No.34 2007年1月号

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■支部の動き
  支部報の保護・調査関連記事の要約掲載
■理事会報告
  平成18年第三回理事会(臨時)議事録
■事務局からのお知らせなど
  公益法人制度改革 第1報
  支部報とりまとめ発送の次回日程変更
  異色は九州?!2006年のブロック会議
  ご招待キャンペーンで「会員」をプレゼント
  会員数

ブロックの動き
■支部報の保護・調査関連記事の要約掲載を始めます■
 今年から「支部報保護・調査記事関連トピックス」を掲載いたします。この「トピックス」は、財団事務局の自然保護室でボランティアをされている神奈川支部の森要さんが、各支部から届いた支部報の保護・調査活動に関係した記事を抜き出したものです。7年前から始められ、既に350回に達しているのですが、このほど森さんのご了解を得て、新しいものから支部ネット通信に掲載させていただくことになりました。
 同じブロック中の支部の活動でしたら、ある程度把握されているでしょうが、他ブロックの支部の活動内容はなかなか分からないと思います。また、財団事務局に送られてくる各支部報を二ヶ月に一度まとめて各支部へ送付していますが、他の支部報まで目を通す余裕もそうは無いと思います。一方で、各支部それぞれ工夫して活動されていると思いますので、そういった他支部の情報はいろいろと参考になるものと思います。この「トピックス」の掲載がより活発な支部活動、特に保護・調査活動の拡大につながればと思います。
(会員室長/小林豊)
■支部報保護・調査記事関連トピックス■
 本記事は日本野鳥の会本部に送付されてきている各地の支部報から抽出して作成し、調査・保護に関心がある野鳥の会内部の方へ配信しております。
 本記事の一部又は全部を不特定多数が見る可能性があるところへ公開される場合は、各支部の了承を事前に得て下さい。記事は筆者の意向に反しないように、取り扱いをお願いします。
○支部報保護・調査記事関連トピックス NO.349
●2006/10 根室
・根室半島歯舞湿原に風力建設計画浮上  (渡辺温 高田令子 松下和江)
・根室市温根元〜珸瑶瑁におけるオジロワシの生息調査 (本部 山口桂賜 霧多布湿原自然学校 長岡滋雄)

●2006/11 東京
・本当は、バードウォッチングが苦手です (探鳥会リーダー 小泉伸夫)
・多摩川のカモ・1978年vs2006年 (川内博)

●2006/11 南富士
・冬の食糧事情 (編集部 坂東誠)
・明星山で鷹を観る会より (中根由香里)

●2006/11 徳島県
・吉野川干潟鳥類調査報告 (森本陽子)
・荒海を渡るサシバ達 (栗飯原康弘)

●2006/11 北九州
・ソウシチョウの雛 (支部長 森本嘉人)
・カラーリング付きサギ類 (支部長 森本嘉人)

●2006/11 福岡
・ハチクマの観察について (支部長 小野仁)

●2006/11 大分県
・佐賀関タカの渡り (立川タカ行)
・2006年シギ、チドリ類カウント調査結果

●2006/10 根室
・根室半島歯舞湿原に風力建設計画浮上 (渡辺温 高田令子 松下和江)
 現在、根室市内に4箇所の風力発電施設がある。新たにオジロワシ、タンチョウの営巣地である歯舞湿原に、15基の風車建設が計画されている。04/12、市内でオジロワシ若がバードストライクで死に、道内では希少種では何れもオジロワシでバードストライク死亡5件がある。風車建設は鳥類調査結果でゾーニングし、その影響が少ない場所で決めるべきである。
(根室「フレチカップ」NO.97,P1〜5)

・根室市温根元〜珸瑶瑁におけるオジロワシの生息調査 (本部 山口桂賜 霧多布湿原自然学校 長岡滋雄)
 7/7、9、根室半島先端部のオジロワシ繁殖地でその休止位置、飛行ルートを記録した。定点調査と早朝約21kmを車による周回調査をした。オジロワシ1番の営巣を確認したが、繁殖は失敗した。
(根室「フレチカップ」NO.97,P6〜7)

●2006/11 東京
・本当は、バードウォッチングが苦手です (探鳥会リーダー 小泉伸夫)
 実は私、バードウォッチャーは余り好きでない。見た鳥の種を競ったり、珍鳥が出ると大挙して推しかけたり、探鳥する人達はマニア集団の印象があった。虫を見てると鳥を見ろといわれ、ドングリを見ているとオシドリの好物といわれ、鳥中心に随分と偏った物の見方をする集団との印象がある。しかし、探鳥の素人の視点も役立つ。ドングリを割ると殆どゾウムシの幼虫が見つかり、鳥以外でも探鳥会で伝えるべき事は多くある。野鳥を単に見るのではなく、野鳥を通して自然の仕組を知る、そんな観察案内をしたい。
(東京「ユリカモメ」NO.613,P5)

・多摩川のカモ・1978年vs2006年 (川内博)
 多摩川本流の河口までのカモの種数と個体数は、78年:11種、14,538羽、06年:17種、6,570羽になっている。全体的には半減であるが、大田、世田谷区では逆に増えていたり、河口でも湾から移動してきたスズガモで大幅に増加したり、コハクチョウ、ヒシクイの都内での越冬とか06年は異常積雪の影響も窺える。しかし、中央高速〜秋川合流点では壊滅で、一昔前の「人為的な環境破壊」が影響とは決め付けられない状況である。
(東京「ユリカモメ」NO.613,P16)

●2006/11 南富士
・冬の食糧事情 (編集部 坂東誠)
 水辺は冬季も比較的に食糧はある。カワガラスが1月に子育てするのは、カワゲラやカゲロウの幼虫が採れるからである。陸上では多くの虫が越冬している。シャクガの仲間は食べずに成虫で越冬する。虫は体液凍結を防ぐため、体温低下防止とともに、体液のグリセリン濃度を上げる。食糧を採らなければ、凍結開始点は下がるので、蛹、卵での越冬は有利であるが、鳥達はそれを必死に探している。
参考:「虫たちの越冬戦略」朝比奈英三 北海道大学図書刊行会
(南富士「さえずり」NO.288,P6)

・明星山で鷹を観る会より (中根由香里)
 9/15〜10/15、延150名で明星山でサシバの渡りをカウントした。総計1,632羽で、昨年より増加した。ピークは10/8の785で、その日、13時〜14時に約500が通過した。
(南富士「さえずり」NO.288,P9)

●2006/11 徳島県
・吉野川干潟鳥類調査報告 (森本陽子)
 中学校の夏休みの自由研究として吉野川干潟で鳥類をカウントした。04年は11日で33種、1,090羽、99羽/日、05年は34日で31種、3,605羽、106羽/日、06年は40日で27種、3,639羽、91羽/日であった。06/7/21〜9/2の例でのシギ・チドリはダイゼン792(772)、シロチドリ495(706)、ソリハシシギ220(278)、ミユビシギ188(188)、キアシシギ81(83)、トウネン45(46)、オオメダイチドリ34(13)、メダイチドリ20(102)、キュジョシギ12(4)、チュウシャクシギ11(9)、ムナグロ9(57)、アオアシシギ9(10)、イソシギ5(3)、ハマシギ3(6)、オバシギ3(11)等。括弧内は05年。
(徳島県「野鳥徳島」NO.338,P2〜5)

・荒海を渡るサシバ達 (栗飯原康弘)
 10/8、台風の余波で強い風が吹く、蒲生田岬で紀伊水道を渡って来るサシバを観察した。海面スレスレに風に向って来る個体、流されながら羽ばたきをする個体、岬へ上陸時は力を振り絞り、より深く強く速く羽ばたき、「ピックィー」と鳴く個体も多かった。絶壁を駆け上がれず、下の岩礁に落ち、波から避けてよじ登り、そこでヘタリ込んで動かない個体もいた。
(徳島県「野鳥徳島」NO.338,P8〜10)

●2006/11 北九州
・ソウシチョウの雛 (支部長 森本嘉人)
 北九州でもガビチョウ、ソウシチョウをよく観察するが、8/5、市内の皿倉山で雛4羽が成鳥2羽に給餌を受けるのを確認した。
(北九州「北九州野鳥」NO.245,P11)

・カラーリング付きサギ類 (支部長 森本嘉人)
 山階鳥研は今年、アオサギ、アマサギ、ゴイサギ、コサギ、チュウサギ、ダイサギの雛に黄色のカラーリングと金属リングをつけた。放鳥場所は茨城、千葉、石川、福井、岐阜、愛知、山口、福岡、熊本、鹿児島の各県で、発見時は山階鳥研標識研究室 佐藤文男、FAX 0471-82-4342。
(北九州「北九州野鳥」NO.245,P11)

●2006/11 福岡
・ハチクマの観察について (支部長 小野仁)
 毎年、支部は福岡市の片江展望台でハチクマの渡り調査をしている。今年は4,713羽のハチクマ(福江島大瀬崎では8,035)をカウントした。現場でにわか解説員が「ハチクマはロイヤルゼリーしか食べない」「家族で飛び、渡りの途中では何も食べない」とか間違った情報を提供している。本会の大きな目的は自然を通して環境を考え、正しい情報を発信する事である。支部の観察要員の中にタカ解説員を配置したい。
(福岡「野鳥だより・ふくおか」NO.325,P5〜6)

●2006/11 大分県
・佐賀関タカの渡り (立川タカ行)
 佐賀関の秋のサシバの渡りは総計3〜400羽程度。ハチクマは約1,000羽で、1日に300羽を越える事もある。春の渡りはノスリ、ハイタカ、オオタカに続き、サシバ、ハチクマが渡る。ハイタカ類は1,600羽以上が通過している。春はサシバは秋とほぼ同じコースを通るが、ハチクマは朝鮮半島から対馬経由で九州北部へ入る。ハイタカは四国から西進するものは朝鮮半島や中国で繁殖するもので日本で繁殖するものとは別らしい。
(大分県「たより」NO.201,P2〜5)

・2006年シギ、チドリ類カウント調査結果
 9/10、県下一斉調査した。総計は753、内訳はソリハシシギ372、キアシシギ91、トウネン39、メダイチドリ35、シロチドリ29、アオアシシギ24、ハマシギ23等。
(大分県「たより」NO.201,P6)


○支部報保護・調査記事関連トピックス NO.350
●2006/11 オホーツク
・オホーツクの鳥2種増加 (渡辺義昭)
・油汚染から野生動物を守るために (猛禽類医学研究所 齋藤慶輔) 
・ワシ類の死因解明 (ワシ類鉛中毒ネットワーク 黒澤信道)
・タンチョウの保護収容 (釧路市動物園 志村良治)

●2006/11 千葉県
・谷津干潟アオサ繁茂の解決策はこれだ (阿久津斎)
・アホウドリ房総沖で餌探し (9/24 朝日新聞)
・ヤンバルクイナ717羽へ激減 (9/12 朝日新聞)

●2006/11 大阪
・U50の集い(仮称)に参加を (室谷勝美)
・池島・福万寺の水辺環境を考える会が発足 (中野勝弥 橋本正弘)
・大阪のチュウヒを守ろう (保護部)
・チュウヒサミット2006 (保護部)

●2006/11 香川県
・紫雲出山ワシタカ渡り調査 (調査研究部 矢本賢)
●2006/11 オホーツク
・オホーツクの鳥2種増加 (渡辺義昭)
 9/30、濤沸湖丸万川河口にアオアシシギの群に足が黄色い個体を見る。シギ・チドリ類ハンドブックの著者、氏原道昭氏にオオキアシシギと同定頂く。北米で繁殖し、中南米で越冬する。日本では稀な迷鳥として記録があり、北海道では根室に続く2例目となる。10/9、斜里川河口の堤防でミツユビカモメの中にアカアシミツユビカモメ1を見る。前日、爆弾低気圧が通過した。ミツユビカモメより外洋性が強く、根室や銚子等で数少ない記録があるのみ。アリューシャン列島で繁殖し、アラスカ湾で過ごす。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.234,P2)

・油汚染から野生動物を守るために (猛禽類医学研究所 齋藤慶輔)
 知床油汚染では国後島にも海鳥の死体が漂着した。ロシアは当初死因は伝染病としたが、羽毛の汚れは外側からで、体液分泌であれば内側からであるので、サハリンのNGOを経由してロシア政府に情報提供した結果、サハリン州政府は国後島でも油汚染があったとした。油汚染の早急な連絡は民間では限界があり、行政の仕事ではないか。獣医学に保全医学という分野があり、環境問題では期待したい。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.234,P6〜7)

・ワシ類の死因解明 (ワシ類鉛中毒ネットワーク 黒澤信道)
 収容されるワシ類の死亡原因の多くが人為的なものである。鉛中毒死は98年がピークで、その後鉛弾使用禁止、エゾシカの狩猟死体を放置しない、ボランティアによる同回収等で徐々に減少しているが無くならない。感電死、交通事故、列車、風車への衝突等もある。アムール川流域の工業地帯での汚染物質の影響の可能性もある。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.234,P7)

・タンチョウの保護収容 (釧路市動物園 志村良治)
 北海道のタンチョウは1千羽を越え、それに伴い人間の生活圏と近くなり人為的な事故が多発している。過去30年で保護収容されたタンチョウは生体121羽、死体218羽である。電線等への衝突、交通事故、列車衝突、野犬、飼い犬の襲撃、釣の錘や狩猟弾での鉛中毒もある。タンチョウ同士の闘争で死亡もあった。02年、女満別町で2羽の農薬フェンチオン中毒死があった。殺虫剤として道内で毎年40トンが消費され、人や魚に影響は無いが、米国では嘗て鳥の駆除に使われ、鳥に対し強い毒性がある。釧路地方では農業被害の問題も出ている。
(オホーツク「ばあどこおる」NO.234,P7〜8)

●2006/11 千葉県
・谷津干潟アオサ繁茂の解決策はこれだ (阿久津斎)
  03年、支部はウルバ・プロジェクト(ウルバはアオさの属名)を立ち上げた。シギ・チドリの採餌環境へのアオサの影響を把握するものである。環境省は谷津干潟で月2回、年24回、シギ・チドリの飛来数を調査している。総計は93年頃は5万、96年頃3.5万、00年頃2万、05年には1.5万と急減している。アオサは5年程前からは冬季も消えず、シギ・チドリの採餌はアオサの繁茂した場所では4羽/ha、底泥が出た場所では41.5羽/haで、アオサの影響は大きい。下水道整備で干潟への淡水流入減少で、全日海水に浸かったアオサは1日4時間淡水に浸かったものより、成長が3倍速いとの実験結果が得られ、汽水域消滅がアオサ増大の原因と思われる。人海戦術の除去は効果が続かず、06/1、谷津干潟アオサ問題等対策検討会が発足した。 
(千葉県「ほおじろ」NO.307,P3〜6,9,10)

・アホウドリ房総沖で餌探し (9/24 朝日新聞)
 山階鳥研は2月アホウドリ成8羽に送信機をつけて繁殖中の餌場を調査した。1月初め孵化、5月巣立ち、その間8羽は3月末までに66回、餌探しに旅立った。1羽につき5〜13回で、最短3日、最長12日、平均7.3日で、行き先は鳥島から伊豆諸島北部〜金華山沖で、房総半島沖〜鹿島灘は6割を占めた。この地は2、3月は黒潮がぶつかり好漁場と知られる。
(千葉県「ほおじろ」NO.307,P12)

・ヤンバルクイナ717羽へ激減 (9/12 朝日新聞)
 沖縄本島北部の山原(やんばる)の森に棲むヤンバルクイナは、01年の推定1,220羽から、05/10の山階鳥研の調査では717羽に激減した。調査は録音した仲間の声に反応する習性を利用した。環境省は85年は1,800羽とし、その間生息南限は15kmも北上している。捕食者はマンブース、野生化した猫、ハシブトガラス等がある。
(千葉県「ほおじろ」NO.307,P12〜13)

●2006/11 大阪
・U50の集い(仮称)に参加を (室谷勝美)
 支部では20歳代〜40歳代の会員が少なく、横の繋がりも希薄になっている。価値観の近い同年代の会員が集まり、自主的に探鳥会、室内例会、懇親会等で互いに知り合う場を作る試みを開始した。
(大阪「むくどり通信」NO.186,P3)

・池島・福万寺の水辺環境を考える会が発足 (中野勝弥 橋本正弘)
 9/9、地元の保護団体(カワセミ楽会)、大阪自然環境保全協会、当支部の有志で同会を立ち上げた。東大阪市池島〜八尾市福万寺に跨る恩智川治水緑地(40.2ha)にシギチが飛来する空間を整備するよう、行政に政策提言、要望等の活動を目的している。
(大阪「むくどり通信」NO.186,P12)

・大阪のチュウヒを守ろう (保護部)
 5〜7月、保護部は堺第7-3区埋立地でチュウヒの繁殖調査をした。同地では10年前から巣材運びが見らており、今回の調査で2番の生息と、内1番から1羽の雛の巣立ちを確認した。大阪府では初めての確実な繁殖記録となる。Strixs Vol.24に投稿予定。
(大阪「むくどり通信」NO.186,P12)

・チュウヒサミット2006 (保護部)
 6/24、三重県支部、愛知県支部主催で名古屋で開催された。支部は大阪の状況を報告した。74年本州で初めて石川県河北潟でチュウヒの繁殖が確認され、79年には23番が営巣し、21番で繁殖成功したが、05年は10番が営巣、4番が繁殖成功と減少している。現在チュウヒは全国で30番程度で繁殖が確認されているのみで、「チュウヒサミット宣言2006」を採択し、「木曽岬干拓地について緊急アピール」が行われた。
http://kahoku.soc.or.jp/news/chuuhi.html
(大阪「むくどり通信」NO.186,P12)         

●2006/11 香川県
・紫雲出山ワシタカ渡り調査 (調査研究部 矢本賢)
 9/22〜10/9の内7日間を調査した。サシバ437、ハチクマ59、ノスリ3、その他6、総計505。雨の次の日の10/3、4に大きな鷹柱が見られた。
(香川県「かいつぶり」NO.274,P4)


○支部報保護・調査記事関連トピックスNO.351
●2006/11-12 宮城県
・鳥類標識調査員(バンダー)のお手伝い (伊藤滋)
・コアジサシ繁殖復活誘致実験 (竹丸勝朗)

●2006/11-12 群馬県
・ガビチョウ類とソウシチョウの県内の分布状況 (太田市 深井宣男)
・社会性のあるカオジロガビチョウ (大澤和子)

●2006/11 大阪
・セグロカモメ複合体 (塩田猛)
・ニュウナイスズメ (北村武幸)

●2006/11-12 鳥取県
・鳥取県自然保護監視員始動
・へそ曲がりの鳥 (なんだ&よみす)

●2006/11 島根県
・隠岐のコゲラ、アオゲラ (井上明)
・風力発電事業に対する環境影響調査の義務化要望書 (支部長 飯塚洋一)
・2006年飯梨川秋のシギ・チドリ (本吉洋子)

●2006/11-12 広島県
・秋のシギ・チドリ渡り調査結果報告

●2006/11-12 宮城県
・鳥類標識調査員(バンダー)のお手伝い (伊藤滋)
 鳥類標識調査員は環境省の委託で山階鳥研の認定を受け、全国に420名がいる。今回、蒲生干潟での鳥類標識調査に参加した。15時、12mカスミ網11枚張る。後は夜間も2時間おきに網の見回り、回収した鳥は籠に入れ、朝足環を付ける準備をする。足環は1〜10号があり、材質は昔はモネル(ニッケル銅合金)から現在はインコロイ(ニッケルクロム合金)で刻印の判読がしやすい。鳥の特徴を記入するため、各部の名称、軸斑、羽縁、雌雄、幼成、脂肪の付き具合等の知識が必要である。
(宮城県「雁」NO.220,P8〜9)

・コアジサシ繁殖復活誘致実験 (竹丸勝朗)
 今年も蒲生海岸でコアジサシ繁殖地誘致活動を会員延81名で、3月から展開し、5月に少数飛来したが、定着は無かった。餌となるカタクチイワシの幼魚の北上が遅れたのが原因かも(いわき支部)。今年、いわき沖の夏井川河口では飛来150羽、営巣43巣、雛21羽を確認。コアジサシ誘致のため発泡スチロールでデゴイを作ったが、カラスやトビの攻撃で壊されるので、注型用エポキシ樹脂を塗って強化する、または2つに割った型の中にプラスチック、石膏、粘土等を流し込む事を検討する。
(宮城県「雁」NO.220,P16〜17)

●2006/11-12 群馬県
・ガビチョウ類とソウシチョウの県内の分布状況 (太田市 深井宣男)
 会員38名から520例の記録提供があった。ガビチョウは99年の藤岡市が最も古い記録で、埼玉県から進入と考えられ、現在、県西部を中心に他県同様、標高1千m以下の積雪が少ない地域に分布している。カオグロガビチョウは02年に前橋市で記録があるのみで、その年は複数の繁殖があったが、その後情報は無い。カオジロガビチョウは90年に大間々町で我国初記録され、現在、県南東部を中心に茨城、栃木に拡がっている。ソウシチョウは県内7箇所で記録が少なく詳細不明。高標高地で繁殖し、秩父山系に定着個体が多くいるため、県内への分布拡大可能性がある。
(群馬県「野の鳥」NO.278,P3〜5)

・社会性のあるカオジロガビチョウ (大澤和子)
 02/12〜03/6、5羽のカオジロガビチョウが庭で採餌し、繁殖行動があった。その観察では同鳥は社会性のある鳥の印象がある。。グループで一緒に行動、互いに鳴き交わす、採餌時、仲間同士では譲り合いをする、巣に近付くカラスを仲間が団結して追い払う、子育て時ヘルパーが存在等。
(群馬県「野の鳥」NO.278,P6〜7)

●2006/11 大阪
・セグロカモメ複合体 (塩田猛)
セグロカモメは北極を取巻くように東回りに亜種が出現したとのRing Species(環境種)の考えは、最近のDNA調査では、2個所の氷期逃避地域、北大西洋とアラル・カスピ海の2系統から拡散、分散したに変った。現在、西欧からシベリアを経由し、北米東岸まで分布しているのは、後者からの系統である。この(亜)種には、ニシセグロカモメ、ホイグリンカモメ、セグロカモメ、モウコセグロカモメ、オオセグロカモメ、カナダカモメ、ワシカモメ、シロカモメ等がある。
(大阪「ムクドリ通信」NO.186,P6〜7)

・ニュウナイスズメ (北村武幸)
ニュウナイスズメは江戸時代からそう呼ばれている。大納言にはニュウナイは新嘗(にひなめ)の訛で、新稲を人より先に食べるの意である。ニュウナイスズメは未熟な稲を好んで食べるためと言われる。戦前はスズメより収穫前の稲の食害が大きかったとは想像できない。異説として藤原実方が奥州配所に左遷された後、その恨みで鳥に化身し都の殿上の台所に入り米を食べたとあり、宮中に上がる意味の入内が付いた。
(大阪「ムクドリ通信」NO.186,P15)

●2006/11-12 鳥取県
・鳥取県自然保護監視員始動
 9月より同制度がスタートした。従来、県では自然公園法での自然公園監視員、鳥獣保護法での鳥獣保護員を任命していた。個別の法律に基づく業務以外に生物多様性の保護、自然公園の積極的利用等のニーズに対応するため、より
高度な知識を持った県の専属非常勤職員(5名、17日/月勤務)を配置した。
5名の内、4名が支部会員である。
(鳥取県「銀杏羽」NO.88,P8〜13)

・へそ曲がりの鳥 (なんだ&よみす)
 逆行するタカと呼ばれるハイタカはサシバやハチクマと全く逆方向に移動するものがいる。このへそ曲がり鳥の渡り観察点が島根半島東端にある。春の渡りでは海岸沿いに山口県へ向うのと、日本海を北西に飛び出すものがいる。約300km先の韓国蔚山あたりに着くのか。5月、隠岐島で、渡り途中のシマノジコ、オジロビタキを見るが、日本海を渡らずに日本海沿いに本州を渡れば楽なのでは。
(鳥取県「銀杏羽」NO.88,P14)

●2006/11 島根県
・隠岐のコゲラ、アオゲラ (井上明)
 日本鳥類目録では隠岐にアオゲラの記録があるとされるが、根拠となる記録は無い。樋口・小池(1978)「日本列島およびその周辺諸島におけるキツツキ類の生息状況」では隠岐ではオオアカゲラ、コゲラは留鳥で、アオゲラ、アカゲラの生息は認めてない。また、コゲラは対馬のものと同様に、本土とは別亜種としている。
(島根県「スペキュラム」NO.114,P2)

・風力発電事業に対する環境影響調査の義務化要望書 (支部長 飯塚洋一)
 10/19、支部は島根県知事へ、風力発電建設は、事前の環境影響調査を義務化し、その結果を第三者の専門家が客観的に評価できる仕組を整えるべく、早期に条例制定する事を要望した。また、事業者へ環境影響評価の結果に対する問題点、調査方法について公開質問状を出した。猛禽類が棲む自然を破壊すると取り返しがつかず、耐用年数17年とされる風力発電設備は代替地の検討ができる。県下では環境影響評価で、景観の観点でのみ評価がされている。
(島根県「スペキュラム」NO.114,P3〜8)

・2006年飯梨川秋のシギ・チドリ (本吉洋子)
 7/22〜10/8の内、17日間のカウント結果。最大値はトウネン44(9/2)、ムナグロ31(10/1)、タカブシギ13(9/2)、タシギ12(9/23)、ソリハシシギ9(8/31)、ハマシギ8(7/22)、シロチドリ8(10/1)、ヒバリシギ7(8/31)、アオアシシギ7(8/19)、キアシシギ7(9/10)等。
(島根県「スペキュラム」NO.114,P10)

●2006/11-12 広島県
・秋のシギ・チドリ渡り調査結果報告
 9/10前後で県内13箇所で記録した。20種、302羽であった。内訳はケリ90、ソリハシシギ39、イソシギ35、タシギ33、キアシシギ24、コチドリ16、シロチドリ12、アオアシシギ11、ムナグロ8、クサシギ7等。
(広島県「森の新聞」NO.147,P4)

(自然保護室ボランティア・神奈川支部/森 要)
理事会報告
■平成18年第三回理事会(臨時)議事録■
【日時】   平成18年10月31日(火)
【方法】 寄附行為第29条第3項に基づく書面表決
【理事現在数】 18名
【書面表決理事】 (敬称略)18名
海老原 美夫、親泊 素子、佐藤 仁志、鈴木 君子、土屋 正忠、滑志田 隆、樋口 広芳、松田 輝雄、柳生 博、吉田 新、花田 行博、白岩 康夫、河地 辰彦、坂本 宗吏朗、高木 清和、狩野 清貴、真鍋 啓二、松富士 将和
【議案】 第1号議案 野鳥保護区購入の件
第2号議案 支部規程改定の件
【議案の概要】 第1号議案 野鳥保護区購入の件
 タンチョウ繁殖地保全事業の一環として、北海道厚岸町および別海町のタンチョウ生息地について、渡邊士乃武・玲子氏からの寄付金により購入し、それぞれ「渡邊野鳥保護区尾幌川」(60,607m2)および「渡邊野鳥保護区飛雁川」(152,652m2)として当会野鳥保護区を設置する。購入金額はそれぞれ800,000円および2,300,000円である。
 書面表決による議決とする理由は、対象地の地権者が早期の契約、入金を希望しているためである。なお、平成17年度第二回理事会(H17.12.3開催)において、本件について交渉を進める旨の報告をしている。
第2号議案 支部規程改定の件
 「支部規程」について、新たに「認定」条項を設ける等の改定をする。
書面表決による議決とする理由は、平成17年度第三回理事会(H18.2.12開催)において改定素案を審議し、平成18年度第二回理事会(H18.5.27開催)において成案ができ次第書面表決理事会で諮る旨の説明をしているためである。
【議事録署名人】 会長からの指名により、滑志田隆理事、坂本宗吏朗理事を選任し、両氏もこれを承諾した。
【議事の経過の概要及びその結果】
    上記議案について、書面表決を実施した。
 その結果、10月31日までに書面による回答のあった理事18名のうち、いずれの議案についても18名の賛成を得たので本議案について、原案どおり承認可決した。

 上記の議事を明らかにするために議事録を作成し、議長及び出席理事の名において記名、捺印する。

平成18年 11月 10日 財団法人日本野鳥の会
議 長
議事録署名人
議事録署名人
  柳生  博
滑志田 隆
坂本 宗吏朗

(総務室/吉家奈保美)

第三回理事会(書面表決)概要
総務室より
■公益法人制度改革 第1報 −評議員会などの制度も大きく変わりそうです−■
 報道等で既にご承知のことと存じますが、2006年5月26日に「公益法人制度改革関連3法案」が可決成立、同年6月2日に公布されました。
 新制度では、従来の公益法人制度が様々な点で大きく変わることになり、当会にも大きな影響がありそうです。
 施行(2008年12月1日に新法施行の見込み)後、5年間は移行期間として従来どおり運営することができますが、遅くとも移行期限(2013年11月末の見込み)までには、さまざまな変更を済ませ、新しい制度に移行しなくてはなりません。

 特に当会に大きな影響のありそうな変更点を別表にまとめましたので、ご参考までにご覧ください。
 当会にとって一番大きな変更点は、評議員と評議員会の位置づけが大きく変わる点と思われます。今までは、評議員会は「諮問機関」でしたが、新制度移行後は「最高意思決定機関」になるほか、評議員を理事会で選ぶことができなくなります。
 その他にも多々見直さなければならない点があり、定款(現:寄附行為)も大幅に改訂が必要となります。

 現在、執行役員を中心に対応方針などを検討中です。方針案が固まりましたら、また本通信上に掲載いたします。

 なお、この法人制度改革について、政府から概要が発表されています。下記URLから併せてご確認ください。
  >> 公益法人制度改革の概要(パンフレット)  http://www.gyoukaku.go.jp/siryou/koueki/index_pamphlet.html

別表.公益法人制度改革により従来と変わる点(主なもの)
※この表の内容は不正確な可能性があります。取扱にご注意ください
2007/1/9 日本野鳥の会 総務室作成
項 目 改革後(公益認定後) 今まで
名 称 公益財団法人 日本野鳥の会 財団法人 日本野鳥の会
法人設立と公益性の判断 準則主義(登記)により一般財団法人として設立でき、公益認定等委員会の公益認定(一定の基準に適合している場合は必ず認定)を経て、公益財団法人となる。 主務官庁の判断(自由裁量)により公益法人として設立する。法人格の付与と公益判断は一体となっている。
財 産 額 300万円以上 主務官庁の指導(○億円以上とか・・)
事 業 主として法の別表に掲げられる23事業。
社会的信用を維持する上でふさわしくない事業は不可。
主務官庁の指導
監 督 公益認定等委員会(内閣府) 主務官庁(環境省)
定款の呼び方 「定款」
「寄附行為」
評 議 員 必置。3名以上。任期最長6年。
理事会や理事による選任解任はできない(評議員会または専門の選任機関などによる選任を行う必要あり)
任意(指導監督基準に規定)
評議員会 必置。最高の意思決定機関。
理事・監事の解任権も持つ。
評議員の選任解任権も持たせることが可能。
定款の変更を行う。
法令および定款に定めた事項に限り決議できる。
開催は年1回は必須、毎事業年度終了後一定の時期。
任意(指導監督基準に規定)。
諮問機関、理事監事の選任機関。
理 事 必置。3名以上。任期最長2年。 必置。人数は主務官庁の指導による。
代表理事、業務執行理事 必置。3名以上。任期最長6年。
理事会や理事による選任解任はできない(評議員会または専門の選任機関などによる選任を行う必要あり)
理事それぞれが代表権、執行権をもつ。(代表者を置いても善意の第三者には対抗できない。)
理 事 会 必置。業務執行に関わる意思決定機関。理事の監督機関。
重要な財産の処分や譲受、重要な使用人等の選解任、従たる事務所の設置、その他の重要な組織の設置変更廃止等は理事会で決めなければならない(代表理事へ委任不可)。
任意(指導監督基準に規定)
委任状による会議出席 不可 可(規定無し)
監 事 必置。1名以上。任期最長4年。
監事選解任案への同意権を持つ
任意(指導監督基準に規定)
会計監査人 大規模法人(負債の部200億円以上)は必置。
監事の同意を得て評議員会で選任
大規模法人は外部監査(指導監督基準)
(当会は外部監査設置済み)
定款の変更、基本財産の処分、
合併や解散、事業の全部譲渡など
団体の自由(届け出のみでOK) 主務官庁の承認が必要
内部留保 「遊休財産額」という名称になった。
割合は100%
割合は30%
※(財)公益法人協会2006.8.22資料を参考にしました
※2008年12月1日に新法施行の見込み(施行後5年間の移行期間が設けられている)
(総務室長/原元奈津子)
■「支部報とりまとめ発送」次回のご案内■
  次回の支部報取りまとめ発送日は1月30日(火)へ変更となりました(前回23日とご案内しました)。支部報は下記の要領でお送りくださるようお願いします。(支部報取りまとめ発送についての詳細は、支部ネット通信2006年6月号をご覧下さい。)
送付期日: 2007(平成19)年1月29日(月)必着
送付部数: 110部
※東京支部におかれましては130部お願いします
※神奈川支部、埼玉県支部、奥多摩支部、千葉県支部におかれましては120部お願いします
※ご事情により必要部数に満たない場合は、総務室にて発送先を調整させていただきます
送付先: 〒151-0061東京都渋谷区初台1-47-1
小田急西新宿ビル1階 (財)日本野鳥の会総務室 支部報担当宛
本件に関するお問合せ先:
  03-5358-3513 総務室 吉家(きっか)
(総務室/吉家奈保美)

会員室より

■異色なのは九州か?! 2006年のブロック会議一覧■
 06年は2月の九州・沖縄ブロック運営協議会に始まり11月の関東ブロック協議会まで、すべてのブロック会議に出席させていただきました。そこで、ブロック会議がそれぞれどのような特徴があるのか、一覧表にまとめてみました。
 06年に参加して得た情報をまとめたものですので、偏りがあると思います。また会議の場で見聞きしたことが中心ですから、漏れている部分もあるかと思います。しかしどのブロックがどのような会議をやっているのかある程度は分かると思いますので、不完全な部分があることをご了承の上ご覧ください。

●九州だけ年2回開催
 どのブロックでも年に1回の会議なのですが、九州だけが年2回の開催でした。九州では各支部持ち回りで開催する「大会」の他に、実務的な議論をする「運営協議会」があります。06年の大会は、長崎県支部が担当して長崎県佐世保市で開催されています。大会のテーマは、アカラハダカを中心としたタカの渡りと九州内でのフクロウ類で、韓国の研究者によるアカハラダカの繁殖生態などの講演、長崎でのアカハラダカ渡り状況の発表、九州各地でのフクロウ類の生息状況や保護状況の発表などが行われました(支部ネット通信06年10月号参照)。
 一方の運営協議会は、毎年2月第一日曜に福岡支部の事務所で固定して行われます。ここでは、ブロック全体での事業計画や事業報告に予算編成や決算承認が行われています(06年2月号参照)。会場が福岡に固定されているのは、九州・沖縄の各地から交通の便が良いためと支部の事務所が使えるためと伺っています。

●関東は議論時間が最長
 ほとんどのブロック会議は1泊2日で、1日目午後に議論(講演、発表など含む)、夜に懇親会、2日目朝に探鳥会をして解散というのが基本パターンでした。これと違ったのが関東と近畿です。関東では1日目午後と2日目午前の両方が議論で、最も長い議論時間でした。一方の近畿は会議そのものが午前半日だけで、夜の懇親会とか朝の探鳥などはなく議論時間としては他のブロックと同程度ですが、会議日程としては最も短いものでした。
 ただし、九州は前述のとおり2回ありますのでこれを合わせますと最も長い日程となりますが、議論時間としては関東と同程度になります。また近畿では、ブロック会議の前日午後に鳥獣保護セミナーが開かれておりました。別プログラムでしたのでここでは含めていませんが、実際にはこのセミナーから続けて1泊2日の形で参加している支部も多くあり、これも含めますと関東と同程度になります。

●東北では市長が挨拶
 ほとんどのブロックでは外部からの来賓はありませんでした。その中で東北ブロックでは、開催地の市長が挨拶をしておりました。地元選出の国会議員から祝電が届いていたのも東北だけでした。また東北と中部で、開催地の県の自然保護関係課長が来賓として出席していました。
 そもそも来賓を招待するかどうかがあると思いますが、東北では来賓招待を積極的に行われているのだと思えましたし、自治体側にも招待されれば首長を出すイベントだという認識が定着しているのかもしれません。

●近畿は理事選出支部が幹事
 ブロックの幹事は毎年持ち回りで、幹事になった支部がブロック会議開催も担当するというのがほとんどでした。これとは違うのが近畿と九州で、近畿では理事を選出している支部が理事の任期中(2年間)固定で幹事を務め、会議も担当するとのこと。一方の九州は、ブロックの事務局を福岡支部が固定で担われています。このため運営協議会も福岡支部事務所で開かれているのですが、大会の方は他のブロックと同じように各支部が毎年持ち回りで担当されています。
 この他、関東では持ち回りで正幹事支部、副幹事支部があり、副幹事を努めた支部が翌年は正幹事になる仕組みでした。

●中部は定足数が厳密
 会議の定足数確認を一番しっかり行っていたのは中部でした。欠席支部からの委任状提出が行われていたのも中部だけだったと思います。一方で、関東、近畿、中四国では議事の中で参加支部数の確認は行われなかったと思います。
 中部と関東や近畿、中四国では、構成支部数が倍以上違います。21支部もある中部では定足数確認が重要であり、一方の関東、近畿、中四国は全支部が出席でしたのであえて確認する必要もないというように思えました。

●九州では運営費用が分担制
 ほとんどのブロックで会議費用は参加者負担でしたが、九州ではブロック運営や運営協議会の開催費用が分担制になっておりました。九州の分担の仕組みは、おおよそ次のとおりです。
 ◆構成支部が分担金を拠出
    1支部当たり:基本額5千円 + 会員数加算金
    (加算金額は福岡で1万5千円、八重山では1千円など)
 ◆この分担金をブロック事務局の福岡支部で管理
    05年分担金総額:49万円
 ◆ここからブロック運営費用を支出
    05年度支出:ブロック大会補助金  5万円
          ブロック事務局事務費 5万円
          ブロック協議会旅費  22万円 など
 ◆協議会旅費は構成支部へ次のように支給される
    構成全支部に:福岡までのJR(空路)代+2千円
    遠方の支部に:上記の他に宿泊費7千円が加算
    (これにより八重山であれば7万7千円が支給される)

 この分担金制があれば、遠方で規模の小さい沖縄の支部も会議に参加しやすく、またブロック事務局を引き受けている福岡も、経済的負担が少なくて済むだろうと思われました。
 この他、関東ブロックでは、担当した埼玉県支部が会議経費の不足分を補填されていました。ただ他のブロックでもこのような補填は有り得るのではと思います。

 このように見てきますと、沖縄まで含むという地理的な条件もあって、九州ブロックが一番特色があるのかなと思います。ちなみにブロック会議の重要な要素と思われます懇親会ですが、宴会の評価というもの難しいと思いやっておりません。ただ印象としまして、懇親会場に並んだ一升瓶の数が多かったのは、東北と中四国のように思いました。また北海道、東北の懇親会場はいかにも宴会場らしいところ(かなり主観的ですが)でした。オークションがあったのは東北と九州です。こうしますと懇親会については、東北が筆頭でしょうか。

別表.2006年に開催されたブロック会議の比較一覧
ブロック 構成
支部数
年間
回数
会議名称 開催
時期
担当支部 日程  
北海道 15
1回
ブロック支部
連絡協議会
変動 毎年持ち回り
1泊2日
東北 17 ブロック協議会
・総会

関東 9 ブロック協議会
中部 21 ブロック会議
近畿 6 ブロック会議 理事選出支部で
2年間
半日
中国
四国
9
ブロック交流会 毎年持ち回り 1泊2日
九州
沖縄
12 2回 ブロック大会
ブロック運営
協議会
2月第一土曜 福岡支部固定 半日
ブロック 会 議 内 容 (有り=○ 無し=×) 出席・開催費用
議論 来賓 定足数 議長 議決 理事会 各支部 講演
北海道 1日目午後のみ × × × × 参加者負担
東北 開催県課長、
開催市長
×
関東 1日目午後+
2日目午前
× × × 参加者+不足分は担当支部で負担
中部 1日目午後のみ 開催県課長 × 参加者負担
近畿 午前半日 × × × × ×
中国
四国
1日目午後のみ
× × × ×
九州
沖縄
× × × × × ×
午後半日 × × × 構成支部の会員数比例拠出金
【凡例・備考】
着色部分:他のブロックに比べ特色があると思われたところ
議 論 :日程の中で、懇親会や探鳥会など除き、講演や発表、報告、協議などに充てた時間を半日単位で記載
来 賓 :会議の冒頭で来賓として挨拶をした外部の人。柳生会長などは内部の人として除いている
定 足 数 :会議の成立につながる出席支部数や欠席支部からの議決委任などを確認している場合を「有り」とした
但し、関東、近畿、中四国は全支部出席だったので、そもそも定足数確認を必要としていないとも考えられる
議 長 :議事の中で選出手続きや確認がとられた場合を「有り」とした
但し、ブロックの内規などで議長が予め決められている場合もあるので、議長がいないという意味ではない
議 決 :採決を必要とした議題や、支部間で協議して合意を得ようとする議題があった場合を「有り」とした
理 事 会 :議事の中で財団の理事会報告や評議員会報告が行われた場合を「有り」とした
各 支 部 :構成する各支部毎に、特定のテーマに縛られない活動報告があった場合を「有り」とした
講 演:各支部からの活動報告とは別に、特定のテーマでの講演や報告、セミナーなどが合った場合を「有り」とした
出席・開催費用:会議に参加するための交通費や宿泊費、会場の借り上げ費用など
関東は会計報告で費用の不足分を担当支部で負担していることが分かったが、他ブロックでも担当支部が幾らか負担している場合はあると思われる
(会員室長/小林豊)
■お孫さんへ「会員」をプレゼント! 期間限定ご招待キャンペーン■
 3月から4月にかけては新しいことを始められる方も多く、入会もお誘いしやすい時期です。そこで、「日本野鳥の会へのご招待」キャンペーンを実施します。
 この“招待”キャンペーンは、例えば小学校入学祝いとしてお孫さんに「会員」をプレゼントすることができるというもの。もちろんプレゼントの相手はお孫さんに限らず、お子さま、ご親戚、ご友人、どなたでも構いませんし、ご入学だけでなくご就職などでもお使いいただけます。会費を払う人と入会する人が違うのが、従来にはないこのキャンペーンの特色です。また小学校を想定して、最長6年分までの会費をまとめてお受けすることも可能にしました。しかもプレゼントのお相手には、ハンディ図鑑「新・山野の鳥」や「新・水辺の鳥」をもれなくお届けいたします。
 但し、現在の会費送金システムでは支部会費の前払い処理に対応できません。また、自動引落やオンライン申込は、入会される方と会費を支払う方が異なる場合は対応できません。常時の受け付けも難しい状況です。そのためこのキャンペーンでは、本部型会員のみで受付期間は2ヶ月間、郵便振替に限っての取り扱いとさせていただきます。支部会費や対応期間の延長は、今回の反響など踏まえまして必要ならシステム変更などを考えていきたいと思います。

 実施要件は以下のとおりです。
・受付期間:2007年3月1日から4月30日
・受付対象:野鳥誌3月号封入の専用用紙で郵便局からお振込みいただいた分
・受付会員種別:青い鳥(本部型)会員。最長6年分まで受付。
・お送りする図鑑:プレゼントする会員期間が1年分の場合は「新・山野の鳥」、2年から6年分までの場合は「新・山野の鳥」と「新・水辺の鳥」の2冊セット

※注意点:

・ジュニア割引などの割引制度は適用できません。
・既に会員の方へのプレゼントは、家族会員を除きお受けできません。
・家族会員の方へのプレゼントでは、青い鳥(本部型)会員への変更となります。
・相手先が入会後の会員種別変更は、相手先にご負担いただくことによりお受けします。
・相手先が途中退会されましても、ご返金はできません。
(会員室/齋藤英一郎)
■会員数■
●1月1日会員数 45,183人(対前月−83)
 1年5ヶ月連続して会員数がマイナスとなり、先月に比べ83人の会員数減少となりました。
 12月の入会・退会者数の表をみますと、入会者数は退会者数より145人少なくなっています。会員の増減は、入会者数と退会者数のほかに、会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活した人数によって決まります。この復活者数を入会者数に加えても、退会者数が多かったために、前月に比べて145人の会員数減少という結果になりました。
 12月の入会者数は前年同月の入会者数に比べ+21人で、前月に続き前年同月を上回りました。
表1.1月の入会・退会者数
入会者数 退会者数
個人特別会員 9人 11人
総合会員(おおぞら会員) 39人 102人
本部型会員(青い鳥会員) 32人 49人
支部型会員(赤い鳥会員) 44人 69人
家族会員 35人 73人
合計 105人 304人
年度累計 1,440人
※会費切れ退会となった後に会費が支払われ会員として復活する方がいらっしゃるため、退会者数の年度累計は、実際の退会者数とはずれた数字となります。このため、退会者数合計については年度末の集計後にお知らせいたします。

12月の入会案内発送件数 25,691件
12月のホームページアクセス件数 35,669件
■都道府県および支部別会員数■
 都道府県別の会員数の合計45,474人には野鳥誌の贈呈数も含まれており、野鳥誌贈呈数291を引いた数が公称会員数となります。
表2 都道府県別の会員数 (1月1日現在)
都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差 都道府県 会員数 対前月差
北海道 2,032人 -11人 神奈川県 4,695人 -4人 大阪府 2,354人 -4人 福岡県 1,568人 -1人
青森県 356人 2人 新潟県 490人 -1人 兵庫県 1,753人 -4人 佐賀県 218人 1人
岩手県 479人 -2人 富山県 257人 -2人 奈良県 639人 -3人 長崎県 274人 -1人
宮城県 587人 5人 石川県 332人 0人 和歌山県 224人 1人 熊本県 460人 3人
秋田県 253人 -5人 福井県 291人 2人 鳥取県 234人 -1人 大分県 272人 -1人
山形県 220人 0人 山梨県 364人 0人 島根県 161人 0人 宮崎県 300人 0人
福島県 858人 -5人 長野県 1,019人 -1人 岡山県 633人 3人 鹿児島県 423人 3人
茨城県 1,188人 -6人 岐阜県 661人 -2人 広島県 718人 -2人 沖縄県 159人 4人
栃木県 549人 0人 静岡県 1,686人 -5人 山口県 521人 0人 その他 179人 11人
群馬県 977人 0人 愛知県 1,875人 -4人 徳島県 402人 1人 全国 45,474人 -82人
埼玉県 2,751人 4人 三重県 531人 0人 香川県 269人 -1人  
千葉県 2,355人 -12人 滋賀県 377人 1人 愛媛県 396人 -6人
東京都 6,979人 -18人 京都府 968人 -1人 高知県 187人 2人
備考:その他は海外在住の会員を示します。
表3 支部別の会員数 (1月1日現在)
支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差 支部 会員数 対前月差
小清水 4人 0人 福島 205人 0人 長野 524人 0人 島根県 175人 2人
オホーツク 214人 2人 郡山 226人 -1人 軽井沢 265人 -1人 岡山県 610人 2人
根室 81人 -2人 二本松 57人 -1人 諏訪 264人 -1人 広島県 688人 -1人
釧路 186人 -1人 白河 74人 0人 木曽 50人 0人 山口県 531人 1人
十勝 151人 -3人 会津 70人 -1人 伊那 94人 0人 香川県 237人 0人
旭川 92人 -1人 南会津 19人 1人 甲府 253人 2人 徳島県 440人 1人
滝川 53人 0人 いわき 151人 -5人 富士山麓 89人 0人 高知 190人 1人
道北 35人 1人 福島県相双 13人 0人 東富士 63人 -1人 愛媛県 386人 -6人
江別 23人 0人 南相馬 20人 0人 沼津 238人 -3人 北九州 429人 -1人
札幌 408人 -3人 茨城 1,149人 -6人 南富士 290人 -2人 福岡 776人 -1人
小樽 145人 -2人 栃木県  526人 0人 南伊豆 60人 2人 筑豊 220人 1人
苫小牧 228人 -1人 群馬県 856人 -4人 静岡 554人 0人 筑後 186人 0人
室蘭 167人 2人 吾妻 102人 -1人 遠江 462人 -3人 佐賀県 256人 1人
函館 90人 -2人 埼玉県 2,260人 -1人 愛知県 1,476人 -7人 長崎県 284人 -3人
道南檜山 69人 0人 千葉県 1,776人 -8人 岐阜県 689人 0人 熊本県 455人 0人
青森県 217人 2人 東京 4,929人 -19人 三重県 467人 1人 大分県 277人 -1人
弘前 150人 -1人 奥多摩 1,055人 -1人 奈良 602人 -3人 宮崎県 298人 0人
秋田県 250人 -7人 神奈川 3,720人 -18人 和歌山県 227人 1人 鹿児島県 378人 1人
山形県 220人 1人 新潟県 410人 0人 滋賀 315人 -1人 八重山 82人 2人
宮古 122人 0人 佐渡 22人 0人 京都 1,028人 -1人 やんばる 130人 3人
盛岡 223人 -3人 富山県 235人 -2人 大阪 2,273人 -4人 合計 41,377人 -107人
北上 136人 0人 石川 319人 0人 兵庫県 1,498人 -6人  
宮城県 572人 2人 福井県 284人 2人 鳥取県 254人 -1人
備考:支部別の会員数の合計は、都道府県別の会員数の合計と異なります。これは、本部型(青い鳥)会員や支部に所属されていない個人特別会員が支部別の会員数に含まれないためです。
(会員室/伊野純子)

支部ネット通信担当より
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 今年から掲載を始めました支部報の保護・調査関係記事要約、いかがでしたでしょう。神奈川支部・森さんの労作です。こうして一覧で見ますと、様々な活動が活発に行われているのがよく分かります。

 支部ネット通信では、各支部・ブロックからのご投稿をお待ちしています。毎月上旬に送っていただければ、その月の号に掲載いたします。
 またメール配信のご登録も受け付けております。各支部2アドレスまでご登録いただけますので、どうぞご利用ください。

 2月の第一土曜は、九州・沖縄ブロックの運営協議会です。またお邪魔させていただく予定ですので、福岡支部はじめ九州の皆様、よろしくお願いいたします。

(会員室長/小林豊)
◆支部ネット通信 第34号
◆発行:財団法人日本野鳥の会 2007年1月25日
◆担当:会員室
〒151-0061 東京都渋谷区初台1-47-1
小田急西新宿ビル1F
TEL.03-5358-3510・3511 FAX.03-5358-3608
E-mail:[email protected]
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