「B1.会員として当会の事業に満足されていますか?」への回答では、「満足」との回答が29%、「やや満足」との回答が32%でした。また「不満」は3%、「やや不満」は9%で、回答者の多くは概ね事業に満足されている傾向が見られました。(グラフ3)
「B2.前項(B1)について、その理由を強く思われる順3つお教えください」のへの回答では、多くの理由を挙げていただきましたので、ここでは「満足」との回答で挙げられた理由と「不満」との回答で挙げられた理由をご報告します。
「満足」との回答では、一人3つまで挙げていただいた理由の一つ一つを順位に関係なくそれぞれ1件とカウントし、これを類似するカテゴリーで分類しました。結果は、会の活動全般や支部活動などの理由が37%、自然保護活動が32%となりました。(グラフ4)
●満足の理由は、探鳥会、野鳥誌など
自然保護活動として分類した内訳は、事業内容を特定しない保護事業全般を理由とされるものが最も多く65件、次いでサンクチュアリや野鳥保護区事業を理由とされるものが12件でした。(グラフ4-1)
普及教育事業として分類した内訳は、探鳥会と講演会、セミナーなど各種行事を実施していること理由とされるものが最も多く28件、次いで事業内容を特定しない普及教育事業全般を理由とされるものが13件でした。(グラフ4-2)
会の活動全般や支部活動として分類した内訳は、野鳥誌の内容を理由とされるものが65件と最も多く、次いで支部や会員のボランティア活動を理由とされるものが23件となりました。(グラフ4-3)
「不満」との回答の理由は、件数が少ないこと、要約すると主旨が損なわれるおそれがあることから、ほぼ原文のままで以下に掲載します。
〈60代会員歴17年男性〉
・全国会員の総力が生かされていない、一体感がない。
・販売、情報提供で会員でいるメリットが感じられない。
・外部からの委託事業が多すぎる。支部会員の意向は?
〈70代会員歴20年男性〉
・初心者に説明不足。
〈60代会員歴2年男性〉
・野鳥の協定旅館を増やし会員に補助金を出すように。
・各地の保護運動のため地域の支部に財政援助をすべき。
〈70代会員歴12年男性〉
・日本海重油流出事件などの環境問題への対応が不十分。
・野外観察ハンドブック1,2およびフィールドガイド英語版を絶版にしたことが許せない。
・小杉前会長、議員当選の時に会長辞任すべき。支部でもその問題で退会した方がいる。
〈40代会員歴5年女性〉
・支部からも遠く恩恵を受けてない。
・一斉調査のときだけ連絡が入るが、その結果報告など後のフォローが無い。
〈40代会員歴20年男性〉
・ただ会員を増やすだけのような気がする。
・マナー教育がなってない。
・支部などのリーダー教育もすべきでは。
〈40代会員歴20年男性〉
・会員数増大、会の拡大に努めている。
・事業に無駄が多いのではないか。
〈50代会員歴7年女性〉
・鳥を通しての環境保護団体という当団体の存在が社会に知られていない。
・若者の加入は期待したいが、時間に余裕がある中高年を増やすことで活性化してはどうか。
・活動内容に不満はない。もっと多くの人に会を知ってもらい、参加してもらうためのことで不満。
〈60代会員歴4年男性〉
・会員になったメリットが何もない。
・バードウォッチングなどの行事を期待していたが一度もない。
・会員同士の交流が一度もない。
〈60代会員歴14年男性〉
・会の柱であるべき調査・研究の今後の取り組み。
・会の柱であるべき受託事業への今後の取り組み。
・管理に携わる人材の貧困化。
〈60代会員歴10年男性〉
・鳥インフルエンザについて逃げている。
・カラスを野鳥として対処している是非を問う。
〈50代会員歴15年男性〉
・自然保護についての主張が弱い。もっと明解に強い姿勢を打出すべき。
・柳生氏の会長就任は何の目的か?
・法人会員の加入が無条件でないのか。審査すべきでないか。金集めだけが目的か。
〈50代会員歴20年男性〉
・合成洗剤や化学物質の使用されている物を使用しないよう、国民に呼びかけなければならない。
・肉食特に四つ足の動物を食べていては自然保護になりません。
・相続税をゼロにして都会の山林を残すよう活動してほしい。
〈70代会員歴37年男性〉
・非常に不満。「野鳥」の編集員だけでいいのではないか。野鳥の基本的調査研究をしていない。
・野鳥保護について積極的な意見発表と行動をとらない。
・会の執行機関のマンネリ化と事務処理態勢の不備。
〈40代会員歴5年男性〉
・福島県会津地区において行政を批判するなど、共産党的独善行為、何様?
〈20代会員歴3年男性〉
・もっとメールを活用して欲しい。紙がもったいない。
・未だに怪しい集団のイメージが払拭されていない。
・名前が悪い。「野鳥の会」では野鳥の何の会か一般に伝わらない。
〈年齢・会員歴・性別不明〉
・理屈っぽくなった。
・堅苦しい。
・楽しみに何故資格が必要なのか?
〈40代会員歴23年男性〉
・自然保護、社会貢献など、社会的にインパクトを与える事をここ数年まったくやって無い。
・野鳥誌がパンフレットみたいで、読む気にならない。ここ数年まったく進歩していない。バーダーの方がまし。
・全国大会のような会員サービスと親交を目的としたイベントをしていない。本部との壁を強く感じる。
「B3.今後当会が取り組むべきと思われる事業を、強く思われる順に2つお答えください」への回答では、一人2つまで挙げていただいた事業の一つ一つを順位に関係なくそれぞれ1件とカウントし、これを類似するカテゴリーで分類しました。結果は自然保護関係の事業が42%で、普及教育関係の事業26%を上回りました。(グラフ5)
この自然保護関係の事業として分類した回答を、さらに取り組むべき課題およびその課題解決の手法として分類しました。取り組むべき課題では、事業内容を特定しない全般的な自然環境の保全を求める意見が152件で最も多く、次いで生息地保護や開発抑止を求める意見が92件でした。(グラフ6) またこれらの課題を解決する手法としては、サンクチュアリや野鳥保護区の拡充が51件で最も多く、次いで調査研究の充実が31件でした。(グラフ7)
●普及教育では若年層を対象とした事業
普及教育関係の事業として分類した回答では、事業内容を特定せず自然の大切さなどを広く普及すべきという意見が58件ともっとも多く、次いで野鳥への関心や知識を広めることと、子供を対象にした事業や学校行事への対応事業がそれぞれ35件でした。その次に多い会員拡大の意見の中にも、若手会員の拡大という意見が含まれておりまして、子供対象や学校対応への意見と合わせますと、若年層を対象にした事業展開を求められていることがうかがえます。(グラフ8)
●会費額は半数が適当と判断
「B4.当会の会費額は、高いでしょうか安いでしょうか?」への回答では、「どちらでもない」との回答が52%で最も多くなっていました。次に「やや高い」が25%あり、「高い」の8%とあわせると約1/3の回答者が会費額を高めと感じていることになります。一方「安い」、「やや安い」はあわせて8%でした。(グラフ9)
B5の会費額が高いか安いかの理由と妥当な金額への回答は、今回は省略させていただき、年間のまとめで報告させていただきます。
●おわりに
アンケートへのご協力、ありがとうございました。上期のアンケート回収率は4%弱と、かなり少ない数字です。しかし、743名もの方から回答をいただいたのは大変ありがたいことです。過去の会員アンケートでは、1992年実施調査が回答者数857名でこれまでの最多でしたが、今回はこれを大きく超えそうです。
財団事務局では、間もなく来年度の事業計画と予算の編成が始まります。今回の中間まとめは、この計画や予算編成のための基礎資料として活用させていただきます。
会員の皆さまの声を反映した事業に取り組んで参りたいと思っておりますので、今後ともアンケート調査にご協力をお願いいたします。