プレスリリース:日台協働キャンペーン!ヤマガラをeBirdに投稿しよう

2025年4月10日

ヤマガラ

(公財)日本野鳥の会(事務局:東京、会長:上田恵介、会員・サポーター数:約5万人)は、5月10日から始まる愛鳥週間にあわせ、多くの方に野鳥観察を楽しんでいただけるよう、「日台協働キャンペーン!ヤマガラをeBirdに投稿しよう」を実施します。市民科学プロジェクト「eBird」をアジアでともに運営する台湾との初のコラボレーション企画として、日本と台湾で見られるヤマガラの仲間を観察対象種に選びました。期間中、観察対象種を投稿した方には、記念品をプレゼントします(該当者多数の場合は抽選)。

eBirdについて

eBird(イーバード)は、米国・コーネル大学鳥類学研究室(Cornell Lab of Ornithology)が運営する、世界最大の野鳥観察データベースであり、市民科学プロジェクトです。eBirdには世界中のバードウォッチャーから10億件を超える野鳥観察情報が寄せられ、蓄積されたデータは鳥類の調査研究や保全活動に活用されています。日本野鳥の会はコーネル大学鳥類学研究室と協働で、eBirdの日本語版を運営しています。

eBirdでは、バードウォッチングの記録をスマートフォンやPCから投稿してアーカイブできるほか、さまざまな検索機能で、見たい鳥が見られる場所や、人気のバードウォッチングスポット等を調べることができます。eBirdのユーザー数・投稿数は全世界で増加していますが、日本を含むアジアのデータは、北米やヨーロッパと比較するとまだ十分ではありません。そこで今回は、日本に先駆けてeBirdの導入とアジアでの利用拡大に取り組んでいる台湾と協働で、日台両地域で見られるヤマガラの仲間をテーマに、eBirdへの投稿をよびかけるキャンペーンを実施します。

ヤマガラの仲間に注目!

日本の観察対象種は「ヤマガラ」「オーストンヤマガラ」「オリイヤマガラ」の3種(※)、台湾の観察対象種は「タイワンヤマガラ」です。ヤマガラは日本全国に分布しており、台湾には別種のタイワンヤマガラが分布していますが、かつてはこの2種は同じヤマガラの亜種とされていました。また、日本産鳥類目録第8版では、オーストンヤマガラはヤマガラの亜種ですが、eBirdの分類では、オリイヤマガラとともに別種として扱われています。ヤマガラにはさまざまな亜種がおり、今後も研究が進むと現在の亜種が独立種となるかもしれません。

今回のキャンペーンは、非常によく似たタイワンヤマガラとヤマガラ(オリイヤマガラ、オーストンヤマガラを含む)に注目し、日台協働で行います。キャンペーンにあわせて、オンライン講座やイベントも実施します。

※キャンペーンは、eBirdの分類に基づいて行います。eBirdはクレメンツの分類をもとにしています。

「日台協働キャンペーン!ヤマガラをeBirdに投稿しよう」の概要

期間

2025年5月10日(土)~18日(日)※愛鳥週間(5月10日~16日)に2日間追加して実施!

参加方法

期間中いつでも好きな時間にバードウォッチングをして、見た鳥をアプリ「eBirdモバイル」または「eBird」に投稿してください。

※初めて使う方は「これを読めばわかる!eBird&Merlinの使い方」(PDF:1.83MB)をご覧ください。

参加賞

参加された方に、以下の賞をご用意しています(日本在住者が対象になります)。

1. サントリー特別賞

育林材の時計(ヤマガラ)
サントリーホールディングス(株)提供「育林材の時計(ヤマガラ)」直径約16cm イラスト:薮内正幸

期間中にヤマガラの仲間(ヤマガラ、オーストンヤマガラ、オリイヤマガラ)を含むチェックリストを3件以上投稿された方10人(該当者多数の場合は抽選)に、サントリーホールディングス株式会社提供の「育林材のオリジナル時計(ヤマガラのデザイン)」をさしあげます。


観察対象種―日本で見られるヤマガラの仲間

ヤマガラ
ヤマガラ
日本および千島列島、朝鮮半島、中国東北部に分布

オーストンヤマガラ
オーストンヤマガラ
伊豆諸島(三宅島、御蔵島、八丈島)に分布

オリイヤマガラ
オリイヤマガラ
八重山諸島(石垣島、西表島)に分布


タイワンヤマガラ
参考:
台湾固有種のタイワンヤマガラ

観察対象種分布図
画像をクリックをして拡大
NatureServe and IUCN (International Union for Conservation of Nature) 2007. Crotaphytus reticulatus. Version 2024-2. https://www.iucnredlist.org. Downloaded on 06 February 2025.


2. eBird台湾賞

eBird台湾チームオリジナルキャップ

5月10~18日の9日間、毎日チェックリストを投稿した方10人(該当者多数の場合は抽選)に、eBird台湾チームから、オリジナルキャップをプレゼントします。


セミナー/イベントのご案内

1. オンラインセミナー「日本と台湾のヤマガラを調べよう!」

日時
2025年5月7日(水)19:00~20:30
内容
日本に先駆けてeBirdを導入している台湾から、eBirdが台湾のバードウォッチャーにどのように利用されているか、そして、今回の観察対象種「ヤマガラ/タイワンヤマガラ」を調べることの意義、タイワンヤマガラの生態などをお話しいただきます。
方法
Zoomウェビナー(定員300名)
講師
スコット・リン博士 農業部生物多様性研究所
(Dr. Scott Lin, Taiwan Biodiversity Research Institute)
参加費
無料

詳細・お申し込みはこちら

2. イベント「東京港野鳥公園ビッグ・デー」

日時
2025年5月10日(土)10:00~16:00(受付15:00まで)
会場
東京港野鳥公園 受付:ネイチャーセンター
内容
園内で自由にバードウォッチングをし、見た鳥をアプリ「eBirdモバイル」で投稿していただきます。ゴール(ネイチャーセンター内)で、参加者全員に記念品をプレゼント!観察種数上位者にはさらに素敵なプレゼントがあります。5月10日は、eBirdによる世界一斉野鳥カウント「グローバル・ビッグ・デー」でもあり、本イベントに参加いただくことで、グローバル・ビッグ・デーにも参加できます。
定員
なし
参加費
無料(ただし、東京港野鳥公園への入園料がかかります)

詳細・参加方法はこちら

5月10日(土)は「グローバル・ビッグ・デー(世界一斉野鳥カウント)」

5月10日はコーネル大学鳥類学研究室が主催する世界一斉野鳥カウント「グローバル・ビッグ・デー(Global Big Day)」です。この日に投稿された観察記録は、リアルタイムでグローバル・ビッグ・デーのサイトから見ることができます。

eBirdとは

世界規模の市民科学プロジェクト

eBirdは、米国・コーネル大学鳥類学研究室が運営する、世界的な科学研究プロジェクトであり、誰でも参加できる市民科学プロジェクトです。世界中のバードウォッチャーの野鳥観察記録をオンラインで共有し、鳥類の研究や保護に役立てることを目的に、2002年に開発されました。2025年4月1日現在、eBirdの利用者は世界で110万人、国内で9400人を超え、日々増え続けています。

2021年11月より、日本語で利用可能に

eBirdは、コーネル大学鳥類学研究室と、世界中のパートナー団体、何千人もの地域の専門家、何十万ものユーザーの協働で運営されています。2021年11月にコーネル大学鳥類学研究室と(公財)日本野鳥の会によりeBirdの日本語版が公開され、eBirdへの投稿や検索、関連するアプリが日本語で利用できるようになりました。eBirdの日本語版は、現在、サントリーホールディングス株式会社(メインスポンサー)と、カールツァイス株式会社(協賛)のご支援を得て、(公財)日本野鳥の会が運営しています。

eBirdは多言語に対応しており、世界中で利用できます。また、eBirdに蓄積されたデータは、調査研究や教育活動、自然保護活動など非営利目的であれば、誰でも自由に利用できます。

eBird概念図

日本野鳥の会 組織概要

公益財団法人 日本野鳥の会(会員・サポーター 約5万人)
代表者:理事長 遠藤孝一
所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
URL:https://www.wbsj.org/

本件に関するお問い合わせ先

(公財)日本野鳥の会
〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
担当:自然保護室 葉山政治/岡本裕子
電話:03-5436-2633
E-mail:[email protected]


本プレスリリースのPDF版はこちら/641KB]