- 日本野鳥の会
- 当会の活動
- 自然観察や保護の普及
- Toriino (トリーノ)
- 野鳥と人との共存を考える
- 葛西臨海公園の保全が決定
葛西臨海公園の保全が決定
オリンピック競技場建設計画が変更に
文=葉山政治 自然保護室
①ヒヨドリ ②カンムリカイツブリ ③キレンジャク ④シロスジカミキリ ⑤カナヘビとナナホシテントウ
⑥東渚のカニ ⑦2014年7月、東渚で講師を招いての自然観察会 ⑧2014年8月19日、準備局へ署名を提出
写真提供=①⑥⑦⑧日本野鳥の会東京 ③④⑤鳥類園友の会鈴木弘行・②中島喜久夫
舛添知事が建設計画変更を正式に報告
2014年11 月19 日、東京都議会「オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会」で、舛添要一東京都知事から「葛西臨海公園に整備するカヌースラローム会場については、公園整備の歴史的背景や公園の自然環境に配慮し、公園に隣接する都有地を活用して施設を配置する」との報告がありました。東京都が2020年の東京オリンピック開催にあたり、葛西臨海公園での競技場建設計画の変更を正式に公表した場面でした。
2012年、東京都を中心とする招致委員会は招致計画をIOCに提出、葛西臨海公園での競技場建設を公表しました。これに対して日本野鳥の会東京と(公財)日本野鳥の会では、同年8月に「都市において稀有な生物多様性を持ち、人と自然がふれあうことのできる貴重な場」として、都知事に計画変更を求める要望書を提出。以来10 回の招致委員会との話し合い、IOCへの書簡の提出などを行なってきました。
皆さまのご支援を受け、活動が実る
当初、招致委員会側は公式見解を繰り返すばかりでしたが、開催決定後に状況が変わってきました。マスコミからの取材が増え、これを追い風にと署名活動を開始しました。また招致発案者である石原前知事から猪瀬、舛添各氏へと知事交代があり、その間、私たちは選挙の度に立候補者の見解を尋ねる質問状を出し、先の選挙では舛添氏から「情報を精査する」という検討の余地をうかがわせる見解を得ることができました。
そして今回の知事報告では、私たちが訴えてきた「葛西臨海公園は、人と海、生きもの、緑がふれあえる場として整備された経緯がある」ということが受け入れられ、計画変更となりました。私たちの活動を後押ししていただいたのは、12 月までに寄せられた 1万8千360筆に及ぶ署名と、皆さまからの声援です。ご支援、誠にありがとうございました。代替地や他施設においても、環境に負荷をかけない、自然と共存するオリンピックが実現できるよう、今後も計画内容を注視していきます。