)
例年、千葉県内どこでも見られたツグミが少ない今年の冬であった。アカハラ、シロハラ等の大型ツグミ類、ジョウビタキ、ルリビタキ、シメ、マヒワ等の飛来も少なかった。東京湾で10万羽ほど越冬するスズガモも、三番瀬の環境悪化で減る傾向である。ここ数年、淡水ガモも減っている。コハクチョウは北の地域の雪の影響のためか、飛来数は増えたが、銚子のカモメは原発事故の影響で水揚げ魚種が変わった、連日漁が無かったためか、激減していた。
(千葉県「ほおじろ」NO.372,P2)
●2012/4 甲府
・ライチョウを追って (小林美博)
過去4年間、ラインセンサスでライチョウの生息数を調査した。鳳凰三山で確認0(調査3回)、白根三山で確認総数23羽(調査12回)、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳、アサヨ峰で確認総数22羽(調査20回)。白根三山の確認は殆どが中白根〜間ノ岳で、♀6、Juv14ある。仙丈ケ岳、アサヨ峰はライチョウは多いが、甲斐駒ケ岳での目撃は少ない。
(甲府「カワセミ」NO.118,P2〜3)
・イソヒヨドリの繁殖 (都留文科大学講師 西教生)
大月市で2011/5、イソヒヨドリの繁殖を確認した。人家の2階に巣があり、300m離れた民家でも営巣が見られた。6/3、4に各1羽の巣立ちがあった。01〜03年、大月市内で、イソヒヨドリを見ているが、いずれも♂1単独で、09/7に巣立ち雛を確認していた。神奈川県相模原市で2009年、イソヒヨドリが繁殖し(田淵俊人 2010 BINOS17:47-50)、神奈川県、東京都方面から山梨県東部に進出している?
(甲府「カワセミ」NO.118,P5)
●2012/4 奈良
・今冬の冬鳥たちは・・・? (上山義之 阪口昌通)
奈良公園の定例探鳥会での2006〜2010年と今冬の出現率を比較した。ビンズイは11〜4月、従来出現率100%は今冬1月のみ出現。タヒバリ:11月と2月のみ見られ、他の月出現せず。ジョウビタキ:今冬12月と2月のみ出現。トラツグミ、アカハラ、カシラダカ、アオジ、マヒワは今冬、全く見られず。シロハラ:1月と3月のみ出現。シメ:1月のみ出現。ツグミは今冬は1箇月遅れで出現したが、例年よりかなり少ない。大和川では昨冬のツグミは11月:7、12月:5、1月:24、2月:19、3月:11、4月:16に対し、今冬は3月の11羽のみ。アオジは昨冬、1月:9、2月:2、3月:2に対し今冬は2月:1、3月:2のみ。
(奈良「いかる」NO.137,P1〜2)
・2012ガン・カモ調査結果
1/8〜15、奈良県内120箇所を調査した。カモ類総数は15,399羽で前年より約3千羽減少した。オシドリは渡来期に災害関連でダム湖の水を抜いた影響か1,800羽も減少した。結果の内訳はコガモ4,039、マガモ3,405、カルガモ1,737、ヒドリガモ1,655、オシドリ1,611、ハシビロガモ1,558、キンクロハジロ712、ホシハジロ339、ヨシガモ152、オナガガモ78、オカヨシガモ53等。
(奈良「いかる」NO.137,P7〜9)
●2012/4 香川県
・ハシビロガモのユニークな採食行動 (川南勉)
高松市内でハシビロガモの採食行動を見た。集団で水面をグルグル回り、渦を作り、その中心に有機物の餌を集め、嘴で水を濾して採食した。車鴨と言われ、徐々に周りから集まって来て、100羽以上の大集団になった。
(香川県「かいつぶり」NO.339,P3)
●2012/4 高知
・第11次鳥獣保護事業計画(案)へ意見書提出(西村公志)
現在許可を受け、飼養しているメジロは、本計画の理念の下、返納を促すこと。足輪の装着等のより効率的な指導をすること。刑事上の罰則規定を広報すること。高知県にも傷病鳥獣救護の設備を設置すること。違法飼養、密猟で検挙された場合は愛玩飼養許可を取り消すこと。
(高知「しろぺん」NO.304,P2)
●2012/4 福岡
・ハチクマの春の渡り大量飛来記録例 (山本兆司)
2011年:5/17、1,202羽(対馬内山峠)、5/18、503(広島市佐伯区)、5/16、320(韓国釜山市)。それ以前は02/5/20、1,300+(広島県廿日市)03/5/10、1,576(北九州市門司区)、09/5/13、842(韓国巨済島)等。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.390,P10〜11)
・2012年ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査結果 (研究部)
1/6〜15、福岡県内138箇所で調査した。結果はコハクチョウ2、コブハクチョウ1、カモ類18種、23,108羽で昨年より約1,000羽多く、内訳はホシハジロ4,940、マガモ4,533、ヒドリガモ3,497、スズガモ2,852、オナガガモ1,783、キンクロハジロ1,671、カルガモ1,429、トモエガモ600、ツクシガモ501、コガモ256、オシドリ252、ヨシガモ185、オカヨシガモ181、ハシビロガモ135、ウミアイサ126等。昨年よりホシハジロは倍増、マガモは半減した。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.390,P15〜18)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.610
●2012/4 オホーツク
・風力発電事業に関する環境影響評価方法書の縦覧 (川崎康弘)
●2012/3 弘前
・ガン・カモ・ハクチョウ類カウント調査
・H23年 カラスの巣 (鳴門真澄)
●2012/3 北上
・ガン・カモ科鳥類生息調査
・カンムリウミスズメ洋上調査 (征矢和宣)
・北上市のハクチョウ (高橋八四男)
●2011/12 長野
・2011年トケン類初鳴き (調査部 中曽根久子)
●2012/4 徳島
・「第十堰日誌」の出版 (曽良寛武)
・嘴が上に反り返っているヒバリ (野口和恵)
・ちょっと気になる野鳥の和名 ツグミ (曽良寛武)
●2012/4 北九州
・シロハラの再捕獲例 (森本嘉人)
・今シーズン、小鳥の越冬状況について(支部ネット通信2012/2)
●2012/4 オホーツク
・風力発電事業に関する環境影響評価方法書の縦覧 (川崎康弘)
北見市常呂と網走市能取にまたがる丘陵地に風力発電事業計画があり、その環境影響評価方法書の縦覧が始まる。下記は本部の風力発電に対する見解で、支部は役員会を中心に、本部や専門家と協議をして対応していく。会員にはこの問題への関心を持ち続けて頂き、可能な支援をお願いしたい。
http://www.wbsj.org/activity/conservation/habitat-conservation/wind-power/
(オホーツク「ばあどこおる」NO.299,P2)
●2012/3 弘前
・ガン・カモ・ハクチョウ類カウント調査
津軽地方、2010〜2012年、3年間(1月)の比較をした。総数は8,606→18,671→11,385で、内訳はオオハクチョウ成:416→767→780、幼:79→108→48。カルガモ:3,522→5,558→4,516。マガモ:1,445→4,634→2,895、スズガモ:982→2,822→1,558。オナガガモ:888→3,807→757。コガモ:798→500→299。ヒシクイは2011年の3羽のみ、コハクチョウは2011年の3羽のみである。(北国では積雪の影響か、個体数の変動が大きいようである。森)
(弘前「野鳥たずねて四十七年」P14〜15)
・H23年 カラスの巣 (鳴門真澄)
6/5までに報告があったカラスの112個の巣について、その営巣場所を見ると、種不明樹木26、ニセアカシア15、サクラ13、クリ10、ケヤキ8、メタセイヤ6、柳類6、イチョウ5、カラマツ5等。携帯電話アンテナ1、野球場照明塔1であった。
(この地の樹層と比較すると、カラスの好みの樹木が分かるのでは。森)
(弘前「野鳥たずねて四十七年」P16)
●2012/3 北上
・ガン・カモ科鳥類生息調査
1/14、5箇所で調査した。総計1,271羽で、内訳はオオハクチョウ172、マガモ459、オナガガモ320、カルガモ145、コガモ63、キンクロハジロ35、ヒドリガモ24、ホオジロガモ23、ホシハジロ20、カワアイサ10。
(北上「北上支部報」NO.18,P26)
・カンムリウミスズメ洋上調査 (征矢和宣)
7/13、8/24、10/4、大船渡沖に船を出し、本部と共同で調査した。7/13:カンムリウミスズメ1、コアホウドリ4、クロアシアホウドリ22、ウトウ13、フルマカモメ1、オオセグロカモメ多数、オオミズナギドリ多数、ヒレアシシギ1、ハシボソミズナギドリ多数。他の日はカンムリウミスズメ確認できず。
(北上「北上支部報」NO.18,P27〜29)
・北上市のハクチョウ (高橋八四男)
渡来初確認日はオオハクチョウ:成鳥10/13、幼鳥10/20、コハクチョウ:成鳥10/7、幼鳥10/20、アメリカコハクチョウ11/14、幼鳥は遅く到着の傾向にある。個体数は2〜3月に最大になり、幼鳥比率はオオハクチョウでは10〜13%程度、コハクチョウは15〜20%程度である。
(北上「北上支部報」NO.18,P30〜31)
●2011/12 長野
・2011年トケン類初鳴き (調査部 中曽根久子)
カッコウ:4/21、埴科郡坂城町、4/29、長野市。ホトトギス:5/18、上田市、5/19、長野市。ジュウイチ:5/26、長野市。ツツドリ:5/2、北安曇郡池田町、5/8、長野市。
(長野「野鳥ながの」NO.501,P4)
●2012/4 徳島
・「第十堰日誌」の出版 (曽良寛武)
この本は吉野川第十堰可動堰化計画見直しで、中心的な役割を果たした故姫野雅義さんが、94〜08年、吉野川シンポジウム実行委員会の会報に連載した日誌をまとめたものである。2000/1の徳島市の住民投票で可動堰化計画に反対が90%を超え、09年、民主党政権にて第十堰可動堰化は一応「凍結」された。政情によっては「解凍」される可能性もあると言われる。皆さまにもこの本を一読頂ければと思う。(紀伊国屋書店 税込1,575円、A5判 287ページ)
(徳島「野鳥徳島」NO.403,P6〜7)
・嘴が上に反り返っているヒバリ (野口和恵)
4/30、山口県見島で上嘴が長く上に反り返っているヒバリを見た。特に弱っている様子はなく、もう1個体と行動を共にしていた。
http://www.tk2.nmt.ne.jp/~yachotoku/birdgallery/1204hibari.htm
(徳島「野鳥徳島」NO.403,P12)
・ちょっと気になる野鳥の和名 ツグミ (曽良寛武)
「つぐみ」の名前は奈良時代より知られており、その語源は「口をつぐむ」とされている。冬によく聞こえていた鳴き声が、夏には全く聞こえなくなるからとある。この説はかなり無理がある。他の冬鳥も夏になれば北へ渡り、当然声は聞こえなくなる。これはツグミに限った事ではない。私は語源は「竦む(すくむ)」にあると考える。
ツグミは人や外敵の気配で突然動きを止め、竦む事がよくある。この習性からすくみ鳥となり、すくみ、そしてつぐみと変化したのではないか。
(徳島「野鳥徳島」NO.403,P16)
●2012/4 北九州
・シロハラの再捕獲例 (森本嘉人)
シロハラはウスリー・アムール河流域、中国東北部、朝鮮半島等で繁殖し、国内では対馬、広島県で繁殖例がある。北九州市山田緑地での2009〜2010年の標識調査で、冬期に再捕獲が5例(8〜35箇月後)あり、同じ場所で越冬する事が推測される。
(北九州「北九州野鳥」NO.310,P3)
・今シーズン、小鳥の越冬状況について (支部ネット通信2012/2)
ツグミは旭川では例年と変わらず、むしろそれ以上で、東北、関東では当初、殆ど見かけなったが、1月中旬より小規模の群を見る。その他の地方は極端に少ない。シロハラは近畿以西で少ない。ジョウビタキは初認日は例年通りだが、数が少なく、その後見なくなった。ヒヨドリ、メジロは近畿以西で少なく、鹿児島では渡りの群を見なかった。ガンカモ調査では全国的に水鳥はほぼ例年通り。繁殖地の異常気象は無く、国内でも秋の実りは良好で、平地や南へ飛来していない(ツグミ)、冬は温かい地方へ移動している(ヒヨドリ、メジロ)可能性がある。
(北九州「北九州野鳥」NO.310,P10)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.611
●2012/4 道南桧山
・津軽海峡海上野鳥センサス(加藤均 小野寺尚子)
●2012/4-5 宮古
・オオワシ、オジロワシ一斉調査(支部長 佐々木宏)
●2011/10 長野
・ハシブトガラスとハシボソガラス (斎藤佐千)
●2012/4 富山
・日本鳥学会誌から (高橋輝男)
・野鳥は蝶を食べているか(日本蝶類学会会員 大野豊)
●2012/4 ひょうご
・メジロのリハビリ (堺昭生)
・アカハラ、シロハラ、マミチャジナイ、クロツグミの囀り(梶本恭子)
・2012年ガン・カモ・ハクチョウ類の生息調査 (研究グループ 奥野俊博)
●2012/4 山口県
・ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査結果
●2012/4 筑豊
・2012年ガン・カモ調査(研究部 田中憲二)
・英彦山野鳥の密猟横行 (2/22 読売新聞)
・野鳥、チョウが消えた 新種の農薬が一因? (2/26 西日本新聞)
●2012/4 道南桧山
・津軽海峡海上野鳥センサス(加藤均 小野寺尚子)
9/14、21時半〜翌日3時、室蘭沖〜津軽海峡〜鰺ヶ沢沖を、新日本海フェリーの後部デッキから観察した。その間、545羽の野鳥の地鳴きを記録した。目視できた鳥はいずれもスズメ大で、本州方面へ飛去した。津軽海峡に入る前の太平洋上に約半数が出現した。函館沖ではコウモリ1(人の可聴域にある高い音を発した)を目視した。恵山岬付近での声の検出は多かった。前年の9/17、顕著であった白神岬から竜飛岬への渡りは多くなかった。9/22の逆方向の昼間の航行ではチョウ、トンボが北海道方面へ移動していた。
(道南桧山「はちゃむ」NO.98,P10〜13)
●2012/4-5 宮古
・オオワシ、オジロワシ一斉調査 (支部長 佐々木宏)
2/19、岩手県内沿岸部11箇所と内陸部5箇所を調査した。沿岸部ではオオワシ6(全て成鳥)、オジロワシ6(全て成鳥)。北上川流域ではオジロワシ成3、同亜幼4で、岩手県全体でオオワシ6、オジロワシ13であった。
(宮古「ミサゴの森」NO.221,P2〜3)
●2011/10 長野
・ハシブトガラスとハシボソガラス (斎藤佐千)
秋塒の時期はカラスは午後2時過ぎ辺りから塒の近くに集まり始める。ブトは40〜50km、ボソは200q以上も移動して来る個体もいる。長野県内では雪で採食が困難な地域から移動して来る。白馬村ではブトは日の入り30分前より次々に小集団で就塒し、日の入り後15分程度で終了する。ボソはかなり暗くなっても地面で採食し、ブト塒入り完了後、一斉に塒へ向う。白馬村でもブトの比率が高まっている。ボソの方がトラップに掛かり易く、そのままではブトが増える結果になる。東京都ではトラップに餌と囮のハシブトガラスを入れて警戒心の強いブトの成鳥を捕獲している。札幌市の例では、繁殖期に巣を落とされたボソは営巣を諦める番が多いが、ブトは3回、4回と再チャレンジするので、ブトの方が繁殖力が強い。
(長野「野鳥ながの」NO.499,P7〜8)
●2012/4 富山
・日本鳥学会誌から (高橋輝男)
2011年4月発行の60巻1号にモニタリング特集がある。その中で越冬カモ類の個体数変化を見る。全国的にマガモ、ホシハジロが減少傾向、オシドリは増減入り乱れ、局在化が進む。20年間調査した小鳥ではキビタキ、ヒヨドリ、アカハラ、コマドリ、クロツグミ、ヤブサメ、センダイムシクイ等で春の平均気温が高いと渡来が早まる。参考資料の「A BIBLIOGRAPHY OF THE DUCK TRIBE」(1942年、 黒田長例侯爵著)には1849〜1940年の国内外の6,539件のガンカモの論文目録が載っている。
(富山「愛鳥ニュース」NO.85,P2〜3)
・野鳥は蝶を食べているか(日本蝶類学会会員 大野豊)
3/11の講演より。愛蝶家が鳥の蝶捕食シーンを見る事は極めて稀である。嘗て、NHKでイワヒバリが蝶を捕食する映像があり、愛鳥家で話題になった事がある。
(富山「愛鳥ニュース」NO.85,P7)
●2012/4 ひょうご
・メジロのリハビリ (堺昭生)
野鳥のリハビリをして8年、その間、29種、250羽以上をリハビリする。その98%は違法飼養に因り、その1/5はメジロである。飛翔力の回復、餌の確保、病気への耐性、自然への順応は人に慣れている個体ほど困難である。その意味でリハビリは1箇月間が限界で、それ以上のものは自然に帰すべきではないとの研究発表もある。「鳴き合せ」で強制換羽させられたメジロは、リハビリに1箇月以上掛かるものもいる。また、夏鳥は冬場には放鳥できない。3/8、堺市での違法飼養で40羽の野鳥がまたしても、届けられた。
(ひょうご「コウノトリ」Vol.187,P1)
・アカハラ、シロハラ、マミチャジナイ、クロツグミの囀り (梶本恭子) アカハラの囀りは「キョロン キョロン ツイー」と言われ、「ツイー」は結構大きく印象的である。シロハラは「ポピリョン ポピリョン」とあり、その部分はアカハラより濁ったまたは渋い感じで、「ツイー」が付く事があるが、アカハラより声が小さい事が多い。マミチャジナイの囀りの声は日本では殆ど記録が無い。クロツグミの囀りは朗らかで長く続く。
(ひょうご「コウノトリ」Vol.187,P6〜7)
・2012年ガン・カモ・ハクチョウ類の生息調査 (研究グループ 奥野俊博)
1/15、環境省の全国一斉調査を兼ねて兵庫県中南部の169箇所を調査した。内、144箇所で、総計22,765羽で前年より約7千少なかった。内訳はオオハクチョウ7、コハクチョウ53、マガン7、ヒシクイ1、ホシハジロ7,170、ヒドリガも3,786、コガモ2,013、ハシビロガモ1,836、カルガモ1,512、オナガガモ1,349、マガモ1,293、キンクロハジロ1,117、スズガモ860、オシドリ784、オカヨシガモ446等。カワウは83箇所で総計3,399羽を記録し、最大数は浜甲子園の1,005羽であった。
(ひょうご「コウノトリ」Vol.187,P12〜18)
●2012/4 山口県
・ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査結果
1/15、山口県内47箇所で調査した。結果はコハクチョウ5、カモ総計17,897羽で、内訳はマガモ5,779、ヒドリガモ4,366、カルガモ1,558、オナガガモ1,254、オシドリ1,080、ホシハジロ807、コガモ723、オカヨシガモ700、キンクロハジロ609、ヨシガモ378、ウミアイサ220、ハシビロガモ156、トモエガモ99等。
(山口県「やまぐち野鳥だより」NO.220,P9〜10)
●2012/4 筑豊
・2012年ガン・カモ調査 (研究部 田中憲二)
1/8、9、5箇所での総計は1,128羽で前年とほぼ同数であった。内訳はマガモ505、オシドリ176、ヒドリガモ137、カルガモ82、キンクロハジロ82、ホシハジロ67等。カワウは総計185羽であった。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.410,P18〜19)
・英彦山野鳥の密猟横行 (2/22 読売新聞)
9月下旬、筑豊支部の保護部長が通報を受けて、英彦山山中でオオルリ♂7羽を生け捕りにした鳥籠を持ち、囀りの声を流す2人を問いただすと、「勘弁して下さい」と言うのみ。同地では春先から9月頃、オオルリやメジロの密猟が横行している。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.410,P27)
・野鳥、チョウが消えた 新種の農薬が一因? (2/26 西日本新聞)
ここ数年、身近な自然に何か異変が起きている。比較的安全と言われ登場した稲、野菜、果樹、花等に広く使われているネオニコチノイド系農薬が原因の1つではないかの指摘がある。それは90年代に登場し、昆虫の神経系に結合し、神経麻痺を起し、農作物の内部にも浸透し、洗っても落ちず、残効性が長い。哺乳類には毒性が低いと言われるが、仏、伊では用途によっては使用禁止が出ている。今は疑わしいとしか言えなくても予防原則*に基づき行動すべきである。*不可逆的な影響を及ぼす恐れがある場合、因果関係が十分証明されなくても、不確実性を理由に対策実施を延期する理由にしてはならない。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.410,P28)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.612
●2012/5 苫小牧
・ガンカモ調査 (指導調査部長 千葉昌孝)
・サンクチュアリ前夜(鷲田善幸)
●2012/5 埼玉
・中西悟堂を知っていますか?(小林みどり)
・渡良瀬遊水地がラムサール条約登録地に(内田孝男)
●2012/5 千葉県
・ネオニコチノイド系農薬(幹事会)
・ヤンバルクイナ自然孵化(3/28 千葉日報)
・今、無人の土地で(3/16 朝日新聞)
・シギ、微生物が作るヌルヌル主食に(3/7 朝日新聞)
●2012/2 長野
・野尻湖ガンカモ調査
●2012/4-5 京都
・2011年度ガンカモ調査報告
・シマアジ (澤島哲郎)
●2012/5 北九州
・サギ類のこんなこと
●2012/5 苫小牧
・ガンカモ調査 (指導調査部長 千葉昌孝)
1/8、白老 社台川で調査した。結果はオオハクチョウ19、クロガモ37、マガモ20、カワアイサ19、シノリガモ3、ホオジロガモ3。
(苫小牧「あおさぎ」NO.182,P3)
・サンクチュアリ前夜 (鷲田善幸)
77年、野鳥の会はサンクチュアリ募金を始めた。ウトナイ湖をサンクチュアリにするため、73年から同地で月2、3回、野鳥調査をしていた人達がいる。地元の高校、中学校の教諭2名(共に故人)が5年間で161種の野鳥調査結果をまとめた。その後、北海道の委託でウトナイ湖の野鳥の学術的な調査がされ、80年、その調査結果が発表された。これらの調査は同地のサンクチュアリ実現に大きく貢献し、サンクチュアリ募金は会員だけではなく、一般市民、企業も参加し、目標の1億円を突破した。81年、日本初のサンクチュアリがウトナイ湖にオープンした。
参考:「ウトナイ湖-聖域はこうして生まれた」苫小牧民報社 2001年。
(苫小牧「あおさぎ」NO.182,P4)
●2012/5 埼玉
・中西悟堂を知っていますか? (小林みどり)
1934年、中西悟堂が日本野鳥の会設立時掲げた目標「野の鳥は野に」が、やっと今回実現した。悟堂は1895年、石川県生れ、仏教系の学校に学び、15歳で僧侶になった。「鳥はあらゆる生物の内、最も幸福な生活様式を持つものである」「私が鳥を飼育するのは、山野における習性観察の基礎としたいからで、後に山野へ帰す事を原則にしている」(定本野鳥記第1巻)とあり、1935年の著書「野鳥と共に」はベストセラーになった。1934/3/11、鳥類学者、文化人12名で「日本野鳥の会」が設立された。東日本大震災と同じ日である。1984年、89歳で没。鳥の姿を愛する人は増えたが、鳥の命を愛する人は増えたであろうか。野鳥が暮らす「野」は失われ続けている。参考書:「野鳥記コレクション」(全3巻、春秋社)。
(埼玉「しらこばと」NO.337,P2〜3)
・渡良瀬遊水地がラムサール条約登録地に(内田孝男)
7月にルーマニアで開催される第11回ラムサール条約締約国会議(COP11)の国内プレイベントとして、2/18、「世界湿地の日シンポジウムin渡良瀬遊水地」がラムサール・ネットワーク日本(ラムネットJ)、渡良瀬遊水地をラムサール条約登録地にする会の共催で開催された。環境省は条約登録の法的担保として、国指定特別保護区にせず、国指定鳥獣保護区として、河川法も加え、河川管理の工事が続行できるとしてきた。昨年12月地元栃木市長は国交省に対し「同地の管理、利用について、関係者の協議会設置」、環境省に対し「治水機能の周知」を条約登録条件に挙げた。2/29、登録に難色を示していた治水推進団体、条約登録推進団体、国交省、環境省で誓約書が交わされ、7月、登録が濃厚になった。登録地に向けて運動22年、埼玉支部が署名活動をして6年が経過していた。
(埼玉「しらこばと」NO.337,P5)
●2012/5 千葉県
・ネオニコチノイド系農薬 (幹事会)
フランスではミツバチの群に被害が出たため、06年よりネオニコチノイド系農薬を全面禁止している。米国でもミツバチの群が崩壊している。これは脳内の情報伝達機能を阻害し、脳生理学者は鳥が渡りが出来なくなる恐れがあると警鐘し、人の幼児の脳に影響を与えるとの研究報告も多数ある。日本では稲作で、同農薬に漬けられた種籾が使われている。水田周辺の生き物が減っている。
(千葉県「ほおじろ」NO.373,P2)
・ヤンバルクイナ自然孵化 (3/28 千葉日報)
3/27、環境省やんばる自然保護官事務所は飼育・繁殖施設で3/18に4羽のヤンバルクイナが孵化したと発表した。同鳥の自然孵化はNPO法人の施設では5例あるが、環境省の施設では初めてとなる。
(千葉県「ほおじろ」NO.373,P12)
・今、無人の土地で (3/16 朝日新聞)
東京電力福島第一原発事故で、無人になった南相馬市の水田に100羽程のハクチョウの群が羽を休めている。例年見られなかった光景である。
(千葉県「ほおじろ」NO.373,P12)
・シギ、微生物が作るヌルヌル主食に (3/7 朝日新聞)
シギの仲間は微生物が干潟表面に作る「バイオフィルム」という膜を食べる事を港湾空港技術研究所(横須賀市)等の国際研究グループが突き止めた。北海道コムケ湖のトウネンは6割をバイオフィルムから食し、カナダのハマシギは2割程度、盤洲干潟では殆ど食べておらず、小動物との兼ね合いで両方食べる。研究成果は生態学誌エコロジーレターズ電子版で発表された。
http://www.pari.go.jp/files/items/4057/File/20120206.pdf
(千葉県「ほおじろ」NO.373,P12〜13)
●2012/2 長野
・野尻湖ガンカモ調査
1/16の結果。結果はカルガモ260(昨年192)、マガモ187(273)、コガモ0(7)、ホシハジロ0(1)、ミコアイサ0(6)、カワウ7(14)。
(長野「野鳥ながの」NO.503,P8)
●2012/4-5 京都
・2011年度ガンカモ調査報告
1/7〜9、京都府の委嘱で京都府内の189箇所を調査した。総数16,506羽で前年より2割減った。内訳はコハクチョウ4、コブハクチョウ1、マガモ4,468、コガモ3,497、ヒドリガも2,411、カルガモ2,051、キンクロハジロ815、オシドリ701、ホシハジロ667、オナガガモ495、ヨシガモ462、オカヨシガモ332、スズガモ250、ハシビロガモ135等。水域別では淀川水系5,607、湖沼・溜池5,236、海域3,289、日本海側河川2,374。
(京都「そんぐぽすと」NO.175,P9〜13)
・シマアジ (澤島哲郎)
シマアジは東南アジアで越冬するが、北海道や本州で少数の繁殖例がある。「ギェー、ギェー」と鳴き、学名Anas querquedulaはこの鳴声からつけられた。支部への観察投稿は30年間で25件と少なく、3〜5月と、8〜10月に記録される。北米で繁殖する近縁種のミカヅキシマアジが日本唯一の記録として96/1、木曽川に飛来した。
(京都「そんぐぽすと」NO.175,P14)
●2012/5 北九州
・サギ類のこんなこと
白色は自然界では大変目立つので、白いサギ類は体を大きくし、集団を作る事で天敵を防ぐ。有色のサギ類は暗くなってから単独で動く。サギ類は有色から白色、小から大へ進化したと考えられる。胸と脇に粉綿羽という粉状にポロポロ取れる羽があり、それを足の中趾で擦りつけ、体に汚れを着けないようにする。巣に餌を運ぶ時、吐き出してしまう事があり、オタマジャクシの散乱光景で騒動になる。
(出典:唐沢孝一「サギ類の多彩な採餌テクニック」)
(北九州「北九州野鳥」NO.311,P14)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.613
●2012/5 東京
・愛玩飼養制度廃止と今後の密猟監視 (保護部担当リーダー 鳥獣保護員 中村文夫)
・保護研究活動の助成を行います(野鳥の保護研究基金委員会)
・越冬期の調査から (川内博)
●2012/5 愛知県
・アオアシシギの集団越冬事例 (保護部 古井繁孝)
●2012/5 岡山県
・ビル街で囀るイソヒヨドリ (森本章男)
・野鳥の行動・習性・生態 (久保晧一郎)
・ブッポウソウの子育て (岡山大学院生 黒田聖子)
●2012/5 宮崎県
・4月からメジロ捕獲禁止に
・御池のヤイロチョウ渡来しなくなる恐れも
・今冬カモ昨年の2倍
・ウグイス営巣場シカ食害で消える (2/15 毎日新聞)
●2012/5 東京
・愛玩飼養制度廃止と今後の密猟監視(保護部担当リーダー 鳥獣保護員 中村文夫) 東京都では、全国に先駆けS47年以降、23区内での飼養目的の特別許可は出さず、許可権限も市町村に移譲せず、多摩地域や島嶼で、高齢者に限定し審査し、許可がされていた。書類上、数十年生きているとされる許可証が多く見つかり、密猟された鳥が何世代もすり替えられた事があったが、平成に入り、足輪装着許可制度になり、現在はその弊害は見られなくなった。今回、環境省は飼養許可の特例として、「野外観察ができない高齢者等に、自然とふれあう機会を設ける事が必要である場合等」とし、これを利用して一部の自治体で愛玩飼養制度を存続させる動きがある。12月の野鳥密猟シンポジウムで、全国の団体と密対連が連携して監視を続けていく事を確認した。
(東京「ユリカモメ」NO.679,P3)
・保護研究活動の助成を行います(野鳥の保護研究基金委員会)
昨年9月に立ち上げた「野鳥の保護研究基金」で今回、活動案件を公募する。東京都または東京支部に関わる事で支部会員が申請する。参加者は会員外も可、1件10万円以内。「保護、研究、普及」の3本柱の活動はボランティアを基本とするが、資金が必要な場合もあり、その活動を充実させるものである。既に八丈島のアカコッコ調査のための宿泊費、イベント「カンムリカイツブリ」、野鳥カウンター購入等の補助を行っている。
(東京「ユリカモメ」NO.679,P9)
・越冬期の調査から (川内博)
1月に東京湾11箇所の水辺を調査し、大まかな傾向を知った。気付いた主なものは、・東京湾一帯でユリカモメの数が少なかった、・葛西臨海公園沖のスズガモの個体数が少なかった(1/22、5,479羽)、・ツグミの飛来定着時期が遅かった、善福寺川(杉並区〜中野区まで、幅約10m、3面コンクリート張り、全長10.5km)で 、1/27、ハクセキレイ60羽がカウントされた。
(東京「ユリカモメ」NO.679,P11)
●2012/5 愛知県
・アオアシシギの集団越冬事例 (保護部 古井繁孝)
2011/12から翌年3月、庄内川河口干潟でアオアシシギ10羽が集団越冬した。単独での越冬例は度々観察されるが、集団例は少ない。嘗ては旅鳥や迷鳥と
されていたセイタカシギ、ヒメアマツバメ、シロハラクイナ等は最近は留鳥や冬鳥として見られる。アオアシシギもそうなるのかも。
(愛知県「愛知の野鳥」NO.303,P10)
●2012/5 岡山県
・ビル街で囀るイソヒヨドリ (森本章男)
イソヒヨドリが岡山市内で観察例が増えてきたのは20年位前からで、更に海から20q以上離れた内陸まで達している。首都圏では30年程前から内陸部へ進入し、「全国主要都市の都市鳥」(91年 都市鳥研究会)に、金沢、福井、静岡、徳島、松山の各市街地で繁殖例がある。世界的な分布は地中海沿岸、アフリカ北部から中国、台湾への広範囲で、ヒマラヤでは高地の岩場におり、台湾では2千m以上の高地にもいる。英名Blue Rock Thrushとあり、本来岩場を好む鳥であり、海から内陸へ進出したわけではなく、分布を東へ広げていった先の日本では近年の都市化で、人工物の疑似岩場が内陸部に形成されたのが要因と考えられる。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.190,P3)
・野鳥の行動・習性・生態 (久保晧一郎)
野鳥は口に水を含み、上向いて飲水するが、ハト類は下を向いたまま飲む。シジュウカラ1羽で年間12万5千匹の虫、ムクドリは221万匹、イヌワシは2箇月で100頭の野兎、フクロウは繁殖期に450匹の鼠、ツミは4羽の雛に630羽の小鳥を捕る。1954年、中国で三害追放運動で蝿、蚊、スズメを大量に駆除すると、2年後に害虫の大発生が生じた。孵化は早成性と晩成性の中間型があり、ウミネコ、トビ等がいる。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.190,P4〜5)
・ブッポウソウの子育て (岡山大学院生 黒田聖子)
ブッポウソウの産卵数は4個が最も多く、孵化率は09年:91%、10年:81%、11年:88%であった。卵は平均28X34mmで、11〜16g重さで、発生過程で段々軽くなる。渡来時期は5月初め、産卵は5月末〜6月初め、遅くなると産卵数が減る。成鳥♂平均150g、♀170g。2010年、捕獲した♂8羽の内5羽、雌2羽とも翌年同じ巣箱に帰還した。一日おきに産卵し、その時刻は14〜17時に集中する。抱卵は一腹産卵済から始まる。昼間は雌雄交代、夜間は雌のみが抱卵する。孵化日数は平均21日、日齢平均23日で巣立つ。餌運びは薄暮の19時台が多い。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.190,P6〜7)
●2012/5 宮崎県
・4月からメジロ捕獲禁止に
環境省は第11次鳥獣保護事業計画で愛玩飼養目的での捕獲禁止を打ち出したが、「野外で野鳥を観察できない高齢者に対し、自然と触れ合う機会を設ける事が必要である場合」は除くとしており、支部はこの例外は密猟の隠れ蓑を招くとして削除を求め、県の自然環境保全審議会でも削除して諮問された。会員からの飼養禁止を求める数多くの意見が県に寄せられ、運動が実った。これに対し、メジロ飼養者から「庶民の心の癒しとして飼養している、規制は違法事例が増えるだけ、鳴き合せは文化で文化保護のため、複数羽の飼養を認める」等の主張があった。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.231,P4〜5)
・御池のヤイロチョウ渡来しなくなる恐れも
支部は04年よりヤイロチョウを守る運動を続けてきた。営巣地の林床に人が立入り、ヤイロチョウが危機的状態になっている。2010年、期間限定で一部に立入禁止ゾーンが設けられたが効果は余り無かった。その後も立入規制拡大を要望したが、レクレーションの森は規制できないとしている。今年はヤイロチョウは飛来したが、繁殖を裏付ける鳴き交わしは無く、繁殖は確認できなかった。4/16、再度、環境省、森林管理局、知事に立入禁止区域拡大の要望書を提出した。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.231,P11〜13)
・今冬カモ昨年の2倍
県の委託を受け、高病原性鳥インフルエンザ防疫強化のため、県内3大河川と宮崎市内の池1箇所を11〜3月、調査した。最大個体数は総計13,917羽で、内訳はマガモ6,363、オナガガモ2,506、ヒドリガモ1,358、トモエガモ1,159、カルガモ1,152、ホシハジロ386、コガモ381、ツクシガモ194、オシドリ133、オカヨシガモ127等。
総数は昨年の2倍もあり、例年十数羽のトモエガモが千羽以上(宮崎市巨田池)、例年千羽以上のオシドリは激減した。全体的にカモが増えたのは、北陸、山陰地方の豪雪でカモが南下したと思われ、1月に入って急増した。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.231,P14〜17)
・ウグイス営巣場シカ食害で消える (2/15 毎日新聞)
洞爺湖に浮かぶ中島で、ウグイスが全く確認できなくなった事が道立総合研究機構・環境科学研究センターと酪農学園大学の研究グループの調査で分かった。
ウグイスに托卵するツツドリもいなくなった。直径3q程の島に50年程前3頭のシカが持ち込まれ、現在300頭余りがおり、笹藪が食い尽されている。ウグイスの飛来は1例のみと激減、笹藪で営巣するコルリ、エゾムシクイ、アオジは島外では再三確認したが、同島では3回以下に激減していた。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.231,P24)
(自然保護室支援・野鳥の会 神奈川/森 要)
■7月は「サマーフェア」開催!
連携団体向け卸販売をご利用下さい
■
会誌「野鳥」7月号に「サマーフェア2012」のカタログを同封いたします。また、支部販売事業ご担当の皆様には、6月下旬に当フェアについての連携団体向け卸販売のご案内をお送りいたします。 掲載商品は、全て連携団体向け卸販売の対象商品となります。探鳥会やイベント等で会員や参加者の皆様にご案内いただき、ご注文を取りまとめていただければ、連携団体向け卸価格で販売させていただきます。今回のフェアカタログは、ページ数が従来の2倍の16ページに。掲載商品も大幅に増えました。定番の光学機器の割引セールも商品点数を充実して開催します。ぜひご利用下さい。
●本件についてのお問い合わせ:
普及室販売出版グループ
TEL:03-5436-2623、FAX:03-5436-2636、メール:[email protected]
(普及室/江面康子)
■第34回東北ブロック協議会総会議事録報告
■
- 総会日時:2012年3月3日(土)13:30〜17:00
(協議会日程は、2012年3月3日(土)13:30〜4日(日)9:00)
- 場所:ホテルサンルーラル大潟(秋田県南秋田郡大潟村北1-3)
- 担当:日本野鳥の会秋田県支部
- 出席した連携団体:日本野鳥の会あおもり、日本野鳥の会弘前支部、日本野鳥の会もりおか、日本野鳥の会北上支部、日本野鳥の会宮城県支部、日本野鳥の会やまがた、日本野鳥の会ふくしま、日本野鳥の会二本松、日本野鳥の会白河、日本野鳥の会会津、日本野鳥の会秋田県支部
- 財団からの出席者:佐藤仁志理事長、葉山政治自然保護室長、林山雅子普及室員
【開会あいさつ】(佐藤公生秋田県支部長)
昨年の震災から一年。復興はこれからという苦しい時期の開催ながら100名に及ぶ参加者への感謝と、福島、宮城の一部の支部の不参加が残念であることを伝えるとともに、宮城県などから帰るガンが20万羽立ち寄る貴重な大潟村での開催の喜びを込めたあいさつがあった。
【来賓あいさつ】
①青木満、秋田県生活環境部長
自然保護と農地を考える上で重要な大潟村での開催への感謝を込めたあいさつがあった。
②高橋浩人、大潟村村長
農地干拓から47年目。農家の取り組みで自然が再生されてきたことの報告、2年前からの調査の開始、渡
り鳥観察会の実施などを盛り込んだあいさつがあった。
47年間自然と農業の村「大潟村」でのブロック会議開催のお礼をのべたあいさつがあった。
③佐藤仁志、公益財団法人日本野鳥の会理事長
今回の震災にあたり財団の義援金の取り組みの紹介と公益財団法人となったことの報告、ならびに3年後の80周年までに財団事務局の立て直しに努力することを表明してのあいさつがあった。
【財団事務局からの連絡】
①スムーズな連絡のため、連携団体のメール連絡先の報告のお願いとともに、連携団体認定に関する細則変更についての確認があった。(佐藤理事長)
②連携団体の協力を得て、川に関した放射能汚染の調査を予定していることの報告があった。(葉山自然保護室長)
③昨年、震災の影響で実施されなかった「モニタリングサイト1000」への協力の依頼がされた。次年度で「モニタリングサイト1000」は2サイクルが終わり、その後報告があることの連絡もあった。(葉山自然保護室長)
④2011年度の探鳥会に関する取り組みの報告があった。(林山普及室員)
バードウィーク全国一斉探鳥会開催、49支部73探鳥会で実施、全国で1754名が参加、そのうち会員でない方は531名であった。バードウォッチングウィークに日本野鳥の会東京、日本野鳥の会神奈川支部と財団事務局で入会促進のための協働探鳥会実施、半年を期限とした仮入会者が合計33名あった。ほか子ども向けの取り組み(絵本、紙芝居制作・子ども向け探鳥会情報収集)の紹介があった。(林山普及室員)
⑤写真「東北の自然と野鳥」が。2012年5月10日〜28日に実施されることの報告があった。(林山普及室員)
【議事】
日本野鳥の会秋田県支部、佐々木均氏が議長に選出され議事が進行された。
①議案第1号
平成22年度東北ブロックの会計報告がされ、承認された。(鳴海弘前副支部長)
②議案第2号
「洋上風力発電の開発にあたっては計画域における環境影響評価を行うこと」が大会決議として、提案された。(白岩ふくしま代表)
竹丸宮城県支部長から、野鳥の移動コースになっている宮城県沖の洋上調査は難しいが環境影響評価が必要の意見があった。
佐藤秋田県支部長から福島県沖の洋上風力の記事の紹介があり、調査には鳥類保護団体も関係すべきと意見があった。
中村もりおか代表から洋上風力の知見不足という意見もあった。
葉山自然保護室長から野鳥保護資料集「野鳥と洋上風力発電」を紹介、1万キロワット以上の風力発電には環境影響評価と方法書が必須になったこと、洋上の鳥類調査の方法は策定中であること、連携団体が今まで蓄積してきた海鳥の情報を整理し事業者への対応準備も必要であること、今年の初冬にイギリスから洋上風力調査の専門家を招き講演会を実施する予定であることなどの説明があった。
佐藤財団理事長から、制度はできているのでタイトルに「適切な」を入れることの助言があった。
佐々木議長から「適切な」環境影響評価と表記し大会決議とすることがまとめられた。
③議案第3号
財団事務局が公益財団法人になったことによる東北ブロック協議会の規約改定について改定説明がされたが、字句表現に意見があり、一部修正することとなった。(船橋秋田県支部事務局長)
④議案第4号
次回担当のやまがた、簗川代表から、11月23、24日、庄内地方酒田市で開催する予定であることの報告があった。
【連携団体活動報告】
あおもり(針生代表):弘前支部と実施している「ガン・カモ・ハクチョウ調査」の報告があった。
弘前支部(鳴海副支部長):定例探鳥会・自然談話会の実施、弘前城のカラスのねぐら調査、風力発電計画阻止のための調査実施などの報告があった。
もりおか(柴田幹事):定例探鳥会及び他の連携団体との探鳥会の実施、2か月に一度の通信の発行などの報告があった。
北上支部(高橋支部長):バードウィーク探鳥会ほか観察会の実施、調査の実施、カンムリウミスズメ調査と放射性物質調査の同行などの報告があった。
宮城県支部(小室副支部長):定例探鳥会を50回実施、シギチドリ類調査、コクガン調査などの報告があった。
やまがた(簗川代表):「やまがたの写真図鑑」制作、写真展の実施、山形市内カラスのねぐら入り調査、ガン・カモ調査、コアジサシ集団繁殖地保護などの報告があった。
福島連携団体連合会(鈴木滋氏):福島県カワウ管理協議会での調査、イノシシ、ツキノワグマの保護管理計画策定の協力、西郷村復興イベントへの参加、放射能調査のためのツバメの巣回収などの報告があった。
ふくしま(志賀副代表):福島連携団体連合会の依頼のもとに活動を実施、会員数は200名などの報告があった。
白河(三森代表):西郷村復興支援イベントでの探鳥会と懇親会、5月実施予定の栃木県と合同探鳥会、ケリの調査実施などの報告があった。
会津(林代表):探鳥会参加の減少、カワウ調査、猪苗代湖北岸のハクチョウ調査、背炙山の風力発電へ意見書提出などの報告がった。
秋田県支部(佐藤支部長):定例探鳥会、県南県北探鳥会、写真展をバードウィーク・バードウォッチングウィークに開催、タカの渡りを見る探鳥会、東北ブロック協議会の実施などの報告があった。
(普及室/林山雅子)
■「支部報とりまとめ発送」次回日程のご案内■
次回の支部報取りまとめ発送は、2012年7月24日(火)となりました。支部報は下記要領でお送りください。(取りまとめ発送の詳細については、支部ネット通信2012年4月号をご覧ください。)
送付〆切:7月23日(月)必着
送付部数:110部
※東京は130部、お願いいたします。
※神奈川、埼玉、奥多摩、千葉県は120部、お願いいたします。
※ご事情により必要部数に満たない場合は、こちらで発送先を調整させて頂きます。
【支部報の受付、お問い合わせはこちらまで】
〒141-0031東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル3F
(公財)日本野鳥の会総務室 総務グループ (担当;小川、鈴木)
TEL 03-5436-2620 メール [email protected]
■支部代表者等変更のお知らせ(敬称略)■
【代表者の交代(※)】
●日本野鳥の会栃木(2012年5月13日より)
【新】 高松 健比古 【旧】 河地 辰彦
【事務局長の交代(※)】
● 日本野鳥の会もりおか(2012年4月8日より)
【新】 柴田 俊夫 【旧】 中村 茂
【事務局長制度の廃止】
● 日本野鳥の会宮崎県支部(2012年5月19日より)
宮崎県支部より事務局長制の廃止が議決されたとの連絡を受けました。今後は宮崎県支部宛の連絡及び文書は前田幹雄支部長にお送り下さい。
※ご住所・お電話番号に関しては、本紙には掲載いたしませんので、ご連絡の際は下記担当へご相談ください。)
総務室総務グループ TEL:03-5436-2620/FAX:03-5436-2635
(総務室 奥田 秋穂、小川 富由美)
■会員数■
6月1日会員数38,737人(対前月+42)会員数は先月に比べ42人増加しました。
5月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より53人多くなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。5月の入会者数は269人で、前年同月の入会者176人に比べ93人増加しました。
また、5月の退会者数は216人で、前年同月の退会者256人に比べ40人減少しました。
表1.5月の入会・退会者数
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
●都道府県および支部別会員数
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2.都道府県別の会員数(6月1日時点)
備考:その他は海外在住の会員を示します。
表3.支部別の会員数(6月1日時点)
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
■2011年度会員数報告■
●2012年4月1日時点(2011年度末)の会員数は38,773人でした。前年度から一年間の減少数は1,457人となりました。【グラフ1】
以下、特に記載のない数値は、全て4月1日時点のものとなります。
●2011年度の新入会者は1,519人で前年より303人減少し、退会者数は2,970人で、同26人減少しました。翌年も会員を継続する(継続率)は92.6%で0.2ポイント低くなりました。【グラフ2】
●会員種別ごとの会員数の推移は、総合会員と家族会員の減少が依然として続き、近年変動が少なかった支部型会員も減少しました。本部型会員、家族会員、個人特別会員は横ばい傾向が続いています。【グラフ3】
●会員種別毎の入会者では、個人特別会員の入会者が増加しましたが、他の種別は減少傾向にあります。
【グラフ4】
●種別毎の退会者では、個人特別会員が減少し、他の種別は横ばい傾向が続いています。【グラフ5】
●都道府県別の会員数では東京都が約5,600人、神奈川県が約4,000人と他の都道府県の倍近くの人数となっています。また対前年度の延び率では福井県が-0.39%と昨年(-2.26%)を上回りました。続いて山梨県が-0.64%他、伸び率がプラスだった都道府県はありませんでした。 都道府県別の会員数の増減傾向を対前年の伸び率の高い順に【表1】にしました。
●また都道府県毎の人口に対する会員数の割合を【表2】にしました。長野県が最も高く0.044%となり、ついで徳島県の0.043%でした。全国比率の0.030%より高かったのは、長野県と徳島県を含め17都道府県でした。
人口は、総務省統計局都道府県別人口(平成23年10月1日現在)
会員数は、平成24年4月1日時点
●支部毎の対前年比伸び率では小清水が8.33%、ついで滝川支部が8.00%他、伸び率がプラスになったのは9支部で昨年(18支部)を下回りました【表3】
表3.支部別の会員数と対前年伸び率(各支部名称は6月1日現在)
●また個人特別会員の支部ごとの会員数に占める比率は【表4】に示しました。平均の4.87%を上回る支部は福島相双支部、富士山麓支部、西表の3支部が10%を超え、合わせて38支部となりました。
表4:支部別特別会員数の割合(各支部名称は6月1日現在)
●会員の平均年齢は、昨年と同じ60歳となりました。男女別・.年齢別会員数は男性会員比率が依然として高く、男女合わせた平均年齢は昨年と同じく60歳、男性の平均年齢は昨年より1才上がり61歳、女性の平均年齢は59歳で共に昨年より1歳上がりました。男性の人数が多いため全体の平均年齢が高くなります。依然として高齢化は進んでいます【グラフ6】
●2011年4月1日時点で性別の登録がある会員数は年齢別の男女総会員数28,615人のうち男性は19,356人、女性は9,259人で、男性会員数は女性会員数の2倍以上となっています。特に50歳代から60歳代の男性の比率が高くなっており10,901人と全体の4割近くを占めています20歳代を除き殆どの年齢層で男性の方が上まわっています【グラフ7】
(会員室)
■訂正とお詫び■
支部ネット通信5月号(第98号)9ページ、自然保護室からのお知らせ「メジロの愛玩飼養のための捕獲廃止に向けた都道府県の動き」内図表「愛玩飼養目的の捕獲を許可しない都道府県」の和歌山県及び熊本県に一部誤りがございました。お詫び申し上げます。
正しくは全国野鳥密猟対策連絡会のホームページをご覧ください。
・全国密猟野鳥対策連絡会(メニュー→愛玩飼養)
http://www008.upp.so-net.ne.jp/mittairen/aigan/aigan.html
★支部ネット担当より
東京では雨の滴を受けてアジサイがますます色鮮やかです。
前回の「支部ネット通信メール版(第116号)」ではリンク先URLに誤りがあり、
皆様には多大なご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。また、原因調査のためにご協力を頂き
誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
季節の変わり目、体調を崩されませんようお気をつけください。
(総務室)
支部ネット通信 第99号
◆発行
日本野鳥の会 2012年6月22日
◆担当
総務室 総務グループ 奥田秋穂/関祥子
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
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