北海道・豊富町でシンポジウム「地域と自然のための風力発電とは」を開催しました

当会は昨年10月15日、北海道・豊富町の定住者支援センター「ふらっと★きた」で、地球環境基金の助成により、シンポジウム「地域と自然のための風力発電とは」を開催しました。周辺の市町村から、満員に近い50名の方にご来場いただきました。

講師でお呼びした環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏は「自然と地域と調和する自然エネルギーによる持続可能なエネルギー社会に向けて」に関して、「デンマークでは、風力発電の設置に関して予防原則に基づいたゾーニングが実施されており、環境アセスメントが始まる前にすでにある程度は環境影響が排除されているうえで、環境アセスメントが実施されていること」、「そのため、デンマークでは日本と比べても環境問題に起因する風力発電の設置反対運動が少ないこと」、「自然エネルギーの導入を地域にとって実りあるものにしていくには、地域によるオーナーシップと意思決定が実行されることで、地域が便益を共有できる仕組みが必要なこと」について紹介。

東京都市大学の北村亘氏は、「風力発電を対象とした環境アセスメントにおける合意形成への課題」に関して、「環境アセスメント上における国民とは、地方自治体または自治会長など一部の組織や人間が対象となっていること」、「住民意見を聞く機会が限られていること」、「事業計画はすべて事業者が立てること」に問題があることを紹介。また、サロベツ・エコ・ネットワークの長谷部真氏は「風力発電計画と地域の自然環境」に関して、地域にとって重要な自然環境や景観について紹介し、とんこり堂の稲垣順子氏は「景観と人の暮らし」に関して、地域の自然環境の保護における3つの価値(歴史的・教育的視点、福祉的視点、経済的視点)について紹介しました。そして、最後にディスカッションでは、地域の自然を保護していくためには、地域が主体となって取り組む必要があることが確認されました。

 

フォーラムのチラシはこちら(PDF/467KB)