(仮称)大滝風力発電事業 環境影響評価方法書に対する意見書を提出しました

日野鳥発第2016-140号
2017年 2月24日

インベナジー・ジャパン合資会社
職務執行者 天野 明 様

 公益財団法人日本野鳥の会
理事長 佐藤 仁志

「(仮称)大滝風力発電事業 環境影響評価方法書」に対する意見書

 日頃より、当会の活動に関しまして、ご理解をいただきありがとうございます。
 貴社が平成29年1月20日より縦覧を開始された「(仮称)大滝風力発電事業方法書 」に対し、野鳥保護のための対象事業実施区域抜本的見直しの必要性の観点から、下記の通り意見を述べます。

●対象事業実施区域の移動及び事業計画の抜本的見直しについて
 貴社が作成した環境影響配慮書に対する経済産業大臣意見のうち、[1]総論(1)対象事業実施区域の設定の項目で、「事業実施想定区域内には、自然環境保全基礎調査において植生自然度が高いとされた植生、重要野鳥生息地(IBA)及び水資源保全地域等が重複して存在し、重要な自然環境のまとまりの場となっていることから、現地調査の結果、改変により水環境、動物、植物及び生態系への重大な影響が避けられない区域については、原則として対象事業実施区域から除外すること。」とある。
 また、(2)事業計画の抜本的見直しの項目に、「2.(3)~(6)により、水環境、鳥類、植物、生態系及び景観に対する影響を回避又は十分に低減できない場合は、風力発電設備等の配置等の再検討、対象事業実施区域の見直し及び基数の大幅削減を含む事業計画の抜本的な見直しを行うこと。」とある。
 方法書に記載されている、これら経済産業大臣意見に対する貴社の見解は、「経済産業大臣の意見に従い、重大な影響が避けられないと判断された場合は、対象事業実施区域から除外し、事業計画の抜本的見直しの指摘に対しても、影響を回避又は十分な低減ができない場合は、事業計画の抜本的な見直しを行います。」と回答している。
 しかし、貴社が配慮書作成のために先行して実施している事前の現地調査の結果等から、環境に対し著しい影響を及ぼす恐れが予測されることが明らかであるにもかかわらず、竹山周辺に24基もの大型風車を集中して建設する計画としている。このことが、重要な自然地域を分断し、野鳥をはじめとする生態系に重大な影響を与えることは明らかである。従って、経済産業大臣及び北海道知事の配慮書に対する意見に対し、貴社が方法書において回答した見解と大きく矛盾している。経済産業大臣等の意見に従い、事業計画位置の抜本的な見直しを行うべきである。

以上

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公益財団法人 日本野鳥の会
浦 達也
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