1.挨拶 |
|
1.挨拶 ・埼玉県支部 藤掛保司支部長
・財団 鈴木専務
・財団事務局 小林豊 |
2.幹事支部の確認 |
|
・順番により、次の正幹事支部は奥多摩支部で、ブロック協議会も奥多摩支部担当で開かれるとの報告があった。 |
3.理事、評議員からの報告 |
|
(1)理事会報告 |
|
|
・ブロック選出の河地理事より、以下のような報告があった。
・年2回の定例理事会があり、ブロック内各支部にレポートをメールで送っている。
・支部規程が改定され、NPO法人化ができるようになった。その第一号として鳥取県支部がNPO法人化している。
・永年会員の表彰が議論されたが、反対ないものの選出基準で意見があり継続審議となっている。 |
|
(2)評議員報告 |
|
|
・ブロック選出の池野評議員より、以下のような報告があった。
・評議員になって初めて、評議員会というものの役割が分かった気がする。
・本部も財政的に厳しい中で運営されている。
・そういうところがあまり支部には伝わってないようなので、伝えていきたい。
・私見としては、会費の値上げが必要なのではと思っている。
・続いて同じく橋口評議員より、以下のような報告があった。
・評議員と理事の選出時期がずれているという問題があった。
・これについて評議員会内部で検討、任期を理事と揃えるように変更した。
・これにより評議員が2年間の経験の上で理事を選べるようになった。
・評議員会のメーリングリストができ、情報交換がスムーズになった。 |
4.各支部の近況報告 |
|
・各支部から以下のような報告があった。
(1)奥多摩 |
|
・探鳥会は年183回、開催している。
・調査ではサシバの渡り調査を2週間程度、冬には多摩川でカモの調査。
・遠出探鳥会は企画事業部の担当で、渡良瀬、戸隠、出水へ。
・保護部では多摩川のヨシ原の保全活動をしている。 |
(2)東京 |
|
・・毎月第3土曜日の明治神宮の探鳥会が、今年2月に通算700回を達成した。
・とうきょうのカモ・シンポジウムとして「多摩川のカモの復活を考える」を開催予定。
・東京都産鳥類目録作成プロジェクトとして、市区町村別野鳥リストやメッシュ生息地図などをまとめる。
・8月から研究部のホームページを開設した。 |
(3)群馬県 |
|
・写真展と観察会を吾妻支部と共催で始めて7月に開催した。
・県の少年自然科学館で初めてブースを作り、渡りの生態を解説。折り紙作りなどもした。
・環境・森林フェスティバルで、野鳥誌4月号の内容を使い、展示を行った。
・会員数は800人ちょっと。なんとか会員を増やしたいと議論しているところ。 |
(4)千葉県 |
|
・谷津でアオサが増えて問題になっている。その対応として「ウルバ・プロジェクト」を行っている。「ウルバ」はアオサの地元名。※詳細は5-(4)-d
・千葉県支部ではどちらかというと調査や保護にシフトした活動をしている。
・保護活動には一羽一羽を対象にした密猟対策などから、壊されてしまった環境を復元する活動まであると思う。三番瀬では、土木工事をしてでも環境を復元する必要があるのではと思う。 |
|
(5)神奈川 |
|
|
・会員数が減っていて2,800人ぐらいになっている。以前の検討では3千人程度が適正水準と思っていたので、危機感を持っている。
・調査では県内100カ所以上でセンサスをしている。また調査や研究の結果をまとめた『Binos』を刊行している。
・外部からの講師派遣対応も多く、幹事だけでは足りないので、一般会員の方にもお願いしていかなければと思っている。
・多摩川河口の干潟が県内最大だが、そこに架橋計画があり危機感を持っている。野鳥誌で告知する予定。 |
|
(6)茨城 |
|
|
・会員数は1,176人、このうち1割ぐらいは県外会員。会費収入は200万ぐらいで、ほとんど支部報に消えてしまい、苦しい経営。
・探鳥会は124回実施。参加者数は2,093人。1回あたりの平均は16.9人。
・子供への愛鳥教育を積極的に対応。親子探鳥会も実施。
・鳥獣保護区の面積を1uでも増やそうと努力。県内の19.6%が保護区で、18年かかり5ポイントほど向上。狭い場所でも、会員からの情報を元に県へ保護区化の要望を挙げている。
・シラコバトは県内で空前の灯火。関東の鳥として、ブロックで調査しても良いのでは。 |
|
(7)栃木県 |
|
|
・渡良瀬のラムサール化署名では、ブロック各支部に協力をいただいて感謝する。
・会員数は1,450名で減少。探鳥会は年150回で2,450名参加。ビギナー向けを年6回開催し、カンパでプレゼントも行っている。
・栃木県真岡市の井頭公園の鳥見亭を受託して、観察指導を行っている。
・研究報告として『Accipiter』を発行、研究発表会も行っている。
・支部報は第3種郵便にしていたが、クロネコ・メール便がより安いので変更した。 |
|
(8)吾妻 |
|
|
・昨年は遠くまでブロック協議会に来ていただいて感謝する。
・会員数143人、幹事18人、月1回幹事会、機関誌は年1回発行。
・北軽井沢などの別荘地があり、県外会員もけっこう多い。
・7ヶ町村あるが、各町村年1回は探鳥会をやろうということでやっている。
・嬬恋地区ではツバメ調査を5年に1回やっている。ビキニ環礁水爆実験を機に調査依頼があり、その後継続されているもの。 |
|
(9)埼玉 |
|
|
・会員数は2,310名。減少傾向だが減少率も落ちてきている。
・探鳥会は年に109回。参加者数は1回当たり46.5人。
・調査ではタカの渡り調査やガンカモ調査などをやっている。
・会員数では18年度に会員減少率をゼロにすることを目指している。
・渡良瀬の保全を求める署名は1千名を超えて集まった。 |
|
|
|
5.議事・意見交換 |
|
(1)財団(本部)の説明などを求める事項
a.改正鳥獣保護法と第10次鳥獣保護事業計画について |
|
|
・茨城支部より求められ、財団の古南より以下の説明があった。
・鳥獣保護法の近年の改正の経過としては、91年のカスミ網改正、99年の特定鳥獣保護管理計画制度創設と地方分権化、02年の法文をひながな口語体化、そして今回の改正。
・今回の鳥獣保護法改正の骨子は、狩猟免許の区分が変わり網猟と罠猟に分けられた、飼い鳥として輸入される21種類を識別し、標識として足輪を装着することなど。
・第10次鳥獣保護事業計画では、指針の部分が第9次より大幅な増加になっている。
・これは当会などNGOが強く要望して、環境省が何をするかを示すことになったため。
・この他、鳥インフルエンザなどのため、人畜共通感染症への対応が新しく入ってきた。また罠に狩猟者の名前を書くことも載せられている。
・問題としては、罠猟の区分で獣類を獲りやすくしている部分があり注意が必要。
・鳥獣保護員のレベルが一定していなく、自治体担当者も異動の度に支部で一から説明するということもあると思う。人材育成を当初は入れていたが、結局骨抜きになっている。
・この説明を受けて、以下の意見交換があった。
・栃木ではここ10年ほどで鳥獣保護区が5ポイントほどしか増加していない。このまま11次、12次と進んでも成果が少ないと思う。全国を保護区にして、一部だけ猟区することを取り組んで欲しい。
・どういう法改正が必要か、ブロック会議で集まったものを本部が環境省にぶつけていくことが必要では。
・鳥獣保護区化では、最近は農業被害のために保護区化が進まないこともある。また農家へのインセンティブも含めて保護区化を進めようとの議論もある。
・全国保護区化は中西先生の時代からの主張であるが、猟友会の抵抗により進まなかったこともある。猟友会も高齢化しており、これからの課題として認識している。 |
|
b.珍鳥情報の取り扱いについて |
|
|
・栃木県支部より求められ財団の鈴木専務より、珍鳥情報の取り扱いについて、検討委員会の設置までは進んでいないが常務会で議論はしている。財政問題などが優先しており取り組めていないなどの説明があった。
・これに対し、マスコミで映像が流れると影響が大きいので本部で対応して欲しい、インターネットで情報が素早く流れ止めることができない、観察現場で会が交通整理することなど必要ではといった意見があった。 |
|
|
|
(2)財団(本部)から伝えたい事項 |
|
|
・IBA事業について財団の高井より、白書の各サイト執筆は、地元の方にお願いするのがよいと思っている。関東では執筆が決まっていないサイトが4つあるので、よろしくお願いしたい。また新規IBAの情報があればお願いしたい、などの説明があった。。
・これに対して各支部より以下の意見があった。
・IBAはラムサールに比べて認知度が低い。登録されるとどのような保護につながるのか。
・先のインドネシア津波の時などは、IBAサイトはどうなっているのだろうと思った。 あのような機会を通じてPRしても良いのでは。
・IBAの説明の仕方を、支部ネット通信を通じて周知して欲しい。
・渡良瀬はIBAではないがラムサールを目指している。こういう状況は困るので、整合性が取れるよう取り組んで欲しい。 |
|
(3)栃木県支部のシンポジウム後援 |
|
|
・栃木県部より、渡良瀬をテーマにしたシンポジウム開催の説明があり、ブロックとして後援することが了承された。 |
|
(4)保護活動
a.ハス田の防鳥ネット |
|
|
・茨城支部より以下の報告があった。
・霞ヶ浦近くのハス田に補助金による防鳥ネットが増え、多くの野鳥が被害を受けている。
・多いのはコガモ、ヒドリガモなどで一冬に千羽ぐらい。フクロウやオオタカなどもかかる。
・鳥がかかりにくいネットを支部で推奨しているが、価格が高く普及できてない。
・支部推奨ネットを補助の対象にするよう働きかけている。 |
|
b.シロハラクイナ繁殖 |
|
|
・埼玉県支部より以下の報告があった。 ・ヨシ原で営巣していたシロハラクイナのヒナが、隣接する田圃の方に出てる来るようになったため、田圃の所有者に農薬散布の自粛をお願いし、快く聞き入れてもらった。
・撮影の人たちにも、少し離れた土手の上から観察、撮影するよう支部の腕章をつけてお願いした。稲刈り期には、農家の迷惑にもなるので、近くに駐車しないよう呼びかけた。 |
|
c.冬水田んぼ |
|
|
・茨城支部より以下の報告があった。
・隣接の千葉県内でコハクチョウへ給餌が始まり、千羽ぐらいが狭い範囲に密集するように。
・そのため、広い田んぼのある茨城側で冬季湛水を行い、分散誘致してはとの話がある。
・茨城北部では、冬季湛水で小規模な新しい越冬地になったところもある。
・この話を受けて神奈川より、神奈川での湛水はわずかな補助金を例外的に使っただけなので2年間しかできなかった、タゲリ米の協力農家は当初少なかったが最近では地域の半分になっている、価格は高かったが初年に完売し実績を示せた、などの報告があった。
・この他の意見交換として、平野部では冬季の水利権が設定されてなく難しいのでは、井戸水汲み上げで湛水を試みたがポンプ費用などかなりかかる、山沿いの谷津田なら水利権問題が無く可能では、秋から湛水すれば淡水性シギチが利用できる、などがあった。 |
|
d.谷津干潟ウルバ・プロジェクトの推移
|
|
|
・千葉県支部より以下の報告があった。
・谷津干潟でシギチの渡来数は、90年頃に5万羽ぐらいだったが、05年には1万5千羽ぐらいになっている。減少要因はアオサにあるのでは考えている。
・95年には干潟面の約17%ぐらいをアオサが覆っているだけだったが、今年は90%ぐらいになっている。以前は夏場だけだったが、最近は通年になっている。
・採餌選択調査で、アオサ上とアオサのないところで採餌個体数が10倍違うことが分かった。成長調査では、海水だけに比べ淡水混じりだと4割に下がることも分かった。
・下水道整備で淡水流入が減ったことがアオサ増加の原因と思われるので、下水処理場からの処理水導入を働きかけていきたい。
|
|
e.成田新高速鉄道の北印旛沼の鳥類繁殖に与える影響 |
|
|
・千葉県支部より以下の報告があった。 ・東京都心から成田空港への新しいアクセス線として計画されている鉄道。
・サンカノゴイの繁殖地でありチュウヒのねぐらになっているところを通る計画。 ・計画はもう決定されてしまったので、通過部分に遮音壁整備などを求めている。
・予算的に無理と事業者からいわれているが働きかけ中。 |
|
f.コアジサシコロニーの保護活動 |
|
|
・埼玉県支部より以下の報告があった。
・さいたま市内のマンション予定地で、コアジサシ数十羽が営巣していた。
・この確認後、マンション事業者へ営巣期終了までの工事延期を申し入れ。
・県の担当へも申し入れ、県からも事業者へ申し入れが行われた。
・この結果、38日間に渡り予定地内の一部が立ち入り禁止にされ、数十羽が巣立ちした。 |
|
g.移入種への対応 |
|
|
・群馬県支部の発議により、以下の情報交換が行われた。
・群馬では、ガビチョウが増えている。外来種は注目されているが、他県の状況はどうか。 ・埼玉でも、ガビチョウが増えている。ソウシチョウも入ってきている。
・神奈川では、西部にガビチョウ、ソウシチョウとも多く生息。アライグマの問題も大きくH16年度に974頭駆除されているが減っていない。
・栃木では、00年に茨城からガビチョウが進入した模様。カオグロガビチョウは01年に群馬から進入した模様。ウグイスとの競合が心配される。
・奥多摩では、10年以上前からソウシチョウがいた。標高1,700mぐらいでも繁殖している。ガビチョウは探鳥会でよく出ている。
・埼玉では、アライグマが県南の河川沿いに分布域を広げている。
・東京では、ガビチョウは多摩川、高尾山など、多摩地区で普通。23区内では未確認。ソウシチョウは23区内でも見られる。
・千葉では、ガビチョウ、ソウシチョウの確認は無し。ワカケホンセイインコはいる。カミツキガメ、キョンなどもいる。ヌートリア、マスクラットはいなくなった模様。
・茨城では、以前からソウシチョウは筑波山にいる。ガビチョウは県北で拡大しており南進している。 |
|
(5)支部の運営の関する事項 |
|
|
・茨城、吾妻、東京の各支部の発議により、支部後継者の育成や若い新入会員勧誘、会員数減少対策について以下の意見交換が行われた。
・会全体の年齢構成では、90年頃は比較的各年齢層が均等であったが、その後年々20〜30代が減少し、60〜70代が増加してきている。
・入会したくても入り方が分からないとの声を聞いた。そういう認識も必要では。
・日本の年齢構成として団塊の世代が多い。比較的少ない子供を狙っても効率悪いのでは。
・支部型の本部会費千円を最初の一年は支部で負担して、より安く入れるようにしている。
・地元マスコミへ行事案内などの情報提供も重要では。一般の人から見て、どこへ探鳥会に行けばいいのか分からない。
・会員の年齢構成と国民の年齢構成との比較をした方がよい。 |