No.35 2007年2月号

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■ブロックの動き
  2007年のブロック会議予定
  2006年のブロック会議 追加報告
■支部の動き
  青梅永山北部丘陵を開発から転換(奥多摩)
  支部長交代のお知らせ
■事務局からのお知らせなど
  鳥インフルエンザへの対応について
  日本版鳥類レッドリストが改定される
  カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言
  道東の野鳥保護区をレンジャーがご案内
  佐賀県支部 愛鳥指導の取り組み
  11月号の探鳥会集計へのご意見について
  支部報とりまとめ発送案内
  50年以上継続会員の本部会費を免除
  年末入会DMで97人入会
  年末寄付DMで約230万円のご寄付
  入会パンフ配布にご協力を
  1年6ヶ月ぶりに会員数増

ブロックの動き
■2007年のブロック会議予定■
 今年開催されるブロック会議で、これまでに財団事務局へ開催日などの通知をいただいていますのは下記のとおりです。
●北海道ブロック 
【担当】
【日時】
【その他】
オホーツク支部
9月8日(土)〜9日(日)
会場など詳細未定
   
●東北ブロック 「第30回日本野鳥の会東北ブロック協議会・総会福島大会」
【担当】
【日時】
【場所】
福島支部
6月2日(土)〜3日(日)
土湯温泉「向滝」
福島市土湯温泉街字杉ノ下63 TEL 024-595-2121  FAX 024-595-2436
http://www.mukaitaki.co.jp
【日程】
6月2日(土)
     12:00〜 受付
     13:30〜 会議(記念講演を予定)
     17:00  記念撮影
     18:30〜 夕食・懇親会(オークション)
6月3日(日)
      5:00〜 早朝探鳥会(ホテル近く)
      7:00〜 朝食
      8:30〜 探鳥会(男沼、女沼周辺。ホテルバスでも移動可)
     11:00  ホテルに戻り解散予定
【費用】
13,000円 1泊2食付宿泊料、懇親会費等含む
【議事】
(1)支部提出議題
(2)各支部活動報告など
【申込】
【その他】
4月7日までに福島支部事務局まで
懇親会時に恒例のオークションを開催するので、多数の出品を
各地の「地酒」飲み比べをするので、自慢の地酒のお持ち寄りを
   
●九州ブロック 「照葉樹林の鳥たちin綾 2007年九州・沖縄ブロック大会」
【担当】
【日時】
【場所】
  
宮崎県支部
6月2日(土)〜3日(日)
「綾川荘」
宮崎県綾町北俣5539 TEL 0985-77-0070  FAX 0985-77-0021
http://www.town.aya.miyazaki.jp/ayatown/kankougaido/syukuhaku/ayagawasou.html
【日程】 6月2日(土)
     12:30〜 受付
     14:00〜 開会、来賓挨拶など
     14:20〜 綾照葉樹林の魅力
     15:00〜 照葉樹林の鳥たち
     15:35〜 鳥よもやま話
     16:10〜 各支部活動報告
     17:00〜 演奏会
     18:30〜 夕食兼交流会(オークション)
6月3日(日)
      6:00〜 早朝探鳥会
      7:00〜 朝食
      8:00〜 綾照葉樹林探鳥会
     11:30  解散予定
【申込】
【その他】
参加申込は早めに支部事務局まで。キャンセルは5月19日までに
恒例のオークションに寄贈品のご協力を
(会員室長/小林 豊)
■2006年のブロック会議 追加報告■
 前号に掲載いたしました2006年ブロック会議一覧の記事につきまして、東北ブロック・青森県支部の針生倖吉支部長より、追加の情報をいただきましたのでご報告します。情報の把握が不十分で大変失礼いたしました。またご連絡いただきありがとうございました。

●東北ブロックの追加情報
 ・ブロック会議の出席費用、開催費用は前号報告のとおり参加者負担。
 ・ブロック会議の準備など事務的経費は、開催費用とは別にブロックの会計から支出している。
 ・ブロック会計の収入は、ブロック会議での懇親会オークションの売り上げが充てられている。
 ・売り上げの半分がブロック会計に入り、残り半分が開催主管支部に入る。
 ・これにより構成各支部は、持ち出し無しでブロック会議を主管できる。
 ・なお、懇親会は、ブロック会議の重要な要素であると思っている。
 ・要請があれば何処のブロックでもオークションの係りとして行き、懇親会を盛り上げるので、ご一報いただきたい。

 この他のブロックでも追加の情報がございましたら、どうぞご連絡ください。

(会員室長/小林 豊)
支部の動き
■東京都青梅永山北部丘陵を開発容認から方針転換(奥多摩支部投稿)■
 青梅市永山北部丘陵は、民間業者が約30年前から住宅地として開発計画であった。その開発に容認を出すのは東京都であったことから、5年前に東京都知事宛に要望書を提出した。青梅市の市民団体である「永山北部丘陵開発反対」から、日本野鳥の会奥多摩支部も反対に加わってほしいと連絡があって、開発のことを知った奥多摩支部の行動は、永山北部丘陵にどんな野鳥がいるのか探鳥会という手法を使って調査から始めた。その調査結果を基に、そこは野鳥にとって大事な生息場所であるということを要望書に書いたわけである。その場所が、平成19年1月23日議会で青梅市竹内俊夫市長は、丘陵を現況のまま保全するという考えをうちだした。
 30年前の青梅市永山北部丘陵の風景は、山からわき水がでて、小川が流れ、水田があり、蛍がいて、昔ながら谷戸であったと市民団体の方から聞いた。要望書を提出するときに、いつもいる野鳥、身近な野鳥にとって生息地であるのはわかっているが、その切り口では要望する点が強くないので、どんな書き方があるか財団事務局の自然保護室に相談にいったことがある。そのとき自然保護室で「東京都の動植物レットデータブック」があるので、観察鳥種をそのデータブックに照らし合わせてどれが絶滅種になっているか、希少種になっているかを調べて要望書の内容にしたらいいのではないかとアドバイスをもらった。すぐにそのようなことを考えた内容の要望書を出したが、平成15年に東京都環境審議会は青梅市に開発して良いというサインを出してしまった。その後、業者が経営破綻し開発は暗礁に乗り上げたが、それでも青梅市は開発計画の続行という姿勢をしめしていた。それが、今回自然環境を保全の方向にするということは、野鳥の生息地保全にとって大変うれしい知らせである。
 平均30種類の野鳥を観察し約30名の参加者で探鳥会を毎月開催している。探鳥会には、地元の方々が参加するばかりでなく東京各地から訪れる。探鳥会は、その環境が地域の人にも、野鳥にとっても大事である、また訪れた人にとっても癒しになって気持ちの良い場所であると知らせることに大いに役に立っていると考えている。これからも大いに見守る役目としても、奥多摩支部はこれからも青梅市永山北部丘陵が保全されさまざまな野鳥が無事に生息されることを願い探鳥会もデータの積み重ねも続けていくつもりである。
     
(奥多摩支部長/鈴木君子)
■支部長交代のお知ら■
  以下のとおり連絡がありましたので、お知らせいたします(敬称略)。
●福井県支部
  新  柳町 邦光  2005年8月27日付
  旧  中林 喜悦
(総務室/吉家奈保美)

事務局からのお知らせなど
自然保護室より
■鳥インフルエンザへの対応について■
  先月中旬から、宮崎県(3ヶ所)と岡山県の養鶏場で、相次いで強毒性の高病原性鳥インフルエンザの感染が発生しています。現地の養鶏業者はじめ多くの関係者が多大な損害を被られていることにお見舞い申し上げます。また世界的に人命までもが失われていることを深く憂慮しています。
 すでに当通信のメール版臨時号(39、40、41号)にて速報をお伝えしておりますが、この問題についての基本姿勢と対応体制について改めてまとめてお伝えいたします。日本において野鳥がすこやかにすごすことができるように、皆さまも今後ともご協力のほどをお願いします。

1.取り組みの基本姿勢
 正しい知識の普及と、冷静な行動の呼びかけを行い、野鳥が不当な被害を受けないようにする。野鳥に対して過剰な不安を抱いて迫害を与えないよう呼びかけると共に、根拠となる科学的な情報をまとめて発信する。
 そのために、支部向けには支部ネット通信、会員向けには野鳥誌、一般・マスコミ向けにはホームページに随時、解説や情報提供のための記事を掲載していく。

2.発生時の対応
 発生状況や防疫対策について、中央省庁レベルの情報収集にあたり、日本野鳥の会としての対応を考える。また環境省、農林水産省等行政との情報及び意見交換も密に行い、行政の対策立案時に野鳥の保全の観点を取り入れるよう働きかけている。
 発生地の支部には現地の状況について問い合わせ、基礎的な情報をお送りしてマスコミへの対応や行政機関への協力について打合せ、また支部からは現地の情報をいただいて、広報や中央省庁の対応検討にフィードバックに役立てる。必要に応じて現地視察や調査、支部活動への応援派遣を行う。地域レベルでは、地方自治体の野生生物保護担当部署から各地支部へ野鳥の生息状況についての情報提供や現地調査について協力依頼があることが通例なので、各支部には協力をお願いしている。

3.事務局の対応体制
 関係部署の責任者により対策チームを作り、情報収集と対策の立案、支部支援、広報を実施しています。
 ○事務局内鳥インフルエンザ対応チーム
  ・自然保護室:古南幸弘室長、金井裕主任研究員
  ・普及室:箱田敦只室長、安西英明主任研究員
  ・サンクチュアリ室:葉山政治室長
  ・会員室:小林豊室長
 ○分担
  ・中央省庁からの情報収集、発生地支部との間の情報共有、連絡調整:自然保護室
  ・マスコミからの専門的な取材への対応:自然保護室
  ・一般、会員からの問い合わせ対応:普及室
  ・ホームページ、支部ネット通信を通じた広報:会員室
  ・サンクチュアリにおける問合せ対応、近隣支部支援:サンクチュアリ室
★今後もしも新たな発生があった場合の初動のご連絡は、自然保護室(金井または古南こみなみ)までお願いします。
   日本野鳥の会自然保護室  〒191-0041 日野市南平2-35-2  
   TEL 0425-93-6871 FAX 0425-93-6873  E-mail [email protected]
(農水省が設けている高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チーム、環境省が設けている鳥インフルエンザ等野鳥対策に係る専門家グループについて、自然保護室の金井が継続的に委員の委嘱を受け、各検討会で意見を述べるとともに現地踏査にも参加して各方面の専門家や現地からの情報を得ています。)

4.2007年1月の国内発生への対応状況の概要
 2007年1月の宮崎県3ヶ所と岡山県1ヶ所における高病原性鳥インフルエンザの感染発生に対応して、地元支部との連絡調整、ホームページの記事更新(2回)、支部ネット通信臨時号の発行(3回)を行いました。またマスコミの取材に随時対応しました。中央官庁の会合に出席、協力しました(農水省の農水省の鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会(5回)、環境省鳥インフルエンザ等野鳥対策に係る専門家グループ会合(1回))。

1月11日 宮崎県清武町における鳥インフルエンザ発生情報を宮崎県支部へ連絡
12日 宮崎県支部長と対応方法を協議(電話、以後、メールで情報をやりとり)
15日 環境省鳥インフルエンザ等野鳥対策に係る専門家グループ会合に出席
17〜18日 農水省の鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会で清武町の現地視察、および支部と対応方法を協議
22日 日向市における鳥インフルエンザ発生について情報確認、宮崎県支部へ連絡
23日 農水省の鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会会合(東京)。
26日 支部ネット通信(メール版)2007年1月臨時号(No.39)を発行。ホームページに見解を掲載。同時にマスコミ(TV,新聞、雑誌など約20社)と、自然体験活動推進協議会、日本環境教育フォーラム、「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議など、自然系あるいは教育系の約500団体に流した。
27日 岡山県高梁市における発生について農水省からの情報を確認、岡山県支部長と対応方法を協議(電話)、参考資料を送付(以後、メールでやりとり)
29日 支部ネット通信(メール版)2007年1月臨時号(No.40)を発行
30日 宮崎県新富町で新たな発生の情報。宮崎県支部とメールにて情報交換
2月2日 支部ネット通信(メール版)2007年2月臨時号(No.41)を発行。ホームページに普及記事「野鳥を怖がる必要はありません(2007年1月版)」を掲載
8〜9日 農水省の鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会で宮崎県日向市、岡山県高梁市を視察。宮崎県支部、岡山県支部と面談。
13日 農水省の鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会で宮崎県新富町を視察。
14日 農水省の鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会会合(東京)
現在、野鳥誌3月号掲載記事を準備中/新聞、テレビの取材に随時対応

(参考1)各支部への初動のご連絡内容の例
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●自然保護室から宮崎県支部へ
日時 : 2007年1月12日 6:44
宮崎県支部
前田幹夫 様
中村豊 様

恐れていた鳥フル、清武町での発生の報道を昨夜遅く見ました。

これまでの事例では、

発生地周辺、10kmでの野鳥の生息状況(生息種と密度)
水鳥の集中渡来地までの距離とそこの種構成
周囲での野鳥の異常の有無

がまず調べられます。県の保護課でわかればそれで済みますが、支部にも照会がある可能性が高いです。

また、発生地周辺での捕獲調査も行ない、ウイルスの存在の有無も調査を行うと思います。これは、山階鳥研経由となります。

この関係、日本野鳥の会の事務局として連絡先は金井になりますので、なにかあればご連絡ください。

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支部からのご返信
日時 : 2007年1月12日 17:56
金井様 
 発生現場は宮崎大学医学部ちかくの畑の中です。周辺(半径500b)以内には民家や学校などもすぐ近くにあります。野鳥類ではシロハラ2、スズメ6、ハシボソガラス2羽を確認しました。野鳥がいっぱいいる様子ではありません。鶏舎から約1キロのところにため池はありますが、カモの数は多くありません。県内の鶏舎は普通、人の少ない山間にあります。ここの場合は民家に囲まれた畑にあります。野鳥からという線は想定できない環境です。カラスも上空を飛んだのが2羽でした。写真はあとで送ります。

前田 幹雄

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(参考2)政府の対応状況
(1)農水省
各県の発生事例について、発生養鶏場での防疫処理については食料・農業・農村政策審議会消費・安全分科会家畜衛生部会家きん疾病小委員会において検討している。また感染経路については、高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チームを設置して、検討を行っている。
http://www.maff.go.jp/tori/kentoukai/index.html

(2)環境省
 緊急対処については、鳥インフルエンザ等専門家グループを召集し検討を行なっている。
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/index.html
(自然保護室長/古南 幸弘)
■日本版鳥類レッドリストが改定される■
 
    1998 2006
EX 絶滅 13 13
EW 野生絶滅 1 1
CR 絶滅危惧I A 17 21
EN 絶滅危惧I B 25 32
VU 絶滅危惧II類 47 39
NT 準絶滅危惧 16 18
DD 情報不足 16 17
 日本の鳥類を保全するための基本である、新しい鳥類のレッドリストが環境省から2006年12月22日に公表されました。レッドリストは日本の野生生物について生物学的観点から絶滅の危険度を評価してリストにまとめたもので、鳥獣保護法、種の保存法や環境アセスメント等の野生生物保護施策の参考資料として使われます。今後の保護・研究活動にとって大きな変更となりますので、情報提供として以下お伝えいたします。
 この新しいリストでは、絶滅の恐れのある種として92種があげられ、他に準絶滅危惧18、情報不足17種、絶滅の恐れのある地域個体群2種がリストアップされました。合計種数では旧リストに比べてランクが下がった種が11種あった一方、ランクがあがった種が26種もあり、総種数では3種の増加となりました(新リスト参照)。新たにレッドリストに上げられたのは、シマアオジ、ミゾゴイ、アカモズ、ズグロミゾゴイ、ベニアジサシ、ヒメウ、サシバ、ヒクイナ、ヨタカの9種です。新たにリストに上げられたり、ランクの上がった種には、島嶼に生息する種と草地や里地の環境を生息環境とする種が多くみられます。

図1. 平成18(2006)年度版の掲載種数のランク別内訳
1.選定の経緯
 「日本における絶滅のおそれのある野生生物種のリスト」(通称レッドリスト)は、平成3(1991)年に環境省によるレッドデータブックの発行の後、平成10(1998)年に改訂リストが公表されていました。今回は、平成14年から進められていた改訂作業によるものです。
 改訂の検討は、環境省が絶滅のおそれのある野生生物種の選定・評価検討会の下に分類群毎に分科会を置いて行われました。鳥類については、藤巻裕蔵・帯広畜産大学名誉教授を座長に、合計5名の委員により検討が行われました。当会からは、金井裕・自然保護室主任研究員が委員となっています。
 レッドリストは、平成10(1998)年公表リストよりIUCNのレッドリスト基準を基本に選定が行われるようになりました。検討は亜種単位で行われ、迷行種を除く700種が対象となりました。検討のためには可能な限り科学的データを収集する必要があります。生息データの収集は、全国の研究者や野鳥観察を行っている方々の協力を得て進められました。当会が現地調査を実施した全国繁殖分布調査結果や、各地の当会支部による地域での調査データが改訂検討にあたって重要な役割を果たした種も多くあります。

2.掲載種数
 レッドリストには、絶滅、野生絶滅、絶滅のおそれのある種、準絶滅危惧、情報不足、絶滅のおそれのある地域個体群が掲載されています。準絶滅危惧は、なんらかの要因で生息状況が悪化すると絶滅のおそれのある種に容易に移行する種、情報不足は生息情報が少ないため判定ができないが、生息数が多いとは思えない種で、どちらも生息状況等の監視など注意を要するものです。
 絶滅のおそれのある種の総数は92種となり、鳥類の評価対象種の約700種のうち、13%の種に絶滅のおそれがあるという結果となりました。すでに絶滅してしまった種や、レッドリスト掲載直前の準絶滅危惧種なども含めると、生息保全上問題があるとされる種の合計は、20%を越えました。
 絶滅のおそれのある種は、絶滅危惧TA類の21種、絶滅危惧TB類の32種、絶滅危惧U類の39種という内訳になります。絶滅危惧U類は前回の47種から8種減りましたが、絶滅危惧TA類は17種から4種の増加、絶滅危惧TB類は25種から7種の増加と、絶滅の危険性の高いランクが増加しており、全体的に悪化していることが示されます。
表1.平成10(1998)年度版レッドデータブックから今回ランクの変更のあった種
絶滅危惧IA類(CR)   旧ランク
クロコシジロウミツバメ
シマハヤブサ
ヤンバルクイナ
ヘラシギ
アカガシラカラスバト
チゴモズ
シマアオジ
  VU
EN
EN
EN
EN
VU
NT
絶滅危惧IB類(EN)   旧ランク
クロウミツバメ
ヒメウ
ミゾゴイ
リュウキュウツミ
チュウヒ
オオクイナ
シマクイナ
コシャクシギ
ブッポウソウ
アカモズ
ホントウアカヒゲ
アカコッコ
ウチヤマセンニュウ
ナミエヤマガラ
ハハジマメグロ
  VU
リスト外
NT
VU
VU
VU
VU
CR
VU
NT
VU
VU
VU
VU
VU
 
絶滅危惧U類(VU)   旧ランク
ズグロミゾゴイ
サシバ
ヒクイナ
アマミヤマシギ
セイタカシギ
ベニアジサシ
ヨタ力
オーストンオオアカゲラ
オオトラツグミ

  NT
リスト外
リスト外
EN
EN
NT
リスト外
EN
CR
準絶滅危惧(NT)
  旧ランク
ヨシゴイ
カラシラサギ
カリガネ
オオタ力
ウズラ
アカヤマドリ
オリイヤマガラ
  リスト外
DD
リスト外
VU
DD
リスト外
VU
情報不足(DD)   旧ランク
オシドリ
チシマシギ
ウスアカヒゲ

  リスト外
EN
CR
リスト外   旧ランク
アマミコゲラ
ルリカケス
オオハヤブサ

  VU
VU
NT

3.ランクの下がった種
 前回よりランクが下がった種が11種となりました。ランクが下がるということは、絶滅の恐れが減少したと判断されるので、基本的には喜ばしいことなのですが、種によって状況がことなります。ランクの下がった種には、オオトラツグミ、オーストンオオアカゲラ、アマミヤマシギ、アマミコゲラ、ルリカケスの奄美大島の固有種、あるいは主要な生息地となっている種が多く含まれます。奄美大島では、近年は森林伐採量が減少する一方で、過去の伐採地の樹林が成長し、生息環境が好転しつつあることは確かです。しかし、生息数が増加している傾向があるのではなく、現地での調査・生息状況監視体制が整い、生息数把握の精度が向上した結果をIUCNの基準に照らしたところ、ランクの変更があったものです。オリイヤマガラも生息数の最新評価からランク変更がありました。コシャクシギ、セイタカシギ、オリイヤマガラ、チシマシギは、アジア地域での分布状況も加えた評価の結果です。ウスアカヒゲは、分類記載された当時より長期にわたって生息記録がなく、自然の分布状況そのものもよくわからないことから、情報不足のランクへ変更されました。
 注目されるのが、オオタカが準絶滅危惧種となったことです。昨年まとめられた、環境省とオオタカネットワークの最新の生息状況調査の結果より判定されました。オオタカは、生息数が少ない上に密猟が絶えず、30年前より密猟監視や生息地の保全活動が行われてきました。この保全活動の成果と言えます。

4.ランクの上がった種
 ランクの上がった種、つまり状況がより悪くなったと判断された種は26種もあり、深刻な事態と言えます。以下にランクごとに新たに加わった種を見てゆきます。
1)絶滅危惧IA類
 絶滅のおそれのもっとも高い絶滅危惧IA類にはあらたに、クロコシジロウミツバメ、シマハヤブサ、ヤンバルクイナ、ヘラシギ、アカガシラカラスバト、チゴモズ、シマアオジの7種が加わりました。シマハヤブサは、生息推定数の再評価による変更ですが、その他の鳥は生息数が大きく減少しているとの判断によります。ヤンバルクイナは外来生物のマングースやノネコ、アカガシラカラスバトはノネコによる捕食が減少の要因とされています。
2)絶滅危惧IB類
 14種が加わることになってしまいました。このうち、ヒメウ、ミゾゴイ、リュウキュウツミ、オオクイナ、シマクイナ、ナミエヤマガラ、ハハジマメグロは生息個体数の再評価によるものですが、クロウミツバメ、チュウヒ、ブッポウソウ、アカモズ、ホントウアカヒゲ、アカコッコ、ウチヤマセンニュウは生息数が減少しているとの判断によります。クロウミツバメはネズミ類による捕食、アカコッコは三宅島におけるイタチによる捕食と噴火、ウチヤマセンニュウは三宅島での噴火の影響が大きいと判断されました。
 ブッポウソウとアカモズは全国に普通に見られた種ですが、現在は生息確認地点が限られています。
3)絶滅危惧U類
 ズグロミゾゴイ、サシバ、ヒクイナ、ベニアジサシ、ヨタ力の5種が加わりました。サシバ、ヒクイナ、ヨタカは里地や山麓地域の普通種でしたが、地域によっては生息確認ができないくらい減少率が著しい種です。サシバは関東南部以西で生息地が限られてきており、渡り中継地での個体数の減少率も著しいため、リストに載りました。ヒクイナとヨタカは、西南日本では生息確認がまだ多いですが、中部以東では生息確認地点が極めて限られています。
4)ランクの上がった種の特徴
 ランクの上がった種にはいくつかの特徴が見られます。
・島嶼性の鳥が多い
 14種が島に生息する種です。もともと限られた生息地にネズミ類やマングース、ノネコ、イタチといった外来生物が侵入し、個体群に打撃を与えていることが、ランクが上がってしまった大きな要因です。
・里地や農村環境の鳥
 7種が、水田地帯や山麓部の里地あるいは草地に生息する種です。里地の管理形態や農地の構造変化により、樹林環境の変化や草地の減少、水田・農地の環境変化が影響していると考えられます。
・夏鳥が多い
 8種が夏鳥で、2種が旅鳥です。越冬地や渡り経路環境変化や狩猟の影響についても、情報の収集が必要です。

5.準絶滅危惧と情報不足
 準絶滅危惧にヨシゴイ、カラシラサギ、カリガネ、ウズラ、アカヤマドリが、情報不足にオシドリが加わりました。ウズラは、情報不足から準絶滅危惧となりましたが、繁殖分布調査の結果比較から繁殖確認地点が減少していることが明らかになったことが、変更に寄与しました。ウズラとアカヤマドリは狩猟鳥ですが、今後、見直しの検討が行なわれると思います。

6.日本野鳥の会の絶滅危惧種保全活動
 日本野鳥の会は、レッドリスト種への保全活動を行っています。
1)絶滅危惧TA類の鳥
 クロツラヘラサギの保全について、国内では日本クロツラヘラサギ・ネットワークと協力して、生息状況の把握や生息地の保全活動を、アジア地域全体としては、バードライフ・アジアやクロツラヘラサギの繁殖地や越冬地となっている各国と連携して情報交換にあたっています。また、シマフクロウの保全のため、保護の網のかかっていない生息地の土地を購入し野鳥保護区を設置しています(サンクチュアリ室)。
 カンムリワシ(八重山支部)やヤンバルクイナとノグチゲラ(やんばる支部)のように支部の皆さんが調査や保全活動を行っている種もあります。
2)絶滅危惧TB類の鳥
 三宅島に生息するアカコッコとウチヤマセンニュウの保護のため、生息状況の調査と外来の捕食者となっているイタチの対策を行っています(サンクチュアリ室)。ヤイロチョウは高知県支部や宮崎県支部など主要な生息地である九州や四国の支部が保護活動に取り組んでいます。ブッポウソウは岡山県支部や広島県支部など中国地方の支部が巣箱による保護活動を行い、全国各地の支部も取り組みが広がっています。サンカノゴイ、イヌワシ、クマタカ、チュウヒについて、各地の支部で生息地保全の取り組みが行われています。
3)絶滅危惧U類の鳥
 タンチョウについては、シマフクロウ同様、当会独自の野鳥保護区の設置や生態調査に取り組んでいます。ナベヅル・マナヅルについては、佐賀県支部や伊万里市と越冬地分散のための生息地整備の事業を行うとともに、九州・四国・中国地方の支部と協力しながら越冬分散のための活動を行っています。トモエガモについては、片野鴨池サンクチュアリが韓国とも連携して調査を行い、水田での生息環境保全活動も進めています。コアジサシやハヤブサなど、各地の支部が生息地保全活動を行われている種があります。
4)今後の取り組み
 新たにレッドリストに加わった種、ランクが上がった種が多数あるなか、これらを含め、絶滅を回避するための保全活動を行うには、生息状況や生態についてもっと情報が必要な種が多数あります。支部や会員の皆さまと協力して、必要な情報を集め、実際の保全活動も進めて行きたいと考えています。レッドリスト種の皆さまの支部活動の情報について、自然保護室までお寄せいただければ幸いです。

 なお環境省からの発表資料は、インターネットの以下のサイトでご覧いただけます。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=7849
 2006年12月22日、鳥類、爬虫類、両生類及びその他無脊椎動物のレッドリストの見直しについて

【参考:レッドリストの各ランクの定義】
<絶滅(EX)>我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
<野生下絶滅(EW)>飼育・栽培下でのみ存続している種
<絶滅危惧>(絶滅のおそれのある種)
絶滅危惧T類 絶滅の危機に瀕している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、野生での存続が困難なもの。
−絶滅危惧TA類(CR) ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
−絶滅危惧TB類(EN) TA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
絶滅危惧U類(VU) 絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧T類」のランクに移行することが確実と考えられるもの
<準絶滅危惧(NT)> 存続基盤が脆弱な種。現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」とし上位ランクに移行する要素を有するもの。
<情報不足(DD)> 評価するだけの情報が不足している種
<絶滅のおそれのある地域個体群(LP)> 地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの
(自然保護室長/古南 幸弘)
■カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言について■
  昨年12月25日、カエルツボカビ症という両生類だけにかかる致死性の高い伝染性の皮膚病の病原菌が、日本に侵入したことが明らかになりました。この事態を重く見て、当会は関係団体と共に、「カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言」(下記)を1月13日付けで公表しました。皆さまも以下の点について、支部報等を通じて広報にご協力いただければ幸いです。
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 両生類は世界中で約1/3の種が絶滅の危機にさらされていますが、この急激な絶滅を加速させている原因の一つとして、1998年に発見された「カエルツボカビ症」という病気があげられています。現在、ツボカビはIUCN(国際自然保護連合)による外来生物ワースト100にもリストされ、世界的な監視が必要とされています。
 昨年12月25日、このカエルツボカビ症の病原菌が、アジアではじめて日本に侵入したことが明らかになりました。この事態を重く見て、当会は関係団体と共に、「カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言」を1月13日付けで公表し、以下のようなことを呼びかけています。
 カエルツボカビ症は、真菌(カビ)の一種がカエルの皮膚に感染することによって引き起こされ、致死率が高く(90%以上)伝播力が強いために世界中で猛威をふるい、すでにオーストラリアや中米の両生類が壊滅的な打撃を受けています。また、野外における防除方法は、確立されていません。野外のカエルに流行した場合、根絶は不可能です。このため、オーストラリアでは輸出入検疫を強化するなど、国をあげて対策に取り組んでいるところです。
 この感染症が原因でカエルの個体数が減少したり、絶滅に至る可能性があります。多くのカエル類が減少すると捕食していた昆虫などの増加、カエル類を主な餌としていた上位の捕食者(鳥類やヘビなど)への影響からわが国固有の生態系全体が破壊されてしまう恐れがあります。
 カエルツボカビ症は、真菌(カビ)の1種がカエルの皮膚に感染することによって起こります。両生類の皮膚に感染したツボカビは、そこで増殖して、鞭毛の付いた遊走子を水中に放出します。それが水中を泳ぐことで、他の両生類に感染します。両生類、特にカエルにツボカビが感染すると、多くのカエルが死にます(致死率90%以上)。さらに、伝播力が強く、次々に広がっていきます(胞子100個程度の感染で、カエルが発症します)。このため、世界中で猛威をふるっており、特にパナマでは、ツボカビが侵入してから僅か2ヶ月の間に生息していたカエル集団が全滅したという報告もあります。これまでに北中南米、アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、欧州と世界中で確認されています。現在では、このツボカビ症が、地球規模で進行している両生類の劇的な生息数の減少や絶滅をもたらしている主な原因ではないかと考えられています。
 元々アフリカが起源と考えられており、もともとの宿主であるアフリカツメガエルは無症状です。しかし、他の多くの種類のカエルがツボカビに感染すると病気になります。アフリカツメガエルが世界中に輸出され、それとともにツボカビも拡散していったと考えられています。他に、ウシガエルや、ペット用あるいは展示用として取引されている両生類が伝播の役割を果たしている可能性もあります。また、養殖魚や観賞魚とともに輸送される水にツボカビが含まれていて、それによって拡散した可能性も考えられます。また、人の様々な行動が、ツボカビを含む土壌や水を、無意識にいろいろな場所に運んでしまうこともあります。 
 ツボカビは、動物に寄生していなくても、野外で長いときには7週間も生き続けます。そして、カエルなどの動物が近くに来ると再び感染します。このため、世界中でいろいろな対策がとられている現在でも、相変わらず猛威を振るい続けています。今、日本で重要なのは、絶対、野外にツボカビを出さないことです。一旦、野外にツボカビがはびこると、根絶することは不可能です。
 ツボカビは両生類(無尾類、有尾類)と淡水性のエビに感染することが明らかになっていますが、人に感染することはありません。人以外の哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類にも感染しません。ただし、人は手や靴に付着した病原体を別の場所に運んでしまう危険性があるので、ツボカビに汚染されている可能性のあるカエルを取り扱ったり、生息地に行った場合は、手や靴、備品などを、徹底的に消毒する必要があります。
 現時点では、海外から輸入されたカエルが室内で死んだ死体から検出されたのみで、野外への侵入が確認されているわけではありません。しかし、一旦野外に侵入すれば除去は不可能とのことです。今重要なのは、カエルを飼育している方々が飼育の管理をきちんと行い、また死体や病気個体、それらの飼育に用いていた水、土などを絶対に野外に捨てないこと、また飼育中のカエルも野外に捨てないことが非常に重要です。また飼育中のカエルに異変があった時には、すぐにすみやかに動物病院や専門の研究機関へ連絡をすることが必要です。皆さんの身の回りに、ペット店から購入したカエルを飼っている方がいましたら、ぜひ、このことをお伝えください。
 これからカエルの生息地にバードウォッチングに出かける機会も増える季節になりますが、もしも同時に多数の両生類が死んでいたのを見つけた場合には、すみやかに自然保護室までご連絡ください。不必要な生体の採集・持ち帰りは控えてください。また、ツボカビ症が流行している国でトレッキングに使った靴は、靴底に付いた土を良く洗ってから使って下さい。

 なお以下の宣言文と、関係する各種の解説資料は当会のHPにも掲載し、資料は随時更新していますのでご参照ください。
 http://www.wbsj.org/press/070112.html

●自然保護室への連絡方法 電子メール [email protected] または FAX 042-593-6873

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2007年1月13日

カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言

【共同署名団体】
 爬虫類と両生類の臨床と病理のための研究会、日本野生動物医学会、
 日本生態学会・外来種専門委員会、日本爬虫両棲類学会、
 野生動物救護獣医師協会、日本動物園水族館協会、
 野生生物保全繁殖専門家グループ日本委員会(CBSG Japan)、
 世界自然保護基金ジャパン、日本自然保護協会、日本野鳥の会、
 生物多様性JAPAN、日本鳥類保護連盟、山階鳥類研究所、
 日本両生類研究会、オオサンショウウオの会、
 NPO法人どうぶつたちの病院

 世界の両生類(カエル、サンショウウオ、イモリなど) 5,743種のうち、120種が 1980年以降に絶滅したと推測され、さらに1,856種(32%)は絶滅のおそれがあるとされています。このような急激な絶滅を加速させている原因の一つとして、1998年に発見された「ツボカビ症(chytridiomycosis)」があげられています。現在、ツボカビはIUCN(国際自然保護連合)による外来生物ワースト100にもリストされ、世界的な監視が必要とされている感染症です。
ツボカビ症は、真菌の一種であるBatracochytrium dendrobatidisによって引き起こされ、致死率が高く(90%以上)伝播力が強いために世界中で猛威をふるい、すでにオーストラリアや中米の両生類が壊滅的な打撃を受けています。また、野外における防除方法は、確立されていません。野外のカエルに流行した場合、根絶は不可能です。このため、オーストラリアでは輸出入検疫を強化するなど、国をあげて対策に取り組んでいるところです。
この感染症が原因でカエルの個体数が減少したり、絶滅に至る可能性があります。多くのカエル類が減少すると捕食していた昆虫などの増加、カエル類を主な餌としていた上位の捕食者(鳥類やヘビなど)への影響からわが国固有の生態系全体が破壊されてしまう恐れがあります。
ツボカビ症が確認されていないのは、これまでアジア地域のみとされてきました。残念ながら、国内の飼育中のカエルから2006年12月25日にツボカビが検出され、初めてわが国への侵入が確認されてしまいました。
 私たち共同署名団体は、この事実を重く受け止め、緊急事態を宣言いたします。わが国に生息する両生類と生物多様性を保全するため、私たち専門家は速やかに行動計画を策定し、可能な限りの努力を尽くす所存です。同時に、それぞれの主体に対し、責任ある行動と以下の提案の実施を期待します。

●国民の皆様へ
 地球規模で両生類が絶滅の危機にあることを理解し、むやみに野生の両生類をペットとして飼育することは慎んでください。なお、ツボカビは、両生類以外には、人を含めた哺乳類、鳥類、爬虫類および魚類には感染したという報告はありませんので安心してください。
すでに飼育している場合、飼育中の個体に異変があれば、すみやかに動物病院や専門の研究機関へ連絡をしてください。ツボカビは、水中を浮遊するため、水の管理が最も重要です。死亡したカエルを飼育していた水槽や水は感染源となります。これらの汚水などを排水口や野外に排水することは、禁物です。当然のことですが、飼育している個体を野外に放つことや死亡した個体を野外に投棄することは絶対にやめてください。飼育中の個体に異変があった場合には、野外の両生類との接触を避けてください。

●動物輸入および販売業者の皆様へ
 取り扱っている個体に異変が見られた場合は、すみやかに動物病院や専門の研究機関へ連絡をしてください。もし、輸入先の国がツボカビ症の汚染地域である場合には、輸入個体が病原体に汚染していないことを確認してください。また、販売を目的とする採集は、控えてください。

●大学、研究機関、動物園、水族館の皆様へ
 両生類を取り扱っている施設では、検疫体制を強化し、必要に応じて予防措置を講じてください。感染が疑われる場合には、すみやかに専門の研究機関に連絡してください。また、ツボカビ症についての正確な情報の周知に努めてください。

●マスコミの皆様へ
 地球規模で両生類が絶滅の危機に瀕していること、ツボカビ症による深刻な影響が世界各地で広がり国際的な共同行動が必要であること、すでにわが国にツボカビ症が侵入し、放置すれば取り返しがつかなくなるおそれがあることなど、メディアを通じて正しい知識を広く国民へ伝えてください。

●関係省庁の皆様へ
 ツボカビ症の侵入により、わが国の生物多様性に取り返しのつかない影響をおよぼすおそれがあることから、実態調査、検疫の強化、販売・流通の監視、検査体制の確立等、すみやかな対策の実施や法制度の見直しを行ってください。

●自然観察や野外調査を行なっている皆様へ
 同時に多数の両生類が死んでいた場合は、すみやかに動物病院や専門の研究機関へ連絡をしてください。不必要な生体の採集・持ち帰りは控えてください。また、ツボカビ症が流行している国でトレッキングに使った靴は、靴底に付いた土を良く洗ってから使って下さい。

●関連情報参照ホームページ
 本件に関する詳細な情報(ツボカビ対策解説書、Q&A等)は、次のホームページに掲載されております。

  麻布大学 http://www.azabu-u.ac.jp/
  WWFジャパン http://www.wwf.or.jp/chyt2007/

(本件に関する連絡先)
日本野生動物医学会 e-mail:[email protected]
爬虫類と両生類の臨床と病理のための研究会 e-mail:[email protected]

(自然保護室長/古南 幸弘)

自然保護室より
■道東の野鳥保護区をレンジャーがご案内します!■
 当会では、タンチョウやシマフクロウの生息地を保全するため、土地の購入等の方法により確保し、野鳥保護区を設置しています。現在、野鳥保護区は、全国で22ヶ所、1,700.3ha、このうち北海道東部には18ヶ所、1683.0haとなりました。
 野鳥保護区は、基本的には、立ち入りを制限し、手をつけずに保全することにしています。しかしながら、レンジャーが同行すれば立ち入り可能な場所や、北海道の原風景を残した素晴らしい景観を楽しめる場所があります。そこで、今年から支部の遠出探鳥会、ツアーなどで野鳥保護区を見ていただけるように、レンジャーがガイドを行うことにいたしました。どうぞこの機会に、会員の皆様のお力で守られている素晴らしい自然を見ていただければと思います。

●対象の探鳥会、期間など
対象: 支部主催のツアー、遠出探鳥会、これらのための下見
期間: 2007年5月〜2007年11月
費用: レンジャーのガイドは無料(上記対象のみ)
予約: 原則として1ヶ月前まで。但しそれ以降でも可能な限り対応はいたします。
複数支部から同日程のお申し込みがある場合は、先着順とさせていただきます。
注意: レンジャーのガイドは原則として野鳥保護区内とその周辺に限ります。
タクシーや貸切バスなど運転手付きの場合でしたら、同乗してのガイドをさせていただきます。
個人の自家用車、レンタカーなどの場合は、同乗でのガイドは控えさせていただき、現地(保護区)付近での待ち合わせにより保護区管理車両で先導してご案内いたします。

●ご案内する野鳥保護区
 ※シマフクロウの保護区はご案内できません。

(1)早瀬野鳥保護区別寒辺牛湿原(べかんべうししつげん)
 1994年、早瀬廣司・富氏のご寄付を元に、厚岸町別寒辺牛湿原284.6haを当会が、80.8haを厚岸町が町の予算で買い取ったものです。ヨシ原とハンノキ林が、チライカリベツ川に沿って広がっています。2006年には、隣接地35.3haを渡邊玲子氏からの寄付で買い取り、合わせて、400haにおよぶ広大な野鳥保護区となりました。この保護区の中で、3つがい繁殖しています。
 保護区内を一般通行可能な道が通っており、レンジャーのガイドなしでも入ることができます。

位置: 春国岱ネーチャーセンターから車で約1時間、厚岸市街からは車で約15分、釧路市街からは車で約1時間です。国道44号線沿いJR根室本線の糸魚沢(いといざわ)駅の南側で、糸魚沢林道を通り訪れることができます。また、糸魚沢駅の北側の高台からも、野鳥保護区全体を見渡すことができます。
移動: 大型バス、中型バス利用の場合、国道の糸魚沢駅付近に停車して糸魚沢林道を徒歩約10分で保護区内に入り、その先15分程で、見晴らしの良い「いとう橋」です。北側高台には停車場所から徒歩約15分です。
ジャンボタクシー、マイクロバスの場合は、糸魚沢林道を保護区内まで進入可能です。国道から150mほどで保護区内に入り、その先1kmほどで、「いとう橋」です。北側高台にもそのまま行けます。
野鳥: 春から夏にかけて、ノビタキ、ベニマシコ、コヨシキリ、シマセンニュウ等が観察できます。
観察: 駅付近から林道を「いとう橋」まで徒歩で往復して観察の場合、所要は1時間〜1時間30分程度です。林道は起伏が無く、比較的整っており歩きやすい道です。
周辺: 車で約10分のところに厚岸町が運営する厚岸水鳥観察館があり、別寒辺牛湿原等の自然や野鳥についての展示があります。トイレも利用可能です。
車で約15分のところに「道の駅厚岸コンキリエ」があり、厚岸の名産物のカキを使った料理が楽しめます。


(2)渡邊野鳥保護区フレシマ
 2005年、湿原と草原203.7haを渡邊玲子氏からのご寄付を元に買い取ったものです。この保護区は、根室市の太平洋側に位置し、五本松川とホロニタイ川の下流域に広がる湿原と湖沼と草原で形成され、北海道の海岸線の原風景が残されています。1970年代からタンチョウ1つがいが繁殖している由緒ある地域です。
 保護区の入口ゲートを施錠管理しており、一般の通行はご遠慮いただいています。保護区内ではレンジャーのガイドが必要です。

位置: 春国岱ネーチャーセンターから車で約20分です。JR根室本線の別当賀(べっとが)駅からは、車で5分、徒歩40分〜1時間です。
移動: ジャンボタクシー、マイクロバスの場合は、保護区入口まで進入可能です。
大型バス、中型バスでは入れません。
野鳥: 春から夏にかけて、オオジシギ、ノビタキ、ノゴマ、シマセンニュウ、マキノセンニュウ、ベニマシコ、アリスイ、オジロワシ等が観察できます。秋には、カワアイサ、マガモ、ヒドリガモ等のカモ類、オオハクチョウ、アオアシシギ、キアシシギ等が観察できます。
保護区の展望地付近は、エゾフウロやチシマフウロ、ハクサンチドリなど、北海道の花もみどころです。
観察: 保護区入口からは徒歩で観察します。所要は海岸までの往復で30分程度、入り口付近から保護区の展望だけですと20分程度です。
保護区内の道は起伏もあり、ぬかるんでいるところもあります。
周辺: 海鳥が見られる落石岬の入り口までは車で約20分です。その先、落石岬までは、徒歩約30分です。
車で約15分のところに「道の駅スワン44」があり、トイレ、レストランがあります。ラムサール条約登録地「風蓮湖」の特産品を扱っているショップもあります。

(3)渡邊野鳥保護区ソウサンベツ
2002年、渡り鳥やタンチョウの重要生息地である風蓮湖畔の湿原と山林368.1haを渡邊玲子氏からのご寄付を元に買い取ったものです。この保護区は風蓮湖西側に位置し、ソウサンベツ川、アッツトコベツ川、湖南川の下流域に広がる広大な湿原と山林で形成されています。タンチョウ2つがいが繁殖、隣接地では1つがいが繁殖し、自然採食地として利用されています。
 保護区内に一般通行可能な道がありますが、タンチョウの繁殖への配慮からレンジャーのガイドが必要としています。

位置: 春国岱ネーチャーセンターから車で約20分です。JR根室本線根室駅から車で約40分です。中標津空港から車で約1時間です。
移動: ジャンボタクシー、マイクロバスの場合は、保護区内の砂利道も通行可能です。
大型バス、中型バスでは入れません。
野鳥: 春から夏にかけて、タンチョウ、コヨシキリ、ノビタキ、ノゴマ、シマセンニュウ、ベニマシコ、カワアイサ、オジロワシ等が観察できます。秋には、タンチョウ、カワアイサ、マガモ、ヒドリガモ等のカモ類、オオハクチョウ、アオアシシギ、キアシシギ等が観察できます。
観察: 保護区入口の橋より、風蓮湖の湖面、干潟、湿原の鳥たちが観察できます。保護区内の展望地入口から徒歩2分で、風蓮湖を一望できる展望地です。夏の干潮時にはシギ類を、秋にはカモ類やオオハクチョウの観察ポイントです。渡邊野鳥保護区ソウサンベツの石碑もあります。
保護区内の道は平坦な砂利道です。春から夏にかけてはダニが多いので注意が必要です。
周辺: 車で約15分のところに「道の駅スワン44」があり、トイレ、レストランがあります。ラムサール条約登録地「風蓮湖」の特産品を扱っているショップもあります。

(4)藤田野鳥保護区酪陽(らくよう)
2003年、風蓮湖に流れ込む別当賀(べっとが)川河口の湿原22.1haを、藤田様からのご寄付を元に買い取ったものです。毎年タンチョウ1つがいが繁殖しています。
 保護区内への道はなく、保護区対岸の漁港からの観察となります。漁港までは一般通行可能な道がありますのでレンジャーのガイドなしでも入ることができますが、漁師の方の迷惑にならないよう、ご配慮願います。

位置: 春国岱ネーチャーセンターから車で約10分です。JR根室本線根室駅から車で30分です。
移動: ジャンボタクシー、マイクロバスの場合は、保護区を見渡せる漁港まで進入可能です。大型バス、中型バス利用の場合、国道沿いの広場に停車して徒歩約10分です。
野鳥: 春から夏にかけて、漁港の周辺の森では、カラ類、アカハラ、ミソサザイ、エゾセンニュウが。周辺の草原では、ノビタキ、コヨシキリが。上空や木の上にいるオジロワシ等が観察できます。秋には、カワアイサ、マガモ、ヒドリガモ等のカモ類、オオハクチョウ等が観察できます。
観察: 漁港で行き止まりの道になっています。川の対岸のヨシ原と林が野鳥保護区。運が良ければ、タンチョウの家族が姿を見せてくれます。
道が悪く、水溜りがあります。
漁師の方の邪魔にならない、ご配慮をお願いします。
周辺: 車で約5分のところに「道の駅スワン44」があり、トイレ、レストランがあります。ラムサール条約登録地「風蓮湖」の特産品を扱っているショップもあります。

(5)エクソンモービル野鳥保護区春国岱(しゅんくにたい)
 春国岱全体が国設鳥獣保護区に指定されているが、市有地のほかに民有地があったため、その一部を、1994年、エクソンモービル・ジャパングループ株式会社からのご寄付により買い取りました。春国岱はアカエゾマツの原生林を中心に、ヨシ原や草原がひろがっていて、タンチョウやクマゲラなどが生息している野鳥の宝庫です。また、渡り鳥やタンチョウの重要な生息地である風蓮湖に隣接しています。この保護区内ではタンチョウ1つがいが繁殖しています。春国岱全体では4つがいのタンチョウが繁殖しており、自然の採食地として保護区をタンチョウが利用しています。
 春国岱への入口に、根室市の春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターがあり、当会レンジャーがいて、春国岱や根室の自然について解説しています。
 保護区も春国岱原生野鳥公園になっていて、レンジャーのガイドなしでも入ることができますが、2006年秋の暴風雨のため、木道が全壊したため、現在森林の中に入ることはできません。水辺や草原を歩くことはできます。

位置: 春国岱ネイチャーセンターから春国岱の入口まで、車で1分、徒歩で約10分です。JR根室本線根室駅から車で15分です。
移動: 春国岱の駐車場から徒歩になります。
野鳥: 春から夏にかけて、シマセンニュウ、コヨシキリ、コムクドリ等が観察できます。夏から秋にかけては、タンチョウ、キアシシギ等のシギ類、カモ類、カモメ類等が観察できます。
観察: 春国岱入口の駐車場からは徒歩での観察となります。春国岱を見渡せる展望塔まで徒歩15分〜20分です。春国岱入口駐車場から、展望塔まで往復しての観察の場合、所要は1時間〜2時間程度です。
周辺: 車で約5分のところに「道の駅スワン44」があり、トイレ、レストランがあります。ラムサール条約登録地「風蓮湖」の特産品を扱っているショップもあります。
車で2分程度のところに当会協定旅館の「レストラン&コテージ レイクサンセット」があります。
根室名物の「エスカロップ」が有名です。

●野鳥保護区満喫のおすすめモデルコース
【1日目】 
 13:30発 根室中標津空港
   東京羽田空港、札幌千歳空港、札幌丘珠空港からの便があります
   ※春から秋は、レンタカーが便利です。当会の協定レンタカー「マツダレンタカー」「トヨタレンタリース釧路」
    「日産レンタカー」を使うと割引等の特典があります。
 14:30着 野付半島
   ノゴマやノビタキ、シマセンニュウなど、草原の鳥たちが観察できます。
 15:30発 途中でレンジャー合流
 16:50着 渡邊野鳥保護区ソウサンベツ
   レンジャーのガイドで保護区見学。
   マキノセンニュウやカワアイサ、オジロワシ等が観察できます。
 17:20発 途中でレンジャー別れる
 18:00着 根室市街
   宿泊は日本野鳥の会の協定旅館「民宿たかの」「レストラン&コテージレイクサンセット」で。
   根室市内には、旅館・ホテルもあります。
【2日目】
  8:00発 根室
     途中でレンジャー合流
  8:40着 渡邊野鳥保護区フレシマ
   レンジャーのガイドで保護区見学。
   ノゴマ、ベニマシコ、アリスイ、マキノセンニュウ、オジロワシなどが観察できます。
   一面に広がる太平洋と湿原、美しい海岸線をお楽しみください。
   エゾフウロやハクサンチドリなど、北海道の花もたくさん咲いています。
  9:40発
 10:40着 霧多布岬
   ウトウ、アビ類などの海鳥が観察できます。運が良ければエトピリカに逢えるかも?!
 11:20発
 11:50着 渡邊野鳥保護区別寒辺牛湿原
   レンジャーのガイドで保護区見学。
   もっとも大きな野鳥保護区(400ha)をご覧ください。
   保護区内では、ノゴマ、ベニマシコ等の草原の鳥が、当保護区南側の森の林道では、
    アカハラ、キビタキ、エゾムシクイ等が観察できます。運が良ければ、クマゲラやエゾライチョウも。
 12:30発 レンジャー別れる
 12:40着 道の駅厚岸コンキリエ(昼食)
   名物は厚岸の名産物のカキを使った料理。カキを使ったお土産もたくさん売っています。
   売店で売っている「石炭アイス」は、意表をつくおいしさ。話のネタにぜひどうぞ!
 13:40発
 15:30着 釧路湿原細岡展望台
   細岡の釧路湿原展望台からは、湿原の中を蛇行する釧路川と広大な湿原が圧巻です。
 16:00発
 17:00着 鶴居村
  宿泊は日本野鳥の会の協定旅館「鶴居ノーザンビレッジ ホテルTAITO」」「グリーンパークつるい」で。
  鶴居村の天然温泉「美人の湯」でお肌ツルツルに!
【3日目】
  8:00発 鶴居村
  8:10着 下雪裡の渡部給餌場
   繁殖に参加しない若いタンチョウたちが観察できる可能性が高いです。
   ※鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリは、4〜9月の間、休館です。
  8:30発 (途中、温根内野鳥保護区が見られます)
  9:00着 温根内ビジターセンター木道
   コヨシキリ、ノゴマ、オオジュリンなど草原の鳥が観察できます。運がよければシマアオジに逢えるかも!?
 10:30発
 11:30着 釧路・和商市場。昼食
   釧路の和商市場で、新鮮な魚介類のお土産をどうぞ。
   同市場内で、ウニやイクラなど好きなものをのせてもらえる「勝手丼」がお勧めです。お寿司屋さんもあります。
 13:00発
 14:00着 釧路空港
   東京羽田空港、名古屋空港、札幌千歳空港、札幌丘珠空港、函館空港、旭川空港への便があります。

 この他のコース、日程、時期、見るものなど、ご相談に応じます。ご遠慮なくお問い合わせください。

●申し込み・お問い合わせは:
  日本野鳥の会 野鳥保護区事業所(富岡・有田)まで
  TEL:0153-25-8911 E-mail:[email protected]

(サンクチュアリ室/富岡 辰先)

自然保護室より
■佐賀県支部 愛鳥指導の取り組み■
 昨年9月、長崎で行われた九州・沖縄ブロック大会の席上で、会長が支部ネット通信8月号の記事を取り上げられ、栃木県支部と茨城支部の学校対応への取り組みについて紹介されました。すると、その場で複数の支部から「うちの支部でもやっているから取材に来てもいいよ」というお声をいただきました。
そこで、今回は手を上げていただいた支部のうち、佐賀県支部の学校対応の現場に永松愛子(福岡市油山自然観察の森のチーフレンジャー)がお邪魔してその活動を取材させていただきましたのでご報告させていただきます。
(普及室長/箱田 篤只)
 
 2007年1月17日(水)朝8時30分、集合場所の運動公園(東山代町)に佐賀県支部の馬場清さんはじめ、メンバーの方々が集まってこられました。ところが、雨がポツポツ降っています。案の定、学校から明日に延期との知らせ。
「探鳥会はできるとになあ」と皆さん顔を見合わせておられました。 世話役の馬場さんは、さっそく「明日は誰が来れるのか?」とメンバーの方々に確認を取っておられました。
 子供達との探鳥会の様子は見ることができませんでしたが、お話を伺いましたのでご紹介いたします。 メンバーは馬場清さん(普及部長)・松原忠夫さん・江口純正さん・福田武利さん・安井淳一郎さん・石丸英輔さん(会員・伊万里鶴の会会長)です。

●佐賀県支部の愛鳥普及活動(愛鳥モデル校指導事業)
 佐賀県支部の愛鳥普及活動は、今から10年前、佐賀県支部が誕生してから2年目の1997年から、佐賀県庁で鳥獣保護業務の担当部局から愛鳥普及事業の委託を受けたのが始まりです。
 モデル校として指定を受けると、その学校では5年間継続して活動を行います。毎年10校の小中学校が対象ですが、2校ずつ入れ替わります。指定校は海辺や山間部、都市部など、県内くまなく対象になっています。また、全学年で16名の小さな小学校から、多いときには1学年200名近くの中学校までと、学校によって、人数も対象となる学年も様々です。
 なお、これまでの取り組みの中で、子ども達の関心の度合いや集中力の持続する時間等を振り返ると、小学校4年前後の子ども達の関心や反応が最も強く、多くの小学校では現に、4年生を中心とした取り組みとなる傾向が見られます。
 
●パズルのような日程調整
 年度初めに、日程や活動内容、実施に当たって把握しておきたい事項などを把握しておくため、まずは各モデル校の担当先生宛てにアンケート調査を行います。
 活動内容として、@探鳥会(11月〜3月)、A愛鳥講演会、B給餌台の作成や設置、C巣箱の作成や設置、D鳥の水場の設置や管理、E鳥の餌木の植栽や管理(2月〜3月)、F野鳥衝突防止物の作成や設置(支部独自企画)、G野鳥に関する寸劇(小学低学年向き・支部独自企画)などを挙げて、その他、特に準備が必要な物に関してや実施時期の希望などを答えていただくようにしています。
 また、このアンケートには、それぞれの取り組みで期待できる効果や、一方で、想定される課題などについても触れるようにしています。
このアンケートの回答を元に、日程調整や実施内容の調整・準備作業にかかるわけですが、これがなかなかのくせ者。 いつまでたってもアンケートの回答が返ってこない学校や、中にはアンケート用紙そのものを無くしてしまう先生もいらっしゃるとか。 馬場さんのご苦労がしのばれます。
馬場さんは、この事業の本締め的役割を担っておられていますが、実際には、学校ごとに担当者を1名ずつ決められています。
 毎回、多い時には6〜7人のスタッフが必要なのですが、支部会員で平日に動ける方は限られ、メンバーはどうしても固定化しがちなのが悩みの種だそうです。やはり、スタッフ集めが一番の苦労の種だそうです。
 また、1校につき、年間1回〜3回の対応が普通ですが、実施時期が集中しやすく、特に11月などは、スタッフの皆さん、佐賀県内を東奔西走という状況になります。 ちなみに、今回おじゃました伊万里市から、次週実施予定の鳥栖市まで、車で2時間くらいの距離があります。

●他の支部ではめったに見られないユニークな取り組み、劇団『野鳥座』
 ところで、活動メニューの中に「G野鳥に関する寸劇」というのがありますが、これが今回、特にご紹介したい劇団『野鳥座』というユニークな取り組みです。
 小学校低学年向けに、30分程度のプログラムで、食物連鎖をテーマにしたクイズ形式の寸劇です。元々は、前事務局長の坂本千恵さんが、脚本から小道具まで、何から何まで作られたもので、4人ぐらいのスタッフで行います。登場するのは、もっぱらその地域にいる鳥たちで、スズメ・アオサギ・ジョウビタキ(夏はツバメ)・カモ・ワシなどです。お話は、ジョウビタキが遠いところから渡ってきて、スズメやアオサギと「久しぶりに会ったね!」というところから始まります。 そして、みんなでエサを探しにいくところで、クイズになります。
 黒板に、厚紙で作ったハンバーグや、イネ・木の実(手近かに草や木の実があればそれを使います。)、他にカエル・バッタなどを貼り、鳥たちが何を食べるのかを子供達に当ててもらいます。当たればみんなで拍手。外れたらその鳥がオーバーアクションで拒絶したりします。
 そうこうしているうちに、校長先生あるいは教頭先生などが、猛禽類(いじめ役)に扮して「小鳥を食べるぞー!!」といいながら登場すると、小鳥たちが逃げ回るという展開で、このシーンがとにかく大受けするのだそうです。 担任の先生には解説を担当していただきます。子供達にとっては、自分達の担任の先生も劇に登場するので、一層親しみを感じるのでしょう。劇団『野鳥座』はどの学校でも好評で、「また来年もやって!」という要望が寄せられています。
 ただ、劇団『野鳥座』で中心的存在だった坂本千恵さんが、昨年9月に亡くなられたため、今は中断しているとのこと。でも、後を継いでいこうという方も出てきて下さり、来年度には再開できるよう準備中とのことです。

●地元の他団体との共同の取り組み、モデル校以外への広がり
 伊万里市の東山代小学校での取り組み時は、マナヅル・ナベヅル越冬誘致計画に取り組まれている伊万里鶴の会の皆さんと、また、鹿島市の鹿島小学校では、「東アジア・オーストラリア地域シギ・チドリ類重要生息地ネットワーク」に登録された新籠海岸を舞台に、環境教育に取り組まれている佐賀大学の学生さんなどと共同で、その土地ならではのバードウォッチング指導や、そこで行われている環境保全の取り組みについてレクチャーを行なうなど、それぞれの地元団体と共同で、地元の環境を活かした活動が行われています。
また、県から委託を受けたモデル校以外の学校からも、指導を依頼されるケースが増えており、ここでも劇団『野鳥座』は大変な人気を博しています。

●思い
 各学校への指導が終わると、感想文を頂戴します。「すごく感動した。」とか、「鳥も一生懸命だと思った。」とか、こちらが思う以上に、子供達はたくさんの事を感じ取っていることに、あらためて驚かされるそうです。 愛鳥指導の後、「子供達が学校周辺の鳥のことを熱心に話し合っていますよ。」と担任の先生が教えて下さったり、また、思いがけない場所で、思いがけない時に、指導に行った学校の子供に声をかけられる事もあるそうです。中には、このことがきっかけで支部の探鳥会に参加してくれる子供もいるなど、そんなことがあると「本当にこの活動をしてよかったな。」と思われるそうです。
 「大変な思いをしても、それでも続けられるエネルギー源は?」と尋ねたところ、馬場さん曰く、「まずは子供達が大好きなこと。そして、その子供達に、バーチャルではない、生の生きものや自然を見て感じてほしい。 野外での活動が楽しそうな子供達の姿を見るとまた来たくなるのです。」と、力を込めて楽しそうにおっしゃっていました。


 次号では、もう少し踏み込んで佐賀県支部の人気プログラム、劇団「野鳥座」について詳しくご紹介したいと思います。

(サンクチュアリ室福岡市油山自然観察の森担当/永松 愛子)
■11月号「支部探鳥会の集計結果」へのご意見について■
 昨年11月号の支部ネット通信で、「支部探鳥会の集計結果」をご報告いたしましたところ、大阪支部のご担当者から次のようなご意見をいただきました。

「この報告の中で気になる点は、大阪支部がリーダー1人当たりの参加者数が少ないこと、それが問題視されているように記述されていると思われることです。この点、疑問に思いましたので、リーダー1人で20人近いと報告されている支部にも所属している方に確認した所、1名となってはいても実際はベテラン参加者の何人かが手伝っているとのことでした。私としては、大阪支部がリーダー1人あたりの参加者数が少ないことは、探鳥会参加者へのサービス(鳥の説明のみでなく、参加者の安全面などを含む)が行き届いていると思っています。」

 ご指摘の点につきましては、まったくそのとおりで、リーダー1人あたりの参加者の人数が少なければ少ないほど参加者への目が行き届き、サービス向上や安全確保につながる要素となっていると思います。また、リーダーの層が厚ければ厚いほど安定した探鳥会運営を可能にしていると思います。
支部ネット通信の11月号では、こうした運営を可能にしている支部の事例を、支部ネット 通信に掲載し、他の支部の方々とも共有したいという趣旨でまとめたのですが、文章が未熟であったため、うまく意味が伝わらなかったところがあったようです。紙面を借りてお詫びするとともに、再度趣旨をお伝えしておきたいと思います。
 またそれと同時に、ご指摘のようにリーダーは1人と報告されていても、実際にはベテランの参加者の方がサポートについていらっしゃる例もあり、こうした実態は前回ご報告した集計結果では表現されていません。
 さらに、探鳥会を開催する地域の人口密度によって、リーダーの人材確保に関する条件がまったく違うため、今ある数字だけで、一律に比較することが難しいことも承知しているつもりです。今後、支部の皆様からどのような情報をいただき、どのような比較の仕方をすれば支部の探鳥会の実態をよりわかりやすく表現できるようになるか試行錯誤してまいりたいと思います。
 今回ご意見をいただきました大阪支部の平様には厚くお礼を申し上げます。また、他にもこのようなご意見やご質問等ございましたらお寄せください。

(普及室長/箱田 敦只)

総務室より
■「支部報とりまとめ発送」次回のご案内■
 次回の支部報取りまとめ発送日は3月13日(火)ですので、支部報は下記の要領でお送りくださるようお願いします。(支部報取りまとめ発送についての詳細は、支部ネット通信2006年6月号をご覧下さい。)
送付期日: 2007(平成19)年3月12日(月)必着
送付部数: 110部
 ※東京支部におかれましては130部お願いします
 ※神奈川支部、埼玉県支部、奥多摩支部、千葉県支部におかれましては120部お願いします
 ※ご事情により必要部数に満たない場合は、総務室にて発送先を調整させていただきます
送付先: 〒151-0061東京都渋谷区初台1-47-1
小田急西新宿ビル1階 (財)日本野鳥の会総務室 支部報担当宛
本件に関するお問合せ先:
  03-5358-3513 総務室 吉家(きっか)
(総務室/吉家奈保美)

会員室より

■50年以上継続会員の本部会費を免除します■
 長い間会を支援してくださっている方のご厚志に何らかの形でお応えしたく、議論を重ねてまいりましたが、この度会員細則の新設に伴い、2007年4月より、会員を50年以上ご継続くださっている方を「永年在籍」として本部会費を免除することといたしました。
 50年以上継続在籍していることが確認できた方で2007年4月以降に会員期間の更新をされる方には、会費のお切り替えの時期にこの免除制度適用のお知らせをいたします(途中にいったん退会され再入会された方は除きます)。また対象の方のうち、支部や家族会員のご登録のある方は、今後は支部会費、家族会費のみをご請求させていただきます。
 対象者の抽出にあたっては、古い名簿などを用いてできるだけの努力をいたしますが、相当過去に入会された方の中には入会年月日の情報がない方もおられ、対象から漏れてしまう方がでてしまうことも考えられます。もし50年以上会員を継続しているのに、会費切替の時期になっても免除制度適用のお知らせがない場合は、お調べさせていただきますので会員室までご一報ください。
この制度については、野鳥誌4月号でもお伝えいたしますが、ぜひ支部報などでもお知らせくださいますようお願いいたします。

(会員室/伊野 純子)
■年末入会DMで97人入会!■
 本通信2006年11月号でお知らせしました入会DMですが、昨年12月中旬に入会をお願いするDMを23,837名にお送りしました。対象者の内訳は過去に退会された方9,425名、過去にイベント等に参加された方14,412名で、それぞれ、以前にDMをお送りしたことがないなどの条件で送付対象を絞込んでします。
 このDMには、あいさつ状の他に入会パンフ、活動パンフ、個人情報保護確認用紙を封入しており、最近の会の活動を知っていただき入会をお願いするとともに、個人情報を当会に引き続き残されるかどうかも合わせて伺いました。この結果、1月末日までに計97名の方に入会・再入会いただくことができました。
 前述のように1月は会員数が久々に増加しておりますが、このDMの成果と、入会パンフ請求数の増加が主な要因になっています。入会パンフ請求数が増えているのは、広告やトリーノ等の効果と考えられます。
 個人情報削除またはDM送付不要の依頼を寄せられた方は1,036名、宛先不明による返送は1,278名分でした。これらの方のデータについては、速やかに個人情報の削除またはDM送付時の抽出対象から除外する処理を行いました。この措置により、今後入会のご意志が無く当会からのご連絡も望まれない方の個人情報を保持するリスクを低減する効果があったと考えております。
 今回のDMでは従来の茶封筒ではなく後述の寄付DMとともに専用のデザイン封筒(図)を作成・使用しました。半透明の窓枠からあいさつ状が見えるようにして開封率が高まるように工夫しています(窓部分にビニールを使用しないエコ封筒です)。またこれにより封筒を入会や寄付といった違う宛先で共用でき、コスト削減にもなっています。この他にも今回は入会者への「新・山野の鳥」プレゼントを行いました。これらによる効果ですが、過去退会者を対象にした分だけで比較すると、昨年、同様に過去退会者へのDMを実施した際の入会率が0.58%であったのに対し、今回は0.62%と若干ですが上昇しており、今回の結果を分析しつつ、今後のDM計画に反映させていきたいと考えております。

DM封筒
(会員室/齋藤英一郎)
■年末寄付DMで約230万円のご寄付■
 2004年から続けて実施している年末の寄付DMですが、昨年も12月に個人特別会員2,200名、2004年〜2005年中にご寄付をいただいた方4,831名(個人特別会員を除く)、計7,031名にご寄付をお願いするDMをお送りいたしました。このDMには、ご寄付をお願いする手紙と活動報告のパンフレット及び、時期を同じくして創刊したフリーマガジン「Torrino(トリーノ)」を記念して作成したオリジナルステッカーを同封いたしました。
 この結果、1月末日までに合計2,268,016円のご寄付を頂戴することができました。寄付者数は493人(寄付件数:のべ563件)で、送付数に対する寄付率は約7%です。
 04年度からの送付数及び寄付率・寄付金額の推移・寄付の内訳を表したのが(表)で、前年と比較すると送付数を増やした(34%増)ものの、寄付率は2ポイント、寄付金額では27%減少した結果となりました。これを内訳として説明すると、各種活動へのご寄付が301件で件数全体の53%(前年より17ポイント減)、バードメイト寄付が258件46%(前年より17ポイント増)となっています。ポイントのみで見るとプラスマイナスはゼロですが、バードメイト寄付の割合が大きく増加し、一件当たりの寄付単価が減少したことが今回、寄付率より寄付額の減少幅が大きくなった原因と思われます。
  04年度 05年度 06年度
DM送付数(A) 8,326件 5,246件 7,031件
寄付者数(B)  145件  480件  493件
  内訳: 各種活動寄付   21件  351件  301件
バードメイト寄付  133件  147件  258件
その他寄付    4件    2件    4件
寄付率(B/A) 1.7% 9.1% 7.0%
寄付金額 247,000円 3,112,930円 2,268,016円
  内訳: 各種活動寄付  50,000円 2,752,930円 1,701,016円
バードメイト寄付 192,000円  347,000円  435,000円
その他寄付   5,000円   13,000円  132,000円
※寄付者数の内訳は、複数種の寄付を同時にくださる方もおられるため件数表示
※寄付金額の内訳では、DMの用紙を利用しての会費、募金箱の入金を除く

 寄付件数を一人当たりの寄付額で分析したのがグラフです。   
グラフ.寄付者一人当たりの寄付額の推移
 1,000円以上2,000円未満の寄付の方が寄付者全体の約42%(前年は24%で2番目)と最も多く、次いで2,000円以上5,000未満が33%(前年は38%で最多)、5,000円以上10,000円未満が約12%(前年は15%で4番目)という結果になっています。10,000円以上のご寄付は12%で、前年の23%より11ポイント減少しました。
 このように減少した全体的な背景として、
(1)昨年は柳生会長の直筆サインを印刷した栞を同封し、直接ご支援を訴えた印象が強かったのに対し、今回同封したステッカーについては、トリーノの現物がお手元に届けられる以前であったことから、支援につながる誘因としてのイメージを持たれにくかった
(2)2年連続でほぼ同じ対象者にDMをお送りしたことで、受け取られた方のモチベーションの低下があった
ことなどが考えられます。
 この年末寄付のお願いにつきましては、既に1年を通じてご支援をいただいているところ、さらに重ねてご支援を求めるものですので、それに対してお応えいただいた方については、ご寄付の種別、金額などの傾向をよく把握し、今後のアプローチの方向を探りながらさらなる支援拡大につなげていきたいと思います。
(会員室/吉倉浩子)
■春のイベントシーズンが入会者増の勝負どころ!パンフ配布にご協力を!■
 後述のように、1月の新入会者数は前年比で上回ることができましたが、今年度4月からの新入会者数累計でみると1月末で1,687人であり、前年同期の1,725人よりも減少しております。この原因について月別に分析したところ、前年比での新入会者数の落ち込みが激しかったのは5月から6月にかけてでした(前年度5月と6月の合計529人に対し、今年度同期は362人と大幅に減っています)。ここで仮に前年並みの529人が入会してくれていれば1月末での新入会者数累計は1,854人となり、前年比で大幅に上回っていたはずで残念なところです。
 この時期の入会数を経路別に分析してみたのが表1です。  
表1.5月〜6月の経路別入会者数の比較
  2005年 2006年
広告・報道などをみて 60人 59人 -1人
キャンペーン 77人 41人  -36人
DM 19人 15人  -4人
イベント等でのパンフ配布 141人 92人  -49人
経路不明 47人 30人   -17人
オンライン入会 68人 58人 -10人
家族会員の入会 117人 67人 -50人
529人 362人  -167人
 みたところ、特に突出して減っている、という経路はないのですが、減少数の多いものは、
 ・家族会員入会:50人減
 ・イベント等で配布したパンフレット経由の入会:49人減
 ・キャンペーン経由の入会:36人減
となっています。
 この時期に家族会員の入会が少なかった理由についてデータからは分析ができないこと、また家族会員を増やしても財政的なメリットが少ないことから、家族会員増への対策は特に行いませんが、イベント等とキャンペーンは対策のとりようがあるかと考えています。
 特にこの時期のイベント等での入会について内訳を示したのが表2です。
表2.イベント等でのパンフ配布による入会者数内訳
  2005年 2006年
支部探鳥会などで 78人 61人 -17人
財団のイベントなどで 29人 20人  -9人
会長・理事などから 25人 3人  -22人
協定旅館・募金箱設置場所で 9人 8人  -1人
 これをみると、支部探鳥会などでパンフを入手した方と、会長・理事などからパンフを入手した方の入会が特に減っていることがわかります。
 さらにこれに対応するパンフ配布数を示したのが表3で、パンフ配布数の減少と入会者数の減少が関連しているのがわかります。
表3.イベント等でのパンフ配布の配布数内訳
  2005年 2006年
支部探鳥会などで 757件 300件 -457件
財団のイベントなどで 576件 403件  -173件
会長・理事などから 600件 0件  -600件
協定旅館・募金箱設置場所で 270件 190件  -80件
 5月、6月はバードウィークなど新入会を呼びかけやすいイベントが多数行われる時期です。来年度は財団事務局としてもこの時期のパンフ配布数増、およびキャンペーンの改善などを行いたいと思いますが、支部におかれましてもパンフ配布へのご協力をお願いいたします。
(会員室/齋藤英一郎)
■会員数 1年6ヶ月ぶりに増加■
●2月1日会員数 45,187人(対前月+4)
 先月に比べ会員数が4人増加しました。会員数が増加したのは2005年7月以来、1年6ヶ月ぶりです。
 1月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より31人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。この復活者数を入会者数に加えた結果、退会者数を上回ったため、前月に比べて4人会員数が増加しました。
 1月の入会者数は前年同月の入会者数に比べ+77人でした。
表1.2月の入会・退会者数
入会者数 退会者数
個人特別会員 7人 10人
総合会員(おおぞら会員) 39人 89人
本部型会員(青い鳥会員) 78人 46人
支部型会員(赤い鳥会員) 70人 74人
家族会員 53人 59人
合計 247人 278人
年度累計 1,687人
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とはずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

1月の入会案内発送件数 5,788件件
1月のホームページアクセス件数 37,000件
■都道府県および支部別会員数■
 都道府県別の会員数の合計45,480人には野鳥誌の贈呈数も含まれており、野鳥誌贈呈数293を引いた数が公称会員数となります。
表2 都道府県別の会員数 (2月1日現在)
都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差
北海道 2,039人 7人 神奈川県 4,701人 6人 大阪府 2,364人 10人 福岡県 1,568人 0人
青森県 356人 0人 新潟県 490人 0人 兵庫県 1,755人 2人 佐賀県 219人 1人
岩手県 476人 -3人 富山県 257人 0人 奈良県 640人 1人 長崎県 273人 -1人
宮城県 584人 -3人 石川県 335人 3人 和歌山県 226人 2人 熊本県 456人 -4人
秋田県 253人 0人 福井県 289人 -2人 鳥取県 235人 1人 大分県 271人 -1人
山形県 224人 4人 山梨県 366人 2人 島根県 158人 -3人 宮崎県 296人 -4人
福島県 855人 -3人 長野県 1,019人 0人 岡山県 636人 3人 鹿児島県 422人 -1人
茨城県 1,182人 -6人 岐阜県 660人 -1人 広島県 719人 1人 沖縄県 160人 1人
栃木県 558人 9人 静岡県 1,684人 -2人 山口県 521人 0人 その他 169人 10人
群馬県 968人 -9人 愛知県 1,870人 -5人 徳島県 400人 -2人 全国 45,480人 6人
埼玉県 2,758人 7人 三重県 535人 4人 香川県 269人 0人  
千葉県 2,347人 -8人 滋賀県 375人 -2人 愛媛県 398人 2人
東京都 6,991人 12人 京都府 964人 -4人 高知県 189人 2人
備考:その他は海外在住の会員を示します。
表3 支部別の会員数 (2月1日現在)
支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差
小清水 4人 0人 福島 204人 -1人 長野 524人 0人 島根県 172人 -3人
オホーツク 214人 0人 郡山 226人 0人 軽井沢 269人 4人 岡山県 612人 2人
根室 79人 -2人 二本松 57人 0人 諏訪 265人 1人 広島県 689人 1人
釧路 185人 -1人 白河 72人 -2人 木曽 50人 0人 山口県 531人 0人
十勝 150人 -1人 会津 69人 -1人 伊那 96人 2人 香川県 237人 0人
旭川 92人 0人 南会津 19人 0人 甲府 256人 3人 徳島県 436人 -4人
滝川 53人 0人 いわき 149人 -2人 富士山麓 90人 1人 高知 192人 2人
道北 37人 2人 福島県相双 13人 0人 東富士 61人 -2人 愛媛県 389人 3人
江別 24人 1人 南相馬 20人 0人 沼津 239人 1人 北九州 428人 -1人
札幌 405人 -3人 茨城 1,143人 -6人 南富士 288人 -2人 福岡 778人 2人
小樽 145人 0人 栃木県  535人 9人 南伊豆 60人 0人 筑豊 218人 -2人
苫小牧 222人 -6人 群馬県 850人 -6人 静岡 546人 -8人 筑後 186人 0人
室蘭 166人 -1人 吾妻 101人 -1人 遠江 464人 2人 佐賀県 257人 1人
函館 92人 2人 埼玉県 2,260人 0人 愛知県 1,466人 -10人 長崎県 285人 1人
道南檜山 69人 0人 千葉県 1,771人 -5人 岐阜県 689人 0人 熊本県 452人 -3人
青森県 216人 -1人 東京 4,909人 -20人 三重県 471人 4人 大分県 276人 -1人
弘前 150人 0人 奥多摩 1,058人 3人 奈良 603人 1人 宮崎県 294人 -4人
秋田県 251人 1人 神奈川 3,717人 -3人 和歌山県 229人 2人 鹿児島県 377人 -1人
山形県 222人 1人 新潟県 409人 -1人 滋賀 311人 -4人 八重山 83人 1人
宮古 121人 -1人 佐渡 22人 0人 京都 1,028人 0人 やんばる 131人 1人
盛岡 223人 0人 富山県 233人 -2人 大阪 2,270人 -3人 合計 41,308人 -69人
北上 135人 -1人 石川 321人 2人 兵庫県 1,494人 -4人  
宮城県 568人 -4人 福井県 283人 -1人 鳥取県 252人 -2人
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/伊野純子)

支部ネット通信担当より
●支部報保護・調査関連記事トピックスについて
 先月号に掲載いたしました「支部報保護・調査関連記事トピックス」ですが、支部報に執筆されていた個人名をそのまま掲載したことにつきまして、本人の了解無く支部ネット通信に掲載するのは不適切ではとのご指摘をいただきました。支部ネット通信は、支部向けに発行している野鳥の会内部の通信紙ですから、支部報に近いものであり、したがって支部報に掲載されている執筆者個人名の掲載も問題ないであろうと考えていたのですが、配慮が不足しておりまして大変申し訳ございません。お詫び申し上げます。
 このご指摘を受けまして、今月号ではトピックスの掲載を見合わせております。今後の掲載につきましては、どの様な掲載内容にするかを検討いたしまして対応したいと思っております。
 原稿を制作されている神奈川支部の森さんをはじめご関係の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご了承のほどお願いいたします。

 

(会員室長/小林豊)
◆支部ネット通信 第35号
◆発行:財団法人日本野鳥の会 2007年2月26日
◆担当:会員室
〒151-0061 東京都渋谷区初台1-47-1
小田急西新宿ビル1F
TEL.03-5358-3510・3511 FAX.03-5358-3608
E-mail:[email protected]
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