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父島列島
環境構成
父島列島は、東京の南東約1,000㎞の太平洋上に連なり、小笠原諸島の中心に位置する。父島、弟島、兄島、南島、東島などから構成され、父島以外は無人島である。小笠原諸島は世界自然遺産に指定されており、多くの絶滅危惧種を含む固有種が生育している。兄島には多くの固有陸産貝類が生息し、貴重な生態系が保存されている。また、南島は都の天然記念物に指定されており、入島は制限されている。
小笠原諸島の多くの島や岩礁は海鳥の繁殖地となっており、中でも東島では2015年に初めてオガサワラヒメミズナギドリの繁殖が確認された。
周辺海域では漁業の他、ドルフィンツアーやホエールウオッチングなどのエコツーリズムが盛んである。
海鳥の繁殖地の保護指定
- 国指定小笠原群島鳥獣保護区 (特別保護地区)
- 小笠原国立公園(特別地域、特別保護地区)
- 小笠原諸島森林生態系保全地域(保存地区、保全利用地区)
- 父島東平アカガシラカラスバトサンクチュアリー
繁殖している海鳥
カツオドリ、オガサワラヒメミズナギドリ、オナガミズナギドリ、シロハラミズナギドリ、オーストンウミツバメ、アナドリ
海鳥・海洋保全への脅威
- 世界自然遺産登録による観光客の増加
- 開発による生息地と人間活動域の接近
- 人工構造物や人工照明への衝突、交通事故
- 多様化するペットの逸脱の危険性、コンパニオンアニマルの持ち込み
- 海洋へのゴミ投棄
- 上陸による繁殖地の攪乱
- 父島での飛行場建設計画
- 外国航路から父島への直接帰港による影響
- 移入種(ノヤギ:父島、ネズミ類:兄島、西島、南島、ノネコ:父島、弟島)の陸産貝類、海鳥類、植生等への影響
保全活動
- 文部科学省・農林水産省・環境省・東京都・小笠原村(アカガシラカラスバト保護増殖事業計画、オガサワラオオコウモリ保護増殖事業計画策定中)
- 環境省・林野庁(国設置鳥獣保護区の見直し、自然再生推進計画調査、希少植物の保護増殖、外来生物対策、アカガシラカラスバト保全調査及び対策)
- 環境省・自然環境研究センター(ネズミ類の駆除事業)
- 小笠原自然文化研究所(小笠原諸島におけるアカガシラカラスバトの生態調査、海鳥の生息状況及び外来種生息調査、クロアシアホウドリ分布拡大及び標識調査、オガサワラオオコウモリ保全研究及び活動、東京都委託または東京都鳥獣保護員等との協働で傷病鳥獣救護)
- 森林総合研究所・小笠原自然文化研究所(オガサワラヒメミズナギドリの調査)
- 小笠原の自然を考える会(南島のカツオドリ標識調査)
- あかぽっぽネットワーク(アカガシラカラスバト保全のための普及啓発イベント)
- 小笠原村観光協会(観光自主ルールの策定や普及)
- 東京都・小笠原村(東京都版エコツーリズムの推進、希少植物の保護増殖、南島と石門の自然環境モニタリング、オガサワラオオコウモリ農業被害対策事業)
- 小笠原のネコに関する連絡会議・東京都獣医師会(山域のノネコ全頭捕獲、捕獲ネコ島外搬出、集落ネコの適正飼養推進、アカガシラカラスバト繁殖地におけるノネコ緊急捕獲事業)