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9月8日 公式見解「環境保全と両立するオリンピックの開催を求めて」発表
環境保全と両立するオリンピックの開催を求めて
2013年9月8日
日本野鳥の会東京 代表 川沢 祥三
公益財団法人日本野鳥の会 理事長 佐藤 仁志
1.はじめに
このたび2020オリンピック開催地として東京が選ばれたことに関して、私たちは環境保全とスポーツの祭典が両立することを心から望んでいます。このような立場から、私たちはこれまで東京招致自体に反対する行動は取らず、葛西臨海公園の豊かな自然環境を破壊するカヌー競技場建設計画の見直しを求めて運動を続けてまいりました。これからは葛西臨海公園の自然を守る取組みを一層強めていく決意です。
2.既往の環境影響評価書の公表と、より精密な環境影響評価の実施を!
私たちは2012年8月23日に東京都オリンピック招致委員会事務局(以下「都事務局」という)と都知事あてに要望書を提出して以来、都事務局と数回の交渉を持ち、私たちの見解と思いを伝えてまいりました。その中で観覧席が常設から仮設に変更されるなどの修正はあったものの、国際オリンピック委員会(以下IOCという)に立候補ファイルと共に提出された環境影響評価書(葛西臨海公園に関する部分)について都事務局は公表を拒み、「野鳥の会と対立関係にはなりたくない」と言いつつも計画の見直しには一切言及がありませんでした。
開催地が東京に決まった今こそ都事務局は提出済みの環境影響評価書を公表すべきであり、計画の中身を知らない地元住民や多くの都民に知らせる義務があると考えます。また、IOCが2013年6月に示した各立候補都市に関する評価書においてadditional commentsとして指摘したように、葛西臨海公園及びその周辺に関するより精密な環境影響評価を実施する必要があると考えます。
3.代替候補地の選定とそれに関する環境影響評価の実施を強く求めます
葛西臨海公園の見過ごすことのできない環境破壊を避ける抜本的な方法として、代替候補地数カ所の選定及び代替候補地に関する環境影響評価を速やかに実施し、新たな計画地の検討に着手することが何よりも重要であると私たちは考えます。
以上の様な立場で今後の交渉に臨みますが、都事務局の適切な対応が見られない場合には、再度IOCへの要請・要望等も行いたいと思います。
4.全ての住民や関係者が歓迎するオリンピック実現を!
今、私たちの運動に支持を寄せてくださる団体が120を超えました(9/6現在)。地元江戸川区の住民の皆さんや今回の問題に関心を寄せてくださった環境保護団体・市民団体の皆さんに心から感謝すると共に、都心に残る数少ない貴重な緑のオアシスを次世代に残すべく、要望が実現するまでさまざまな対応を協議し実践して参ります。東京オリンピックがすべての関係者から歓迎されるイベントとして開催されますように、今後とも多くの国民の皆様・マスメディア・関係各位のご理解とご協力を切にお願い致します。