JP056 蔵王・船形(ざおう・ふながた)
宮城県:白石市、加美町、色麻町、大和町、仙台市、川崎町、蔵王町、七ケ宿町
山形県:尾花沢市、村山市、東根市、山形市、上山市
位置 | N 38°18′ E 140°32′ |
面積 | 52,000ha |
環境構成【火山地形/湿生草原/樹林/湿原】
写真:大澤八州男
火山性の山岳地帯、樹林(二次林、落葉広葉樹林、針葉樹林)、火山礫地。南に蔵王連峰、北に船形連峰、共に奥羽山脈、山形・宮城の県境の山々である。蔵王連峰の最高峰は熊野岳で1,841m、中腹にはブナ、ミズナラなどの林が、標高の高い所には冬期樹氷に変身するアオモリトドマツの林が広がり、また荒涼とした火山礫地は火山活動が比較的新しいことを物語っている。船形連峰の最高峰は船形山(御所山)で1,500m、中腹にはブナ、ミズナラなどの林が、上部にはハイマツ帯がある。
蔵王は山麓に温泉が多く、山頂には火口湖など観光資源になる景観があるなどから、早くから観光地化が進められ、山地を横断する山岳観光道路も作られている。船形山は対照的に温泉が少なく、自衛隊の演習場が山裾まで伸びているなどから観光地化の波からは外れていた地域であるがそれゆえに、ブナなどの自然林の伐採が広範に行われてきた山域でもある。
選定理由
A3 | – |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
都道府県指定鳥獣保護区(蔵王、御所山)、国定公園、都道府県立自然公園(蔵王国定公園、県立自然公園二口峡谷、県立自然公園船形連峰、天童高原県立自然公園、御所山県立自然公園)、自然環境保全地域、保護林
保全への脅威
- 残存自然林の伐採(大規模にではない)
- 蔵王山の噴火(平成27年に警戒レベルが2になったが、河口周辺だけであった。)
- 伐採適期スギ林の広範囲の伐採(猛禽類の営巣林)
- 狩猟による猛禽類の餌動物(ヤマドリ、ノウサギなど)の減少
- 山地にある採石場の拡大
- 蔵王山への観光客増加、自衛隊ヘリの山形宮城の往来飛行
- 大気汚染による蔵王山、アオモリトドマツ林の枯死
- 国道48号関山峠のバイパス化、高規格道路への動き
- 航空自衛隊による救難機の飛行訓練
保全活動
- 環境教育活動:
内容:聖山平探鳥会(日本野鳥の会宮城県支部)、探鳥会(日本野鳥の会山形県支部)、普及活動(宮城県蔵王野鳥の森自然観察センター)、観光客、登山者へのガイド(蔵王インストラクター協会)、観察会などの開催(船形山のブナを守る会(三本木町)、自然観察指導員連絡会みやぎ(仙台市)、朋友会(仙台市) - その他:
高山植物盗掘の監視等(緑の騎士団)、ナショナルトラスト、植林、啓蒙活動(NPO法人蔵王のブナと水を守る会(白石市)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 682KB)