JP051 陸前江ノ島(りくぜんえのしま)
宮城県:女川町
位置 | N 38°24′ E 141°36′ |
面積 | 55ha |
環境構成【島嶼】
写真:小室智幸
牡鹿半島の付け根、太平洋に面した女川港の沖合約14kmにある人が居住する江ノ島とその周囲の無住の島嶼。海、島、岩礁、崖、露岩、常緑広葉樹自然林、草地、住宅地、耕作地。
もっとも陸に近い二股島、沖合の平島、江ノ島、足島と北にある笠貝島などを含めて江ノ島列島と呼ばれる。江ノ島以外は無住なので人為による環境の改変はほとんど行われていない。
江ノ島は人が常住しているために島本来の自然植生のほとんどが失われているが、他の島々では海岸線から島の高所に向かって露岩の岩磯→イネ科植物やオオイタドリその他の草地→ヤブツバキ、タブノキ、クロマツなどの樹林へと移行し暖地性の樹木が島の高所を覆い、自然植生が失われずに残っている。また、二股島や平島では急な岩崖が島の一部にある。
選定理由
A4i | ウミネコ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
都道府県指定鳥獣保護区(江ノ島列島)、国立公園(三陸復興)、自然環境保全地域
<その他>
国指定天然記念物陸前江ノ島のウミネコおよびウトウ繁殖地
保全への脅威
- 鳥類の生息地になっている島には人との直接の関わりで脅威と判断される事柄は特にないが、必要な調査以外の目的で繁殖期に頻繁に人が立ち入ることがあれば生息鳥類に影響を及ぼす。
- 近年、ドブネズミが急増し、ウミネコの繁殖やその他ウトウ、ウミツバメ類の繁殖への大きな影響が懸念される。
- 推定であるが、宮城県沿岸部におけるウミネコの繁殖率が大幅に低下しており、その一因として、繁殖期における食糧不足が懸念される。
保全活動
- モニタリング調査:
内容:鳥類標識調査、モニタリングサイト1000(環境省)
*環境省東北地方環境事務所によって江ノ島列島足島のドブネズミ駆除のため平成28年度に殺鼠剤散布が行われ、29年度に残留生息調査が実施された。
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 597KB)
※陸前江ノ島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら