火山列島

環境構成

火山列島は東京から約1,200㎞南に位置し、北硫黄島(面積5.57㎢)、硫黄島(面積23.16㎢)、南硫黄島(面積3.5㎢)からなる。北硫黄島、硫黄島は、人為的攪乱が多かったが、第二次大戦後、北硫黄島は無人島となり、硫黄島は現在、自衛隊が常駐している。南硫黄島は、人の居住の歴史がなく、貴重な自然が残されている。海岸から急峻な山(標高918m)となっており、熱帯から亜熱帯に移行する植生で、かつ、南方系と北方系の植物が見られ、固有の植物も数多く見られる。山頂付近の蘚苔林の中には、木性シダも自生する。
火山列島では、アカオネッタイチョウ、クロアジサシ、ヒメクロアジサシ、シロハラミズナギドリなどの海鳥が繁殖している。中でも南硫黄島はクロウミツバメの世界で唯一の繁殖地である。

海鳥の繁殖地の保護指定

  • 国指定北硫黄島鳥獣保護区(特別保護地区)
  • 小笠原国立公園(特別地域、特別保護地区)
  • 南硫黄島原生自然環境保全地域
  • 天然記念物(南硫黄島)

繁殖している海鳥

アカオネッタイチョウ、オナガミズナギドリ、セグロミズナギドリ、シロハラミズナギドリ、カツオドリ、クロアジサシ、ヒメクロアジサシ、クロウミツバメ、アナドリ、クロアシアホウドリ、オーストンウミツバメ

海鳥・海洋保全への脅威

  • 移入種(ネズミ類)による海鳥の捕食(北硫黄島)

保全活動

  • 東京都(北硫黄島におけるアカガシラカラスバトの生息状況調査)
  • 東京都・小笠原自然文化研究所(小笠原諸島における海鳥の生息状況調査、硫黄列島におけるオガサワラオオコウモリの生息調査)