■シマフクロウの生息地を購入■
発表した内容は、下記のとおりです。一部内容と画像などは省略しています。このプレスリリースの全文は、当会ホームページからご覧いただけます。
http://www.wbsj.org/press/101125.html
日本野鳥の会が「シマフクロウ」の生息地37.8ヘクタールを購入
2010年11月25日
●シマフクロウのための野鳥保護区は8箇所に
根室地域で、合計184.3ヘクタールの森林を保全
(財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:柳生博 会員・サポーター数:約5万人)は、東芳枝氏(ひがしよしえ・故人)からのご寄付および当会の野鳥保護区基金への寄付金を元に、根室地域のシマフクロウ生息地37.8haの山林を購入した。それぞれ「東野鳥保護区シマフクロウ根室第4」「野鳥保護区シマフクロウ根室第5」とし、恒久的に保全する。
国内に生息するシマフクロウの総つがい数は僅か40つがいであり、絶滅の危機に瀕している。また、生息つがい数の4割は民有林等で法的な保護指定の無い場所に生息していることから、森林伐採による生息環境の悪化などの恐れがある。このため当会では、シマフクロウを保護するため、寄付を財源として土地を購入すること、また土地所有者との協定を締結することにより、生息地を野鳥保護区として保全する活動を継続している。今回の保護区を含め、当会が野鳥保護のために設置した保護区は合計32箇所、2870.8haになった。
●購入した土地について
購入地は、根室地域の山林、合計面積37.8ha(378,013u)で、その内11.4ha(114,034u)を「東野鳥保護区シマフクロウ根室第4」、26.4ha(263,979u)を「野鳥保護区シマフクロウ根室第5」として保全を進めていく。この周辺ではシマフクロウ1つがいの繁殖が確認されており、今回の購入地も生息地の一部である。
根室管内の当地域では、約6つがいのシマフクロウが確認されており、多数生息する知床地域に次ぐシマフクロウの重要な生息地になっている。今回の購入地は、周辺の森林で1つがいが継続して繁殖を成功させている重要な森林であったが法的な保護がされていなかったため、今回の保護区の設置に至った。今後も、この地域の森林を対象に野鳥保護区の設置を進める計画である。なお、シマフクロウの保護上、この保護区の位置は公表していない。
■支部報保護・調査記事関連トピックス■
本記事は日本野鳥の会本部に送付されてきている各地の支部報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会内部の方へ配信しております。
本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.536
●2010/10 小樽
・エトピリカに会おう
・イソシギ
●2010/10 長野
・トケン類初鳴き調査結果
●2010/10 甲府
・釜無川で見られたコウノトリ
・富士山2合目付近の鳥類
●2010/10 静岡
・「静岡県の鳥類 第2版」発行
●2010/10 石川
・「グリーンホリデーin加賀」を開催
●2010/10 愛知県
・COP10開催期間における、本部、支部の活動について
●2009/2 佐賀県(以下バックナンバーまとめて入手)
・シンポジウム「ツルたちと暮らそう」報告
・佐賀空港周辺の野鳥駆除について
●2009/9 佐賀県
・コアジサシ 改修運動場に営巣 (7/18 佐賀新聞)
●2009/11 佐賀県
・鏡山ハチクマの渡り観察
●2010/6 佐賀県
・ツバメの母性スズメを育てる (5/17 佐賀新聞)
●2010/10 小樽
・エトピリカに会おう
エトピリカはその顔から漁船員から花魁(オイラン)と呼ばれていた。分布が北太平洋サケマス漁場と重なり、漁網によく罹っていた。国際的な非難で92年、公海の大規模流し網漁は禁止となった。その後、日本漁船に乗ったロシアの監督官のデータでは1漁期でミズナギドリ類約7万、ウミガラス類約4万、エトピリカ約2万が罹網、それ以前の最盛期にはこの10倍以上と思われる。エトピリカは世界に240万羽と言われ、北海道では40羽(06年)が確認されたのみ。5/23、根室・落石漁協の「エトピリカに会おう 探鳥クルーズ」に乗ったが、エトピリカは1週間前の試験運行時、5羽は今日は出ず。
(小樽「あおばと」NO.123,P4〜9)
・イソシギ
エリザベス・テイラー主演映画「いそしぎ」のラストシーンに冬のカルフォルニアの海岸が出てくる。原題のSandpiper(砂浜の笛吹)」は嘴が長めのシギ一般の英名であり、揺れ動く男女の心を、波に合わせて磯を動くシギ類に重ね合わせたのであろう。イソシギは雌雄の役割は通常とは逆で、今の言葉ではイクメン型で、♂は積極的に巣造りし、夜間の抱卵、孵化後、雛の世話をし、♀は捕食者を警戒する。一夫一妻以外に経時的に1妻多夫の例もある。イソシギの正式英名はCommon sandpiperで、米国にはおらず、タイトルの「いそしぎ」は配給元が単に磯の鴫から付けた?
(小樽「あおばと」NO.123,P12〜13)
●2010/10 長野
・トケン類初鳴き調査結果
今年の初鳴きはカッコウ、東信地区:5/7 北信地区: 5/8。ツツドリ、東信地区:4/28 北信地区:5/1。ホトトギス、両地区とも5/18。ジュウイチ、北信地区:5/12東信地区:5/25。今年は夏鳥の飛来が1週間ほど遅いと言われ、ツツドリ、ジュウイチでその傾向があった。例年通り、トケン類の中ではツツドリの渡来が最も早い。
(長野「野鳥ながの」NO.487,P3〜4)
●2010/10 甲府
・釜無川で見られたコウノトリ
7/28、甲府盆地の釜無川でコウノトリ4(内2に足輪)が採餌するのを見る。近くでカワウ、ダイサギ、コサギ等が採餌しており、他種との相互作用が垣間見える。翌日、長野県白馬村で同一と思われる4羽が確認されている。
(甲府「カワセミ」NO.112,P4)
・富士山2合目付近の鳥類
09/5〜10/4、精進口の2合目付近を調査した。種類数は5月が34種の最大となり、2月に最少の10種になる。ヒヨドリは10〜1月、4月に出現し、繁殖期には見られず。ルリビタキは1〜5月、8〜11月に見られ、繁殖は3合目より上である。ウグイスは11〜2月、ソウシチョウは12〜2月は確認できず。ガビチョウはここでの繁殖は無い
ようである。
(甲府「カワセミ」NO.112,P5)
●2010/10 静岡
・「静岡県の鳥類 第2版」発行
98年に「静岡県の鳥類」を発行し、今回、8月に新たに確認された22種を加え、計400種を載せ、前回との生息状況比較をし、第2版が発行された。市販はされず、300冊限定販売である。
照会先:
[email protected]
(静岡「野鳥だより」NO.378,P11)
●2010/10 石川
・「グリーンホリデーin加賀」を開催
本部が実施するグリーンホリデーをいうボランティアプログラムを今回、本州では初めて鴨池公園で実施した。他県からの7名、地元関係者合わせて40名が鴨池の管理、草刈り行った。
(石川「石川の野鳥」NO.154,P6)
●2010/10 愛知県
・COP10開催期間における、本部、支部の活動について
財団本部:10/18〜29、ブース出展:市民参加のモニタリング、野鳥保護区、シマフクロウの森を育てるプロジェクト。フォーラム:10/25、シマフクロウの森を育てるプロジェクト。ポスター:マリンIBA(バードライフアジアと共同)。21世紀の巨大開発を考える会:10/11〜29、ブース展示:トヨタ自動車研究開発施設、テストコース建設による自然破壊と里山保全。愛知県支部:バードウォッチングツアーで藤前干潟他を10/23、バードライフインターナショナル加盟国担当者を案内。藤前干潟ふれあいデーの行事を10/23、実施。「愛知県内の野鳥貴重種」をブース展示。
(愛知県「愛知の野鳥」NO.284,P6)
●2009/2 佐賀県
・シンポジウム「ツルたちと暮らそう」報告
09/1/17、伊万里市で柳生会長をはじめ、ツル分散プロジェクトの方々を迎え開催された。会長は地元小学生と交流し、柳生会長語録として「ツルなどの渡り鳥にとって今の日本は乾き過ぎている。水面が無くてはいけない。水を張る事で生物相も豊かになる」「出水に次いで、ここ伊万里の活動を世界は注目している」
(佐賀県「野鳥さが」NO.158,P2〜3)
・佐賀空港周辺の野鳥駆除について
佐賀空港は国造干拓という野鳥一大生息地であった場所に作られ、航空機へのバードストライクは国内最多(離発着1万回当り48回)で、その対策で威嚇射撃が行われている。周辺に飛来したオオノスリが駆除された野鳥の死体を食する事が目撃されており、支部は09/1/18、同空港に要望書を出した。空砲等の威嚇に留め、実弾使用時は駆除した野鳥は放置しないこと、鉛中毒起こす恐れがある鉛散弾でなく、鉄製散弾を用いること。
(佐賀県「野鳥さが」NO.158,P4)
●2009/9 佐賀県
・コアジサシ 改修運動場に営巣 (7/18 佐賀新聞)
6月、みやき町の中学校運動場でコアジサシが営巣した。運動場は改修工事中であったが、佐賀自然史研究会が同校に知らせ、県と町教育委員会が成鳥15羽と卵7を確認した。鳥獣保護法では希少種の卵は環境省の許可を得て移動させる事もできるが、営巣放棄の恐れがあるとして、工事を中断した。佐賀県では営巣を確認しても、そのまま工事続行のケースが多い。
(佐賀県「野鳥さが」NO.162,P6)
●2009/11 佐賀県
・鏡山ハチクマの渡り観察
09/9/20、唐津市の鏡山での観察で、200羽以上のハチクマが通過した。塒立ちが4羽、10時頃より1〜3羽の通過があり、11時過ぎに40羽、70羽、100羽とまとまって渡った。
(佐賀県「野鳥さが」NO.163,P4)
●2010/6 佐賀県
・ツバメの母性スズメを育てる (5/17 佐賀新聞)
5/7、武雄市で歩道に落ちて、もがく雛を、近くのツバメの巣に戻した。巣の中に3羽のツバメの雛がおり、拾われた雛は一回り小さく、毛色が少し違っており、巣の最前列で餌を要求した。これはスズメの雛で、親ツバメは4羽に餌を運んだ。
(佐賀県「野鳥さが」NO.167,P12)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.537
●2010/10 札幌
・里山の保全と利用
・ポー川史跡自然公園25年間の野鳥の変化
・カッコウ一斉調査(2010年)報告
●2010/10 神奈川
・湘南タゲリ米近況報告
・死刑囚と中西悟堂
●2010/10 福井県
・日本野鳥の会北陸ネットワーク立ち上げ
・タカの渡り調査報告
●2010/10-11 京都
・国交省へ要望書提出
●2010/10 奈良
・生物多様性条約
●2010/10 北九州
・ロードハウ島の野鳥保護に学ぶ (NHK BS2放映)
●2010/10 筑豊
・ごみ拾い続けて8年 (8/30 毎日新聞)
・柳生博と森林をかたり、地域をつくる会
●2010/10 札幌
・里山の保全と利用
支部は01年に「シンポジウム里山を守る」を開催し、10年になる。白老町のウヨロ環境トラストの森では、植樹後40年以上経過し荒れたカラマツ人工林を間伐し、適正な密度の森にする事で、幹が太くなり、CO2吸収等、森の機能が向上した。エコ・キャンプで子供たちの自然体験活動をしている。地域の自然や歴史、文化資源をつなぐ歩く道、フットパスも整備されつつある。里山は「故郷の自然や農業、風土を伝え体験する所」で、栗山町ハサンベツ里山では自然教育活動が25年以上前から行われ、理科の副読本に登場し、行政と地元団体でいきものの里山づくり推進協議会が結成されている。
(札幌「カッコウ」NO.326,P6〜7)
・ポー川史跡自然公園25年間の野鳥の変化
標津町にある知床半島付け根に位置する同公園での1985年と2010年の夏期の野鳥ラインセンサス結果を比較した。25年前に記録され、今回記録されなかった種は、キビタキ、コアカゲラ、ヒバリ、コルリ、ヤマガラ、ホオアカ、アリスイ、シマアオジ、マヒワ、オオタカの10種。シマアオジは05年以降は殆ど記録が無い。ノゴマ、アカハラも出現率が大きく低下している。アオジ、ノビタキは余り減っていない。
(札幌「カッコウ」NO.326,P8)
・カッコウ一斉調査(2010年)報告
6/18〜20、札幌市及び周辺で調査した。総計67羽を確認、前年より増加した。内訳は札幌市全域49(東区16、白石区13、北区10、手稲区5、厚別区4等)、石狩市11、江別市6等。大幅に減少した地域は手稲区(03年18→10年5)、南区(03年6→10年1)。増加傾向にあるのは東区と白石区である。
(札幌「カッコウ」NO.326,P9〜10)
●2010/10 神奈川
・湘南タゲリ米近況報告
協力農家は5軒から現在25軒に増え、毎年3トン弱の買い上げをしている。茅ヶ崎市は水田の遊水地機能を認め、毎年水田1アール当たりに50円の協力金を出している。09年の湘南地区のタゲリ一斉調査では17羽で、前年より少し回復した。しかし、神奈川県の水田面積は75年の8340haが07年には半減で、タゲリが減る可能性がある。ここでの休耕田ビオトープ、自然再生例を県内に展開するよう進めている。
(神奈川「はばたき」NO.461,P2)
・死刑囚と中西悟堂
S36年に発生した「吉展ちゃん誘拐殺人事件」の犯人は、死刑確定後、短歌の会「土偶」へ入会を申込むが、死刑囚の入会拒否が大勢を占める中、当時、同会の顧問であった中西悟堂の尽力で入会が実現した。その後、ペンネーム福島誠一として、獄中からの投稿で昭和を代表する歌人と称されるようになった。
(神奈川「はばたき」NO.461,P10)
●2010/10 福井県
・日本野鳥の会北陸ネットワーク立ち上げ
コウノトリやトキの保護や放鳥に協力したいが、野鳥の会会員としては大きな意識のずれがある感じである。柳生会長がコウノトリファンクラブ会長であるのに、当会が全力で支援する事は無い。広域では市民とネットで情報を交換するシステムが完成しており、各現場では本会会員が個々に頑張って、取り仕切っているのが現状で、本会の果たす役割が見えてこない。広域の事案に対し、本会の北陸、新潟と交流するために「日本野鳥の会北陸ネットワーク」を立ち上げる事になった。最終的に中部ブロックネットワークを目指す。コウノトリファンクラブは会員増の戦略で会費一口千円、事務局はコウノトリ写真コンクールを募集し、これではマニュアックの人ばかりになってしまう。
(福井県「つぐみ」NO.157,P3〜4)
・タカの渡り調査報告
10/3、越前市の矢良巣岳(473m)で観察。敦賀湾上をマガン4南下、琵琶湖へ行く個体か。ホシガラスは漂鳥とされるが、この低山に飛来。ガスがかかる中、ハチクマ3、サシバ3、ハイタカ3、オオタカ1、アマツバメ5、クマタカ1、ハヤブサ2が通過する。9/26、敦賀市の天筒山(171m)で観察。サシバ89、ハチクマ81、ハイタカ7、ツミ1、ノスリ3、ミサゴ4、ハヤブサ1が通過する。ここでも低地にホシガラス2が飛来してきた。
(福井県「つぐみ」NO.157,P8、10)
●2010/10-11 京都
・国交省へ要望書提出
琵琶湖の水位調整に欠かせないとして、天ヶ瀬ダムの放流量を増やすためのトンネル水路計画に対し、6/3、当会は前原国土交通大臣へ要望書を提出した。ダム直下でヤマセミが繁殖している場所が1500トン/秒の放流で消滅する、河床掘削で葦原が乾燥化する、中洲除去でイカルチドリの塒、繁殖地が消滅する等の懸念がある。既に施行された伐木事業で多くの野鳥が姿を消し、事前に十分な検討はされていない。2月には土壌流出事故で工事延期となり、宇治市からも見直しの声が出ている。
(京都「そんぐぽすと」NO.166,P8)
●2010/10 奈良
・生物多様性条約
92年、地球サミットで生物多様性条約が成立し、乱獲による生物種の減少、里山崩壊による自然環境の変化、外来種進入による生態系の撹乱を3つの危機として、日本は95年、生物多様性国家戦略を策定した。生物多様性を社会に浸透させる、地域における人と自然の関係を再構築する、森、里、川、海の繋がりを確保する、地球規模の視野をもって行動する事であり、支部もこの流れの中で作業を進めている。10月の名古屋での第10回生物多様性条約締約国会議(地球いきもの会議)で、2020年までに達成すべき目標を定める。
(奈良「いかる」NO.131,P3)
●2010/10 北九州
・ロードハウ島の野鳥保護に学ぶ (NHK BS2放映)
豪州本土から東へ約600kmの小島、ロードハウ島のロードハウクイナは1960年代には25羽まで激減し、急遽、全島挙げての保護活動がされた。入船時、荷物を全てチェック、入島者の制限、車の速度制限(25km/h)、島民の車保有の制限、ネズミの駆除等で現在は300羽を超えた。82年には同島は世界遺産に登録された。
(北九州「北九州野鳥」NO.292,P6)
●2010/10 筑豊
・ごみ拾い続けて8年 (8/30 毎日新聞)
会員のMさんは朝夕、自宅近くの川でごみを拾うのが日課になっている。「1つ拾えば、1つ減る。拾わなければ海まで流れていくかもしれない」と言う。ペットボトルのキャップは途上国の子供たちのワクチンになり、空缶のプルタブは社会福祉協議会で車椅子になる。「自然を守る事は難しいが、愛する事ならできる」として川にまつわる活動をしている。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.392,P11)
・柳生博と森林をかたり、地域をつくる会
10/16、17、飯塚市で同会実行委員会(会長 松尾節朗)主催で開催された。初日は柳生博氏との里山歩き、翌日は同氏の講演会「森林と暮らす、森に学ぶ〜自然が教えてくれる生き方〜」であった。森林環境税を財源とした催しで、森林税を多くの人に啓蒙し、自然を大切にしていくことが主旨である。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.392,P15〜16)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.538
●2010/10 道南檜山
・アオバトの海
・道南桧山の自然保護活動 その1
・幻のキツツキの生息確認 (7/29 毎日新聞)
●2010/11 埼玉
・渡良瀬遊水地の未来
・2010年冬 カモ科調査
●2010/10 千葉県
・青潮をめぐる問題
・ハヤブサ育むロンドン (8/2 朝日新聞)
・世界最長の渡り鳥 キョクアジサシ (8/6 東京新聞)
●2010/11 東京
・東京都産鳥類に認定した鳥
・可哀想の危険
●2010/11 南富士
・サシバと三面舗装の水路
・鳥から知る環境物差し
●2010/10 道南檜山
・アオバトの海 7月〜9月、アオバト飛来する渡島管内の海岸で観察した。早朝は動きは鈍く、10時頃より活発になる。一日で計200羽を超えるアオバトが観察できた。春は♂♀混合で飛来するが、9月、♂と♀の群れに分かれ、渡りに備えている感じは新しい知見であった。
(道南檜山「はちゃむ」NO.92,P4〜5)
・道南桧山の自然保護活動 その1
本会の規約に「野鳥に関する適切な保護思想の普及をする。会員及び地域住民に自然尊重の精神を培う」「野鳥を通した自然保護に必要と認められる諸活動をする」とある。具体的な活動内容は、白神岬、汐首岬での渡り鳥調査、道南を渡って行く渡りのルートを守るための高速道路にシェルター設置要望、白神岬での風車建設へ反対意見等がある。
(道南檜山「はちゃむ」NO.92,P8〜9)
・幻のキツツキの生息確認 (7/29 毎日新聞)
1988年以降、目撃されず絶滅の恐れが出ていたミユビゲラが、北方森林鳥類調査室と岩手大学農学部保全生物学研究室の共同調査で、大雪山国立公園内で生息が確認された。分布南限に位置した孤立した個体群とされ、ここでは未だ♀が確認されていない。
(道南檜山「はちゃむ」NO.92,P12)
●2010/11 埼玉
・渡良瀬遊水地の未来
06年、「渡良瀬遊水地をラムサール登録地に!」と支部を挙げて、署名活動をしたが、残念ながら、今回は登録地に至らなかった。同条約登録地になるためには3つの条件がある。条約湿地の適合にはいくつかは満足している。保全が担保されているかは河川整備計画の中で可能かの議論が始まる。地元自治体から賛意を得ることでは同地保全・再生検討委員会は「トキやコウノトリが舞う魅力的な地域作りの一助になるよう連携を強める」としている。南関東エコロジカル・ネットワークの5つの対象エリアの中の1つに入ったのは登録への追風になる。
http://www.env.go.jp/nature/ramsar/conv/2-1.html
(埼玉「しらこばと」NO.319,P2〜3)
・2010年冬 カモ科調査
1/9〜11、埼玉県内41個所を調査した。ハクチョウ類を含み17種、14,241羽を記録。内訳はコハクチョウ188、マガモ3,049、コガモ2,743、カルガモ2,535、ヒドリガモ2,234、オナガガモ1,310、キンクロハジロ1,068、ホシハジロ227、ヨシガモ139、ハシビロガモ105等。オシドリは1羽のみ、トモエガモは5羽のみと急減した。
(埼玉「しらこばと」NO.319,P4)
●2010/10 千葉県
・青潮をめぐる問題
9/9、千葉県の東京湾北部で青潮が発生し、水中の酸素が少なくなり、ボラが水面に鼻を上げて、3千羽程のウミネコが集結するのが見られた。今夏は猛暑で大規模な赤潮が発生し、海底には無酸素水塊が溜まっており、9/9は台風通過でその水塊が海面へ湧昇した。浅海域の底生生物が死滅し、それを餌資源とするシギ・チドリ、スズガモに影響を与えた。千葉灯標といい観測ポストで溶存酸素量をネットで公開しており、これと天気図での風の予想で、事前に青潮の発生が予測できる。行政は青潮が発生しない条件作りと、青潮から生物を守る方策を実行すべき。
http://www4.kaiho.mlit.go.jp/kaihoweb/contour1MapServ
(千葉県「ほおじろ」NO.354,P3〜4)
・ハヤブサ育むロンドン (8/2 朝日新聞)
ロンドンではハヤブサは戦時中は軍用伝書鳩を守るため駆除され、戦後もDDTで生息数が激減した。しかし、十数年前から高層ビルに進出しだした。ロンドンでは建物屋上緑化、鉄道線路脇に緑の廊下を作り、郊外の緑の面へ繋ぎ、そこから生物を呼び寄せている。現在、市内に24番のハヤブサの生息地が確認されている。ハヤブサが戻った国会議事堂でも塔の中に人工巣が置かれた。
(千葉県「ほおじろ」NO.354,P12)
・世界最長の渡り鳥 キョクアジサシ (8/6 東京新聞)
神奈川県大磯町の照ケ崎海岸で、キョクアジサシが7/20〜28滞在した。北極圏で繁殖し南極まで移動する。移動ルートが日本からそれているため、日本産鳥類目録には未収録で論文掲載も無いため、同目録への収録を検討している。
(千葉県「ほおじろ」NO.354,P13)
●2010/11 東京
・東京都産鳥類に認定した鳥
キョクアジサシ:98/6、江東区の防波堤埋立地で撮影された。ヤイロチョウ:05/6、青梅市の御岳山で囀りが収録された。オオチドリ:02/7、江東区の埋立地で撮影された。チャキンチョウ:01/12、小平市で撮影されたが、籠抜けも否定できない。本会の野鳥記録委員会では個人がネット上に掲載した東京都の野鳥情報も、チェックをしている。
(東京都「ユリカモメ」NO.661,P18〜19)
・可哀想の危険
カワセミやカルガモ等の可愛い鳥の卵や雛をアオダイショウが食べるのを見て、蛇を駆除するのが善意、正義と思っている野鳥愛好家が結構多い。これは「危険な善意」で「地獄への道は善意で敷き詰められている」との言葉もある。静かに見守るのが基本であり、カワセミ、カルガモはむしろ都会に適応した図太い奴らである。
(東京都「ユリカモメ」NO.661,P21)
●2010/11 南富士
・サシバと三面舗装の水路
1930年代はヤマカガシはアヤアカガエル、ニホンアカガエル、ヒキガエル、ツチガエルを多く食べていた。シマヘビはヤマアカガエルとトノサマガエルを多く捕食していた。1980年代の調査では、両種の蛇ともアマガエルが主な餌になっている。この間、圃場整備が進み、水路は三面舗装され、田植え時、聞こえる蛙の声はアマガエルだけになった。舗装された水路を登れるのは吸盤を持つアマガエルだけである。これでは蛇に影響が出て、蛇に依存するサシバにも影響が出ている。
(南富士「さえずり」NO.336,P7)
・鳥から知る環境物差し
日本鳥類保護連盟作成のシートから。自然環境の指標となる野鳥50種を選び、その環境状況を点数で評価する方法が示されている。春から夏の繁殖時期に観察し、羽数ではなく種数で評価する。例えば1点:ハシブトガラス、2点:ハクセキレイ、3:シジュウカラ、ヒヨドリ、4:コゲラ、メジロ、5:モズ、ホオジロ、カワセミ、ヒバリ、カッコウ、6:イカル、7:アカゲラ、キビタキ、8:アオバズク、オオルリ、サンコウチョウ、クロツグミ等、9:アカショウビン、サシバ、10:クマタカ等である。総計1〜20点は都市化が進んでいる、21〜40は比較的緑がある街、41〜80は田園地帯、81〜120は里山的環境、121以上は自然豊かな場所とか評価できる。
(南富士「さえずり」NO.336,P8)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.539
●2010/10 小樽
●2010/11 オホーツク
・ヒシクイってどんな鳥
●2010/11 千葉県
・平成22年千葉県内のサギ山
・昔はよかったと思ってしまう
・温暖化で?チョウが北上 (9/17朝日新聞 9/25 讀賣新聞)
●2010/11 奥多摩
・2010年秋多摩タカの渡り観察速報
・アカゲラ
●2010/11 徳島
・風車群が野鳥に及ぼす影響
●2010/11-12 広島県
・ガンカモ調査、環境省・県と共同態勢に
・秋のシギ・チドリ渡り調査結果
●2010/11 高知
・2010秋タカの渡り探鳥会
●2010/11 北九州
・2010年秋ハチクマの渡り報告
●2010/11 筑後
・アオバト
●2010/11 宮崎県
・枇榔島 国の鳥獣特別保護区に
●2010/11 オホーツク
・ヒシクイってどんな鳥
オホーツクで亜種ヒシクイを見るのは渡りの途中である。ここで見た最も大きな群は900羽強で、湖沼で塒をとり、夜明けと共に周辺の耕作地、草地や湿地で草木類を食べる。宮島沼のマガンのように明るい内に何百という群を水面で見る事はない。濤沸湖では3月下旬〜4月上旬、9月下旬〜11月上旬に個体数がピークになる。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.282,P6)
●2010/11 千葉県
・平成22年千葉県内のサギ山
県内にある14個所のサギ山を調査した。滞在シラサギ類最大羽数は16,813羽、内訳はダイサギ:18.7%、チュウサギ:43.1%、コサギ:21.5%、アマサギ:16.7%であった。これとは別にアオサギ2,021羽、ゴイサギ1,523羽を記録。前年と比較し、チュウサギは約800減、コサギは約300増、アマサギは約100増、ゴイサギは約600減であった。雛誕生の最盛期は4月の平均気温に依存し(2003 上田)、今年は12℃と低いため、通常より約1箇月遅い8月中旬に雛最大、滞在羽数最大となった。
(千葉県「ほおじろ」NO.355,P3〜6)
・昔はよかったと思ってしまう
S52〜53年、船橋市でアトリ、ベニヒワの圧巻の群が見られた。千葉県の平野部でベニヒワの群が見られたのはその時だけであった。行徳野鳥観察舎では10万を超えるスズガモが見られたが、今になっては・・・。荒川放水路や上野の不忍池ではカモはオナガガモが最優先種であった。当時は潜水ガモは余り見かけなかった。
(千葉県「ほおじろ」NO.355,P7)
・温暖化で?チョウが北上 (9/17 朝日新聞 9/25 讀賣新聞)
環境省の生きもの調査で、09年に寄せられた858件のツマグロヒョウモンのデータを見ると、10年以上前は殆ど見つかっていない北関東まで入り込んでいる事が確認された。ナガサキアゲハは数年前まで茨城県が北限であったが、今年、福島県いわき市で見つかった。
(千葉県「ほおじろ」NO.355,P12〜13)
●2010/11 奥多摩
・2010年秋多摩タカの渡り観察速報
今年の奥多摩の3個所でのサシバの渡り総計は2,268羽となり、過去14年間で最大となった。北関東、東北の5月〜9月の5箇月平均気温を見ると、サシバの渡り数が多い年は少ない年より1℃〜2℃高く、育雛に良い影響があったかもと推察する。今年はピークは9/26の953羽、10/2の647羽で、その前後も多く、計3日も続くパターンは初めてであった。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.197,P2〜3)
・アカゲラ
アカゲラは留鳥または漂鳥とされ、奥多摩では丘陵部、河川では秋冬に見られ(漂鳥)、山地では一年中見られるので留鳥である。飛島で、5月と10月にアカゲラを見ているが、ひょっとすると、渡りをする個体群もいるのかもしれない。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.197,P24〜25)
●2010/11 徳島
・風車群が野鳥に及ぼす影響
大川原高原を一変させた風車群のある「風車区」と隣接するほぼ自然環境、調査距離が同じ「対象区」で1年間、毎月、野鳥の種数、個体数を調査した。11月と2月を除く他の月で、「風車区」の種数の方が下回った。個体数も同様である。クマタカも風車が本格稼働すると、5年連続繁殖が止まった。
(徳島「野鳥徳島」NO.386,P10)
●2010/11-12 広島県
・ガンカモ調査、環境省・県と共同態勢に
今冬から県下のガンカモ調査、支部に環境省・広島県から協力依頼があった。これにて調査対象個所が増える、全国的な統計資料になる、禁猟区設定や、公共事業の際の参考資料活用等のメリットが出る。
(広島県「森の新聞」NO.171,P4)
・秋のシギ・チドリ渡り調査結果
9/12前後、広島県下10個所で調査した。21種、383羽を記録。内訳はソリケリ82、ハシシギ69、トウネン42、イソシギ28、シロチドリ27、タシギ21、クサシギ19、キアシシギ15、ダイゼン14、アオアシシギ10等。
(広島県「森の新聞」NO.171,P5)
●2010/11 高知
・2010秋タカの渡り探鳥会
高知県西部の虚空蔵山山頂で、9/29:サシバ155、ハチクマ2、ミサゴ1、9/29:サシバ約800で今期最大、10/2:サシバ18、ハチクマ2。高知市南部の五台山展望台で10/10:サシバ330、ハチクマ3、ノスリ7、ハヤブサ1、10/11:サシバ547、ハチクマ1。北ルート終焉後、こちら側が増える。
(高知「しろぺん」NO.287,P3〜4)
●2010/11 北九州
・2010年秋ハチクマの渡り報告
9/28、今期のハチクマの渡り最大数を記録した。風師山:1,002、皿倉山:1,700、六ケ岳(筑豊):760、福岡油山:2,300。9/26、風師山でハチクマの渡りの中にホシガラス1が確認された。北九州で初記録である。秋、ホシガラスも高山地帯から他へ動くものがあるようである。
(北九州「北九州野鳥」NO.293,P9)
●2010/11 筑後
・アオバト
アオバトの英名はWhite-bellied Green Pigeonで、「白い腹の緑バト」で、古来、緑色をアオと表現し、アオバトの和名由来と合う。大磯町の照ヶ崎海岸や、小樽市の張礁海岸では3〜400羽の群が観察される。筑後地区では大牟田市の黒崎公園付近の海岸でも小規模の飛来が見られる。内陸部のアオバトは味噌、醤油工場の塩分を含んだ排水や塩分を含んだ温泉に来る。海岸に来るアオバトはホバリングをして尾羽を海水に浸ける「おっつけ」と呼ばれる行動をする。
(筑後「まめわり」NO.115,P8)
●2010/11 宮崎県
・枇榔島 国の鳥獣特別保護区に
国の天然記念物のカンムリウミスズメの繁殖地、枇榔島と小枇榔島が8/28の公聴会を経て、10/4の中央環境審議会野生生物部会の答申を受け、国の鳥獣特別保護区に指定される事になった。ここは約3千羽のカンムリウミスズメが集まる世界最大の繁殖地である。支部は賛同意見と要望事項を提出した。蛇や鼠の侵入防止と、磯釣り客の制限、同島周辺での漁業についてきめ細かな検討を求める。本部はこの鳥を海鳥環境保全のシンボルとし、貴金属老舗GINZATANAKAの協力で同鳥のタイニーピンを販売し、売上の一部を保護活動に使う。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.222,P2〜5)
○支部報/会報 保護・調査記事関連トピックスNO.540
●2010/11-12 栃木県
・生物多様性とちぎ戦略策定
・ベランダバードウォッチ2009冬(ムクドリが減っている?)
・冬鳥ウォッチ2009 アトリ
・シジュウカラガン放鳥
●2010/12 軽井沢
・県立鳥獣保護センター設置について
●2010/11 岡山
・豊かな自然環境を持つ深山公園への提言
・ヒヨドリの渡りコース
・ブッポウソウ情報
●2010/11-12 愛媛
・昔話の鳥たち(ホトトギス)
・ジョウビタキの初認調査
●2010/11 筑豊
・柳生会長「森林と暮らす、森に学ぶ」講演
・ヒヨドリの渡り探鳥会
●2010/11 長崎県
・ルリビタキ
●2010/11-12 栃木県
・生物多様性とちぎ戦略策定
9/14、栃木県は同戦略を発表した。行政、県民、保全団体、事業者等が主体的に取り組むための6つの行動計画と5つの重点プロジェクトが示された。今後5年間で取り組むもので、・里地里山保全再生、・河川、湿地保全再生、・野生動植物保全、・生物多様性を支える人づくり、・企業、大学との連携があげられている。
http://www.pref.tochigi.lg.jp/eco/shizenkankyou/shizen/resources/1261734881166.pdf
(栃木県「おおるり」NO.212,P23)
・ベランダバードウォッチ2009冬(ムクドリが減っている?)
09年冬、全国21個所の(住宅地での)ベランダバードウォッチングで合計51種の野鳥が記録された。最近3年間ではヒヨドリが記録率トップで、スズメは2位になった。ムクドリは記録率が低下している。5年前と比較し、ハシブトガラスは統計的に個体数に変動無く、スズメは僅かに減り、ヒヨドリ、シジュウカラは僅かに増加、メジロは増加、ムクドリはかなりの減少傾向にあった。
(栃木県「おおるり」NO.212,P32〜35)
・冬鳥ウォッチ2009 アトリ
バードリサーチが06年より行っている市民参加型の野鳥の調査で、冬期のカシラダカ、アトリ、カワラヒワ、マヒワ、イスカの群での最多個体数を調べている。09年冬はイスカ以外で78件の情報があり、アトリは岐阜県で70万羽以上の大群が記録された。全国的に08年に1万を超えるアトリが記録されたが、09年は500羽程度であった。08年に500羽の群が見られた関東、東海では09年は100羽程度、岐阜県は08年は記録無しであった。このような市民参加型調査への参加者は未だ大変少ない。
(栃木県「おおるり」NO.212,P35〜37)
・シジュウカラガン放鳥
多くの方からの募金のお陰で、9/10、千島列島中部のエカルマ島から86羽のシジュウカラガンが(日本に向けて)放鳥できた。左足にカラーリングが、右足にメタルリングが装着されている。昨年は、日本に渡ってきたシジュウカラガン約90羽が観察された。
(栃木県「おおるり」NO.212,P44)
●2010/12 軽井沢
・県立鳥獣保護センター設置について
長野県の鳥獣保護センター(仮称)設置を求める要望書提出に関し、下記のような状況のため、今回、提出断念した。何度か予算請求したが、通過に至らず。県の財政事情、予算のシーリングのためスクラップ&ビルド以外の新設はできず、鳥獣の被害防止が優先される。ペットの保護関係施設での併設を求めても、ペットが野生動物の病原菌に感染するとして断られる。
(軽井沢「野鳥軽井沢」NO.332,P6)
●2010/11 岡山
・豊かな自然環境を持つ深山公園への提言
8/24、当会は玉野市長へ同公園の管理について要望書を出した。特別鳥獣保護区は一面に下草を刈る造園的管理でなく、動植物の生息状況を調査し、生態学的に即した管理を望む。多様な動植物を維持するためには、在来種の高木、亜高木、低木、下草等がセットで存在し、餌をとる場所、水飲み場、隠れる場所、巣作りする場所、塒する場所等が継続できるよう環境を整備、維持する事を求める。人が持込んで遺棄されたノネコ対策も必要である。
(岡山「野鳥おかやま」NO.181,P2〜4)
・ヒヨドリの渡りコース
20年間の観察で、岡山県南部の秋のヒヨドリの渡りルートに3コースがあるようである。瀬戸内海に近い内陸を西へ移動する山陽路コース、その北側を移動する吉備路コース、県東部の夕立受山を経て瀬戸内海へ?のコースである。
(岡山「野鳥おかやま」NO.181,P11)
・ブッポウソウ情報
新聞報道によると、広島県で下記2個所でブッポウソウの保護活動が行われている。三次市で九州大学大学院の研究員を中心に、今夏に148番を確認(4年前より40組増加)、保護活動をしている。庄原市で日本鳥類保護連盟支部が中心に地元のブッポウソウを守る会と保護活動をしている。町内45個所に巣箱が設置されており、それを巡回する観察会を実施した。
(岡山「野鳥おかやま」NO.181,P11)
●2010/11-12 愛媛
・昔話の鳥たち(ホトトギス)
山形県の小学生がホトトギスの鳴き声について、各地に昔話が無いかの照会が各支部にあった。山形では兄弟の話で、ホトトホシ(弟ほしい)と弟を探して鳴いているとある。愛媛ではモグラとホトトギスの話で、モグラが借金し、ホトトギスはトッテカケタカ(借金払ったか)と鳴く。
http://www.yanakend.com/nikki5/otto/otto.htm
(愛媛「コマドリ」NO.199,P3)
・ジョウビタキの初認調査
支部は09年の愛媛県下のジョウビタキ初認と分布調査、166件の報告を地図にまとめた。
http://ehime-wbsj.com/archives/2010/01/joubitaki_report/
今年は下記の調査フォームを用意して調査する。
http://ehime-wbsj.com/cgi-bin/jyoubitaki/jyoubitaki.cgi
(愛媛「コマドリ」NO.199,P18)
●2010/11 筑豊
・柳生会長「森林と暮らす、森に学ぶ」講演
10/17、飯塚市で本部の柳生会長の講演があった。同会長は名古屋のCOP10で里山保全を提案され、この講演での話題になった。「稲作伝来の地の里山」を知らしめよ、シギチが入る水辺が少ないので、一枚の休耕田でも水を入れて欲しい、森や田畑の草を刈って欲しい、そこには人も野鳥も来る、間伐し、荒れた森の手入れをして欲しい、森に太陽光を十二分に入れ、生物多様化が望ましい、努力結果の報告もしなさいとあった。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.393,P7〜8)
・ヒヨドリの渡り探鳥会
10/10、彦山川河川でヒヨドリの渡りを観察した。9:00〜9:30:611羽、以下30分毎に9:30:194羽、10:00:482、10:30:299、11:00:359、11:30:208。9時から12時までに、総計2,153羽のヒヨドリが通過した。ハヤブサ、ハイタカが群を襲った。
(筑豊「野鳥だより・筑豊」NO.393,P10)
●2010/11 長崎県
・ルリビタキ
冬のルリビタキは夏の高原での鮮やかな青色が出ていない。青い羽根の先端に細い茶色の部分があり、多少くすんで見える。その部分が擦り減り、夏には青い部分のみとなる。冬、バンディングで同じ個体が何度も霞網に掛かる。それも同じ網の同じ位置で、学習能力が低い?それとも行動パターンを頑固に変えないのかも。
(長崎県「つばさ」NO.278,P2〜3)
(自然保護室支援・野鳥の会 神奈川/森 要)
■ねむろバードランドフェスティバル 2011 開催決定■
今年で4回目を迎える冬の野鳥の祭典「ねむろバードランドフェスティバル2011」が開催されます。今回から、根室の希少鳥類保護活動への寄付をイベントの開催趣旨として、新たに「ねむろバードソン」も開催することになりました。開催日時は下記の通りです。
【日時】平成23年2月26日(土)
8:00〜18:30
平成23年2月27日(日)
9:00〜17:00
【場所】根室市白鳥台センター「スワン44ねむろ」
根室市春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンター
他市内各所
【イベント】
ねむろバードソン(バードウォッチングマラソン)
オオワシ探鳥会
港めぐりバスツアー
親子・初心者向け探鳥会
夕暮れのミステリーツアー
歯舞パノラマクルーズ
落石ネイチャークルーズ など
詳細は、根室市観光協会・観光インフォメーションセンターにお問合せください。
電話:0153−24−3104
URL:http://www.nemuro-kankou.com/
(サンクチュアリ室/手嶋洋子)
■12月31日まで「ウィンターフェア」開催中! 支部卸販売をご利用下さい■
会誌「野鳥」12月号に「ウィンターフェア2010」のカタログを同封致しました。また、支部販売事業ご担当の皆様には、11月下旬に当フェアについての支部卸販売のご案内を別途送らせていただいております。今回は、定番の光学機器に加え、オリジナル商品の割引セールもございます。ご好評につき完売した商品もございますが、まだまだ余裕のあるものもございます。ご利用をお待ちしております。
探鳥会やイベント等で会員や参加者の皆様にご案内いただき、支部でご注文を取りまとめていただければ、支部卸価格で販売させていただきます。商品を通じたコミュニケーション、支援者の輪の拡大にぜひご活用ください。
※支部卸のご注文方法につきましては、ウィンターフェア2010の支部卸販売のご案内をご確認下さい。
ご不明点はお気軽にお問合せ下さい。
※12月29日〜1月4日までは事務所が休業となります。ファックスでのご注文は休業中も受け付けております。
●本件についてのお問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636
[email protected]
(普及室/江面康子)
■フィールドノート(旧商品)を
支部卸限定価格にて販売いたします!■
新商品フィールドノートU発売にともない、旧フィールドノートを割引価格にて支部の皆様にご提供いたします。
●商品番号606790 フィールドノート(カバー付)
定価805円 → 割引価格500円(税込)
●商品番号606780 詰め替え用チェックリスト
・10冊セット:定価2,920円
→ 割引価格1,500円(税込)
・30冊セット:定価8,760円
→ 割引価格3,900円(税込)
・50冊セット:定価14,600円
→ 割引価格5,000円(税込)
野鳥観察の際に必携であるフィールドノート。また、チェックリストは、観察した野鳥を一つ一つチェックできる、他にはない当会オリジナルのものです。例えば、チェックリストは探鳥会で参加者の方に配布していただくなど活用法は様々です。ぜひこの機会にご利用ください!
なお、新商品の詰め替え用チェックリストとの違いとして、旧商品には野鳥のチェックリストを3回分収録していますが、一方で新商品に収録されているフィールドマナーやアドレス帳は含まれません。ご了承ください。
尚、商品がなくなり次第終了となります。予めご了承ください。
●本件についてのお問い合わせ
普及室 販売出版グループまでお願いします。
TEL:03-5436-2623 FAX:03-5436-2636
[email protected]
(普及室/高瀬桃子)
■支部名称等変更のお知らせ■
●茨城支部 (2010年11月1日より)
・新名称:『日本野鳥の会茨城県』
・支部長→会長
(総務室/五十嵐 真、田中 綾)
■支部名称変更に関するお願い■
先般より公益法人制度改革への対応に伴い、支部名称等のご変更をお願いしております。総会等でご変更内容が確定された際は、お手数ですが新しい規約を添えて文書にて下記宛お知らせください。
【新規約のご送付はこちらまで】
〒141-0031品川区西五反田3-9-23丸和ビル3F (財)日本野鳥の会総務室総務グループ
TEL 03-5436-2620
Eメール [email protected]
(総務室/五十嵐 真、田中 綾)
■公益財団法人への移行について(ご報告)■
公益財団法人への移行作業の進捗状況について、11月30日支部代表者宛てに以下の内容でご報告いたしましたので、本通信上でもお知らせいたします。
●公益財団法人移行に係る内閣府との折衝状況と今後の対応について
移行認定申請後初めての内閣府との折衝を、去る11月10日に行いました。当会が行った認定申請の内容につきましては、大筋で問題はないとのことでしたが、比較的重要な指摘として次の3点について対応が求められました。
① 「役員報酬規程」の一部変更
② 「常勤役員退任慰労金規程」の添付
③ 特定預金の公益目的保有財産から指定正味財産への移行
①については、表記されている金額が一人当たりの金額かどうかや賞与を含めたものかどうかなどについて規程中に明記することや、監査を受ける側の理事会が監査を行う監事の給与を決めるのは問題があるなどが主な指摘でした。指摘された事項については、早急に条文の一部修正を行う予定です。
②については、申請書類に特に添付の明記がなかったため、当初申請に添付していませんでしたが、役員の報酬に絡むことなので添付するようにとの指導でした。(内閣府は、天下りを受け入れている法人等における巨額の報酬や退職金に、異常なほどの目配りをしています。)
この規程の追加提出につきましては、従来の常勤役員退任慰労金規程を新制度版に修正して提出しようと考えています。
③については、新たな公益法人制度において、公益財団(社団)法人には遊休財産の保有制限があります。取り崩して事業費に充てる基金は、用途が公益事業のためでも遊休財産扱いとなり、当会が申請した取り崩し型の基金は、公益目的保有財産としては認めがたいとのことであり、指定正味財産へ移行してはどうかとの助言でした。この件については、基金の主要なもので指定正味財産になじむものについては移行し、遊休財産が過大にならないよう対応しようと考えています。
以上の3点につきましては軽微な変更とも考えられ、あらかじめ理事会及び評議員会で了承をいただいているように、事務局において整理し必要な差し替えを行うことが考えられますが、内閣府や現在の監督官庁である環境省の指導もあり、11月17日に行った常務会において、書面表決理事会を開催し機関決定を行うこととなりました。
なお、申請書類における経理関係の書類は多岐にわたっており、細部の微修正や追加事項などは少なくありません。このための作業や、書面表決理事会開催にかかる日数などから、申請書類の差し替えについては今しばらく時間がかかると思われます。
内閣府における審査過程については、①内閣府の担当職員によるチェック →②担当委員(1名)による事前検討 →③常勤(認定)委員による事前検討 →④認定等委員会(7名)による審議、と進むとのことであり、現在は②の段階であるとの説明を受けたところです。
次に、今後の対応方針についてお知らせします。前述しましたように、できるだけ早い期日で認定を受けるべく鋭意努力をしているところですが、認定の具体的な時期については明確ではありません。今年いっぱいに認定がいただける可能性がある一方、内閣府における委員会の開催日程や、省庁間の公文書のやりとり(環境省や警察庁など)などのこともあり、年明けの認定にずれ込む可能性も少なくありません。
もし、年明け以降の認定となりますと、分かち決算や連携団体全国総会(仮称)の開催と密接な関連が生じてきます。分かち決算とは、新法人の登記までの決算と、今年度の残りの期間の決算の両方を一事業年度内に行うことであり、9億円を超える予算規模でしかも個々の事業が小規模でかつ多岐にわたる事業を展開している当会におきましては、とりまとめ等に係る事務局職員負担が多大なものとなることが予想されます。(従来、決算のとりまとめには2ヶ月以上の期間を当てており、仮に1月中の認定で2月1日登記となると、登記までの決算ができあがるのが3月中〜末となります。次年度予算との関係や、新評議員会や新理事会の開催調整など、事務局における各種の事務が集中しかなり煩雑になることが予想されます。)
そこで、今後の対応方針としまして、年内に認定が得られる場合と、年内に得られず1月以降にずれこむ場合との2つのケースに分けて対応を整理することとしました。
【ケース1】
→年内に公益財団法人の認定が得られる場合
- 予定通り移行作業を進める。(新法人の登記日を、例えば1月4日に行うなど。登記を受け付ける法務局は1月3日までお休みのため4日とする。ただし、1〜3日は休日のため当会の事業に伴う金の動きがほとんどないので、決算処理がしやすい。)
- 分かち決算を、年内とそれ以降に分けて行う。
- 予定どおり2月19〜20日に連携団体全国総会(仮称)を開催する。
【ケース2】
→年内に公益財団法人の認定が得られない場合
- 分かち決算等の関係から年度内の公益財団法人への移行を断念し、4月1日登記を目指す。(最近の内閣府の対応として、このようなケースの場合、認定時期を希望に合わせ調整する(遅らせる)ことが可能とのことです。)
- 分かち決算は不要となる。但し、現在のメンバーによる理事会及び評議員を開催し、次年度の事業計画及び予算を機関決定する必要がある。
- 2月に予定している連携団体全国総会(仮称)は延期とし、新年度の移行作業等が落ち着いた段階で開催する。
以上が、公益財団法人移行に係る内閣府との折衝状況と、今後の対応に関する基本方針です。予定していました移行作業が遅延しており誠に申し訳ありませんが、現状をご理解いただき、ご協力をいただきますようよろしく願いいたします。
(総務室/五十嵐 真、田中 綾)
■「支部報とりまとめ発送」次回日程のご案内■
次回の支部報取りまとめ発送は、2011年1月11日(火)となりました。支部報は下記要領でお送りください。(取りまとめ発送の詳細については、支部ネット通信2010年4月号をご覧ください。)
送付〆切:1月7日(金)必着 (※10日(月)が祝日のため少し早くなっています。)
送付部数:110部
※東京は130部、お願いいたします。
※神奈川、埼玉、奥多摩、千葉県は120部、お願いいたします。
※ご事情により必要部数に満たない場合は、こちらで発送先を調整させて頂きます。
【支部報の受付、お問い合わせはこちらまで】
〒141-0031東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル3F
(財)日本野鳥の会総務室 総務グループ (担当;小川、鈴木)
TEL 03-5436-2620 メール [email protected]
(総務室/五十嵐 真、田中 綾)
■会員数■
●11月1日会員数40,603人(対前月-240人)
会員数は先月に比べ240人減少しました。
11月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より-247人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。11月の入会者数は138人で、前年同月の入会者80人に比べ58人増加しました。
また、11月の退会者数は385人で、前年同月の退会者数362人に比べ23人増加しました。
表1.11月の入会・退会者数
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。
●都道府県および支部別会員数
野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。
表2.都道府県別の会員数(12月1日時点)
備考:その他は海外在住の会員を示します。
表3.支部別の会員数(12月1日時点)
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/沖山展子)
■支部ネット担当より
今年も一年間、ありがとうございました。
みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。
(会員室長/小林豊)
支部ネット通信 第81号
◆発行
財団法人日本野鳥の会 2010年12月24日
◆担当
会員室
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23
丸和ビル
TEL:03-5436-2632
FAX:03-5436-2635
E-mail:[email protected] |