JP144 白川河口(しらかわかこう)
熊本県:熊本市
位置 | N 32°47′ E 130°36′ |
面積 | 1,200ha |
環境構成【干潟/河川/溜池/蓮田などの農地】
写真:白石健一
白川は阿蘇カルデラに源を発し、熊本市西部で有明海にそそぐ河川で、その河口には沖合2kmを超える干潟が現われ、河口の干潟面積(坪井川・白川の両澪筋間)はおよそ600ha。干潮時、その干潟は、(白川の北)坪井川河口から、(白川の南)緑川河口まで周辺河口域が一体となった広大な干潟となるため、「白川・緑川干潟域」とも呼ばれる。
底質はもともと砂泥質であったが、現在は軟泥の部分も多い。また、アサリやハマグリの養殖のため覆砂も行なわれている。
海岸はコンクリートブロックにより補強された人工海岸。海岸の内側は、主に蓮田などに利用されている。白川河口南西には干潟を埋めたてて建設された熊本港港湾施設(137ha、1979年工事着工、1993年開港)があり、その西側部は夏期に航路浚渫土砂を搬入して埋め立てられており、一部が雨水、海水により溜池状態となることがある。付近への一般人の立入は禁止されている。
選定理由
A1 | クロツラヘラサギ |
A4i | クロツラヘラサギ・キアシシギ・ソリハシシギ・チュウシャクシギ |
保護指定
法的な担保がない、もしくはわずか(10パーセント未満)である
保全への脅威
- 熊本港の埋め立て(浚渫土砂搬入)は、2015年に完了予定であったが、2017年も継続中。東側半分は一時陸地化ののち、土砂搬入停止により湿地環境が戻った。しかし土砂搬入の続く西側半分はほとんど陸地化し湿地環境は僅かとなっている。
- カモ類への威嚇発砲(海苔養殖との兼ね合い)および違法な銃猟。
保全活動
- 環境教育活動:
内容:干潟体験やムツゴロウ観察、干潟の生態を学習など。(干潟フェスタ実行委員会)
年3回程度の探鳥会開催(日本野鳥の会熊本県支部) - 法律制定、政策、規制:実施者(熊本県)
内容:熊本港埋立地東側に7haの鳥獣保護区を指定。 - モニタリング調査:
内容:モニタリングサイト1000調査(シギ・チドリ類)(バードリサーチ)
シギ・チドリ類羽数調査、白川河口域の水鳥を中心にした継続調査、クロツラヘラサギ・ズグロカモメ県内一斉調査(日本野鳥の会熊本県支部) - その他:
野鳥公園の充実化推進(日本野鳥の会熊本県支部)
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