(仮称)パシフィコ・エナジー和歌山西部洋上風力発電事業に係る 計画段階環境配慮書を提出しました
令和元年5月7日
「(仮称)パシフィコ・エナジー和歌山西部洋上風力発電事業に係る
計画段階環境配慮書」
ご意見用紙
ご住所 東京都品川区西五反田3-9-23丸和ビル
ご氏名 (公財)日本野鳥の会 理事長 遠藤 孝一
環境の保全の見地からのご意見をお持ちの場合は、ご記入願います。
下記の理由により、事業実施想定区域のうち北側半分については洋上風力発電施設の設置をすべきではないことから、事業実施想定区域の位置および面積について大幅な変更を求める。
記
- 多くの猛禽類(サシバ・ハチクマ・ハイタカ・チョウゲンボウ等)及び一般鳥類の渡り経路が存在する。
- 猛禽類の渡りのピーク時は、サシバは50〜100羽/日、ハイタカは30〜50羽/日が確認されている。そのことは、配慮書で取り上げている、環境省が作成した資料には掲載されていないが、タカ渡りネットワークの日の岬のデータに載っているため、継続的に調査している地点のデータから作成された環境省の資料のみで事業実施想定区域を猛禽類等の渡り経路ではないとするのは、誤りである。
- 事業実施想定区域の周辺で猛禽類の渡りを観察する際に、多くの一般鳥類の渡りも観察することから、ここは多くの鳥類にとって重要な渡り経路となっていると考える。
- 御坊市や美浜町付近では、絶滅危惧Ⅱ類のナベヅルが定期的に飛来、長期滞在するが、 滞在中に四国の蒲生田岬との間を何度も往復していることが観察されており、事業実施想定区域の海上は、移動経路となっていると考える。
- 鳥類の渡り経路となっている洋上に風力発電施設を建設した場合、生息地放棄の一つである障壁影響またはバードストライクが生じると考えられる。そのどちらの影響が生じても、渡り鳥の経路選択および生命に対して大きな影響が生じる。
- 事業実施想定区域の周辺には、ウミネコの繁殖コロニーが数か所存在する。カモメ類は普段行動している飛行高度から、洋上風力発電施設に衝突死するバードストライクが多く発生することが世界的に知られている。そのことから、事業実施想定区域に施設を建設すると、これらのコロニーのウミネコの繁殖に影響を与えるものと考える。
以上