JP042 日出島(ひでしま)
岩手県:宮古市
位置 | N 39°40′ E 141°59′ |
面積 | 8ha |
環境構成【島嶼、森林】
写真:関川實
宮古市日出島漁港の沖約0.5㎞に位置する無人島である。周囲は崖に囲まれた台地状の島で、急傾斜地は地中営巣性海鳥の繁殖地となっている。島内はミズナラ、シナノキ等の広葉樹に広く覆われ、一部にアカマツやスギもある。林床は中央部をヤダケが広く覆い、北部の東斜面はオオイタドリ、西斜面や南部にかけてはオオバジャノヒゲに広く覆われていたが、裸地が目立つようになった。1980年代後半からオオミズナギドリの増加に伴い植生変化が急速に進んでいる。クロコシジロウミツバメの営巣地のオオバジャノヒゲが激減し、倒木の増加、表土の流失が起きていたが、東日本大震災で倒木が多数発生した結果、裸地にヨウシュヤマゴボウ、オオイタドリ他の植生が急速に回復してきた。
選定理由
A4ii | クロコシジロウミツバメ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(日出島)、国立公園(三陸復興)、自然環境保全地域
<その他>
国指定天然記念物日出島クロコシジロウミツバメ繁殖地
保全への脅威
- 東日本大震災(地震、津波)により倒木・塩害を受け一部に枯れ木が発生。
- カワウのねぐらが島の北側にもでき、アカマツの枯れ木が数本見られる(将来繁殖コロニーに変わると被害が大きい)。
- ウミツバメ類の営巣地のオオバジャノヒゲの減少
- オオミズナギドリの増加
- ドブネズミの侵入
- ヤダケの増加
- 餌の海洋生物の減少
- 島周辺の延縄漁、刺し網等
- PCBや環境ホルモン、マイクロプラスチックなどの海洋汚染
- 重油流失等の海洋事故
- 海鳥の繁殖期に釣り人などの上陸
保全活動
- 環境管理:
繁殖期の巡回、表土の流失防止柵、ウミツバメ用巣箱の設置(環境省宮古自然保護管事務所)、
クロコシジロウミツバメ繁殖地の保全活動(山階鳥類研究所) - モニタリング調査:
内容:環境省モニタリングサイト1000(環境省)、
標識調査(山階鳥類研究所)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 656KB)
※日出島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら