JP088 火山列島(かざんれっとう)
東京都・小笠原村
位置 | N 24°47′ E 141°19′ |
面積 | 3,255ha |
環境構成【火山地形(島嶼)】
写真:小笠原自然文化研究所
硫黄列島は別名火山列島とも呼ばれ小笠原群島とは火山脈が異なるため今でも火山活動が活発である。東京から南へ約1,200kmの太平洋上に連なり北硫黄島、硫黄島、南硫黄島の3島からなる。硫黄島は面積約23.16㎢、最大標高約169mの平坦な地形の島であるが、南硫黄島は面積3.54k㎡、最高峰918m、北硫黄島は面積5.57k㎡、最高峰792mと海上からそそり立つように崖が続く急峻な地形である。
北硫黄島は戦前に人が居住した歴史があるが、第二次世界大戦後無人島化した。硫黄島は戦後も米国沿岸警備隊が常駐し、返還後は自衛隊が常駐している。先の大戦では激しい戦闘となり島のほとんどが焦土と化し、現在はギンネムが多くを占めている。島の北部には小笠原諸島では珍しい天然の池沼がある。南硫黄島は居住の歴史がなく人の手が及ばなかったため島全体が天然記念物と原生自然環境保全地域に指定されている。
選定理由
A2 | カラスバト |
A4ii | クロウミツバメ・アカオネッタイチョウ |
保護指定
サイトの大部分(50~90%)に法的な担保がある。
<保護指定の内容>
国指定鳥獣保護区(北硫黄島)、国立公園(小笠原)、自然環境保全地域、保護林
<その他>
国指定天然記念物南硫黄島
保全への脅威
- 漁業の影響
- 東南海地震時の津波、西之島の山体崩壊時の津波、小笠原近海地震の津波、硫黄島における大規模火山噴火時の津波等が想定されている.火山噴火では、西之島とならび硫黄島そのものの大規模噴火の危険性が指摘されている.
- 軍事演習(硫黄島は第二次世界大戦の激戦地。 硫黄島海域では、毎年日米軍事演習が行われている。)
- 外来種の影響(北硫黄島で、戦前・戦後(初期)に記録された海鳥相が存続しておらず、ネズミ類の悪影響が強く示唆されることが明らかになった。また、同島にはクマネズミだけでなく、ドブネズミが生息していることが明らかになった。硫黄島に生息するネズミ類もドブネズミである可能性が高い。硫黄島においてノネコが増加している可能性がある。
南硫黄島は、ネズミ類など侵略的外来種の侵入がない海洋島として、世界的に貴重であり、原生自然環境保全地域に指定されている。硫黄島は、一般人の居住はないが、軍事基地となっており、小笠原諸島最大の外来種の生息地となっている。鳥がベクターとなる可能性を含めて、硫黄島から南硫黄への外来種の拡散が懸念されている。)
保全活動
- 法律制定、政策、規制:実施者(環境省、林野庁等)
原生自然環境保全地域、国立公園特別保護地区等、森林生態系保全地域等 - モニタリング調査:実施者(東京都)
北硫黄島におけるアカガシラカラスバト生息状況調査を継続中。
※サイト情報の詳細版はこちら(PDF 475KB)
※火山列島の周辺海域は、マリーンIBA(Marine Important Bird and Biodiversity Areas:海鳥の重要生息地)に選定されている。 詳しくはこちら