プレスリリース 2010.10.14
2010年10月14日
報道関係各位
財団法人日本野鳥の会
日本製紙株式会社
日本野鳥の会と日本製紙が野鳥保護に関する協定を締結
~シマフクロウなどの野鳥生息地(約126ha)で野鳥保護の活動を行う~
財団法人日本野鳥の会(会長:柳生 博)と日本製紙株式会社(社長:芳賀 義雄)は、日本製紙が北海道根室地方に所有する森林約126haに「日本製紙野鳥保護区シマフクロウ根室第3」を共同で設置し、野鳥保護活動にあたることで合意し、協定を締結いたしました。
日本野鳥の会が、国の天然記念物であり絶滅危惧種でもあるシマフクロウの保護を目的として、企業と協定を締結することにより、まとまった面積を野鳥保護区とするのは今回が初めての取り組みです。
本日協定を締結した森林は、シマフクロウの生息地で、現在3つがいの生息が確認されています。シマフクロウは食物連鎖の頂点に立つ動物のひとつであり、その生息する森は生物多様性に富んだ、自然環境を保護する重要性が高い地域とされています。日本製紙は当該地における木材生産目的の伐採を行わないこととしており、今後はさらに、両者で共同計画を策定し野鳥の保護に努めてまいります。
協定を締結した土地について
具体的な場所、地名は、シマフクロウを保護するため、伏せさせていただきます。
シマフクロウについて
シマフクロウは極東地域に狭い分布域を持ち、日本では北海道中東部に生息している。全長70㎝、翼を広げると約180㎝の世界最大級のフクロウです。かつては北海道全域に分布していましたが、現在では、約40つがい130羽が生息しているに過ぎず、1971年に国の天然記念物、1993年には国内希少野生動植物種に指定されています。
※日本製紙の国内社有林
日本製紙では、国内全ての社有林で森林認証の取得を完了しています。取得したSGEC森林認証は日本独自の森林認証制度で日本の風土に適した形で水源涵養や生物多様性といった森林の多面的機能を維持し、持続可能な森林経営が行われているかを審査します。日本製紙の社有林は、生物多様性に配慮しながら各地の自然環境に適した森林施業を行ってきたことが評価されました。今後もこの承認基準を遵守しながら、持続可能な森林経営を実施していきます。
※日本野鳥の会野鳥保護区事業
野鳥の生息地の保全を目的として、日本野鳥の会では、1986年から「野鳥保護区」を拡大しています。今回の協定で、北海道東部を中心に買い取りや協定により30ヶ所、2,833.2haの野鳥保護区を確保しました。この面積は東京ディズニーランドが55個入る大きさで、国内の自然保護団体が設置した保護区としては最大の面積です。野鳥保護区設置後は、調査や管理、巡回監視にあたっていきます。
なお、土地の買い取りについては会員の方をはじめとする方々からの寄付を財源としています。
本件に関するお問い合わせ
- 財団法人日本野鳥の会 サンクチュアリ室
TEL:03-5436-2634 - 株式会社日本製紙グループ本社 CSR部
TEL:03-6665-1443
以上