■諫早開門緊急共同声明を総理大臣に提出■
発表した内容は、下記のとおりです。一部内容は省略しています。このプレスリリースの全文は、当会ホームページからご覧いただけます。
http://www.wbsj.org/press/101214.html
諫早湾干拓の「開門」による有明海の生物多様性の回復を求める緊急共同声明を
内閣総理大臣宛に提出
2010年12月14日
当会とラムサール・ネットワーク日本、世界自然保護基金ジャパン、日本自然保護協会は12月14日、菅直人内閣総理大臣に対し、12月 6日に福岡高等裁判所が諫早湾干拓事業の潮受堤防閉め切りによる有明海への漁業被害を認め、5年にわたる「開門」を命じた判決に対し、上告しないよう求める共同声明を提出しました。
2010年12月14日
内閣総理大臣 菅 直人 様
諫早湾干拓の「開門」による有明海の生物多様性の回復を求める緊急共同声明
特定非営利活動法人 ラムサール・ネットワーク日本
財団法人世界自然保護基金ジャパン
財団法人日本野鳥の会
財団法人日本自然保護協会
2010年12月 6日、諫早湾干拓事業の潮受堤防閉め切りによる有明海への漁業被害を認め、5年にわたる「開門」を命じた2008年 6月の佐賀地裁判決の控訴審で、福岡高裁は、あらためて国側の主張を退け、5年間にわたる「開門」を命じました。
これに対し、政府は、「開門」するという方向性を示しつつも、「開門」の方法で高裁判決と異なる部分があるということを理由に、最高裁への上告を検討していると報じられています。
私たちは、諫早湾や有明海をはじめとする干潟・湿地の保全に取り組んできた自然保護団体として、今回の高裁判決を支持し、政府に対して、上告することなく、一日も早く「開門」を実現し、諫早湾および有明海の生物多様性の回復を積極的に推進することを求めます。
<以下、略>
■中四国ブロック交流会報告■
【日時】2010年12月4日(土)12:00〜5日(日)13:00
【場所】香川県丸亀市綾歌町ほか
【主管】日本野鳥の会香川県支部
【出席】NPO法人日本野鳥の会鳥取県支部、日本野鳥の会島根、日本野鳥の会岡山、日本野鳥の会広島県支部、日本野鳥の会山口県、日本野鳥の会徳島、日本野鳥の会高知支部、日本野鳥の会愛媛の連携団体(支部)より45名。
財団からの出席は、佐藤副会長、葉山自然保護室長、林山普及室員の3名。
【内容】
1.土器川生物公園および付近のため池で探鳥会
2.ブロック交流会
●開催挨拶
山野哲嗣日本野鳥の会香川県支部会長より、琴平山は、支部創設以来27年、毎月月例探鳥会を実施している場所であり、香川を一望できる場所、他県からの参加者に香川の魅力を感じていただくためこの場所での開催とした旨を伝え、楽しくブロック交流会を過ごしていただきたいことを伝えられた。
●講演「干潟に渡来するカモ類の餌生物と摂食量」
講師:香川大学瀬戸内圏研究センター・准教授 一見 和彦 先生
●各支部近況報告
①日本野鳥の会香川県支部
山野哲嗣会長より、カワウ被害の対策について県から相談を受けていることや、被害件数の増加については定かでないが、県に入る相談件数は増加していることが報告された。
②日本野鳥の会徳島
三宅武代表より、定例探鳥会5か所のほか、タカの渡り調査などを実施していることが報告された。そのほかに、吉野川汽水域をラムサール条約湿地登録のための署名活動や、生物多様性徳島会議のまとめの作業を進めていることが報告された。
③日本野鳥の会高知支部
西村公志支部長より、県内のナベヅルの飛来数が今年は増えていることが報告された。とくに、高知空港近くでは、昨年より増えて30数羽が飛来していることも報告された。そのほか、県からの依頼でカワウの調査を実施していることの報告もされた。
④日本野鳥の会愛媛
山本貴仁代表より、11月27、28日に「全国野鳥密猟問題シンポジウム」が松山で実施したことが報告された。そのほか、宇和市のコウノトリ飛来に関連して、プロジェクトチームのサポートの実施や、佐田岬の風力発電所が騒音問題で現在、一部停止していることなどが報告された。
⑤日本野鳥の会広島県支部
日比野政彦様より、新制度移行後、広島県支部は「日本野鳥の会ひろしま」となることが報告された。そのほか、2011年1月21、22日の「ひろしま35周年記念講演会」に柳生博会長が参加予定なので、会長とブロックの交流の場としたい旨もつたえられた。ミニバードソンの実施で楽しみながら寄付金を集めたことの報告もされた。
⑥日本野鳥の会山口県
笹尾克之様より、八代のナベヅルの今年の飛来は4羽となったが、レンカク・サンカノゴイ・クロツラヘラサギや、カケスの海岸への出現・ホシガラス幼鳥の瀬戸内海での確認などの明るい話題もあることなどが報告された。また、きらら浜自然観察公園の指定管理者を次期も継続することが報告された。
⑦日本野鳥の会島根
飯塚洋一代表より、安来市の鳥インフルエンザの発生したことが報告された。そのほか、3月に山階鳥類研究所の依頼で「斐伊川のヒシクイ」に標識(黄色、A40〜A70)装着作業を行ったことの報告がされた。参加団体にこの標識発見時の連絡のお願いがされた。
⑧NPO法人日本野鳥の会鳥取県支部
福田紀生支部長より、鳥インフルエンザの関係で急きょ、県職員である津守さんが不参加になったことが連絡された。繁殖状況把握のためのカワウ調査の開始、現在工事がすすんでいない風力発電が多くなっている一方で、新たに洋上風力発電の計画があることが報告がされた。
⑨日本野鳥の会岡山
丸山健司代表より、会員数減少の懸念について話された。そのほか、ブッポウソウの98番が確認されたこと、チュウヒの越冬地の埋め立て計画の浮上した報告やモニタリングサイト1000研修会への参加の呼びかけがされた。また、中四国でカワウの広域連絡会発足の必要性が話された。
3.ブロック連絡会
●(財)日本野鳥の会からの報告
①佐藤仁志副会長より、財団の新制度への移行申請作業の進捗状況、「連携団体全国総会」(仮称)の開催について公益認定の時期により検討すること、及び財団の経営状況等の報告の後、全国団体の強みを活かし速報性のある情報発信等を目的とした、野鳥情報ネットワークへの参加の呼びかけがされた。そのほか、ストリクス復刊にむけて、支部やブロックでの投稿のお願いがされた。
②林山雅子普及室員より、2010年バードウィークにおこなった一斉探鳥会に関して、37支部で合計47回の探鳥会がおこなわれ、非会員の参加率は36.2%と昨年より上昇したこと、バードウォッチングウィークに日本野鳥の会奥多摩支部、日本野鳥の会東京、日本野鳥の会神奈川と財団で協働探鳥会を3会場で実施し、非会員参加率は56.7%だったこと、探鳥会で配布協力をお願いした『ミニミニ野鳥図鑑』や『野鳥誌プレゼントハガキ』の配布状況等について報告があった。
③葉山政治自然保護室長より、野鳥情報共有のためのメーリングリストと探鳥会情報活用のためのネットワーク構築に関して、全国に支部を有する当会の強みを活かす取り組みであること、現在39支部からご協力していただいているとの説明があった。そのほか、ゴールデンウィークに向けてストリクスの復刊の準備をしていること、モニタリングサイト1000講習会のご参加のお願いがされた。
●日本野鳥の会徳島から「メジロの愛玩飼養の中止要請」について
三宅武代表より、飼養許可制度の悪用など「メジロの愛玩飼養」に関する現状の説明がされ、近畿ブロック同様に環境大臣への要望書提出の提案がされた。11月の「全国野鳥密猟問題シンポジウム」のホストとなった日本野鳥の会愛媛の山本貴仁代表から、環境省のみでなく各支部から都道府県への要望書提出の提案がされた。葉山政治自然保護室長から野生鳥獣保護管理指針づくりへの提言となるので、愛玩飼養禁止への一歩とするためにも提出が必要であるという話がされた。日比野政彦ブロック選出理事から中四国ブロックとして要望書を提出することが確認された。
●日本野鳥の会岡山から「カワウの保護管理に関わる研修会」報告について
丸山健司代表より、カワウの捕獲方法の研究や、山口県のカワウの調査についてなどが研修会で報告されたことが話された。今後、カワウの保護管理には、広域でのカワウの状況把握、コロニー等の管理などが必要であると問題提起がなされた。
●日本野鳥の会高地支部からブロックメーリング集金のお知らせ
※最後に、次回の担当は、「NPO法人日本野鳥の会鳥取県支部」であることが確認された。
4.探鳥会等
琴平山裏参道探鳥会コースなど、3組に分かれて探鳥会などが実施された。
(普及室/林山 雅子)
■支部報保護・調査記事関連トピックス■
本記事は日本野鳥の会本部に送付されてきている各地の支部報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会内部の方へ配信しております。
本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.541
●2010/11-12 宮城
・2010年秋シギチドリ類生息調査報告
・2010年宮城県沖海鳥調査報告
・スズメはゴーヤがお嫌い?
●2010/11 神奈川
・定線センサス
・オナガ
●2010/11-12 鳥取県
・コウノトリの郷公園
・ブッポウソウ保護管理調査活動結果
・南部町のブッポウソウ繁殖状況
・生物多様性条約締約国会議COP10に行ってきました
●2010/11-12 島根
・飯梨川2010年秋のシギ・チドリ
●2010/11 福岡
・今津のシギ・チドリ類
・タカの渡り連続調査
●2010/11-12 宮城
・2010年秋シギチドリ類生息調査報告
9/12、宮城県内の湖沼、干潟の7個所を中心に休耕田も含み、調査した。32種が記録され、主な種の1個所での同時に記録された最大羽数を示す。トウネン224+、メダイチドリ68、タカブシギ46、タシギ33、オグロシギ24、アオアシシギ16、ヒバリシギ10、エリマキシギ10、ムナグロ8、ソリハシシギ7、コオバシギ7、オオソリハシシギ6、キアシシギ6、オバシギ5、キリアイ5、ハマシギ5、コアオアシシギ5等。
(宮城「雁」NO.244,P9)
・2010年宮城県沖海鳥調査報告
6/2、7/4、9/7、金崋山沖の海域を船より調査した。結果は6/2:コアホウドリ1、クロアシアホウドリ1、アカアシミズナギドリ3、ハイイロミズナギドリ1000+、ハシボソミズナギドリ200+、アカアシカツオドリ1、オオトウゾクカモメ1、オオミズナギドリ多数、9/7:コシジロアジサシ1、アジサシ1、アカエリヒレアシシギ23等。6/6の苫小牧航路では宮城県沖でアホウドリ4を確認している。
(宮城「雁」NO.244,P10〜11)
・スズメはゴーヤがお嫌い?
西日避けにゴーヤを植えたら、全くスズメが寄り付かなくなった。パン屑を撒いても来ない。キュウリやアサガオの時はスズメは別に気にしていなかったが。ゴウヤには虫がいないからか?臭いが出るから?
(宮城「雁」NO.244,P11)
●2010/11 神奈川
・定線センサス
当会での毎月、同一場所を長期に定期的に調査する定線センサスは故浜口哲一氏の提唱で1999年からデータの集積が始まり、現在も県内約100地点で調査が行われている。この10年間のまとめをする事で、種の増減や分布の変化等が見え始めている。
(神奈川「はばたき」NO.462,P2)
・オナガ
支部の「鳥類目録データベース」2000-05を見ると、大和市の鳥オナガの記録が多いのは大和市307件、藤沢市102件、横浜市泉区85件、同瀬谷区62件・・で境川沿いに多い。オナガが採食した昆虫はミノムシ、毛虫、蝶、アブラゼミ、オサムシ、蝉の幼虫、アオマツムシ、他にヒヨドリの死骸、キャットフードを食べた記録がある。実を食べる場所は殆どが樹上であるが、地上での採食もある。
(神奈川「はばたき」NO.462,P3)
●2010/11-12 鳥取県
・コウノトリの郷公園
兵庫県立コウノトリの郷公園に行って来た。ケージの中には100羽以上がおり、44羽が野外におり、その約半数は野外での繁殖巣立ちであり、行動範囲は近畿、中部、中国、四国地方に及ぶ。
http://www.stork.u-hyogo.ac.jp/
(鳥取県「銀杏羽」NO.112,P4)
・ブッポウソウ保護管理調査活動結果
今年、日南町で設置したブッポウソウの巣箱36巣に対し、利用は28巣で95羽の雛と12個の残留卵を確認した。巣立ちが例年より10日程遅く最終が8/11過ぎになった。繁殖巣での初認は21巣が5月上旬〜中旬に集中した。巣箱への給餌確認は7月下旬に18巣(64%)と多く、2008年はこれより10日程早くピークがある。一腹卵数(clutch size)平均は3.82、一腹雛数(broodsize)平均は3.39であった。一腹雛で重い雛と軽い雛の体重比平均は0.77で、2008年はその体重比は0.92、一腹雛数3.76で、2010年は餌環境が悪かったようである。
(鳥取県「銀杏羽」NO.112,P9〜12)
・南部町のブッポウソウ繁殖状況
今年は設置16巣箱の内、13巣で営巣があり、内12巣から40羽の雛、残留卵7、1巣で抱卵放棄、残留卵4を確認した。上記の日南町と比較すると、初認日は日南町が5月中旬に46%(13巣)、5月初旬に29%(8巣)に対し、南部町は5月上旬に69%(9巣)。一腹卵数平均は日南町3.82に対し、南部町3.92であった。
(鳥取県「銀杏羽」NO.112,P13〜14)
・生物多様性条約締約国会議COP10に行ってきました
10月、名古屋で開催されたCOP10に米子水鳥公園のNGOとして、2つのサイドイベントに参加した。渡り性水鳥に関するフライウェイ・パートナーシップ事業のアピールと、子どもたちの湿地交流である。藤前干潟のふれあい祭りに参加し、名古屋や韓国のチャンウォン市の子供たちと交流した。
http://www.sizenken.biodic.go.jp/flyway/aboutEAAF/index.html
(鳥取県「銀杏羽」NO.112,P17〜18)
●2010/11-12 島根
・飯梨川2010年秋のシギ・チドリ
8月〜10月、計13日間の調査で、確認シギチは29種で、最大個体数の内訳はコチドリ4、シロチドリ1、メダイチドリ13、ムナグロ6、ダイゼン2、キョウジョシギ1、トウネン46、ヒバリシギ4、ウズラシギ52、ハマシギ3、コオバシギ1、オバシギ9、ミユビシギ3、エリマキシギ2、キリアイ1、オオハシシギ1、ツルシギ1、コアオ
アシシギ3、アオアシシギ11、クサシギ3、タカブシギ15、キアシシギ9、イソシギ15、ソリハシシギ5、オグロシギ6、オオソリハシシギ4、ホウロクシギ9、タシギ20、セイタカシギ2。クロツラヘラサギ1が9/9、14に飛来した。
(島根「スペキュラム」NO.138,P2)
●2010/11 福岡
・今津のシギ・チドリ類
9/22の調査で今津地区で、19種のシギチドリを確認。内訳はトウネン23、タシギ21、タカブシギ18、アオアシシギ15、ホウロクシギ11、メダイチドリ6、ソリハシシギ6、イソシギ4、キアシシギ3、ハマシギ3、オオソリハシシギ3、セイタカシギ3等。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.373,P11)
・タカの渡り連続調査
9/12〜10/11、片江展望台でハチクマの渡りを連続して調査した。総計6,128羽のハチクマの通過を確認した。ピークは9/28の2,312羽で前日は雨天であった。10時代から数が増えだし、12時代に最大の1,030羽が通過し、13時以降は極めて少なくなる。東京大学の研究では、秋のハチクマの渡りルートは背振山山系南側にあり、その幅は最低50kmもあり、片江展望台で確認できる範囲を4〜5kmとすると、この渡りの1割程度となるが、渡り総計から見て、同展望台付近は数が多く、特別な場所である。今年の特徴は、成鳥の比率が高い、五島列島大瀬崎での確認数1万2千の半数がここで捕捉できた。他の猛禽類は12種、計608羽(トビを除く)であった。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.373,P17〜18)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.542
●2010/11 室蘭
・ウトナイ湖ネイチャーセンターについて
●2010/10 ふくしま
・アレチウリ防除作業
・ムクドリ
●2010/11 茨城県
・伝統は積み上げるもの
・繁殖行動をしたアカガシラサギとその結果
・2010年シギチドリ類調査報告
・北海道のチュウヒ茨城で越冬
●2010/11 和歌山
・橋本市・国城山タカ渡り観察
・ツバメの塒入り
・風力発電について
●2010/11 大分
・モニタリングサイト1000結果
・2010年秋県下一斉シギ、チドリ類カウント調査
●2010/11 室蘭
・ウトナイ湖ネイチャーセンターについて
9月の北海道ブロック協議会総会で、同センターの存続の決議が行われた。一昨年から同センターの存続について本部で検討している話があり、既にレンジャーが減り、開館日が土日、祝祭日に縮小され、売店も閉店している。30年前、全国から浄財を集め、センターは自然保護の象徴的存在であった。野鳥の会の活動理念に従って考えると、何をしなければならないかは明らかであり、センターは利益を求める場所ではない。センターの活動を活発化し、再建を会員や多くの人に訴えていく事が必用である。
(室蘭「ハヤブサ」NO.122,P2)
●2010/10 ふくしま
・アレチウリ防除作業
7/25、福島市の阿武隈川親水公園の白鳥渡来地で、特定外来植物アレチウリの駆除作業を会員16名、行政6名で実施した。軽トラ4台分のアレチウリ、ヤブガラシが駆除された。今回で5年目、他の河川敷に比べこれらの繁茂は減った。
(ふくしま「きびたき」NO.196,P2)
・ムクドリ (白石康夫)
H6年の環境庁の調査では1万羽以上のムクドリの塒は青森から岐阜までの間にあり、関西以西は少ないとされたが、今ではその塒は全国的な問題になっている。福島駅前でも6/21:3,349羽、7/20:14,700、8/19:18,000の塒ができた。市は塒直下の通路立入禁止、一部ケヤキの剪定、ムクドリが嫌う臭いをつけたロープを絡ませる、樹下の汚染を毎日掃除等の対策を取った。11月中旬には自然消滅するのが、今回は9月下旬に姿が見えなくなり、市の対策が功を奏した格好である。例年、6月から塒形成が始まるので。その時期から対策を取る方が効果が上がる。
(ふくしま「きびたき」NO.196,P3〜4)
●2010/11 茨城県
・伝統は積み上げるもの
11/1から日本野鳥の会茨城支部から日本野鳥の会茨城県に名称が変更された。従来、府県の単一支部でも○○支部のように、県や府がついていなかった例が
あるのは、本部が財団法人になる前には普通だった時代の名残で、支部のエンブレムのようなものである。今回の支部の名称改称で、殆どの支部が「県」を外しているが、当会は逆に茨城に県を付け足した。名称が変わっても、これで茨城県全体を見回しながら野鳥を愛で、楽しみ、監視していくお手伝いをしていくとの願いが込められている。
(茨城県「ひばり」NO.298,P2)
・繁殖行動をしたアカガシラサギとその結果
8月、茨城町でアカガシラサギ成の後を追い餌乞いする幼鳥、親から給餌するのも確認され、繁殖は確定的になった。しかし、Strixsでの熊本県の繁殖事例では、文献にもあるように幼鳥は成鳥冬羽に似ており、胸に太い縦斑があるのに対し、この個体は全体的に白っぽく、胸の縦斑も無い。2羽の成鳥のアカガシラサギを見ていないので、コサギとのハイブリッドの可能性がある。
(茨城県「ひばり」NO.298,P3)
・2010年シギチドリ類調査報告
4/29:64個所、86名、8/22:53個所、53名で県下一斉調査した。春は26種、6,647羽で主な内訳はムナグロ4,299、チュウシャクシギ1,409、キョウジョシギ429、キアシシギ116、ミユビシギ61、ハマシギ42、コチドリ40、タカブシギ35、アオアシシギ17、ツルシギ14等。秋は27種、1,317羽で主な内訳はコチドリ568、ムナグロ214、タカブシギ91、トウネン90、イソシギ50、シロチドリ44、ミユビシギ42、キアシシギ32、ヒバリシギ30、ケリ20、シロチドリ20、ソリハシシギ15、アオアシシギ14、クサシギ14等。春のムナグロ、キョウジョシギのこの20年の傾向は共に約2/3に減っている。
(茨城県「ひばり」NO.298,P4〜7)
・北海道のチュウヒ茨城で越冬
7/18、名古屋で開催のチュウヒサミット2010から。苫小牧市の勇払原野から9/23、渡り始めたチュウヒが5時間で下北半島大間崎に達し、八甲田山系、伊豆沼、太平洋沿岸を通り、9/30、茨城県稲敷市の水田に到達した。ここで越冬中、電波が途絶え、本部の自然保護室から捜査要請があったが、確認できなかった。
(茨城県「ひばり」NO.298,P22)
●2010/11 和歌山
・橋本市・国城山タカ渡り観察
10/6、和歌山県の北東端で奈良県に接する国城山でタカ類総計147羽が通過、当日の伊良湖岬では総計658で、国城山北側の紀ノ川筋北側を流れたものと思われる。
(和歌山「いっぴつ啓上」NO.107,P6)
・ツバメの塒入り
和歌山市の紀ノ川でのツバメの塒、7/30、18:50頃から集まりだし、暗くなった19:20過ぎがピークで、幼鳥が多い。8/24には3万羽前後に増える。7月は日没前の明るい内から飛来するが、8月は日没後の少し暗くなった頃に帰ってくる。ツバメの塒間隔は約30q単位と言われ、8月初旬の全国一斉ツバメ塒入り調査での紀ノ川上流の貴志川合流点の塒がそれに相当するのかも知れない。
(和歌山「いっぴつ啓上」NO.107,P8〜9)
・風力発電について
9月から日の岬で2千KWの風車1台が稼働始めた。県の指導で景観に配慮し山陰に隠れている。ハチクマは風車の北側を200m程度の高度で上昇せず、そのまま四国へ向かっているのが見られた。福江島では風車付近で生まれた子牛に何らかの奇形がある由。海南市では風車の低周波騒音で健康被害の訴えが出ている。県の回答はH16/6の環境省の「低周波音問題対応の手引書」での評価指針で参照値が下回っているとして、現時点では低周波騒音被害と断定できないとしている。これは固定発生源からの音に対しての判断する目安で、風車のように変動する騒音源にはその参照値は適用されない?
(和歌山「いっぴつ啓上」NO.107,P8〜9)
●2010/11 大分
・モニタリングサイト1000結果
森林/草原のサイトは最も地点が多く、全国に400地点以上のサイトがある。2007年に1サイクルの5年間の調査が終り、全国的に比較すると、繁殖期の鳥の種数は冷温帯が最も多く、繁殖期の鳥のバイオマス(センサス1q当りの体重の総計)は南に行くほど大きくなる。今後気候変動で分布が変わる可能性がある種はセンダイムシクイ、ゴジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ、メジロ、シロハラ等があげられる。
(大分「たより」NO.225,8〜9)
・2010年秋県下一斉シギ、チドリ類カウント調査
9/12を中心に、大分県下29地点で調査した。25種、646羽を記録した。内訳はダイゼン171、トウネン76、キアシシギ69、イソシギ67、ソリハシシギ52、ハマシギ41、キョウジョシギ32、チュウシャクシギ21、コチドリ18、アオアシシギ18、シロチドリ15、タカブシギ12、メダイチドリ11、セイタカシギ9、ホウロクシギ7、イカルチドリ5、オオソリハシシギ4、タシギ4、ムナグロ3、オオメダイチドリ2、アカアシシギ2、クサシギ2、サルハマシギ1、コアオアシシギ1、ヨーロッパトウネン1等。
(大分「たより」NO.225,11)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.543
●2010/12 小樽
・今年の野鳥ニュース
●2010/12 千葉県
・ジャパンバードフェスティバル2010
・クロサギ達の微妙な距離 (武田健治)
・カンムリワシ危険と背中合わせ (10/9 産経新聞)
●2010/11 大阪
・ユリカモメ標識調査から分かること
・カムリアンアイスランドカモメの観察記録
・琵琶湖カワウ駆除に鉛弾 (9/28 中日新聞)
・チュウヒ保護に関する要望書を提出
・ツバメのねぐら調査2010
●2010/12 福岡
・アトリ
・2010年ハチクマの渡り福岡市西部
・油山市民の森の指定管理について
●2010/12 小樽
・今年の野鳥ニュース
新聞記事から。・マガン国内最大の寄留地、宮島沼で今春過去最高の74,750羽を記録した。・北海道大学野鳥研究会の調査によると、北大構内のスズメは06年の大量死で従来の1/4に減った後も回復していない。・6月、北斗市で300羽以上のアカエリヒレアシシギが電線で衝突死した。このような大量死は聞かない。・9月、岩見沢市で114羽のムクドリが集団死した。原因不明。・宇都宮大学農学部の研究によると、カラスは人間の男女の顔が見分けられる。顔写真を貼った容器に餌を入れ、両性の顔を覚えさせた後、その後別の写真に変えても正確に容器を見分けた由。
(小樽「あおばと」NO.124,P17〜19)
●2010/12 千葉県
・ジャパンバードフェスティバル2010
10/23、24、我孫子市で開催されたジャパンバードフェスティバル2010に4万人の来場者があった。当支部もブースを出し、三番瀬の展示と鳥の帽子教室を実施した。
http://www.birdfesta.net/2010_html/
(千葉県「ほおじろ」NO.356,P2)
・クロサギ達の微妙な距離
単独行動のイメージが強いクロサギ、春から夏は番、親子、兄弟の家族での行動が目立つ。しかし、秋には単独で、飛び立って磯に降りると10m程先に別の1羽とか、冬は餌取りである程度距離をおいて降りるとか、互いを意識した微妙な距離を保つ。
(千葉県「ほおじろ」NO.356,P11)
・カンムリワシ危険と背中合わせ (10/9 産経新聞)
石垣島、西表島ではカンムリワシが道路標識に止まり、餌となる蛙の死骸を狙う。両島で約100羽が生息するが、冬にかけて、餌となる小動物が減るため、路上で餌探しをし、交通事故に巻き込まれる。今年は16羽が保護され、内3羽が死亡している。
(千葉県「ほおじろ」NO.356,P12)
●2010/11 大阪
・ユリカモメ標識調査から分かること
78年から京都の鴨川で金属リング付きのユリカモメがよく見られ、カムチャッカ半島から飛来と判明。08年、兵庫県で中国雲南省で標識された個体も見つかる。関西では琵琶湖南部西岸で塒する集団は山を越え、鴨川に来る。広く大阪湾にも移動し塒する。大阪湾の大和川以南は鴨川とは別の越冬集団らしい。確認された長寿記録は24年である。参考:極東アジアにおけるユリカモメの個体数増加 須川1984 海洋科学16(4) pp194-198。都市河川と水鳥「いのちの森」 須川 2005京都大学学術出版会 pp185-213。
(大阪「むくどり通信」NO.210,P8〜9)
・カムリアンアイスランドカモメの観察記録
06年3月、堺市大和川河口でアイスランドカモメ(亜種カムリアンアイスランドカモメ Larus glaucoides kumlieni)が撮影され、当会の「鳥類目録編集委員会」で正式に確認されたが、日本鳥学会の日本鳥類目録では以下の通り。検討中:アメリカズグロカモメ、ポナパルトカモメ、アイスランドカモメ、ニシセグロカモメ。98年以降確認された種で未だ検討リストに入っていないもの:キアシセグロカモメ、カナダカモメ。アイスランドカモメは冬季に、北海道と千葉県に記録があるとされ、今回の記録は西日本では初記録と思われる。
(大阪「むくどり通信」NO.210,P10〜11)
・琵琶湖カワウ駆除に鉛弾 (9/28 中日新聞)
琵琶湖で、滋賀県が昨年4月から規制している鉛散弾がカワウ駆除で使われた跡が多数見つかった。補助金を出す県にとってもコストが増え、鉛散弾使用禁止へ踏み込めていない。
(大阪「むくどり通信」NO.210,P12)
・チュウヒ保護に関する要望書を提出
10/6、当会は本部の連名で、「堺第7−3区産廃埋立処分場跡地」のチュウヒの保護について、大阪府知事に要望書を提出した。国内で繁殖は60番しかなく、当地では06年以降1年おきに3回の繁殖で4個体が巣立った。メガソーラー発電所事業や「共生の森」で植樹事業等が進行中で、草地環境が縮小しており、チュウヒの繁殖に影響が懸念される。府の回答では「共生の森」では湿地、草地、自然遷移地は区域の半分の約56haを確保するとある。
http://www.wbsj.org/nature/kisyou/cs/index.html
(大阪「むくどり通信」NO.210,P16)
・ツバメのねぐら調査2010
5つの保護団体の協力を頂き、7/31、8/1、統一調査で6個所の塒で計約5万4千羽のツバメをカウントした。最大は高槻市鵜殿の河川のヨシ原で3万。今回で5年目の調査で、ヨシ焼きや冬季の水抜き等の適度に人の手が入ったヨシ原は塒として安定し、人手が入らず放置されたヨシ原は個体数が減ったり、移動するのが分かった。
●2010/12 福岡
・アトリ
アトリの漢字表記は花鶏または?子鳥、名前の由来は「集まる鳥」から「あっとり」「アトリ」になったようである。名前の由来通り、非繁殖期には天敵から身を守るため群で生活し、数万羽にも及ぶ事がある。稲刈後の水田や草原に群で舞い降り、植物の種子や穀類を食べながら他へ移動していく。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.374,P2)
・2010年ハチクマの渡り福岡市西部
ハチクマの渡り数。9/19:西部霊園公園で171。9/28:586。西部霊園公園では9/18〜10/1の内、10日間で合計2,147羽のハチクマ、11羽のハヤブサ、9羽のチゴハヤブサ、37羽のサシバ、188羽のミサゴ、2羽のオオタカ、3羽のハイタカの通過を確認した。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.374,P16)
・油山市民の森の指定管理について
H23年度から同森の管理者が交代する事になり、3団体が企画書を福岡市へ提出したが、現在とは別の団体が運営する事が決定した。同団体からは「日本野鳥の会には仕事を発注しないが、レンジャーが残るなら個人として雇用する」との連絡があった。同森は当会本部が運営する11個所のサンクチュアリの1つで、姫路以西では唯一の拠点であった。当会は22年間、活動を支援してきたが、残念である。新たな仕組みを模索するための、お知恵をお貸し下さい。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.374,P17)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.544
●2010/12 札幌
・中島公園に来るアオサギ
●2010/12 埼玉
・2010年秋 シギ・チドリ類調査報告
・ウの仲間です
・イワミセキレイ
●2010/12 愛知県
・クマに出会った場合の対処法
●2010/12 滋賀
・水鳥一斉調査2010年秋速報
・2010年タカの渡り猪子山定点調査報告
●2010/11 香川県
・シギ・チドリ干潟探鳥会
●2010/12 徳島
・生物多様性条約第10回締約国会議(CBD-COP10)報告
・鳴門山における渡りハイタカ雌雄判別羽数
●2010/12 筑後
・クロツラヘラサギ
・マガン
●2010/12 札幌
・中島公園に来るアオサギ
アオサギは嘗ては北海道には早春に南から渡って来る鳥で、警戒心が強く、撮影が難しかった。札幌市街地で目撃しだしたのは、90年頃で、都心の豊平川では95年前後である。歓楽街ススキノに近い中島公園には2000年から確認され、以後常態化している。この時期には札幌中心部でオオセグロカモメが営巣を始めた。本州ではアオサギは釣り人に慣れている例があるが、札幌ではこれからである。今では少数が札幌で越冬する。
(札幌「カッコウ」NO.328,P4〜10)
●2010/12 埼玉
・2010年秋 シギ・チドリ類調査報告
9/20、さいたま市の大久保農耕地を調査した。タシギ4、タシギ属不明種1のみで、ムナグロは5年ぶりに観察が無かった。ムナグロは03年:110羽、04、05年記録無し、06:13、07:8、08:70、09:8と減っている。
(埼玉「しらこばと」NO.320,P4)
・ウの仲間です
頭上高く、ウが飛んでいく。埼玉県内であれば、カワウかウミウか、まず迷わない。沿岸部では慎重な識別が必用になる。両種の記録がある所では、故浜口哲一氏は飛んでいるウを見て「ウの仲間です」としか言わなかった。識別に自信が持てる気がして、何でも分かったような気がする時があるが、やがて、その自信は打ち砕かれる事がある教訓である。
(埼玉「しらこばと」NO.320,P6)
・イワミセキレイ
9/18、さいたま市の大久保農耕地でイワミセキレイが撮影された。本種は86/1に所沢市で観察されて以来の、埼玉県内2例目となる。
(埼玉「しらこばと」NO.320,P12)
●2010/12 愛知県
・クマに出会った場合の対処法
熊は空腹でも餌として人を襲う事は無い。襲うのは人に恐怖心を持ち、自ら逃げようとした時のみである。熊は相手に一撃加え、相手が怯んだ隙に遠ざかる。熊に精神的、物理的な圧迫を与えず、静かにやり過ごす事、パニックにならない事。熊が近づいてきたら、動かない事が近寄るなの熊へのメッセージになる。熊を追い払うことはしない事。絶対に走らない事。熊を目撃しただけで、警察に通報する事は避けて頂きたい。人に何もせず、山に帰って行く熊を無理やり探し出し、撃つことにつながる。鈴、ラジオの音、熊除けスプレーは持っている事は人がパニックにならないメリットはある。
(埼玉「しらこばと」NO.320,P8)
●2010/12 滋賀
・水鳥一斉調査2010年秋速報
11/13、赤野井湾:カモ類7,904、内訳はホシハジロ5,550、ヒドリガモ938、オカヨシガモ614、キンクロハジロ374、カルガモ127等。他にオオバン1,637。11/9、湖北湖岸沿岸3.2km:カモ類15,022、内訳はヒシクイ106、コハクチョウ43、マガン9、ホシハジロ7,065、キンクロハジロ2,295、マガモ1,302、ヒドリガモ646、ハシビロガモ146、スズガモ112、コガモ104、カルガモ102等。他にオオバン6,217、カンムリカイツブリ114。11/9、高島新旭:カモ類13,989、内訳はホシハジロ10,181、キンクロハジロ1,364、ヒドリガモ847、マガモ156等。他にユリカモメ318。
(滋賀「におのうみ」NO.23,P13)
・2010年タカの渡り猪子山定点調査報告
9/1〜10/3、通過総計はサシバ2,937、ハチクマ812、ノスリ291、ハイタカ類77。猛暑の影響か渡りが例年より1週間ほど遅い。ハチクマの渡りも遅れ、9/22に331羽が通過し、その日のサシバを大幅に上回ったのは珍しい。日本海側の前線が南下し、日本海側を通る個体が南下した可能性がある。サシバは毎年、11〜12時にピークがあるが、今年は9〜12時、一様に数が多く、従来と様子が違う。10/5〜31の調査ではサシバ8、ハチクマ9、ノスリ1,557、ハイタカ類110が通過した。
(滋賀「におのうみ」NO.23,P15〜17)
●2010/11 香川県
・シギ・チドリ干潟探鳥会
9/23、小雨。姫浜海岸にて:トウネン10+、タシギ4、オオソリハシシギ4、キアシシギ3、ソリハシシギ3、オバシギ2、ダイゼン2等。新川河口にて:アオアシシギ11、イソシギ6、ソリハシシギ5、キアシシギ4、オオソリハシシギ3等。
(香川県「かいつぶり」NO.322,P1〜2)
●2010/12 徳島
・生物多様性条約第10回締約国会議(CBD-COP10)報告
国連副事務局長のアシム・シュタイナー氏は「政府に何故これをやらなかったのかと責めるよりも、やった事を褒めるのが効果的」と言う。サイドイベントで環境省と国連大学が協賛する「里山イニシアティブの設立」では51の団体がパートナー・シップを結んだ。愛知県知事のスピーチはこれと相反し、愛知県の里山でTOYOTAのテストコース造成し、名古屋市長も「名古屋市民はお祭り好き」と言うのも、地元名古屋も会議の意義がよく理解していないのでは。壇上から「生物多様性を守り、維持可能な社会を作っていく事は未来の子供達のために、今やらなければならない」と何度も聞いたが、実行は疑問である。
(徳島「野鳥徳島」NO.387,P2〜4)
・鳴門山における渡りハイタカ雌雄判別羽数
10/29、鳴門山を通過したハイタカ173羽(内2羽は東行き)の内、73羽のデジタル画像からの判別は、♂成29、♀成29、幼鳥12、不詳3であった。意外に幼鳥の比率が低かった。
(徳島「野鳥徳島」NO.387,P6)
●2010/12 筑後
・クロツラヘラサギ
クロツラヘラサギは朝鮮半島西側の島々で繁殖するとされるが、繁殖地は特定できていない。全生息数1,600羽前後で、台湾にはこの半数以上が越冬するが、02年、ボツリヌス菌で73羽が死亡。一点集中の越冬地は危険である。日本では九州以南に十数年前に30羽前後の越冬が、最近は150羽前後まで増え、若い個体の中に博多湾周辺で越夏するものも出ている。
(筑後「まめわり」NO.116,P8)
・マガン
筑後地方には10年に一度の程度でマガンが訪れるが、雁食(かりばみ)と言う地名が柳川にあり、昔は結構いたようである。
(筑後「まめわり」NO.116,P8)
(自然保護室ボランティア・神奈川支部/森 要)
■平成22年度第3回理事会(臨時)議事録■
1 日時 :平成22年 12月 10日(金)
2 方法 :寄附行為第29条第3項に基づく書面表決
3 理事現在数 :17名
4 書面表決理事(敬称略) :17名
書面表決理事(敬称略):17名
柳生 博、佐藤 仁志、鈴木 君子、吉田 新、滑志田 隆、安西 英明、飯塚 利一、磯崎 博司、土屋 正忠、花田行博、小室 智幸、河地 辰彦、西村 眞一、高木 清和、川瀬 浩、日比野 政彦、高野 茂樹
5 議案 :
第1号議案 「役員及び評議員の報酬等並びに費用に関する規程」一部修正の件
第2号議案 「常勤役員退任慰労金規程」承認の件
第3号議案 特定預金の一部を指定正味財産へ変更する件
6 議案の概要:
第1号議案:
公益財団法人への移行認定申請のため内閣府へ提出した「役員及び評議員の報酬等並びに費用に関する規程」について、内閣府公益認定等委員会事務局の指摘に基づき、年間報酬額は賞与を含むものであると明言すること、監事に対する報酬額の決定は監事の協議に委ねること等の修正を施し書面表決により臨時理事会へ諮った。
書面表決の結果、理事現在数17名の賛成により原案通り承認された。
第2号議案:
内閣府公益認定等委員会事務局の指摘に基づき、常勤役員に対する退職金について定めた「常勤役員退任慰労金規程」を移行認定申請書類に含めること、支給額の加算・減算事由に関する定めを明確にし、加算額に関する上限枠を定めること等の修正を施し書面表決により臨時理事会へ諮った。
書面表決の結果、理事現在数17名の賛成により原案通り承認された。
第3号議案:
公益財団法人への移行認定申請に関連して、特定預金のうち、以下のものを、平成22年度決算期において一般正味財産から指定正味財産へと位置付けを変更することを書面表決により臨時理事会へ諮った。
@渡辺基金特定預金
A持田プロジェクト特定預金
B藤田基金特定預金
C野鳥保護区基金特定預金
書面表決の結果、理事現在数17名の賛成により原案通り承認された。
7 議事録署名人
会長からの指名により、小室智幸理事、日比野政彦理事を選任し、両氏もこれを承諾した。
8 議事の経過の概要及びその結果
上記議案について、書面表決を実施した。
その結果、12月10日までに書面による回答のあった理事17名のうち、17名の賛成を得たので本議案について、原案どおり承認可決した。
上記の議事を明らかにするために議事録を作成し、議長及び出席理事の名において記名、捺印する。
平成22年 12月13日
財団法人 日本野鳥の会
議 長 柳生 博
議事録署名人 小室 智幸
議事録署名人 日比野 政彦
■鳥インフルエンザ情報■
鳥インフルエンザ情報を支部ネット通信臨時号のメール版として1月7日に発行しました。臨時号はメール版のみの発行になっておりますので、臨時号の掲載内容を下記に転載いたします。
(会員室長/小林 豊)
●今シーズンにおける鳥インフルエンザの状況
2010年は、東アジア地域で次のように強毒性鳥インフルエンザ(H5N1亜型)の感染が発生しています。
- 10月14日 北海道稚内大沼 カモ類糞(10月26日確定)
- 11月26日 韓国イクサン市 マガモ 1羽 韓国ソサン市 ワシミミズク 1羽
- 11月27日 島根県安来市 養鶏場 (ニワトリ)
- 11月29日 韓国ソサン市 ワシミミズク 1羽
- 12月4日 鳥取県米子市安倍 コハクチョウ 1羽(12月18日 ウイルス確認)
- 12月10日-18日 富山県高岡市 コブハクチョウ 6羽 高岡古城動物園濠で飼育
(12月18日疑い発表 19日強毒性確認)
- 12月18日 香港 ニワトリ(飼育鳥)
- 12月18日・19日 鹿児島県出水市 ナベヅル 2羽 疑い(A型陽性)
- 12月22日 韓国海南郡庫千岩湖 トモエガモ74羽(うち20羽を検査、ウイルス確認)
東アジア地域の広い範囲で感染が発生し、野鳥からの確認が多いのがこのシーズンの特徴です。強毒のウイルスが広い範囲に拡散していることが推測されます。強毒性の鳥インフルエンザウイルスの感染ルートはまだ解明されていませんが、ロシアや中国、モンゴル、アラスカなどの大陸でウイルス密度が高い地域があり、そこが渡り鳥の飛来ルートと重なった可能性も考えられます。特にカモ類は強毒性ウイルスに感染しても症状が現れにくく、ウイルスを持ったまま移動できると考えられます。感染し、体内でウイルスを保持したカモ類の糞に含まれたウイルスに水辺で触れたコブハクチョウやツル類などが感染したという推測ができます。
国内のどこで次の鳥インフルエンザが見つかっても、不思議ではない状況と言えます。
●出水平野における状況と対応
12月18日にナベヅルの死亡が確認されその後、H5N1亜型のウイルスが検出されています。これ以降、1月4日時点までに、ナベヅル18羽、マナヅル4羽の死亡が確認され、そのうちナベヅル5羽で、強毒性のウイルスが確認されています。当初懸念されたような連鎖的な感染による大量死は起きていませんが、未だに立ち入り制限が続き、衰弱や死亡した個体の隔離のための巡視も行われています。また、収束までには時間がかかる様相です。
当会では、年末年始に主席研究員の金井と自然保護室の古南の2名が、現地に入り状況把握と鹿児島、熊本の両支部と情報交換を行いました。その結果をもって、環境省との調整後、巡視のサポートとツルの動向調査を行う予定です。
また、現時点での西日本におけるマナヅル、ナベヅルの越冬状況の把握を併せて行いますので、ご協力よろしくお願いいたします。
●全国における状況把握について
環境省では、各地の糞便によるウイルス調査と、野鳥の異常死が起きていないかの監視を強化しているところで、日頃から野鳥に接している当会の会員の皆様に期待が寄せられています。
今後、ガンカモ一斉調査(1月2日〜16日)、クロツラヘラサギの世界一斉センサス(1月23日)、モニタリングサイト1000干潟調査(1月23日)などの調査が予定されていますが、その際に、死体や様子のおかしい野鳥を見つけた際には、すみやかに市町村や都道府県に連絡をお願いいたします。出水での観察によると全体的な衰弱の他に、首を垂らしたままというような異常行動も症状としてあるそうです。
「高病原性鳥インフルエンザに対し、感染リスクの高い日本の野鳥種」(環境省)にある、カイツブリ類、カワウ、サギ類、カモ科、ユリカモメなどの水鳥の他にオオタカやオジロワシなどカモ類やその死体を捕食するタカ類やカラス類に注意して頂く必要があります。
今シーズンの鳥インフルエンザは、春の北帰行が終わるまでは、予断を許さない状況にあると思われます。支部の皆様と情報共有を密にして、対応していきたいと考えておりますので、よろしくお願い致します。
(自然保護室長/葉山 政治)
■新商品 「活動靴」 モニターキャンペーン■
雨上がりのフィールドや、早朝の草原で下草が濡れている等、探鳥会を行なう時、必ずしも足元は良い条件とは限りません。そのような条件下で、長靴を履くまででもない時に使用するのが、登山用スパッツかと思います。しかしこのスパッツ、ザックに入れ忘れたり、入れていてもザックから出すのが面倒くさくて使わなかったり・・・そのような経験はありませんか?
そこで、今回ご紹介するのが、撥水フード付きの靴「活動靴」です。革のブーツ部分は、足首まであるハイカットタイプで、その上に撥水フードが装着されており、普段は折りたたんでおいて、野外で使用する時に伸ばせば、スパッツ付きの靴になります。また、つま先保護のための先芯や、靴底には釘等の踏み抜きを防止する踏抜防止板が内蔵されています。悪条件の道でも、足元の安全を守り、災害時にも役立つ機能でもあります。さらに、アウトソール(靴底のゴム部)は高機能樹脂製ミッドソールと一体化したゴムでできているので、ソールが剥がれる心配がありません。山歩き等でも、安心して使える仕様と言えます。
スタッフが実際に何度かフィールドで試しました。初回は、普段安全靴を履き慣れていないせいか、少し違和感を覚えましたが、2回目以降は、革が馴染んだせいか、全く違和感なく使用することができました。撥水機能はもちろん、見た目の印象より非常に軽く(560g、26cm片足)できているので、長時間の歩行でもほとんど疲労感を感じることなく履けました。また、さすが安全靴を手掛けるメーカーが作る靴だけあって、靴底のグリップ力がよく、雨あがりの濡れた石の上や、雪道でもストレスなく歩くことができました。
尚、この「活動靴」は、2010年グッドデザイン賞の受賞商品で、製造元である株式会社シモン様は、長年にわたり法人会員として当会の活動をご支援いただいている会社です。
支部の探鳥会等でご試用いただきたく、今回メーカーからの協力を得て、ご希望の支部に無料でサンプルを提供させていただきます。
●お届けする内容
「活動靴」(税込価格¥19,800)(製造元:株式会社シモン)
主な仕様
・甲 被: 銀付牛革(防水革)
・先 芯: ワイドACM樹脂先芯
・靴 底: SX3層底(SX高機能樹脂+2層SXラバー)
・特記事項: 踏抜防止板内蔵/静電気帯電防止機能付
●お申し込み方法
下記条件をご承諾いただける支部に無料で商品をご提供します。
「活動靴」を支部の探鳥会等でご使用いただき、
支部の皆様にご紹介いただければ幸いです。
ご使用になられる方の
@お名前
A郵便番号
B住所
C電話番号
D性別
E靴のサイズ
男性用:23.5cm 24cm 24.5cm 25cm 25.5cm 26cm 26.5cm 27cm 27.5cm 28cm
女性用:22.5cm 23cm 23.5cm 24cm 24.5cm 25cm
を2月10日までに、下記まで、FAXかe-mailでお知らせください。
【お申し込み条件等】
- お申し込み期限:2011年2月10日(木)
- 1支部1足とします。
- お届けは2月中旬以降を予定しております。
- お届け送料は、各支部にてご負担いただきます(着払い宅配便にてお送りします)。
- お使いいただいた商品のご返却は必要ございません。
- 実際にご使用いただいたご感想を商品に同梱するアンケート用紙にご記入の上、ご返信ください。(4月30日まで)
※お寄せいただいた感想は、当会やメーカーのホームページやカタログ等販促物等で使用する場合があります。予めご了承ください。
何かご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
●この件に関するお問い合わせ、お申し込み
普及室 販売出版グループ(担当:瀬古智貫)までお願いします。
〒141-0031
東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
TEL:03-5436-2626
FAX:03-5436-2626
E-mail:[email protected]
※メールでのお問い合わせ、お申し込みには、お手数ですが件名に「【活動靴】」とご記入ください。
(普及室/瀬古智貫)
■ワイルドバード・カレンダー2012 写真募集■
ワイルドバード・カレンダー2012」の写真を募集致します。応募期間は2011年2月20日〜3月31日です。今回の募集より、デジタルデータにつきましては、ホームページ上からご応募を受け付けます。詳細は応募要項でご確認下さい。応募要項は、当会ホームページで公開中のほか、ご希望の方へは郵送も致します。皆様の力作をお待ちしております。
●カレンダーについてのお問い合わせ、要項のご請求
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2626
FAX:03-5436-2626
E-mail:[email protected]
(普及室/江面 康子)
■支部名称等変更のお知らせ■
●岐阜県支部 (2010年12月1日より)
・新名称:『日本野鳥の会岐阜』
・支部長→代表
(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)
■公益財団法人への移行について(ご報告)■
公益財団法人への移行作業の進捗状況について、12月24日付公文書第64号にて支部代表者宛てに以下の内容でご報告いたしましたので、本通信上でもお知らせいたします。
●公益財団法人への移行について(ご報告)
師走の候、皆様におかれましてはますますご活躍のことと存じます。
さて、移行申請作業の進捗については、11月30日付公文書第58号(本通信の先月号に掲載)にて今後の対応方針についてお知らせしたところですが、その後も出来る限り早い期日で認定を得られるよう努力をしましたが、修正申請に添える証明書類等が多岐に渡りその手配に時間を要したことなどから、年内に公益財団法人としての認定を得ることは難しいと判断しましたのでご報告します。
つきましては、先般お伝えした"ケース2"を採用し、公益財団法人への移行登記は、分かち決算が不要となる4月1日を目指して今後の移行作業を進めることになりました。これに伴い、2月に予定していた「連携団体総会(仮称)」は延期とし、新年度の移行作業等が落ち着いた段階で開催することとします。詳細のご案内はあらためて文書にてお知らせします。また、現在のメンバーにより次年度事業計画及び予算を審議いただく理事会、評議員会を3月に開催しますので、日程が決まり次第速やかにお知らせします。
以上、移行作業の遅延により、大幅な日程変更が生じご迷惑をおかけして誠に申し訳ありません。現状をご理解いただき、引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。
(総務室/五十嵐 真、小川 富由美)
■会員数■
●1月1日会員数40,449人(対前月-154人)
会員数は先月に比べ154人減少しました。
12月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より155人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。12月の入会者数は145人で、前年同月の入会者97人に比べ48人増加しました。
また、12月の退会者数は300人で、前年同月の退会者数287人に比べ13人増加しました。
表1.12月の入会・退会者数
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
●都道府県および支部別会員数
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2.都道府県別の会員数(1月1日時点)
備考:その他は海外在住の会員を示します。
表3.支部別の会員数(1月1日時点)
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
■支部ネット担当より
今年もどうぞよろしくお願いします。
●臨時号メール版の受信
鳥インフルエンザの発生など、緊急に情報をお伝えする場合、支部ネット通信の臨時号をメール版で発行しています。
メールアドレスのご登録をいただいていないと、この臨時号をお送りすることができませんので、どうぞメールアドレスのご登録をお願いします。
メールアドレスは、1支部あたり2アドレスまで登録いただけます。以下の連絡先アドレスまで、ご連絡をお願いします。
[email protected]
●バックナンバーの閲覧
支部ネット通信は2004年の第1号からバックナンバーをインターネットでご覧いただけます。
以下のURLからご覧ください。
http://www.wbsj.org/info/shibu/net/index_2010.html
なお、この支部ネット通信のバックナンバーページは、当会ホームページのメニューには表示されません。
上記のURLからだけご覧いただけますので、ご了承ください。
(会員室長/小林豊)
支部ネット通信 第82号
◆発行
財団法人日本野鳥の会 2011年1月21日
◆担当
会員室
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
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