ラムサール条約による湿地保護とワイズユース(賢明な利用)
ラムサール条約湿地「葛西海浜公園」 日本野鳥の会東京を中心とした本会等の活動で2018年に登録された
ラムサール条約は、湿地の保全と利用に関する国際条約で、正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」と言います。日本は1980年に批准しましたが、本会は、批准に向けて関連国際会議の開催の誘致支援を行うなど当初より関わってきました。
当会レンジャーが関わるラムサール条約湿地
風蓮湖・春国岱
ウトナイ湖サンクチュアリ開設10周年の1991年に、「ウトナイ湖」が日本で4番目のラムサール条約湿地となりました。レンジャーはじめ地元自然保護関係者の運動が実った結果です。1987年には鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリを開設し、日本の登録湿地第1号の「釧路湿原」の保全にも関わってきました。「風蓮湖・春国岱」は、2005年に登録されましたが、ここでも当会レンジャーが登録に寄与しました。2012年に登録された豊田市の「東海丘陵湧水湿地群」は、固有植物などの生育が評価され登録されました。ここは、当会が登録を提案するとともに、現在も保全と管理に関わっています。
東アジア・オーストラリア地域フライウエイ・パートナーシップ
ラムサール条約関連の水鳥保護ネットワークに、東アジア・オーストラリア地域フライウエイ・パートナーシップ(EAAFP)と言うものがあります。「フライウェイ」とは渡り鳥の渡りルートを、地域レベルで包括的にくくった範囲のことで、世界で9つのエリアに分けられます。日本に飛来する野鳥はオセアニア、東南アジア、日中韓等が含まれる北東アジア、そしてロシア東部からアラスカまで22カ国をまたぎ、渡りをしています。
EAAFPは2006年に発足し、現在、日本の環境省を含む18カ国の政府組織や、日本野鳥の会、バードライフ・インターナショナル、ウェットランド・インターナショナルなどの国際NGOを含め、37組織が参加しています。 当会のレンジャーが関わるラムサール条約湿地をはじめ、東京港野鳥公園も参加しています。