JP159 やんばる
沖縄県:国頭村、大宜味村、宜野座村、東村、名護市、恩納村
位置 | N 26°41′ E 128°11′ |
面積 | 37,000ha |
環境構成【樹林/照葉樹林】
写真:川那部真
やんばる(山原)は、ブナ科のスダジイ(沖縄の亜種イタジイ)が優先する常緑の照葉樹林である。地形はほとんどが山地で、自然性の高い亜熱帯性常緑広葉樹林が広がり、多様性に富む生物相を保持している。特に本地域にはノグチゲラ、ヤンバルクイナ、イシカワガエルなど固有種が多く生息するが、生息環境の悪化やマングースやノネコの影響などにより、絶滅の危機に瀕している。
山原(やんばる)の広大な国有林地域が米軍の演習場となっていたが、この演習場の一部が返還された。返還地を中心として、2016年に新しくやんばる国立公園が指定された。
選定理由
A1 | ヤンバルクイナ・アマミヤマシギ・ノグチゲラ |
A2 | ヤンバルクイナ・アマミヤマシギ・ノグチゲラ |
保護指定
サイトの一部(10~49%)に法的な担保がある。
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(やんばる)、県指定鳥獣保護区(西銘岳、佐手、与那覇岳、名護岳)、国立公園(やんばる)、都道府県立自然公園(沖縄海岸国定公園)、自然環境保全地域
<その他>
国指定天然記念物与那覇岳
保全への脅威
- マングース・ノネコによるヤンバルクイナの捕食
- 森林伐採・農地化
- 林道の建設・側溝への野生生物の落下
- 道路の延伸による交通事故の多発
- ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設事業問題
保全活動
- 外来種のコントロール
内容:外来種の捕獲・排除、マングース北上防止柵の設置(塩屋~福地間)(環境省、沖縄県、国頭村など)、移入種(ノネコなど)を防止するための活動(NPOどうぶつたちの病院) - 環境教育活動
内容:自然観察会の実施、パネル展など普及活動、森林保全のための環境教育活動(日本野鳥の会やんばる支部)、森林保全のための環境教育活動(NPOやんばるの森トラスト) - モニタリング調査
内容:希少種の調査(環境省、沖縄県、国頭村など)、調査・保護活動(日本野鳥の会やんばる支部、NPOやんばるの森トラスト) - 保全のための人材育成活動
内容:人材育成講座による地元住民ガイドの養成(NPO国頭ツーリズム協会) - 経済活動を通じた保全(エコツーリズム等)
内容:地元住民ガイドによる体感ツアープログラムの実施等、国頭村「やんばる学びの森」受託運営(NPO国頭ツーリズム協会) - その他
ヤンバルクイナ保護シェルターの設置(環境省、沖縄県、国頭村など)、ヤンバルクイナ救命救急センター(NPOどうぶつたちの病院)、トラスト(土地の確保)活動(NPOやんばるの森トラスト)
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 613KB)