JP066 猪苗代湖(いなわしろこ)

福島県:郡山市、会津若松市、猪苗代町

福島県:郡山市、会津若松市、猪苗代町

位置 N 37°29′ E 140°06′
面積 10,933ha

環境構成【湖沼】

林克之
写真:林克之

周囲56㎞、面積103.3k㎡の日本第4位の湖。海抜514mに位置し、磐梯朝日国立公園に属する。湖水は強酸性の地下水や流入する河川に由来し、酸性を示し、貧栄養湖に類型化される。水中のCOD(化学的酸素要求量)が少なく、透明度が高く、日本有数の水質となっている。周囲は湿原で、主にミズゴケで構成される国指定天然記念物の赤井谷地沼野植物群落などの湿地もある。また、湖水浴ができる砂浜も点在し、広く親しまれている。
冬期は一部の岸を除き湖面は結氷しない。また季節風により東岸(天神浜)付近に、波しぶきが凍ってできるしぶき氷がみられる。10数年前から水質の中性化が進み自然浄化機能が低下し、水質悪化が懸念され、汚濁成分の流入防止策がとられている。魚類は、ウグイ、ギンブナ、コイ科が多い。外来種のオオクチバスも見られるようになった。
湖北岸には、シロヤナギを主体とする湖畔林とヨシ群落があり、後者は保全地域に指定されている。

選定理由

A4i コハクチョウ

保護指定

サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国立公園(磐梯朝日)、自然環境保全地域
<その他>
国指定天然記念物赤井谷地沼野植物群落

保全への脅威

  • 捨てられた釣り糸、釣り針による野鳥への被害が心配される
  • 水質の悪化 pHの上昇 CODの上昇による水生植物種の変化(ヒシの増加)
  • 周辺部の水田の減少、畑化による餌場の減少
  • 湖岸での水草刈り、浅瀬での水草刈りによる水鳥への生息環境の変化
  • 大雨による水面の上昇
  • モーターボートによる遊びが夏期に増加
  • オオクチバスや雷魚による在来種の減少。カワウによる捕食。
  • 農業排水・一般生活排水の流入、浄化水草回収等の防止策を実施。放射能汚染。
  • (ハクチョウに対して)人為的な攪乱

保全活動

  • 環境管理:実施者(福島県、猪苗代町、会津若松市、水質保全協議会)
    内容:水辺環境保全活動、ゴミ拾い、ヨシ刈り、アサザ保全活動
  • 環境教育活動:
    内容:アサザ保護活動(地元小学生とともに実施)(猪苗代湖の自然を守る会)、探鳥会など(日本野鳥の会会津支部)
  • モニタリング調査:
    内容:猪苗代湖北岸地域の鳥類調査(厳冬期を除き毎月実施)(日本野鳥の会会津支部)、各種調査(猪苗代湖の自然を守る会)

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 776KB)

リンク