No.86 2011年5月号


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目次 ■東日本大震災への対応
 岩手県、宮城県の被災地域支部を訪問
 義援金へのご協力ありがとうございます
■プレスリリース
 よこはま動物園でのバードウィーク行事
 福島県産品の取り扱いと反響
 論文集ストリクスvol.27を発行
■ブロックの動き
 九州・沖縄ブロック大会 出席報告
■支部の動き
 支部報保護・調査記事関連トピックス
■事務局からのお知らせなど
 野鳥愛玩飼養を原則禁止の案が出されました!
 自然環境に配慮した福島県産品を探しています
 支部名称等変更のお知らせ
 理事会が開催されました
 会員数


≪東日本大震災への対応 ≫

■岩手県、宮城県の被災地域支部を訪問■

 会員室では、震災後から、岩手県、宮城県、福島県の支部の皆さまと定期的に連絡をとっていましたが、交通手段が確保された4月下旬、まず岩手県と宮城県にみやこ、北上、宮城の3支部の代表、支部長の皆さまをおたずねしました。ご自分も大変な状況にありながら、会員の方の安否を一軒一軒たずねられ、また自然や野鳥の状況も心配されているご様子には本当に頭が下がりました。残念ながら会員の方にもお亡くなりになった方があり、家屋を流出された会員の方も多く、地震で倒壊などの被害にあわれたお宅も多いことが徐々にわかってきています。(北上、みやこ、宮城県はすでに支部報で震災についての記事を出されていますので、5月31日発送予定の総務からの支部報送付で支部事務局に届くと存じます。そちらをご覧いただくと、より支部のご苦労がおわかりになると存じます)。
 5月下旬には、今度は、福島市、南相馬市、郡山市、いわき市に支部をおたずねする予定です。支部や会員の皆さまの実情をよくふまえて、当会の支援のあり方(会費免除や義援金など)について方針を固めていきたいと考えております。
 また、いくつかの支部からは、義援金のほかに、被災地にお住まいの会員の方の支部会費のお申し出や、双眼鏡や図鑑を流出された方へ現物支援のお申し出もいただいています。ありがとうございます。それらのお申し出と現地の支部のご要望をおつなぎできるよう、準備をしております。
 次号の支部ネット通信では、詳細な被災状況のご報告と、今後の支援の方針について、改めていたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

●北上支部
 高橋知明代表を北上市内のどうぶつ病院にお訪ねしました。
 内陸は地震の影響は少なかったそうですが、沿岸部の会員の方5名の安否が長くわからずガソリンが手に入り現地に入られるまで、気をもむ日々を過ごされたとのこと。お伺いしたときに、陸前高田の会員の方でなくなっている方1名、不明の方1名のことが伝えられ、苦しい思いをいたしました。

●みやこ支部
 みやこ支部のエリアは沿岸の数多くの入り江がすべて津波で被災し、その凄惨さにはことばがありませんでした。支部顧問の遠藤公男さんは、すべての支部会員の皆さまの安否をたずねて、避難所や市の仮庁舎などを訪れ、今も避難されている会員の方々の支援にあたっておられます。

●宮城県支部
 宮城県支部は地域も広く、沿岸部は津波、内陸部も地震の被害が多く、会員も約500名と多いため、竹丸勝朗支部長は、全容の把握に苦労されています。お伺いした際には、約50名の幹事さんの安否の確認が取れた時期で、他の会員の方の安否と蒲生干潟の環境の変貌などを心配されておられました。このことによって退会される方のないような措置と、双眼鏡や図鑑をなくされた会員の方への対応を要望されました。

(会員室/猪沢則子)

■義援金へのご協力ありがとうございます■

 4月10日〜5月18日までに、以下の支部・ブロック会議・探鳥会グループの皆さまから義援金をお寄せいただきました。ご協力いただき、誠にありがとうございます。

この他、会員、支援者、関係団体などの皆さまからの義援金を合わせて、合計1,152,692円となっております。 引き続きご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

(会員室/吉倉浩子)

プレスリリース

■よこはま動物園でのバードウィーク行事■

 発表した内容は、下記のとおりです。一部内容は省略しています。このプレスリリースの全文は、当会ホームページからご覧いただけます。
http://www.wbsj.org/press/110509_01.html

バードウィークinズーラシア
鳥の不思議大発見

2011年5月9日

 よこはま動物園ズーラシア(横浜、動物園部長:今関三貴也)と(公財)日本野鳥の会(東京、理事長:佐藤仁志、会員・サポーター数約5万人)は、5月10日〜16日の愛鳥週間(バードウィーク)の特別企画として、5月14日(土)、15日(日)に、親子向けイベント「鳥の不思議、大発見」を開催します。当日は、鳥の専門家、安西英明(日本野鳥の会主席研究員)が動物園のコウノトリ・マナヅルなどを観察しながら耳・目などの体の不思議を解説するガイドツアーや、自然体験林で野鳥の子育てから生きもののつながりを学ぶ観察会など、さまざまなプログラムを行います。動物を観察しながら園内を回るウォークラリーでは、ゴールした方全員に素敵なプレゼントをさしあげます。つきましては、広く告知にご協力くださいますよう、よろしくお願いいたします。

【企画概要】

●日程: 2011年5月14日(土)、15日(日) 9時30分〜16時30分
●会場: よこはま動物園ズーラシア
●プログラム内容: (1)ガイドツアー『安西さんと歩く、ズーラシアの鳥めぐり』
(2)子ども向け観察会『鳥のあかちゃん、何たべてる?』
(3)体験講座『この羽の持ち主はだれ?』

■福島県産品の取り扱いと反響■

 発表した内容は、下記のとおりです。一部内容は省略しています。このプレスリリースの全文は、当会ホームページからご覧いただけます。
http://www.wbsj.org/press/110510_01.html

日本野鳥の会は福島県の物産を取り扱っています
〜福島県産食品の販売に関する取り組みと反響について〜

2011年5月10日

 公益財団法人日本野鳥の会(本部:東京、理事長:佐藤仁志、会員・サポーター数:約5万人)は、福島第一原子力発電所の事故で風評被害を受けている福島県産食品の通信販売を4月20日より開始した。
 当会は28年間福島市小鳥の森の運営を通じて、福島県の方々にお世話になってきた。その福島県の風評被害に対して何かできないかと模索していたところ、当会会員の仲介によって実現させることができた。
 現在、通信販売では、福島県産の農産物を使ったジャムやゼリー、トマトソースと、乾しいたけを取り扱っている。当会のインターネットショップで販売を開始したところ、「福島特集を企画してくれて感謝」「風評被害打破に協力します!」「福島をもっと応援したいです。取り扱い商品を増やして」等のメッセージとともに、100件を超える注文があった。
 当会の販売事業は、主にバードウォッチングに必要な商品を取り扱っており、年間約1億7千万円の売上があり、内、通信販売の売上は約1億円。2006年から、自然環境の保全をより推進させるため、自然環境に配慮して生産された食品の取り扱いを始めた。現在、冷蔵庫等の設備を持たないので生鮮食品の取り扱いが困難だが、常温保存可能なものであれば取り扱いが可能。今後は、特に自然環境に配慮して生産された食品や、販売ルートを持たない生産者を探し、取り扱い商品を増やしていきたいと考えている。また、このような生産者情報も求めている。


■論文集ストリクスvol.27を発行■

 発表した内容は、下記のとおりです。一部内容は省略しています。このプレスリリースの全文は、当会ホームページからご覧いただけます。
http://www.wbsj.org/press/110510_02.html

日本野鳥の会 会員が書いた野鳥の論文集『Strix(ストリクス)vol.27』を、
愛鳥週間(初日5/10)に発行します

2011年5月10日

 公益財団法人日本野鳥の会(本部:東京、理事長:佐藤仁志、会員・サポーター数:5万人)は、5/10から始まる愛鳥週間の初日に、日本野鳥の会会員による論文集「Strix(ストリクス)vol.27」を発行します。Strixは、日本野鳥の会の会員が日頃楽しんでいるバードウォッチングに留まらず、長期的、計画的な観察や分析を行うことで、より科学的な視点をもって、すばらしい野鳥の世界を明らかにしようという論文誌で、古代ギリシャの智恵の象徴である、女神アテナの従者フクロウにちなんでこの誌名がつけられています(Strixはフクロウの学名)。今回は、22本の論文を収録しています。

ブロックの動き

■九州・沖縄ブロック大会 出席報告■

日時:2011年4月2日(土)14:00〜3(日)09:30
場所:佐賀県佐賀市大和町 ホテル龍登園ほか
主催:日本野鳥の会九州・沖縄ブロック
主管:日本野鳥の会佐賀
出席:日本野鳥の会北九州、日本野鳥の会福岡、日本野鳥の会筑豊、日本野鳥の会筑後、日本野鳥の会佐賀、日本野鳥の会長崎県支部、日本野鳥の会熊本県支部、日本野鳥の会大分、日本野鳥の会宮崎県支部、日本野鳥の会鹿児島の連携団体(支部)から50名。興和株式会社から2名。財団からの出席は、柳生会長、古南自然保護室長代理、永松サンクチュアリ室長付、五十嵐総務Gチーフの4名。

≪議題・内容≫

  1. 黙とう、挨拶
    このたびの東日本大震災の被災者の方々へ黙とうを捧げた。九州・沖縄ブロック広塚忠夫事務局長より主催者挨拶、島田洋日本野鳥の会佐賀代表より地元歓迎挨拶、財団柳生博会長より来賓挨拶があった。
  2. 講演
    (1)「伊万里のツルと出水のツル〜ナベヅル・マナヅルの越冬地分散と高病原性鳥インフルエンザ〜」
       講師:公益財団法人日本野鳥の会 自然保護室長代理 古南幸弘
    (2)「東与賀大授搦でのシギ・チドリ類調査記録から見えてくるもの」
       講師:日本野鳥の会佐賀 専門委員 宮崎八州雄さん
  3. 各支部・地域連携団体からの報告
    <日本野鳥の会鹿児島>
    本田洋事務局長より、出水のツル分散化への協力要請があり、高病原性鳥インフルエンザの発生により、出水が危険な状態である旨報告された。
    <日本野鳥の会宮崎県支部>
    前田幹雄支部長より、高病原性鳥インフルエンザに関連し2件の調査受託をしていること、養鶏場でのブロイラーの飼い方が問題であるが、当会は基礎データ集積と他機関との連携強化を担うべきとの報告がされた。
    <日本野鳥の会大分>
    生田誠二氏より、定例観察会について3月より新しい地区で試験的に実施していること、野鳥ビンゴなどを活用して積極的に小中学校の自然観察会へ協力、指導していることなどが報告された。
    <日本野鳥の会熊本県支部>
    田中忠事務局長より、三池島アジサシ類調査について、東大の樋口宏芳先生と協力してデータロガーを付けたこと、平成21年10月に図鑑「くまもとの野鳥」を刊行し好評のため第2版が残りわずかであることなどが報告された。
    <日本野鳥の会長崎県支部>
    執行利博事務局長より、会員は逓減傾向にあり4年前より会員増対策を実施しているが目立った効果が出ていないこと、平成22年12月に財団主催で「生きものつながりアート展」が長崎県立美術館で開催され、受付、管理業務等、輪番制で連携協力した旨の報告があった。
    <日本野鳥の会筑後>
    松富士将和会長より、有明海において年3回、6地点で水鳥調査を継続的に実施していること、熊本県支部と合同で三池島のアジサシ類調査をおこなっていること、会員数の減少と高齢化の課題を抱えているが小学生高学年の入会者が増えていることなどが報告された。
    <日本野鳥の会筑豊>
    広塚忠夫事務局長より、会員増加策として、行事における一般参加者への対応状況を毎月の運営委員会で検証していること、その効果があり平成20年から会員は増加傾向にあること、また会報を会員の発表、誌上交流の場と捉えて一般会員の投稿を重視していることなどが報告された。
    <日本野鳥の会福岡>
    田村耕作事務局長より、定例・月例探鳥会を活発に実施していること、ガン・カモ類一斉調査を30年継続しカモ類の減少傾向が明らかになったこと、三井物産環境基金の助成によって子どもたちに生物多様性を理解してもらう「里山のたぬきとうんち」などの公演をおこなっていることが着ぐるみ姿で報告された。
    <日本野鳥の会北九州>
    前田伸一さんより、探鳥会、調査活動、保護活動を事業の3本柱として実施していること、ホームページ開設後、探鳥会への講師派遣依頼が増えたこと、会員が希望する行事をおこなう企画部を設けて好評を得ていることなどが報告された。
    <日本野鳥の会佐賀>
    佐久間仁事務局長より、山口県萩市見島での渡り鳥ツアー、北海道釧路・根室への道東ツアー等県外ツアーも活発におこなっていること、県の委託を受け巣箱作りや愛鳥寸劇を披露する普及事業にも力を入れていること、今年度からフクロウ類やカササギ等の生息数を調べる調査研究活動も積極的に取り組むことが報告された。
  4. ブロック協議会
    (1) ブロック協議会の規約の改正
    森本嘉人日本野鳥の会北九州代表を九州・沖縄ブロック協議会の代表として選出し、広塚事務局長とで、規約改正案を作成し、来年のブロック協議会にて決定とすることとなった。従来、ブロック選出理事がブロック代表を兼務していたが、財団の公益財団移行に伴い、ブロックから理事(評議員)選出機能が失われたため、このような対応が取られた。話し合いの中で、五十嵐真総務室総務グループチーフより、新制度移行後の財団本部と支部、ブロックとの関係や関連規程の説明があった。
    (2) 2010年度の決算報告
    前 九州・沖縄ブロック協議会執行利博事務局長が、4月10日までに、決算報告及び引継事項を、現在の広塚事務局長へメールで報告し、引継を完了することが確認された。
    (3) 西表支部提案の原発順次廃止アピールについて
    西表支部提案による今大会における原発順次廃止アピールの採択提案を受けて、急きょ話し合いをおこなった。結果、大会でアピールをすることは厳しいが、西表支部の提案を受け止め、各連携団体に持ち帰り議論し、連携団体や会員が前向きな行動へ持っていけるように努力していくことを確認した。
    (4) 東日本大震災の義援金について
    大会会場における義援金募集方法は、募金箱にて方式でおこなうことを確認した。また、復興までの期間は長期になることが予想されるので、各連携団体は継続的な取り組みを行うことを確認した。
    (5) その他
    日本野鳥の会筑後松富士会長より、有明海再生のため諫早干拓の開門実施を求めるアピール文の採択提案があったが、時間的制約によりアピール文の採択は見送られた。
  5. 交流会
    大会終了後、交流会がおこなわれた。各支部および財団での情報交換をおこなった。
  6. 観察会
    東与賀大授搦で夏羽になりつつあるシギ・チドリ類の観察会が実施された。

(総務室/五十嵐真)

支部の動き

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会へ送付されてきている各地の支部報/会報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある方へ配信しております。本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部/各会の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.556

●2011/3-4 群馬
・鳥インフルエンザ感染リスクが高い日本の野鳥種
●2011/3 茨城県
・ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査結果
・新たな鳥獣保護区を要望
・安定期を迎えた?茨城のカワウ
●2011/3 神奈川
・視覚障害者向け講演会
・野島水路の道路建設問題とシギ・チドリの観察
・小さな森計画(1)
●2011/3 宮崎県
・枇榔島シンポジウム
・県内のクロツラヘラサギ20羽にも
・県内で鳥インフル多発
・メジロの愛玩飼養禁止の要望書
・日本野鳥の会のカレンダー、経済産業大臣賞を受賞 (1/24 毎日新聞)

●2011/3-4 群馬
・鳥インフルエンザ感染リスクが高い日本の野鳥種
 環境省は野鳥33種(水鳥21、猛禽類9、カラス3)を高病原性鳥インフルエンザの感染リスクが高いとしている。カイツブリ、ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、ゴイサギ、アマサギ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、シジュウカラガン、マガン、コブハクチョウ、オオハクチョウ、コハクチョウ、マガモ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オオタカ、ノスリ、サシバ、クマタカ、チュウヒ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、バン、オオバン、ユリカモメ、ワシミミズク、コノハズク、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス。
(群馬「野の鳥」NO.304,P4)
●2011/3 茨城県
・ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査結果
 1/9、県内70個所の一斉調査で、27種、80,115羽(昨年23種、104,222羽)を記録した。内、コブハクチョウ100、オオハクチョウ748、コハクチョウ527でほぼ前年と同じ。マガン3、オオヒシクイ72、コクガンは7であった。カモ類は21種で78,658羽、内訳はマガモ29,294、カルガモ12,139、コガモ9,611、スズガモ7,809、オナガガモ6,965、ヒドリガモ6,742、キンクロハジロ1,598、オカヨシガモ971、ヨシガモ797、ハシビロガモ551、ホシハジロ471、オシドリ288等。その他、カンムリカイツブリ662、オオバン3,741、カワウ3,460等で、本県は湖沼面積が大きく、マガモを主に渡来数は増加傾向にある。
(茨城県「ひばり」NO.300,P4〜7)
・新たな鳥獣保護区を要望
 11/26、第11次鳥獣保護事業計画のための鳥獣保護区、特定猟具使用禁止区域、計10個所の新設の要望書を茨城県へ提出した。内、利根川下流中洲、利根川下流河口、妙岐の鼻(浮島草原、野田奈川干拓)、北浦北部は環境省のラムサール条約登録湿地潜在候補地である。
(茨城県「ひばり」NO.300,P22)
・安定期を迎えた?茨城のカワウ
 茨城県のカワウは例年12月に最高羽数になる。12/10〜31、県漁政課委託の県下20個所の塒調査で、4,859羽のカワウを記録した。昨年より601羽減少、最大塒はひたちなか市の3,000羽で関東最大規模である。概して県央、県北の海岸沿いに規模の大きい塒が集中する傾向がこの2、3年続き、嘗て大きな塒があった霞ヶ浦を含む、利根川水系では餌量に合わせて減少が続いている。
(茨城県「ひばり」NO.300,P22)
●2011/3 神奈川
・視覚障害者向け講演会
 1/22、視覚障害者9名、点字・録音・誘導のボランティア60名に野鳥の説明をした。会場をイメージする話に続き、野鳥の声を聞き、実際に野鳥の羽毛に触れ、「さわる図鑑・鳥」の図や点字に触ってもらった。今まで縁が無かった方々を野鳥の世界に案内する架け橋になる。会の活動の場を広げ、広く社会から評価、必用とされる存在になっていけると実感する。
(神奈川「はばたき」NO.466,P2)
・野島水路の道路建設問題とシギ・チドリの観察
 横浜市金沢区の野島水路で国道の延長工事の計画がある。ここには小さな干潟があり、09/2より2回/月の野鳥調査をしている。春と秋のシギ・チドリの渡りを見ると、ハマシギは渡り始め4/24、渡り終り5/19で最大は5/4の73羽、秋の記録は無い。メダイチドリ:4/24〜5/19、最大4/30の56。秋は7/17〜8/25、最大8/10の32、秋は春の半分。キアシシギ:最大5/18の40。秋は7/3〜10/20、最大8/2の44。チュウシャクシギ、キョウジョシギ:共に4/24〜26の1羽のみ。ソリハシシギ:5/3〜30、最大5/4の2。秋は8/3〜10/11、最大8/29の4。
(神奈川「はばたき」NO.466,P4〜5)
・小さな森計画(1)
 生き物が集まる植物の種を集めている。蝶の幼虫の食物になるもの、虫が吸密に訪れるもの、鳥の食料になる果実をつけるもの、余り大きくならず、周囲の人も楽しめるものを選んでいる。イロハモミジはシメやカワラヒワが種を好んで食べる。エノキ、ムクノキは果実が鳥の食料になり、エノキはゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、テングチョウ等の幼虫の食料になる。ハギ、トウコマツナギはシジミチョウの仲間の幼虫の食料になる。センダンは果実をヒヨドリ等が食べる。アベリア(ハナツクバネウツギ)はホウジャク類(昼行性スズメガ)の密源になる。
(神奈川「はばたき」NO.466,P6〜7)
●2011/3 宮崎県
・枇榔島シンポジウム
 2/5、海鳥の保護と地域の共生と題した枇榔島国指定鳥獣保護区記念シンポジウムが環境省と野鳥の会共催で260名が参加し開催された。カンムリウミスズメをはじめ海鳥やカラスバト、ウチヤマセンニュウ等の聖域となっている島を県民に知ってもらい、保護活動につなげる目的である。地元門川町町長も枇榔島を守っていくと挨拶された。柳生会長からは「野鳥と子供たち」と題し、豊岡市でのコウノトリ復活の例をあげた。枇榔島のカンムリウミスズメは伊豆諸島を上回る事が明らかにされ、07/7にNHKの「ダーウインが来た」で放映された、「絶壁落下、カンムリウミスズメ雛の冒険」の紹介があった。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.224,P3〜5)
・県内のクロツラヘラサギ20羽にも
 宮崎県内で今冬越冬のクロツタヘラサギは一ツ瀬川13羽、串間市で7羽、計20羽になり、越冬地の拡大が注目される。09年の世界一斉調査では、2,041羽、内、日本には215羽が確認され、九州では約200羽になる。テグスは最大の脅威で日本鳥獣保護連盟のHPにその写真が掲載されている。
http://tegusuhigai.blogspot.com/
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.224,P11〜12)
・県内で鳥インフル多発
 2/11現在、宮崎県内で11件の鳥インフルエンザが発生している。内、ブロイラーが8件で野鳥への感染も5例ある。多発する要因として宮崎県の乾燥したカラカラ天気、ブロイラー飼育で過密状態での抵抗力不足がある。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.224,P17〜21)
・メジロの愛玩飼養禁止の要望書
 12/24、支部は同禁止を求める要望書を環境大臣へ提出した。全国で24県が既に愛玩飼養目的の新たな捕獲を認めていない。H18年、全国のメジロ飼養登録数は4,642羽で、ヤマガラは6,048羽(S53年)、ウグイスは14,565羽(S54年)の時点で愛玩飼養のための捕獲は禁止になっており、メジロは即刻捕獲禁止すべき。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.224,P22)
・日本野鳥の会のカレンダー、経済産業大臣賞を受賞 (1/24 毎日新聞)
 野鳥の会が発行した「ワイルドバード・カレンダー2011」が全国カレンダー展で経済産業大臣賞を受け、1/12、柳生会長らが授賞式に出席した。同展には718点の応募があり、3部門でデザイン、印刷技術が競われた。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.224,P23)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.557

●2011/3 オホーツク
・森林について
●2011/1-2 もりおか
・2011年ガンカモ調査結果
●2011/3 奥多摩
・鳥声録音事始め(その2)
・ヒレンジャク
・オオミズナギドリ初記録
●2011/3 滋賀
・水鳥一斉調査2011結果
・ノウサギ
●2011/3 徳島
・2010年秋のタカ渡り報告
・野生鳥類の愛玩飼養制度廃止の要望書
●2011/3-4 ひろしま
・ガンカモ調査2011速報
●2011/3 大分
・2011年ガン、カモ類調査結果
●2011/春 鹿児島
・屋久島のタカの渡り    

●2011/3 オホーツク
・森林について
 近年、北海道の森が外国資本に取得されている。後志管内に集中し、その面積は800haを超える。オホーツクでは1ha当り76,000円程度。当会はシマフクロウを守る森として、日高と根室に山林を取得している。オホーツク東部での民有森林面積は11万ha、内、人工林は6.5万ha、北海道平均の人工林率31%よりかなり高い。カラマツの最適な伐採時期は30年とされるが、供給過多のため、そのまま放置されている。このままでは40年後には森林面積は6割に、木の蓄積は3割になる(北海道試算)。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.286,P2〜3)
●2011/1-2 もりおか
・2011年ガンカモ調査結果
 1/9、北上川、中津川でカウントした。総計3,074羽、内訳はオオハクチョウ481、オナガガモ1,088、カルガモ579、マガモ367、コガモ338、ヒドリガモ89、カワアイサ56等。
(もりおか「山翡翠」NO.338,P3〜4)
●2011/3 奥多摩
・鳥声録音事始め(その2)
 日本で初めての鳥の声のレコードを発行しようとの話が中西悟堂会長を中心に持ち上がり、1954年、SPレコード「野鳥の声」が発売された。これには収録された鳥の解説、中西会長の文章が記載されていたが、収録した蒲谷鶴彦、芳比古の両兄弟の名前は無かった。第2集のレコードも「日本野鳥の会収録」とあるのみで、出資金は日本野鳥の会ではなく、有志から頂いたもので、両兄弟の抗議で第3集でようやく、収録者の名前が載った。その後も野鳥の会中西悟堂の名で音源が発売され、音源は蒲谷兄弟のものであるが、著作料は払われなかった。蒲谷鶴彦は「野鳥の声」を生涯自分のレコードとして紹介する事は無かった。参考書:松田道生「野鳥を録る-野鳥録音の方法と楽しみ方」東洋館出版社(2004年)
(奥多摩「多摩の鳥」NO.199,P2〜4)
・ヒレンジャク
 世界的に分布はキレンジャクの方が広い。ヒレンジャクは西日本に多く、キレンジャクは東北、北海道に多い。キレンジャクは英名で放浪の民を意味するボヘミアンが付くが、この鳥もそのような感じを受ける。多摩川ではヒレンジャクが多く、今年は1/10初認で最も遅い終認は5/7である。食性は木や草の実を好むが、虫も捕食する。一度に多量の実を食べるためか、水場へ行き来するのがよく見られ、喉を詰まらせ死に至る例もある。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.199,P20)
・オオミズナギドリ初記録
 11/20、多摩川昭和堰周辺でオオミズナギドリが旋回するのが撮影された。奥多摩支部フィールドでは初記録となる。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.199,P23)
●2011/3 滋賀
・水鳥一斉調査2011結果
 1/2〜15、琵琶湖沿岸、その内湖、河川、溜池等の99個所で実施した。当会以外に滋賀県野鳥の会、湖北野鳥の会の協力を得た。水鳥総合計160,583羽で、内訳はカイツブリ類4,639(カンムリカイツブリ2,572、ハジロカイツブリ1,261、カイツブリ805等)、カワウ1,319、カモ科116,371(マガン28、ヒシクイ345、コハクチョウ415、オオハクチョウ記録無、キンクロハジロ23,881、ヒドリガモ19,114、ホシハジロ13,924、マガモ12,845、コガモ8,452、オカヨシガモ6,933、カルガモ5,933、ヨシガモ3,389、オナガガモ2,344、スズガモ1,506、ミコアイサ1,198、ハシビロガモ1,150カワアイサ476、オシドリ470、トモエガモ429、ホオジロガモ361等)、オオバン36,660、ユリカモメ1,175、カモメ267、バン117等。オシドリ、コガモ、ハシビロガモ、バンは琵琶湖内は少ない。
(滋賀「におのうみ」NO.24,P13〜21)
・ノウサギ
 日本にいるノウサギはラビット(Rabbit)ではなく、ヘア(Hare)で穴を掘らない種で、欧州から入ったピーターラビットは穴を掘る。ノウサギは通常茶褐色で、冬期に白色になる地区もある。広い視野を確保する目はジシギ類に似ている。子への授乳は1日1回50分ほどで、動きが目立たない。柔便を食べる食便行動が見られ、2回消化をする。年間出産3〜5回、産子数1〜4で、草地以外に低木類が多い森林に棲む。ニホンジカの増加で、ノウサギの生息域が危うい所もあり、積雪地帯では雪によりシカの食害から守られている。
(滋賀「におのうみ」NO.24,P26)
●2011/3 徳島
・2010年秋のタカ渡り報告
 今季は、9/26の1日で鳴門山を通ったサシバ3,406羽は過去最大であった。今季合計では、鳴門山でサシバ4,838、ハチクマ364、ノスリ606、ハイタカ(西行)20等であった。東行のハイタカは215であった。県南の蒲生田岬では東行のハイタカ248、西行49、県南の伊島では東行は403、西行は13であった。11/3には東行ハイタカは蒲生田岬157、伊島154とほぼ同数が、11/4には伊島で東行ハイタカ147、蒲生田岬では16と極端に差が出た。
(徳島「野鳥徳島」NO.390,P2〜5)
・野生鳥類の愛玩飼養制度廃止の要望書
 12月、中国四国ブロック連名で環境大臣に野生鳥類(メジロ)の愛玩飼養制度廃止の要望書を提出した。1/26、当会は徳島県知事にも提出した。徳島県では09年、メジロの不正飼育、捕獲申請偽造した男が県警に逮捕されている。これを利用し、違法売買し、メジロの鳴き合せ会があった。
(徳島「野鳥徳島」NO.390,P7)
●2011/3-4 ひろしま
・ガンカモ調査2011速報
 1/9を中心に前後1週間、県職員、鳥類保護連盟と共に、県内一斉調査を実施した。結果はカモ類19種、19,052羽で、内訳はヒドリガモ5,864、マガモ2,278、コガモ2,034、スズガモ1,692、カルガモ1,526、ホシハジロ1,371、オナガガモ957、オカヨシガモ700、キンクロハジロ611等。これとは別にカワウ3,206で、増加傾向は変わらず。今回クロガモ5が記録され、オシドリ、ヨシガモ、スズガモは減少が目立ち、コガモ、トモエガモの増加が目立つ。
(ひろしま「森の新聞」NO.173,P5)
●2011/3 大分
・2011年ガン、カモ類調査結果
1/5〜10、大分県内10地区に分け、調査した。結果はヒシクイ4、カモ類17種、20,629羽を記録した。内訳はヒドリガモ6,110、マガモ5,293、オナガガモ3,086、カルガモ2,069、ヨシガモ1,191、コガモ963、オシドリ784、オカヨシガモ492、ホシハジロ193、ハシビロガモ162、ウミアイサ94、ツクシガモ91等。
(大分「たより」NO.227,P5)
●2011/春 鹿児島
・屋久島のタカの渡り
 毎年、屋久島の2個所で10/6〜13の内、6日程度調査している。その間通過するサシバの数は過去5年間の平均は5,635羽(1,973〜9,804)で、07/10/11には最大の9,598羽を記録。渡りは気象により島の西、東回りを選び、10時頃からタカ柱が見られ、12〜14時にピークとなり、島を通過する。屋久島で越冬するサシバも見られる。
(鹿児島「るりかけす」NO.129,P8〜12)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.558

●2011/4 札幌
・奥尻島での鳥類調査 ・オオワシ・オジロワシ一斉調査
・風力発電はエコでなくエゴ
●2011/4 神奈川
・コウライアイサ
●2011/4 南富士
・ウルトラトレイル・マウントフジ
●2011/4 石川
・風力発電への対応
●2011/4 愛知県
・鳥の巣2題
●2011/4 ひょうご
・エゾビタキとコサメビタキの声
・2011年ガン・カモ・ハクチョウ類の生息調査報告
●2011/4 徳島
・徳島県野鳥リスト2010を作成
・ミサゴがカイツブリを狩る
●2011/3-4 島根
・島根レッドデータブック種2010年月別最大飛来数(飯梨川)

●2011/4 札幌
・奥尻島での鳥類調査
 奥尻島の野鳥情報は殆ど無い。日本海側を通過する渡り鳥の重要なルートである同島で、北海道バンダー連絡会は09/5/1〜4、10/8/21〜23の7日間、調査した。標識された野鳥は、09年:78羽(アオジ23、ウグイス10、クロツグミ8、モズ5、クロジ5、コウライキジ、オオアカゲラ、ルリビタキ、トラツグミ、アカハラ、シロハラ、ツグミ、ヤブサメ、エゾムシクイ、キビタキ、ヒガラ、ゴジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、カワラヒワ、シメ)。10年:90羽(モズ16、カワラヒワ13、クロジ12、アオジ11、ウグイス9、エゾムシクイ7、キセキレイ5、トウネン、クサシギ、キアシシギ、アカゲラ、ヒヨドリ、ヤブサメ、オオヨシキリ、キビタキ、ヤマガラ、メジロ、スズメ)。
(札幌「カッコウ」NO.332,P4〜8)
・オオワシ・オジロワシ一斉調査
 2/20、全国一斉ワシ調査に協力した。札幌市周辺でオオワシ6(内、若2)、オジロワシ11(内、若2)、計17羽を確認。全国総計ではオオワシ974、オジロワシ651であった。
(札幌「カッコウ」NO.332,P10)
・風力発電はエコでなくエゴ
 北大で風力発電を考える催しがあった。デンマークでは風力発電から撤退が始まっている由。風力発電の電気の質が劣悪で、電力会社は大型風力発電を回さないでくれとお願いしている。出力変動、周波数変動の大きな質の悪い電気は電力会社の電力系統に悪さをする。
(札幌「カッコウ」NO.332,P15)
●2011/4 神奈川
・コウライアイサ
 1/1、座間市の相模川でコウライアイサ♀1がカワアイサの中にいるのを見る。首が細く、敏捷で漁獲成功率はカワアイサより高く、次々に魚を捕えた。カワアイサは写真では魚ではなく透明なエビを多く捕っていた。
(神奈川「はばたき」NO.467,P6)
●2011/4 南富士
・ウルトラトレイル・マウントフジ
 5/20〜22、ウルトラトレイル・マウントフジなる富士山を駆け回るトレイルランが計画されている。距離160km、累積標高差8千m、48時間制限、河口湖大橋からスタート/ゴール、実行委員会:富士トレイルランナーズ倶楽部、周辺市町村、後援:NHKエンタープライズ、山梨日日新聞、山梨放送、静岡新聞、静岡放送。参加定員:800人(半周コースは1,200人)、参加費24,000円(18,000円)、参加費の一部を富士山の自然環境保全に寄付。実行委員が当会に事前に意見聴取に来た。登山道を2,000人もの人が走る事は、環境へのダメージ、野鳥への影響があるとした。樹海の中を走る事に反対意見も多く、一部コース変更したが、結局今年は大震災で延期になった。
(南富士「さえずり」NO.341,P8)
●2011/4 石川
・風力発電への対応
 福井県あわら市で風力発電が稼働した。当地ではマガン、ヒシクイ等への影響を避けるため、06年以降、数回、関係省庁、県、事業者に要望書提出、意見交換をしてきた。10/7、「水鳥の保全に係る検討委員会」が設置され、本部、石川、福井から委員を出し、「あわら風力発電事業に係る水鳥保全監視マニュアル」が論議された。朝夕各2時間、風車周辺500mを監視し、ガン類の接近時は風車を停止する事になった。
(石川「石川の野鳥」NO.157,P2〜3)
●2011/4 愛知県
・鳥の巣2題
 コゲラの巣は胡瓜形で木をくり抜いていた。高さ35cm、中央部直径7.5cm、下部産座付近直径9cm、巣の入口直径3.5cm、巣底から入口穴底部まで17cm。オオヨシキリの巣は椀形(高さ10cm、直径11cm、巣の穴径6cm)で葦の茎3、4本を支柱に、巣の外側はススキの枯れ草で粗いが綿毛で一面を覆い、内側は花の穂先の極細で網目が細かい。全体で10〜30cm長さのススキが767本もあった。
(愛知県「愛知の野鳥」NO.290,P9)
●2011/4 ひょうご
・エゾビタキとコサメビタキの声
 エゾビタキの声を聞くのは難しい。秋に2羽が喧嘩するのを見つけ、時々威嚇らしき声の中に、きしるような声が録音できた。声紋は8KHzの高い音で、低い方に倍音があり、ギザギザの特徴ある声紋がきしりの元のようである。フィールドガイドにはコサメビタキもきしり声で鳴くとあり、「チチチチ」と毎秒10回のテンポで変わり、エゾビタキはこれより非常に早く、毎秒28回で鳴いた。
(ひょうご「コウノトリ」NO.181,P3)
・2011年ガン・カモ・ハクチョウ類の生息調査報告
 1/9を中心に環境省経由兵庫県から委託分も含め、県中南部の161個所を調査した。21種、29,810羽を記録。内訳はコハクチョウ23、ヒシクイ6、ホシハジロ11,775、ヒドリガモ4,413、ハシビロガモ2,799、コガモ2,408、オナガガモ1,655、ズガモ1,605、マガモ1,192、カルガモ1,122、キンクロハジロ907、オシドリ574、オカヨシガモ516、ミコアイサ384、ヨシガモ237等。カワウは総計3,549。カワウは行動範囲が広いため数が正確でないので、何らかの調査の基準が必要である。
(ひょうご「コウノトリ」NO.181,P6〜13)
●2011/4 徳島
・徳島県野鳥リスト2010を作成
 当会では「徳島県野鳥リスト1987」で7294種掲載、2005年版で343種、今回2010年版で348種を掲載した。前回より追加された種はオオハム(09/2、鳴門市)、オオワシ(06/11、海陽町)、アカアシチョウゲンボウ(06/4、鳴門市)、クロトウゾクカモメ(10/5、鳴門市)、コマミジロタヒバリ(01/4、吉野川河口)、ユキホオジロ(10/5、三次市)、ギンムクドリ(07/4、阿南市)、前回までの種の内、重複、同定不可能のため2種が除外された。
(徳島「野鳥徳島」NO.391,P3〜5)
・ミサゴがカイツブリを狩る (宮本勇)
 ミサゴが執拗にホバリングした後、川面に突入。水しぶきを払い上昇する足に見慣れぬものが・・・。後でデジカメ映像を見ると、カイツブリが暴れているのが写っていた。ミサゴは魚以外も獲る?
(徳島「野鳥徳島」NO.391,P6)
●2011/3-4 島根
・島根レッドデータブック種2010年月別最大飛来数(飯梨川)
 絶滅危惧T類:オオタカ2(1月、10〜12月)、ハヤブサ2(2月、12月)。絶滅危惧U類:クロツラヘラサギ:1(9月)、ミサゴ7(9月)、ヒクイナ1(12月)、コアジサシ5(4月)。準絶滅危惧:マガン250(11月)、コハクチョウ46(11月)、ツクシガモ2(1月)、トモエガモ1(12月)、チュウヒ2(2月)、シロチドリ23(1月)、ハマシギ216(1月)、ホウロクシギ9(9月)、セイタカシギ8(5月)、ホシムクドリ19(12月)。
(島根「スペキュラム」NO.140,P3)

○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.559

●2011/4 道北
・H23年オオワシ・オジロワシ一斉調査
・コケワタガモ
●2011/2-3 みやこ
・岩手県オオワシ・オジロワシ一斉調査
●2011/1-2 栃木県
・渡良瀬遊水地のチュウヒ
・渡良瀬遊水地関連情報
●2011/4 埼玉
・2010年秋埼玉県タカの渡り調査
・サバクヒタキ
●2011/3 富士山麓
・カナダガン
・平成22年度ガンカモ調査結果
●2011/1 奈良
・奈良県産鳥類追加
・秋のタカ渡り記録2010
●2011/4 高知
・平成22年度ガンカモ調査結果
●2011/4 筑後
・2011年ガン・カモ調査報告
●2011/4 熊本県
・クロツラヘラサギ調査よもやま話 

●2011/4 道北
・H23年オオワシ・オジロワシ一斉調査
 2/20、道北で一斉調査した。オオワシ112(A:78、J:34)、オジロワシ108(A:86、J:22)、ワシsp3であった。多い場所は、クッチャロ湖小沼(約5km2)でオオワシ47、オジロワシ26、礼文島でオオワシ20、オジロワシ21、羽幌〜遠別(約43km)でオオワシ9、オジロワシ10、利尻島でオオワシ2、オジロワシ14、枝幸〜斜内(約17km)でオオワシ9、オジロワシ6。
(道北「オロロン」Vol.35 NO.1,P4)
・コケワタガモ
1/15、抜海港でコケワタガモ1羽、ブログに書いたばかりに、全国(大阪、広島、静岡、神奈川、九州・・・)から100名以上の珍鳥カメラマンがやってきた。地域経済に潤いがあった?4/6現在、滞在中、♀と思われていたが、♂(1年目の冬羽)の可能性もある。
(道北「オロロン」Vol.35 NO.1,P6)
●2011/2-3 みやこ
・岩手県オオワシ・オジロワシ一斉調査
 2/20、県内19個所で調査した。沿岸部ではオオワシ6(成6)、オジロワシ6(成3、亜幼3)。内陸部ではオオワシ0、オジロワシ5(成5)で県内合計でオオワシ6、オジロワシ11であった。
(みやこ「ミサゴの海」NO.214,P2)
●2011/1-2 栃木県
・渡良瀬遊水地のチュウヒ
 チュウヒは集団で塒するので、塒入り数を数えると、生息数が分かる。チュウヒはヨシやオギの密集した草原でなく、スゲ類やイネ科植物が50cm前後繁茂する下層草地で塒する。ここ16年間のチュウヒの最多個体数は平均30.4羽で、2000年は最少の21羽、2006年は最多の45羽で、僅かに増加傾向にある。利根川下流でチュウヒの繁殖が確認されているが、渡良瀬遊水地では未確認である。ここでは、春先に一斉にヨシ焼きが行われ、障害物が無くなった場所では、チュウヒはヨシの陰から獲物を急襲するハンティングができなくなるためと思われる。英国で行っているように3年程度のローテンションでの野焼きの検討が必要である。
(栃木県「おおるり」NO.213,P6〜14)
・渡良瀬遊水地関連情報
 ラムサール条約登録に関連した動きが加速している。9月、関連6市町村で初の小山市市議会はラムサール条約推進決議をし、長年治水優先であった地区にラムサール登録推進期成同盟ができた。残りの自治体での採決は時間の問題になった。国交省利根川上流河川事務所もラムサール条約に地元が望むなら、国交省として賛成の意を表明し、治水強行論の自治体へ自ら説明をしている。4県にまたがる特殊性で、「登録地にする会」には県を越えて周辺の個人が多数参加している。
(栃木県「おおるり」NO.213,P15〜17)
●2011/4 埼玉
・2010年秋埼玉県タカの渡り調査
 9/26、寄居町の中間平、飯能市の天覧山で調査した。前者でサシバ53、ハチクマ7、ハイタカ2、ツミ3、ノスリ12、ミサゴ2、チゴハヤブサ1、トビ26の渡りを、後者でサシバ219、ノスリ2の渡りを記録した。
(埼玉「しらこばと」NO.324,P4)
・サバクヒタキ
 2/12、深谷市で撮影された。80/11に戸田市の荒川河川敷で撮影されて以来、埼玉県2例目のサバクヒタキの記録である。
(埼玉「しらこばと」NO.324,P4)
●2011/3 富士山麓
・カナダガン
 神奈川支部より依頼があったカナダガンの調査、1/7、23、河口湖と田貫湖で20羽を捕え、標識調査が始まった。
(富士山麓「野鳥の声」NO.132,P1)
・平成22年度ガンカモ調査結果
 1/16、河口湖と山中湖で定点調査した。カモ類は河口湖で595羽、山中湖で393羽を記録したが、過去最低数で、この10年間、共に数が徐々に減少している。今年の内訳はマガモが約半数、次いで河口湖ではキンクロハジロ、カワアイサ・・・の順で、山中湖ではヒドリガモ、ホシハジロ・・・の順で多い。
(富士山麓「野鳥の声」NO.132,P7〜8)
●2011/1 奈良
・奈良県産鳥類追加
 11/17、ウミアイサが奈良市で撮影された。11/21、シベリアジュリンが奈良市で撮影された。これにて奈良県産鳥類目録は57科 252種(4亜種)、外来種3種となる。
(奈良「いかる」NO.132,P13)
・秋のタカ渡り記録2010
 9/25〜10/13の間の9日間の調査で、高見山(N 34°24'、E 135°42' EL 600m)でサシバ863、ハチクマ20、ノスリ8等。御丈村高原牧場(EL 800m)でサシバ1,141、ハチクマ14、ハイタカ属6等。下市町(N 34°21'、E 135°47')でサシバ673、ハチクマ11、ノスリ8等。
http://homepage3.nifty.com/ikaru/
(奈良「いかる」NO.132,P14)
●2011/4 高知
・平成22年度ガンカモ調査結果
 高知県内25個所を調査した。総計12,946羽(21年度は10,250)で、内訳はマガモ4,733、ヒドリガモ2,749、オシドリ2,004、カルガモ1,487、コガモ630、オナガガモ453、ヨシガモ322、ホシハジロ179、オカヨシガモ174等。カワウは745、オオバンは420。
(高知「しろぺん」NO.292,P1〜2)
●2011/4 筑後
・2011年ガン・カモ調査報告
 1/22〜23、14個所で調査した。カモ類総計4,846羽で、内訳はヒドリガモ1,753、オカヨシガモ1,036、マガモ781、オナガガモ525、カルガモ292、コガモ213、ツクシガモ76等。これとは別にカワウ90、クロツラヘラサギ22等。
(筑後「まめわり」NO.120,P14)
●2011/4 熊本県
・クロツラヘラサギ調査よもやま話
 90年代半ばより日本での越冬数が増加し、香港のEco Systemの取りまとめで国際的な一斉調査が始まった。現在は香港観鳥會が年次報告書を作成している。3/6、南さつま市で日本クロツラヘラサギネットワークの年次報告会があり、国内での標識足輪個体記録を早急にまとめる事になった。
香港観鳥會(http://www.hkbws.org.hk/)
(熊本県「野鳥くまもと」NO.285,P24〜25)

(自然保護室支援・野鳥の会 神奈川/森 要)

事務局からのお知らせなど

自然保護室より

■野鳥の愛玩飼養について「原則として許可しない」との案が出されました!■

 今年は各地道府県が、鳥獣保護法に基づき鳥獣保護事業計画を改定する年にあたっています。この改定の基本的な考え方を示す「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」(以下、指針)の案に関する意見の募集(パブリックコメント)が、5月12日に始まりました。
 この指針では、鳥獣保護区の設定や狩猟の規制、特定鳥獣保護管理計画、捕獲許可、調査事業等21の項目について、144ページにわたって、都道府県が拠って立つ方針の案が示されています。この指針案で、野鳥保護について重要な変更として、「密猟を助長するおそれがあることから、原則として許可しないこととする」との文言が入りました。これにより、今まで公的に許されていたメジロの飼育のための捕獲が、原則的に許可されないとの案になっています。
 この件は、当会が全国野鳥密猟対策連絡会(密対連)等の関係団体と共に、長年、廃止すべきと主張してきたもので、基本的に当会等の主張が取り上げられた形となりました。西日本の3つのブロックや密対連、それに当会からもこの指針検討に向けて、制度廃止の要望書を昨年秋から重ねて環境大臣に提出し、検討役である中央環境審議会の小委員の皆さんにもお願いしてきました。そうした働きかけが実ったものと思います。
 これまでご協力いただいた皆様に心から御礼申し上げます。
 なおこの案は、「原則として」としており、愛玩飼養のための捕獲について全面的に不許可としてはいません。また法律上は省令に制度としてまだ残されています。これについて、「野外で野鳥を観察できない高齢者等に対し自然とふれあう機会を設けることが必要である等」といった例外的許可を行う必要はないこと、省令を早急に改正して制度そのものを早期に廃止するべき、といった意見を当会から出して重ねて参ります。皆様の支部からも、下記の環境省のサイトをご覧になり、パブリックコメント募集に対してぜひご意見を出していただければ幸いです。

●鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針(案)意見募集の概要

●参考 鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針(案) 愛玩飼養に関する部分

■55ページ
T 鳥獣保護事業の実施に関する基本的事項
第十二 その他鳥獣保護事業の実施のために必要な事項
4 愛玩飼養の取扱い
自らの慰楽のために飼養する目的で野生鳥獣を捕獲することについては、密猟を助長するおそれがあることから、原則として許可しないこととする。このため、これまで一部認められてきた愛玩のための飼養を目的とする捕獲等については、今後、廃止を検討する。

■73ページ
第四 鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可に関する事項
2 鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等に係る許可基準の設定
 鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等について、目的別に許可の基準を具体的に設定するものとする。設定に当たっての基本的考え方及び方針は、次のとおりとする。

■74ページ
(2) 許可する場合の基本的考え方
④ その他特別な事由を目的とする場合
 上記以外の特別な事由を目的とした捕獲等又は採取等に関しては、原則として次の事由 に該当するものを対象とするものとする。
 また、鳥獣の愛玩飼養は、鳥獣は本来自然のままに保護すべきであるという理念にもと るのみならず、鳥獣の乱獲を助長するおそれもあるので、飼養のための捕獲又は採取の規 制の強化に努めるものとし、今後、廃止する方向で検討するものとする。

■76ページ
4) 愛玩のための飼養の目的
 個人が自らの慰楽のために飼養する目的であって、特別の事由があると都道府県知事が認めて捕獲する場合。なお、当該場合を除き、愛玩のための飼養の目的での捕獲は、原則として許可しないものとする。

■103ページ
(4) 愛玩のための飼養の目的
 原則として、愛玩のための飼養を目的とする捕獲等は認めないこととし、都道府県知事が特別の事由(野外で野鳥を観察できない高齢者等に対し自然とふれあう機会を設けることが必要である等)があると認める場合に限る。また、この場合においても原則として次の基準によるものとする。
なお、愛玩のための飼養を目的とする捕獲等については、今後廃止する方向で検討することとし、申請者に対して今後の検討方向の周知に努める。
① 許可対象者
 自ら飼養しようとする者(当該者が現に飼養許可に係る鳥獣を飼養しておらず、かつ5年以内に当該者又は当該者から依頼された者が愛玩飼養のための捕獲許可を受けたことがない場合に限る。)又はこれらの者から依頼を受けた者。
② 鳥獣の種類・数
 メジロに限る。許可対象者当たり1羽とし、かつ、飼養しようとする者の属する世帯当たり1羽とする。
③ 期間
 繁殖期間中は認めない。
④ 区域
 原則として、住所地と同一都道府県内の区域(規則第7条第1項第7号イからチまでに掲げる区域及び自然公園、自然休養林、風致地区等自然を守ることが特に要請されている区域を除く。)。
⑤ 方法  原則として、法第12条第1項又は第2項で禁止されている猟法は認めない。ただし、とりもちを用いる場合であって、錯誤捕獲を生じない等、適正な使用が確保されると認められる場合は、この限りでない。

■107ページ【関連事項】
7 鳥類の飼養登録
 鳥類の違法な飼養が依然として見受けられることにかんがみ、以下の点に留意しつつ、個体管理のための足環の装着等適正な管理が行われるよう努めるものとする。
(1) 登録票の更新は、飼養個体と装着許可証(足環)を照合し確認した上で行うこと。
(2) 平成元年度の装着許可証(足環装着)導入以前から更新されている等の長期更新個体については、羽毛の光沢や虹彩色、行動の敏捷性等により高齢個体の特徴を視認すること等により、個体のすり替えが行われていないことを慎重に確認した上で更新を行うこと。
(3) 装着許可証の毀損等による再交付は原則として行わず、毀損時の写真や足の状況等により確実に同一個体と認められる場合のみについて行うものとする。
(4) 愛玩飼養を目的とした捕獲許可により捕獲された個体を譲り受けた者から届出が合った場合、譲渡の経緯等を確認することにより1人が多数の飼養をする等、不正な飼養が行われないようにすること。
 また、違法に捕獲した鳥獣については、飼養についても禁止されているので、不正な飼養が行われないよう適正な管理に努めるものとする。

●愛玩飼養廃止に関する当会からの意見(3月22日提出)
http://www.wbsj.org/nature/mitsuryo/110322_01.html


環境大臣
松本 龍 様

野鳥の愛がん飼養目的の捕獲許可の廃止についての要望

財団法人日本野鳥の会
会 長 柳生 博

 日ごろ、環境行政の執行にあたり、私どもNGOの自然保護活動にご理解をいただき、まことにありがとうございます。
 さて、昨年10月から、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(以下「鳥獣保護法」という)に基づき、貴職の諮問により「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」(以下「基本的指針」という)の改定が、中央環境審議会において検討されています。この指針は、来年度第十一次鳥獣保護事業計画を改定する中で参考とするため、都道府県に対し告示として公布される予定と承知しております。
 現在の基本的指針には、鳥獣の捕獲等の事由のひとつに「愛がん飼養目的の許可」が掲げられ、これを基にして、メジロの捕獲が許可されています。この愛がん飼養を目的とした鳥獣の捕獲については、審議会において本来禁止すべきとの方向性が出されて既に54年、また明確に廃止の方向性が打ち出されてから33年もの歳月が経過しています。
 しかし、この「愛がん飼養制度」は、別紙のように理念上も実態上も様々な矛盾を引き起こしており、鳥獣保護法の適正な執行の障害になっています。前述のように、禁止の方向性が出されて長年が経過しているにも関わらず、この制度を今回温存させてしまえば、野生生物の不適切な消費の助長をし続けていると、国際的にもそしりも免れ得ないとも考えます。
 これらのことから、鳥獣の愛がん飼養制度の廃止を貴職におかれて実現され、生物多様性条約締約国会議議長国の名に恥じないご英断をいただきますよう、下記のとおり要望します。



  1. 現在の「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」に掲載されている鳥獣の捕獲等の事由から、「鳥獣の愛がん飼養目的の許可」を削除されたい。
  2. この機会に、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の施行規則第五条の四を削除し、鳥獣の愛がん飼養制度について撤廃されたい。

以上



野鳥の愛がん飼養目的の捕獲許可の廃止についての要望書 別紙


鳥獣の愛がん飼養制度の経緯と、廃止すべき理由

経緯:
 愛がん飼養を目的とした鳥獣の捕獲許可については、昭和32年の鳥獣審議会の答申において「本来は捕獲を禁止すべきものであるが、旧来より飼養の慣行もあるので、制度の運用に当たっては、学術研究、教育参考資料、愛がん飼養のため必要な場合に限り、最小限度においてこれを許可するようにすべきである」とされました。
 また、昭和53年の自然環境保全審議会の答申においては、「日本に生息する種類の鳥獣の愛がん飼養を広範囲に認めることは、鳥獣は本来自然のままに保護すべきであるという理念にもとるのみならず、鳥獣の乱獲を助長することとなるおそれがあるので、廃止することが望ましいが、過渡的措置として、次のような規制の強化を図る必要があるとして、飼養のための捕獲の許可基準の厳格化や輸出国の適法捕獲証明書の制度等により、国内産鳥獣の保護に好ましくない影響を与えることのないよう適切な指導を行う必要がある」とされています。(添付資料1)
 こうした方針に基づき、愛がん飼養目的の捕獲許可対象種は、昭和25年当時の7種からこれまで漸次削減されてきており、平成19年からは、メジロ1種のみについて、1世帯1羽のみ飼養を認める扱いとされて来ました。(添付資料2)

廃止が必要な理由:

  1. 基本的指針における理念との矛盾
    現行の基本的指針では、「鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可に関する事項」の「Cその他特別な事由を目的とする場合」の一つとして、「鳥獣の愛がん飼養目的の許可」が挙げられています。しかし同指針には同時に「鳥獣の愛がん飼養は、鳥獣は本来自然のままに保護すべきであるという理念にもとるのみならず、鳥獣の乱獲を助長するおそれもある」との基本的見解が明記されており、これは愛がん飼養目的の捕獲を許可することと矛盾しています。(添付資料3)
  2. 公益性の欠如
    そもそも、愛がん飼養を、他の公益的な捕獲事由と同列に並べて扱う理由は基本的指針及びには何ら示されていません。愛がん飼養は「個人の慰楽」であって、一方的に日本の自然環境からメジロを捕獲し消費するだけであり、自然環境保全・生物多様性維持や、次世代を担う国民の情操向上に資す等々の効用は得られず、もはや役目を終えていると考えます。個人的な楽しみのために愛玩飼養を続けることは、今日的に認められない行為と言わざるをえません。
  3. 生物多様性国家戦略2010における制度そのものに対する疑念
    今年度策定された生物多様性国家戦略2010においても、愛がん飼養は「制度そのものの必要性について検討が必要」との疑念が呈示されています。(添付資料5)
  4. 野鳥の乱獲等の違法行為を助長
     この制度は現在に至っても、各地において野鳥の乱獲等の違法行為を助長しております(添付資料6)。飼養許可が更新された飼養登録票を所持しながら、足環の装着されていない複数のメジロを違法に飼養していた事例が各地から報告されており、愛がん飼養制度の運用そのものにも問題があると考えられます。
     また飼養登録されているメジロ全てを実際に確認し、メジロに足環を装着する実務を担う市町村職員の負担は大きく、一定の知識と技能が必要であり、愛玩飼養制度を適正に運用することは極めて困難であり、取り締まりに支障を来たすという声も聞いております。
  5. 既に半数の自治体が許可を停止
     現在、既に半数以上、24都道府県が愛がん飼養を制度として廃止するか、実態として許可を出していない(添付資料7)。現在の飼養登録数は、ただちに許可を打ち切ったとしても差し支えのない数である(添付資料8)。
    (以下、添付資料は省略)


(自然保護室/古南 幸弘)


普及室より

■自然環境に配慮して生産された福島県産の食品を探しています■

  東日本大震災で被害を受けられた皆様へ、心よりお見舞い申しあげます。
 当会では、福島第一原子力発電所の事故で風評被害を受けている福島県産食品の通信販売を行っています。
 当会は28年間福島市小鳥の森の運営を通じて、福島県の方々にお世話になってまいりました。そのため福島県の風評被害に対して何かできなかと模索していたところ、会員のご紹介によって福島県産食品の通信販売を実現させることができました。
 5月11日現在、福島県産の農産物を使った、ジャムやゼリー、トマトソースと、乾しいたけを販売しており、「福島特集を企画してくれて感謝」「風評被害打破に協力します!」「福島をもっと応援したいです。取り扱い商品を増やして」等とのメッセージとともに、100件を超える注文がありました。
 当会は、冷蔵庫等の設備を持たないため生鮮食品の取り扱いが困難ですが、常温保存可能なものであれば取り扱いが可能です。
 今後は、特に自然環境に配慮して生産された食品の取り扱いを増やし、福島県の自然環境保全にも貢献したいと考えております。
 自然環境に配慮して生産された福島県産の食品や、 このような食品を生産・販売している方の情報をお持ちの方は、ぜひ、下記へご連絡ください。

●福島県産の食品についての情報はこちらにお願いします
普及室 販売出版グループ
TEL:03-5436-2623   FAX:03-5436-2636
メール:[email protected]

(普及室 瀬古智貫)


総務室より

■支部名称等変更のお知らせ■

●日本野鳥の会岡山 (2011年2月6日より)

・新名称:『日本野鳥の会岡山県支部』(従来の名称へ戻す)
・代表→支部長

●日本野鳥の会滝川 (2011年4月9日より)

・新名称:『日本野鳥の会滝川支部』(従来の名称へ戻す)
・代表→支部長

●日本野鳥の会軽井沢 (2011年4月17日より)

・新名称:『日本野鳥の会軽井沢支部』(従来の名称へ戻す)
・代表→支部長

●日本野鳥の会徳島 (2011年4月19日より)

・新名称:『日本野鳥の会徳島県支部』(従来の名称へ戻す)
・代表→支部長

●日本野鳥の会福井県支部 (2011年4月23日より)

・新名称:『日本野鳥の会福井県』
・支部長→代表

●日本野鳥の会筑後 (2011年4月24日より)

・新名称:『日本野鳥の会筑後支部』(従来の名称へ戻す)
・代表→支部長

●日本野鳥の会大分 (2011年4月24日より)

・新名称:『日本野鳥の会大分県支部』(従来の名称へ戻す)
・会長→支部長

●日本野鳥の会南富士(2011年4月17日より)

・代表者の交代(※)
 【新】 影山 秀雄  【旧】 遠藤 英一
・事務局長の交代(※)
 【新】 土屋 祐之  【旧】 遠藤 英一

●いわき支部

・事務局長の交代(※)
 【新】吉田 正明  【旧】峠 順治

●日本野鳥の会道南檜山

・奥田代表のご住所・お電話番号の変更(※)
(※ご住所・お電話番号に関しては、本紙には掲載いたしませんので、ご連絡の際は下記担当へご相談ください。)
総務室総務グループ TEL 03-5436-2620 / FAX 03-5436-2635

●事務局開館日変更

・日本野鳥の会北九州(2011年4月1日より)
【変更後】水 12:00-16:00 (但し第5水曜日を除く)
・日本野鳥の会東京(2011年5月9日より)
【変更後】月・水・金 11:00-16:00

(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)

■理事会が開催されました■

 4月1日(金)、西五反田事務所会議室にて新制度移行後初めてとなる、平成23年度第1回理事会が開催されました。話し合いの結果、理事の中から佐藤仁志理事を理事長とすること、平成23年度事業計画及び予算案を原案どおり承認することなどが決定されました。詳しくは後日掲載の議事録をご覧ください。

(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)



会員室より

■会員数■

●5月1日会員数40,111人(対前月-119 )
 会員数は先月に比べ119減少しました。
 4月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より124人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。4月の入会者数は135人で、前年同月の入会者216人に比べ81人減少しました。
 また、4月の退会者数は259人で、前年同月の退会者数291人に比べ32人減少しました。

 表1.4月の入会・退会者数

 

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

●都道府県および支部別会員数
 野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

 表2.都道府県別の会員数(5月1日時点)

 
備考:その他は海外在住の会員を示します。

 表3.支部別の会員数(5月1日時点)

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/沖山展子)


■支部ネット担当より

●投稿お待ちします
 各支部やブロックからの投稿記事をお待ちしております。原稿はメールでお送りいただけます。特に締め切りはありませんが、月初めにお送りいただければ、その月の号に掲載可能です。
 本通信のバックナンバーは、ホームページから閲覧できます。URLは以下のとおりです。
http://www.wbsj.org/info/shibu/net/index.html

●電子メール配信
 本通信は電子メールでもお送りしています。電子メール配信のお申し込みは、下記のメールアドレスまでお気軽にどうぞ。

(会員室長/小林豊)

支部ネット通信 第86号
◆発行
公益財団法人日本野鳥の会  2011年5月25日
◆担当
会員室
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2632
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected]