JP036 蕪島(かぶしま)
青森県:八戸市
位置 | N 40°32′ E 141°33′ |
面積 | 2ha |
環境構成【島嶼/草地】
写真:関下斉
蕪島は所々、岩肌の上に薄く堆積物が分布しアブラナなどが繁茂している。島は地元の信仰の対象になっていて島頂には神社があり、神社に至るコンクリート製の幅広の階段が設置されている。島は道路で繋がれ岬のようになっている。道路は観光バスが自由に往来できる状態で、片側が漁港、もう一方が砂浜になっていて、砂浜が切れると磯になり海食崖へと繋がる。海ではワカメ養殖が行われウキが多数浮かんでいる。ウキやロープにつくノリがコクガンの主な餌になっている。
選定理由
A4i | ウミネコ |
A4iii | ウミネコ |
保護指定
サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
国立公園(三陸復興)、自然環境保全地域
<その他>
国指定天然記念物蕪島ウミネコ繁殖地
保全への脅威
- 蕪島の斜面補修工事の際に、植栽が行われ高茎草本が繁茂するようになり、ウミネコの繁殖を阻害している。また、播種されたアブラナが増えすぎてロゼットが冬期~春に表土をカバーし、ウミネコの営巣が阻害されるほか、冬鳥が餌を取りづらくなっている。
- 蕪島神社消失に伴い神社再建が行われている。ウミネコの繁殖に影響が予想される工法が提案されるなど監視と提言などのチェックが必要。
- 繁殖期に餌付けを行う観光客が見られ、巣立ちビナ数に悪影響が見られる。
- 蕪島周辺地でのウミネコ繁殖地縮小が見られ、蕪島への依存度が高まっている。
- 釣り糸被害を受ける個体が見られ、被害鳥を攻撃したウミネコが更に絡まるなどの二次被害が見られる。
- 八戸港全域での沖合の防波堤設置が進み、八戸港の水質悪化が蕪島周辺に及びつつある。
保全活動
- 環境管理:実施者(八戸市)
内容:八戸市が常設するウミネコ監視員による監視、清掃活動 - 外来種のコントロール:実施者(八戸市)
内容:高茎草本の秋の草刈り。アレチウリの駆除。 - 保全のための人材育成活動:実施者(八戸市)
内容:ウミネコ監視員の常設 - モニタリング調査:実施者(大学ほか)
内容:モニタリングではないが生態調査を個人、名城大学、大阪大学が行っている。
ヒナを対象にバンディング調査(蕪島を守る会) - 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等):実施者(有料ガイド)
内容:国立公園内であること、ジオサイト指定されていることから有料ガイドがガイドを行っている。 - 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会青森県支部)
内容:探鳥会
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 725KB)
※蕪島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら