≪東日本大震災への対応 ≫
■お亡くなりになった会員が3名に■
この8月、新たに宮城県支部の会員の方が1名、津波でお亡くなりになっていたことがわかりました。また、当初行方不明であった北上支部会員の方のご遺族が死亡届を出されたため、このたびの東日本大震災によって、北上支部2名、宮城県支部1名、計3名の当会会員がお亡くなりになったことになります。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
(会員室/猪沢 則子)
■会費免除、義援金の対応が進んでいます■
8月号『野鳥』誌に続いて、被災の激しかった岩手県、宮城県、福島県の沿岸区域にお住まいの会員の方に、お手紙で会費免除、義援金の対象についてのご案内をお知らせしましたところ、9月5日現在、37名の方から会費免除のご希望のご連絡をいただいています。この方々には、一年間の会費免除の手続きを行い、集まった義援金の中から、お一人一万円を皆さまのお気持ちをお伝えする柳生会長からのお手紙とともに見舞金としてお送りしています。
いま、見舞金を受け取られた方からのお礼のお手紙、メール、お電話が、続々会に届いています。一部をご紹介させていただきます。「震災後東京に避難しておりましたが、やはり自分の住まいが一番と放射能物質の危険よりストレスのない生活を選び4月の始めに帰ってまいりました-福島県双葉郡在住の方」「手厚いご支援ありがとうございます。またこの度は義援金を届けていただき感謝申し上げます。仮説住宅にやっと当選し移り住みました-宮城県本吉郡南三陸町在住の方」「この度は、全国の野鳥の会の皆様からの義援金のお見舞いをおくっていただきありがとうございました-仙台市宮城野区在住の方」。皆さまからの手書きのお手紙を読ませていただきながら、改めて被災地の皆さまの状況の厳しさに、本当に一日でも早く日常が戻ってほしいと切実に思わされます。
会費免除のお申し出のあった方がご所属の支部には、支部宛送金一覧表で会計担当の方に個別にお知らせいたします。恐れ入りますが、支部会費の免除をご検討いただければ幸いです。すでに、いくつかの支部からは支部会費免除のお申し出もいただいています。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
(会員室/沖山 展子)
■被災された会員の方への双眼鏡など機材の寄贈について
■
双眼鏡、望遠鏡のご寄贈についてご協力をいただき、ありがとうございます。9月5日現在、9名1支部から、双眼鏡4台、望遠鏡7台、図鑑、三脚などのご寄贈のお申し出があり、順次被災地の会員の方へお届けの手配をしております。お相手への連絡に時間がかかりお待ちいただく場合がありますが、よろしくお願いします。寄贈をご希望の方は増える可能性がありますので、引き続きご協力をよろしくお願いいたします。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
<お願い>
①大変申し訳ありませんが、直接当会へのご送付については、何とぞご容赦ください。当会の保管場所に限りがありますため、ほしい方が見つかるまでお手元に保管のうえ、お待ちくださるようお願いいたします。
②必要とされる方の把握に時間がかかることが考えられます。相手の方が見つかるまで、多少お時間をいただきますが、どうぞご了承くださいませ。
③機材の状態については、故障しておらず、相手の方が、すぐに楽しんでいただけるような良好のものをお願いいたします。故障や機材の不備があるものについては、お断り申し上げます。
<お知らせいただきたいこと>
●寄贈したい機材について
①双眼鏡、望遠鏡、カメラ、三脚、ボイスレコーダーなどの種類
②メーカー名
③型番。製造年。色などできるだけ詳しく
● 寄贈したい図鑑について
①書籍のタイトル。発行元。発行年など
● あなたのご連絡先
①お名前 ②会員番号 ③ご住所 ④お電話番号
⑤メールアドレス
⑥連絡がつきやすい携帯番号などと、連絡してもよい時間
●寄贈した先の方に、あなたのお名前やご住所などをご連絡してもよいかどうかもお教えください。
<連絡先>
※大変お手数おかけしますが、メールかFAXでお願いします。
会員室 会員グループ
メール:
[email protected] FAX:03-5436-2636
(会員室/猪沢 則子)
■義援金へのご協力ありがとうございます■
8月2日〜9月5日までに、以下の支部の皆さまから義援金をお寄せいただきました。温かいご協力、誠にありがとうございます。
- 日本野鳥の会 オホーツク 様/16,970円(支部で実施したバードソンの収益を寄付)
- 日本野鳥の会 福岡(支部有志) 様/75,000円
- 日本野鳥の会 福岡 様/110,311円
- 日本野鳥の会 奥多摩支部 様/29,563円(6/1~8/7の14の探鳥会にて)
この他、会員、支援者、関係団体などの皆さまからの義援金を合わせて、9月5日現在、合計3,245,849円となっております。
義援金の締め切りは9月30日となっております。引き続き協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
(会員室/吉倉 浩子)
■三陸沿岸で2回目のカンムリウミスズメ調査■
●2回目の非繁殖期調査
被災地支援を兼ねた、東北地方の三陸沿岸でのカンムリウミスズメ洋上調査を8月23日〜27日に行いました。先号で報告した7月の調査に続き、非繁殖期では2回目の調査となります。調査海域は前回と同じく、宮城県塩釜港から金華山沖の海域、岩手県大船渡沖の海域、岩手県普代沖の海域、青森県八戸港から北海道苫小牧港への定期航路の往復海域です(図1)。前回、海域の場所によっては海鳥がほとんど出現しなかった場所もあったことから、チャーター船の船頭さんや当地の支部の方のご意見を参考にして、調査コースを若干変更して行いました。5日間かけて延べ約35時間の洋上観察を行いました。
その結果、三陸沿岸沖ではカンムリウミスズメを見つけることができなかったものの、8月27日に苫小牧から八戸までのフェリー航路上において、苫小牧沖で非繁殖羽のカンムリウミスズメ2羽を確認しました(図2)。8月における本種の目撃情報は少なく、貴重な記録となりました。
●今回も被災漁船をチャーターし、支部の方と協力して調査を実施
前回お世話になった被災漁船を今回もチャーターして調査を行いました。また、前回に引き続き宮城県支部、みやこ、北上支部の各支部数名ずつの方々が調査の応援に来てくださいました。非繁殖期の東北地方での調査は10月にあと1回を予定しています。次回も被災漁船や支部の方の協力を得て実施する予定です。
●宮城県塩釜港〜金華山沖
【調査日時】2011年8月23日 7:08〜14:27
【調査員】当会職員4名(西五反田事務所2名、三宅島事業所1名、豊田自然観察の森1名)
当会宮城県支部4名(竹丸勝朗支部長、他会員3名)
【調査船】塩釜港 かもめX(えびす屋)
【調査結果】カンムリウミスズメは観察できず
オオミズナギドリ、ウミネコ、オオセグロカモメ、ウミウ、アカエリヒレアシシギなど
●岩手県大船渡沖
【調査日時】2011年8月24日 7:23〜12:58
【調査員】当会職員 4名(同上) 当会北上支部6名(高橋知明支部長、征矢和宣副支部長、他会員4名)
【調査船】大船渡港 幸徳丸
【調査結果】カンムリウミスズメは確認できず
オオミズナギドリ、クロアシアホウドリ、ヒレアシシギの仲間など
●岩手県普代沖
【調査日時】2011年8月25日 6:58〜13:45
【調査員】当会職員4名(同上) 当会宮古支部1名(関川実事務局長)
【調査船】大田名部港 第二十一翔光丸
【調査結果】カンムリウミスズメは観察できず
オオミズナギドリ、フルマカモメ、アジサシなど
●青森県八戸港→北海道苫小牧港
【調査日時】2011年8月26日 8:57〜15:39
【調査員】当会職員4名(同上)
【調査船】シルバーフェリー シルバークイーン
【調査結果】カンムリウミスズメは観察できず
オオミズナギドリ、ハイイロミズナギドリ、アカアシミズナギドリ、クロアシアホウドリ、オオトウゾクカモメ、トウゾクカモメ、アジサシなど
●北海道苫小牧港→青森県八戸港
【調査日時】2011年8月27日 9:25〜17:55
【調査員】当会職員2名(西五反田事務所2名)
【調査船】シルバーフェリー フェリーはちのへ
【調査結果】カンムリウミスズメを2羽確認
オオミズナギドリ、クロアシアホウドリ、トウゾクカモメ、アジサシなど
(サンクチュアリ室/江崎 逸郎)
■三重県でのイヌワシ生息地保全■
発表した内容は、下記のとおりです。一部内容は省略しています。このプレスリリースの全文は、当会ホームページからご覧いただけます。
http://www.wbsj.org/press/110829.html
藤原岳周辺のセメント採掘に関する環境影響評価準備書に対し日本野鳥の会三重、日本野鳥の会滋賀、日本野鳥の会愛知県支部、(公財)日本野鳥の会は、主にイヌワシ保全の観点から意見書を提出しました
2011年8月29日
日本野鳥の会 三重
日本野鳥の会 滋賀
日本野鳥の会 愛知県支部
公益財団法人 日本野鳥の会
日本野鳥の会三重(事務局:三重県玉城町、代表:平井正志)、日本野鳥の会滋賀(事務局:滋賀県守山市、代表:石井秀憲)、と日本野鳥の会愛知県支部(事務局:名古屋市、支部長:新實豊)、公益財団法人日本野鳥の会(事務局:東京、理事長:佐藤正志、会員・サポーター数約5万1千人)は、8月26日までに、太平洋セメント株式会社に対して、三重県いなべ市における藤原鉱山およびその周辺次期原料山開発事業環境影響評価準備書に対する意見書をそれぞれ提出しました。
藤原鉱山およびその周辺の新鉱区におけるセメント採掘の事業については、同社により環境影響評価のため各種調査などが進められ、7月19日に準備書が縦覧され、9月1日までの日程で意見の募集が行われています。
この採掘計画については、事業計画地周辺で絶滅の恐れのある猛禽類であるイヌワシ1つがいの生息が確認されていることから、日本野鳥の会三重と(公財)日本野鳥の会はその営巣や採餌への影響を懸念し、営巣地に近い治田(はった)鉱区の事業中止と、重要な採餌地を含むと思われる山頂鉱区における十分な調査・解析と影響回避を求めていました。
今回は当該のイヌワシの行動圏が広がっていると考えられる滋賀県を活動範囲とする日本野鳥の会滋賀、及び隣接県である日本野鳥の会愛知県支部も加わり、4者で準備書について検討した結果、事業者である太平洋セメントが治田鉱区の事業を当面延期したこと、及び山頂鉱区において失われると考えられる採餌地を代償する環境保全措置を実施することを踏まえ、主に次のような点を述べています。
- イヌワシの営巣地保護のための治田鉱区の採掘延期を評価する。
- 山頂鉱区に関しては、現時点ではその影響を過小評価している可能性がある。評価あるいは工法の見直しが必要である。
- 環境保全措置においては、上記を踏まえ、最新の知見を踏まえたデータ収集を行い、専門家を交えた詳細な検討体制を設置して、モニタリング結果を踏まえながら実施する必要がある。
三重県と滋賀県の県境の鈴鹿山脈においては、かつて6つがいのイヌワシが生息していましたが、現在は3つがいしか生息していません。そのうち、計画中の鉱区の直ぐそばで営巣するつがいは、もっとも繁殖成績の良いつがいであり、他の2つがいは、近年ヒナを巣立ちさせることができていません。また当該つがいは、三重県内で繁殖する唯一のつがいです。その意味で、このつがいの現在の生息環境を維持できなければ、鈴鹿山脈に生息するイヌワシ全体が危機にさらされると判断されます。
この指摘に対し、イヌワシの保全について前向きな姿勢を示した事業者を評価すると共に、生息・繁殖状況について影響を与える藤原岳山頂付近の平坦な草原環境の消失について、最新の知見を生かした保全措置を求めました。
■日本野鳥の会北海道ブロック協議会総会 報告■
【日時】2011年6月25日(土)13:00〜2011年6月26日(日)9:00
【場所】北海道立森少年自然の家「ネイパル森」(北海道茅部郡森町)
【主管】日本野鳥の会道南桧山
【出席】北海道ブロック協議会会長/藤巻裕蔵氏、北海道大学名誉教授/小城春雄氏(記念講演講師)、日本野鳥の会道南桧山/一戸静夫氏、奥田孝一氏、田中正彦氏、後藤慎一氏、西澤勝郎氏、大徳尚人氏、鈴木晃子氏、ほか会員の皆様5名、日本野鳥の会オホーツク/花田行博氏、多賀憲雄氏、日本野鳥の会ねむろ/阿部 嗣氏、高田令子氏、日本野鳥の会釧路/黒沢信道氏、日本野鳥の会十勝/千嶋 淳氏、日本野鳥の会旭川支部/田村元春氏、内田房子氏、日本野鳥の会滝川支部/越後 弘氏、日本野鳥の会札幌支部/山田三夫氏、猿子正彦氏、鈴木幸弥氏、鈴木順子氏、日本野鳥の会小樽支部/梅木賢俊氏、日本野鳥の会苫小牧支部/鷲田善幸氏、日本野鳥の会室蘭支部/篠原盛雄氏 *以下、「日本野鳥の会」は省略して表記
(公財)日本野鳥の会からは、サンクチュアリ室室長/富岡辰先、自然保護室室長代理/古南幸弘、野鳥保護区事業所チーフレンジャー/松本潤慶、ウトナイ湖サンクチュアリチーフレンジャー/中村聡が出席
【欠席】日本野鳥の会道北、日本野鳥の会小清水、日本野鳥の会江別支部、日本野鳥の会函館支部
【配布資料】
①2011年度日本野鳥の会北海道ブロック協議会総会議案
②各支部活動状況報告書綴り
③北海道大学名誉教授/小城氏 講演資料
④2010〜2011年 高病原性鳥インフルエンザの感染発生状況について(自然保護室/古南)
⑤2010年秋〜2011年春の、高病原性鳥インフルエンザ(強毒性)の感染防止にかかる、北海道内サンクチュアリの対応について(ウトナイ湖サンクチュアリ/中村)
⑥北海道で進める野鳥保護区事業について(野鳥保護区事業所/松本)
⑦2011年度新年度に当って支部長のあいさつ(室蘭支部/篠原氏)
⑧地域の団体が連携して取り組む海鳥調査〜浦幌町厚内沖の事例〜(十勝支部/千嶋氏)
⑨十勝野鳥だより(十勝支部)
⑩その他、観光パンフレットなど
- 主管連携団体挨拶
主管の連携団体代表として、道南桧山代表の奥田氏より、前支部長/林吉彦氏の逝去に際して黙祷を捧げたことへの謝辞、および風力発電計画を巡る道南地方での現況についての報告があり、挨拶が述べられた。
- 記念講演
北海道大学名誉教授の小城春雄博士が「オホーツク生態保全日ロ協力シンポジウム〜オホーツク海の海鳥類の分布と食性〜」とする演題で講演された。
- 総会
(1)挨拶
- 北海道ブロック協議会会長/藤巻氏より、開会の挨拶が述べられた。また、代表就任後10年が経過したことから、近い将来に会長を交代するよう検討願いたいとの意向が述べられた。
- サンクチュアリ室室長/富岡より、今回は役員の都合がつかず欠席をお詫びすること、支部名称変更の件では皆さんにご迷惑をおかけしたこと、東日本大震災で被災された会員の安否確認を継続しており、柳生会長が支援イベントに参加するなどしていること、当会の呼びかけに対し200万円ほどの義援金が集まっていること、新制度移行に伴って評議員の人数は減少したが、引き続き支部との連携を考えており、7月に連携団体総会を予定していること、「Strix」の発行を再開したことなど、挨拶を述べた。
(2)議事
①(財)日本野鳥の会(旧制度下)理事会および評議員会報告
- 北海道ブロック理事(旧制度下)/花田氏より旧制度下で最後となった前回3月の理事会について、また、北海道ブロック評議員(旧制度下)/山田氏より5月に開催された評議員会の報告がなされた。
- 花田氏からは、新制度に伴い3月31日に旧制度での理事・評議員は終了したこと、公益財団では理事および評議員の人数が縮小されたこと、(財)日本野鳥の会(旧制度下)の財政状況は改善されており、今後も健全に運営をしていただきたいこと、などの報告がなされた。
- 山田氏からは、当初は平成21年度までの任期だったものが、1年間の延長となっていたこと、寄付による黒字決算ということで、職員の笑顔が印象的だったこと、他の出席者からの意見として、ウトナイ湖サンクチュアリ継続のための特定寄付に関する意見や新制度下での評議員会を傍聴できないかといった意見があったこと、新制度移行時の混乱について内閣府担当者から謝罪と説明があったこと、などの報告がなされた。
②2010年度北海道ブロック事業および決算報告
- 担当の道北支部/佐藤氏が都合により欠席のため、総会議案にある「2010年度収支報告書」をもとに道南桧山/一戸氏から報告がなされた。
- 2010年度収支決算では、収入が計121,480円、支出は計9,744円となり、次年度への繰越金111,736円は一戸氏宛てに現金で送付されたとの報告がなされ、原案どおり了承された。
- ねむろ/阿部氏より、余剰金をウトナイ湖サンクチュアリへの、また、震災被災地への寄付としたらどうかとの提案があり、討議の結果、次年度開催運営分として3万円を残し、残金はウトナイ湖サンクチュアリの基金へ寄付されることとなった。
③2012年度および2013年度の、北海道ブロック協議会開催地について
- 資料をもとにした討議の結果、2012年度の開催地は小樽市で、日本野鳥の会小樽支部が主管となり、また2013年度の開催地は釧路市で、日本野鳥の会釧路が主管となることが決定された。
④(公財)日本野鳥の会 からの報告
- 自然保護室/古南が資料をもとに、2010〜2011年高病原性鳥インフルエンザの感染発生状況について報告し、質疑に応答した。感染発生が起こった際に現地に行くべきか、ウィルスを拡散させないように現場には近づけないようにすべきかの判断基準が欲しいというご意見、感染発生時は行政が特定の専門家に調査を委託するので、一般のバードウォッチャーとしては通常時の役割が重要であろうとのご意見、今回の感染は簡易検査は陰性でも詳細検査で陽性と分かった事例が多いので注意が必要とのご意見、ウィルス発見例だけでなく、検査したが発見されなかった例も広報していくべきとのご意見、環境省のマニュアルの要注意種の選択は見直し、追加が必要とのご意見等をいただいた。
- ウトナイ湖サンクチュアリ/中村が資料をもとに、2010〜2011年の高病原性鳥インフルエンザ感染防止に関して北海道内サンクチュアリがとった対策について報告し、質疑に応答した。
- 野鳥保護区事業所/松本が資料をもとに、タンチョウやシマフクロウの野鳥保護区、野鳥保護区内での巡回やモニタリング調査、エコアップや普及活動について報告し、質疑に応答した。森林管理方法として、植栽後に肥料を与えてはどうかというご意見、エゾシカの食害対策についてのご質問等をいただいた。
⑤2010年度の各支部の活動報告
- 「各支部活動状況報告書綴り」資料を以て発表に代えられた。
- 北海道ブロック協議会会長/藤巻氏より、調査活動を行っている支部は、結果を支部報などに掲載してほしいとの意見が述べられた。
- 小樽支部/梅木氏より、銭函海岸での風力発電計画について、経緯や問題点などの報告がなされた。
- 札幌支部/山田氏より、震災後の状況変化に伴う風力発電について、(公財)日本野鳥の会としてのポリシーを示してほしいとの意見が述べられ、自然保護室/古南が、風力発電計画への基本的な考え方は、温暖化対策は重要であるものの、野鳥への影響をできるだけ回避すべき、特に絶滅危惧種への悪影響のある施設は建設すべきでない、という基本線に変わりはない、と応答した。
- 発表・要望・その他
(1)ウトナイネイチャーセンター支援募金、風力発電対策野鳥調査/室蘭支部
- 室蘭支部/篠原氏より、前回北海道ブロック会議での、ウトナイ湖サンクチュア リ存続決議について経緯説明があり、資料をもとに、室蘭支部のウトナイ湖サンクチュアリ支援への取り組みについて報告がなされた。また、ウトナイ湖サンクチュアリの賛助会(ファンクラブ)について、現在は一口1万円だが、これを一口1千円とした方が多くの方に入会いただけるのではないか。小口化について検討いただきたい、との意見を述べられた。さらに、ファンクラブ入会パンフレットの不備について、また、前回北海道ブロック会議報告の、支部ネット通信への掲載が遅れたことについて指摘があった。
- サンクチュアリ室/富岡より、ウトナイ湖サンクチュアリの今後については役員の中で検討中であり、結論は出ていない。レンジャーの活動については、今後数年間は西北海道の事務所として、野鳥保護区の管理や設置するにあたっての候補地調査等、動ける体制をつくっていきたい。また、特に近隣支部の皆さんへは、毎月のようにウトナイ湖で探鳥会を開催するなど、協力いただきたい。支部ネット通信の件は事務的なミスでお詫びしたい。ファンクラブの小口化については検討したい、など応答した。
- また、室蘭支部/篠原氏より、風力発電計画への対応策として、絵鞆半島で行った調査について支部設立30周年記念誌に結果を掲載した旨の報告がなされた。地元の自然について数量化し、発表することで、開発の歯止めとしたいとの思いで調査を行っているということであった。
(2)地域の団体が連携しての海鳥調査/十勝支部
- 十勝支部/千嶋氏より、同支部が他の地域団体(漂着アザラシの会、浦幌野鳥倶楽部など)と連携して行っている海鳥調査について、事例発表がなされた。
(3)その他
- 北海道ブロック協議会代表の交代については、1年かけて検討したい旨、札幌支部/山田氏から発言があり、了承された。
- 支部名称の再変更について、情報交換がなされた。北海道内は4支部を除き、すでに旧名称に戻しており(函館支部は不明)、さらに旧名称に戻す方向で検討中の支部もあるとの現状が共有された。また、無駄な出費を強いられたことに対する不満の声があった。
- 主管連携団体挨拶
主管の連携団体代表として、道南桧山代表の奥田氏より、北海道ブロック協議会総会終了の挨拶が述べられた。
- 交流会
記念撮影および夕食後に、道南桧山/田中氏の司会により、交流会が開催された。
- 早朝探鳥会
- 午前6時に「ネイパル森」を出発し、道南桧山/田中氏、奥田氏、西澤氏のご案内により、大沼森林公園で探鳥会が開催され、キビタキやクロツグミなどを観察した。
- 「ネイパル森」に戻り、朝食後に流れ解散となった。
(サンクチュアリ室/中村 聡)
■2011年度連携団体全国総会報告■
- 開催概要
【日時】2011年7月2日 14時00分 〜 3日15時00分
【会場】川崎グランドホテル(神奈川県川崎市)
【出席】全国の連携団体(支部等、以下「支部」という。)から40支部、43名の出席があった。財団からの出席は、佐藤理事長以下、役職員計28名が出席した。
【日程】
2日(土)
13時30分 受付
14時00分 開会
東日本大震災被災者への黙とう、佐藤理事長からの挨拶、会の趣旨説明
14時30分
連携団体全国総会の今後の在り方等について
15時00分 高病原性鳥インフルエンザについて
17時30分 一日目会議終了
18時15分 懇親会
3日(日)
9時00分 東日本大震災に関する対応について
11時10分 洋上風力発電について
12時00分 昼食
13時00分 積み残した話題について
15時00分 閉会
- 第1日目 佐藤理事長の挨拶、この会の趣旨説明
東日本大震災による犠牲者、被災者に対して一同黙とうを捧げた。佐藤仁志理事長から挨拶とこの会に関する趣旨説明として、新しい公益法人制度へ移行し、ブロックから理事、評議員それぞれ半数を推薦していた機能がなくなったこと、支部代表者が集うこの会における活発な議論を願う旨の説明があった。
- 第1日目 連携団体全国総会(仮称)の今後の在り方等について
佐藤理事長から連携団体全国総会(仮称)の名称、目的、時期、回数及び参加対象者に関する説明があった。意見交換の結果、会の正式名称は「日本野鳥の会連携団体全国総会」、通称は「日本野鳥の会全国総会」とすること、当面開催場所は東京近郊、交通費の一部を財団が負担すること、毎年5月第4土日で開催し、2012年度は5月26、27日開催とすることとなった。
意見交換の中では次のような意見が出された。
<開催日程について>
広島県:予算編成との関係で2月開催がよいのでは。
佐賀県:今回の出席数は40支部であり、増やすためには予算の関係で年度明けがよい。また、各地で開催する持ち回り制度にすると多くの方が出席できる。
東京:多数決で決めると不利を被る支部が出るので、更なる意見交換が必要と思う。
愛知県:バードウィークを外せばよい。
財団事務局:事務局の決算業務のため4月開催には対応できない。5月下旬なら対応可能である。
佐藤理事長:5月第4の土日開催はどうか?来年は5月26,27日となる。
<運営方法について>
筑後:地方で開催すると費用がかさむ支部が出るため関東での開催が望ましい。
あおもり:最初の3年間は財団主体で開催し、徐々に財団のバックアップを得ながら自主的に開催できるようにする方がよい。会場の持ち回りはある程度経ってからの方が良い。
東京:運営は財団で行い、プログラム内容は支部から話題を提供するのが良い。
佐賀県:意見交換に特化する方が良い。小規模団体でも参加できるように財源を出し合うのが良い。将来的には自主的な組織としたらいいのでは?
佐藤理事長:開催場所に関しては、持ち回りまたは東京近郊という2つの意見があり、財源を拠出して開催するという意見があった。運営方法に関しては、最初は財団が中心となって行い、テーマは皆さんから意見を聞いて決定する。各ブロックから1名参加する会議で内容を決めるという方法もある。財団からの補助は予算内で行う。
千葉県:運営方法は財団の意見でいいと思う。各地域から共通の話題があれば提供してもらうのが良い。
佐藤理事長:運営は財団で行い、テーマに関しては皆さんの意見を考慮して決めることでよろしいか?(一同拍手)開催場所はしばらく東京近郊でよろしいか?(一同拍手)補助金に関しては、財団の予算内でカバーする。
筑後:ブロックの位置付けは今度どうなるのか?
佐藤理事長:今までと同様であるが、理事および評議員を推薦する機能がなくなった。各支部が遠隔地から参加する支部の費用負担を行う件に関しては、各支部で話し合い、来年の総会で意見を持ち寄っていただきたい。来年は以上の形式で開催することでよろしいか?(一同拍手)
東京:全国の支部が参加した場合の費用の総額を教えていただきたい。
佐藤理事長:支部ネット通信で報告する。
松田理事:欠席した支部の欠席理由を把握していただきたい。
佐藤理事長:事務局で可能な限り行う。
- 第1日目 高病原性鳥インフルエンザについて
●講演「高病原性鳥インフルエンザについて」
鳥取大学農学部の山口剛士教授から、インフルエンザウイルスの特徴や本来の宿主である水禽類からウイルスが突然変異して、ニワトリや豚、馬など他の宿主へ広がったと考えられるといった突然変異や高病原性ウイルス出現の仕組みに関する解説をしていただいた。
●日本の置かれている状況について
〜渡り鳥などの野鳥と高病原性鳥インフルエンザの感染発生2010-2011
(報告:主席研究員、サンクチュアリ室/金井裕)
2010年10月から2011年3月までの国内における発生状況や鹿児島県出水市における取組、バードウォッチャーとして、野外での異常の監視、ウイルス拡散防止、感染地周辺の鳥類調査への協力、野鳥の極度の集中の緩和などの役割があるといった報告をおこなった。
●参加支部からの報告
野鳥への感染が確認された地域を抱える支部のうち、鳥取県支部と鹿児島の2支部から事例報告をいただいた。
①)NPO法人日本野鳥の会鳥取県支部(報告者:福田紀生支部長)
2010年12月4日、感染の疑われるコハクチョウが発見され、18日に感染が確認された。翌19日には県内11カ所の河川等を支部あげて調査したが、衰弱個体や死亡個体はなかった。マスコミにも取り上げていただいて一般市民向けに注意喚起をはかった。
②日本野鳥の会鹿児島(報告者:溝口文男副代表)
出水平野では、ナベヅルにおける感染が確認され12月24日から3月31日迄、環境省と支部、財団とで監視活動を行った。弱っている個体を把握し、捕獲することは難しく、また、検体はカラスに食べられてしまうことが多く残っていない場合があった。異常を発見する際、ナベヅルの生態を熟知していることが役立ったのではないかと思う。
●財団サンクチュアリ室の取り組み(報告:サンクチュアリ室/富岡)
2010年10月に稚内市大沼で高病原性インフルエンザが発生して以降、北海道内の当会のサンクチュアリおよび野鳥保護区において監視活動を行っている。異常個体の発見や会員、支援者への情報提供を目的としているが、これまで問題は発見されていない。他の現場も含めて今年の秋以降も監視活動を行っていく。
●情報交換、意見交換
意見交換の中では次のような意見が出された。
徳島県:ナベヅルや他の野鳥にH5N1の感染があまり広まらなかったのは何故か?
山口教授:はっきりしたことはわからないが、このウイルスについてナベヅル、マナヅルは感受性が低かったためだと思われる。
大阪:アジアでは養鶏ビジネスが盛んで日本の管理体制もしっかりしておらず、今年の冬も同様になると思われる。今後の予測は?
山口教授:国内で次々と感染が発見されるという状況は別として、鶏から野鳥へ感染するという元が絶たれない限り常に続く可能性が高い。
佐賀県:今回はH5N1に感染しても死亡しない個体が多く、それほど感染が広がらなかったということか?感染した野鳥に問題が出ないまま人間へ感染るという可能性は?東南アジアでは夏場に家禽において感染事例があったと思うが、それが夏鳥を経由し日本へ広まる可能性は?
山口教授:1つ目、高病原性に感染するとその野鳥は死んでしまうので他へそれほど広がらないと想像できる。また感染症なので2週間もすればウイルスはいなくなって検出されなくなる。2つ目、96年から現在まで五百数十名の感染が認定されているが、感染症としては多い数ではない。人間にはそうやすやすと感染するウイルスではないが、鶏から豚などへ感染し突然変異等を繰り返せば人間へ感染する可能性が高まる。3つ目、マガモは抵抗性があり、感染症状を出さずにウイルスの運び屋になる可能性がある。同じようなタイプの野鳥が夏鳥にいれば、そこから日本へ感染が広がる可能性はある。
山口県:野鳥誌で特集号を組んで会員向けに本件を取り上げていただきたい。
財団葉山:今年シーズン前に小さな特集を考えているが、今後検討する。
千葉県:干潟でスズガモの糞塊調査をおこなっているが、調査時の留意点を教えて。
山口教授:手袋とマスクをして調査終了後は手を消毒する。環境省のHP上マニュアルも参考に。
熊本県:環境省発表の感染リスクの高い野鳥種33種に該当しないという理由により、調査をしていない種がいるが対象を広げる必要性はないのか?
財団金井:あくまで最低限ということで33種リストアップしている。リストにないからといって調査対象から外すことは間違っている。
筑後:傷病鳥の持ち込みに対する対処方法と感染野鳥から海や海産物等への影響について伺いたい。
山口教授:動物園や獣医師が傷病鳥の持ち込みを断る気持ちはよく分かる。体制が整わない場合、受け入れを止めた方がよいと思う。このウイルスは紫外線、塩素消毒で無くなるウイルスなので海や水道水への心配はないと思う。
栃木:素手で野鳥を触らなければならない場合の注意点を教えて。
山口教授:理想的には手袋をして野鳥に触れること。できなければ手と足をアルコールで消毒すること。
- 第2日目 東日本大震災に関する対応について
●被災支部からの報告
東日本大震災で被害を受けた支部のうち、福島県と宮城県にある5支部から被災状況や支部活動の様子等に関するご報告をいただいた。
①日本野鳥の会ふくしま(報告者:志賀裕悦副代表)
福島県は、地震、津波、原発、風評被害と4重被害を受けている。福島市内は津波の被害はなかったが瓦屋根の破損が多く見受けられる。また、浜通りからの避難者がいるため、探鳥会は定例会のみ行っている。会員の中に大きな被害を受けた者はない。
②日本野鳥の会いわき支部(報告者:吉田正明副支部長)
いわき市には海岸線が50km位あり、津波の被害が大きかった。砂浜が内陸方面に移動し、河口が閉塞状態となって2〜3mの波でも砂浜が洗われてしまう。コアジサシやシロチドリに悪影響がある。
③日本野鳥の会会津(報告者:林克之代表)
会津地方は地震の被害は少なかったが、浜通りから約1万4千人の方が避難している。一番の被害は風評被害。活動に関しては平常通りを心がけているが市との共同活動は中止になった。
④日本野鳥の会白河(報告者:三森繁代表)
地震による家屋への被害は大きいが会員の人的被害はなかった。風評被害が大きく訪れる人が少ない。毎年開催している定例探鳥地では遊歩道などに亀裂が生じた。6月下旬開催予定の探鳥会はがけ崩れのため中止した。野鳥への影響は現在不明。
⑤日本野鳥の会宮城県支部(報告者:竹丸勝朗支部長)
震災から3週間後に会員全員の安否確認がとれ、1名消息不明のまま。蒲生海岸の砂浜の一部が無くなり、IBAである江ノ島列島の隣の足島の表土は残っていたががけ崩れが起きていた。牡鹿半島は陸地が東へ移動し地盤も沈下した。海鳥は、オオミズナギドリの数はいつもより少なく、卵を土中ではなく地面に産んでいる。ウミネコのヒナも少ない。ウトウは繁殖している。
続いて財団各部がおこなう被災した会員に対する支援策や復興支援に関する報告をおこなった。また財団と支部が連携し取り組んだ被災地復興支援イベント「がんばろう福島」に関する報告があった。
①会員室(報告:会員グループ/猪沢則子)
地震発生後、1週間くらいで支部役員の方の安否確認が出来た。義援金や双眼鏡寄付といった会員皆様からのご支援に感謝する。被災支部では、残念ながら会員2名の方が亡くなられた。当会としては、被災支部の方の本部会費を一年間免除、家屋損壊のため居住できない方や原発事故により避難を余儀なくされた方に対して自己申告に基づき義援金をお送りする準備を進めている。
②普及室(報告:販売出版グループ/瀬古智貫)
財団事務所のある品川区は宮古市と災害援助相互協定を結んでいるため、Tシャツ200枚を支援物資として送った。風評被害に関する支援策として当会の通信販売で福島県物産を扱っている。今後は宮城、岩手産物産を扱う予定である。
③被災地復興支援イベント「がんばろう福島」(報告:普及室/岡本裕子、林山雅子)
6月12日に開催された福島県白河郡西郷村主催の被災地復興支援イベント「がんばろう福島」に協力した。ブース出展し柳生会長も参加した。また関東、福島県内の支部に協力いただいて、一般向け探鳥会を実施し多くの方が参加した。今回準備期間の少ない状況下で多くの支部が参加、協力してくれたことに感謝したい。引き続き様々な復興支援をおこなっていきたい。
④(報告者:日本野鳥の会白河/三森繁)
急な話にもかかわらず関東や福島県内の支部から大勢の方にお越しいただいた。野鳥が好きという純粋な気持ち一つだけで団結してまとまれる素晴らしい団体だと実感した。財団本部と協力し復興支援につながる活動を今後もおこなっていきたい。
⑤(報告者:日本野鳥の会ふくしま/志賀裕悦)
柳生会長に盛り上げていただいた。今後もこのようなイベントを実施すると被災地支援につながっていくと思う。
⑥(報告者:日本野鳥の会栃木/河地辰彦)
今回のイベントに支部から十数人が駆け付けた。今後はブロックの垣根を越えて一緒に行事を実施したいと考えている。
⑦(報告:人材育成プロジェクト/箱田)
現地へ行ってみるとやるべきことがわかるということを痛感した。継続的に復興支援をおこなっていきたい。
意見交換の中では次のような意見が出された。
遠藤理事:当会ならではの活動として、各支部から野鳥生息地の被害状況を把握し、モニタリングしていくこと、復旧事業の本格化に伴い大規模開発があるような場合は適切な提言をしていくこと、放射能の野鳥に対する悪影響については調査機関等と連携し状況把握していくこと、この3点を行っていただきたい。
千葉県:津波の影響によって東京湾内の干潟の砂が流されたと思う。今のところコアジサシ繁殖地への影響は確認されていない。小魚等を食べる海洋鳥に対する放射能の悪影響を最も危惧している。私たちがモニタリングをし、財団本部がそのデータ蓄積機能を担っていくといった体制が必要である。
財団葉山:モニタリングサイト1000の一環として、被災地の沿岸地域に位置する3カ所で定点調査を開始している。地元支部の協力を得つつ継続的にモニタリングしていく。
- 第2日目 洋上風力発電について
●財団からの報告(報告:自然保護室/古南)
洋上風力発電について回転翼への衝突や生息地のかく乱といった鳥類に対する悪影響に関する説明、風力発電事業を対象化する環境影響評価制度の改正といった風力発電をめぐる国内状況に関する報告、自然エネルギーの適正な導入のために海鳥に関する基礎調査や環境影響評価の義務化、事後モニタリングの実施等が必要であるいった報告をおこなった。
意見交換の中では次のような意見が出された。
千葉県:銚子沖のNEDO実証事業計画地の海鳥に関する調査にNPO法人として協力した。調査船2隻により定点調査とセグメント調査をおこなったが、従来想定してなかったことが多く分かった。海鳥の行動は餌資源に依存し日々変わる。ここなら洋上風力発電を建設しても良いと簡単には言えない。安易な自然エネルギーへのシフトに対しては、自然保護団体として生態系への影響をきちんと発言していかなければならない。
- 第2日目 積み残した話題について
佐藤理事長から、問合せや希望が出されていた新評議員会の傍聴について、評議員へ諮ったところ6月開催の定時評議員会は支部代表者の傍聴が可能となった旨の報告があった。
●会員減少について
佐藤理事長から、会員数の減少傾向について、平成12年を境に総合型会員の減少が目立つとの説明があった。
意見交換の中では次のような意見が出された。
愛知県:支部の規模別に会員数の増減が分かる資料を参考資料として配布した。会員数が増加している支部の対策を教えていただきたい。
栃木:日々会員増の努力をしており、非会員対象の探鳥会も開催している。
神奈川:「ヒナ鳥会員」というお試し入会の仕組みをつくり成果が出ている。
長野:地方紙への行事案内掲載、バードフェスタの開催、人が集まる市民病院でのパンフレット配布等の努力をしている。
東富士:子ども向けの自然教室を開催したことで、若い親子の入会や学校関係者とのつながりができた。
大阪:「ムクドリ会員」というお試し入会の仕組みや親子で参加する観察会等の工夫をしている。「ムクドリ会員」は1年後に正会員となってくれる人が多い。
●洋上風力発電について
長野:事業規模を環境影響評価が不要な1万kw以下として申請し、後日規模を拡大するようなケースへの対策が必要である。
山口県:下関市安岡沖の洋上風力発電計画を見て驚き、財団に相談しながら要望書を作成した。調査計画書案が出来た時に見せてもらい意見を述べ、独自にデータを取る姿勢も大切である。
鳥取県:事業者が泊漁港沖合の洋上風力発電の計画を持ってきた。調査方法を確認し、夜間調査も大切、渡り鳥のルートかもしれないと意見を述べた。今後の対策を模索中である。
千葉県:銚子沖の調査にはオブザーバーとして参加した。響灘での洋上風力発電のテスト結果で建設が加速化する可能性があるので、当会として注意が必要である。
佐藤理事長:洋上風力発電に関する自然保護資料集を発行する。支部と連携しつつ今後も取り組んでいきたい。
●東日本大震災に関する対応について
東京:鳥類調査の記録を後世に残すため支部報を国会図書館に寄贈することをおすすめする。2部寄贈すれば1部は関西の国会図書館で保管される。
財団葉山:財団から支部の探鳥会記録を収集しデータ化することと、情報交換のためのメーリングリストへの参加を呼びかけている。未加入支部は参加をお願いしたい。
松田理事:チェルノブイリの原発事故後、レニングラードでミヤマガラスの白化個体が増えたと現地の学者から聞いた。一般的な野鳥の動向を注視していくのが当会の責務だ。
茨城県:チェルノブイリ事故とは放出された核種の違いなどがあり慎重に比較をする必要がある。
東京:当会として、被害を受けた地域の回復状況のモニタリング、復興事業が生態系に与える影響のモニタリング、放射線の影響のモニタリング、被災地全体の鳥類のモニタリングの4点くらいを行っていくべき。
佐藤理事長:支部と連携しながら今後も震災対応を行っていきたい。
●その他
大阪:身近な野鳥の調査を簡単な方法で長期に行いデータを蓄積する必要がある。
遠藤理事:日本野鳥の会栃木はバードリサーチと共同でベランダバードウォッチという調査を行っていて、すでに事例がある。
室蘭:連携団体全国総会の位置付け等が定款に記載されていない。連携強化というのであれば制度として定款等に記載すべきである。また、ウトナイ湖サンクチュアリの今後を憂慮している。支部として地域に拠点があることは非常に重要だが、財団本部の方針はいかがか?
筑後:福岡市油山の受託事業が今年度継続できなかった件の説明をお願いしたい。
佐藤理事長:制度移行によって「寄付行為」が「定款」と変わったが、下部規定を含めて内容や位置付けはほとんど従来と変更はない。
室蘭:ブロックから理事や評議員の選出機能がなくなったため、この連携団体全国総会をきちっと定款上位置付けて、支部やブロックの意見をどのような形で財団運営へ反映するのか明確にしておいた方がよいのではないか。
佐藤理事長:法律上の機関である理事会や評議員会とこの連携団体全国総会との関係性はまだ整理されていない。しかし、新評議員には会員代表の方3名が含まれており、この場に出席した評議員を通じて評議員会で反映していただく。また、地域拠点の重要性は承知しているが、受託サンクチュアリと直営施設であるウトナイ湖サンクチュアリとでは事情が違う。油山は指定管理で応募要件の中に福岡市内に事務所があることという条件があった。入札するために日本野鳥の会福岡と相談して地元の有力企業と連携したが落札できなかった。ウトナイ湖サンクチュアリについては、収入源が少ない中で維持管理費支出をどう捻出するのか等、今後の在り方を検討中で方向性はまだ出ていない。今後1年間連携する上でこういう共通テーマ、キャッチフレーズなどあれば教えていただきたい。
ひょうご:テーマは"頑張ろう日本"でいい。福島県復興イベントのように、全国の支部がお金や知恵を出し合って協力したらいい。
鹿児島:鳥インフルエンザは切迫した問題で、次の冬がパンデミックになる恐れもある。資金面も非常に厳しく、監視員の派遣など、何か起こった時には余力のある他の支部の支援が必要である。
あおもり:次回は全国総会としての議長を立てて運営していただきたい。
佐藤理事長:議長や運営方法等は今後検討する。来年はもっとたくさんの支部からの参加があるように努力したい。公益財団法人となってさらに公益的な活動を支部の皆さんと協力して進めていきたい。
(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)
■支部報保護・調査記事関連トピックス■
本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある方へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.568
●2011/6 東京
・アカガシラカラスバトの域外保全
・冬の野川の野鳥
・箱根におけるスズメの繁殖分布
●2011/6 神奈川
・籠の中の野鳥を救おう(その1)
・植物油と海老が夏鳥を減らした
●2011/6 福井県
・第27回オジロワシ・オオワシ渡来状況調査
・マミジロキビタキ
●2011/6 滋賀
・水鳥飛来状況調査
・アカネズミ
・滋賀にコウノトリ飛来
●2011/6 筑豊
・脱原発宣言
●2011/6 長崎県
・スズメ
・2010年平戸市での標識調査
●2011/6 東京
・アカガシラカラスバトの域外保全
戦後カワウが東京湾から消えようとした時、上野動物園では千葉県の大厳寺からカワウを運び、不忍池で域外保全した。日本での域外保全の走りであったが、余り評価されていない。89年に定めたズーストック計画でカラスバトが大島公園動物園で飼育され、7年後、雛が誕生した。2001年、山階鳥研から3羽の東京固有種であるアカガシラカラスバトが上野に届き、翌年、雛が誕生した。現在、上野動物園と多摩動物公園に27羽のアカガシラカラスバトがストックされている。希少種の保全は10年位のスパンで臨むべきである。
(東京「ユリカモメ」NO668,P3)
・冬の野川の野鳥
「冬の野川の野鳥」(小金井自然観察会)に多摩川支流の野川での88年からの冬の野鳥カウント数が載っている。その中で、ハシボソガラスはカウント数がほぼ横這いに対し、ハシブトガラスは91年頃から急増し、2000年にピークになり現在は、その1/5以下の91年頃の数まで減っている。
(東京「ユリカモメ」NO668,P12)
・箱根におけるスズメの繁殖分布
URBAN BIRDS Vol.27 2010/12から。1978年、箱根で1qメッシュで調べたスズメの繁殖分布、個体数を、2010年、再調査した。共に明らかに減少が確認された。原因は建物の外壁の変化、電柱腕金端部の閉鎖等、スズメが営巣できる環境が無くなっていると指摘している。
(東京「ユリカモメ」NO668,P12)
●2011/6 神奈川
・籠の中の野鳥を救おう(その1)
神奈川県は野鳥は本来、自然のまま保護すべきであるという理念の下、密猟を助長する恐れがあるとして、野鳥の愛玩飼養を全面的に許可していない。(H20/3以前に登録され、生存している個体は除く)。野鳥の会・カスミ網対策会議は91年、「かすみ網の所有、使用、販売を禁止する法律を実現させ、翌年、民間活動として「密対連」に引継がれている。違法飼養ではと感じた時、野鳥担当行政部門へ調査依頼、密対連の密猟110番へのネットでの通報、当会保護研究部への相談等の対応がある。
(神奈川「はばたき」NO.469,P2)
・植物油と海老が夏鳥を減らした
日本の企業がパーム油を採るため、マレーシア等の熱帯雨林を大規模に伐採し、アブラヤシの広大なプランテーションにした。安く大量の海老を仕入れるためインドネシアやタイ等のマングローブ林を大規模に伐採し、ブラックタイガーの養殖池をたくさん造成した。失われた森は日本に来る夏鳥の越冬地であった。海外での企業活動を批判するなら、私たちの消費生活を見直す覚悟も必要になる。
(神奈川「はばたき」NO.469,P3)
●2011/6 福井県
・第27回オジロワシ・オオワシ渡来状況調査
2/6、三方五胡に越冬に来ているワシの生態を調査した。確認できたのはオジロワシ2羽で、成鳥♀と若鳥♂のようであった。当日、9分間、一緒に上昇旋回が見られ、15年間連続して飛来していたオオワシ1羽は2季前から見えなくなり、今回、オジロワシが1羽から2羽に増えた。この個体は琵琶湖北部に渡来するものとは別個体で、2羽同時に定着したのは1/29〜2/20の3週間で、これまでの平均と同じ長さであった。初認は12/19、終認は2/20であった。
(福井県「つぐみ」NO.159,P8〜10)
・マミジロキビタキ
5/16、坂井市の海浜自然公園でマミジロキビタキ♂1が確認され、撮影された。福井県内初記録である。
(福井県「つぐみ」NO.159,P22)
●2011/6 滋賀
・水鳥飛来状況調査
08年秋より、夏を除く3季、琵琶湖内の3地域(赤野井湾、湖北水鳥公園、新旭水鳥センター)で水鳥をカウントしている。記録はアビ科1、カイツブリ科3、ウ科1、クイナ科2、カモメ科4、カモ科22種であった。カモ科は各地とも秋季(11月)に多く、冬(1月)、春(3月)へと減少する。キンクロハジロは冬季に増加していた。
(滋賀「におのうみ」NO.25,P11〜13)
・アカネズミ
アカネズミは東日本では年1回、4頭を出産、西日本では年2回の繁殖で、子育てに25〜28日かかる。ハツカネズミはその期間が20日程と短く、その名の由来になっている。アカネズミは地下道を作り、キツネやフクロウから身を守り、移動性が高く、一晩で100mを越える事がある。1haに数十頭もおり、50gを越える個体もおり、土地利用の変化にも強い。嘗てはハタネズミが優性であった低茎草地、畑地にも進出し、低木類が密生するところでは、樹上生活するヒメネズミと共存している。
(滋賀「におのうみ」NO.25,P19)
・滋賀にコウノトリ飛来
3/23、愛知川の支流にコウノトリが飛来した。前年3月に豊岡の人工巣から巣立った♀で、9/22〜10/12、山口県に、10/15〜、和歌山県に、10/31、鹿児島県に移動していた。4/29、愛知川で他の個体と合流したが、それは08年に同じ親から巣立った姉で、この広い世界で姉妹が出会うのは感動的な事である。
(滋賀「におのうみ」NO.25,P23)
●2011/6 筑豊
・脱原発宣言
4/11、日本野鳥の会西表支部、西表の自然を愛する会、当会筑豊の有志の連名で菅総理大臣へ脱原発宣言を提出した。現在計画中、建設中の原発は即時凍結、浜岡原発は廃炉へ、停止、点検中、使用中の原子炉は安全基準を引き上げ、使用中の燃料使用後は廃炉へ。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.400,P6〜7)
●2011/6 長崎県
・スズメ
08年の全国のスズメ成鳥個体数推定1800万羽とある。数値の誤差を考慮し、数千万羽の単位が90年頃の半減〜1/5程度に減ったと考えられる。卵での平均余命は半年、1年目の春を迎えた個体の平均余命は1年、自然状態での最長寿命は2293日(約6年)とあり、飼育下では15年生きた記録もある。中国語で麻雀と書き、マージャンの牌を混ぜる時の煩さは共通している。
(長崎県「つばさ」NO.285,P2〜3)
・2010年平戸市での標識調査
3/27〜5/30の土日、平戸市北部の生月島で標識調査をした。31日間の調査で51種、放鳥1,774羽であった。新放鳥した内、数が多いのはメジロ466羽(26%)、ヒヨドリ371(21)、センダイムシクイ283(16)、シロハラ157(9)、エゾムシクイ75(4)であった。
珍しいものはチョウセンメジロ1(長崎県内初記録と思われる)、ギンムクドリ1、カラアカハラ3、シロハラホオジロ4、キマユホオジロ1等。
(長崎県「つばさ」NO.285,P4〜6)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.569
●2011/6 オホーツク
・ツバメチドリ
●2011/5-6 もりおか
・盛岡市におけるミゾゴイの記録
●2011/6 やまがた
・酒田市スワンパークのドッグラン建設について
・ルリビタイジョウビタキ
●2011/7 軽井沢
・野鳥撮影マナーに関する申し入れ
●2011/7 埼玉
・2011年春シギ・チドリ類調査報告
・大震災野鳥の会義援金
●2011/6 徳島県
・カリガネ、シベリアオオハシシギ
●2011/7 宮崎県
・ヤイロチョウ御池避ける?
・カラアカハラ県内2例目
・ロープ張りコアジサシ保護
・違法飼育メジロを助けよう
・タンチョウを本州へ (5/27 産経ニュース)
●2011/6 オホーツク
・ツバメチドリ
5/22、網走市能取岬でツバメチドリが足で土を突き、ミミズを捕食するのが撮影された。オホーツクでは73/9の濤沸湖以来の2例目となる。
http://wbsj-okhotsk.org/blog/?p=2863
(オホーツク「ばあどこおる」NO.289,P8)
●2011/5-6 もりおか
・盛岡市におけるミゾゴイの記録
ミゾゴイは国際自然保護連合(IUCN)の報告では、国内の生息数は1000羽程度とされ、繁殖地は日本のみが知られ、本州以南で営巣し、冬季は九州、南西諸島、東南アジアへ南下するとされる(環境省野生生物課2002)。90年代以降、減少が顕著で、その原因は里山の開発、越冬地の森林減少と考えられる。岩手県では記録が少なく、2000/8に1例あり、今回、5/3、盛岡市で1羽を捕獲した。雌雄不明で翼長259o、尾長118o、ふしょ長62.4o、体重413gであった。ミゾゴイの繁殖場所は谷津田沿いの湿った沢筋の林で(川名 2011)、今回の場所は乾燥した環境で、渡り途中の可能性が高い。
(もりおか「山翡翠」NO.340,P3)
●2011/6 やまがた
・酒田市スワンパークのドッグラン建設について
最上川河口のスワンパーク上流約250mに、犬を放して遊ばせるドッグラン施設の建設予定があった。何故、鳥獣保護区内、しかも酒田市が日本一のハクチョウ渡来地と銘打つ場所に作る必要があるのか。単に愛犬家が既設の設備を利用するのが便利だけの理由であり、更に上流250mへ移動となったが、相変わらず鳥獣保護区内にあるので、基本的に反対である。
(やまがた「やませみ」NO.77,P10)
・ルリビタイジョウビタキ
5/14、飛島で♂1が観察撮影された。本来はネパール、ブータン、中国南西部等に生息するもので、我国初記録と思われる。
http://ameblo.jp/primary-projection/entry-10895090625.html
(やまがた「やませみ」NO.77,P11)
●2011/7 軽井沢
・野鳥撮影マナーに関する申し入れ
立木の伐採、投石して鳥を飛ばしての撮影等で、某個人への苦情があり、他の長野県の支部と共同で本人へマナー改善の申し入れをした。野鳥撮影は自然破壊を伴わない優しい気持ちで、野鳥への投石はしない事、「種の保存法」で規定するイヌワシ、クマタカ、オオタカ、ハヤブサ並びに環境省のレッドデータブックにリストアップされている(営巣中の)野鳥を公開をしない事(本人のブログに猛禽類の子育ての画像が公開されていた)。
(軽井沢「野鳥軽井沢」NO.339,P9)
●2011/7 埼玉
・2011年春シギ・チドリ類調査報告
4/29、さいたま市大久保農耕地で調査した。6種、21羽が確認された。内訳はコチドリ3、ムナグロ7、タカブシギ1、チュウシャクシギ8、チュウジシギ1。今年は水田に水が無く、シギチは少なかった。水が入った他の水田では100羽以上のムナグロが見られている。大久保農地では09年には337羽、90:624、96:534のムナグロが見られている。
(埼玉「しらこばと」NO.327,P4)
・大震災野鳥の会義援金
各支部から被災支部向けに本部へ寄せられた義援金はひょうご:20万、埼玉:10万、京都:10万、徳島県:10万、九州沖縄ブロック:31,600、滝川:31,500、5/18迄に計115万円余りが集まっている。本部会員室は被害支部へ訪問を始めている。北上支部で死亡した会員1名、行方不明1名となっている。
(埼玉「しらこばと」NO.327,P12)
●2011/6 徳島県
・カリガネ、シベリアオオハシシギ
4/22、勝浦川でカリガネ1羽が撮影された。徳島県初記録となる。5/2、吉野川河口でシベリアオオハシシギ1羽が撮影された。県内5例目の記録であるが、96/5以来の15年ぶりである。
(徳島県「野鳥徳島」NO.393,P2〜3)
●2011/7 宮崎県
・ヤイロチョウ御池避ける?
6/4、ヤイロチョウの繁殖時期を迎えた御池野鳥の森では、昨年同様に林道入口に立入禁止の看板が立った。5/31に撮影された映像を見て、大勢のカメラマンがやって来たが、その後は声も確認できず。支部は更に立入規制地区を増やすよう求めてきたが、「現場はレクレーションの森で規制はできない」と森林管理署は言う。今年はヤイロチョウは人的圧力や新燃岳からの降灰による餌不足(ミミズ)で、御池を避けたと見られる。宮崎県内未公開の他の3箇所ではヤイロチョウは飛来している。四国の四万十ヤイロチョウの森では3番が渡来しており、ヤイロチョウの繁殖期は人は立入禁止にし、集落の人も監視している。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.226,P2〜5)
・カラアカハラ県内2例目
4/19、宮崎神宮の鶏が捨てられ賑やかな所で、カラアカハラを見る。宮崎県内2例目で、キツツキのように木登りが得意であった。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110301/myz11030100430000-n1.htm
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.226,P6)
・ロープ張りコアジサシ保護
今年も宮崎市の一ツ瀬川河口、串間市の福島港に4月中旬からコアジサシが飛来し、前者では400羽以上の親鳥が営巣し、4/25、地元地域づくり協議会はコロニーをロープで囲み、注意看板を立てている。後者では6番が飛来し、4巣で抱卵したがカラスの食害にあった。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.226,P12〜13)
・違法飼育メジロを助けよう
環境省は第11次鳥獣保護事業計画基本方針で、飼養目的の野鳥捕獲を全面的に禁止する指針案をまとめた。これにて、唯一飼養を認められていたメジロも飼養できなくなる。(7/13、来年4月より発効が正式に決まった:森)密猟現場に遭遇した時は、車のナンバーをひかえ、警察か農林振興局に通報して下さい。違法飼育の場合は県に調査が依頼できます。直接、通報しづらい時は支部へ連絡下さい。県内の密猟はメジロの雛の巣立ち時期、2人一組でヤマメ釣りに行くように見せかけている。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.226,P14〜15)
・タンチョウを本州へ (5/27 産経ニュース)
環境省は今秋から20年に渡る「タンチョウ生息地分散アクションプラン」を始め、東北や関東へ移住させる。生息地が集中し、鳥インフルエンザ感染等で絶滅を回避する狙いである。タンチョウは明治中期まで北海道全域、本州でも生息していたが、一時絶滅が心配され、釧路地方で保護活動が実り、現在、1,100羽まで回復している。内97%が釧路地方の餌場で越冬しているため、10〜20年後、生息数倍増で過密状態が懸念されている。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.226,P24)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.570
●2011/7 オホーツク
・ナキイスカ顛末記
●2011/7 東京
・八丈島のアカコッコセンサス調査
・東京で観察されたギンムクドリ
●2011/7 長野
・カラスの生態
●2011/7 愛知県
・DVD「チョウゲンボウ 鳥を呼ぶ鎮守の森」
●2011/6-7 京都
・八代盆地で越冬するナベヅル
・この冬はマヒワが大当たり
●2011/7 徳島県
・つるぎトレイルランレースin那賀2011について
・赤いリボンのツミ
・越冬ナベヅル報告
●2011/7 福岡
・風力発電施設に係る環境影響評価への意見
●2011/7 筑後
・白鷺
●2011/7 オホーツク
・ナキイスカ顛末記
3/27、北見市内で赤い鳥(ナキイスカ♂)が窓に衝突死してから始まる。バーダー過疎地と思い、ブログ管理者がオホーツク初記録として情報を掲載すると、最大80名のカメラマンが押し掛けて、地元に迷惑をかけ、反省。イスカとの混群で市内の松が多い所を転々とする。4月下旬には沈静化したが、5月、北見工大校内でナキイスカ20羽程、イスカと合流し全体で100羽を越える事があり、終認は5/28であった。詳細は当会のブログでキーワード「ナキイスカ」で検索。
http://wbsj-okhotsk.org/blog/
(オホーツク「ばあどこおる」NO.290,P7〜8)
●2011/7 東京
・八丈島のアカコッコセンサス調査
4/23、24、早朝、八丈島の4箇所でロードセンサスを実施した。1kmのコースを時速2kmで1往復半(3回実施)した。一番アカコッコが出たのは、緑の多い住宅地で、鳴き始めは4時22分、初めはアカッコの優占率は高いが、時間が経つにつれて低下した。三宅島同様、八丈島のアカッコの囀りは夜明け前30分が最盛であった。
(東京「ユリカモメ」NO.669,P8)
・東京で観察されたギンムクドリ
ギンムクドリは南西諸島では冬期に定期的に見られるが、東京都には記録は無かった。今年1月〜3月、江戸川区葛西臨海公園で、3月〜4月、足立区東綾瀬公園で、別個体と思われる成鳥♂1が記録された。前者はネット上に早くから公開され、多数が見ている。ヒヨドリ数羽と、その後ムクドリの群と行動を共にした。終認は3/28。後者は2月末に観察されたとの情報があり、3/16に報告され、ムクドリ30羽程の中にいた。詳細不明。
(東京「ユリカモメ」NO.669,P16)
●2011/7 長野
・カラスの生態
ハシボソガラスは農耕地で地面採食が常のため、農作物を荒らす犯人と誤解され、毎年、かなりの数が駆除されている。実は畑のミミズ、ワラジムシ、害虫となる昆虫等を食べ、農作物をかなりの割合で荒らすのはハシブトガラスである。トウモロコシは両種とも大好物である。カラス駆除のトラップには集団移動中のハシボソガラスの若鳥が多くかかる。毎年営巣しているベテランの両種のカラスは罠にはかからない。長野県ではカラスの仕業と考えられてきた農業被害にサル、イノシシ、ハクビシン等が関係してきている。
(長野「野鳥ながの」NO.496,P6)
●2011/7 愛知県
・DVD「チョウゲンボウ 鳥を呼ぶ鎮守の森」
NHKの「ダーウィンが来た!」で紹介された山形県天童市でケヤキの樹洞で子育てしたチョウゲンボウの映像が、DVDで販売されている(3200円、撮影者映像作家の黒岩武一氏)。売り上げの半額は東日本大震災の義援金として山形新聞に寄付される。
http://www.coret9.com/
(愛知県「愛知の野鳥」NO.293,P7)
●2011/6-7 京都
・八代盆地で越冬するナベヅル
山口県周南市の八代盆地は本州唯一のナベヅルの越冬地である。八代盆地から対馬、朝鮮半島、北上しシベリアのアムール川やレナ川へ2箇月かけ、氷点下の上空を飛ぶ。ナベヅルが八代盆地に集まるようになったのは明治初期で、S15年には355羽の最大となったが、最近は年毎に減り、H20年には最少の4羽になった。原因に塒となる水田や自然林の減少が考えられる。鹿児島県出水市には約7000羽のナベヅルが越冬し、そこの個体を八代で放鳥しても刷り込み現象のためか、出水へ回帰してします。八代での越冬数はH21年は7羽、今期は8羽になった。
(京都「そんぐぽすと」NO.170,P12)
・この冬はマヒワが大当たり
2010年秋〜11年春、京都御苑、府立植物園島の市街地の公園でもマヒワがかなり越冬し、全国的にも今期はマヒワは多かった。マヒワは年により当り外れが大きい。京都での探鳥会でのマヒワの出現率が高い年は86年秋〜87年春、92年〜93年、94年〜95年、それと10年〜11年。97年〜01年は全く少なかった。
(京都「そんぐぽすと」NO.170,P13)
●2011/7 徳島県
・つるぎトレイルランレースin那賀2011について
5/12、支部、徳島県自然保護協会、パンダクラブの連名で、徳島県知事と同実行委員会に要望書を提出した。剣山山系の生物多様性を喪失させないよう、またトレイルランニングの健全なスポーツ性を貶しめないためにも、峠の登山道を避け、剣山スーパー林道の車道部分をコースとするよう要望する。
(徳島県「野鳥徳島」NO.394,P3〜5)
・赤いリボンのツミ
5/20、鳴門山展望台をキーッキキキーッと鳴声を残してツミ♀が淡路島方面へ飛び去った。渡り途中のツミの声を初めて聞く。右足に鮮紅色の布テープが巻かれており、渡来前に事故に遭い、救護後放鳥されたものと思われる。
(徳島県「野鳥徳島」NO.394,P4)
・越冬ナベヅル報告
徳島県のナベヅルの越冬情報は10年ほど前から出だし、個体数が増加傾向にある。出水市の越冬数が1万羽を越える頃より、四国の南西部から東部、更に和歌山県から三重県に越冬地が増えている。四国では11月に60羽以上が渡来するようになったが、40羽以上は出水市へ飛去する。そのような中、春まで滞在記録が続いているのは徳島県だけである。今冬は3月末に成鳥が北帰し、幼鳥は4月末に北帰した。
(徳島県「野鳥徳島」NO.394,P7〜9)
●2011/7 福岡
・風力発電施設に係る環境影響評価への意見
環境省は「風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会報告書(案)」に対する意見を5/16〜6/10、一般募集した。当会より下記2件提出した。P11:生物多様性上重要な地域は計画回避、その隣接地への計画は規模に関わらず、法アセス実施の対象にする。P12:法アセスの対象規模は5000KWとし、改変面積高さも考慮する。(2000KW1基で1haの改変、山間部は幅10mを超す工事用道路が麓から尾根上まで作られている)。
http://www.env.go.jp/policy/assess/2-5windpower/wind_h23_8/mat_8_2.pdf
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.381,P18)
●2011/7 筑後
・白鷺
筑後地区ではコサギ、ダイサギは1年中見られるが、本来、コサギは冬鳥で日本中部・北部で繁殖した個体の多くが九州で越冬する。ダイサギは繁殖期に見られるのがチュウダイサギ、冬季に見られるのがオオダイサギで違う亜種である。チョウサギは夏鳥として比島方面から飛来する。比較的に乾いた場所で主にバッタ等の昆虫を捕食する。チュウサギは一時期、ダイサギと同じ嘴のパターンになるが、口角が目と同じ位置にあればチュウサギ、目より後方に延びていればダイサギと判断。
(筑後「まめわり」NO.123,P8)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.571
●2011/7 千葉県
・30年前の千葉県では・・・
・共に歩んだ野鳥保護40年
・セグロセキレイ海辺で繁殖
・チェルノブイリのツバメに現れた異常 (4/26 ナショナルジオグラフィック ニュース)
●2011/7 南富士
・コアジサシ2011
・シロチドリ
●2011/7 大阪
・シギ、チドリ類の楽しみ方
・ツバメの寝る場所
・リュキュウサンショウクイの観察
●2011/7 北九州
・響灘洋上風力発電計画について
・シロガシラの観察
●2011/夏 鹿児島
・サシバを救おう
●2011/7 千葉県
・30年前の千葉県では・・・
館山市には1万羽のシラサギ類のコロニーがあり、毎年、1千羽の有害鳥獣駆除が行われていた。現在では千羽規模のコロニーは稀になった。広い水田にはシラサギ類がいて、オオヨシキリ、セッカの声で満ち、谷戸田の奥ではサシバが繁殖し、サンコウチョウの声が聞かれた。農耕放棄でこれらの餌場が無くなり、耕作地でも軒並みに個体数が減っている。DDT等の有機リン系農薬は禁止され、近年はネオニコチノイド系殺虫剤が多用され、これは神経伝達を阻害し、虫だけでなく、人を含めた動物の脳への影響が懸念される。この殺虫剤はこれからの野鳥保護のキーワードになるであろう。
(千葉県「ほおじろ」NO.363,P2)
・共に歩んだ野鳥保護40年
市田氏は本部事務局長、常務理事として、カスミ網禁止、サンクチュアリの開設、渡り鳥の国際保護、日本固有種の保護等多岐の活動を展開された。その後バードライフ・インターナショナルの副会長を経て、現在本部の特別顧問として保護活動に関わっている。カスミ網は1947年に使用禁止になったが、39万人の署名を集め、91年、製造・販売・輸出が全面禁止となった。東京湾は日本最大のガンの渡来地で、47〜70年、毎年、マガンは1千羽以上捕獲され、1971/1の全国調査でマガン、ヒシクイ、コクガンは3,815羽しか確認できず、当時は鳥見人2千人、ハンター38万人で狩猟法で禁猟にできず、文化庁の天然記念物に指定した。前向きに環境管理、探鳥指導を行うサンクチャリーを81年、ウトナイ湖に初めて開設した。当時は自然保護団体からもこれは新しい開発だとの反発があった。
(千葉県「ほおじろ」NO.363,P3〜6)
・セグロセキレイ海辺で繁殖
4/30、鴨川漁港近くの公園でセグロセキレイの営巣を確認した。カナリーヤシの幹に巣があり、入口は海に向いていた。淡水域を好むセグロセキレイが海岸で繁殖するのは珍しい。山と海が接する南房総では、鳥の生息域の境界がかなり曖昧である。
(千葉県「ほおじろ」NO.363,P11)
・チェルノブイリのツバメに現れた異常 (4/26 ナショナルジオグラフィック ニュース)
チェルノブイリの放射能高汚染地域に生息するツバメの異常発生率がかなり高い事が分かった。部分的な色素欠乏、嘴の奇形、曲がった尾、左右不均衡な尾が見つかる。ここでは鳥類の種数は非汚染地域の半分に減り、個体数も4割まで低下し、脳のサイズも小さい。
(千葉県「ほおじろ」NO.363,P13)
●2011/7 南富士
・コアジサシ2011
5/22、富士川右岸の海岸に200羽程のコアジサシが集結し、求愛給餌を行っていたが、5/29には1番を残して、全て消えてしまった。カラスの食害?レジャー圧?原因不明で、2年連続して同じような状況で繁殖しなかった。
(南富士「さえずり」NO.344,P4)
・シロチドリ
シロチドリは富士川河口で普通に越冬していたが、何故っ減ったのか。繁殖期の状況が一番問題で、中州の砂礫地では天敵による捕食、冠水による巣の流出、レジャー圧の被害を定常的に受ける。コアジサシと共通の要因である。コアジサシコロニーの保護はそのまま、シロチドリの保護につながる。
(南富士「さえずり」NO.344,P5)
●2011/7 大阪
・シギ、チドリ類の楽しみ方
シギチが多かった時代はその中から珍しい種を探し出す楽しみで 珍鳥重視のバーダーが主流であったが、普通種もじっくり観察して頂きたい。極東にしか分布していないシギチもよく観察したい。該当種はイカルチドリ、ムナグロ、ケリ、キアシシギ、トウネン、ヒバリシギ、ウズラシギ、オバシギ、ホウロクシギ等。欧米に生息していないシギチは未だよく分かっていない事が多く、アマチュアバーダーでも貢献できる事がある。
(大阪「むくどり通信」NO.214,P3〜5)
・ツバメの寝る場所
春、渡って来たツバメは春塒と呼ばれる小規模の集団塒を作る(須川1999)。営巣中はツバメは♀は巣で、雄は巣の近くで寝る。営巣が終わると、巣立った雛を中心に小規模の集団塒ができ、大規模になり、南に渡るにつれて小さくなり、9月中には無くなる。越冬地での集団塒は更に規模が大きくなる。近畿地方での47箇所の集団塒の調査では溜池16、河川敷15、休耕田7、内湖4等で全てヨシ原であった(須川 1999)。広島県廿日市の電線塒は有名で、近畿地方でも電線や街路樹で塒するツバメが報告されている。
(大阪「むくどり通信」NO.214,P11)
・リュキュウサンショウクイの観察
4/18、大阪城公園で2羽を観察、撮影する。大阪では初記録と思われる。西日本では分布が拡大しており、西四国では留鳥で繁殖し、分布域の最前線と思われる。近畿圏では08/2に奈良県で確認されている。山地だけでなく、低地の社寺林等でも繁殖している。(バードリサーチ 2010/11号参照)下記のA-31
http://www.bird-research.jp/1_kenkyu/summary/summary_vol07.html
(大阪「むくどり通信」NO.214,21)
●2011/7 北九州
・響灘洋上風力発電計画について
国の洋上風力発電計画で、銚子市沖と北九州市若松区沖が候補地になっている。若松区沖について、北九州環境局と本部自然保護室浦達也さんの照会で、野鳥との関係の意見、情報を求められた。オオミズナギドリの早朝飛び立ち、夕方の帰島時に影響が考えられる。冬期にカモ、カモメ類が海を低空飛行する。夜間のレーダー調査を行う事を要望。
(北九州「北九州野鳥」NO.301,P11)
・シロガシラの観察
5/21、門司区の灯台の電線に止まり囀るシロガシラが確認された。北九州初記録となる。日本鳥類目録では、八重山諸島以外では広島で記録があるのみ。5/25には対馬でも観察されている。
(北九州「北九州野鳥」NO.301,P11)
●2011/夏 鹿児島
・サシバを救おう
戦前、鹿屋市での記録に、1934/10/24、8時、サシバ飛翔数万羽とある。80/10、佐多岬で初のサシバの渡りシンポジウムが開催された。講演者に「フィールドガイド日本の野鳥」の著者、高野伸二氏、「日本のワシ・タカ」の著者、森岡照明氏、本部から塚本洋三氏、市田則孝氏、樋口広芳氏を迎えた。87/10/10、NHKと野鳥の会共同で「サシバの渡り」の全国同時中継がされた。その後、薩摩半島でもサシバが渡っているのが確認された。
(鹿児島「るりかけす」Vol.130,P7〜9)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.572
●2011/7 札幌
・石狩市での風力発電計画について
●2011/7-8 宮城県
・震災の爪痕
●2011/7-8 群馬
・カワウ
・カワウvs案山子
・2011年ガンカモ調査
●2011/7 岡山県
・シンポジウム「錦海湾の未来を考える」
・アオサギ
・ブッポウソウ元の巣箱へ里帰り
・アオバズクの市松模様
●2011/7-8 島根
・2011春シギ・チドリの渡り
●2011/7-8 ひろしま
・カワビタキ
・2011春のシギ・チドリ渡り調査
●2011/7 札幌
・石狩市での風力発電計画について
5/25、NPO法人北海道グリーンファンドと且s民風力発電が支部へ来所し、石狩市で計画の風力発電2基X2千KWの説明があった。2012/10より据付予定で、3/1〜3の調査でワシ類の飛行コースを避けているとあった。支部からの指摘は、同社は以前、環境調査をせず、その後オジロワシの衝突死を招いている。野鳥衝突防止のため、「予防原則」の概念を重視すべき。調査期間が3日間は余りにおざなり、ワシ類が飛来する時期(10月下旬〜2月)を含め、最低1年間の専門的な調査が必要である。
(札幌「カッコウ」NO.335,P10)
●2011/7-8 宮城県
・震災の爪痕
蒲生海岸:潟湖は砂で埋まった。砂浜は削られ分断され、波が打ち寄せている。鳥の島(阿武隈川河口南側):護岸堤防は壊れたが、周辺は以前のまま、干潟と漁港を分ける中央堤防は消失。砂浜は削られ分断され、波が打ち寄せている。5/4、鳥の海でのシギチは総計350+で、例年よりやや下回る感じであった。ミユビシギ、キョウジョシギ、常連のコアジサシの姿は無かった。シロチドリ8、メダイチドリ23、トウネン12、ハマシギ120+、オバシギ2、キアシシギ15、イソシギ1、オオソリハシシギ23、チュウシャクシギ34+等。宮城県はコアジサシの集団繁殖地の北限で、牛橋河口海岸(山元町)には巣が約200できている由。
(宮城県「雁」NO.248,P16〜18)
●2011/7-8 群馬
・カワウ
江戸時代、本州各地に多数生息していたカワウは大正、昭和期に激減し、群馬県でも85年には県内では稀に漂鳥として湖沼に飛来するとあった。しかし、97年、赤城山南麓の粕川村で県内初のカワウのコロニーが確認され、2000年には高津戸ダム(渡良瀬川中流)に県内最大のコロニーができたが、01年には銃器駆除が開始される。現在、糞による樹木の白化が見られるが、繁殖、育雛の様子が容易に観察できなくなった。
(群馬「野の鳥」NO.306,P3〜5)
・カワウvs案山子
マネキン型案山子にはカワウは最初から無反応で、大蛇を模した蛇型案山子、発射音に対しては、カワウは当初は忌避行動を示したが、2、3日で慣れてしまう。網で捕獲された事があるカワウは、その後は網を見ると逃げ去る。同様にオレンジ色のチョッキを着た人がロケット花火でカワウを追い散らすのを学習させた後、同じ色合いの案山子を立てると効果があった。人による実際の追い払いを定期的混ぜて効果が長続きできた。カワウと漁協が同じ資源を利用し共存するため、ニッチ(生態的地位)が多少づれるよう、(人も川を全て使わず)カワウも本来の生息地に移動して欲しい。
(群馬「野の鳥」NO.306,P5〜7)
・2011年ガンカモ調査
2/18〜21、県下36箇所でカウントした。ハクチョウ類はオオハクチョウ103、コハクチョウ214、アメリカコハクチョウ2。カモ類は16種、計13,026羽であり、内訳はオナガガモ3,879、マガモ2,512、コガモ2,384、カルガモ2,192、ヒドリガモ1,386、キンクロハジロ302、オシドリ55等。スズガモ1が大塩ダム(富岡市)で確認された。カワウは613で前年より252増加した。場所別では多々良沼に全数の32%が集中した。
(群馬「野の鳥」NO.306,P14〜15)
●2011/7 岡山県
・シンポジウム「錦海湾の未来を考える」
5/29、瀬戸内市の自然を考える会主催で生物多様性シンポジウムが開催された。広大な塩田跡地を考える第一歩である。保護するだけでなく、更に自然を創っていく作業に期待したい。当日の講演に「塩田跡地の現状と利用計画案」(瀬戸内市の自然を考える会 丸山健司)、「海の生物多様性と鳥類」(バードライフ・インターナショナル特別顧問 市田則孝)、「北海道の河川における湿原復元と自然再生事例」(アークコーポレイション 和田哲也)等があった。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.185,P2〜3)
・アオサギ
サギ類の首の骨の数は16、17個と多く、キリンでも哺乳類の原則通り7個、ハクチョウは25個もある。アオサギは体の大きさの割に体重は軽く、1.2〜1.8kgしかない。(カワウは1.5〜2.5kg、カルガモは0.8〜1.3kg)。アオサギは子供たちの観察会で最も人気がある。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.185,P4)
・ブッポウソウ元の巣箱へ里帰り
昨年、吉備中央町で12羽の成鳥ブッポウソウに足環を付けた。今年、その内7羽が繁殖した同じ巣箱に戻って来た。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.185,P11)
・アオバズクの市松模様
アオバズクの学名はNinox scutulataで、市松模様のアオバズク類(ninox)の意で、市松模様とは「碁盤目状の格子の目を色違いに並べた模様」で、江戸中期、歌舞伎俳優佐野川市松がこの模様の袴を用いた事による。 scutulataの英訳はcheckeまたはchekeredで、アオバズクの胸の褐色のまだら模様を表現している。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.185,P15)
●2011/7-8 島根
・2011春シギ・チドリの渡り
飯梨川周辺での春13日間の調査結果。ハマシギ137(4/16)、100(5/5)、チュウシャクシギ41(5/5)、ムナグロ41(5/4)、トウネン35(5/13)、アオアシシギ13(5/4)、シロチドリ10(4/27)、キアシシギ9(5/5)、タシギ9(4/6)、イソシギ9(4/1)、オオソリハシシギ6(4/30)、メダイチドリ6(4/27)、オグロシギ6(5/13)、ウズラシギ6(5/4)、オバシギ5(4/27)、アカエリヒレシシギ4(5/13)、ソリハシシギ3(5/4)、ダイゼン3(4/20)、シロチドリ2(3/27)、クサシギ2(3/27)、ダイシャクシギ1(4/27)、ツルシギ1(3/27)。
(島根「スペキュラム」NO.142,P2)
●2011/7-8 ひろしま
・カワビタキ
2/27、帝釈峡でカワビタキが撮影された。87/1、東京都北区で♂1が初めて記録され、08〜09年には下関市に滞在し、大混雑があった。本種は大陸産亜種と台湾産亜種が知られ、留鳥性が強く渡りをしないとされるが、香港には冬鳥として渡来し、韓国でも記録があり、渡る可能性もある。
(ひろしま「森の新聞」NO.175,P1)
・2011春のシギ・チドリ渡り調査
4/29前後に、県下10箇所で一斉調査した。19種、総計1,055羽を記録した。内訳はハマシギ507、チュウシャクシギ280、キアシシギ71、ケリ54、コチドリ29、タシギ23、シロチドリ18、イソシギ15、ダイゼン14、ソリハシシギ11、アオアシシギ7、クサシギ6、ムナグロ5、オバシギ4、ウズラシギ4、メダイチドリ3、トウネン2、オオソリハシシギ1、オオジシギ1。
(ひろしま「森の新聞」NO.175,P7)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.573
●2011/7 道南桧山
・傷ついた鳥の救護25年に環境大臣賞
・潜水してアワビを捕るカラス
●2011/7 奥多摩
・鳥声録音(その4)
・オウチュウ初記録
●2011/7 神奈川
・籠の中の野鳥を救おう(その2)
・2011年春の多摩川河口シギ、チドリ調査
●2011/7 香川県
・洋上風力発電計画
・野鳥の生活を乱さないで下さい
●2011/8 北九州
・ハヤブサ人工巣穴で繁殖
・曽根干潟の鳥獣保護区への取り組み
●2011/7 道南桧山
・傷ついた鳥の救護25年に環境大臣賞
本年度の野生生物保護功労者として、函館支部の有馬支部長が環境大臣賞を受けた。1986年から傷病鳥保護に尽力され、昨年11月までに926羽を保護し、内343羽を放鳥した。昨年は、自宅横にリハビリ用小屋を建てている。
(道南桧山「はちゃむ」NO.95,P3)
・潜水してアワビを捕るカラス
かなり前、青森県の海岸で波打ち際の丸石に乗り、海中を覗くカラスが海中に飛び込み、アワビを咥えて出て来るのを見る。周囲の岩山にはアワビの殻が落ちており、漁業者はカラスはアワビを捕ると言う。東京銀座のビルの屋上でミツバチを飼いだすと、カラスが姿を消した。ミツバチは色の黒いカラスを追い回すため、カラスはミツバチの飛ぶ場所を避けている。
(道南桧山「はちゃむ」NO.95,5〜6)
●2011/7 奥多摩
・鳥声録音(その4)
1954年、関係者とのトラブルの末、自作録音機、録り貯めたテープを野鳥の会へ返してしまい、文化放送で放送継続するため、急遽、蒲谷兄弟は当時の大卒初任給1年分を借金し、東通工(後のSONY)から肩掛け式テープレコーダーを入手した。ゼンマイでテープは4分間駆動し、ゼンマイ巻き足しでリールいっぱいの15分間の録音が出来た。30kgが8.5kgに軽量化され、画期的なものであった。2人はマイクコードを長くするため、増幅器を入れた。消磁ヘッドがついておらず、編集用レコーダーも別に製作した。米軍第406医学総合研究所鳥類学課の要請を受け、費用先方持ちで録音に出向き、助かった。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.201,P25〜29)
・オウチュウ初記録
5/19、多摩川秋川合流点の河原でオウチュウが撮影された。奥多摩支部フィールド内初記録である。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.201,P31)
●2011/7 神奈川
・籠の中の野鳥を救おう(その2)
メジロ、ホオジロ、ウグイス、ヒバリ等の鳴き合わせ会で囀りの優劣を競い、野鳥が高値で取引される事があり、それらは野鳥密猟の土壌になっている。店頭での違法な野鳥販売はかなり減ったが、闇販売やネット販売の問題、国内で密猟した野鳥を輸入鳥とするすり替えの問題もある。違法飼育者が「日本の文化として野鳥を飼っている」と言うが、ウミウの鵜飼以外は動物園等で継続する方向であり、自称鷹匠が「日本の文化」と称して外国産の鷹を使って、日本の伝統と言えるのか。許可の無い国産の鷹は違法で、密猟の隠れ蓑になる。「雛を拾って保護している」に対しては、野鳥リハビリ関係行政に任かし、放鳥すべきである。
(神奈川「はばたき」NO.470,P2)
・2011年春の多摩川河口シギ、チドリ調査
5/9、多摩川河口でのカウントで、11種、274羽を記録した。内訳はハマシギ100、メダイチドリ55、キアシシギ51、ソリハシシギ21、チュウシャクシギ16、アオアシシギ8、コチドリ7、シロチドリ5、タシギ5、ホウロクシギ4、ダイシャクシギ2。今回は工事のため、潮干狩りの立入が禁止され、そのため、昨年より個体数が増えると予想したが、大差無かった。人の有無に依らず、シギチがまとまって飛来するのは、この干潟が採餌、休息に必須の場所である事が分かる。
(神奈川「はばたき」NO.470,P4)
●2011/7 香川県
・洋上風力発電計画
関門海峡よりやや北部(下関市)水深10mの浅水域に本体高さ20mの風車10基、計3千KWの計画がある。支部は最低2年間の調査を要望している。
http://www.wbsj.org/nature/hogo/others/fuuryoku/shimonoseki110623.html
風力発電所の建設費用の3分の1を国が補助していたが、10年度から新規案件への適用を停止し、国の債務保証がなされていないため、事実上進んでいない。
再生可能エネルギーの買い取りを電力会社に義務付ける法案で弾みがつく?(森)
(香川県「かいつぶり」NO.330,P1)
・野鳥の生活を乱さないで下さい
以前は野鳥撮影者、観察者、ギャラリーは互いに迷惑を掛けず、野鳥への影響に良識をもって対処できていたが、ネット情報を頼りに、労せずに単に野鳥撮影のみに自己満足し、新しく出てきた暴走する人達には撮影方法と画像公開の姿勢を正してもらいたい。観音寺市で4年連続して飛来していたコアジサシは隣県へ移動し、それを追ってマナー違反が移動させないように。
(香川県「かいつぶり」NO.330,P6)
●2011/8 北九州
・ハヤブサ人工巣穴で繁殖
門司区で実験を続けている岩棚での巣穴でのハヤブサの繁殖は、今年で10年連続して成功し、6/2、2羽が巣立った。採石場所有者、地元関係者の理解と協力による結果である。
(北九州「北九州野鳥」NO.302,P12)
・曽根干潟の鳥獣保護区への取り組み
北九州市曽根干潟一帯に鳥獣保護区を設定する事に対し、H6年に福岡県に要望書を出し、以来17年要望活動しているが、その設定に有益性が認められず現在に至っている。沖合では国交省の開門航路土砂処分場計画、陸側では北九州市の道路計画、更に沖合漁港から陸への連絡道路計画等がある。
(北九州「北九州野鳥」NO.302,P12)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.574
●2011/4 十勝
・カイツブリ類とは
●2011/8 東京
・スズメ
・東京湾一帯の水鳥とその保護・保全活動を始めます
●2011/8 南富士
・アカモズ
・ジオロケーター
●2011/8 三重
・コアジサシ保護作戦顛末記
●2011/8 和歌山
・和歌山のウミネコについて
・春のタカ渡り 加太地区
・連携団体全国総会
●2011/7 熊本県
・横島干拓、熊本港におけるツルの越冬状況
●2011/4 十勝
・カイツブリ類とは
日本では体重130gのカイツブリから1.5kgのカンムリカイツブリの5種が生息し、3種が繁殖する。尾羽はごく短い綿羽のみで、その形がわからない。潜水時は密生した羽毛の間にある空気を排出し、気嚢を空にするため、翼や足をばたつかせる必要が無い。水中では翼を使わず、弁足が推進力や舵の役割をする。カイツブリの和名の由来は「掻きつ潜(むぐ)りつ」、又は「つぶり」が水に没する音の説がある。古名の鳰(にお)は水に入る鳥の転化とされる。琵琶湖では外来魚類の増加で、在来の小形の魚が減ったため、カイツブリの個体数が減ったと考えられる。
(十勝「十勝野鳥だより」NO.174,P6〜7)
●2011/8 東京
・スズメ
万葉集にはスズメを詠った歌は1つも無いが、俳句では小林一茶の句を始め、盛んにスズメが詠まれるようになった。初雀、恋雀、雀交る(さかる)、寒雀等多くの季語がある。
(東京「ユリカモメ」NO.670,P16)
・東京湾一帯の水鳥とその保護・保全活動を始めます
月例研究部会で東京湾内の東京都に属する地域で水鳥と水辺環境について、過去の記録を含め集約し、生息状況の記録と越冬地の環境を整える事にした。毎冬、この一帯で数千羽が越冬するカンムリカイツブリ、数万羽のスズガモ、両種ともラムサール条約の登録基準を満たし、世界的に見ても貴重な越冬地である。
(東京「ユリカモメ」NO.670,P17)
●2011/8 南富士
・アカモズ
静岡県東部の朝霧高原や東富士演習場の御殿場高原に夏鳥として渡来するが、激減している。奥日光や野辺山高原等では殆ど見られなくなった。本州中部では朝霧高原のみと言われ、それでも10年前の半減で、今年の確認は5番のみである。減少要因は越冬地の環境悪化が指摘されている。カメラマンが集まる観光アカモズは2箇所で見られる。
(南富士「さえずり」NO.345,P6)
・ジオロケーター
ジオロケーターは鳥に装着し、日の出、日の入りの時刻を明るさから記録するもので、鳥が何時、何処にいたかが分析出来る。軽量化が進み、ツグミ大の鳥の腰の付近に装着が可能になっている。誤差は300km程度あり、電池の寿命は1年で、装着した個体を再捕獲して、装置の回収が必要である。昨年、広島で装着したブッポウソウはボルネオ島北部で、静岡で装着したマミジロはカンボジアで越冬した事が分かった。
(南富士「さえずり」NO.345,P10)
●2011/8 三重
・コアジサシ保護作戦顛末記
雲出川河口には毎年、50〜100羽のコアジサシがやって来る。コアジサシのデコイを作り、6/4、計22個を河川敷に設置した。国交省の河川事務所で許可を取り、注意喚起の看板とロープ張りをした。この日、3羽のコアジサシが飛来した。翌日、約30羽になり、デコイの効果有りと判断する。6/8には100羽以上になるが、ハヤブサが1羽を捕食すると、コアジサシは全て姿を消した。6/9、15、16羽が戻って来たが、翌日カラスがうろつき、コアジサシの姿は無い。6/11、食べられた卵の殻2個を見る。7/5、2羽の孵化が確認できた。
(三重「しろちどり」NO.68,P9〜10)
●2011/8 和歌山
・和歌山のウミネコについて
ウミネコは和歌山県レッドデーターブックでは絶滅の恐れのある地域個体群とあり、美浜町の蜑取島はウミネコの繁殖地としてS33年に天然記念物指定されたが、近年、繁殖が殆ど見られない。由良町の白崎は西日本の太平洋側では唯一のウミネコの繁殖地で、6/19、数十羽の雛が観察できた。
http://www.city.gobo.wakayama.jp/gobo/1120ka/kuroda_museum/kinensitu/umineko/umineko.html
(和歌山「いっぴつ啓上」NO.109,P8)
・春のタカ渡り 加太地区
サシバ、4/10:97羽、4/11:29、4/16:21、4/21:18、5/5:12、5/21:4。ハチクマ、5/6:6羽、5/18:15、5/25:5。ノスリ、4/10:18羽、4/21:11、5/5:9、5/18:2。逆行ハイタカ、4/10:13羽、4/21:11、5/4:2。正行ハイタカ、4/10:4羽、4/13:1。
(和歌山「いっぴつ啓上」NO.109,P11)
・連携団体全国総会
7/2、3、川崎市で開催された。公益法人制度改革に伴い、支部やブロックから選出されていた理事や評議員の選出が困難になり、新制度移行後の各地の声の反映する仕組みが必要になっている。本総会で連携団体全国総会(年1回)の目的として、下記が決まった。・本部と支部の交流の場、・活動方針、事業理念を共有する場、・統一キャンペーンについて話合い、強化を図る場、・会員や支部の声を反映させる場。
(和歌山「いっぴつ啓上」NO.109,P11)
●2011/7 熊本県
・横島干拓、熊本港におけるツルの越冬状況
玉名市の横島干拓を餌場にし、熊本港を塒にする越冬ツル類の2010年秋〜2011年春の状況を調べた。11/9〜4/20、確認された総飛来数はマナヅル30(成19、幼6、不明5)、ナベヅル1であった。11月初旬に初飛来があっても、人の群れが近づき、定着しなかった。連続長期滞在は11/18〜2/12の84日のマナヅル親子の3羽であった。
(熊本県「野鳥くまもと」NO.288,P13〜14)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.575
●2011/8 道北
・ウミネコ飛来数調査報告
●2011/8 小樽
・鷸蚌の争い
●2011/8 千葉県
・オオセッカ調査
・共に歩んだ野鳥保護40年(その2)
・三陸沖、ウミツバメ調査に手回らず (6/8 朝日新聞)
・ライチョウ (6/16、日経新聞)
●2011/8 長野
・高病原性鳥インフルエンザ感染数
●2011/8 徳島県
・アオサギ
・小水力発電について
●2011/8 福岡
・ムシクイ類
●2011/8 道北
・ウミネコ飛来数調査報告
6/11、利尻島北西部のウミネココロニーに飛来する個体数を支部、博物館、名城大学、環境省の関係者9名で調査した。今年のウミネコの初飛来は3/7であった。推定個体数は44,002羽で昨年より約1万2千羽増えたが、過去最大は06年の101,475羽である。一部でコロニー増加が見られた。
(道北「オロロン」Vol.35,NO.2,P4)
●2011/8 小樽
・鷸蚌の争い
「鷸蚌の争い」という諺がある。鷸(シギ)と蚌(はまぐり又はからす貝)が争っている間に、両方とも漁夫に捕えられたという事より、二人が利を争っている間に、第三者に横取りされる事を戒めたものである。貝を食べようとしたシギが貝に嘴を挟まれ、共に動きが取れず、両者とも捕えられてしまった。出典は中国の「戦国策」である。
(小樽「あおばと」NO.128,P10)
●2011/8 千葉県
・オオセッカ調査
7/2、利根川両岸でオオセッカの囀り個体を数えた。27名の調査で525個体を確認した。同数以上の雌個体もいると推定される。
(千葉県「ほおじろ」NO.364,P2)
・共に歩んだ野鳥保護40年(その2)
その後、渡り鳥の国際保護活動を始めた。85年頃から出水市のツルの渡り調査をし、モーターグライダーで群を追った。ツルの群は上昇気流で800mまで上がり、滑空し、高度が下がるとまた元の高度に上がった。その後発信器を渡り鳥に付け、人工衛星で追跡するアルゴスシステムを知る。当初の米国のものは280gもあり、NTTに軽い物を作ってもらい、この分野は日本がリードする事になった。後にホウロクシギの豪州への渡りルートがわかり、ルート上の重要な湿地を国際協力で守ろうと提案し、日豪政府の出金でフライウェイ・ネットワーク活動が始まった。97年、中国河北省でツル類ワーキンググループが発足し、ロシアのアムール川北側のマナヅルが繁殖する湿地8000haを民間資金で買い取り、自然保護区ができた。クロツラヘラサギは韓国、北朝鮮、台湾、中国の研究者との協力で2千羽程に増えた。
(千葉県「ほおじろ」NO.364,P3〜6)
・三陸沖、ウミツバメ調査に手回らず (6/8 朝日新聞)
東日本大震災は絶滅の恐れがあるウミスズメが営巣する三陸沖の島々も襲った。宮古市の日出島や釜石市の三貫島にはクロコシジロウミツバメやヒメクロウミ
ツバメが6月頃、繁殖のため飛来し、日本ではこの数百番のみである。船が出せず、今回の被害状況は掴めていない。オオセッカの渡り中継地の蒲生干潟(仙台市)、鳥の海(亘理町)は砂が覆い、復興対策が中心で、現地調査に着手できていない。山階鳥研は独自の現地調査を予定し、文部科学省、環境省にも調査を求めている。
(千葉県「ほおじろ」NO.364,P12)
・ライチョウ (6/16、日経新聞)
6/15、環境省は09年に白山で70年ぶりに見つかったライチョウと同一個体と思われる♀1が6/1にも確認されたと発表した。2年連続の越冬で、白山にライチョウが生息できる自然が残っている証拠としている。
(千葉県「ほおじろ」NO.364,P13)
●2011/8 長野
・高病原性鳥インフルエンザ感染数
7/2、3の川崎市での連携団体全国総会で、鳥取大学の山口剛士教授、本部の金井元主任研究員の話から。感染確認数はカイツブリ2羽(兵庫、宮崎)、カンムリ
カイツブリ1(兵庫)、アオサギ1(大分)、ナベヅル7(鹿児島)、オオハクチョウ6(北海道)、コハクチョウ2(福島、鳥取)、オシドリ11(高知、長崎、大分、宮崎)、オナガガモ1(北海道)、キンクロハジロ12(福島、鳥取、島根、山口)、スズガモ2(北海道)、ユリカモメ1(鳥取)、オオタカ(栃木)、ハヤブサ9(青森、栃木、京都、長崎、宮崎、島根)、フクロウ1(徳島)。同総会では、会の名前に支部を付けても、付けなくてもよいとの決定に多くの不満が寄せられた。
(長野「野鳥ながの」NO.497,P3)
●2011/8 徳島県
・アオサギ
嘗て、徳島県の牟岐町に四国唯一のアオサギの集団繁殖地があり、1975年、徳島県の天然記念物に指定された。昨今では数が増え、普通に見られる。学名Ardea cinereaのcinereaは「灰色の」意で、英名もGray Heronである。中国では蒼鷺で命名時、日本のアオサギの名称と関係があった?アオサギの奈良県の方言名に「おほさぎ」があり、大鷺であり、これが最初の語源とも考えられる。
(徳島県「野鳥徳島」NO.395,P3)
・小水力発電について
徳島県総合計画審議会で新エネルギーの普及促進の中に「小水力発電」がある。水生生物への悪影響を考え、自然生態系の保全が担保されるよう配慮を求める。
(徳島県「野鳥徳島」NO.395,P7)
●2011/8 福岡
・ムシクイ類
北部九州での記録をベースに、亜種メボソムシクイ:4/20頃〜5月上旬に通過、個体数は多くない。囀りは「ジュリジュリジュリジュリ」の4拍子。亜種オオムシクイ:メボソムシクイと入れ替わり、5月中旬〜6月中旬にまとまった数が通過する。メボソムシクイの亜種で、長年亜種コメボソムシクイと呼ばれていたが、近年、これは別の亜種と判明、Birder 誌でも亜種オオムシクイの表記。囀りは「ビジジョビジジョビジジョ」の3拍子。エゾムシクイ:4/20頃〜5月上旬通過、囀りは「ヒーツーキー ヒーツーキー」と独特の声。ウスリームシクイ:4月末〜5月末通過。珍鳥で、虫の声のような囀り「フィリフィリフィリ」。エゾムシクイとは別亜種扱いとなった。キタムシクイと呼ばれた事もあるが、図鑑に本種の説明は少ない。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.382,P8)
私の夏休みは終わりました。この炎暑もさようなら。
この記事を書き始めた1999年末、当時はコンピューターの2000年問題で、大変な事になるとされたのは、所詮、頭の中の事で、今年は頭の中での「放射能、大震災、新首相」よりも、まず、現実の問題、事実に目を向けねばと思います。
(自然保護室支援・野鳥の会 神奈川/森 要)
■モニタリングサイト1000の研修会を開催■
当会では、環境省のモニタリングサイト1000(正式名称:重要生態系監視地域モニタリング推進事業)の森林・草原一般サイトを担当しています。
本事業では、全国の森林や草原に約400か所の調査地点を設け、100年間観測することによって生態系の変化を早期に把握して、生物多様性保全のための施策に活かすことを目指しています。そのため、毎年約100名の会員の皆様に調査をお願いしております。
このような、大規模かつ長期的な調査には、調査員のみなさまの継続的なご協力が欠かせません。また次世代の調査員の確保も必要です。そこで、調査手法の研修、これまでの成果報告、調査員の拡充と交流を目的とした研修会を全国5か所で開催します。
研修会には、調査経験に関わらず、どなたでもご参加いただけます。また、本事業で用いる手法は、他の一般的な鳥類調査の方法としても使えます。
参加を希望される方は、下記ホームページか、ファックス、郵便にてお申し込みください。みなさまお誘い合わせての、ご参加お待ちしております。
【主催】日本野鳥の会、NPOバードリサーチ
【会場】
①上川教育研修センター(北海道旭川市):10月22日(土)〜23日(日)
②島根青少年の家サンレイク(島根県出雲市):11月12日(土)〜13日(日)
③国際奈良学セミナーハウス(奈良県奈良市):11月26日(土)〜27日(日)
④奈良大学(長野県上田市):12月11日(土)〜12日(日)
⑤国立科学博物館附属自然教育園(東京都港区):1月予定
【内容】
1日目 午後から
室内講義:モニ1000の事業概要とこれまでの成果の紹介。調査方法の説明。参加者による事例発表と情報交換。講義終了後、懇親会。
2日目 午前のみ
野外実習:鳥類のスポットセンサス法と簡易植生調査の実習。
【参加対象】調査に興味のある方(経験不問)
(会場の定員を超えた場合は参加できないことがあります。)
【参加費】無料(ただし懇親会費は実費を徴収)
【宿泊】
島根会場は、宿泊が可能です。事務局で一括して申し込みを行いますので、申込時に宿泊の希望をご記入ください。
−参加申し込み先−
(自然保護室長/葉山 政治)
■全国野鳥密猟問題シンポジウム参加者募集記事の支部報への掲載のお願い■
全国野鳥密猟対策連絡会と当会は、野鳥の密猟の根絶をめざして、野鳥密猟問題シンポジウムを開催しています。今回は日本野鳥の会大阪支部(橋本正弘支部長)の皆さんに主管団体になっていただき、下記のように開催いたします。一人でも多くの皆さまのご参加をいただきたく、支部報に下記の募集記事をご掲載いただければ幸いです。
★参加者募集中!★
第19回全国野鳥密猟問題シンポジウムinおおさかにお越しください
(公財)日本野鳥の会自然保護室
「全国野鳥密猟問題シンポジウム」をご存じでしょうか。このシンポジウムは、野鳥の密猟問題の抜本的な解決をめざして発足した全国野鳥密猟対策連絡会が、公益財団法人日本野鳥の会と共に年に一度開催しているもので、各地の支部の皆様のご協力により、今まで全国18の自治体をめぐって来ました。毎回、野鳥の密猟や違法飼養、違法販売の防止のために活動している皆様にお集まりいただき、野鳥の密猟や違法飼養の根絶のため、最新事例の報告や密猟摘発のポイントとなる野鳥の識別講座などの情報交換を行って来ました。回を重ねるごとに、自治体の鳥獣行政担当者や警察の皆様、鳥獣保護員や鳥類標識調査員、獣医師といった方々との立場を越えた連携の輪が広げて来ました。
さて9月5日、環境省は、メジロの愛玩目的の捕獲を原則禁止とする指針を各都道府県に告示しました。密猟問題にも大きな影を投げかけて来た、野鳥のペット化を公式に認める「愛玩飼養制度」が実質的に停止されることになったのです。これは私たちの長年の大きな目標の一つでもありました。
この記念すべき大きな節目となるシンポジウムを、下記の要領で開催いたします。つきましては、日頃から密猟・違法飼養・違法販売の対策に関わっておられる全国の会員の皆様方にお集まりいただき、有益な情報交換の場にしたいと考えています。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしています。
◇日時:平成21年12月17日(土)13時(開場12時)〜17時 12月18日(日)9時〜12時
◇テーマ:「野の鳥は野に」 〜愛玩飼養が廃止されるまで〜
◇会場:山西福祉記念会館 大ホール(大阪市北区神山町)JR環状線天満駅から徒歩約10分/地下鉄堺筋線扇町駅から徒歩約5分
◇内容:
■12月17日 「おめでとう!メジロたち」(動物作家 遠藤公男さん)/19年のあゆみと密猟対策ネットワークの構築(密対連事務局長 中村桂子さん)/大阪府における違法飼養取締の現状(大阪府、大阪府警本部、日本野鳥の会大阪支部)/パートナーシップにおけるNPO・NGOの役割(日本バードレスキュ-協会、自然環境アカデミー、中津動物病院中津賞さん、密対連実行委員佐藤武男さん)/愛玩飼養制度にかかる鳥獣基本指針の改正について(環境省鳥獣保護業務室 千葉康人さん)
■12月18日 日本産と外国産のホオジロの識別(山階鳥類研究所 茂田良光さん)/各地からの事例報告(長崎県支部執行利博さん、愛知県から密対連実行委員加藤倫教さん他)
◇申込み方法:
■1 電子メールの場合
[email protected](橋本正弘)宛に、メール件名を「シンポジウム参加希望」としてご送付ください。折り返し申し込み用紙をお送りしますのでご返送ください。
■2 FAXまたは郵送の場合
参加区分(①、②、③)、ご住所・お名前・電話番号(お持ちの場合はFAX番号、Eメールアドレス)、宿泊される場合は性別と禁煙室か喫煙室の区別も明記の上、下記までお申し込みください。
FAX番号:06−6352−0302
郵便宛先:〒531−0063大阪府北区長柄東1-2-13-902 橋本正弘宛
◇参加区分(参加費) ①シンポのみ:2千円 ②シンポ+懇親(夕食)会:7千円 ③シンポ+懇親(夕食)会+宿泊+朝食:1万2千円(宿泊の方は性別と禁煙・喫煙の区別を明記してください。宿泊室は相部屋です。)
★申し込みに際してお知らせいただく個人情報は、本行事運営と宿泊手続きの目的に限定して使用します。)
★お申し込み確認後、『参加証ハガキ』をお送りします。当日は『参加証ハガキ』にて受付をさせて頂きますので、必ずご持参ください。参加費は当日受付にてお支払いいただきます。
◇申込み〆切 11月30日(水)
◇お問合せ先
全国野鳥密猟対策連絡会(中村) T/F 075-864-0777 e-mail:[email protected]
携帯:090-1898-7062 京都市右京区常盤御池町21-4
または日本野鳥の会大阪
Tel06-6766-0055 大阪市天王寺区清水谷町6-16
◇主催:全国野鳥密猟対策連絡会
◇主管団体:日本野鳥の会大阪支部
◇共催:(公財)日本野鳥の会
◇後援(予定含む):環境省、大阪府、(財)山階鳥類研究所、WWFジャパン、生物多様性JAPAN、日本鳥類標識協会
(自然保護室/古南 幸弘)
■野鳥カレンダー 2012年版販売開始!■
毎年ご好評をいただいております当会オリジナルカレンダーを9月1日に発売しました。2012年版も、壁掛け型「ワイルドバード・カレンダー」と、卓上型「バーズ・イン・シーズンズ」の2種類を制作しました。 ぜひ、探鳥会等でご案内いただき、カレンダーを通じて野鳥のすばらしさの普及、会員・支援者の輪の拡大、販売促進にご協力いただければ幸いです。
以下にカレンダーの特徴をお知らせします。会員や一般の方々へのご案内時のご説明ご活用ください。
●ワイルドバード・カレンダー2012(壁掛け)
- 商品番号606167
- 税込価格:1,470円/会員価格1,250円
- 特徴
- 「多様な風景 多様な野鳥」をテーマに野鳥写真の一般公募を行い、全国から寄せられた798点の中から12点を厳選しました。日本の多様な自然環境をお楽しみください。
- サウンドリーダーで野鳥の声が再生できる音声コードを掲載しているほか、暦には、自然に関する記念日や生物季節観測値などを掲載。野鳥や自然を見て、聞いて、感じて楽しめるカレンダーです。
- ペーパーリング製本(名入れ販売用は紙とじ製本)採用のため、全て紙素材。リサイクル時の分別が不要です。
●バーズ・イン・シーズンズ2012卓上カレンダー
- 商品番号606206
- 税込価格:1,050円 ※会員価格の設定はございません。
- 特徴
- 野鳥写真ライブラリー「ナチュラリー」との共同制作により、12ヶ月の写真は第一線で活躍する野鳥写真家の作品で構成しています。(撮影:撮影:石田光史、大橋弘一、福与義憲、江口欣照)
- 使用後に暦部分を切り取れば、写真をポストカードとして再利用できます。
●カレンダーのご注文・お求め
①各連携団体(支部)の販売事業ご担当者様まで
②日本野鳥の会 普及室
通信販売係/
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル、
TEL:03-5436-2626 FAX:03-5436-2636
③全国最寄りの書店でお取り寄せ ほか
※当会以外の書店や小売店では一般価格のみ。
●本件についてのお問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636 Email:[email protected]
(普及室/江面 康子)
■連携団体(支部等)向卸販売をご利用ください■
「バードショップカタログ2011秋冬号」が間もなく発行となります。9月下旬には、販売事業ご担当者様宛にも連携団体(支部等)向卸販売のご案内と合わせてお届けします。各支部での販売を通じて、バードウォッチングや自然保護の輪が広まるとともに、販売収益が支部活動の一助となるよう、期待しております。拡販にご協力をお願いします。
●2011年秋冬号より おすすめ商品
- 福島県産食品特集「福島を食べて応援!」
サマーフェアに引き続き、福島県の支援に少しでもつながるよう、同県産の食品をご紹介しています。郷土色豊かな食材から、ジャムやゼリーなどのスイーツまで、ラインナップを増やしました。
- バードウォッチング長靴 レッド・ブルー・グレー
商品番号 441860ほか
税込価格 \4,980
幅広い年齢層に人気の「バードウォッチング長靴」の新色を発売。3色あわせて限定3000足の販売です。
※発売は10月下旬以降を予定しております。
-
お年玉付年賀はがき
商品番号 タツノオトシゴ 610149/カンムリウミスズメ 610150/スズメ 610151
税込価格 50枚組\4,400
平成24年版は、タツノオトシゴ(村上康成)、カンムリウミスズメ(富士鷹なすび)、スズメ(小林絵里子)の3絵柄。
※11月中旬の販売を予定しております。
この他にも、毎年恒例のカレンダーや、アウトドア用品、生活雑貨など様々な商品を多数ご案内しております。ぜひ、ご利用ください。
●支部卸販売のご注文、お問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636 Email:[email protected]
(普及室/江面 康子)
■Tシャツ「千人の森」が完売しました■
2011年4月から販売を開始したTシャツ「千人の森」は、おかげさまで完売いたしました。
このTシャツは、売上の一部(250円)を「シマフクロウの森を育てよう!」プロジェクトで行う植樹や管理費用に充てるというものです。このTシャツを1,000人の方にご購入いただくことで、1区画(500u)に植樹・管理できることから「千人の森」という商品名をつけ、Tシャツには1〜1,000までのシリアルナンバーをつけました。
「1枚につき250円がシマフクロウ保護に使われる」「1,000人がTシャツを購入すると1区画(500u)の植樹・管理ができる」等、寄付の使途を明確にしたことと、Tシャツを購入することで、自然保護活動に参加できるということが受け入れられたためか、会員はもちろん、会員以外からも多くのご支援をいただきました。
今後も、寄付の使途を明確にし、当会が進める自然保護活動に参加できるような商品企画を行い、商品の購入を通じて、多くのの方が当会の活動に関われる機会を作っていきたいと考えています。
●本件についてのお問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636 Email:[email protected]
(普及室/清水 久)
■支部名称等変更のお知らせ(敬称略)■
【名称変更】
●日本野鳥の会佐賀 (2011年6月26日より)
・新名称:『日本野鳥の会佐賀県支部』(従来の名称へ戻す)
・代表→支部長
●日本野鳥の会神奈川 (2011年8月1日より)
・新名称:『日本野鳥の会神奈川支部』(従来の名称へ戻す)
・代表→支部長
(総務室/小川 富由美)
■共有名簿の訂正■
先般お送りしました「共有名簿」に下記の通り訂正のご連絡を頂きました。名簿を管理されている方はお手数ですが、お届けした名簿に訂正をお願いいたします。
- 日本野鳥の会群馬の専用事務所開所時間訂正(専用事務所一覧)
(誤) 9〜17時 日・月・祝休
(正)10〜16時 日・月・祝休
以下の訂正に関しましては、本紙には掲載いたしませんので、ご連絡の際は下記担当へご相談ください。
総務室総務グループ TEL 03-5436-2620 / FAX 03-5436-2635
- 日本野鳥の会北上支部の事務局のファックス番号
- 日本野鳥の会愛媛の事務局のメールアドレス
- 日本野鳥の会遠江の代表者のメールアドレス
- 日本野鳥の会岡山県支部の支部長宅兼事務局の住所(政令指定都市化による変更)
(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)
■大規模災害の被害状況をご連絡ください■
震災以来の余震もさることながら、豪雨や台風による被害が全国で続いています。大きな被害を受けられた地域の連携団体(支部)の役員の皆さまへは出来る限りこちらから被害状況の確認をさせていただきます。また被災された会員の方の情報などがある場合は会員室までお知らせいただきますようお願いいたします。
(会員室/沖山 展子)
■会員数■
●9月1日会員数39,710人(対前月-217 )
会員数は先月に比べ217人減少しました。
8月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より213人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。8月の入会者数は84人で、前年同月の入会者90人に比べ6人減少しました。
また、8月の退会者数は297人で、前年同月の退会者数240人に比べ57人増加しました。
表1.8月の入会・退会者数
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
●都道府県および支部別会員数
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2.都道府県別の会員数(9月1日時点)
備考:その他は海外在住の会員を示します。
表3.支部別の会員数(9月1日時点)
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
■支部ネット担当より
●投稿お待ちします
各支部やブロックからの投稿記事をお待ちしております。原稿はメールでお送りいただけます。特に締め切りはありませんが、月初めにお送りいただければ、その月の号に掲載可能です。
本通信のバックナンバーは、ホームページから閲覧できます。URLは以下のとおりです。
http://www.wbsj.org/info/shibu/net/index.html
●電子メール配信
本通信は電子メールでもお送りしています。電子メール配信のお申し込みは、下記のメールアドレスまでお気軽にどうぞ。
(会員室長/小林豊)
支部ネット通信 第90号
◆発行
公益財団法人日本野鳥の会 2011年9月16日
◆担当
会員室
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2632
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected] |