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バードウォッチングに出かける際の鳥インフルエンザへの配慮のお願い
2024年12月27日
鳥インフルエンザは、鳥の病気です。養鶏場などのように鳥と濃密な接触をすることがない限り、人への感染は過度に心配する必要はありません。しかし、バードウォッチングによって、知らず知らずのうちにウイルスを運んでしまい、発生の拡大に加担してしまうことがありえます。
ここでは、このようなことを避けるために、どのようなことに気をつければよいのかについてお伝えします。
状況は日々更新されますので、最新の状況は以下のサイトでご確認ください。
- 高病原性鳥インフルエンザに関する情報(環境省)
- 鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
水辺でのバードウォッチングの注意
鳥インフルエンザは、カモ類などの水鳥が主な宿主とされています。水鳥が集まる池や湿地、湖でバードウォッチングをするときにはとくに注意が必要です。
バードウォッチングによってウイルスを広げてしまうケースとは、靴や車のタイヤなどに付着したウイルスを周囲の養鶏場などへ移動させてしまうことを想定しています。
そこで、以下の点に配慮していただくようにお願いいたします。
- 水鳥の糞が多量に落ちているような水際まで近寄らないようにしましょう。
- 探鳥地から移動する前には、靴底、三脚の足、自動車のタイヤなど、地面に接したものを消毒しましょう。
汚れが残っていると効果が低下しますので、泥をよく落としてから消毒しましょう。消毒薬には「消毒用アルコール」が入手しやすく、おすすめです。
※消毒薬は使用上の注意に従って十分注意して使用してください。 - できれば、1日のうちに、複数の探鳥地を行き来しないようにしましょう。
どうしても必要な場合は、移動の前に必ず消毒をしましょう。 - 帰りに、養鶏場やアヒル等の飼育場、動物園などには近づかないようにしましょう。
ポスター「鳥インフルエンザを広めないためにご協力をお願いします」
当会では、野鳥観察や野鳥撮影を楽しむ方に向けて、鳥インフルエンザを広めないための注意点をまとめたポスターを作成しました。以下から自由にダウンロードしてご活用ください。
鳥インフルエンザを広めないために、皆さまのご協力をお願いします。
鳥インフルエンザウイルスは、感染した鳥との濃密な接触等を除き、人には感染しないと考えられていますが、鳥インフルエンザの拡大を防ぐことは重要です。高病原性鳥インフルエンザが養鶏場などで発生すると、飼育されているすべての個体を殺処分する措置が取られ、農家に多大な負担がかかります。これは近隣の養鶏場等への感染の拡大を防ぐためと、鶏舎の中で感染が繰り返されるとウイルスの変異が起こり、たまたま人に感染しやすい変異が生じることを防ぐためです。変異によって人から人にうつるようになると新型のインフルエンザ発生の原因にもなりかねません。
また2024年は、タンチョウ、マナヅル、ナベヅルといったツル類や、オジロワシ、オオワシ、ハヤブサといった猛禽類など、絶滅のおそれのある種で高病原性鳥インフルエンザによる死亡例が報告されています。とくにナベヅルでは2022~2023年には1000羽以上が死亡しています。とくに個体数の少ない絶滅のおそれのある種で集団感染が起きれば種の存続の危機となります。
野鳥の死体を発見した場合
鳥の死体や弱っている個体を発見した場合は、素手ではふれないでください。同じ場所で複数の死体を見つけた場合は、市町村や都道府県にご連絡ください。
死体の鳥インフルエンザ検査については、国内での発生状況や種類によって異なります。
詳しくお知りになりたい方は、環境省の『野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル簡易版』(PDF/3MB)をご覧ください。
鳥インフルエンザが近くで確認されたら
鳥インフルエンザが発生した探鳥地に行くのは控えましょう。ウイルスが増殖している場所に大勢の人間が押し掛けることは、それだけウイルスの拡散を助長させる恐れがあります。
また、観察場所の半径10kmの範囲で鳥インフルエンザが確認された場合は、靴底消毒を徹底するなど、前掲の「水辺でのバードウォッチングの注意」を参考に配慮をお願いいたします。
最後に
冬の水辺は見どころが多く、バードウォッチングに出かける機会が多い季節と思います。いつにもまして、野鳥への配慮や人間社会の生活への配慮が必要な状況となってきています。適切な対策をとることで、周囲の理解を得ながら、バードウォッチングを楽しんでいただけますようご協力をお願いいたします。