(仮称)宮城加美風力発電事業 環境影響評価準備書に対する意見書を提出しました

(仮称)宮城加美風力発電事業 環境影響評価準備書に対する意見書

令和 元年 7月 22日 提出

項 目 記入欄
氏 名 ①日本野鳥の会宮城県支部  支部長  竹丸 勝朗
②公益財団法人日本野鳥の会 理事長  遠藤 孝一 (公印省略)
住 所 ①〒982-0811 宮城県仙台市太白区ひより台20-7
②〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
環境影響評価準備書についての環境の保全の見地からの意見

この度、貴社が作成された(仮称)宮城加美風力発電事業 環境影響評価準備書について、次のとおり意見を提出します。

1.今回の調査において、多様な希少猛禽類が対象区域およびその周辺に生息していることが明らかであり、特にクマタカの観察数は多い。国内ではクマタカが過去に風力発電施設(以下、風車と言う)によるバードストライクに遭った事例があることから、風車の設置基数を減らすとともに設置位置についてもさらなる配慮が必要である。準備書では、クマタカへの影響予測結果として、事業実施区域の北側に沿って年間予測衝突数の高い所が複数みられるとしながらも、この予測衝突数の高い区域に風車の建設が予定されている。風車の設置により、バードストライクが起こるだけでなく、クマタカの活動空域の障壁にもなるので、全体的に風車の設置位置を見直すべきである。

2.希少猛禽類へのバードストライクについて、不確実性を伴うということで事後調査を予定されているが、この調査結果を一般にも公表、縦覧していただきたい。また、事後調査実施において、大雨、強風時、クマタカは樹上飛翔を行わないことから観察は困難なため、このような気象時のデータを除き、正味3日間の調査データを用い、影響評価をしていただきたい。

3.渡り鳥調査のサシバとハチクマについて、この2種は宮城県でもタカの渡りとして観察されるが、天気、風向きと強さにより日により飛行ルートは変化する。またその年の天候により渡りのピーク時期は毎年同じではない。準備書における調査日は月3日と少なく、サシバやハチクマの移動を評価するデータとして過少である。事後調査においては適切な時期に調査を行い、サシバやハチクマのバードストライクの有無を評価できるデータ取得調査を実施していただきたい。

以上