「(仮称)石狩コミュニティウインドファーム事業 環境影響評価準備書」に対する意見書を提出しました
日 野 鳥 発 第 20 号
(仮称)石狩コミュニティウインドファーム事業 環境影響評価準備書に係る意見書
平成27年6月29日 提出
項目 | 記入欄 |
氏名 | ①日本野鳥の会札幌支部 支部長 山田 三夫 ②公益財団法人日本野鳥の会 理事長 佐藤 仁志 |
住所 | ①〒060-0061 札幌市中央区南1条西17丁目1-14シェール松岡203 ②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル |
計画段階配慮書についての環境の保全の見地からの意見 |
この度、貴社が作成された(仮称)石狩コミュニティウインドファーム事業 環境影響評価準備書について、次のとおり意見を提出します。 1)総論 2)主な理由 3)準備書の内容について ②『「第8.1.3-17」(b)ウ.調査期間』は春季から冬季となっているが、実際には、調査日数が2日間から最大でも4日間と、極めて短く、そのデータのみで正確な実態を把握したとは到底言えない。ついては、調査は、毎月に渡って、実施区域の鳥類の生息状況を十分に把握できる日数の間、2年間にわたって継続して実施すべきである。 ③実施区域周辺における大半の鳥類の繁殖時期は5月中旬から7月初旬とみているが、『「第8.1.3-17」(b)ウ.調査期間』によると、鳥類の繁殖時期と言うべき、肝心のこの時期に現地調査が実施されておらず、これでは、実施区域での風力発電施設建設による繁殖鳥類への影響を評価したとは到底言えない。鳥類の繁殖時期に関する適切な影響評価を行うには、この時期に2年間の調査を継続して行うべきである。 ④『「第8.1.3-17」(b)ウ.調査方法」(ア)ラインセンサス法による調査』によると、調査ルート(R1~R3)は三つのルートしか設置されておらず、また、その設置場所は、実施区域の鳥類の生息状況を十分に把握できる場所に設置されたとは到底言えない。この調査に伴う適切な影響評価を行うには、建設予定地周囲を一周するようなルートを別に設け、毎月初めに5日間以上の調査を2年間、継続して行うべきである。 ⑤『「第8.1.3-17」(b)ウ.調査方法(イ)ポイントセンサス法による調査』では、ポイント(P1~P4)が4か所しか設置されていないが、それでは甚だ不十分である。ついては、少なくとも予定地の海岸部に3ポイント、防風林の東西南北に各1ポイントずつの計7ポントを追加して設置し、各ポイントにおいて、毎月の初めに5日間以上の調査を2年間、継続して行うべきである。 ⑥『「第8.1.3-58」(イ)重要な鳥類』を見ると、現地調査で確認された鳥類14種(ヒシクイ、マガン族の一種、コクガン、ミコアイサ、カンムリカイツブリ、ヒメウ、シロチドリ、セイタカシギ、オオソリハシシギ、ホウロクシギ、ツルシギ、タカブシギ、ケイマフリ、アカモズ)の確認位置図が省略されている。重要種であるかどうかの判断は貴社の基準によったものと考えるが、今回の環境影響評価は、国が定める環境影響評価法に基づくものであり、重要種として扱うかどうかの判断は、環境省のレッドリスト掲載種、とりわけその中でランクの高い種や国内希少野生動植物種とするなど、国による基準に準拠すべきである。 ⑦『「第8.1.3-61表」高度区分別の確認状況』では、調査対象範囲で飛翔行動を確認した猛禽類6種について、実施区域内で合計28回の飛翔がみられたとされている。そのうち18回は、高度M(高さ25m~145m)での飛翔であり、さらに種ごとにみると、ミサゴ3回(種ごとの実施区域内の全飛翔のうち75%)、ハチクマ2回(同66.6%)、オジロワシ7回(同77.7%)、ハイタカ1回(同25%)、オオタカ3回(同75%)、ハヤブサ2回(同50%)とされている。 以上 |