JP128 吉野川下流域(よしのがわかりゅういき)
徳島県:徳島市、鳴門市、小松島市、松茂町、北島町、藍住町
位置 | N 34°05′ E 134°35′ |
面積 | 3,800ha |
環境構成【河川/干潟】
写真:三宅武
四国の瓶ヶ森(石鎚山系)に源を発し、中央構造線に沿って東に流れる、長さ193km、河口幅1.3kmの四国第一の河川である。
また、古くは「四国三郎」とも称され日本でも有数の大河川である。このサイトは両岸と河口から10.5㎞にある名田橋までが領域となる。
広域水面を囲む両側の河川敷にはスポーツ用グラウンド、畑地、水田、竹林と、ヤナギ、センダンなどの樹木が少しある。そして重要な環境である中洲、干潟、砂洲、ヨシ原などがある。河口の島状となる砂質性干潟は最大干潮時で60haとなる。
また、河川敷のヨシ原の周囲は泥質性干潟となっている。底生生物の中でカニの種類と数が多く、特にシオマネキは全国屈指の繁殖地である。この豊富なカニ類を餌にする大型シギ・チドリ類が数多く飛来する。
選定理由
A4i | ヒドリガモ |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
<保護指定の内容>
県指定鳥獣保護区(大神子)
<その他>
東アジア・オーストラリア地域フライウェイパートナーシップ参加地
保全への脅威
- 大規模な護岸修復工事中
- アナジャコ採りの水流ポンプによる干潟破壊
- 柿原堰から吉野川北岸大規模農業用水取り込み口の工事中
- 吉野川河口に2012年4月 「しらさぎ大橋」が完成し、夜間に欄干内に組み込まれたLED照明が問題である。車走行時にLED照明を遮断しながら長い生物のような動きが生まれ、さらに騒音を伴う。カモ類全体が少なくなった。
- ヒドリガモは全体では大きな変化はない。河口部エリアから上流部、今切川、旧吉野川に移動していたと思われる。
保全活動
- 環境管理:実施者(国交省徳島国道河川事務所、徳島県生活安全課)
内容:対応する行政機関と協議、公開会議において環境情報(シギチドリを含めた野鳥の増減)の交換 - 外来種のコントロール:実施者(国交省徳島国道河川事務所)
内容:河口中州でナルトサワギクの抜き取り(毎年)
生物多様性とくしま会議:ジャンボタニシ、ナルトサワギクの県内分布調査 - 環境教育活動:実施者(日本野鳥の会徳島県支部)
内容:河口の野鳥観察会(城東小学校4年生60名、毎年12月)、住吉・城東公民館野鳥観察会(年3回)、若者・一般家族連れ120名を2回(2014年実施)(トヨタ、徳新、日本野鳥の会徳島県支部)、一般参加もOKの探鳥会(年12回実施)、自然観察会の実施(とくしま自然観察の会) - モニタリング調査:実施者(日本野鳥の会徳島県支部)
内容:ホウロクシギ調査(3月~5月 総数)、ハマシギなどの足環調査(春秋)、河口干潟と流通港湾の底生生物調査(3ヶ月に1回)、鳥獣生息状況調査におけるガン・カモ・ハクチョウ類調査などの調査活動(徳島県など) - その他:実施者(日本野鳥の会徳島県支部)
行政等に対する要望活動(保護区の設定の要望、ラムサール指定地のための署名活動)
地元の住吉公民館ホームページへ「住吉干潟の生き物」として季節の野鳥情報を提供
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 834KB)