No.38 2007年5月号

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■2006(H18)年度会員数報告
■支部の動き
  支部長交代のお知らせ
  支部報保護・調査記事関連トピックス
■理事会報告
  平成18年度第四回理事会(定例)議事録
■事務局からのお知らせなど
  鳥インフル清浄化宣言と感染経路チーム中間報告
  子どもワークキャンプ“タンチョウ・レンジャー”
  Strix(ストリクス) Vol.25発行遅延のお詫び
  支部報とりまとめ発送のご案内
  公益法人制度改革 別表訂正のお詫び
  2008年会員証の作品を募集します
  震災などに備えた、会員・支援者データの保管
  会員数 前月より微増

2006年(H18)度会員数報告

■会員数の推移■
●会員減少は依然続く
 2006(H18)年度の新入会者数は2,114人、退会者数は3,120人でした。2007年4月1日時点の当会会員数は45,023人となり、会員の減少が続く形となっております(グラフ1参照)。
グラフ1
●新入会者は微増
 グラフ2は年度毎の新入会者数と退会者数、および会員が翌年も会員を継続する率(継続率)を示しています。
 05年度と比較すると、新入会者数は33名の増加となっています。退会者数、継続率は05年度に比べて増加していますが、これは05年4月に会費切れ猶予期間を延長し一律7ヶ月にしたため(※)、05年度は一時的に退会者数が減少していることによるものです。04年度以前と比較すると、06年度の退会者数は減少しており、これに伴い継続率は上昇しています。これは会費切れ猶予期間を延長し、その間に継続のお願いを繰り返した効果が表れているものと思われます。
※2005年3月までの会費切れ会員の猶予期間は会費期間終了後2ヶ月(特別会員は6ヶ月)でした。
グラフ2

●新入会者における総合会員の比率が上昇中

 新入会者、および退会者の会員種別の推移をグラフ3、4に示しました。総合会員(おおぞら会員)の新入会者の比率は04年度までは減少していましたが、05年度からは上昇し06年度は23.1%となりました。
 退会者の比率では、支部型会員(赤い鳥会員)が05年度に比べ3.0ポイント増加しました。
グラフ3

グラフ4

■地域別会員数■

●沖縄県の伸び率が最大
 都道府県別の会員数の増減傾向を対前年の伸び率の高い県から順に表1に示しました。06年度の伸び率が最も高いものは、沖縄県の5.26%でした。06年度の全国の伸び率はマイナス2.19%と05年度より0.96ポイント低下し、会員数が増加した都道府県は05年度より6県減少し8県となりました。

表1.都道府県別の会員数の伸び率
(2007年4月1日現在)
順位 都道府県 会員数 増減 伸び率
1 沖縄県 160人 8人 5.26%
2 滋賀県 370人 9人 2.49%
3 岡山県 646人 15人 2.38%
4 栃木県 564人 12人 2.17%
5 福井県 287人 4人 1.41%
6 富山県 259人 3人 1.17%
7 宮城県 588人 3人 0.51%
8 宮崎県 296人 1人 0.34%
9 秋田県 260人 0人 0.00%
9 和歌山県 227人 0人 0.00%
11 三重県 533人 -3人 -0.56%
12 鹿児島県 425人 -4人 -0.93%
13 福岡県 1,553人 -19人 -1.21%
14 北海道 2,024人 -25人 -1.22%
15 山梨県 365人 -5人 -1.34%
15 山口県 515人 -7人 -1.34%
17 山形県 218人 -3人 -1.35%
18 福島県 850人 -12人 -1.39%
19 長野県 1,015人 -18人 -1.74%
20 香川県 267人 -5人 -1.84%
21 兵庫県 1,741人 -35人 -1.97%
22 東京都 6,830人 -141人 -1.98%
23 埼玉県 2,733人 -56人 -2.01%
24 大分県 270人 -6人 -2.17%
25 岩手県 473人 -11人 -2.27%
26 石川県 329人 -8人 -2.35%
27 鳥取県 232人 -6人 -2.51%
28 茨城県 1,175人 -31人 -2.57%
29 大阪府 2,354人 -64人 -2.64%
30 神奈川県 4,677人 -130人 -2.70%
31 熊本県 457人 -13人 -2.77%
32 新潟県 484人 -14人 -2.80%
33 岐阜県 653人 -19人 -2.82%
34 京都府 954人 -29人 -2.94%
35 島根県 157人 -5人 -3.09%
36 静岡県 1,681人 -55人 -3.17%
37 千葉県 2,325人 -79人 -3.28%
38 愛知県 1,839人 -68人 -3.56%
39 群馬県 962人 -36人 -3.60%
40 佐賀県 215人 -9人 -4.02%
41 広島県 710人 -30人 -4.04%
42 高知県 183人 -8人 -4.15%
43 青森県 344人 -16人 -4.41%
44 奈良県 643人 -30人 -4.46%
45 長崎県 272人 -13人 -4.56%
46 徳島県 391人 -23人 -5.56%
47 愛媛県 387人 -31人 -7.40%
    44,893人 -1,012人 -2.19%

●会員数増の支部は23支部
  支部の会員数の増減傾向を対前年の伸び率の高い順に表2に示しました。会員数が増加した支部は、05年度より3支部増加し23支部となりました。支部会員の全体の伸び率はマイナス2.88%と、05年度より0.81ポイント減少しました。

表2.支部別の会員数の伸び率
(2007年4月1日現在)
順位 支部 会員数 対前年比 伸び率 順位 支部 会員数 対前年比 伸び率
1 小清水 6人 2人 50.00% 46 熊本県 455人 -11人 -2.36%
2 福島県原町 20人 4人 25.00% 47 宮城県 569人 -14人 -2.40%
3 オホーツク 213人 20人 10.36% 48 埼玉県 2,253人 -57人 -2.47%
4 道北 37人 3人 8.82% 49 福島 204人 -6人 -2.86%
5 江別 25人 2人 8.70% 50 茨城 1,131人 -36人 -3.08%
6 滋賀 318人 25人 8.53% 51 高知 188人 -6人 -3.09%
7 南伊豆 59人 3人 5.36% 52 山形県 218人 -7人 -3.11%
8 佐渡 23人 1人 4.55% 53 十勝 149人 -5人 -3.25%
9 会津 71人 2人 2.90% 54 千葉県 1,759人 -60人 -3.30%
10 旭川 93人 2人 2.20% 55 兵庫県 1,484人 -51人 -3.32%
11 伊那 96人 2人 2.13% 56 京都 1,016人 -35人 -3.33%
12 滝川 53人 1人 1.92% 57 新潟県 404人 -14人 -3.35%
13 福井県 281人 5人 1.81% 58 佐賀県 259人 -9人 -3.36%
14 和歌山県 230人 4人 1.77% 59 遠江 471人 -17人 -3.48%
15 岡山県 623人 10人 1.63% 60 大分県 276人 -10人 -3.50%
16 白河 72人 1人 1.41% 61 群馬県 852人 -32人 -3.62%
17 三重県 470人 6人 1.29% 62 軽井沢 265人 -10人 -3.64%
18 栃木県  538人 6人 1.13% 63 諏訪 264人 -10人 -3.65%
19 宮古 121人 1人 0.83% 64 神奈川 3,700人 -154人 -4.00%
20 やんばる 127人 1人 0.79% 64 東京 4,877人 -203人 -4.00%
21 筑後 185人 1人 0.54% 66 愛知県 1,452人 -61人 -4.03%
21 釧路 186人 1人 0.54% 67 札幌 404人 -17人 -4.04%
23 福岡 772人 4人 0.52% 68 大阪 2,258人 -97人 -4.12%
24 福島県相双 13人 0人 0.00% 69 沼津 237人 -11人 -4.44%
24 富山県 235人 0人 0.00% 70 徳島県 428人 -20人 -4.46%
24 島根県 172人 0人 0.00% 71 静岡 547人 -26人 -4.54%
24 八重山 80人 0人 0.00% 72 盛岡 220人 -11人 -4.76%
28 山口県 526人 -1人 -0.19% 72 吾妻 100人 -5人 -4.76%
29 郡山 227人 -1人 -0.44% 74 奈良 607人 -31人 -4.86%
30 石川 320人 -3人 -0.93% 75 南会津 19人 -1人 -5.00%
31 奥多摩 1,057人 -10人 -0.94% 76 二本松 56人 -3人 -5.08%
32 根室 83人 -1人 -1.19% 77 富士山麓 90人 -5人 -5.26%
32 室蘭 166人 -2人 -1.19% 78 南富士 280人 -17人 -5.72%
34 香川県 235人 -3人 -1.26% 79 木曽 49人 -3人 -5.77%
35 弘前 149人 -2人 -1.32% 80 青森県 210人 -13人 -5.83%
36 宮崎県 294人 -5人 -1.67% 81 長崎県 282人 -18人 -6.00%
37 苫小牧 227人 -4人 -1.73% 82 筑豊 215人 -14人 -6.11%
38 北九州 425人 -8人 -1.85% 83 広島県 675人 -44人 -6.12%
39 甲府 257人 -5人 -1.91% 84 いわき 147人 -10人 -6.37%
40 秋田県 256人 -5人 -1.92% 85 道南檜山 68人 -5人 -6.85%
41 長野 524人 -11人 -2.06% 86 愛媛県 377人 -32人 -7.82%
42 鹿児島県 378人 -8人 -2.07% 87 小樽 143人 -16人 -10.06%
43 北上 134人 -3人 -2.19% 88 東富士 60人 -8人 -11.76%
44 岐阜県 682人 -16人 -2.29% 89 函館 84人 -16人 -16.00%
45 鳥取県 251人 -6人 -2.33% 全支部 41,112人 -1,218人 -2.88%

●組織率は変わらず
  次に都道府県の人口に対してその会員数がどれくらいの割合かという組織率について、表3に示しました。用いた人口は、総務省統計局が出している2004年10月1日現在の人口推計値です。
  全国平均は、0.0352%と昨年の組織率よりも0.009ポイント減少しました。組織率の高い東京都、神奈川県、徳島県、群馬県の上位4都県と、組織率の低い4県は昨年と変わらずでした。

表3.都道府県別の組織率
(2007年4月1日現在)
順位 都道府県 会員数 対人口比
1 東京都 6,830人 0.055%
2 神奈川県 4,677人 0.054%
3 徳島県 391人 0.048%
4 群馬県 962人 0.047%
5 長野県 1,015人 0.046%
6 奈良県 643人 0.045%
7 静岡県 1,681人 0.044%
8 山梨県 365人 0.041%
9 福島県 850人 0.040%
10 茨城県 1,175人 0.039%
10 埼玉県 2,733人 0.039%
12 千葉県 2,325人 0.038%
12 鳥取県 232人 0.038%
14 京都府 954人 0.036%
14 北海道 2,024人 0.036%
16 福井県 287人 0.035%
17 山口県 515人 0.034%
17 岩手県 473人 0.034%
19 岡山県 646人 0.033%
20 兵庫県 1,741人 0.031%
20 岐阜県 653人 0.031%
20 福岡県 1,553人 0.031%
23 三重県 533人 0.029%
24 栃木県 564人 0.028%
24 石川県 329人 0.028%
26 滋賀県 370人 0.027%
26 大阪府 2,354人 0.027%
28 香川県 267人 0.026%
28 愛媛県 387人 0.026%
28 愛知県 1,839人 0.026%
31 宮崎県 296人 0.025%
31 宮城県 588人 0.025%
31 佐賀県 215人 0.025%
31 熊本県 457人 0.025%
31 広島県 710人 0.025%
36 鹿児島県 425人 0.024%
36 青森県 344人 0.024%
38 富山県 259人 0.023%
38 高知県 183人 0.023%
40 秋田県 260人 0.022%
40 大分県 270人 0.022%
40 和歌山県 227人 0.022%
43 島根県 157人 0.021%
44 新潟県 484人 0.020%
45 長崎県 272人 0.018%
45 山形県 218人 0.018%
47 沖縄県 160人 0.012%
全国平均   44,893人 0.352%

●特別会員の比率
会員数が伸び悩む中での収入増の方策として、特別会員の比率を上げるという手段もあります。特別会員を増やすために工夫をしていただいている支部もありますので、今回各支部の会員中に占める個人特別会員の比率を算出しました。表4をご参照ください。

表4.支部別の個人特別会員数の割合
(2007年4月1日現在)
順位 支部 会員数 うち個人
特別会員
比率 順位 支部 会員数 うち個人
特別会員
比率
1 小清水 6人 1人 16.67% 46 千葉県 1,759人 84人 4.78%
2 佐渡 23人 3人 13.04% 47 茨城 1,131人 53人 4.69%
3 江別 25人 3人 12.00% 48 島根県 172人 8人 4.65%
4 会津 71人 8人 11.27% 48 栃木県  538人 25人 4.65%
5 軽井沢 265人 27人 10.19% 50 福井県 281人 13人 4.63%
6 富士山麓 90人 9人 10.00% 51 山形県 218人 10人 4.59%
7 筑豊 215人 21人 9.77% 52 盛岡 220人 10人 4.55%
8 吾妻 100人 9人 9.00% 53 北上 134人 6人 4.48%
9 東京 4,877人 415人 8.51% 54 奥多摩 1,057人 45人 4.26%
10 根室 83人 7人 8.43% 54 高知 188人 8人 4.26%
11 小樽 143人 12人 8.39% 56 岐阜県 682人 29人 4.25%
12 道北 37人 3人 8.11% 57 群馬県 852人 36人 4.23%
13 釧路 186人 15人 8.06% 58 室蘭 166人 7人 4.22%
14 福島県相双 13人 1人 7.69% 59 静岡 547人 23人 4.20%
15 青森県 210人 16人 7.62% 60 白河 72人 3人 4.17%
16 苫小牧 227人 17人 7.49% 61 山口県 526人 21人 3.99%
17 弘前 149人 11人 7.38% 62 やんばる 127人 5人 3.94%
18 福島 204人 15人 7.35% 63 兵庫県 1,484人 57人 3.84%
19 甲府 257人 18人 7.00% 64 奈良 607人 23人 3.79%
20 石川 320人 22人 6.88% 65 筑後 185人 7人 3.78%
21 札幌 404人 27人 6.68% 66 北九州 425人 16人 3.76%
22 宮古 121人 8人 6.61% 67 八重山 80人 3人 3.75%
23 旭川 93人 6人 6.45% 68 大阪 2,258人 80人 3.54%
24 愛知県 1,452人 93人 6.40% 69 秋田県 256人 9人 3.52%
25 長崎県 282人 18人 6.38% 70 佐賀県 259人 9人 3.47%
26 伊那 96人 6人 6.25% 71 広島県 675人 23人 3.41%
27 宮城県 569人 35人 6.15% 72 香川県 235人 8人 3.40%
28 木曽 49人 3人 6.12% 73 南伊豆 59人 2人 3.39%
29 長野 524人 32人 6.11% 74 岡山県 623人 21人 3.37%
30 沼津 237人 14人 5.91% 75 滋賀 318人 10人 3.14%
31 大分県 276人 16人 5.80% 76 和歌山県 230人 7人 3.04%
32 滝川 53人 3人 5.66% 77 愛媛県 377人 11人 2.92%
33 神奈川 3,700人 208人 5.62% 78 熊本県 455人 13人 2.86%
34 富山県 235人 13人 5.53% 79 京都 1,016人 28人 2.76%
35 新潟県 404人 22人 5.45% 80 南富士 280人 7人 2.50%
36 いわき 147人 8人 5.44% 81 鳥取県 251人 6人 2.39%
37 十勝 149人 8人 5.37% 82 函館 84人 2人 2.38%
38 三重県 470人 25人 5.32% 83 徳島県 428人 10人 2.34%
39 福岡 772人 41人 5.31% 83 遠江 471人 11人 2.34%
40 鹿児島県 378人 20人 5.29% 85 二本松 56人 1人 1.79%
41 南会津 19人 1人 5.26% 86 宮崎県 294人 5人 1.70%
42 オホーツク 213人 11人 5.16% 87 東富士 60人 1人 1.67%
43 埼玉県 2,253人 115人 5.10% 88 道南檜山 68人 0人 0.00%
44 諏訪 264人 13人 4.92% 89 福島県原町 20人 0人 0.00%
45 郡山 227人 11人 4.85% 全支部 41,112人 2,146人 5.22%

■男女別・年齢別会員数■

●男性の比率は依然として高い
  グラフ5は2007年4月1日時点での年齢別の男女別会員数を示しています。男性会員数の総数は22,598人と女性会員数の総数9,945人の2倍以上になっています。特に40歳代から70歳代にかけて男性の比率が高くなっています。
グラフ5

●女性入会者は若干の低年齢化
  2006年度の新入会者および退会者の男女別年齢別数をグラフ6、7に示しました。生年月日が不明および性別が不明のものについては、集計の対象外としています。また、家族会員は生年月日の未記入が多いため集計から除いております。
  06年度の男性新入会者のうち最も多いのが60歳代で32.8%、次いで50歳代が24.3%を占めています。女性新入会者のうち最も多いのは50歳代で29.0%、次いで多いのは60歳代で22.3%です。05年度の女性新入会者の最多は60歳代、次いで50歳代でしたので、女性新入会者については若干低年齢化がみられます。
  なお0〜19歳、20歳代を除く全ての年齢層で、男性新入会者数が女性新入会者数を上回っています。
  06年度の退会者で最も多いのは男女ともに60歳代でした。
グラフ6、7

●会員全体での高齢化は進む
  グラフ8は1994年と2007年の年齢別会員数を示しています。生年月日が不明なものはグラフからは除いています。94年の当会会員数は46,520人、07年は45,023人です。
  49歳以下の会員は94年に比べ減少しており、特に20歳から39歳は半数以下に減っています。一方、50歳以上の会員数は94年に比べ増えています。


グラフ8

●平均年齢は高くなる傾向
  ここ7年間の会員の平均年齢を表5に示しました。男女とも平均年齢は高くなる傾向にあり男性58歳、女性56歳で、全体では57歳になっています。これは継続会員の加齢の他に、グラフ6のとおり、50歳代から60歳代の入会が多いことが理由として考えられます。

表5.会員の平均年齢(各年4月1日時点)
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年
男性 53歳 54歳 55歳 55歳 57歳 57歳 58歳
女性 51歳 52歳 53歳 53歳 55歳 55歳 56歳
全体 52歳 53歳 54歳 55歳 56歳 57歳 57歳

■会員歴・会員種別■
●会員のほぼ半数は継続10年以下
  次に会員の継続在籍年数をグラフに示しました。グラフ9は、2007年5月1日現在会員の継続年数です。会員のほぼ半数(45.7%)が継続年数10年以下となっています。グラフ10は、2006年度退会者の在籍年数を示しています。退会者の52.1%は在籍年数10年以下で退会しています。
※昨年までは、例えば入会後2年11ヶ月までを「〜2年」とする方法で計算していましたが、今年より入会後2年0ヶ月までを「〜2年」とする方法に改めました。このため昨年の集計より継続在籍年数が低下しています。ご了承ください。


グラフ9、10

●支部型会員の比率は上昇
  グラフ11は会員種別の比率の推移を示しています。総合会員(おおぞら会員)の比率は年々下がり、支部型会員(赤い鳥会員)の比率は高くなってきています。10年前(97年)と比較すると、07年の総合会員(おおぞら会員)は42.2%と11.6ポイント減少し、支部型会員(赤い鳥会員)は20.1%と6.0ポイント上昇しています。本部型会員(青い鳥会員)は90年代前半に比率が下がる傾向にありましたが、その後高くなり07年は11.2%でした。家族会員は94年から約20%と一定を保っています。
  グラフ中の「その他」は、法人特別会員、名誉会員、生涯会員、購読会員の合計です。


グラフ11

■会員拡大の動向■
●入会パンフレット配布増にともない、入会者数も増
  2006年度は入会パンフレットを66,856件発送・配布(前年度対比122.2%)し、結果として入会者数は前述のとおり2,114人と、前年度対比で101.6%の微増となりました。
  2005年度と2006年度の入会パンフレット発送・配布の件数と、入会者数の内訳は表6のとおりです。

表6.2005〜2006年度・入会パンフレット発送件数と入会件数
2005年度 2006年度
発送
件数
入会
合計
入会率 発送
件数
入会
合計
入会率
入会パンフレット
請求
TEL・FAX・ハガキによる 190 88 46.3% 247 98 39.7%
オリジナル書籍挟み込みハガキによる 70 34 48.6% 51 17 33.3%
電子メール 360 147 40.8% 381 143 37.5%
広告レスポンスその他 60 1 300 12 4.0%
小計 680 270 39.7% 979 270 27.6%
キャンペーン 紹介キャンペーン 273 141 51.6% 222 104 46.8%
お試し入会キャンペーン 922 102 11.1% 1,649 126 7.6%
普及室扱い小冊子 2,570 25 1.0% 810 19 2.3%
その他 20 17 9 12
小計 3,785 285 7.5% 2,690 261 9.7%
DM発送 入会DM発送 23,838 131 0.5% 36,334 210 0.6%
小計 23,838 131 0.5% 36,334 210 0.6%
イベント配布 支部 11,203 307 2.7% 12,632 285 2.3%
会内部 3,766 173 4.6% 5,147 92 1.8%
イベントなど 1,317 30 2.3% 2,261 8 0.4%
入会拠点・募金箱設置場所 10,108 30 0.3% 6,813 28 0.4%
小計 26,394 540 2.0% 26,853 413 1.5%
その他・不明分(オンラインによる直接入会含む) 0 855 0 960
合計 54,697 2,081 3.8% 66,856 2,114 3.2%
・入会パンフレット請求数は増
入会パンフレットの請求をいただき、お送りしたパンフを使用して入会いただく、という経路について、請求数は前年度の約1.4倍となりました。これは、広告の実施やフリーマガジン「トリーノ」の配布開始によるものが大きいところですが、請求数は多かったものの入会者数としては前年度と同数となっています。今後もさらなる請求数の増加を目指し、広報を工夫していきます。
・DM発送数とレスポンスは大幅増
DM発送数、これによる入会者数とも大幅に増加しています。DMの発送方法を、前年度までは年末などにまとめて行っていたものを、名簿獲得後2ヶ月程度で随時発送していく形に切り替えたところ、レスポンスも増加しました(年末発送も、対象者を絞り込んで引き続き実施しています)。この手法は今後も継続していく予定です。

(会員室/齋藤英一郎、伊野純子)

支部の動き

■支部長交代のお知らせ■

 以下のとおり連絡がありましたので、お知らせいたします(敬称略)。

●室蘭支部
新   篠原 盛雄     2007年4月1日付
旧   成田 脩三
     
●二本松支部
新   中野 紀男     2007年4月7日付
旧   紺野  一
●石川支部
新   矢田 新平     2007年4月22日付
旧   橘  映州

(総務室/吉家奈保美)

■支部報保護・調査記事関連トピックス■

 本記事は日本野鳥の会本部に送付されてきている各地の支部報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会内部の方へ配信しております。
本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。


○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.365

●2007/3 室蘭
・大黒島のオオセグロカモメ
●2007/春の巻 弘前
・津軽のガン・カモ・ハクチョウ類一斉カウント調査報告
●2007/3 奥多摩
・青梅永山北部丘陵を開発容認から方針転換
・オオタカの観察日記
・西多摩の鳥 60年前の記録
●2007/3 長野
・平成18年度野尻湖ガンカモ生息調査結果
●2007/3 福井県
・第22回オジロワシ・オオワシ渡来状況調査結果
●2007/2 徳島県
・出島の協議確認書について
●2007/3 筑後
・2007年ガン・カモ調査報告
●2007/3 長崎県
・カモメ類の氷食い行動について
・リュウキュウサンショウクイ
・干潟の再生と潮流の回復

●2007/3 室蘭
・大黒島のオオセグロカモメ
室蘭港入口にある大黒島に6/23、7/8、上陸し、オオセグロカモメを調査した。桟橋の先端から抱卵中の巣が点在し、石原一面に高密度で営巣していた。巣の直径は30〜40cmで、産卵数は4個もあるが、2、3個が多い。巣の密度は丘の草地では0.08個/m2、海岸部では0.17個/m2であった。巣に近付くと糞攻撃を受ける。巣立ちは産卵数の3割程度で、孵化後7日迄の死亡率が高い(北国のカモメ 江川正幸)。今回、成鳥と雛のみが確認され、亜成鳥は見つからなかった。船上からのカウントでは成鳥は1,339羽であった。11/3、4に上陸し60羽の死体を確認し、内4羽は前年に標識した104羽の雛であった。
(室蘭「ハヤブサ」NO.106,P11)

●2007/春の巻 弘前
・津軽のガン・カモ・ハクチョウ類一斉カウント調査報告
  1/14、県下25箇所で調査した。総計12,583羽で内訳はオオハクチョウ成986、幼鳥135、マガン60、ヒシクイ62、カルガモ3,946、オナガガモ3,141、マガモ3,134、スズガモ302、コガモ291、・・・ホシハジロ8、ヒドリガモ4、ヨシガモ3、オシドリ1。
(弘前「初列風切」NO.140,P3)

●2007/3 奥多摩
・青梅永山北部丘陵を開発容認から方針転換
  青梅市永山北部丘陵は30年前から、宅地開発計画があった。5年前、地元団体の要請で、支部も反対運動に加わった。本部自然保護室のアドバイスもあり、同地で探鳥会を介して野鳥調査をし、東京都の動植物レッドデータに照らして都に要望書を出した。都環境審議会は青梅市に開発容認を決めたが、業者の経営破綻もあり、1/23、青梅市長は丘陵の現況保全の考えを打ち出した。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.175,P4)

・オオタカの観察日記
  3/29、オオタカ♂成鳥と、♀幼鳥が赤松に止まり、林の中央の赤松で巣作りを始めていた。3/30、早朝に2、3回交尾、巣材の細い枝は嘴で、太い枝は足で運ぶ。♀は高い所から飛び降り、太い枝を折る音が聞こえた。ツミが営巣した時いたオナガはいなくなった。休日は巣の近くに人や犬が立ち入った。4/16、抱卵開始。♂がピョ〜と鳴くと♀が巣から出て、一声鳴いて、近くの木で♂から餌を受ける。♂は♀が食べ終わるまで巣で抱卵する。♀は林に犬が入ると巣から目で追うが、人には知らぬ顔。5/22、3羽の雛を確認。6/2、雛1羽落下死亡。6/20、雛の胸に縦斑が広がり、背中も焦げ茶で松の木、巣材と同じ色で保護色の感じ。6/26、雛1羽行方不明。赤松に人が登った痕跡はない。6/27、雛枝移り。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.175,P6〜7)

・西多摩の鳥 60年前の記録
  中西悟堂は1946〜52年、東京西多摩地域で鳥類の記録を残している。当時はブッポウソウ、ミゾゴイは普通に生息していた。サンショウクイ、サンコウチョウ、コサメビタキも全域で繁殖し、アカショウビン、オオコノハズク、アオバズクも各地で繁殖していた。149種が生息し、内92種(夏鳥37種、留鳥55種)が繁殖していた。支部の77〜99年の調査では、確認種は外来種も含み221種と多いが、当時とは機材、調査方法、期間が異なる。現在の繁殖種数は明確に記録が無いが、92種より少ない。東京都が70年代に行った調査では、区部と平坦地では繁殖種49種とある。生活を60年前に戻せないが、絶滅危惧種の問題を提起し、生息環境を復元・再生できないだろうか。
(奥多摩「多摩の鳥」NO.175,P8〜11)

●2007/3 長野
・平成18年度野尻湖ガンカモ生息調査結果
  1/15、野尻湖で長野地方事務所主催のガンカモ一斉調査に支部も参加した。マガモ182、カルガモ166、クロガモ34、キンクロハジロ13総計395であった。クロガモは海岸で見られるとあるが、今回湖内で見られた(前は野尻湖に飛来していたが、近年見られていなかった)。
(長野「野鳥ながの」NO.444,P6)

●2007/3 福井県
・第22回オジロワシ・オオワシ渡来状況調査結果
  2/6、三方湖、菅湖、水月湖の湖岸で定点調査をした。確認できた海ワシはオジロワシ成鳥1羽、オオワシ成鳥1羽。オオワシは94/11に三方五胡に幼鳥で初渡来以来、今回で12回目の越冬となる。両種とも僅かな飛行と長時間の止まりで、オジロワシはトビから攻撃、オオワシは魚を持って飛行時、カモメspに追われた。両種は水月湖を飛行したが、相手を攻撃する事は無かった。この10年間、両種とも各1羽の越冬である。
(福井県「つぐみ」NO.146,P3〜5)

●2007/2 徳島県
・出島の協議確認書について
  阿南市にあった四国最大の出島湿原(51ha)をゴルフ場を中心としたリゾート地にする計画があり、支部は30haの自然観察公園の要望書を県に提出し、その後運動を続けてきた。最終的に野鳥公園9ha、ゴルフ場内に6haの立入禁止区、ゴルフ場の半分を人と野鳥の共存ゾーンとして、県と確認書を取り交わした。同野鳥生息域の設計に本部の元保護部長で東京港野鳥公園を設計した小河原孝生氏の予備設計が生かされた。激しい戦いの末、野鳥の生息地として残された場所で、娯楽としてのバードウォッチングはその副産物である。
(徳島県「野鳥徳島」NO.341,P6〜9)

●2007/3 筑後
・2007年ガン・カモ調査報告
  1/21、筑後地区の11箇所で調査した。カモ13種、9,213羽であった。内訳はオナガガモ6,805、ヒドリガモ1,067、マガモ409、コガモ325等。
(筑後「まめわり」NO.71,P10)

●2007/3 長崎県
・カモメ類の氷食い行動について
  02〜06年、カモメ類を調べていたが、その中で氷を食べる行動が見られた。12月半ば〜4月、長崎港でオオセグロカモメ、セグロカモメが鮮魚水揚げ用の氷を食べるのを見た。2〜30羽の集団で氷の山を囲み、2〜5cm角の氷をパクパクと飲込んだ。仲間で争って直接打撃、直立威嚇姿勢も見られた。濃い塩分を緩和する目的が考えられる。銚子港、北海道でも同じ事が見られた。ウミネコでは氷を食べるのを見ていない。
(長崎県「つばさ」NO.241,P2〜3)

・リュウキュウサンショウクイ
  2/12、島原でのバンディングで、リュウキュウサンショウクイが飛来した。普通のサンショウクイより遥かに背中が黒く、腹部は白っぽい。元々は西南諸島での留鳥で、最近九州南部で繁殖し、冬季は低地へ移動するが、温暖化の影響か九州で目撃例が増えている。
(長崎県「つばさ」NO.241,P3)

・干潟の再生と潮流の回復
  97/4/14の所謂ギロチンで、諫早湾の3500haの干潟域が干上がり、10年になる。工事はこの夏に完了するが、名目上の完成である。優良農地として造成したものは売却の目処が立たず、農業公社に買い取らせようとし、調整池の水質は悪いままで、防災効果も殆ど期待できない事が明らかになり、長崎県民にツケを回そうとしている。日本湿地ネットワークは毎年4/14、全国で「干潟・湿地を守る日」のキャンペーン運動を展開する。支援カンパ 郵便振替 00140-3-402895 諫早干潟緊急救済東京 通信欄に「諫早10年カンパ」。ブックレット「諫早湾干拓と有明海」 送料込800円、同郵便振替 通信欄に「ブックレット」記載。
(長崎県「つばさ」NO.241,P9)


○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.366

●2007/3-4 群馬県
・ゴイサギコロニー観察記
・第14回野鳥密猟対策シンポジウムイウin群馬
・巣箱の利用状況
●2007/3 滋賀県
・カワウ総合対策計画検討協議会報告
・2007年水鳥一斉調査結果
・ヒヨドリ虎の巻
・琵琶湖のカワウ対策 
●2007/3-4 島根県
・風力発電計画に対する回答
・島根半島西端でのタカの渡り
●2007/3-4 愛媛県
・標識調査でのノゴマ、マミジロ、チョウセンメジロについて
・カモ類調査の報告
●2007/3 筑豊
・ヒシクイ越冬6羽(2/21 西日本新聞)

●2007/3-4 群馬県
・ゴイサギコロニー観察記
赤城山西面にある真壁調整池(12.5ha)の柳の低木にゴイサギコロニーがある。06年はダイサギ4ペアとゴイサギ約40ペアが繁殖した。4月中旬にゴイサギの群が飛来し、造巣、5月に抱卵、6月に育雛、7月に入ると幼鳥は離巣し分散する。7月末に湖面をゴイサギの群が飛ぶが、コロニーは消滅し、8月には姿を消す。
(群馬県「野の鳥」NO.280,P3〜4)

・第14回野鳥密猟対策シンポジウムイウin群馬
  12/2、3、伊香保町で開催された。群馬県ではH7年に「群馬県野生鳥獣の違法捕獲防止対策連絡会議」を設置し、毎年、行政、警察、鳥獣保護員、野鳥の会が連携し、小鳥店や飼養者へ立入検査している。法改正で足環の装着の義務付けの21種の輸入鳥は、今後減少すると思われるが、規制外の猛禽類を含む残り120種はどうなるのか。密対連のアンケートでは47都道府県の内、野鳥のリハビリは27都道府県で実施しているが、警察に任せて現場で放鳥し、リハビリしない、施設、予算が無いとの回答もある。
(群馬県「野の鳥」NO.280,P6〜8)

・巣箱の利用状況
  高崎市の観音山野鳥の森にシジュカラ用の巣箱30個が架けられ、12月、同森管理委員会が利用状況を調べた。巣立ちは14巣、放棄(巣未完)は6巣、未利用5巣、キツツキが塒として使用2、スズメバチ使用1、巣箱落下破損2であった。尾根筋での利用が多かった。
(群馬県「野の鳥」NO.280,P20〜21)

●2007/3 滋賀県
・カワウ総合対策計画検討協議会報告
  11/29、1/30、大津市で開催され、県が提起した計画は、当会として納得し難い。2012年以降の長期目標として、カワウ生息数を4千羽程度に低減させる(現在、繁殖期に3.5〜4万羽が飛来)。アユの漁獲量をカワウ激増以前の状況で確保する。07年度は2万羽を銃器捕獲する。新コロニー形成されそうな時は早期に追い払う。防鳥糸、防鳥ネットを架設する。見回り、花火のための道作りを進める。カワウの状況調査報告を春と秋に行う。生息、繁殖、胃内容物を把握する。漁業被害は定量的に把握しにくいが、各種調査する。植生被害、巣の密度を調査する。バンディング、GPS調査で広域移動調査をする。
(滋賀県「におのうみ」NO.8,P9)

・2007年水鳥一斉調査結果
  1/6〜14、県内の野鳥観察団体の協力を得て、琵琶湖湖岸を24区分して調査した。琵琶湖では105,378羽の水鳥を確認した。内訳はキンクロハジロ24,797、オオバン19,718、ヒドリガモ16,374、ホシハジロ12,061、マガモ11,015、オカヨシガモ6,683、カルガモ4,395、コガモ4,039、ヨシガモ3,188、ハジロカイツブリ3,134、スズガモ1,995、カンムリカイツブリ1,634、オナガガモ944、ミコアイサ811、ハシビロガモ783、カワウ720、カイツブリ582、ヒシクイ375、ユリカモメ344、カワアイサ325等。琵琶湖以外に約3万羽、滋賀県では計13万羽の水鳥が飛来している。陸ガモは湖東から湖北に、海ガモは南湖に集中している。コハクチョウは琵琶湖では95羽、それ以外に435羽。琵琶湖のカワウ720羽は極端に少ない。
(滋賀県「におのうみ」NO.8,P11〜14)

・ヒヨドリ虎の巻
  ヒヨドリは幅広く食べる。果実、昆虫、花の蜜、花粉、野菜の葉等、フライングキャッチもする。本来は樹上性の鳥のため、地上に降りるのを嫌うが、水浴び時は樹上から水面にダイビングして、直ぐ木に戻る。群での行動が多いが、塒入りは1羽ずつ別々になる。蜜柑園では冬季にヒヨドリが増えるので、ヒヨドリの渡りは蜜柑栽培と関係しているとする人もいる。
(滋賀県「におのうみ」NO.8,P15)

・琵琶湖のカワウ対策
  関東でのカワウ駆除数はH16年度は470羽で、同地の生息数約15,000羽の3%である。日本全体のカワウ駆除の9割近くは琵琶湖で行われている。滋賀県によると、H18年度の駆除数は竹生島で8,481羽、伊崎で5,340羽でその内、竹生島で標識されたカワウの回収は2羽のみで、累計標識370羽に対し少なすぎる。駆除されたカワウは焼却されるとされるが、重さから見た焼却個体数は上記駆除数の1割程度にしかならず、駆除内容の検証が必要である。
(滋賀県「におのうみ」NO.8,P17)

●2007/3-4 島根県
・風力発電計画に対する回答
  1/16、出雲市での風力発電計画で支部の質問に対する回答が届いた。クマタカの調査結果に基づき、風車2基を影響が少ない場所へ移動する。工事は繁殖期を外すよう計画する。準備作業での樹木の伐採はモニタリング調査をしながら行う。工事終了後は事後調査をする。ハヤブサは環境影響評価での巣から500mの隔離指標は、調査結果ではそれより小さいと考えられ、風車の移設は不要と判断する。ミサゴは巣から650m隔離指標に対し、調査結果ではそれより小さいと判断する。種の保存法での野鳥のバードストライクについては、環境省に報告し、指導を仰ぐ。白色閃光灯の点灯は大型鉄塔で有効性があるとされるが、回転体にも一定の効果があると考える。
(島根県「スペキュラム」NO.116,P2〜4)

・島根半島西端でのタカの渡り
  大社町日御碕で06年春に9日、秋に12日、島根半島西端を通過するタカを調査した。春は南西へ本州沿いに飛んだハイタカは64羽、ノスリ1羽で、西北西の朝鮮半島へ向ったハイタカは28羽、ノスリ1羽であった。ヒヨドリの群、数百羽のマミチャジナイの群、レンジャク、サンショウクイもここから大陸の繁殖地へ向っているようである。秋は海上の西から陸地で東へ移動するチョウゲンボウ、ハイタカ、ノスリが見られ、ヒヨドリは数百羽の群が春と逆に東へ移動した。
(島根県「スペキュラム」NO.116,P5〜6)

●2007/3-4 愛媛県
・標識調査でのノゴマ、マミジロ、チョウセンメジロについて
  06年4〜12月、佐田岬半島、宇和島市、大洲市で標識調査をした。44種、1,304羽に標識した。多いのはノゴマ259、マミジロ161、キビタキ121、オオルリ108等。ノゴマは北海道の個体が、愛媛県では10/M〜11月第1週に通過している。マミジロは愛媛県では9/E〜10月第1週の短期間に通過しており、9/25の宇和島市鬼ヶ城山での62羽は国内では神戸市六甲山以外では知られて
いない。チョウセンメジロは旅鳥、迷鳥として日本海側に記録が多いが、9/25の鬼ヶ城山での成鳥1羽は愛媛県初記録となる。尾羽の擦れが無く、大陸からの飛来か篭脱けの換羽個体のいずれかと思われる。
(愛媛県「コマドリ」NO.177,P3〜5)

・カモ類調査の報告
  1/5〜8、愛媛県内の676箇所で調査した。17種のカモ類で23,941羽(昨年は28,404)であった。内訳はマガモ8,999、ヒドリガモ5,200、コガモ4,806、オシドリ1,804、カルガモ1,282、オナガガモ638等。昨年は大雪で西日本へカモが多く飛来したと思われる。
(愛媛県「コマドリ」NO.177,P16)

●2007/3 筑豊
・ヒシクイ越冬6羽 (2/21 西日本新聞)
  この冬、福岡市東区の人工島に6羽のヒシクイが越冬した。通常は島根県が南限とされ、福岡県では珍しい。12月に福岡県福津市の津屋崎干潟に飛来したものが移動してきた。
(筑豊「野鳥便り・筑豊」NO.349,P17)


○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.367

●2007/3 道南桧山
・ウミネコの食物
・ヒヨドリの渡りに思う
●2007/2-3 盛岡
・発信機を付けたオナガガモ
●2007/3 新潟県
・市街地の鎮守の森で繁殖するアオバズク
・ハクガンの青色型(アオハクガン)の渡来
●2007/3 神奈川
・IBAとは
・狩猟解禁日と延長を考える
・2006年秋タカの渡り調査報告
●2007/3 富士山麓
・平成18年度ガンカモ調査結果
●2007/3 伊那
・伊那市での風力発電建設の経過
・平成18年天竜川流域のカワウ調査 
●2007/3 岡山県
・平成19年1月岡山県カモ類調査報告
●2007/3 大分県
・2007年ガン・カモ類定期調査結果

●2007/3 道南桧山
・ウミネコの食物
天売島でウミネコ駆除個体の胃内容物を調べた。ごみ溜漁りのイメージと異なり、殆どが野生環境で索餌していた。99年の調査では雄は魚食性が強く、餌を追尾し、雌はオキアミ類、魚卵等の摘採型の捕食行動をとった。2000年の調査では共に魚類が大部分を占めたが、雌は底生生活直前の6cm程のイカナゴを多く食べていた。抱卵開始から巣立ちまで、雌主導で行われるので、雌の索餌時間は短く、沿岸で捕食努力が少なくてすむ生物を捕食し、雄は体力、時間があるので沖に出て動きの速い魚を捕食しているのが判った。
(道南桧山「はちゃむ」NO.72,P2〜4)

・ヒヨドリの渡りに思う
  11/5、噴火湾ヒヨドリ渡り観察の最後の日の朝、砂崎岬に32羽のヒヨドリが室蘭から渡って来ていた。その後1羽のヒヨドリも見られなくなった。お花見の春には同地では80羽のヒヨドリの渡りを見ている。北海道ではヒヨドリの渡りは南端の白神岬が有名である。
(道南桧山「はちゃむ」NO.72,P5〜7)

●2007/2-3 盛岡
・発信機を付けたオナガガモ
  2/12、盛岡市内の北上川で背中に発信機を付けたオナガガモ♀が滞在していた。電源のソーラーパネルを背負っている。東京大学の樋口広芳教授が11/9、北海道の十勝川で衛星用発信機を付け、12/6、帯広を発ち、盛岡に飛来と判明。
(盛岡「山翡翠」NO.303,P4)

●2007/3 新潟県
・市街地の鎮守の森で繁殖するアオバズク
  95〜06年、上越市の市街地の神社でアオバズクを観察した。その間、高さ25mのケヤキで毎年営巣し、内9回巣立ち(1〜4羽)し、2回は洞に入ったが営巣せず、06年はチョウゲンボウが営巣のため他へ移動した。同じ洞を利用したのは6回と4回の2個所。初鳴きは確認は4/26〜5/5で、時刻は19時の前半であった。巣立は7/18〜28で、2000年は抱卵直前に巣穴の枝が折れ、再営巣で8/12、巣立1羽のみと遅れた。
(新潟県「新潟県支部報」NO.63,P2〜6)

・ハクガンの青色型(アオハクガン)の渡来
  ハクガンは北極海のウランゲリ島で数万羽のコロニーで繁殖するのが知られている。11/2、瓢湖周辺の水田にハクガンの青色型(種としてはハクガン)1羽が確認された。3/23まで県内に滞在した。10/19に山形県鶴岡市に飛来したものと同一らしい。顔は白く首から下が暗青灰色である。76年と88年、1羽が北海道に飛来記録がある。93年、ウランゲリ島では顔の赤いハクガンが96%も占め、越冬地のバンクーバー近くの河口土壌の鉄分の影響で赤い。顔の白いものは北米加州の保護区で越冬する。アオハクガンは主に北米東部で繁殖する。雁の里親友の会の池内俊雄氏から資料提供頂いた。
(新潟県「新潟県支部報」NO.63,P7〜9)

●2007/3 神奈川
・IBAとは
  IBAはImportant Bird Areas(重要な野鳥生息地)の略称で、Bird Life Internationlが100ヶ国以上の加盟団体と共同実施している。国内では167箇所が登録され、神奈川県では多摩川河口干潟が該当し、丹沢山地は登録準備中である。都市部では野鳥の生息地としての保全は先手を講じておく必要がある。IBA登録地も進めておく必要がある。1/15、多摩川河口干潟保全のため、羽田空港と川崎市を結ぶ道路計画で、事前に環境配慮を総合的に検討する協議会を設置するよう要望書を提出した。
(神奈川「はばたき」NO.418,P2)

・狩猟解禁日と延長を考える
  狩猟期は通常11/15〜2/15で、4/15まで延長できる。その理由を環境省は国内狩猟者50万人が最近20万位まで減少しているので、初心者育成のためと言う。国鳥で自国のシンボル、キジは狩猟鳥から除外すべき。エゾライチョウは希な鳥で、ヤマシギ、タシギは有害性の立証は乏しい、共に狩猟鳥から除外すべき。農業の死活問題となる野鳥のみを対象とし、スポーツハンティングは廃止したい。無益な殺生は社会正義に反する。自然を育む心を子供たちに継げていく義務がある。
(神奈川「はばたき」NO.418,P4〜5)

・2006年秋タカの渡り調査報告
  9/16〜10/14の内、7日間、県内9箇所で調査した。今回は新しい渡りルートは分らなかった。県東部の内陸部では横浜市での1羽と観察数が少ない。サシバの出口である南足柄市の万葉公園での補足数から見て、別の出口ルートがあるらしい。県中央部の大磯市湘南平で観察が少なく、飛翔高度が高いのかも。
(神奈川「はばたき」NO.418,P6〜8)

●2007/3 富士山麓
・平成18年度ガンカモ調査結果
  1/16、山中湖と河口湖で調査した。総計は山中湖620、河口湖619でここ数年減少傾向である。内訳は山中湖でホシハジロ32%、ヒドリガモ24%、マガモ22%、カワアイサ10%等。河口湖ではマガモ77%、キンクロハジロ8%、カルガモ4%等。
(富士山麓「野鳥の声」NO.124,P7)

●2007/3 伊那
・伊那市での風力発電建設の経過
05/10、支部は伊那市東部の鹿嶺高原から入笠山での大型風力発電建設反対の記者会見をした。05/12、地元山岳会は中止要望書を出した。06/4、伊那支部、諏訪支部、地元山岳会、長野県自然保護連盟等で「入笠山周辺の風力発電をやめさせる会」を結成。06/10、長野県は「影響想定地域マップ」を公表http://www.pref.nagano.jp/kikaku/tochi/press/p061025.pdf 。06/12、伊那市へ反対署名32,986名分を提出。06/12、伊那市議会は事業推進の陳情を賛成多数としたが、市長は計画に反対の立場を表明。問題点は猛禽類生息地への影響、信州の山岳景観が損なわれる、山岳地帯では工事残土処理が難しい、これが前例となり、信州の山岳地帯への風力発電建設の引き金になる。
(伊那「かわせみ」NO.21,P2〜6)

・平成18年天竜川流域のカワウ調査
天竜川のカワウは、繁殖期の4〜6月、塒では40羽前後と大幅に減少する。9月は216、10月270、11月276、12月282と数が増える。07/2の長野県下のカワウ飛来数は天竜川280、奈良井川450、梓川〜犀川500、千曲川380等。天竜川上伊那漁協は県の許可を得て、2/18、100羽のカワウを捕獲した。カワウ有害鳥獣捕獲は平成15年より実施している。
(伊那「かわせみ」NO.21,P7)

●2007/3 岡山県
・平成19年1月岡山県カモ類調査報告
  総計54,934羽で、結果を岡山県へ提出している。内訳はホシハジロ23,759、キンクロハジロ9,174、スズガモ8,738、オナガガモ3,934、マガモ3,489、ヒドリガモ2,251、カルガモ986、コガモ680等。海洋性のホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモの合計で76%を占め、トモエガモは288(児島湖250)と岡山県は多い。
(岡山県「野鳥おかやま」NO.159,P6〜7)

●2007/3 大分県
・2007年ガン・カモ類定期調査結果
  県内を10地区に分けて調査した。17種、24,230羽で内訳は、ヒドリガモ9,152、マガモ6,168、オナガガモ3,998、カルガモ1,643、コガモ985、ヨシガモ596、オカヨシガモ592・・・ヒシクイ1。
(大分県「たより」NO.203,P11)


○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.368

●2007/3 滝川
・シジュカラにも異変?
●2007/3 茨城
・ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査報告
・第11回冬の海鳥調査結果
●2007/3 富山県
・アジサシ類調査報告
・タカ渡り調査報告
●2007/3 香川県
・18年度ガンカモ類の県下一斉調査の結果
●2007/3 徳島県
・吉野川河口干潟と汽水域
●2007/3 高知県
・平成18年度ガンカモ調査結果
●2007/3 宮崎県
・20年前に比べて半減 金御岳のサシバ
・衰退する豊島のアビ漁
・マナヅルの番、県内でも初越冬か
・鶏だけでなく野鳥も風評被害
●2007/3 鹿児島県
・2007年ガン・カモ類調査結果

●2007/3 滝川
・シジュカラにも異変?
  スズメの大量死の陰に隠れて話題にならなかったが、巣箱でシジュウカラが死んでおり、この冬も餌台周辺で死骸が見つかり、山野で姿を見るのが少なくなった感じ。
(滝川「あかもず」NO.32,P7)

●2007/3 茨城
・ガン・カモ・ハクチョウ類一斉調査報告
  1/14、122名の参加で県下69箇所の一斉調査で、25種、96,954羽(昨年:26種、103,779羽)を記録した。ハクチョウ類はオオハクチョウ601、コハクチョウ549、コブハクチョウ80。ガン類はオオヒシクイ60。カモ類はマガモ31,559、カルガモ11,911、ヒドリガモ11,637、コガモ10,310、オナガガモ5,014等、カモspが17,508で全体はコメントできない。カワウは41箇所で2,268。この10年の経緯はヒドリガモが急増で、霞ヶ浦周辺の蓮田の増加が繋がっている可能性がある。ホシハジロは急減で、霞ヶ浦、北浦の底生生物や水生植物の変化を具現していると思われる。
(茨城「ひばり」NO.276,P3〜6)

・第11回冬の海鳥調査結果
  06/2〜3、海鳥一斉調査をした。ウミスズメ科は魚の群を追ってくる鳥のため、定着性が弱く、広域で短期間の調査ではデータがまとまらない。海底の貝類を餌にするクロガモ、ビロードキンクロは沿岸性で海が荒れても、近くの海域に留まるので比較調査に適する。この2種は貝産地と生息域が一致し、クロガモ4,535羽、ビロードキンクロ67羽で、共に増加傾向にある。
(茨城「ひばり」NO.276,P7)

●2007/3 富山県
・アジサシ類調査報告
  6/30、黒部川河口ではコアジサシ成鳥230、内抱卵個体160を観察したが、7/1の排砂のためのダム放水で水没し、再営巣も無く、06年の富山県でのコアジサシ繁殖は0であった。国土交通省の営巣地立入禁止の立て看板は虚しい。集中豪雨時期と営巣期が重なり、水没しない営巣地の確保等の対策が必要である。
(富山県「愛鳥」NO.56,P4〜5,P8〜9)

・タカ渡り調査報告
  8〜11月、富山県内9地区で46回の調査をした。結果はサシバ112、ハチクマ59、ノスリ367、ミサゴ24、ツミ14、オオタカ7、ハイタカ5、チゴハヤブサ8等。ピークは10/22の朝日町でのノスリ198等計247羽であった。
(富山県「愛鳥」NO.56,P4,P6〜7)

●2007/3 香川県
・18年度ガンカモ類の県下一斉調査の結果
  1/6〜14、県下180箇所で調査した結果、21種、19,415羽のカモを確認した。昨年より281羽増で、過去最大となった。内訳はヒドリガモ4,064、マガモ3,536(昨年より545減)、ホシハジロ3,722(956増)、コガモ2,362、ハシビロガモ1,257、オナガガモ1,194(505減)、キンクロハジロ1,043、カルガモ935、ウミアイサ376(230増)等。地別では海:1,433(広さ2813ha)、河口:2,648(679ha)、河川:1,661(237ha)、ダム湖:172(242ha)、溜池:13,496(1,097ha)、その他:5(60ha)。
(香川県「かいつぶり」NO.278,P1〜2)

●2007/3 徳島県
・吉野川河口干潟と汽水域
  支部は第十堰改築問題、四国横断道路、沖洲海岸埋め立て等に対し、環境保全の活動をしてきた。更に吉野川河口を含め第十堰までの汽水域をラムサール条約登録湿地にするべく活動をすることになった。我国の登録は現在33箇所である。1/26、ラムサール条約湿地を増やす市民の会は吉野川を含む17箇所を新たに登録実現するよう環境大臣とラムサール条約登録湿地を増やす議員の会へ要望書を出した。環境省は登録済の中にも問題があり、新規には地元関係者の話合いの努力が必要としている。
(徳島県「野鳥徳島」NO.342,P2〜4)

●2007/3 高知県
・平成18年度ガンカモ調査結果
  1/13〜14、支部受け持ち調査地でカウントした。合計11,632羽で昨年とほぼ同数である。内訳はマガモ4,151、ヒドリガモ3,593、コガモ1,101、カルガモ827、オシドリ806等。トモエガモは74羽とかなりの数である。カワウは419羽。鳥インフルエンザの関係で新鮮なカモの糞を採集した。青のりの糞はそのままの色で、海苔の香りがした。
(高知県「しろぺん」NO.244,P1〜2)

●2007/3 宮崎県
・20年前に比べて半減 金御岳のサシバ
  金御山では85/10/15、1時間半に1万3千羽のサシバが通過した。86年、計3万羽をカウントしている。88年には航空自衛隊新田原基地でレーダーにサシバの群が映ったこともある。昨年06年は16,350と半減している。鳥たちの旅(樋口広芳著)ではサシバは前年の越冬地に正確戻るという。同じ営巣地にも戻るとも聞いた。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.200,P23〜25)

・衰退する豊島のアビ漁
  瀬戸内海ではアビ(殆どがシロエリオオハム)の習性を利用したアビ漁が300年来行われてきたが、環境破壊で鳥の飛来も少なくなり、広島県の豊島が最後で、アビの最大飛来も6、70羽になっている。アビ類は大分県田ノ浦海岸沖に多数見られ、玄界灘には4月、1,500〜2,000羽が集まる。12月、アビ類の保全のためアビネットワークを立ち上げた。http://www009.upp.so-net.ne.jp/AbinetworkJapan/ ゴミの島豊島(てしま)は香川県の別の島である。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.200,P29〜30)

・マナヅルの番、県内でも初越冬か
都城市で1/30、マナヅルの番が飛来しているのが確認された。昨年の11月より田圃と大淀川を行き来しており、従来1箇月も滞在しないものが、今年は珍しく初めて越冬した事になる。この地区には鶴のつく地名があり、以前は鶴の飛来が多かったのかも。
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.200,P40〜42)

・鶏だけでなく野鳥も風評被害
  県内で3件の高病原性鳥インフルエンザが相次いで発生した。支部は本部と連絡をとり、現場周辺の野鳥生息状況、野鳥の糞、血液採取を協力した。カモや渡り鳥等、野鳥犯人説が一人歩きした。野鳥が持っている鳥インフルエンザとの違いも理解されていない。外からきたウイルスに最も感染しやすい庭で多くの鶏が放し飼いにされている地域でなく、消毒や防鳥設備の整った鶏舎だけに発生している。京都での高病原性鳥インフルエンザ対策が生かされているのか。本部も宮崎県の事例に対し、見解を出している。http://www.wbsj.org/nature/kyozon/influenza/070126.html
(宮崎県「野鳥だよりみやざき」NO.200,P44〜47)

●2007/3 鹿児島県
・2007年ガン・カモ類調査結果
  調査を始めて3年目で、今回は総計27,578羽で、内訳はコブハクチョウ(外来種)45、ヒドリガモ10,138、マガモ9,099、カルガモ4,500、オシドリ1,745、コガモ836等。荒崎のツルの餌場にいた多くのオナガガモは追われて少ない。数が多いところでは、デジカメで連続撮影し数えた。
(高知県「しろぺん」NO.244,P12〜13)

(自然保護室ボランティア・神奈川支部/森 要)

理事会報告

■平成18年度第四回理事会(定例)議事録■

【日時】平成19年2月17日(土)14:00〜17:00
【会場】茅場町・日進ビル 3階会議室 東京都中央区日本橋茅場町2-9-5
【現在理事数】18名(うち出席理事数18名)
【出席理事】(敬称略)
柳生 博、佐藤 仁志、鈴木 君子、吉田 新、海老原 美夫、親泊 素子、土屋 正忠、滑志田 隆、樋口 広芳、松田 輝雄、花田 行博、白岩 康夫、河地 辰彦、坂本 宗吏朗、高木 清和、狩野 清貴、真鍋 啓二、松富士 将和/以上18名
【出席監事】(敬称略)
伊藤 直人、高松 健比古/以上2名
【来賓】(敬称略)
星野 一昭(環境省自然環境局野生生物課 課長)/以上1名
【事務局】
飯塚利一(事務局長)、原元奈津子(総務室長)、小林豊(会員室長)、箱田敦只(普及室長)、古南幸弘(自然保護室長)、葉山政治(サンクチュアリ室長)、岩下路子(総務室長代理)、小林篤六(普及室長代理)、富岡辰先(サンクチュアリ室長代理)、森下祐子(総務室経理グループ)、勝田ひろみ(総務室総務グループ)、吉家奈保美(総務室総務グループ)/以上12名
出席者合計33名

14:00開会

●会長挨拶
  柳生博会長より、理事会に先立ち開催された理事懇談会の報告があり、また昨年5月理事会以降の動きとして、九州・沖縄ブロック大会へ出席したこと、関東ブロック協議会では、埼玉の農家の方へシロハラクイナ保護に対する感謝状贈呈を行いその後も支部との交流が続いていると聞いていること、九州、北海道、関東などの9支部へ訪問したこと、7月の渡邊野鳥保護区設置では北海道温根内の現場で記者会見を行いレンジャーと一緒の写真が新聞に掲載されたこと、11月に北海道ラムサールネットワークフォーラムへ出席したこと、黒田長久元会長への表敬訪問、トリーノの広告企業への表敬等を行ったこと、今回上程する予算の数字をみれば執行役員総辞職もやむを得ないと自覚しているが、来年度も会一丸となり取り組む所存であるのでご理解ご協力願いたいとの挨拶があった。

●来賓挨拶
  環境省自然環境局野生生物課の星野一昭課長より、日本最大の自然保護団体である当会には2つの顔があり、1つは専門家集団であること、もう1つは広く国民のなかにネットワークをもつ団体であること、前者では、科学的観点から専門家として調査分析と政策提言を行う役割を果たしていること、後者では、全国に会員や支部をもつネットワーク力を生かして、開発活動を監視抑止し、公的保護が難しいところをサンクチュアリ設置等によって自力で保護するなど成果を上げていること、会長も支部も普及啓発活動を推進する等の役割をそれぞれしっかり果たしており評価していること、行政も民間も限度があり両者連携することが重要と考えるので、今後とも自然環境保護の前進のため共に協力していきたいとの挨拶があった。

●会務報告
  鈴木君子専務理事より、昨年5月の理事会以降の執行体制について、9月から常勤の吉田常務理事が事業計画関係を、鈴木専務理事が対外業務を担当し、効率的な事業執行に務めていること、サンクチュアリ、野鳥保護区、ブロック会議等の各現場を視察したこと、これらを当会の特徴として生かしていきたいこと、また一声運動として積極的に職員へ声をかけた結果、職場が明るくなったこと、各室ごとの事業進捗としては、自然保護室は風力発電対策関連で国際シンポジウム開催等を行ったこと、サンクチュアリ室は野鳥保護区拡大、横浜自然観察の森20周年等を行ったこと、普及室は道の駅イベント等を行ったこと、会員室は「トリーノ」創刊、HPリニューアル、大口寄付による子供向け教材の製作企画等を行ったこと、日野市との協力関係は市内の幼稚園小学校への訪問講座を通し友好的であること等の会務報告があった。

 飯塚利一事務局長より、理事現在数18名のうち、18名の出席となり、寄附行為第27条に基づき本理事会は成立している旨の報告があった。なお、土屋正忠理事は15:20に到着し、滑志田理事は16:25に退席した。

 また、寄附行為第30条に基づく議事録署名人に、松田輝雄理事と狩野清貴理事が選任された。

●第1号議案 平成19年度事業計画及び収支予算案承認の件
  原元奈津子総務室長より、平成19年度事業計画(案)の構成を公表版と説明版の2本立てとし公表版はこれまでより簡潔な内容とした旨の説明の後、計画立案にあたっての基本方針について説明があった。続いて各事業の詳細について、各室長および室長代理より、資料に基づき説明があった。なお、報告事項1.平成18年度事業の進捗および決算見込みについては、本議案と関連することから併せ報告された。

 海老原美夫理事より、事業計画で一度区切り質疑を受けてほしいとの意見があり、了承され、以下の質問と回答があった。
  海老原理事より、IBAについて、国際基準であるIBA基準では選ばれない国内の重要生息地があるが、仮に国内基準を定めて選定してもIBAとはならないのではないかとの質問があり、古南幸弘自然保護室長より、ヨーロッパでも同じ議論があり、バードライフの基準をA基準、地域基準をB基準、国単位の基準をC基準と整理されていること、日本もアジアのB基準策定を待つという意見もあったが国内基準の策定を先行することとしたこと、バードライフ基準とレッドデータブックに沿うものであれば理解を得やすいと考えているとの回答があった。また、海老原理事より、保護区事業の最終目標と野鳥への具体的成果についての質問に対し、吉田新常務理事より、基本戦略策定は19年度計画に盛り込んでいるとの回答があり、また葉山政治サンクチュアリ室長より、成果の具体例として絶滅危惧種のタンチョウ16つがいの繁殖、シマフクロウの繁殖を挙げ、保護区がなければ繁殖しなかった可能性があるとの回答があった。海老原理事より、事業計画において柱の事業とする基準とプロセスについての質問に対し、吉田常務理事より、19年度は柱の事業を設定する年度にしたいとの回答があった。海老原理事より、賃貸相場が上がりつつある現況での事務所移転の見通しについての質問に対し、吉田常務理事より、具体的に探してみないと分からないとの回答があった。海老原理事より、HPでの支部探鳥会情報掲載について、全情報を掲載しているかどうか、また全情報ではなく会員になれば会員限定の情報を得られる仕組みの方がよいとの意見があるが戦略はあるかとの質問に対し、小林豊会員室長より、支部からの公開非公開の指定に従って掲載していること、割合は不明との回答があり、海老原理事より、探鳥会情報はこれが全部ではなくこれ以外の情報は会員になると手に入る旨、記載してほしいとの意見があり、小林会員室長より了承の旨の回答があった。河地辰彦理事より、「フィールドガイド日本の野鳥」の改訂内容について質問があり、小林篤六普及室長代理より、鳥類目録第6版に準拠するとともに、当会、日本鳥学会、山階鳥類研究所が発行した学術誌等を参考に38種を追加して計593種を掲載すること、高野伸二氏著作を尊重し印刷技術等を工夫したいとの回答があった。海老原理事より、現行の図鑑に、さらに追加を足したのでは使いにくくて売れないとの意見があり、小林普及室長代理より、追加種を含めて増補部分全体も編集し直すので、使い勝手を変えることなく全体をより良く改訂するとの回答があった。河地理事より、各支部のオリジナル刊行物の販売を検討してほしいこと、タンチョウDVD企画については子供たちになじみのあるハクチョウが良いと思うこと、事務所分散は珍しくないので無理せずよく検討してほしいこと、HPにおける支部探鳥会情報の掲載についてはなるべく多く掲載してほしいことの意見に対し、吉田常務理事より、事務所のありかたについては、当会の柱の事業を行う自然保護室は、普及室、会員室、支部、役員評議員等と連携しなくてはいけないとの考えから、職員の意見を聞き検討を重ねた結果のプランであること、日野市対応としてWINGにも若干人員を置くこと、全ての部署を1箇所にまとめるという結論に理解ねがいたいとの説明があった。樋口広芳理事より、近年は「共生の場所」の保全活動が盛んであるが、当会がIBA事業等で「特定の場所」の保全にこだわっている理由はなぜか、中期計画策定について少なくとも策定へ向けた筋道を示してほしい、「フィールドガイド日本の野鳥」について初心者向けで普段の景色の中で観察するイメージの当会らしい図鑑を目指してほしいとの意見があり、これに対し吉田常務理事より、意見として承り、19年度に検討する柱の事業、また20年度発表を目途とする中期計画の策定等に活かしていきたいこと、これらの策定は責任をもって取り組むとの回答があった。坂本宗吏朗理事より、事務所のありかたについて、100人以下の所帯はまとまった方が良いこと、現在の家賃は比較的低価格であると思うとの意見があった。

 続いて、岩下路子総務室長代理より、平成19年度収支予算(案)について、会計基準変更に伴う様式等の変更があること、当期収支差額は約6,000万円の赤字であり、要因として会費、受託、物品販売の収入減少、サンクチュアリ施設管理費用および自然保護事業の支出増加等があること、昨年度予算より悪化しているのは、事務所移転費用約1,000万円や受託減少によること等、資料に基づき説明があった。引き続き、平成18年度決算見込みについて、当期収支差額約3,900万円の赤字であり、予算時より約330万円好転した要因は人員補充の遅れによる人件費減少等であること、一般寄付金収入は遺贈があり増加、長期定期預金取崩収入約2,000万円は、外部監査より目的なく3年以上経過しているものは一般財源等にするべきとの指摘があり財政安定基金化したこと等、資料に基づき説明があった。

 狩野清貴理事より、IBAについて、保護の網のかかっていない重要な地域を保全するため、当会主導の国基準策定に期待していること、HPについて若年層の殆どに普及している携帯電話やインターネットで検索上位等より目立つ工夫をしてほしいとの意見があり、佐藤仁志副会長より今後の参考としたいとの回答があった。花田行博理事より、当会は財政破綻した夕張市と同様の状況にあり、理事会で赤字を認め続けて良いのか、会費や受託の収入内でペイする事業に縮小するべきであるとの意見と、赤字部門は何であるか、もう少し赤字幅を減少することはできないのかとの質問があり、吉田常務理事より、事業部制ではないため赤字部門の特定はできないこと、各室で協賛や助成等自力収入獲得の努力も行い、自然保護室では受託を半減して事業項目削減を図ったこと、今後は収入を増やす努力をして21年度末には収支均衡を目指したいとの回答があった。松富士将和理事より、鳥害対策が問題になっており、テープ等試しているが決め手がなく、当会としても寄附行為上問題がなければ検討してほしいとの意見があり、佐藤副会長より、寄附行為上は問題ないと思うこと、大きな問題ともいえるので検討したいとの回答があった。高木清和理事より、赤字脱却にむけ、必要なものを買うのではなく、無くては組織が立ち行かなくなるものだけを買うことを実践してほしいこと、事務所移転については、事務効率化を図ってほしいとの意見があった。

 以上の審議の結果、柳生会長より第1号議案について賛否を問い異議なく承認された。

●第2号議案 顧問等の更改承認の件
  吉家奈保美総務担当より、任期満了に伴う再委嘱として名誉顧問3名、顧問1名、学術顧問4名の合計8名をそれぞれ委嘱する件について承認を得たい旨、資料に基づき説明があった。

 審議の結果、柳生会長より第2号議案について賛否を問い異議なく承認された。

●第3号議案 公益法人制度改革への対応の件
  原元総務室長より、公益法人制度改革に伴う、当会の移行スケジュールや検討会設置等の対応方針4項目について、資料に基づき説明があった。 

 審議の結果、柳生会長より第3号議案について賛否を問い異議なく承認された。

●第4号議案 個人情報保護規程等の改定の件
  小林会員室長より、当会の個人情報保護法対応について、昨年依頼した民間監査会社の監査において、当会の実情により即した内容にするべき等の指摘があり、個人情報保護規程とプライバシーポリシーを改定する旨、資料に基づき説明があった。

 狩野理事より、履歴削除の際の本人確認について質問があり、小林会員室長より、退会の申出時に生年月日を尋ねることで本人確認をしたうえで、履歴を削除しているとの回答があった。

 審議の結果、柳生会長より第4号議案について賛否を問い異議なく承認された。

●報告事項
2.書面表決理事会の結果について
  吉家総務担当より、10/31開催の平成18年度第三回理事会について、野鳥保護区購入の件および支部規程改定の件ともに理事全員の賛成を得、原案どおり可決したとの結果報告があった。また、野鳥保護区購入の件に関して、12/20までに売買契約を終了し保護区を設置した旨の報告があった。
 
  ここで佐藤副会長より、書面表決理事会は、理事会規程で定めているとおり、理事会で予め説明している事項や簡易な事項について行うとの説明があり、第1号議案の事業計画で審議した事務所変更に伴う寄附行為の変更は、状況によっては書面表決理事会によって諮りたいとの提案があり、了承された。

3.新規シマフクロウ生息地の買い取り交渉について
  富岡辰先サンクチュアリ室長代理より、シマフクロウ生息地の買い取り交渉を環境省と連携して進めていること、まず民有林である当該生息地約170haを当会が購入して保全し、さらに周辺の道有林の保護の網掛けを図り、最終的には過去の営巣地を復活することが目標であること、対象地の所有者は30名、持田プロジェクト特定資産を充当し、単価は30円〜100円/m2(立木含む)であること等、資料に基づき報告があった。

 河地理事より、最高価格について質問があり、富岡サンクチュアリ室長代理より、全て買い取りができた場合、最高1億7000万円との回答があった。

 樋口理事より、生息地保全の戦略について質問があり、富岡サンクチュアリ室長代理より、まず2つがいの生息地をつなげ、さらに過去の生息地につなげ、いずれは北部の十勝の大規模な生息地につなげたいとの回答があった。

 佐藤副会長より、今後、交渉を進めまとまれば、状況によっては書面表決理事会で諮りたいとの提案があり、了承された。

4.永年在籍会員への対応について
  小林会員室長より、会員年数50年以上の会員について、前回理事会での意見を受け、「永年在籍会員」として本部会費免除や表彰を行うこと、これらの事項を「会費の割引に関する細則」を廃止し「会員細則」を新設して定めたこと、「名誉会員」については継続して検討すること等、資料に基づき報告があった。

5.トリーノについて
  小林会員室長より、トリーノ創刊号50万部を12月に発行し、新聞掲載もあり問い合わせや配布先が増えていること、12〜1月の入会者数増加、1月の会員数前月比増加にも寄与したと考えられること、2号発行にむけ広告企業との連携、配布先拡大等を進めていること等、資料に基づき報告があった。

 河地理事より、好意的な感想を持っているが、表紙だけではどこの雑誌か分からない、もう少し会を強調してもよいのでは、との意見があった。

その他報告.小清水支部について
  小林会員室長より、会員4名で支部長も事務局長も会員でない小清水支部が解散の方向で準備する意向であることを確認したこと、今後、支部における解散手続きと理事会における支部認定取消しについて手続きを進めたいとの報告があった。 

その他報告.鳥インフルエンザについて
  古南自然保護室長より、宮崎での発生以降、周辺へのウイルスの拡散は確認されていないこと、マスコミ等を通じて正しい知識をもって対応するよう呼びかけていること、随時新しい情報を支部ネット通信等でお知らせしていること等、資料に基づき報告があった。
 
  以上により、17時00分、全ての議事審議及び報告が終了した。

 上記の議事を明らかにするため議事録を作成し、議長及び出席理事の名において記名、捺印する。

2007年4月9日    財団法人日本野鳥の会 平成18年度第四回理事会

議 長     柳 生  博
議事録署名人  松 田  輝 雄
議事録署名人  狩 野  清 貴

(総務室/吉家奈保美)

事務局からのお知らせなど

自然保護室より

■高病原性鳥インフルエンザ清浄化宣言と農水省感染経路究明チーム中間報告■

 5月8日、日本は高病原性鳥インフルエンザについて清浄国となりました。1月13日から2月1日まで、宮崎県内の3養鶏場と岡山県内の1養鶏場において発生があり、1月4日にクマタカも感染していたことが3月にあきらかになりましたが、関係者の迅速な対応により2月7日には防疫処置が終了し、その後の発生なく3ヶ月が過ぎたことからOIE(国際獣疫事務局)の規定により問題のウイルスが国内には存在しないと国際的に公認されたのです。
  この間、当会も野鳥への悪影響を防ぐためのとりくみを続けてきました。宮崎県や岡山県では、野鳥間に強毒ウイルスが広まっていないことを確認するための調査に支部・会員も協力しました。事務局では、感染の防止や無用な混乱を避けるためホームページ等を通じて正確な情報を発信し、環境省や農水省へも野鳥の専門家として協力しつつ、安易に野鳥が感染源とされることがないように務めて来ました。
  日本国内では一区切りがつきましたが、残念ながら安心できる状況にはあるとは言えません。最近でもベトナムやバングラディッシュ、ミャンマー、クウエート、ガーナと東南アジアや中東、アフリカで感染の発生が続きインドネシアでは新たな死者も出ています。このように感染が続き、ウイルスが拡大再生産されている地域がある以上、日本国内にまたウイルスが侵入する危険性も存在しています。油断せずに、新たな感染を防ぐため対策の充実に努めなければなりません。
  金井が参加している農水省高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チームのもっとも重要な目的は、新たな感染を防ぐために何に注目すべきかを抽出することです。4月18日に、農水省は中間報告を公表しました。
  内容の概略は

  1. 日本の発生養鶏場では、発生養鶏場間や海外の感染発生地と人や物、車の交流は無かった。
  2. 感染養鶏場周囲および水鳥類の大規模生息地で野鳥からウイルスは見つからなかった。
  3. 養鶏場の消毒など衛生管理は一部改善の余地はあったが概ね良好であった。
  4. 野生生物の侵入対策には、不備があって野鳥やネズミの侵入の認められた養鶏場があった。
  5. したがって、感染経路の特定は困難だが、野鳥がウイルスを運んでくることがあっても家禽への感染が起こらないように、養鶏場での対策をとるべきである。

というものです。農水省から出されている中間報告は、内容がわかりにくいところも多いので、解説を補足して当会ホームページに掲載しました。

 今回の発生では熊本県においてクマタカが犠牲になり、日本の野鳥にとってもこのウイルスが極めて危険なものであることが示されました。また、家禽において感染が見られていないところでも野鳥の感染が起こりうることも示されました。今後は、家禽における感染対策だけでなく、野鳥で感染が発生した場合の対策についても準備が必要です。日本野鳥の会としても、関係機関や行政と協力し、また必要な対策の実施について要請を行いつつ備えて行きます。

国内における高病原性鳥インフルエンザの清浄化について
http://www.maff.go.jp/www/press/2007/20070508press_2.html

食料・農業・農村政策審議会消費・安全分科会家畜衛生部会第24回家きん疾病小委員会及び高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チーム第4回検討会の概要について
(中間とりまとめの公表)
http://www.maff.go.jp/www/press/2007/20070419press_6.html

(自然保護室/金井裕)

普及室より

■タンチョウから環境を学ぶ■

=子どもワークキャンプ「タンチョウ・レンジャーにチャレンジ!」=

 普及室では、(株)JTB関東と共同で、今年度開設20周年を迎える鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリを会場に、夏休みの3日間(8月3日〜5日)、子どもだけの体験キャンプを開催します。
本企画は、自然体験が希薄になりがちな子どもたちに、北海道の原生の自然に触れ、その保全活動へ参画する場を提供することで、野鳥をはじめとする生きものの生息環境を守る意義に気づいてもらいたいという思いから生まれました。
対象は小学校4・5・6年生、定員は20名(お申込多数の場合は抽選)です。現在、企画の趣旨に賛同いただいた4法人からのご協賛が決まっており、参加費用を1万円(釧路空港集合・解散)という低価格におさえることができました。
5月10日のバードウィークと同時に募集を開始し、当会ホームページにご案内を掲載しております。http://www.wbsj.org
この機会を全国の子どもたちにご案内いたしたく、支部の皆様にもお知り合い、ご友人にご紹介いただければ幸いです。当会ホームページと同内容のご案内は、『野鳥』誌6月号にも掲載いたします。
●本件についてのお問い合わせは、普及室 岡本、大谷(TEL:03-5358-3516)までお願いいたします。

(普及室/岡本裕子)

■野外鳥類学論文集「Strix(ストリクス) Vol.25」発行遅延等のお詫び■

 誠に申し訳ございませんが、5月発行予定とご案内しておりました「Strix(ストリクス) vol.25」につきまして、当会自然保護室が担当する編集作業が計画どおりに進まず、予定した時期の発行が不可能な状況となってしまいました。ご購読を楽しみにされていた皆様には、ご迷惑おかけいたしますことを心よりお詫び申し上げます。
  現在、一日も早い発行に向けて努力をしておりますが、現時点では6月下旬の発行となる見通しです。
  また、論分本数は『野鳥』誌広告等でご案内のとおり22本をこえる掲載ができる見込みですが、予定しておりました論文タイトルの一部に掲載できないものが出てきてしまう状況です。
  発行の時期および掲載内容の状況等につきましては、ご予約いただきましたお客様をはじめ、各支部販売事業ご担当の皆様に、個別にご連絡をさせていただいております。
  当初3月に発行を予定しており、諸般の事情で5月発行とご案内いたしましたが、再度の発行の遅延でご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。
  何卒ご理解、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
●本件についてのお問い合わせは、普及室 販売出版グループ(TEL:03-5358-3519、[email protected])までお願いします。

(普及室/笹川泰次)

総務室より

■「支部報とりまとめ発送」次回日程のご案内■

  次回の支部報取りまとめ発送日は7月24日(火)ですので、支部報は下記の要領でお送りくださるようお願いします。(支部報取りまとめ発送についての詳細は、支部ネット通信2006年6月号をご覧下さい。)

送付期日: 2007(平成19)年7月23日(月)必着
送付部数: 110部

※東京支部におかれましては130部お願いします
※神奈川支部、埼玉県支部、奥多摩支部、千葉県支部におかれましては120部お願いします
※ご事情により必要部数に満たない場合は、総務室にて発送先を調整させていただきます

送付先: 〒151-0061東京都渋谷区初台1-47-1小田急西新宿ビル1階
(財)日本野鳥の会 総務室支部報担当 宛
本件に関するお問合せ先:03-5358-3513 総務室 吉家(きっか)

(総務室/吉家奈保美)

■訂正のお詫び■

 支部ネット通信2007年1月号の印刷版に掲載した「公益法人制度改革 第1報」の「別表1 公益法人制度改革により従来と変わる点(主なもの)」に誤りがありました。1月号掲載の表は、下から2番目の「定款の変更、基本財産の処分、合併や解散、事業の全部譲渡など」の項目とその上の「会計監査人」の項目の間の横線が1行上に入ってしまっていました。訂正の別表は今月号の印刷版に掲載しています。
お詫びして訂正いたします。

(総務室長/原元奈津子)

会員室より

■2008年会員証の作品を募集します■

 『野鳥』誌6月号でもお知らせいたしますが、2008年会員証の作品を募集します。機会がございましたら、以下案内を赤い鳥(支部型)会員の皆さまへもぜひご紹介くださいますようお願いいたします。

=あなたのご自慢の写真やイラストで日本野鳥の会の会員証を飾りませんか?=
=2008年会員証の写真・イラストを募集します=

会員の方ならどなたでもご応募できます。会員証は会員の「野鳥と自然を守る仲間」のしるしです。どうぞご自慢の作品をご応募ください。

【応募要項】
○作品:未発表の写真かイラスト

  • 写真の場合、ポジフィルムまたはデジタルデータ(紙焼き<プリント>の写真は不可)。
  • デジタルデータは、以下の要領で受け付けます。
    • JPEG形式
    • データを保存したメディア(CD-R、MO、FDのいずれか)と、B5サイズ以上の大きさのプリントサンプルをお送りください。
    • 電子メールでの応募は受け付けておりません。
    • 画像編集ソフトなどを使って鳥や背景の合成・加工処理を行った写真は掲載いたしません。
    • データはできるだけ高解像度のものをお送りください(解像度350dpi以上が目安です)。
    • お手元にデータのバックアップをお取りください。

○応募手順
作品に以下の事項を書いた紙を同封し、下記までお送りください。
①住所 ②氏名 ③電話番号 ④会員番号 ⑥鳥の種類 ⑦撮影・スケッチ場所 ⑧エピソード

○宛先
〒151-0061 東京都渋谷区初台1-47-1小田急西新宿ビル1F 
(財)日本野鳥の会会員室「会員証応募係」

○応募締切
2007年8月10日(金) (消印有効)

○応募にあたってのご注意

  • 会員ご本人様が撮影、制作されたものに限ります。
  • お一人の応募数は写真、イラスト合わせて3点以内。
  • 繁殖行動などに影響を与える(与えた)と思われる作品は採用いたしません。マナーを守っての撮影をお願いいたします。
  • 縦、横どちらでも構いません。
  • 作品が郵送の途中で傷まないように梱包してお送りください。
  • 応募時の配送途中の事故・破損・紛失等につきましては責任を負いかねます。
  • 作品の取り扱いにつきましては万全を期しますが、微細なキズや万一、紛失・汚破損等が発生した場合、補償いたしかねますことをあらかじめご了承ください。
  • 作品の返却をご希望される方は、送料分の切手を貼った返信用封筒を同封してください。書留等で返送をご希望の場合は、その分の切手を貼付してください。返信用封筒が同封されていない場合は、返却できませんのでご了承ください。
  • 会員証への採用にあたって、トリミング等をさせていただくことがございます。ご了承ください。
  • 採用作品及びその類似作品を、他のコンテスト等への応募や印刷物等に使用されぬようお願いいたします。
  • 採用作品は『野鳥』誌、当会ホームページ(http://www.wbsj.org)でお知らせいたします。また、全応募作品につきましても、ホームページでご紹介させていただきます(応募作品のホームページへの掲載を希望されない場合は、その旨お書き添えください)。

(会員室/伊野純子)

■震災に備えた、会員・支援者データの保管■

 表記につきまして、本通信2005年5月号でお知らせしましたが、今後も定期的にお知らせすることといたします。
当会では現在、会員を始め、寄付者や商品購入者なども合わせて約17万人分のデータを保有しており、初台事務所にあるサーバーに記録しています。故障などに備えて毎日バックアップデータを作成し、事務所内にある耐火金庫でも保管していますが、万一の大規模災害や戦乱などによりビル自体が破壊される事態となった場合は回収が困難であり、その後の復旧に重大な支障を来たすことが懸念されています(ちなみに、初台事務所のある東京都渋谷区初台1丁目は、東京都都市整備局が公表している建物倒壊・火災・避難の各危険度で、全てにおいて5段階中の「3」という評価になっています)。
そのため、2005年5月より、遠隔地の安全な箇所に月1回の頻度でバックアップデータを記録したDATと、データを読み込むために必要な機材・スペックなどを記録したMOを保管しております。保管に際しては、輸送や保管時の安全性を考慮して、当会のサンクチュアリなどではなく専門の保管業者、「住友倉庫羽生トランクルーム」に委託保管しております。この施設は都心から約60km離れており、万一の災害などの際も同時被災を回避できます。また、建物自体も耐震・耐火構造となっておりセキュリティシステムも完備されています。
残されたデータを元にして、地方在住の職員や支部の方々が会を再興しなければいけない事態もあり得ますが、その際には、会員などのデータはこの住友倉庫からバックアップデータを取り出していただければ、早期の復旧に役立てられると思います。取り出すにあたっての認証には会長印または会員室印が必要となりますが、現状ではこれらの印鑑は初台事務所の耐火金庫に保管してあり、事務所が壊滅した場合はこれらの印鑑も失われる可能性が高く、代理の印鑑を作成する場合どこに責任をもって保管しておくか、また事務所壊滅時の継承権順位の設定は今後の検討課題と認識しております。

(会員室/齋藤英一郎)

■会員数 前月より微増■

●5月1日会員数 45,031人(対前月+8)
先月に比べ会員数が8人増加しました。
4月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より99人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。この復活者数と入会者数との合計が退会者数よりも多かったために、前月に比べて8人の会員数増加となりました。
4月の入会者数は前年同月の入会者数に比べ+9人でした。

表1.4月の入会・退会者数
入会者数 退会者数
個人特別会員 5人 11人
総合会員(おおぞら会員) 52人 104人
本部型ガタ会員(青い鳥トリ会員) 38人 40人
支部型ガタ会員(赤い鳥トリ会員) 62人 64人
家族会員 40人 77人
合計 197人 296人
年度累計 197 人

※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とはずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

●都道府県および支部別会員数
今月より、野鳥誌贈呈者数を除いた数を掲載します。

表2.都道府県別の会員数 (5月1日時点)
都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差
北海道 2,042人 18人 京都府 947人 -7人
青森県 342人 -2人 大阪府 2,356人 2人
岩手県 470人 -3人 兵庫県 1,735人 -6人
宮城県 587人 -1人 奈良県 643人 0人
秋田県 259人 -1人 和歌山県 224人 -3人
山形県 218人 0人 鳥取県 225人 -7人
福島県 849人 -1人 島根県 157人 0人
茨城県 1,172人 -3人 岡山県 644人 -2人
栃木県 568人 4人 広島県 709人 -1人
群馬県 965人 3人 山口県 517人 2人
埼玉県 2,727人 -6人 徳島県 388人 -3人
千葉県 2,312人 -13人 香川県 272人 5人
東京都 6,839人 9人 愛媛県 388人 1人
神奈川県 4,677人 0人 高知県 183人 0人
新潟県 479人 -5人 福岡県 1,547人 -6人
富山県 259人 0人 佐賀県 216人 1人
石川県 327人 -2人 長崎県 274人 2人
福井県 286人 -1人 熊本県 460人 3人
山梨県 367人 2人 大分県 274人 4人
長野県 1,024人 9人 宮崎県 294人 -2人
岐阜県 657人 4人 鹿児島県 426人 1人
静岡県 1,683人 2人 沖縄県 160人 0人
愛知県 1,847人 8人 その他 135人 5人
三重県 532人 -1人 全国 45,031人 8人
滋賀県 369人 -1人

備考:その他は海外在住の会員を示します。

表3.支部別の会員数 (5月1日時点)
支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差
小清水 8人 2人 福井県 280人 -1人
オホーツク 214人 1人 長野 534人 10人
根室 84人 1人 軽井沢 264人 -1人
釧路 187人 1人 諏訪 265人 1人
十勝 151人 2人 木曽 49人 0人
旭川 97人 4人 伊那 96人 0人
滝川 55人 2人 甲府 255人 -2人
道北 37人 0人 富士山麓 94人 4人
江別 25人 0人 東富士 61人 1人
札幌 405人 1人 沼津 240人 3人
小樽 146人 3人 南富士 277人 -3人
苫小牧 226人 -1人 南伊豆 59人 0人
室蘭 169人 3人 静岡 546人 -1人
函館 82人 -2人 遠江 472人 1人
道南檜山 70人 2人 愛知県 1,455人 3人
青森県 210人 0人 岐阜県 684人 2人
弘前 149人 0人 三重県 469人 -1人
秋田県 256人 0人 奈良 605人 -2人
山形県 218人 0人 和歌山県 229人 -1人
宮古 121人 0人 滋賀 318人 0人
盛岡 218人 -2人 京都 1,006人 -10人
北上 133人 -1人 大阪 2,253人 -5人
宮城県 568人 -1人 兵庫県 1,479人 -5人
福島 204人 0人 鳥取県 245人 -6人
郡山 227人 0人 島根県 172人 0人
二本松 56人 0人 岡山県 622人 -1人
白河 70人 -2人 広島県 671人 -4人
会津 72人 1人 山口県 530人 4人
南会津 19人 0人 香川県 241人 6人
いわき 147人 0人 徳島県 424人 -4人
福島県相双 13人 0人 高知 187人 -1人
南相馬 20人 0人 愛媛県 380人 3人
茨城 1,126人 -5人 北九州 421人 -4人
栃木県  545人 7人 福岡 770人 -2人
群馬県 854人 2人 筑豊 217人 2人
吾妻 99人 -1人 筑後 186人 1人
埼玉県 2,247人 -6人 佐賀県 256人 -3人
千葉県 1,747人 -12人 長崎県 283人 1人
東京 4,870人 -7人 熊本県 457人 2人
奥多摩 1,059人 2人 大分県 280人 4人
神奈川 3,694人 -6人 宮崎県 291人 -3人
新潟県 401人 -3人 鹿児島県 379人 1人
佐渡 23人 0人 八重山 79人 -1人
富山県 234人 -1人 やんばる 126人 -1人
石川 318人 -2人 合計 41,081人 -31人

備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。

(会員室/伊野純子)

支部ネット担当より

●電子メールをご登録ください
鳥インフルエンザへの対応など、急いで情報をお伝えする場合に、電子メールによる臨時版を発行しております。電子メール登録は、支部単位で各支部2アドレスまでご登録いただけます。お申し込みお問い合わせは、下記アドレスまでご遠慮なくどうぞ。
本通信のバックナンバーは、インターネットからご覧いただけます。但し支部向けの通信紙という性格上、当会ホームページ(www.wbsj.org)のメニューやサイトマップには表示されていません。下記のURLからご覧ください。
http://www.wbsj.org/info/shibu/net/index_2007.html

(会員室長/小林豊)

◆支部ネット通信 第38号
◆発行:財団法人日本野鳥の会 2007年5月28日
◆担当:会員室
〒151-0061 東京都渋谷区初台1-47-1
小田急西新宿ビル1F
TEL.03-5358-3510,3511,3512 FAX.03-5358-3608
E-mail:[email protected]
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