(仮称)稲子峠ウィンドファームに係る計画段階環境配慮書に対する意見書
(仮称)稲子峠ウィンドファームに係る計画段階環境配慮書に対する意見書
令和2年6月29日 提出
項 目 | 記入欄 |
氏 名 | ①日本野鳥の会宮城県支部 支部長 竹丸 勝朗 ②公益財団法人日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一 (公印省略) |
住 所 | ①〒982-0811 宮城県仙台市太白区ひより台20-7 ②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル |
計画段階配慮書についての環境の保全の見地からの意見 |
この度、貴社(株式会社GF)が作成された(仮称)稲子峠ウィンドファームに係る計画段階環境配慮書について、次のとおり意見を提出します。 現在、貴社が計画段階環境配慮書(以下、配慮書と言う)を縦覧している(仮称)稲子峠ウィンドファームについて、事業実施想定区域(以下、計画地と言う)に風力発電施設を建設した場合、環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠB類で宮城県の絶滅のおそれのある野生動植物 RED DATA BOOK MIYAGI 2016にも掲載されているクマタカの生息地と計画地が重なることが予想され、風車へのバードストライクまたは生息地放棄が発生する可能性が高い。また、ハチクマなど希少猛禽類の渡り経路に対しても障壁影響等が発生することが懸念される。 (1)配慮書では、事業実施想定区域内にクマタカ等の主な生息環境が存在し、その一部が改変される可能性があることから、生息環境の変化に伴う影響が生じる可能性があると予測している。また、計画地上空を利用する可能性がある種については、風車の稼働に伴いバードストライクが生じる可能性があると予測している。しかし、渡り鳥や猛禽類等の鳥類が計画地上空を利用することの影響が想定されるものの、風車の稼働による影響評価には、風車の設置位置等の情報が必要となるため、事業計画の熟度が高まる方法書以降の手続きにおいて、適切に調査、予測及び評価を実施するとしている。 (2)鳥類への影響は、バードストライクだけでなく、障壁影響による「渡り経路の変更」および「生息地の放棄」(事実上の生息地からの追い出し)といった影響についても、発生を回避または低減できる対策を計画の初期段階から検討すべきである。 以上の理由から、計画地およびその周辺において、いわゆる発電所アセスのガイドラインにあるような「猛禽類保護の進め方」および「サシバの保護の進め方」に準拠した調査方法を用いた一般的な環境影響評価よりも、利害関係者や専門家とも協議したうえで、さらに詳しい調査の実施を求めるところである。 |