JP106 浜名湖・遠州灘(はまなこ・えんしゅうなだ)
静岡県:浜松市、湖西市、磐田市、袋井市、掛川市、御前崎市
位置 | N 34°43′ E137°35′ |
面積 | 7,800ha |
環境構成【潟湖/砂浜】
遠州灘は、静岡県の御前崎から愛知県の伊良湖岬までの範囲に広がる部分の海域で、天竜川、大井川の大河川が流入している。その海岸は砂丘を含む単調な砂浜が連続し、コアジサシのコロニー、アカウミガメの産卵場となっている。
一方、浜名湖は静岡県西部に位置する手を広げたような形の湖で、南部は遠州灘に通じている汽水湖である。湖の面積は65k㎡、周囲長は114km、平均水深は4.8mで、細江湖、猪鼻湖、松見ヶ浦、庄内湾と4つの水域を持つ。多くの魚類の産卵場、稚魚の生息地であることから、昔から漁業が営まれている一方で、湖周辺の観光開発が進み、レジャーとしての釣り、マリンスポーツ、潮干狩りなど多くの人が訪れる。
選定理由
A4i | ヨシガモ・ホシハジロ・スズガモ・コアジサシ |
A4iii | カモ類 |
保護指定
サイトの大部分(50~90%)に法的な担保がある。
<保護指定の内容>
都道府県立自然公園(浜名湖県立自然公園)、自然環境保全地域
保全への脅威
- 湖の富栄養化による水質悪化により貝類、魚類など鳥類の餌となる生物が減少している
- リゾート開発による湖周辺の水田、養鰻池などの減少、護岸のコンクリート化によりこれらの環境を好む鳥類が減少している
- 釣り針放置による鳥類誤食への脅威
- 漁船、水上バイクなどの通過による越冬カモへの脅威
- アオバトの水飲み場となっている湖岸での釣り人の侵入
- 弁天島周辺付近のシギ・チドリ類が利用する干潟への潮干狩りをする人の侵入
- 砂浜のコアジサシ繁殖地への4輪駆動車、犬、猫の侵入
保全活動
- 環境管理:実施者(サンクチュアリジャパン)
内容:コアジサシ繁殖地への保護柵の設置 - 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会遠江)
内容:探鳥会の実施(毎年11月に細江湖一般公開探鳥会、不定期で弁天島探鳥会、不定期で大草山探鳥会を開催) - モニタリング調査:実施者(日本野鳥の会遠江)
内容:毎年1月にガンカモ類、ウ類調査を実施
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 403KB)
※遠州灘の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら