(仮称)七ヶ宿長老風力発電事業 環境影響評価準備書に対する意見書

(仮称)七ヶ宿長老風力発電事業 環境影響評価準備書に対する意見書

令和2年8月10日 提出

項 目 記入欄
氏 名 ①日本野鳥の会宮城県支部  支部長  竹丸 勝朗
②公益財団法人日本野鳥の会 理事長  遠藤 孝一
住 所 ①〒982-0811 宮城県仙台市太白区ひより台20-7
②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
環境影響評価準備書についての環境の保全の見地からの意見

この度、貴社が作成された(仮称)七ヶ宿長老風力発電事業 環境影響評価準備書について、次のとおり意見を提出します。

  • 現地調査において、希少猛禽類の多くの種が対象事業実施区域およびその周辺に生息していることが示されているが、希少猛禽類を含む希少鳥類すべての出現数は黒塗りとなっているため、閲覧者はその内容を知ることができない。このため、準備書が縦覧されても調査の妥当性について判断できないものとなっている。表10.1.8の鳥類の重要な種の予測結果において、年間予測衝突数は小さな数値として評価されているが、希少な猛禽類の行動範囲は広く、個体数が少なくとも活動空域の障壁にもなる。この影響についても影響を評価していただきたい。
  • 重要な鳥類の種のバードストライクについて、不確実性を伴うということで事後調査を予定されているが、死骸調査に加え、事前の影響評価と同じように鳥類相や空間飛翔に関する調査を対象事業実施区域で行い、それらの調査結果を一般にも公表、縦覧していただきたい。
  • 事後調査は死骸探索調査としているが、死骸はそれを持ち去る動物がいること、調査地が林地となった場合、死骸探索調査には困難性が伴うため、バードストライクの発生の有無等の評価が過少となりやすい。適切な死骸調査方法を実施するとともに、一般にもその結果を公表、縦覧していただきたい。
  • 渡り鳥調査のうちサシバとハチクマについて、この2種は宮城県でもタカの渡りとして観察されるが、天気、風向きと強さによって日により飛行ルートが変化する。また、その年の天候により渡りのピーク時期は毎年同じではない。準備書における調査日は月3日と少なく、サシバやハチクマの移動を評価するデータとして過少である。事後調査においては適切な時期に調査を行い、サシバやハチクマのバードストライクの有無を評価できるデータの取得を実施するとともに、調査結果は一般にも公表、縦覧していただきたい。

以上