JP097 富士(ふじ)

山梨県:富士吉田市、富士河口湖町、鳴沢村、身延町 静岡県:富士宮市、富士市、裾野市、御殿場市、小山町

山梨県:富士吉田市、富士河口湖町、鳴沢村、身延町
静岡県:富士宮市、富士市、裾野市、御殿場市、小山町

位置 N 35°22′ E 138°44′
面積 15,000ha

環境構成【森林】

■富士五湖地方:富士山は、海抜0~3,776mまで溶岩と火山灰で形成されて比較的新しい山で単独峰である。
高山帯(2,400m以上)はカラマツ-ミヤマハンノキ帯でハイマツのない自然林。亜高山帯(1,800~2,400m)はカラマツ、シラビソ、ダケカンバなどの単独、混合林の自然林(この地帯は山梨県側、静岡県側、大体同じである)。山地帯(約700~1,800m)山梨県側(富士五湖または富士北麓地方)は青木ヶ原(ヒノキ、ツガの自然林)、植林地帯(カラマツ、シラビソが主体)、二次草原地帯に大別される。
参考:山地帯 天然林約50%、人工林約50%

■朝霧高原:富士山西麓から毛無山系に広がる標高約600m~900mの高原である。名前の通り、霧が多く発生することで知られている。朝霧高原はかつてススキの草原が広がっていたが、草原は年々少なくなり、現在は、農耕地、牧草地、植林地、灌木林、荒れ地、ゴルフ場、レジャー施設など多様な環境で構成されている。

選定理由

A3

保護指定

サイトの全域(90%以上)に法的な担保がある
<保護指定の内容>
県指定鳥獣保護区(本栖、富士山南)、国立公園(富士箱根伊豆)、都道府県立自然公園、自然環境保全地域、保護林
<その他>
国指定天然記念物富士山原始林及び青木ヶ原樹海

保全への脅威

■富士 富士五湖地域(山梨県側)

  • 粗大ごみの不法投棄
  • 植林地の管理形態
  • 青木ヶ原などへのエコツアー観光客の増大
  • スバルライン利用の一般観光客の増加
  • 山頂登山者増加によるゴミ、糞尿処理
  • 山小屋などへの物品運搬用ブルドーザー路、登山道整備による崩壊
  • 野鳥繁殖期のトレイルランニングの開催(忍野村)

■富士 朝霧高原

  • 草原の減少
  • ごみの不法投棄
  • 管理されていない植林地の増加
  • ハンググライダー、パラグライダー、モトクロスなどのレジャー施設の増加
  • 太陽光発電パネルの増加

保全活動

  • 環境管理:
    内容:富士山の清掃活動(富士山クラブなど)
    山小屋のエコ水洗トイレ化(国、県、地方自治体、山小屋組合)
  • 環境教育活動
    内容:探鳥会と探鳥地域の美化活動(日本野鳥の会富士山麓支部)
    探鳥会(朝霧高原、日本野鳥の会南富士支部)
    登山マナーの指導(県、地方自治体、山小屋組合)
  • モニタリング調査:実施者(日本野鳥の会南富士支部)
    内容:ガンカモ調査、カワウ調査、モニタリングサイト1000草原(全て朝霧高原)
  • その他
    平成26年富士山世界文化遺産に指定

※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 860KB)

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